(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039658
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B41J2/165 207
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146890
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】武田 大司
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EA23
2C056EB04
2C056EB11
2C056EB36
2C056EB38
2C056EC04
2C056EC11
2C056EC23
2C056EC35
2C056EC54
2C056FA10
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】ノズルから空吐出される液体を受ける受け部を小型化し易い液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置10は、それぞれが液体を吐出する複数のノズル34を有し、第1方向に移動可能であるカートリッジ24と、第1方向と直交する第2方向に移動可能であり、複数のノズル34のそれぞれから空吐出される液体を受けることが可能なメンテナンスステーション26とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが液体を吐出する複数のノズルを有し、第1方向に移動可能である吐出部と、
前記第1方向と直交する第2方向に移動可能であり、前記複数のノズルのそれぞれから空吐出される液体を受けることが可能な受け部とを備える、
液体吐出装置。
【請求項2】
前記吐出部および前記受け部のそれぞれを制御する制御部をさらに備え、
前記複数のノズルは、2つ以上のグループに分けられ、
前記2つ以上のグループのそれぞれには、前記複数のノズルのうち1つ以上のノズルが属し、
前記制御部は、前記2つ以上のグループのうち1つのグループ単位で、前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる、
請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記2つ以上のグループは、少なくとも前記第2方向に並ぶ、
請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記受け部は、前記第1方向と直交しかつ前記第2方向と直交する第3方向に開口する開口部を有し、
前記制御部は、前記第3方向から見たときに、前記開口部の中心と前記2つ以上のグループのうち1つのグループの中心とが一致した状態で、当該1つのグループに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる、
請求項2または3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズルがあるか否かを判定し、当該ノズルがある場合、前記2つ以上のグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる、
請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数のノズルのそれぞれが最後に液体を吐出してからの経過期間に基づいて、前記2つ以上のグループのうち液体を空吐出させるグループ、および当該グループに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるタイミングを決定する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズルである第1ノズルがあるか否か、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第1期間よりも長い第2期間が経過したノズルである第2ノズルがあるか否か、および前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第2期間よりも長い第3期間が経過したノズルである第3ノズルがあるか否かを判定し、
前記液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルの少なくとも一方がある場合、前記2つ以上のグループのうち、前記第1ノズルが属するグループ、前記第2ノズルが属するグループ、および前記第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる、
請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズルである第1ノズルがあるか否か、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第1期間よりも長い第2期間が経過したノズルである第2ノズルがあるか否か、および前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第2期間よりも長い第3期間が経過したノズルである第3ノズルがあるか否かを判定し、
前記液体吐出装置による液体の吐出動作中に、前記第3ノズルがある場合、前記液体吐出装置による液体の吐出動作を中断させ、前記2つ以上のグループのうち、前記第2ノズルが属するグループ、および前記第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる、
請求項6に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を吐出する液体吐出装置が知られている。たとえば、液体吐出装置の一例として、特許文献1には、インクを吐出するノズルを備えるインクジェットプリンタが開示されている。また、特許文献1には、インクジェットプリンタのノズルをメンテナンスするためのメンテナンスステーションが開示されている。特許文献1では、インクジェットプリンタのノズルをメンテナンスするために、ノズルからメンテナンスステーションにインクが空吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、インクジェットプリンタが備える複数のノズルの全部からメンテナンスステーションに一斉にインクを空吐出しようとすると、メンテナンスステーションを複数のノズルの全部から一斉に空吐出されるインクを受け取れる大きさにしなければならないので、メンテナンスステーションを小型化し難いという課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、ノズルから空吐出される液体を受ける受け部を小型化し易い液体吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る液体吐出装置は、それぞれが液体を吐出する複数のノズルを有し、第1方向に移動可能である吐出部と、前記第1方向と直交する第2方向に移動可能であり、前記複数のノズルのそれぞれから空吐出される液体を受けることが可能な受け部とを備える。
【0007】
本態様によれば、吐出部が移動する第1方向と直交する第2方向に受け部を移動させることができるので、受け部を大きくすることなく、受け部を第2方向に移動させて複数のノズルのそれぞれから空吐出される液体を受けることができるので、受け部を小型化し易い。
【0008】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置は、前記吐出部および前記受け部のそれぞれを制御する制御部をさらに備え、前記複数のノズルは、2つ以上のグループに分けられ、前記2つ以上のグループのそれぞれには、前記複数のノズルのうち1つ以上のノズルが属し、前記制御部は、前記2つ以上のグループのうち1つのグループ単位で、前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるように構成してもよい。
【0009】
本態様によれば、1つのグループ単位で1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させることができるので、受け部を複数のノズルの全部から一斉に空吐出される液体を受けることができる大きさにする必要がなく、1つのグループに属する1つ以上のノズルから一斉に空吐出される液体を受けることができる大きさにすればよいので、受け部をさらに小型化し易い。
【0010】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記2つ以上のグループは、少なくとも前記第2方向に並ぶように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、2つ以上のグループは少なくとも受け部が移動する方向に並んでいるので、受け部を大きくすることなく、受け部を第2方向に移動させて2つ以上のグループのそれぞれに属する1つ以上のノズルのそれぞれから空吐出される液体を受けることができるので、受け部をさらに小型化し易い。
【0012】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記受け部は、前記第1方向と直交しかつ前記第2方向と直交する第3方向に開口する開口部を有し、前記制御部は、前記第3方向から見たときに、前記開口部の中心と前記2つ以上のグループのうち1つのグループの中心とが一致した状態で、当該1つのグループに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、受け部を大きくすることなく、1つのグループに属する1つ以上のノズルのそれぞれから空吐出される液体を受け易いので、受け部をさらに小型化し易い。
【0014】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記制御部は、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズルがあるか否かを判定し、当該ノズルがある場合、前記2つ以上のグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、複数のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる必要がある場合にのみ液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制できる。
【0016】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記制御部は、前記複数のノズルのそれぞれが最後に液体を吐出してからの経過期間に基づいて、前記2つ以上のグループのうち液体を空吐出させるグループ、および当該グループに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるタイミングを決定するように構成してもよい。
【0017】
本態様によれば、2つ以上のグループのうち液体を空吐出させる必要があるグループに属する1つ以上のノズルのみから液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加をさらに抑制できる。
【0018】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記制御部は、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズルである第1ノズルがあるか否か、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第1期間よりも長い第2期間が経過したノズルである第2ノズルがあるか否か、および前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第2期間よりも長い第3期間が経過したノズルである第3ノズルがあるか否かを判定し、前記液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルの少なくとも一方がある場合、前記2つ以上のグループのうち、前記第1ノズルが属するグループ、前記第2ノズルが属するグループ、および前記第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるように構成してもよい。
【0019】
本態様によれば、液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、長期間に亘って液体を吐出していないノズルがある場合、当該ノズルから液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制しつつ、当該ノズルが詰まることを抑制できる。
【0020】
たとえば、本発明の一態様に係る液体吐出装置において、前記制御部は、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズルである第1ノズルがあるか否か、前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第1期間よりも長い第2期間が経過したノズルである第2ノズルがあるか否か、および前記複数のノズルのうち最後に液体を吐出してから前記第2期間よりも長い第3期間が経過したノズルである第3ノズルがあるか否かを判定し、前記液体吐出装置による液体の吐出動作中に、前記第3ノズルがある場合、前記液体吐出装置による液体の吐出動作を中断させ、前記2つ以上のグループのうち、前記第2ノズルが属するグループ、および前記第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する前記1つ以上のノズルのそれぞれから液体を空吐出させるように構成してもよい。
【0021】
本態様によれば、液体吐出装置による液体の吐出動作中に、長期間に亘って液体を吐出していないノズルがある場合、液体吐出装置による液体の吐出動作を中断して当該ノズルから液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制しつつ、当該ノズルが詰まることを抑制できる。
【0022】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える液体吐出装置として実現することができるだけでなく、液体吐出装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする制御方法として実現することができる。また、液体吐出装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは制御方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様に係る液体吐出装置によれば、ノズルから空吐出される液体を受ける受け部を小型化し易い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の液体吐出装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるキャリッジ駆動部等を省略した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の液体吐出装置のカートリッジ等を示す模式図である。
【
図5】
図5は、
図1の液体吐出装置のカートリッジおよびメンテナンスステーション等を示す模式図である。
【
図6】
図6は、
図1の液体吐出装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図1の液体吐出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、複数のノズルのそれぞれから液体を空吐出させる際のカートリッジおよびメンテナンスステーションの動きを示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る液体吐出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態3に係る液体吐出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図は、必ずしも各寸法または各寸法比等を厳密に図示したものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置10の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1の液体吐出装置10の内部構造を示す斜視図である。
図3は、
図2におけるキャリッジ駆動部20等を省略した状態を示す斜視図である。具体的には、
図3は、
図2におけるキャリッジ駆動部20、キャリッジ22、およびカートリッジ24を省略した状態を示す斜視図である。
図1から
図3を参照して、液体吐出装置10の全体構成について説明する。
【0027】
図1から
図3に示すように、液体吐出装置10は、液体を吐出する装置であり、筐体12と、トレイ支持部14と、トレイ16と、ウェルプレート18と、キャリッジ駆動部20と、キャリッジ22と、カートリッジ24と、メンテナンスステーション26と、メンテナンスステーション駆動部28とを備えている。本実施の形態では、液体吐出装置10は、液体を分注する液体分注装置であり、液体は、薬液である。なお、たとえば、液体吐出装置10は、印刷装置であってもよく、液体は、インクであってもよい。
【0028】
なお、以下の説明では、キャリッジ22が移動する方向を第1方向とし、メンテナンスステーション26が移動する方向を第2方向とし、第1方向と直交しかつ第2方向と直交する方向を第3方向として説明する。本実施の形態では、第2方向は、第1方向と直交している。第1方向は、
図1等におけるX軸で示す方向であり、第2方向は、
図1等におけるY軸で示す方向であり、第3方向は、
図1等におけるZ軸で示す方向である。
【0029】
筐体12は、トレイ支持部14、キャリッジ駆動部20、キャリッジ22、カートリッジ24、メンテナンスステーション26、およびメンテナンスステーション駆動部28等を収容している。筐体12は、第2方向における一方側(Y軸方向のマイナス側)の側面において開口部30を有している。また、筐体12は、第2方向における他方側(Y軸方向のプラス側)の側面において開口部(図示せず)を有している。
【0030】
トレイ支持部14は、トレイ16を第2方向に摺動可能に支持している。トレイ16は、ウェルプレート18を着脱可能に支持している。ウェルプレート18は、それぞれがカートリッジ24から吐出された液体を貯留する複数のウェル32を有している。トレイ16を開口部30から第2方向の一方側に引き出した状態において、トレイ16に対してウェルプレート18を着脱できる。
【0031】
キャリッジ駆動部20は、キャリッジ22を第1方向に移動させる。たとえば、キャリッジ駆動部20は、モータおよび駆動軸等を有しており、モータおよび駆動軸等によってキャリッジ22を第1方向に移動させる。キャリッジ22は、カートリッジ24を着脱可能に収容している。
【0032】
カートリッジ24は、それぞれが液体を吐出する複数のノズル34(
図4を参照)を有し、第1方向に移動可能である吐出部の一例である。カートリッジ24は、複数のノズル34のそれぞれから吐出される液体を保持している。カートリッジ24は、キャリッジ22に収容された状態において、キャリッジ22とともに第1方向に移動可能である。複数のノズル34は、第3方向の一方側(Z軸方向のマイナス側)に液体を吐出する。
【0033】
メンテナンスステーション26は、第2方向に移動可能であり、複数のノズル34のそれぞれからから空吐出された液体を受ける受け部の一例である。たとえば、空吐出とは、ノズル34が詰まることを抑制するための当該ノズル34からの液体の吐出である。たとえば、液体吐出装置10が液体分注装置である場合、空吐出は、液体の分注に寄与しない液体の吐出である。また、たとえば、液体吐出装置10が印刷装置である場合、空吐出は、印刷に寄与しない液体の吐出である。メンテナンスステーション26は、メンテナンスステーション開口部36を有している。メンテナンスステーション開口部36は、第3方向の他方側(Z軸方向のプラス側)に開口している開口部である。
【0034】
メンテナンスステーション駆動部28は、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させる。たとえば、メンテナンスステーション駆動部28は、モータおよび駆動軸等を有しており、モータおよび駆動軸等によってメンテナンスステーション26を第2方向に移動させる。
【0035】
以上、液体吐出装置10の全体構成について説明した。
【0036】
図4は、
図1の液体吐出装置10のカートリッジ24等を示す模式図である。具体的には、
図4は、カートリッジ24等を第3方向の他方側から見た模式図である。
図4を参照して、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6について説明する。
【0037】
図4に示すように、カートリッジ24は、第3方向の一方側の面において、複数のノズル34を有している。複数のノズル34は、第1方向および第2方向に並んでいる。
【0038】
複数のノズル34は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6に分けられている。本実施の形態では、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6は、複数の第1グループA1~A6と、複数の第2グループB1~B6と、複数の第3グループC1~C6とを含んでいる。
【0039】
2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6は、少なくとも第2方向に並んでいる。具体的には、複数の第1グループA1~A6は、第2方向に並んでいる。複数の第2グループB1~B6は、第2方向に並んでおり、第1方向において複数の第1グループA1~A6と並んでいる。複数の第3グループC1~C6は、第2方向に並んでおり、第1方向において複数の第1グループA1~A6および複数の第2グループB1~B6と並んでいる。複数の第3グループC1~C6は、複数の第2グループB1~B6に対して複数の第1グループA1~A6側とは反対側に位置している。
【0040】
たとえば、複数の第1グループA1~A6、複数の第2グループB1~B6、および複数の第3グループC1~C6は、相互に異なる薬剤を吐出するグループである。なお、たとえば、液体吐出装置10が印刷装置である場合、複数の第1グループA1~A6、複数の第2グループB1~B6、および複数の第3グループC1~C6は、相互に異なる色のインクを吐出するグループである。具体的には、たとえば、複数の第1グループA1~A6は、シアンのインクを吐出するグループであり、複数の第2グループB1~B6は、マゼンタのインクを吐出するグループであり、複数の第3グループC1~C6は、イエローのインクを吐出するグループである。
【0041】
2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれには、複数のノズル34のうち1つ以上のノズル34が属している。つまり、複数の第1グループA1~A6のそれぞれ、複数の第2グループB1~B6のそれぞれ、および複数の第3グループC1~C6のそれぞれには、複数のノズル34のうち1つ以上のノズル34が属している。
【0042】
以上、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6について説明した。
【0043】
図5は、
図1の液体吐出装置10のカートリッジ24およびメンテナンスステーション26等を示す模式図である。具体的には、
図5は、カートリッジ24およびメンテナンスステーション26等を第3方向の他方側から見た模式図である。なお、
図5では、複数のノズル34のうちいくつかの図示を省略している。
図5を参照して、メンテナンスステーション26について説明する。
【0044】
図5に示すように、メンテナンスステーション開口部36は、第3方向から見たとき、複数のノズル34の全部とは重ならず、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループに属する1つ以上のノズル34の全部と重なる大きさに形成されている。具体的には、たとえば、メンテナンスステーション開口部36は、第3方向から見たとき、グループA1に属する1つ以上のノズル34の全部と重なる大きさに形成されている。当該1つ以上のノズル34から一斉に空吐出された液体は、メンテナンスステーション開口部36からメンテナンスステーション26内に入り込み、メンテナンスステーション26に貯留される。
【0045】
以上、メンテナンスステーション26について説明した。
【0046】
図6は、
図1の液体吐出装置10の機能構成を示すブロック図である。
図6を参照して、液体吐出装置10の機能構成について説明する。
【0047】
図6に示すように、液体吐出装置10は、タイマー38と、メモリ40と、制御部42とをさらに備えている。
【0048】
タイマー38は、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出してからの時間を計測する。
【0049】
メモリ40は、メンテナンスログ等を記憶している。具体的には、たとえば、メモリ40は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6の設定、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6毎の吐出後の経過時間、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6毎のフラグの状態、および液体吐出装置10の状態(分注中状態またはIDLE状態等)を記憶している。
【0050】
制御部42は、カートリッジ24およびメンテナンスステーション26のそれぞれを制御する。制御部42は、判定部44と、キャリッジ制御部46と、メンテナンスステーション制御部48と、ノズル決定部50と、吐出制御部52とを備えている。たとえば、制御部42は、プロセッサ等によって実現される。
【0051】
判定部44は、タイマー38によって計測された時間に基づいて、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34があるか否かを判定する。たとえば、所定期間は、予め定められてメモリ40に記憶されている。
【0052】
キャリッジ制御部46は、キャリッジ駆動部20を制御することによって、キャリッジ22の移動を制御する。たとえば、キャリッジ制御部46は、複数のノズル34のいずれかから液体を空吐出させる場合、キャリッジ駆動部20を制御し、キャリッジ22をメンテナンス領域まで移動させる。
【0053】
メンテナンスステーション制御部48は、メンテナンスステーション駆動部28を制御することによって、メンテナンスステーション26の移動を制御する。たとえば、メンテナンスステーション制御部48は、複数のノズル34のいずれかから液体を空吐出させる場合、メンテナンスステーション駆動部28を制御し、複数のノズル34のうち液体を空吐出させる1つ以上のノズル34の下方にメンテナンスステーション開口部36が位置するように、メンテナンスステーション26を移動させる。
【0054】
キャリッジ制御部46およびメンテナンスステーション制御部48は、第3方向から見たときに、メンテナンスステーション開口部36の中心と2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループの中心とが一致した状態で、当該1つのグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0055】
たとえば、
図5の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、グループA1に10個のノズル34が属している場合、グループA1の中心は、第3方向から見たときに、10個のノズル34の中心を順に線分で繋いで形成される図形の中心D2である。たとえば、当該図形が矩形状の場合、当該矩形状の中心である。また、たとえば、グループA1に2つのノズル34のみが属している場合、グループA1の中心は、第3方向から見たときに、2つのノズル34の中心を繋いだ線分の中心である。
【0056】
たとえば、キャリッジ制御部46およびメンテナンスステーション制御部48は、グループA1に属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる場合、第3方向から見たときに、メンテナンスステーション開口部36の中心D1とグループA1の中心D2とが一致するように、カートリッジ24およびメンテナンスステーション26の位置を制御する。グループA2からグループC6についても同様である。
【0057】
ノズル決定部50は、複数のノズル34のうち液体を空吐出させる1つ以上のノズル34を決定する。たとえば、ノズル決定部50は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34がある場合、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させることを決定する。
【0058】
吐出制御部52は、複数のノズル34のそれぞれについて、液体の吐出および空吐出を制御する。たとえば、吐出制御部52は、複数のノズル34のうちノズル決定部50によって決定された1つ以上のノズル34から液体を空吐出させる。具体的には、たとえば、吐出制御部52は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34がある場合、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0059】
また、たとえば、吐出制御部52は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループ単位で、1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。つまり、たとえば、吐出制御部52は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち、1つのグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させた後、当該1つのグループとは異なる1つのグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0060】
以上、液体吐出装置10の機能構成について説明した。
【0061】
図7は、
図1の液体吐出装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図8は、複数のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる際のカートリッジ24およびメンテナンスステーション26の動きを示す模式図である。なお、
図8では、キャリッジ22およびカートリッジ24等を破線で示している。
図7および
図8を参照して、液体吐出装置10の動作の一例について説明する。
【0062】
図7に示すように、まず、タイマー38は、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出してからの経過時間を計測する(ステップS1)。
【0063】
次に、制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34があるか否かを判定する(ステップS2)。
【0064】
制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34がある場合(ステップS2でYes)、メンテナンス要求フラグを立てる(ステップS3)。
【0065】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34がない場合(ステップS2でNo)、およびメンテナンス要求フラグを立てた場合(ステップS3)、液体吐出装置10による液体の吐出動作が終了したか否かを判定する(ステップS4)。たとえば、液体吐出装置10が液体分注装置である場合、液体吐出装置10による液体の吐出動作とは、液体を分注するために液体を吐出する動作である。また、たとえば、液体吐出装置10が印刷装置である場合、液体吐出装置10による液体の吐出動作とは、印刷するために液体を吐出する動作である。
【0066】
液体吐出装置10による液体の吐出動作が終了していない場合(ステップS4でNo)タイマー38は、再度、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出したタイミングからの経過時間を計測する(ステップS1)。
【0067】
液体吐出装置10による液体の吐出動作が終了した場合(ステップS4でYes)、制御部42は、メンテナンス要求フラグが立っているか否かを判定する(ステップS5)。
【0068】
制御部42は、メンテナンス要求フラグが立っている場合(ステップS5でYes)、複数のノズル34のメンテナンスを実行する(ステップS6)。たとえば、制御部42は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0069】
たとえば、
図8に示すような順番で、制御部42は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0070】
具体的には、たとえば、まず、制御部42は、グループC1に属している1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0071】
次に、制御部42は、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させながら、グループC2~C6の順番に、グループC2~C6のそれぞれに属している1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0072】
次に、制御部42は、キャリッジ22を第1方向に移動させ、グループB6に属している1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0073】
次に、制御部42は、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させながら、グループB5~B1の順番に、グループB5~B1のそれぞれに属している1つ以上のノズル34のそれぞれから空吐出させる。
【0074】
次に、制御部42は、キャリッジ22を第1方向に移動させ、グループA1に属している1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0075】
次に、制御部42は、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させながら、グループA2~A6の順番に、グループA2~A6のそれぞれに属している1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0076】
制御部42は、メンテナンス要求フラグが立っていない場合(ステップS5でNo)、および複数のノズル34のメンテナンスを実行した場合(ステップS6)、処理を終了する。
【0077】
以上、液体吐出装置10の動作の一例について説明した。
【0078】
上述したように、液体吐出装置10では、メンテナンスステーション26が第2方向に移動可能であるので、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6毎に、当該グループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させることができる。したがって、複数のノズル34の全部から一斉に液体を空吐出させること必要がないので、メンテナンスステーション開口部36の大きさを小さくでき、メンテナンスステーション26が大きくなることを抑制できる。
【0079】
また、複数のノズル34の全部から一斉に空吐出させると、空気流の影響等によって、サテライト滴および跳ね返り滴等が発生し、空吐出した液体がメンテナンスステーション26の外に飛び散ることがある。また、複数のノズル34の全部から一斉に液体を空吐出させると、液体を空吐出させる必要がないノズル34についても液体を空吐出させてしまうので、液体のロスが増大する。液体吐出装置10では、複数のノズル34の全部ではなく、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6毎に当該グループに属する1つ以上のノズル34から液体を空吐出させることができるので、空吐出した液体がメンテナンスステーション26の外に飛び散ることを抑制できるとともに、液体のロスの増大を抑制できる。
【0080】
以上、実施の形態1に係る液体吐出装置10について説明した。
【0081】
本実施の形態に係る液体吐出装置10は、それぞれが液体を吐出する複数のノズル34を有し、第1方向に移動可能であるカートリッジ24と、第1方向と直交する第2方向に移動可能であり、複数のノズル34のそれぞれから空吐出される液体を受けることが可能なメンテナンスステーション26とを備える。
【0082】
これによれば、カートリッジ24が移動する第1方向と直交する第2方向にメンテナンスステーション26を移動させることができるので、メンテナンスステーション26を大きくすることなく、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させて複数のノズル34のそれぞれから空吐出される液体を受けることができるので、メンテナンスステーション26を小型化し易い。
【0083】
また、本実施の形態に係る液体吐出装置10は、カートリッジ24およびメンテナンスステーション26のそれぞれを制御する制御部42をさらに備え、複数のノズル34は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6に分けられ、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれには、複数のノズル34のうち1つ以上のノズル34が属し、制御部42は、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループ単位で、1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0084】
これによれば、1つのグループ単位で1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させることができるので、メンテナンスステーション26を複数のノズル34の全部から一斉に空吐出される液体を受けることができる大きさにする必要がなく、1つのグループに属する1つ以上のノズル34から一斉に空吐出される液体を受けることができる大きさにすればよいので、メンテナンスステーション26をさらに小型化し易い。
【0085】
また、本実施の形態に係る液体吐出装置10において、2つ以上のグループは、少なくとも第2方向に並ぶ。
【0086】
これによれば、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6は少なくともメンテナンスステーション26が移動する方向に並んでいるので、メンテナンスステーション26を大きくすることなく、メンテナンスステーション26を第2方向に移動させて2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから空吐出される液体を受けることができるので、メンテナンスステーション26をさらに小型化し易い。
【0087】
また、本実施の形態に係る液体吐出装置10において、メンテナンスステーション26は、第1方向と直交しかつ第2方向と直交する第3方向に開口するメンテナンスステーション開口部36を有し、制御部42は、第3方向から見たときに、メンテナンスステーション開口部36の中心と2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループの中心とが一致した状態で、当該1つのグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0088】
これによれば、メンテナンスステーション26を大きくすることなく、1つのグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから空吐出される液体を受け易いので、メンテナンスステーション26をさらに小型化し易い。
【0089】
また、本実施の形態に係る液体吐出装置10において、制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから所定期間が経過したノズル34があるか否かを判定し、当該ノズル34がある場合、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0090】
これによれば、複数のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる必要がある場合にのみ液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制できる。
【0091】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係る液体吐出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9を参照して、実施の形態2に液体吐出装置の動作の一例について説明する。なお、本動作の一例は、液体吐出装置による液体の吐出動作が行われていない状態における液体吐出装置の動作の一例である。
【0092】
本実施の形態に係る液体吐出装置において、制御部42は、複数のノズル34のそれぞれが最後に液体を吐出してからの経過期間に基づいて、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち液体を空吐出させるグループ、および当該グループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させるタイミングを決定する。
【0093】
図9に示すように、まず、タイマー38は、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出してからの経過時間を計測する(ステップS11)。
【0094】
次に、制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズル34があるか否かを判定する(ステップS12)。たとえば、第1期間は、予め定められてメモリ40に記憶されている。
【0095】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズル34がある場合(ステップS12でYes)、当該ノズル34に対してNOTICEフラグを立てる(ステップS13)。たとえば、NOTICEフラグは、最後に液体を吐出した時間から短期間(第1期間)が経過すると、Highになる信号である。
【0096】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズルがない場合(ステップS12でNo)、およびNOTICEフラグを立てた場合(ステップS13)、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第2期間が経過したノズル34があるか否かを判定する(ステップS14)。たとえば、第2期間は、第1期間よりも長い期間であり、予め定められてメモリ40に記憶されている。
【0097】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第2期間が経過したノズル34がある場合(ステップS14でYes)、当該ノズル34に対してCAUTIONフラグを立てる(ステップS15)。たとえば、CAUTIONフラグは、最後に液体を吐出した時間から中期間(第2期間)が経過すると、Highになる信号である。
【0098】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第2期間が経過したノズルがない場合(ステップS14でNo)、およびCAUTIONフラグを立てた場合(ステップS15)、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第3期間が経過したノズル34があるか否かを判定する(ステップS16)。たとえば、第3期間は、第2期間よりも長い期間であり、予め定められてメモリ40に記憶されている。
【0099】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第3期間が経過したノズル34がある場合(ステップS16でYes)、当該ノズル34に対してEMERGENCYフラグを立てる(ステップS17)。たとえば、EMERGENCYフラグは、最後に液体を吐出した時間から長期間(第3期間)が経過すると、Highになる信号である。
【0100】
このように、制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズル34である第1ノズルがあるか否か、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間よりも長い第2期間が経過したノズル34である第2ノズルがあるか否か、および複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第2期間よりも長い第3期間が経過したノズル34である第3ノズルがあるか否かを判定する。
【0101】
たとえば、ノズルが最後に液体を吐出してから当該ノズルへの影響(目詰まり等)が発生し得る直前のタイミングまでの期間を第3期間として設定し、第2期間を第3期間よりも短く設定し、第1期間を第2期間よりも短く設定する。これらの期間の設定値は、薬剤およびカートリッジに依存する。
【0102】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第3期間が経過したノズルがない場合(ステップS16でNo)、およびEMERGENCYフラグを立てた場合(ステップS17)、CAUTIONフラグおよびEMERGENCYフラグの少なくとも一方が立っているか否かを判定する(ステップS18)。
【0103】
CAUTIONフラグおよびEMERGENCYフラグの少なくとも一方が立っていない場合(ステップS18でNo)、タイマー38は、再度、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出してからの経過時間を計測する(ステップS11)。
【0104】
制御部42は、CAUTIONフラグおよびEMERGENCYフラグの少なくとも一方が立っている場合(ステップS18でYes)、フラグが立っているノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のメンテナンスを実行し(ステップS19)、処理を終了する。
【0105】
具体的には、たとえば、制御部42は、NOTICEフラグが立てられたノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれについて液体を空吐出させ、CAUTIONフラグが立てられたノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれについて液体を空吐出させ、EMERGENCYフラグが立てられたノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれについて液体を空吐出させる。
【0106】
このように、制御部42は、液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、第2ノズルおよび第3ノズルの少なくとも一方がある場合、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち、第1ノズルが属するグループ、第2ノズルが属するグループ、および第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0107】
たとえば、制御部42は、フラグが立っているノズル34が属するグループが複数ある場合、当該複数のグループ毎に1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0108】
以上、実施の形態2に係る液体吐出装置について説明した。
【0109】
本実施の形態に係る液体吐出装置において、制御部42は、複数のノズル34のそれぞれが最後に液体を吐出してからの経過期間に基づいて、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち液体を空吐出させるグループ、および当該グループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させるタイミングを決定する。
【0110】
これによれば、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち液体を空吐出させる必要があるグループに属する1つ以上のノズル34のみから液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加をさらに抑制できる。
【0111】
本実施の形態に係る液体吐出装置において、制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズル34である第1ノズルがあるか否か、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間よりも長い第2期間が経過したノズル34である第2ノズルがあるか否か、および複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第2期間よりも長い第3期間が経過したノズル34である第3ノズルがあるか否かを判定し、液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、第2ノズルおよび第3ノズルの少なくとも一方がある場合、2つ以上のグループのうち、第1ノズルが属するグループ、第2ノズルが属するグループ、および第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0112】
これによれば、液体吐出装置による液体の吐出動作中でないときに、長期間に亘って液体を吐出していないノズル34がある場合、当該ノズル34から液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制しつつ、当該ノズル34が詰まることを抑制できる。
【0113】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る液体吐出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10を参照して、実施の形態3に係る液体吐出装置の動作の一例について説明する。なお、本動作の一例は、液体吐出装置による液体の吐出動作が行われている状態における液体吐出装置の動作の一例である。なお、以下の説明では、実施の形態2に係る液体吐出装置の動作の一例と異なる点を中心に説明する。
【0114】
制御部42は、複数のノズル34のうちの最後に液体を吐出してから第3期間が経過したノズルがない場合(ステップS16でNo)、およびEMERGENCYフラグを立てた場合(ステップS17)、EMERGENCYフラグが立っているか否かを判定する(ステップS20)。
【0115】
EMERGENCYフラグが立っていない場合(ステップS20でNo)、タイマー38は、再度、複数のノズル34のそれぞれについて、最後に液体を吐出してからの経過時間を計測する(ステップS11)。
【0116】
制御部42は、EMERGENCYフラグが立っている場合(ステップS20でYes)、液体吐出装置による液体の吐出動作を中断させ、フラグが立っているノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のメンテナンスを実行する(ステップS20)。
【0117】
具体的には、たとえば、制御部42は、CAUTIONフラグが立てられたノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれについて液体を空吐出させ、EMERGENCYフラグが立てられたノズル34が属するグループに属する1つ以上のノズル34のそれぞれについて液体を空吐出させる。
【0118】
このように、制御部42は、液体吐出装置による液体の吐出動作中に、第3ノズルがある場合、液体吐出装置による液体の吐出動作を中断させ、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち、第2ノズルが属するグループ、および第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0119】
以上、実施の形態3に係る液体吐出装置について説明した。
【0120】
本実施の形態に係る液体吐出装置において、制御部42は、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間が経過したノズル34である第1ノズルがあるか否か、複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第1期間よりも長い第2期間が経過したノズル34である第2ノズルがあるか否か、および複数のノズル34のうち最後に液体を吐出してから第2期間よりも長い第3期間が経過したノズル34である第3ノズルがあるか否かを判定し、液体吐出装置による液体の吐出動作中に、第3ノズルがある場合、液体吐出装置による液体の吐出動作を中断させ、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち、第2ノズルが属するグループ、および第3ノズルが属するグループのそれぞれに属する1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる。
【0121】
これによれば、液体吐出装置による液体の吐出動作中に、長期間に亘って液体を吐出していないノズル34がある場合、液体吐出装置による液体の吐出動作を中断して当該ノズル34から液体を空吐出させることができるので、液体の空吐出量の増加を抑制しつつ、当該ノズル34が詰まることを抑制できる。
【0122】
(他の実施の形態等)
以上、本発明の実施の形態に係る液体吐出装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0123】
上記実施の形態では、制御部42が、2つ以上のグループA1~A6,B1~B6,C1~C6のうち1つのグループ単位で、1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、制御部42は、複数のノズル34のうち1つのノズル34単位で、1つ以上のノズル34のそれぞれから液体を空吐出させてもよい。
【0124】
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0125】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、たとえば、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムを含む。この場合、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0126】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0127】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0128】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0129】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0130】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0131】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0132】
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、液体を吐出する液体吐出装置として適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
10 液体吐出装置
12 筐体
14 トレイ支持部
16 トレイ
18 ウェルプレート
20 キャリッジ駆動部
22 キャリッジ
24 カートリッジ
26 メンテナンスステーション
28 メンテナンスステーション駆動部
30 開口部
32 ウェル
34 ノズル
36 メンテナンスステーション開口部
38 タイマー
40 メモリ
42 制御部
44 判定部
46 キャリッジ制御部
48 メンテナンスステーション制御部
50 ノズル決定部
52 吐出制御部