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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039686
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】給水装置及び制御盤
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20230314BHJP
   F04D 15/00 20060101ALI20230314BHJP
   F04B 49/02 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
F04B49/10 311
F04D15/00 F
F04D15/00 J
F04D15/00 K
F04B49/02 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146931
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】村田 幸栄
(72)【発明者】
【氏名】野々山 将行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 凌太郎
(72)【発明者】
【氏名】柳川 英明
【テーマコード(参考)】
3H020
3H145
【Fターム(参考)】
3H020BA02
3H020BA04
3H020BA27
3H020CA01
3H020CA04
3H020DA04
3H020EA02
3H020EA03
3H020EA09
3H020EA10
3H145AA23
3H145AA42
3H145BA04
3H145BA49
3H145CA04
3H145CA06
3H145DA01
3H145DA07
3H145EA13
3H145EA14
3H145EA35
3H145EA36
(57)【要約】
【課題】配管内に水が充填されていない場合にウォータハンマの発生を防止できる給水装置及び制御盤を提供すること。
【解決手段】給水装置1は、ポンプ21と、ポンプ21を駆動するモータ22と、モータ22を可変速駆動する駆動装置31と、ポンプ21の二次側に設けられた逆止弁23と、逆止弁23の二次側に設けられた蓄圧装置14と、ポンプ21の始動条件が成立したときに、蓄圧装置14から吐き出される水の流れを検出する流量検出装置15が蓄圧装置14から吐き出される水の流れを検知したときは、駆動装置31を制御して、ポンプ21を通常始動動作で始動し、ポンプ21の始動条件が成立したときに、流量検出装置15が蓄圧装置14から吐き出される水の流れを検知しないときは、駆動装置31を制御して、ポンプ21を通常始動動作よりも緩やかな始動動作である保護始動動作で始動する制御部32と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータを可変速駆動する駆動装置と、
前記ポンプの二次側に設けられた逆止弁と、
前記逆止弁の二次側に設けられた蓄圧装置と、
前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検出する流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知したときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを通常始動動作で始動し、前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知しないときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを前記通常始動動作よりも緩やかな始動動作である保護始動動作で始動する制御部と、
を備える給水装置。
【請求項2】
前記逆止弁と前記蓄圧装置の間に配置された圧力検出装置をさらに備え、
前記制御部は、前記圧力検出装置で検出した圧力が前記ポンプを始動する始動圧力以下であると、前記ポンプの始動条件が成立したと判定する、請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記ポンプ及び前記逆止弁の間に配置されたポンプ用流量検出装置をさらに備え、
前記制御部は、前記ポンプ用流量検出装置で流量を検出すると、前記ポンプの始動条件が成立したと判定する、請求項1に記載の給水装置。
【請求項4】
前記ポンプの二次側と給水先とを接続する配管と、
前記配管に設けられた分岐部と、
前記分岐部に設けられた分岐管と、さらに備え、
前記蓄圧装置は、前記分岐管に接続される、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項5】
前記給水装置は、前記流量検出装置を備え、
前記流量検出装置は、前記分岐管に設けられる請求項4に記載の給水装置。
【請求項6】
前記給水装置は、前記流量検出装置を備え、
前記流量検出装置は、前記分岐部よりも給水先側の前記配管に設けられる請求項4に記載の給水装置。
【請求項7】
前記保護始動動作における、前記ポンプの始動から始動時目標圧力に到達するまでの保護始動圧力到達時間を記憶する記憶部を備え、
前記保護始動圧力到達時間は、前記通常始動動作における、前記ポンプの始動から前記始動時目標圧力に到達するまでの時間よりも長く設定され、
前記制御部は、前記保護始動動作において、前記駆動装置を制御し、圧力検出装置で検出される圧力が、前記保護始動圧力到達時間をかけて前記始動時目標圧力とするとともに、前記圧力検出装置で検出される圧力が前記始動時目標圧力に到達した後、目標圧力一定制御を行う、請求項2又は請求項3に記載の給水装置。
【請求項8】
前記保護始動動作における、前記ポンプの始動から始動時目標圧力に到達するまでの、前記ポンプの駆動時間及び停止時間、並びに、前記ポンプの駆動及び停止のサイクル回数を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記保護始動動作において、前記駆動装置を制御して、前記サイクル回数だけ、前記駆動時間及び前記停止時間に基づいて前記ポンプの駆動及び停止を繰り返し、圧力検出装置で検出される圧力が前記始動時目標圧力に到達した後、目標圧力一定制御を行う、請求項2又は請求項3に記載の給水装置。
【請求項9】
前記保護始動動作における、前記ポンプの始動から始動時目標圧力に到達するまで、段階的に設定される複数のステップ圧力、及び、前記ステップ圧力毎に設定された圧力を保つ複数の保持時間を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記保護始動動作において、前記駆動装置を制御して、圧力検出装置で検出される圧力が、前記複数のステップ圧力とするとともに、前記ステップ圧力毎に前記保持時間だけ圧力を保持し、前記圧力検出装置で検出される圧力が始動時目標圧力に到達した後、目標圧力一定制御を行う、請求項2又は請求項3に記載の給水装置。
【請求項10】
前記記憶部は、所定の時間である設定時間を記憶し、
前記制御部は、前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記ポンプの始動条件成立前の前記設定時間の間に、前記流量検出装置が水の流れを検出したか否かを判定し、前記通常始動動作又は前記保護始動動作で前記ポンプを始動する、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項11】
ポンプを駆動するモータを可変速駆動する駆動装置と、
前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記ポンプの二次側に設けられた逆止弁の二次側に設けられた蓄圧装置から吐き出される水の流れを検出する流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知したときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを通常始動動作で始動し、前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知しないときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを前記通常始動動作よりも緩やかな始動動作である保護始動動作で始動する制御部と、
を備える制御盤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物へ給水する給水装置及び給水装置の制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、建物に給水するために、ポンプを用いた給水装置が知られている。このような給水装置は、建物の給水先に所定の圧力で給水すべく、目標圧力一定制御を行うものが知られている。例えば、建物に給水装置を導入した時や、停電や給水装置の故障等に給水装置を停止した後においては、建物の配管中に空気が存する虞がある。配管中に空気が存する状態で給水装置を駆動すると、ポンプにより送り出された水により空気が圧縮され、空気の圧力が増大し、この増大した空気の圧力が水に伝わることで、ウォータハンマが発生する虞がある。
【0003】
そこで、ウォータハンマの発生を抑制するために、停電や給水装置の故障等により給水装置を停止した後に初めてポンプを始動する際に、ポンプの回転速度の加速時間を長くすることで、吐出側圧力の上昇が通常の始動動作よりも緩やかとする保護始動動作を行う給水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-31796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
停電や給水装置の停止後であっても、配管内に水が充填されている場合等にはウォータハンマが発生しない。しかしながら、上述した給水装置では、ウォータハンマが発生しない条件下でも保護始動動作を行っている。このため、配管内に水が充填されていない条件下において、保護始動動作を行うことが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、配管内に水が充填されていない場合にウォータハンマの発生を防止できる給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る給水装置は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを可変速駆動する駆動装置と、前記ポンプの二次側に設けられた逆止弁と、前記逆止弁の二次側に設けられた蓄圧装置と、前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検出する流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知したときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを通常始動動作で始動し、前記ポンプの始動条件が成立したときに、前記流量検出装置が前記蓄圧装置から吐き出される水の流れを検知しないときは、前記駆動装置を制御して、前記ポンプを前記通常始動動作よりも緩やかな始動動作である保護始動動作で始動する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配管内に水が充填されていない場合にウォータハンマの発生を防止できる給水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る給水装置の構成を模式的に示す説明図。
図2】同給水装置の構成を模式的に示す説明図。
図3】同給水装置の制御装置の構成を模式的に示す説明図。
図4】同給水装置の制御方法の一例を示す流れ図。
図5】同給水装置の通常始動動作の一例を示す説明図
図6】従来の給水装置の始動動作の一例を示す説明図。
図7】一実施形態に係る給水装置の保護始動動作の一例を示す説明図。
図8】本発明の他の実施形態に係る給水装置の保護始動動作及び目標圧力一定制御におけるポンプユニットの駆動及び停止をタイムチャートで示す説明図。
図9】本発明の他の実施形態に係る給水装置の構成を模式的に示す説明図。
図10】本発明の他の実施形態に係る給水装置の構成を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る給水装置1について、図1乃至図7を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る給水装置1の構成を模式的に示す説明図であり、図2は、給水装置1の構成を模式的に示す説明図である。図3は、給水装置1に用いられる制御装置19の構成を模式的に示す説明図であり、図4は、同給水装置の制御の一例を示す流れ図である。図5は、給水装置1の通常始動動作の一例を示す説明図であり、図6は、従来の給水装置の始動動作の一例を示す説明図であり、図7は、実施形態の給水装置1の保護始動動作の一例を示す説明図である。
【0011】
図1に示すように、給水装置1は、一次側が水道本管又は受水槽等の水源100に接続され、二次側が給水先である建物200の給水管210に接続される。給水装置1は、水源100からの水を増圧し、給水管210に接続された蛇口やシャワーヘッド等の給水栓220に供給する。また、給水装置1は、水源100として水道本管110に接続される場合には、一次側がメータユニット等の量水器120を介して水道本管110に接続される。本実施形態においては、給水装置1は、量水器120を介して水道本管110に接続される例を説明する。給水管210は、立管211と、立管211から分岐して給水栓220に接続される横管212と、を含む。
【0012】
図1及び図2に示すように、給水装置1は、ポンプユニット11と、ポンプユニット11に設けられた第1流量検出装置12と、ポンプユニット11の二次側に設けられた圧力検出装置13と、ポンプユニット11の二次側に設けられた蓄圧装置14と、蓄圧装置14と給水管210(給水先)との間に設けられた第2流量検出装置15と、ポンプユニット11を制御する制御装置19と、を備える。
【0013】
ポンプユニット11は、単数又は複数設けられる。本実施形態においては、図2に示すように、ポンプユニット11が2台設けられる例を用いて説明する。2台のポンプユニット11は、並列に接続される。換言すると、2台のポンプユニット11は、一次側に分岐配管16が接続され、この分岐配管16の分岐部の一次側が量水器120に接続される。2台のポンプユニット11は、二次側に合流配管17が接続され、この合流配管17の合流部の二次側が給水管210に接続される。また、合流配管17は、合流部17aの二次側に、二方向に分岐する分岐部17bを有し、分岐部17bの一方に接続された配管17cと、分岐部17bの他方に接続された分岐管17dと、を備える。配管17cは、給水先である給水管210に接続され、分岐管17dは、蓄圧装置14に接続される。
【0014】
ポンプユニット11は、ポンプ21と、モータ22と、逆止弁23と、を備える。なお、ポンプユニット11は、ポンプ21の一次側及び逆止弁23の二次側に、手動によって流路を開閉可能に形成され、常時開で使用され、メンテナンス等において閉じられる開閉弁を有していても良い。ポンプ21は、駆動することで、水を増圧し、二次側へ供給する。モータ22は、ポンプ21を駆動する。モータ22は、例えば、固定子、回転子及びモータ軸を有し、モータ軸がポンプ21の回転軸に接続される。モータ22は、制御装置19に接続される。
【0015】
逆止弁23は、ポンプ21の二次側に設けられる。具体例として、ポンプ21の吐出口又は吐出口の二次側の配管に設けられ、ポンプ21側への水の逆流を防止する。
【0016】
第1流量検出装置12は、流量センサである。第1流量検出装置12は、各ポンプユニット11にそれぞれに設けられる。第1流量検出装置12は、ポンプ21の二次側であって、且つ、逆止弁23の一次側に設けられる。第1流量検出装置12は、ポンプ21の二次側であって、且つ、逆止弁23の一次側の流量を検出するポンプ用流量検出装置である。なお、例えば、第1流量検出装置12は、合流配管17の合流部の二次側に設けられる例を用いて説明するが、各ポンプ21の二次側、且つ、逆止弁23の二次側であって、合流配管17の合流部17aの一次側に設けられる構成であってもよい。
【0017】
例えば、第1流量検出装置12は、停止流量のみを検出するパドル式やフロート式等か、又は、流量値を検出可能な羽根車式等が用いられる。第1流量検出装置12は、制御装置19に接続され、検出した流量の情報を信号として出力する。
【0018】
圧力検出装置13は、圧力センサである。圧力検出装置13は、合流配管17に設けられる。圧力検出装置13は、制御装置19に接続され、検出した圧力の情報を信号として出力される。
【0019】
蓄圧装置14は、例えば、アキュムレータである。蓄圧装置14は、例えば、始動圧力以上の圧力で水を蓄圧できる。蓄圧装置14の容積は、給水装置1の使用条件等によって適宜設定される。また、蓄圧装置14は、給水装置1の使用条件等によって複数設置されてもよい。例えば、蓄圧装置14は、ポンプユニット11の停止時に、分岐管17dの圧力、換言すると、蓄圧装置14から給水管210までの流路の圧力が始動圧力近傍又は始動圧力に低下したときに、容積が減少して、始動圧力又は始動圧力以上の圧力の水を排出する。
【0020】
第2流量検出装置15は、流量センサである。第2流量検出装置15は、蓄圧装置14から給水管210までの流路の一部に設けられる。第2流量検出装置15は、例えば、蓄圧装置14の直下に設けられる。換言すると、第2流量検出装置15は、例えば、分岐管17dに設けられる。第2流量検出装置15は、少なくとも、蓄圧装置14から排出された水の流れを検出し、検出した情報を信号として制御装置19に出力する。
【0021】
なお、第2流量検出装置15は、例えば羽根車式であるが、蓄圧装置14から排出された水の流れを検出できればよく、パドル式、フロート式等を適宜用いることができる。また、第2流量検出装置15は、第1流量検出装置12と同じ種類の流量センサであってもよい。
【0022】
図2及び図3に示すように、制御装置19は、例えば、制御盤である。制御装置19は、駆動装置31と、制御基板(制御部)32と、を備える。
【0023】
駆動装置31は、モータ22を可変速駆動する。駆動装置31は、インバータである。駆動装置31は、例えば、ポンプユニット11と同数設けられる。
【0024】
図3に示すように、制御基板32は、例えば、入力装置41と、報知部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45と、を備える。
【0025】
入力装置41は、外部から情報や指令を入力できる入力装置である。入力装置41は、例えば、キーや釦等である。入力装置41は、入力された情報を制御部45に送信する。また、入力装置41は、自動でポンプユニット11を制御する自動給水制御を行う自動給水モードと、ポンプユニット11を駆動しない停止モードとを切り替え可能な切り替え手段を有する。また、入力装置41の切り替え手段は、これらモードの切り替えに加え、手動でポンプユニット11を駆動する手動モードに切り替え可能に形成されていてもよい。
【0026】
報知部42は、例えば、情報を表示する表示部である。また、報知部42は、例えば、給水装置1に異常が発生した時に、制御部45から送信された情報に基づいて、当該異常を外部に報知する。報知部42は、例えば、点灯又は点滅することで情報を表示するランプ及び情報を表示するディスプレイを含む。
【0027】
通信部43は、外部と情報を送受信可能に構成される。例えば、通信部43は、制御部45の制御により、情報を無線又は有線により外部に出力する。例えば、通信部43は、有線又は無線によって、直接又はインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、携帯端末やパーソナルコンピュータ等の処理端末と接続し、各種の情報や指令等を送受信する。
【0028】
記憶部44は、所謂メモリ及びストレージを含む。記憶部44は、例えば、入力装置41により自動モードが選択されている場合において、自動給水制御におけるポンプユニット11の制御プログラム、各種パラメータを記憶する。記憶部44は、ポンプユニット11の駆動を開始するポンプユニット11の二次側の圧力値である始動圧力、ポンプユニット11の二次側の目標圧力、を記憶する。
【0029】
ここで、自動給水制御とは、自動給水モードが設定されているときに、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力である場合にポンプユニット11を駆動し、始動動作後に、目標圧力となるように、駆動装置31を制御してモータ22を可変速制御し、第1流量検出装置12で検出される流量が所定の流量(停止流量)である場合に、ポンプユニット11を停止する制御である。
【0030】
換言すると、自動給水制御は、制御部45が目標圧力一定制御でポンプユニット11を制御するモードである。なお、目標圧力一定制御には、ポンプユニット11の二次側である吐出圧力を目標圧力とする吐出圧力一定制御、及び、流路抵抗(配管抵抗)を考慮した推定末端圧一定制御等が含まれる。
【0031】
また、記憶部44は、自動給水制御において、ポンプ21を始動するときの始動動作として、通常始動動作及び保護始動動作でポンプ21を始動する制御プログラム及び各種パラメータを記憶する。
【0032】
ここで、始動動作とは、例えば、ポンプ21の始動から、圧力検出装置13で検出される圧力が始動時目標圧力となるまでの、ポンプ21の制御動作である。また、始動時目標圧力は、通常始動動作において用いられる通常始動時目標圧力と、保護始動動作において用いられる保護始動時目標圧力と、を含む。例えば、通常始動時目標圧力及び保護始動時目標圧力は、記憶部44に予め記憶される。ここで、始動時目標圧力は、上述した目標圧力一定制御で用いられる目標圧力であるが、上述した目標圧力とは別に設定され、始動動作時にのみ用いられる目標圧力であってもよい。
【0033】
通常始動動作とは、例えば、予め記憶部に記憶された始動圧力を判定してポンプ21の始動を開始してから通常始動時目標圧力となるまでの時間、回転数の増速度(加速度)等に基づいてポンプ21が制御されるポンプ21の制御動作である。
【0034】
保護始動動作とは、例えば、予め記憶部に記憶された始動圧力を判定してポンプ21の始動を開始してから保護始動時目標圧力となるまでの時間、回転数の増速度(加速度)等に基づいてポンプ21が制御されるポンプ21の制御動作である。保護始動動作は、通常始動動作よりも、圧力検出装置13で検出される圧力の増加が緩やかとなるようにポンプ21が制御されるポンプ21の制御動作である。換言すると、保護始動動作は、通常始動動作よりも圧力の上昇を抑えることで、流路内の急激な(過大な)圧力の上昇を防止する昇圧回避動作である。
【0035】
通常始動動作及び保護始動動作のための各種パラメータの例として、例えば、記憶部44は、通常始動動作における通常始動時目標圧力へ到達するまでの時間である通常始動圧力到達時間T0、及び、保護始動動作における保護始動時目標圧力へ到達するまでの時間である保護始動圧力到達時間T2が記憶される。さらに言えば、通常始動圧力到達時間T0及び保護始動圧力到達時間T2は、圧力検出装置13で検出された圧力がそれぞれの始動時目標圧力に到達するまでの時間であり、制御部45は、該時間で始動時目標圧力に到達するように、駆動装置31を制御してモータ22の加速時間を制御する。
【0036】
ここで、通常始動圧力到達時間T0は、例えば、ポンプ21を駆動し、圧力検出装置13で検出された圧力が始動時目標圧力に到達するまでの間に、ポンプユニット11の二次側の流路に水が充満している場合にはウォータハンマが生じず、ポンプユニット11の二次側の流路に水が存しない場合に、ウォータハンマが生じる虞がある時間に設定される。
【0037】
また、保護始動圧力到達時間T2は、例えば、ポンプ21を駆動し、圧力検出装置13で検出された圧力が保護始動時目標圧力に到達するまでの間に、ポンプユニット11の二次側の流路に水が存しない場合であっても、ウォータハンマが生じない時間に設定される。また、保護始動圧力到達時間T2は、通常始動圧力到達時間T0よりも長い時間に設定される。
【0038】
記憶部44は、予め設定されたこれら通常始動圧力到達時間T0及び保護始動圧力到達時間T2を記憶する。
【0039】
また、記憶部44は、自動給水制御においてポンプユニット11の二次側に水が充満しているか否か、即ち、立管211や横管212等の給水管210を含むポンプユニット11の二次側の配管内に空気が存する虞のある状態でポンプユニット11が始動されるか否かを判定する閾値を記憶する。ここで、閾値は、第2流量検出装置15から水の流れを検出したときに出力される信号電圧と同じ電圧値である。また、記憶部44は、ポンプユニット11の二次側に水が充満しているか否かを判定する、任意に設定される設定時間T1を記憶する。
【0040】
設定時間T1は、ポンプユニット11の二次側の流路、給水管210、ポンプユニット11の性能等によって、予め任意に設定される。具体例として、設定時間T1は、ポンプ21の停止中に、給水管210で水が使用されて流路(管路)内の圧力が低下していき、この圧力低下によって蓄圧装置14に蓄圧された水が排出されてから、ポンプ21の始動までの間に、ポンプ21の始動までに該流路(管路)内に空気が存することになる虞の無い時間である。
【0041】
制御部45は、例えば、プロセッサである。制御部45は、記憶部44に記憶されたプログラムに準じて、自動給水制御として駆動装置31を制御し、圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力である場合に、ポンプユニット11を始動し、そして、第1流量検出装置12で検出される流量が停止流量である場合に、ポンプユニット11を停止する。また、制御部45は、自動給水制御において、ポンプユニット11の始動後、記憶部44に記憶された目標圧力が圧力検出装置13で検出された圧力となるように、目標圧力一定制御で制御する。
【0042】
具体例として、制御部45は、入力装置41によって自動給水モードが選択されている場合において、自動給水制御を行うべく、圧力検出装置13から出力される信号に基づいて圧力を監視し、圧力検出装置13で検出された圧力が始動圧力以下となった場合には、ポンプ21を始動する条件を満たしたと判定し、ポンプユニット11を始動する。
【0043】
また、制御部45は、ポンプユニット11の始動を通常始動動作とするか、又は、保護始動動作とするかを判定し、判定した始動動作でポンプユニット11を始動する。
【0044】
制御部45は、例えば、圧力検出装置13で検出された圧力が始動圧力となったときに、蓄圧装置14から水が排出され、そして、第2流量検出装置15で流量が検出されたか否かを判定する。具体例として、制御部45は、圧力検出装置13で検出された圧力が始動圧力となったときに、圧力検出装置13で検出された圧力が始動圧力時点から記憶部44に記憶された設定時間T1が経過するまでに、第2流量検出装置15から信号が出力されたか否かを判定する。
【0045】
圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力となったときから設定時間T1前の間に、第2流量検出装置15から信号が出力されている場合には、制御部45は、流路に水が充満していると判定する。即ち、制御部45は、通常始動動作で始動すると判定し、通常始動動作でポンプユニット11を始動する。
【0046】
圧力検出装置13で検出される圧力が始動圧力となったときから設定時間T1前の間に、第2流量検出装置15から信号が出力されていない場合には、制御部45は、流路に空気が存する虞がある状態と判定する。即ち、制御部45は、保護始動動作で始動すると判定し、保護始動動作でポンプユニット11を始動する。
【0047】
また、制御部45は、通常始動動作又は保護始動動作によって、圧力検出装置13で検出された圧力が始動時目標圧力となると、第1流量検出装置12で検出される流量が停止流量となるまで、目標圧力一定制御でポンプユニット11を制御する。ここで、例えば、始動時目標圧力が、目標圧力一定制御において用いる目標圧力の一部である場合には、制御始動動作又は保護始動動作によって制御部45がポンプユニット11を始動後、停止流量となるまで、目標圧力一定制御でポンプユニット11を制御する。
【0048】
次に、このように構成された給水装置1による給水方法について、図4に示す流れ図を用いて説明する。
【0049】
先ず、作業者等によって入力装置41が操作され、自動給水モードが選択され、電源が供給されており、ポンプ21が停止している、所謂ポンプ21の停止中(ステップST1)に、制御部45は、第2流量検出装置15から信号が出力されるか否かを監視する(ステップST2)。例えば、第2流量検出装置15から信号が出力された場合に、制御部45は、記憶部44に第2流量検出装置15の出力信号の情報及び信号を受信した時間の情報を記憶する。例えば、記憶部44及び制御部45の時間を計時する計時機能(時計機能)、時間の経過をカウントするタイマ機能等により、制御部45は、出力信号を受信した日時又は時間を記憶するか、又は、第2流量検出装置15からの信号を受信してからの経過時間をカウントする。
【0050】
また、制御部45は、圧力検出装置13からの出力信号を監視する(ステップST2)。そして、圧力検出装置13で検出した圧力が始動圧力以下となると、制御部45は、ポンプ21の始動条件が成立したと判定する(ステップST3)。
【0051】
圧力検出装置13で検出した圧力が始動圧力以下となり、始動条件が成立した場合には、制御部45は、通常始動動作を行うか、又は、保護始動動作を行うか判定する(ステップST4)。具体例として、制御部45は、始動条件が成立し、そして始動条件の成立時から始動条件成立前の設定時間T1の間に、第2流量検出装置15で蓄圧装置14からの水の排出(流量)を検出したか否かを判定する。
【0052】
始動条件成立前で設定時間T1以内に第2流量検出装置15から信号が出力されている場合(ステップST4のYES)には、蓄圧装置14から排出された水によって、給水管210に向かう流路内に水が充満しているとして、制御部45は、駆動装置31を制御して、通常始動動作による始動を行う(ステップST5)。そして、制御部45は、圧力検出装置13で検出された圧力が通常始動時目標圧力となるように、目標圧力一定運制御行う(ステップST6)。なお、本実施形態において、通常始動時目標圧力は、目標圧力一定おける目標圧力の一部であることから、通常始動動作は、目標圧力一定制御の一部であることから、制御部45は、ポンプユニット11の始動後に、目標圧力一定制御でポンプユニット11を行う。
【0053】
ステップST4において始動条件成立前で設定時間T1以内に第2流量検出装置15から信号が出力されていない場合(ステップST4のNO)には、給水管210に向かう流路内に空気が存する虞があるとして、駆動装置31を制御して、保護始動動作による始動(昇圧回避始動)を行う(ステップST7)。そして、保護始動動作として、圧力検出装置13で検出された圧力が保護始動時目標圧力に到達するか、又は、ポンプ21の始動動作開始から保護始動圧力到達時間T2経過すると、制御部45は、目標圧力一定制御でポンプ21を駆動すべく、駆動装置31を制御する(ステップST6)。
【0054】
これらのように、給水装置1によって各始動動作が行われたあと、目標圧力一定制御によって給水が行われる。
【0055】
次に、図5乃至図7を用いて、通常始動動作及び保護始動動作の例を説明する。図5は、始動条件が成立し、該始動条件成立前の設定時間T1の間に、第2流量検出装置15から信号が出力された場合の通常始動動作における、モータ22の周波数と、圧力変動の例を示す。図6は、従来の給水装置と同様に、空気がポンプユニットの二次側に存する場合における始動動作の例である。換言すると、図6は、本実施形態の給水装置1を用いて、始動条件が成立し、該始動条件成立前の設定時間T1の間に第2流量検出装置から信号が出力されなかった場合(ポンプユニット11の二次側に空気が存する場合)に通常始動動作を行ったときの、モータ22の周波数と、圧力変動の例を示す。図7は、保護始動動作における、モータ22の周波数と、圧力変動の例を示す。なお、図5乃至図7においては、給水管210として複数階の建造物を想定しており、該建造物の1Fにおける検出圧力A及び1Fよりも上層階における検出圧力Bを測定した。
【0056】
始動条件成立前の設定時間T1の間に、第2流量検出装置15から信号が出力された場合に、図5に示すように、通常始動動作を行うと、1F及び上層階で検出した圧力が、モータ22の周波数の増加に伴い、通常始動時目標圧力までなだらかに増加した。また、ウォータハンマは生じなかった。
【0057】
一方で、始動条件が成立し、該始動条件成立前の設定時間T1の間に、第2流量検出装置15から信号が出力されなかった場合に、図6に示すように、通常始動動作を行ったところ、モータ22の周波数の増加に伴い、圧力がなだらかに増加したが、1F及び上層階で検出した圧力が急激に上昇するウォータハンマが生じた。これは、始動条件成立時の段階で、既に蓄圧装置14内の水が排出されており、且つ、給水管210の給水栓220から水が吐出されていた場合等のように、ポンプユニット11の二次側の流路内に空気が存していると、ポンプ21の駆動によって、流路内の空気が急激に圧縮されたためと考えられる。
【0058】
しかし、図7に示すように、ポンプユニット11の二次側の流路(配管内)に水が充填されていない状態、即ち、図6の例と同様に、ウォータハンマが発生する状態で、保護始動動作として、加速時間を延ばしてポンプ21を始動すると、モータ22の周波数の増加に伴い、1F及び上層階で検出した圧力は、なだらかに上昇し、ウォータハンマは生じなかった。このことからも、本実施形態を用いることで、ウォータハンマが生じる状況を判定できることが明らかである。また、ウォータハンマが生じる条件として、始動条件成立前の設定時間T1の間に第2流量検出装置から信号が出力されなかった場合に保護始動動作を行うことで、ウォータハンマの発生を防止することができることが明らかである。
【0059】
このように構成された給水装置1によれば、制御部45が、ポンプ21の始動条件が成立したときに、蓄圧装置14から排出される水の流れを第2流量検出装置15で検出したときは、通常始動動作でポンプ21を始動し、第2流量検出装置15で水の流れを検出しないときは、急激な昇圧を回避する昇圧回避動作である保護始動動作でポンプ21を始動する。
【0060】
これにより、ポンプ21の初動等ではなく、ポンプユニット11から給水管210までの流路(配管の管路)内に水があるか否かを判定することができるため、不要な保護始動動作での始動を抑制できる。また、流路に空気が存し、ウォータハンマが生じる虞があるときに、保護始動動作でポンプ21を始動できる。よって、給水装置1は、空気が圧縮されることによる流路内の急激な圧力上昇を防ぎ、ウォータハンマが生じることを防止することができる。
【0061】
上述したように、本発明に係る一実施形態に係る給水装置1によれば、追従性の低下を抑制するとともに、ウォータハンマの発生を防止できる。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、制御部45は、保護始動動作として、例えば、通常始動動作における通常始動圧力到達時間よりも長い保護始動圧力到達時間T2でポンプ21を駆動制御する例を説明したがこれに限定されない。
【0063】
例えば、制御部45は、保護始動動作としてポンプユニット11の駆動及び停止を繰り返す構成としてもよい。このような保護始動動作を行う給水装置1とする場合には、記憶部44は、保護始動動作におけるポンプユニット11の保護駆動時間、保護駆動時間経過後にポンプ21を停止する保護停止時間、及び、保護駆動時間及び保護停止時間でポンプユニット11を駆動及び停止のサイクルを行う回数であるサイクル回数を記憶する。ここで、保護駆動時間は、例えば、ウォータハンマが発生せず、且つ、ポンプユニット11の二次側の配管内の圧力が始動時目標圧力とならない時間であり、予め、ポンプユニット11の性能、ポンプユニット11の二次側の配管の容積等に応じて、適宜設定される。
【0064】
サイクル回数は、複数回に設定される。図8に示すように、サイクル回数が複数回の場合において、各給水における保護駆動時間T1は、例えば、同じ時間に設定され、同様に、各給水における保護停止時間T2は、例えば、同じ時間に設定される。なお、複数の保護駆動時間T1は異なる時間に設定され、同様に、複数の保護停止時間T2は異なる時間に設定されていてもよい。また、保護駆動時間T1及び保護停止時間T2は、同じ時間に設定されていてもよく、異なる時間に設定されていてもよい。
【0065】
例えば、図8を用いて保護始動動作及び目標圧力一定制御自動給水モードのタイムチャートの例を説明する。なお、図8において、複数の保護駆動時間T1を同じ時間とし、保護停止時間T2を同じ時間とし、サイクル回数をn=4と設定した例を示す。
【0066】
図8に示すように、保護始動動作においては、ポンプユニット11を保護駆動時間T1で駆動後、ポンプユニット11を保護停止時間T2だけ停止し、このポンプユニット11の駆動及び停止の保護給水サイクルによって給水(保護始動動作)を行い、配管内に水張を行う。
【0067】
また、このサイクル回数nとして、本例において4回繰り返し、その後、ポンプユニット11を目標圧力一定制御で駆動する。即ち、制御部45は、保護始動動作でポンプユニット11を所定の時間T0だけ駆動制御した後、目標圧力一定制御でポンプユニット11を駆動する。なお、保護始動動作におけるポンプユニット11の駆動制御を行う時間T0は、T0=(T1+T2)×nから求められる。
【0068】
このように、保護始動動作は、ポンプユニット11の駆動及び停止からなる複数回の給水サイクルを繰り返して始動動作を行うことで、空気が圧縮されることによる急激な圧力の上昇を防止し、ウォータハンマの発生を防止できる。即ち、保護始動動作は、ポンプユニット11の駆動及び停止を繰り返し行うことから、ポンプユニット11の断続運転を行うことになり、ウォータハンマの発生を防止できる。
【0069】
また、このような保護始動動作は、ポンプユニット11を保護駆動時間だけ駆動後、停止し、保護停止時間だけ停止させる構成であることから、ポンプユニット11の駆動自体は目標圧力一定制御と同定度の増速でポンプ21の周波数を増加できることから、ポンプユニット11の追従性の低下を抑制できる。
【0070】
即ち、このようなサイクル回数だけポンプユニット11を駆動及び停止する保護始動動作は、目標圧力一定制御に対して、ポンプユニット11の駆動及び停止時間のみを変更する構成であることから、モータ22を可変速駆動する駆動装置31に対して指令する値に変更がなく、制御に係る負荷が少なくて良い。
【0071】
なお、保護始動動作は、他の保護始動動作であってもよい。例えば、ポンプ21の始動から、始動時目標圧力に達するまで、段階的に設定される複数のステップ圧力、及び、前記ステップ圧力毎に設定された該圧力を保つ複数の保持時間を記憶部44が記憶し、制御部45が、保護始動動作を行うときに、順次ステップ圧力ずつ圧力を増圧させるとともに、該圧力を保持時間の間保持するステップを繰り返し行う構成としてもよい。また、制御部45は、このような保護始動動作を行いる場合においても、圧力検出装置13で検出した圧力が始動時目標圧力に達するか、全てのステップを実行後、目標圧力一定制御を行う。このような保護始動動作を行う給水装置1は、上述した他の保護始動動作を行った場合と同様の効果を奏する。
【0072】
また、上述した例では、第2流量検出装置15は、ポンプユニット11の二次側の分岐部17bに接続され、蓄圧装置14が設けられる分岐管17dに設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図9に示す他の実施形態のように、第2流量検出装置15は、ポンプユニット11の二次側に合流配管17のうち、分岐部17bに接続され、給水管210に接続される配管17cに設ける構成としてもよい。
【0073】
また、図10に示す他の実施形態のように、例えば、給水装置1は、第2流量検出装置15を有さず、給水管210に設けられる流量検出装置15を第2流量検出装置として用いる構成であってもよい。
【0074】
また、上述した例では、制御装置19が制御盤である例を説明したがこれに限定されない。例えば、制御装置19は、インバータボックスであってもよい。制御装置19がインバータボックスである場合には、上述した構成のうち、例えば、入力装置41や報知部42等を有さない構成としてもよい。
【0075】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0076】
1…給水装置、11…ポンプユニット、12…第1流量検出装置(ポンプ用流量検出装置)、13…圧力検出装置、14…蓄圧装置、15…第2流量検出装置(流量検出装置)、16…分岐配管、17…合流配管、17a…合流部、17b…分岐部、17c…配管、17d…分岐管、19…制御装置、21…ポンプ、22…モータ、23…逆止弁、31…駆動装置、32…制御基板(制御部)、41…入力装置、42…報知部、43…通信部、44…記憶部、45…制御部、100…水源、110…水道本管、120…量水器、200…建物、210…給水管、211…立管、212…横管、220…給水栓。
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