(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039699
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】運動機器
(51)【国際特許分類】
A63B 23/04 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
A63B23/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146948
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】津田 伸明
(57)【要約】
【課題】 脚部全体を持ち上げる足踏み運動と脚部の一部を持ち上げる運動とを補助することができる運動機器を提供する。
【解決手段】 脚部Lの運動を補助するための運動機器1である。第1踏面2aを備える第1エアバッグ2と、第2踏面3aを備える第2エアバッグ3と、第3踏面4aを備える第3エアバッグ4と、第4踏面5aを備える第4エアバッグ5とを含んでいる。第3エアバッグ4は、第1エアバッグ1の第1踏面1aの一部に設けられる。第4エアバッグ5は、第2エアバッグ3の第2踏面3aの一部に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部の運動を補助するための運動機器であって、
第1踏面を備える第1エアバッグと、
第2踏面を備える第2エアバッグと、
前記第1エアバッグの前記第1踏面の一部に設けられ、かつ、第3踏面を備える第3エアバッグと、
前記第2エアバッグの前記第2踏面の一部に設けられ、かつ、第4踏面を備える第4エアバッグとを含む、
運動機器。
【請求項2】
前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとの間を、流体が移動可能に接続する流通部を含む、請求項1に記載の運動機器。
【請求項3】
前記流通部には、前記流体の流量を調整するための流量調整具が設けられる、請求項2に記載の運動機器。
【請求項4】
前記流量調整具は、前記流体の流量をゼロに調整可能である、請求項3に記載の運動機器。
【請求項5】
前記第3エアバッグは、前記第1エアバッグに連通することなく独立して膨張可能であり、
前記第4エアバッグは、前記第2エアバッグに連通することなく独立して膨張可能である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の運動機器。
【請求項6】
高圧空気を生成するためのエアポンプと、
前記高圧空気を前記第3エアバッグに供給するための第1流路と、
前記高圧空気を前記第4エアバッグに供給するための第2流路と、
前記第1流路及び前記第2流路の前記高圧空気の移動を制御するための制御弁とを含む、請求項5に記載の運動機器。
【請求項7】
前記制御弁は、前記第3エアバッグ及び前記第4エアバッグが交互に膨張収縮するように前記高圧空気の供給を切り替える、請求項6に記載の運動機器。
【請求項8】
前記第3エアバッグは、前記第1エアバッグに連通し、かつ、前記第1エアバッグよりも膨張容易な第1部分を含み、
前記第4エアバッグは、前記第2エアバッグに連通し、かつ、前記第2エアバッグよりも膨張容易な第2部分を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の運動機器。
【請求項9】
前記第1部分及び前記第2部分は、それぞれ、前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグよりも柔軟な部材で形成される、請求項8に記載の運動機器。
【請求項10】
前記第3エアバッグ及び前記第4エアバッグは、それぞれ、蛇腹部を含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の運動機器。
【請求項11】
前記第3踏面及び前記第4踏面は、それぞれ、前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグよりも硬質な部材で形成される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の運動機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚部の運動を補助するための運動機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚部の運動を補助するための運動機器が知られている。例えば、下記特許文献1では、柔軟性のある2つの袋をチューブで連通し、一方の袋を踏むことで他方の袋を膨らますことでステップ運動を補助する健康具を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の高齢化社会の進展に伴い、単なる足踏み運動だけではなく、かかと上げ運動のように脚部の足部分の一部を持ち上げる運動が着目されるようになってきた。しかしながら、特許文献1の健康具は、脚部の一部を持ち上げる運動を補助することに適していないという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、脚部全体を持ち上げる足踏み運動と脚部の一部を持ち上げる運動とを補助することができる運動機器を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、脚部の運動を補助するための運動機器であって、第1踏面を備える第1エアバッグと、第2踏面を備える第2エアバッグと、前記第1エアバッグの前記第1踏面の一部に設けられ、かつ、第3踏面を備える第3エアバッグと、前記第2エアバッグの前記第2踏面の一部に設けられ、かつ、第4踏面を備える第4エアバッグとを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の運動機器において、前記第1エアバッグと前記第2エアバッグとの間を、流体が移動可能に接続する流通部を含むのが望ましい。
【0008】
本発明の運動機器において、前記流通部には、前記流体の流量を調整するための流量調整具が設けられるのが望ましい。
【0009】
本発明の運動機器において、前記流量調整具は、前記流体の流量をゼロに調整可能であるのが望ましい。
【0010】
本発明の運動機器において、前記第3エアバッグは、前記第1エアバッグに連通することなく独立して膨張可能であり、前記第4エアバッグは、前記第2エアバッグに連通することなく独立して膨張可能であるのが望ましい。
【0011】
本発明の運動機器において、高圧空気を生成するためのエアポンプと、前記高圧空気を前記第3エアバッグに供給するための第1流路と、前記高圧空気を前記第4エアバッグに供給するための第2流路と、前記第1流路及び前記第2流路の前記高圧空気の移動を制御するための制御弁とを含むのが望ましい。
【0012】
本発明の運動機器において、前記制御弁は、前記第3エアバッグ及び前記第4エアバッグが交互に膨張収縮するように前記高圧空気の供給を切り替えるのが望ましい。
【0013】
本発明の運動機器において、前記第3エアバッグは、前記第1エアバッグに連通し、かつ、前記第1エアバッグよりも膨張容易な第1部分を含み、前記第4エアバッグは、前記第2エアバッグに連通し、かつ、前記第2エアバッグよりも膨張容易な第2部分を含むのが望ましい。
【0014】
本発明の運動機器において、前記第1部分及び前記第2部分は、それぞれ、前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグよりも柔軟な部材で形成されるのが望ましい。
【0015】
本発明の運動機器において、前記第3エアバッグ及び前記第4エアバッグは、それぞれ、蛇腹部を含むのが望ましい。
【0016】
本発明の運動機器において、前記第3踏面及び前記第4踏面は、それぞれ、前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグよりも硬質な部材で形成されるのが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の運動機器は、上述の構成を備えることで、脚部全体を持ち上げる足踏み運動と脚部の一部を持ち上げる運動とを補助することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の運動機器の一実施形態を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図1のA-A線の断面に相当する運動機器の模式図である。
【
図4】第1エアバッグが踏み込まれたときの運動機器の模式図である。
【
図5】第2エアバッグが踏み込まれたときの運動機器の模式図である。
【
図6】第3エアバッグが膨張したときの運動機器の模式図である。
【
図8】第4エアバッグが膨張したときの運動機器の模式図である。
【
図9】第3エアバッグ及び第4エアバッグが膨張したときの運動機器の模式図である。
【
図10】第1エアバッグが踏み込まれて第2エアバッグが膨張した状態で第4エアバッグが膨張したときの運動機器の模式図である。
【
図11】他の実施形態の運動機器を模式的に示す平面図である。
【
図12】
図11のB-B線の断面に相当する運動機器の模式図である。
【
図14】第2エアバッグが踏み込まれたときの運動機器の模式図である。
【
図16】第1エアバッグが踏み込まれたときの運動機器の模式図である。
【
図17】他の使用状態を示す運動機器の側面図である。
【
図18】他の実施形態の第3エアバッグを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の運動機器1を模式的に示す平面図であり、
図2は、
図1のA-A線の断面に相当する運動機器1の模式図、
図3は、
図1の運動機器1の側面図である。
図1ないし
図3に示されるように、本実施形態の運動機器1は、使用者の脚部Lの運動を補助するためのものである。
【0020】
本実施形態の運動機器1は、第1踏面2aを備える第1エアバッグ2と、第2踏面3aを備える第2エアバッグ3と、第3踏面4aを備える第3エアバッグ4と、第4踏面5aを備える第4エアバッグ5とを含んでいる。第1エアバッグ2と第2エアバッグ3とは、互いに隣接して、同一平面上に配置されるのが望ましい。
【0021】
ここで、本明細書では、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3の配置方向が左右方向であり、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3が配置される平面上で左右方向に直交する方向が前後方向である。また、左右方向と前後方向とに直交する方向が、上下方向である。
【0022】
このような運動機器1は、第1踏面2a、第2踏面3a、第3踏面4a及び第4踏面5aで、使用者の脚部Lの足部分を支持することができる。なお、運動機器1は、例えば、直立姿勢の使用者の全身を載せて使用することも、着座姿勢の使用者の脚部Lのみを載せて使用することもできる。
【0023】
本実施形態の第3エアバッグ4は、第1エアバッグ2の第1踏面2aの一部に設けられている。第3エアバッグ4は、例えば、第1エアバッグ2の第1踏面2aの前後方向の一方側に設けられている。本実施形態の第4エアバッグ5は、第2エアバッグ3の第2踏面3aの一部に設けられている。第4エアバッグ5は、例えば、第2エアバッグ3の第2踏面3aの前後方向の一方側に設けられている。
【0024】
このような運動機器1は、第1エアバッグ2と第2エアバッグ3とにより、使用者の脚部L全体を持ち上げる足踏み運動を補助することができる。すなわち、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3は、内部に所定量の空気が充填された基準状態よりも内部空気量の少ない圧縮状態と、基準状態よりも内部空気量の多い膨張状態とに切り替わることで、足踏み運動を補助することができる。
【0025】
また、この運動機器1は、第3エアバッグ4と第4エアバッグ5とにより、使用者の脚部Lの足部分の一部を持ち上げる運動、すなわち、かかと上げ運動又はつま先上げ運動を補助することができる。第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5も、圧縮状態と膨張状態とに切り替わることで、脚部Lの一部を持ち上げる運動を補助することができる。
【0026】
より好ましい態様として、第1エアバッグ2と第2エアバッグ3とは、同じ部材で同じ大きさに形成されている。同様に、第3エアバッグ4と第4エアバッグ5とは、同じ部材で同じ大きさに形成されるのが望ましい。このような運動機器1は、左右のバランスに優れており、使用者の安全性を向上させることができる。
【0027】
第1エアバッグ2、第2エアバッグ3、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5は、例えば、それぞれ、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂又は天然ゴム等のゴムから形成されている。このような第1エアバッグ2、第2エアバッグ3、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5は、伸縮性、耐久性、経済性に優れており、高品質な運動機器1を安価に製造することができる。
【0028】
運動機器1は、第1エアバッグ2と第2エアバッグ3との間を、流体が移動可能に接続する流通部6を含むのが望ましい。流通部6は、例えば、流体の時間当たりの移動量が所定の範囲内となるような開口面積を有している。このような流通部6は、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3のいずれか一方が踏み込まれたときに、踏み込まれた側の第1踏面2a又は第2踏面3aに負荷をあたえつつ、他方に流体を移動させることができる。このため、本実施形態の運動機器1は、比較的ゆっくりとした運動となるように補助することができる。また、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3は、流通部6を介して互いの内部の空気を移動させることで、圧縮状態と膨張状態とを切り替えることができる。
【0029】
図4は、第1エアバッグ2が踏み込まれたときの運動機器1の模式図である。
図4に示されるように、本実施形態の運動機器1は、第1エアバッグ2が踏み込まれると、流通部6を介して、第1エアバッグ2内の流体が第2エアバッグ3内に移動することで、第2エアバッグ3が膨張する。
【0030】
これにより、第1踏面2aは、下方に移動し、第2踏面3aは、上方に移動する。すなわち、第1エアバッグ2が圧縮状態となり、第2エアバッグ3が膨張状態となる。このとき、流通部6の開口面積が制限されているので、第1踏面2a及び第2踏面3aの移動は、低速で行われる。このような運動機器1は、使用者の脚部Lの筋肉に持続的かつ安全に負荷を与えることができ、高齢者等の筋力アップにも効果的である。
【0031】
図5は、第2エアバッグ3が踏み込まれたときの運動機器1の模式図である。
図5に示されるように、本実施形態の運動機器1は、第2エアバッグ3が踏み込まれると、流通部6を介して、第2エアバッグ3内の流体が第1エアバッグ2内に移動することで、第1エアバッグ2が膨張する。
【0032】
これにより、第2踏面3aは、下方に移動し、第1踏面2aは、上方に移動する。すなわち、第2エアバッグ3が圧縮状態となり、第1エアバッグ2が膨張状態となる。このとき、流通部6の開口面積が制限されているので、第1踏面2a及び第2踏面3aの移動は、低速で行われる。このような運動機器1は、使用者の脚部Lの筋肉に持続的かつ安全に負荷を与えることができ、高齢者等の筋力アップにも効果的である。
【0033】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の流通部6には、流体の流量を調整するための流量調整具6aが設けられる。流量調整具6aは、流通部6の開口面積を変更させるものであるのが望ましい。流量調整具6aとしては、例えば、流量調整弁、絞り、シャッター等の周知の機構が適宜採用され得る。
【0034】
このような流通部6は、流体の流量を使用者に応じて変更することができ、ひいては、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3のいずれか一方を踏み込んだときの、第1踏面2a及び第2踏面3aの移動速度を、使用者に応じて変更することができる。
【0035】
流量調整具6aは、流体の流量をゼロに調整可能であるのが望ましい。このような流量調整具6aが設けられた運動機器1は、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3による運動の補助を停止しつつ、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5による運動の補助を行うことができる。
【0036】
図6は、第3エアバッグ4が膨張したときの運動機器1の模式図であり、
図7は、
図6の運動機器1の側面図である。
図6及び
図7に示されるように、本実施形態の第3エアバッグ4は、第1エアバッグ2に連通することなく独立して膨張可能である。このような第3エアバッグ4は、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動のみを行いたい場合や、足踏み運動に連動せずに脚部Lの一部を持ち上げる運動を行いたい場合に、当該運動を補助することができる。
【0037】
図8は、第4エアバッグ5が膨張したときの運動機器1の模式図である。
図8に示されるように、本実施形態の第4エアバッグ5は、第2エアバッグ3に連通することなく独立して膨張可能である。このような第4エアバッグ5は、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動のみを行いたい場合や、足踏み運動に連動せずに脚部Lの一部を持ち上げる運動を行いたい場合に、当該運動を補助することができる。
【0038】
図2、
図6及び
図8に示されるように、本実施形態の運動機器1は、高圧空気を生成するためのエアポンプ7と、エアポンプ7で生成された高圧空気をエアバッグに供給するための流路8とを含んでいる。エアポンプ7は、例えば、第1エアバッグ2と第2エアバッグ3との間に配される。このようなエアポンプ7及び流路8は、エアバッグを独立して個別に膨張させることに役立つ。
【0039】
なお、流通部6は、エアポンプ7内に設けられていてもよく、エアポンプ7に関係なく設けられていてもよい。また、エアポンプ7は、流通部6を介して、又は、流通部6とは異なる流路を介して、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3にも高圧空気を供給するように構成されていてもよい。
【0040】
流路8は、例えば、高圧空気を第3エアバッグ4に供給するための第1流路8Aと、高圧空気を第4エアバッグ5に供給するための第2流路8Bとを含んでいる。運動機器1は、第1流路8A及び第2流路8Bの高圧空気の移動を制御するための制御弁9を含むのが望ましい。このような運動機器1は、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5を独立して個別に膨張させることができる。
【0041】
第3踏面4a及び第4踏面5aは、それぞれ、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3よりも硬質な部材で形成されるのが望ましい。このような第3踏面4a及び第4踏面5aは、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5が高圧空気により膨張した場合にも変形が抑制され、使用者の安全性を高めることができる。
【0042】
ここで、第1エアバッグ2よりも硬質な部材は、例えば、第1エアバッグ2よりも伸縮性のない素材で形成された部材であってもよく、第1エアバッグ2と同じ素材で第1エアバッグ2よりも厚い部材であってもよい。同様に、第2エアバッグ3よりも硬質な部材は、例えば、第2エアバッグ3よりも伸縮性のない素材で形成された部材であってもよく、第2エアバッグ3と同じ素材で第2エアバッグ3よりも厚い部材であってもよい。
【0043】
本実施形態では、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5が、それぞれ、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3よりも硬質な部材で形成されている。このような第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5は、高圧空気による膨張収縮が繰り返されても破損し難く、長期間使用することができる。
【0044】
制御弁9は、例えば、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5が交互に膨張収縮するように高圧空気の供給を切り替える。制御弁9としては、例えば、電磁弁が好適に採用される。このような運動機器1は、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動を、片足ずつ交互に行うことができる。なお、制御弁9は、エアポンプ7に設けられるのが望ましいが、例えば、流路8に設けられていてもよい。
【0045】
図9は、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5が膨張したときの運動機器1の模式図である。
図9に示されるように、制御弁9は、例えば、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5が同時に膨張収縮するように高圧空気の供給を切り替えることもできる。このような運動機器1は、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動を、両足同時に行うことができる。
【0046】
図6、
図8及び
図9では、流通部6の流量調整具6aが流体の流量をゼロに調整された場合が示されている。このような運動機器1は、第1エアバッグ2又は第2エアバッグ3を踏み込んだとしても、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動のみを行うことができる。
【0047】
図10は、第1エアバッグ2が踏み込まれて第2エアバッグ3が膨張した状態で第4エアバッグ5が膨張したときの運動機器1の模式図である。
図10は、流量調整具6aが流体の移動を許可した状態で第1エアバッグ2が踏み込まれたときを示している。
図10に示されるように、制御弁9は、第1エアバッグ2又は第2エアバッグ3が踏み込まれたときにも、第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5を、独立して個別に膨張させることができる。
【0048】
制御弁9は、例えば、流通部6の流体の移動を検知して、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3の状態に連動して第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5を膨張収縮させてもよい。このような運動機器1は、使用者の脚部Lの移動量を大きくすることができ、筋肉に与える負荷を大きくすることができる。
【0049】
制御弁9は、例えば、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3の状態に関係なく、時間制御又はランダム制御により第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5を膨張収縮させてもよい。このような運動機器1は、使用者の意図せぬ動きを提供することができ、筋肉に与える負荷を大きくすることができる。
【0050】
図11は、他の実施形態の運動機器10を模式的に示す平面図であり、
図12は、
図11のB-B線の断面に相当する運動機器10の模式図、
図13は、
図11の運動機器10の側面図である。
図1ないし
図3に示されるように、この実施形態の運動機器10は、上述の運動機器1と同様、使用者の脚部Lの運動を補助するためのものである。
【0051】
この実施形態の運動機器10は、第1踏面11aを備える第1エアバッグ11と、第2踏面12aを備える第2エアバッグ12と、第3踏面13aを備える第3エアバッグ13と、第4踏面14aを備える第4エアバッグ14とを含んでいる。第1エアバッグ11と第2エアバッグ12とは、互いに左右方向に隣接して、同一平面上に配置されるのが望ましい。
【0052】
この実施形態の第3エアバッグ13は、上述の第3エアバッグ4と同様、第1エアバッグ11の第1踏面11aの一部に設けられている。第3エアバッグ13は、例えば、第1エアバッグ11の第1踏面11aの前後方向の一方側に設けられている。この実施形態の第4エアバッグ14は、上述の第4エアバッグ5と同様、第2エアバッグ12の第2踏面12aの一部に設けられている。第4エアバッグ14は、例えば、第2エアバッグ12の第2踏面12aの前後方向の一方側に設けられている。
【0053】
このような運動機器10は、上述の運動機器1と同様、第1エアバッグ11と第2エアバッグ12とにより、使用者の脚部L全体を持ち上げる足踏み運動を補助することができる。すなわち、第1エアバッグ11及び第2エアバッグ12は、内部に所定量の空気が充填された基準状態よりも内部空気量の少ない圧縮状態と、基準状態よりも内部空気量の多い膨張状態とに切り替わることで、足踏み運動を補助することができる。
【0054】
また、この運動機器10は、第3エアバッグ13と第4エアバッグ14とにより、使用者の脚部Lの足部分の一部を持ち上げる運動、すなわち、かかと上げ運動又はつま先上げ運動を補助することができる。第3エアバッグ13及び第4エアバッグ14も、圧縮状態と膨張状態とに切り替わることで、脚部Lの一部を持ち上げる運動を補助することができる。
【0055】
この実施形態の運動機器10は、上述の運動機器1と同様、第1エアバッグ11と第2エアバッグ12との間を、流体が移動可能に接続する流通部15を含んでいる。流通部15は、上述の流通部6と同様、流体の時間当たりの移動量が所定の範囲内となるような開口面積を有するのが望ましい。
【0056】
このような流通部15は、第1エアバッグ11及び第2エアバッグ12のいずれか一方が踏み込まれたときに、踏み込まれた側の第1踏面11a又は第2踏面12aに負荷をあたえつつ、他方に流体を移動させることができる。このため、この実施形態の運動機器10は、上述の運動機器1と同様、比較的ゆっくりとした運動となるように補助することができる。また、第1エアバッグ11及び第2エアバッグ12は、流通部15を介して互いの内部の空気を移動させることで、圧縮状態と膨張状態とを切り替えることができる。
【0057】
図14は、第2エアバッグ12が踏み込まれたときの運動機器10の模式図であり、
図15は、
図14の運動機器10の側面図である。
図14及び
図15に示されるように、この実施形態の運動機器10は、第2エアバッグ12が踏み込まれると、流通部15を介して、第2エアバッグ12内の流体が第1エアバッグ11内に移動することで、第1エアバッグ11が膨張する。
【0058】
これにより、第2踏面12aは、下方に移動し、第1踏面11aは、上方に移動する。すなわち、第2エアバッグ12が圧縮状態となり、第1エアバッグ11が膨張状態となる。このとき、流通部15の開口面積が制限されているので、第1踏面11a及び第2踏面12aの移動は、低速で行われる。このような運動機器10は、使用者の脚部Lの筋肉に持続的かつ安全に負荷を与えることができ、高齢者等の筋力アップにも効果的である。
【0059】
この実施形態の第3エアバッグ13は、第1エアバッグ11に第1連通部11bを介して連通している。第3エアバッグ13は、第1エアバッグ11よりも膨張容易な第1部分13bを含むのが望ましい。このような第3エアバッグ13は、第2エアバッグ12が踏み込まれて第1エアバッグ11が膨張する際に、第1エアバッグ11に先行して又は同調して膨張させることができる。すなわち、第1エアバッグ11が膨張状態となるときには、第3エアバッグ13も膨張状態となる。
【0060】
第1部分13bは、第1エアバッグ11よりも柔軟な部材で形成されるのが望ましい。このような第1部分13bを含む第3エアバッグ13は、第2エアバッグ12が踏み込まれたときに、第1エアバッグ11に先行して膨張し、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動を補助することができる。
【0061】
ここで、第1エアバッグ11よりも柔軟な部材は、例えば、第1エアバッグ11よりも伸縮性に優れた素材で形成された部材であってもよく、第1エアバッグ11と同じ素材で第1エアバッグ11よりも薄い部材であってもよい。
【0062】
第3踏面13aは、第1部分13bよりも硬質な部材で形成されるのが望ましい。この実施形態の第3踏面13aは、第1エアバッグ11よりも硬質な部材で形成されている。このような第3エアバッグ13は、脚部Lの一部を確実に支持することができ、また、第1連通部11bに脚部Lが入り込むのを抑制することができ、使用者の安全性を向上することができる。
【0063】
図16は、第1エアバッグ11が踏み込まれたときの運動機器10の模式図である。
図16に示されるように、この実施形態の運動機器10は、第1エアバッグ11が踏み込まれると、流通部15を介して、第1エアバッグ11内の流体が第2エアバッグ12内に移動することで、第2エアバッグ12が膨張する。
【0064】
これにより、第1踏面11aは、下方に移動し、第2踏面12aは、上方に移動する。すなわち、第1エアバッグ11が圧縮状態となり、第2エアバッグ12が膨張状態となる。このとき、流通部15の開口面積が制限されているので、第1踏面11a及び第2踏面12aの移動は、低速で行われる。このような運動機器10は、使用者の脚部Lの筋肉に持続的かつ安全に負荷を与えることができ、高齢者等の筋力アップにも効果的である。
【0065】
この実施形態の第4エアバッグ14は、第2エアバッグ12に第2連通部12bを介して連通している。第4エアバッグ14は、第2エアバッグ12よりも膨張容易な第2部分14bを含むのが望ましい。このような第4エアバッグ14は、第1エアバッグ11が踏み込まれて第2エアバッグ12が膨張する際に、第2エアバッグ12に先行して又は同調して膨張させることができる。すなわち、第2エアバッグ12が膨張状態となるときには、第4エアバッグ14も膨張状態となる。
【0066】
第2部分14bは、第2エアバッグ12よりも柔軟な部材で形成されるのが望ましい。このような第2部分14bを含む第4エアバッグ14は、第1エアバッグ11が踏み込まれたときに、第2エアバッグ12に先行して膨張し、使用者の脚部Lの一部を持ち上げる運動を補助することができる。
【0067】
ここで、第2エアバッグ12よりも柔軟な部材は、例えば、第2エアバッグ12よりも伸縮性に優れた素材で形成された部材であってもよく、第2エアバッグ12と同じ素材で第2エアバッグ12よりも薄い部材であってもよい。
【0068】
第4踏面14aは、第2部分14bよりも硬質な部材で形成されるのが望ましい。この実施形態の第4踏面14aは、第2エアバッグ12よりも硬質な部材で形成されている。このような第3エアバッグ13は、脚部Lの一部を確実に支持することができ、また、第1連通部11bに脚部Lが入り込むのを抑制することができ、使用者の安全性を向上することができる。
【0069】
図17は、他の使用状態を示す運動機器10の側面図である。
図14ないし
図17に示されるように、運動機器10は、例えば、かかと上げ運動にも、つま先上げ運動にも使用される。この実施形態の運動機器10は、第1エアバッグ11及び第2エアバッグ12の膨張収縮に連動して、第3エアバッグ13及び第4エアバッグ14が膨張収縮するので、かかと上げ運動又はつま先上げ運動を、足踏み運動と同時に行うことができる。
【0070】
図11及び
図12に示されるように、この実施形態の流通部15には、上述の流通部6と同様、流体の流量を調整するための流量調整具15aが設けられる。流量調整具15aは、流通部15の開口面積を変更させるものであるのが望ましい。流量調整具15aとしては、例えば、流量調整弁、絞り、シャッター等の周知の機構が適宜採用され得る。
【0071】
このような流通部15は、流体の流量を使用者に応じて変更することができ、ひいては、第1エアバッグ11及び第2エアバッグ12のいずれか一方を踏み込んだときの、第1踏面11a及び第2踏面12aの移動速度を、使用者に応じて変更することができる。
【0072】
図18は、他の実施形態の第3エアバッグ16を示す側面図である。
図18に示されるように、この実施形態の第3エアバッグ16は、第3踏面16aと第1部分16bとを含んでいる。この実施形態の第1部分16bは、蛇腹部を含んでいる。
【0073】
図示は省略されるが、この実施形態の第4エアバッグも、第3エアバッグ16と同じ態様が採用される。すなわち、第4エアバッグの第2部分も、蛇腹部を含むのが望ましい。このような第3エアバッグ16及び第4エアバッグは、膨張容易な第1部分16b及び第2部分を確実に形成することができ、高さ方向の移動距離を大きくすることができる。
【0074】
なお、蛇腹部は、例えば、
図1ないし
図10に示される独立して膨張可能な第3エアバッグ4及び第4エアバッグ5に設けられていてもよい。さらに、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3が、蛇腹部を含んでいてもよい。
【0075】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【符号の説明】
【0076】
1 運動機器
2 第1エアバッグ
2a 第1踏面
3 第2エアバッグ
3a 第2踏面
4 第3エアバッグ
4a 第3踏面
5 第4エアバッグ
5a 第4踏面