(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039708
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】戸体
(51)【国際特許分類】
E06B 3/70 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
E06B3/70 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146961
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 アキ
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016HA09
2E016HA10
2E016JA01
2E016KA05
2E016KA09
2E016LA01
2E016LB09
2E016LB12
2E016LD02
2E016MA11
2E016PA03
(57)【要約】
【課題】補強部が戸体の外側から視認されにくい戸体を提供すること。
【解決手段】戸体1は、第1パネル11及び第2パネル12と、第1パネル11及び第2パネル12の間に配置される中パネル13と、中パネル13の上下方向の端部から第1パネル11及び第2パネル12に跨って配置される補強部2と、中パネル13の端部に配置され、第1パネル11及び第2パネル12の間で露出する補強部2の表面を覆うカバー部材3と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル及び第2パネルと、
前記第1パネル及び前記第2パネルの間に配置される中パネルと、
前記中パネルの上下方向の端部から前記第1パネル及び前記第2パネルに跨って配置される補強部と、
前記中パネルの前記端部に配置され、前記第1パネル及び前記第2パネルの間で露出する補強部の表面を覆うカバー部材と、を有する、戸体。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記補強部の室内側の表面を覆う室内側表面部と、室外側の表面を覆う室外側表面部と、前記室内側表面部及び前記室外側表面部を連結する連結部と、を有する、請求項1に記載の戸体。
【請求項3】
前記カバー部材は、互いに向かい合って配置される前記室内側表面部及び前記室外側表面部が、前記連結部から先端側へ向かうにしたがって近づく断面視テーパ形状に形成される補強部保持部を有する、請求項2に記載の戸体。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記中パネルの前記端部を挟持する挟持部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の戸体。
【請求項5】
前記カバー部材の表面は、前記第1パネル及び前記第2パネルの表面の模様と同じ柄の模様を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の戸体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、戸体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隣接するパネルの間に、例えばガラス板等の素材や形状の異なる中パネルを配置した戸体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中パネルの上下方向の端部は、中パネルから隣接するパネルに跨って配置される補強部によって補強される。しかし、補強部が戸体の外側から視認され、外観が損なわれやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、第1パネル及び第2パネルと、前記第1パネル及び前記第2パネルの間に配置される中パネルと、前記中パネルの上下方向の端部から前記第1パネル及び前記第2パネルに跨って配置される補強部と、前記中パネルの前記端部に配置され、前記第1パネル及び前記第2パネルの間で露出する補強部の表面を覆うカバー部材と、を有する、戸体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4A】第1実施形態の上カバー部材の斜視図である。
【
図4B】第1実施形態の下カバー部材の斜視図である。
【
図5A】第1実施形態のカバー部材を挿入する前の斜視図である。
【
図5B】第1実施形態の補強部を挿入する前の斜視図である。
【
図5C】第1実施形態のカバー部材及び補強部を挿入した後の斜視図である。
【
図6A】第2実施形態の下カバー部材の斜視図である。
【
図6B】第2実施形態の下カバー部材を挿入する前の斜視図である。
【
図7】第2実施形態の変形例のカバー部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。戸体1は、室内に配置される引戸に用いられる。戸体1は、厚さの薄い略直方体の板状に形成され、戸体本体10と、補強部2と、カバー部材3と、を有する。
【0008】
戸体本体10は、第1パネル11と、第2パネル12と、中パネル13と、を有し、これらを接続して戸体1の外形を形成した板状の部分である。
【0009】
第1パネル11は、戸体1の戸先側に配置される板状の部材である。第2パネル12は、戸尻側に配置され、第1パネル11よりも幅が大きい板状の部材である。第1パネル11及び第2パネル12の素材は限定されないが、例えば、木材や、合板の表面に木目調の模様を印刷した化粧シートを貼付したものであってよい。
図2に示すように、第1パネル11及び第2パネル12は、それぞれ、中パネル保持溝11a、12aと、補強部保持溝11b、12bと、カバー部材保持溝11c、12cと、を有する。
【0010】
中パネル保持溝11a、12aは、第1パネル11及び第2パネル12の隣接する長辺に沿って、後述する中パネル13の長さと合った寸法の長さに形成される。中パネル保持溝11a、12aは、第1パネル11及び第2パネル12の厚さ方向に延びる面において、厚さ方向の中央部側に配置され、厚さ方向に延びる面から第1パネル11、第2パネル12の幅方向に窪む凹部により形成される。中パネル保持溝11a、12aは、中パネル13の幅方向の端部と合う断面形状を有する。具体的には、中パネル保持溝11a、12aは、第1パネル11及び第2パネル12の厚さ方向に延びる面に向かって開口する断面視略コの字状の溝で、コの字の溝の底面が第1パネル11及び第2パネル12の厚さ方向の中央部においてさらに幅方向中央側に突出するように形成される。
【0011】
補強部保持溝11b、12bは、中パネル13が配置される側における第1パネル11及び第2パネル12の上端及び下端に配置され、後述する補強部2を配置するための溝である。補強部保持溝11b、12bは、第1パネル11及び第2パネル12の上端及び下端に、補強部2を配置可能な幅及び長さ、並びに補強部2の上面及び下面が第1パネル11及び第2パネル12の上端及び下端から突出しない深さに形成される。
図2に示すように、補強部保持溝11b、12bは、平面視で略U字状、すなわち長円の片側の端部を切断した形状をしている。
【0012】
カバー部材保持溝11c、12cは、後述するカバー部材3を挿入可能な溝である。カバー部材保持溝11c、12cは、中パネル保持溝11a、12aのU字の開口側に形成される。カバー部材保持溝11c、12cは、第1パネル11及び第2パネル12の上端及び下端で幅方向に延びる面から視た断面視で補強部保持溝11b、12bより広い幅を有する。カバー部材保持溝11c、12cは、第1パネル11及び第2パネル12の中パネル保持溝11a、12aが形成された長辺の厚さ方向に延びる面から視た断面視で、中パネル保持溝11a、12aよりも広い幅を有して形成される。カバー部材保持溝11c、12cにおける第1パネル11及び第2パネル12の長辺方向に沿う長さ(深さ)は、中パネル保持溝11a、12aよりも短く、後述するカバー部材3の長さと合った長さに形成される。カバー部材保持溝11c、12cには、第1パネル11及び第2パネル12の上端及び下端から視た断面視で、補強部保持溝11b、12bよりも幅広な湾曲面11d、12dが補強部保持溝11b、12bの互いに向かい合う側の端部に形成される。
【0013】
中パネル13は、第1パネル11と第2パネル12の間に配置される幅の細い板状の部材であり、中密度繊維板(MDF)に化粧シートを貼付した板等により構成される。中パネル13は、戸体本体10を構成する他のパネル、すなわち第1パネル11及び第2パネル12と異なる材質で構成される。中パネル13は、幅方向の一方の端部を第1パネル11の中パネル保持溝11aに、他方の端部を第2パネル12の中パネル保持溝12aに挿入して保持される。中パネル13の厚さは、第1パネル11及び第2パネル12よりも薄く、中パネル13の長さは、第1パネル11及び第2パネル12よりも短い。このため、後述する補強部2及びカバー部材3を配置しない状態では、第1パネル11と第2パネル12との長手方向の両端部の間に、中パネル13が短いことから生じる隙間Gが形成される(
図5A参照)。
【0014】
補強部2は、アルミフレームである。補強部2は、中パネル13の幅方向の長さよりも長く、戸体本体10の幅方向の長さよりも短い寸法を有する。補強部2は、中パネル13の上下方向の端部から幅方向に延び、第1パネル11及び第2パネル12に跨って配置される。
図3に示すように、補強部2は、上フレーム22及び下フレーム21を有し、中パネル13の上端及び下端に配置される。
【0015】
上フレーム22は、固定部221と、室内側面222と、室外側面223と、を有する。固定部221は、中パネル13の上面にねじで固定される。固定部221は、上方に向かって凸となる略コの字状に屈曲した部分が中パネル13の厚さ方向の両端部に配置され、厚さ方向の中央部に下方に凸となる略コの字状に屈曲した部分が配置され、これらが連続して上下にジグザグに屈曲した面を有する。室内側面222及び室外側面223は、互いに対向して配置され、戸体本体10の室外側の面及び室内側の面に沿ってそれぞれ延びる。
【0016】
下フレーム21は、
図3に示すように、断面視略ホロー形状のホロー部211と、ホロー部211の室外側及び室内側の面から上方へ延びる室内側面212と、室外側面213と、を有する。ホロー部211は、中パネル13の下面にねじで固定される。室内側面212及び室外側面213は、互いに対向して配置され、戸体本体10の室外側の面及び室内側の面に沿ってそれぞれ延びる。下フレーム21の下には、レール部材4が配置されている。
【0017】
カバー部材3は、第1パネル11及び第2パネルの間で露出する補強部2の表面を覆う部材である。カバー部材3は、中パネル13と別体の部材で、中パネル13の上下方向の端部に配置され、中パネル13を保持しながら補強部2を挟むように取り付けられる。カバー部材3は、
図2に示すように、戸体本体10の上端側に配置される上カバー部材320と、下端側に配置される下カバー部材310と、を有する。上カバー部材320は、中パネル13の上端側及び上フレーム22に取り付けられ、下カバー部材310は、中パネル13の下端側及び下フレーム21に取り付けられる。
図4A及び
図4Bに示すように、上カバー部材320及び下カバー部材310は、戸体本体10を保持する部分の位置が異なり、形状が異なる部分を有する。しかし、上カバー部材320及び下カバー部材310は、概ね断面視略H字状に形成され、機能的に共通する室内側表面部31と、室外側表面部32と、連結部33と、補強部保持部34と、挟持部としての中パネル挟持部35と、を有する。
【0018】
室内側表面部31は、上フレーム22の室内側面222、及び下フレーム21の室内側面212を覆う平坦な面である。室内側表面部31は、戸体本体10の正面視で略長方形の形状を有する。室内側表面部31の表面は、第1パネル11及び第2パネル12の表面の模様と同じ柄の模様を有する。例えば、5A~5Cに示すように、第1パネル11及び第2パネル12が木目調の模様を有していた場合、室内側表面部31の表面は、第1パネル11及び第2パネル12の木目の方向に沿った木目調の模様を有する。第1パネル11及び第2パネル12の模様が戸体1の上下方向に沿って木目が表されていた場合、室内側表面部31の模様も戸体1の上下方向に沿うように表される。
【0019】
室外側表面部32は、上フレーム22の室外側面223、及び下フレーム21の室外側面213を覆う平坦な面である。室外側表面部32は、戸体本体10の正面視で略長方形の形状を有する。室外側表面部32の表面は、第1パネル11及び第2パネル12の表面の模様と同じ柄の模様を有する。例えば、5A~5Cに示すように、第1パネル11及び第2パネル12が木目調の模様を有していた場合、室外側表面部32の表面は、第1パネル11及び第2パネル12の木目の方向に沿った木目調の模様を有する。第1パネル11及び第2パネル12の模様が戸体1の上下方向に沿って木目が表されていた場合、室外側表面部32の模様も戸体1の上下方向に沿うように表される。室外側表面部32は、室内側表面部31と互いに向かい合って配置される。
【0020】
連結部33は、室内側表面部31及び室外側表面部32を連結する板状の部分である。連結部33は、
図3に示すように、室内側表面部31及び室外側表面部32の延びる方向に直交する方向に延び、室内側表面部31及び室外側表面部32の長手方向の中央よりも上下のいずれかに寄った側に配置される。連結部33は、中パネル13に取り付けられた状態で、中パネル13の厚さ方向の面に当接するか、対向するように配置される。
【0021】
補強部保持部34は、連結部33から上フレーム22及び下フレーム21をそれぞれ保持する側に形成される断面視略コの字の部分である。補強部保持部34は、室内側表面部31及び室外側表面部32の連結部33から先端側へ延びる部分と、連結部33との三面により囲まれて、コの字の開口に上フレーム22又は下フレーム21を挟んで保持する。
図3、
図4A及び
図4Bに示すように、補強部保持部34では、室内側表面部31及び室外側表面部32が、連結部33が形成された部分から、中パネル13から離れる先端側に向かうにしたがって互いが近づくように延びる。室内側表面部31及び室外側表面部32は、連結部33からわずかに断面視テーパ形状に配置されている。
【0022】
中パネル挟持部35は、連結部33から中パネル13を保持する側に配置される部分である。中パネル挟持部35は、連結部33と、連結部33の両端から中パネル13側へ延びる部分と、との三面により形成される断面視コの字側の部分に加えて、断面視略コの字の開口側の端部から、開口の内側に向かって屈曲する挟持端部351を有する。中パネル挟持部35では、挟持端部351の先端が中パネル13の表面に当接する。中パネル挟持部35は、中パネル13を挟持した状態で、室内側表面部31及び室外側表面部32における連結部33から中パネル13側へ延びる部分と中パネル13の表面の間に、隙間が形成される。
【0023】
図3に示すように、カバー部材3は、戸体本体10の上端側及び下端側に配置される。上カバー部材320側では、中パネル挟持部35が中パネル13の上端を飲み込むように挟持している。下カバー部材310側では、中パネル挟持部35が中パネル13の下端を軽く覆うように挟持している。
【0024】
図5A~
図5Cを参照して、カバー部材3の取付け方について説明する。
図5A~
図5Cは、カバー部材3を戸体本体10の上側に取り付ける状態を示している。
図5Aに示すように、中パネル13を第1パネル11と第2パネル12の間に固定した状態で、カバー部材3を第1パネル11と第2パネル12の間の隙間Gに挿入する。より具体的には、カバー部材3を第1パネル11のカバー部材保持溝11c、12c及びその湾曲面11d、12dの間に差し込む。
【0025】
次に、
図5Bに示すように、補強部2の上フレーム22を、第1パネル11の補強部保持溝11b、12bに差し込む。補強部2は、カバー部材3の補強部保持部34に保持される。戸体本体10の下端側でも、同様に下フレーム21を差し込む。
【0026】
図5Cに示すように、第1パネル11及び第2パネル12の間の隙間Gがあった部分には、カバー部材3の室内側表面部31及び室外側表面部32が露出する。第1パネル11及び第2パネル12と素材や色の異なる補強部2は、カバー部材3により隠蔽される。室内側表面部31及び室外側表面部32の模様が第1パネル11及び第2パネル12の模様と同じ柄に形成されるため、カバー部材3が第1パネル11及び第2パネル12と連続しているように視認される。
【0027】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。戸体1を、第1パネル11及び第2パネル12と、第1パネル11及び第2パネル12の間に配置される中パネル13と、中パネル13の上下方向の端部から第1パネル11及び第2パネル12に跨って配置される補強部2と、中パネル13の端部に配置され、第1パネル11及び第2パネル12の間で露出する補強部2の表面を覆うカバー部材3と、を含んで構成した。カバー部材3が補強部2の表面を覆うので、補強部2が戸体の外側から視認されなくなる。これにより、戸体1の外観が向上する。カバー部材3を、中パネル13の端部に配置することで補強部2の露出する部分を隠蔽することができるので、予めカバー部材3の表面にのみ第1パネル11及び第2パネル12の表面と同じ柄に加飾しておけば、補強部2の露出する部分に後から加飾したり、露出する部分を想定して広い範囲に柄加工を行っておく等の加工を要しない。よって、簡易に戸体の外観を向上させることができる。
【0028】
第1実施形態によれば、カバー部材3を、補強部2の室内側の表面を覆う室内側表面部31と、室外側の表面を覆う室外側表面部32と、室内側表面部31及び室外側表面部32を連結する連結部33と、を含んで構成した。カバー部材3が、室内側表面部31及び室外側表面部32を有することで、補強部2の表面が隠蔽され、上記と同様の効果を奏する。室内側表面部31及び室外側表面部32を連結部33が連結しているので、カバー部材3を中パネル13に配置して、連結部33を中パネル13に当接させるだけで、容易に補強部2の表面を覆うことができる。
【0029】
第1実施形態によれば、カバー部材3に、補強部保持部34を含んで構成した。補強部保持部34を、互いに向かい合って配置される室内側表面部31及び室外側表面部32が、連結部33から先端側へ向かうにしたがって近づく断面視テーパ形状に形成した。室内側表面部31及び室外側表面部32が先端に向かうにしたがって近づく断面視テーパ形状に形成されているので、室内側表面部31及び室外側表面部32の間が狭くなっている間に補強部2を保持しやすくなる。
【0030】
第1実施形態によれば、カバー部材3を、中パネル13の端部を挟持する中パネル挟持部35を含んで構成した。カバー部材3が第1パネル11及び第2パネル12の間に配置されているので、中パネル挟持部35を中パネル13の端部を挟持させるだけで補強部2の表面を覆うように安定して配置することが可能なる。
【0031】
第1実施形態によれば、カバー部材3の表面を、第1パネル11及び第2パネル12の表面の模様と同じ柄の模様を有するように構成した。これにより、カバー部材3が第1パネル11及び第2パネル12と連続した部材のような印象を与え、戸体1の外観を向上させることができる。カバー部材3の表面のみを加飾することで第1パネル11及び第2パネル12の模様に合わせることができる。第1パネル11及び第2パネルの模様が上下方向に沿う木目調の場合、第1パネル11及び第2パネルの木目の方向に沿って、カバー部材3の表面に模様を付せばよい。仮に、カバー部材3を設けずに補強部の表面に模様を付して第1パネル11及び第2パネル12の模様と合わせようとした場合、第1パネル11と第2パネル12の間の隙間Gがどの位置に対応するか正確に予想することが難しいので、隙間Gより多い幅で加飾をする必要が生じる。また、模様が木目調の場合に、補強部に沿って木目の模様を付そうとすると、木目の方向が戸体本体10の幅方向に沿ってしまうという事態も生じ得る。第1実施形態によれば、カバー部材3を取り付けるだけで余計な手間をかけずに、第1パネル11及び第2パネル12と調和した模様を戸体本体10に設けることが可能になる。
【0032】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
図6A及び
図6Bに示すように、第2実施形態のカバー部材3Aは、室内側表面部31及び室外側表面部32が室内側表面部31及び室外側表面部32の正面視で略長方形に形成されていない。
【0033】
図6Aは、上吊引戸の下側に配置するカバー部材3Aの下カバー部材310Aを示す。下カバー部材310Aの室内側表面部31A及び室外側表面部32Aは、室内側表面部31A及び室外側表面部32Aの正面視で中パネル挟持部35Aが配置される側の幅が狭く、補強部保持部34Aが配置される側の幅が広く形成され、室内側表面部31A及び室外側表面部32Aの正面視で幅方向に段差を有するように形成されている。
【0034】
図6Bに示すように、第2実施形態では、第1パネル11A及び第2パネル12Aが、カバー部材保持溝11c、12c及び湾曲面11d、12dを有さない点で第1実施形態と異なる。第1パネル11A及び第2パネル12Aは、中パネル13を保持する中パネル保持溝11a、12a及び補強部保持溝11e、12eを有する。第2実施形態の補強部保持溝11e、12eは、カバー部材保持溝11c、12cを兼ねるように、第1パネル11及び第2パネル12の厚さ方向に沿って幅広に形成されている。カバー部材保持溝11c、12c及びその湾曲面11d、12dを補強部保持溝11e、12eと別途形成しないため、溝を形成する工程を省略することが可能である。
【0035】
カバー部材3Aでは、補強部保持部34Aが配置される側の幅が広くなっている。カバー部材3Aの場合、室内側表面部31A及び室外側表面部32Aを左右に調整しながら、中パネル挟持部35Aが第1パネル11と第2パネル12との間に位置するように位置合わせを行う。
【0036】
図7は、第2実施形態の変形例に係るカバー部材3Bを示す。カバー部材3Bの構成及び第1パネル11B及び第2パネル12Bの溝の構成は、第2実施形態と共通する。変形例に係るカバー部材3Bは、第2実施形態のカバー部材3Aと比べて、中パネル挟持部35Bの方が補強部保持部34Bよりも高さが高くなっている。しかし、中パネル挟持部35Bと補強部保持部34Bを合わせた全体の高さは、第2実施形態のカバー部材3Aの高さと同じである。カバー部材3Bは、戸体の他の部品の配置に応じて、戸体本体の上側に配置してもよく、下側に配置してもよい。カバー部材は、戸体の種類や上下の配置等によって、適宜形状を変更してよい。
【0037】
第1パネル11、第2パネル12及び中パネル13の寸法や材質は、外観のデザインによって適宜変更可能である。材質の異なるパネルが交互に並んでいる等、第2パネル及び中パネルは複数あってもよい。第1パネル11及び第2パネル12の模様は、木目調でなくてもよい。戸体は、下側に戸車を配置した引戸であっても、上側に戸車を配置した上吊引戸であってもよい。戸体や戸体本体の形状は長方形に限定されない。中パネルや補強部保持溝、カバー部材保持溝等の具体的な形状は、適宜変更されてよい。
【符号の説明】
【0038】
1 戸体、 2 補強部、 3 カバー部材、 11 第1パネル、 12 第2パネル、 13 中パネル、 31 室内側表面部、 32 室外側表面部、 33 連結部、 34 補強部保持部、 35 中パネル挟持部(挟持部)