(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039772
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20230314BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H01L33/48
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147052
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】三浦 勇一
【テーマコード(参考)】
2H137
5F142
【Fターム(参考)】
2H137AB11
2H137BA44
2H137BA52
2H137BB02
2H137BB14
2H137BC02
2H137BC31
2H137CA34
2H137DA14
5F142AA01
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB14
5F142CD01
5F142DB12
5F142DB17
5F142DB18
5F142DB22
5F142DB24
5F142DB28
(57)【要約】
【課題】実装される複数の発光素子のそれぞれから出射される光の光量を高精度に検出可能な光デバイスを提供する。
【解決手段】光デバイス1は、基板と、基板に実装され、第1の波長を有する第1光を出射する第1発光素子と、第1の波長と異なる第2の波長を有する第2光を出射する第2発光素子と、第1発光素子から光が入射されることに応じて出射光を他端から出射する光学素子と、第1発光素子から第1光の光量に応じた電流を出力する第1光電変換素子と、第2発光素子から第2光の光量に応じた電流を出力する第2光電変換素子と、第1発光素子及び第1光電変換素子と第2発光素子及び第2光電変換素子との間に配置され、第1光が第2光電変換素子に入射することを防止すると共に、第2光が第1光電変換素子に入射することを防止する第1遮蔽壁とを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装され、第1の波長を有する第1光を出射する第1発光素子と、
前記第1発光素子と並んで前記基板に配置され、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する第2光を出射する第2発光素子と、
一端が前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対向するように配置され、前記第1発光素子から光が入射されることに応じて出射光を他端から出射する光学素子と、
前記第1発光素子の前記光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、前記第1発光素子から第1光の光量に応じた電流を出力する第1光電変換素子と、
前記第2発光素子の前記光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、前記第2発光素子から第2光の光量に応じた電流を出力する第2光電変換素子と、
前記第1発光素子及び前記第1光電変換素子と前記第2発光素子及び前記第2光電変換素子との間に配置され、前記第1光が前記第2光電変換素子に入射することを防止すると共に、前記第2光が前記第1光電変換素子に入射することを防止する第1遮蔽壁と、
を有する、ことを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
第1側板部、前記第1側板部に対向して配置される第2側板部、前記第1側板部と前記第2側板部とを接続する第3側板部、前記第3側板部に対向して配置される第4側板部、及び前記第1側板部、前記第2側板部、前記第3側板部及び前記第4側板部を覆うように配置される上板部を有し、前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子を収容する収容空間を前記基板と共に形成する凹部が形成される筐体を更に有し、
前記第1遮蔽壁は、前記上板部に接合される、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記上板部は、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子に対向する位置よりも前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対向する位置よりも低くなるように形成され、前記第1光及び前記第2光を反射する反射面を有する、請求項2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記反射面は、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子に対向する位置から前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対向する位置に向かって傾斜する傾斜面である、請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記第1発光素子と反対の方向に前記第2発光素子と並んで前記基板に配置され、前記第1の波長及び前記第2の波長と異なる第3の波長を有する第3光を出射する第3発光素子と、
前記第3発光素子の前記光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、前記第3発光素子から第3光の光量に応じた電流を出力する第3光電変換素子と、
前記第2発光素子及び前記第2光電変換素子と前記第3発光素子及び前記第3光電変換素子との間に配置され、前記第2光が前記第3光電変換素子に入射することを防止すると共に、前記第3光が前記第2光電変換素子に入射することを防止する第3遮蔽壁と、
を更に有する、請求項1~4の何れか一項に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記基板に配置され、前記第1発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第1サブ基板と、
前記第1サブ基板と並んで前記基板に配置され、前記第2発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第2サブ基板と、
前記第3発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第3サブ基板と、
前記光学素子の他端を支持する架台と、
前記第1サブ基板、前記第2サブ基板及び前記第3サブ基板と前記架台とに支持された前記光学素子に覆われるように、前記基板に実装される温度検出センサと、
を更に有する、請求項5に記載の光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
赤色、緑色及び青色の光を出射するレーザダイオードを発光素子として使用する光デバイスにおいて、レーザダイオードのそれぞれから出射される光の光量を検出する技術が知られている。例えば、特許文献1には、出射光の一部をミラーによって分光し、分光された光の光量をフォトダイオードで検出する技術が記載されている。特許文献1に記載される技術では、440nmから640nmまでの赤色、緑色及び青色の光の波長を検出可能な感度特性を有するフォトダイオードを採用することで、三色混合された合波光の光量を高感度に検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、三色混合された合波光の光量を検出するため、赤色、緑色及び青色の光を出射するレーザダイオードのそれぞれから出射される光の光量を別個に検出することは容易ではない。レーザダイオードのそれぞれの近傍にフォトダイオードを配置することで、レーザダイオードのそれぞれから出射される光の光量を別個に検出することができる。しかしながら、レーザダイオードが隣接して配置されるとき、隣接して配置される他のレーザダイオードから光が入射して、レーザダイオードのそれぞれから出射される光の光量の検出精度が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、実装される複数の発光素子のそれぞれから出射される光の光量を高精度に検出可能な光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光デバイスは、基板と、基板に実装され、第1の波長を有する第1光を出射する第1発光素子と、第1発光素子と並んで基板に配置され、第1の波長と異なる第2の波長を有する第2光を出射する第2発光素子と、一端が第1発光素子及び第2発光素子に対向するように配置され、第1発光素子から光が入射されることに応じて出射光を他端から出射する光学素子と、第1発光素子の光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、第1発光素子から第1光の光量に応じた電流を出力する第1光電変換素子と、第2発光素子の光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、第2発光素子から第2光の光量に応じた電流を出力する第2光電変換素子と、第1発光素子及び第1光電変換素子と第2発光素子及び第2光電変換素子との間に配置され、第1光が第2光電変換素子に入射することを防止すると共に、第2光が第1光電変換素子に入射することを防止する第1遮蔽壁とを有する。
【0007】
さらに、本発明に係る光デバイスは、第1側板部、第1側板部に対向して配置される第2側板部、第1側板部と第2側板部とを接続する第3側板部、第3側板部に対向して配置される第4側板部、及び第1側板部、第2側板部、第3側板部及び第4側板部を覆うように配置される上板部を有し、第1発光素子、第2発光素子、第1光電変換素子及び第2光電変換素子を収容する収容空間を基板と共に形成する凹部が形成される筐体を更に有し、第1遮蔽壁は、上板部に接合されることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る光デバイスでは、上板部は、第1光電変換素子及び第2光電変換素子に対向する位置よりも第1発光素子及び第2発光素子に対向する位置よりも低くなるように形成され、第1光及び第2光を反射する反射面を有することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る光デバイスでは、反射面は、第1光電変換素子及び第2光電変換素子に対向する位置から第1発光素子及び前記第2発光素子に対向する位置に向かって傾斜する傾斜面であることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る光デバイスでは、第1発光素子と反対の方向に前記第2発光素子と並んで前記基板に配置され、前記第1の波長及び前記第2の波長と異なる第3の波長を有する第3光を出射する第3発光素子と、前記第3発光素子の前記光学素子に対向する面と反対の面に対向して配置され、前記第3発光素子から第3光の光量に応じた電流を出力する第3光電変換素子と、前記第2発光素子及び前記第2光電変換素子と前記第3発光素子及び前記第3光電変換素子との間に配置され、前記第2光が前記第3光電変換素子に入射することを防止すると共に、前記第3光が前記第2光電変換素子に入射することを防止する第3遮蔽壁とを更に有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る光デバイスは、基板に配置され、前記第1発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第1サブ基板と、前記第1サブ基板と並んで前記基板に配置され、前記第2発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第2サブ基板と、前記第3発光素子が実装されると共に、前記光学素子の一端を支持する第3サブ基板と、前記光学素子の他端を支持する架台と、前記第1サブ基板、前記第2サブ基板及び前記第3サブ基板と前記架台とに支持された前記光学素子に覆われるように、前記基板に実装される温度検出センサとを更に有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る光デバイスは、実装される複数の発光素子のそれぞれから出射される光の光量を別個に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る光デバイスの斜視図である。
【
図2】
図1に示す光デバイスの筐体を除いた斜視図である。
【
図7】
図1に示す光デバイスの筐体を除いた背面図である。
【
図9】(a)は
図1に示す筐体の斜視図(その1)であり、(b)は
図1に示す筐体の斜視図(その2)である。
【
図10】(a)は
図2に示す第1サブ基板の斜視図であり、(b)は(a)において一点鎖線Aで示される部分の拡大斜視図である。
【
図11】(a)は
図2に示す第2サブ基板の斜視図であり、(b)は(a)において一点鎖線Bで示される部分の拡大斜視図である。
【
図12】(a)は
図2に示す第3サブ基板の斜視図であり、(b)は(a)において一点鎖線Cで示される部分の拡大斜視図である。
【
図13】
図2に示す光学素子の内部ブロック図である。
【
図14】変形例に係るサブ基板の製造方法を示す図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一側面に係る光デバイスについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0015】
(実施形態に係る光デバイスの構成及び機能)
図1は第1実施形態に係る光デバイスの斜視図であり、
図2は
図1に示す光デバイスの筐体を除いた斜視図であり、
図3は
図1に示す光デバイスの分解斜視図であり、
図4は
図1に示す光デバイスの底面図である。
図5は
図1に示すD-D線に沿う断面図であり、
図6は
図1に示すE-E線に沿う断面図であり、
図7は
図1に示す光デバイスの筐体を除いた背面図であり、
図8は
図1に示す光デバイスの拡大側面図である。
【0016】
光デバイス1は、第1基板2と、第2基板3と、筐体4と、第1フォトダイオード5と、第2フォトダイオード6と、第3フォトダイオード7と、第1ツェナーダイオード8と、第2ツェナーダイオード9と、第3ツェナーダイオード10とを有する。また、光デバイス1は、第1サブ基板11と、第2サブ基板12と、第3サブ基板13と、第1発光素子14と、第2発光素子15と、第3発光素子16と、光学素子17と、架台18と、レンズ19と、サーミスタ20とを更に有する。光デバイス1は、外部から所定の電圧が印加されることに応じて、白色光を出射する。
【0017】
第1基板2及び第2基板3は、例えば窒化アルミ等の剛性及び放熱性が高い材料で形成される。第1基板2は、矩形の平面形状を有し、光デバイス1の底面を形成する。第1基板2の表面には第2基板3が配置され、第1基板2の裏面には光デバイス1を制御する制御装置と光デバイス1との間を電気的な接続するための複数の電極対が配置される。第1基板2の裏面に配置される電極対は、第1フォトダイオード5と、第2フォトダイオード6と、第3フォトダイオード7のアノード及びカソードに接続される電極対2r1、2g1及び2b1を含む。また、第1基板2の裏面に配置される電極対は、第1発光素子14、第2発光素子15及び第3発光素子の表面電極及び裏面電極に接続される電極対2r2、2g2及び2b2を含む。さらに、第1基板2の裏面に配置される電極対は、サーミスタ20の両端に接続された電極対2sを含む。
【0018】
第1基板2の外縁には、第1基板2と筐体4とを接合するための接合部材201が配置される。接合部材201は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材である。なお、第1基板2及び第2基板3は、別体の基板であるが、実施形態に係る光デバイスでは、第1基板2及び第2基板3は、一体の基板であってもよい。
【0019】
第2基板3の表面には、第1フォトダイオード5~第3ツェナーダイオード10、第1サブ基板11~第3サブ基板13、架台18及びサーミスタ20が表面に実装される。第1フォトダイオード5~第3ツェナーダイオード10、第1サブ基板11~第3サブ基板13、架台18及びサーミスタ20が実装される領域以外の表面の領域は、絶縁層であるソルダーペースト301に覆われる。また、第2基板3の裏面は、第1基板2の表面に形成された接合パターンと接合される接合パターンが形成される。第1基板2の表面及び第2基板3の裏面に形成される接合パターンは、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成される。
【0020】
筐体4は、アルミナ等の剛性且つ放熱特性が高い金属材料で形成された収容部材であり、底面が第1基板2の外縁に配置された接合部材によって接合されることで、第1基板2と共に、気密性が高く、水分及び有機物等の不純物が侵入し難い収容空間を形成する。筐体4及び第1基板2によって形成される気密封止された収容空間には、第1フォトダイオード5~サーミスタ20が収容される。
【0021】
筐体4の長手方向の一方の側板部には、白色光が出射される円形状の出射孔401が形成される。出射孔401を覆うように筐体4の長手方向の一方の側板部には、ガラス等の光透過材料で形成され、収容空間を封止する光透過シート402が配置される。
【0022】
図9(a)は筐体4の斜視図(その1)であり、
図9(b)は筐体4の斜視図(その2)である。
【0023】
筐体4は、第1側板部411と、第2側板部412と、第3側板部413と、第4側板部414と、上板部415とを有する。筐体4は、第1フォトダイオード5~サーミスタ20を収容する収容空間を第1基板2及び第2基板3と共に形成する凹部416が形成される。
【0024】
第1側板部411は、矩形状の形状を有し、上板部415の長手方向の端部に配置され、筐体4が第1基板2及び第2基板3に接合されたときに、第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7の近傍に配置される。第2側板部412は、第1側板部411と同一の形状を有し、上板部415の長手方向の第1側板部411が配置される端部と反対の端部に配置され、出射孔401が形成される。
【0025】
第3側板部413は、矩形状の形状を有し、上板部415の短手方向の端部に配置され、第1側板部411と第2側板部412との間を接続する。第4側板部414は、矩形状の形状を有し、上板部415の短手方向の端部に第3側板部413に対向するように配置され、第1側板部411と第2側板部412との間を接続する。
【0026】
上板部415は、矩形の平面形状を有し、第1側板部411~第4側板部414の上端を覆うように配置される。上板部415は、第1発光素子14、第2発光素子15及び第3発光素子16のそれぞれから出射された第1光~第3光を反射する反射面417を有する。反射面417は、第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7に対向する位置が第1発光素子14~第3発光素子16に対向する位置よりも低くなるように配置される傾斜面として形成される。反射面417は、第1発光素子14から出射される第1光を第1フォトダイオード5に反射し、第2発光素子15から出射される第2光を第2フォトダイオード6に反射し、第3発光素子16から出射される第3光を第3フォトダイオード7に反射する。
【0027】
筐体4は、上板部415に接合され、筐体4に一体化される第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422を更に有する。第1遮蔽壁421は、一端が第1側板部411に接し、第1発光素子14及び第1フォトダイオード5と第2発光素子15及び第2フォトダイオード6との間を延伸するように配置される。第1遮蔽壁421は、第1発光素子14から出射される第1光が第2フォトダイオード6に入射することを防止すると共に、第2発光素子15から出射される第2光が第1フォトダイオード5に入射することを防止する。
【0028】
第2遮蔽壁422は、一端が第1側板部411に接し、第2発光素子15及び第2フォトダイオード6と第3発光素子16及び第3フォトダイオード7との間を第1遮蔽壁421と平行に延伸するように配置される。第2遮蔽壁422は、第2発光素子15から出射される第2光が第3フォトダイオード7に入射することを防止すると共に、第3発光素子16から出射される第3光が第2フォトダイオード6に入射することを防止する。
【0029】
第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422は、筐体4の母材を切削加工することにより形成されてもよく、筐体4に凹部416が形成された後に、上板部415に金属粉末射出成形(Metal Injection Molding、MIM)を施すことより形成されてもよい。
【0030】
第1フォトダイオード5、第2フォトダイオード6及び第3フォトダイオード7は、シリコン及びゲルマニウム等により形成されたフォトダイオードである。第1フォトダイオード5、第2フォトダイオード6及び第3フォトダイオード7は、第2基板3の長手方向の端部に配列される。第1フォトダイオード5、第2フォトダイオード6及び第3フォトダイオード7は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に形成される接合パターンに接合される。
【0031】
第1フォトダイオード5は、第1発光素子14の光学素子17に対向する面と反対の面に対向して配置され、第1発光素子14から第1光の光量に応じた電流を出力する。第1フォトダイオード5は、第2基板3の短手方向の位置が第1発光素子14の短手方向の位置と一致するように配置される。第1フォトダイオード5のアノード及びカソードは、第1基板2及び第2基板3を介して第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2r1に接続される。第1フォトダイオード5は、第1発光素子14から出射される光を検出し、検出した光の光量に応じた電流を、第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2r1を介して制御装置に出力する。
【0032】
第2フォトダイオード6は、第2発光素子15の光学素子17に対向する面と反対の面に対向して配置され、第2発光素子15から第2光の光量に応じた電流を出力する。第2フォトダイオード6は、第2基板3の短手方向の位置が第2発光素子15の短手方向の位置と一致するように配置される。第2フォトダイオード6のアノード及びカソードは、第1基板2及び第2基板3を介して第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2g1に接続される。第2フォトダイオード6は、第2発光素子15から出射される光を検出し、検出した光の光量に応じた電流を、第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2g1を介して制御装置に出力する。
【0033】
第3フォトダイオード7は、第3発光素子16の光学素子17に対向する面と反対の面に対向して配置され、第3発光素子16から第3光の光量に応じた電流を出力する。第3フォトダイオード7は、第2基板3の短手方向の位置が第3発光素子16の短手方向の位置と一致するように配置される。第3フォトダイオード7のアノード及びカソードは、第1基板2及び第2基板3を介して第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2b1に接続される。第3フォトダイオード7は、第3発光素子16から出射される光を検出し、検出した光の光量に応じた電流を、第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2b1を介して制御装置に出力する。
【0034】
第1ツェナーダイオード8、第2ツェナーダイオード9及び第3ツェナーダイオード10は、第1発光素子14、第2発光素子15及び第3発光素子16のそれぞれに過電圧が印加されることを防止する過電圧防止素子である。第1ツェナーダイオード8は、第1フォトダイオード5と第1サブ基板11との間に配置される。第2ツェナーダイオード9は、第2フォトダイオード6と第2サブ基板12との間に配置される。第3ツェナーダイオード10は、第3フォトダイオード7と第3サブ基板13との間に配置される。第1ツェナーダイオード8、第2ツェナーダイオード9及び第3ツェナーダイオード10は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に形成される接合パターンに接合される。
【0035】
第1ツェナーダイオード8は第1発光素子14に並列接続され、第1発光素子14に過電圧が印加されるおそれがあるときに降伏電流を流して、第1発光素子14に過電圧が印加されることを防止する。
【0036】
第2ツェナーダイオード9は第2発光素子15に並列接続され、第2発光素子15に過電圧が印加されるおそれがあるときに降伏電流を流して、第2発光素子15に過電圧が印加されることを防止する。
【0037】
第3ツェナーダイオード10は第3発光素子16に並列接続され、第3発光素子16に過電圧が印加されるおそれがあるときに降伏電流を流して、第3発光素子16に過電圧が印加されることを防止する。
【0038】
図10(a)は第1サブ基板11の斜視図であり、
図10(b)は
図10(a)において一点鎖線Aで示される部分の拡大斜視図である。
【0039】
第1サブ基板11は、第1基台21と、第1発光素子パターン22と、第1光学素子パターン23とを有し、第2基板3に実装される。第1基台21は、シリコンで形成された略直方体状の部材であり、表面に第1実装面24及び第2実装面25が第1段差26を介して形成される。第1サブ基板11は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に接合される。
【0040】
第1発光素子パターン22は、表面活性化接合により、第1実装面24に接合される。また、第1発光素子パターン22は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第1実装面24に配置されてもよい。第1発光素子パターン22の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第1発光素子パターン22は、表面活性化結合により第1発光素子14の裏面電極を第1サブ基板11に接合する。
【0041】
第1光学素子パターン23は、表面活性化接合により、第2実装面25に接合される。また、第1光学素子パターン23は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第2実装面25に配置されてもよい。第1光学素子パターン23の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第1光学素子パターン23は、表面活性化結合により光学素子17を第1サブ基板11に接合する。
【0042】
第1実装面24及び第2実装面25のそれぞれは、矩形状の平面形状を有する。第1実装面24の第1サブ基板11の底面からの高さは、第2実装面25の第1サブ基板11の底面からの高さよりも低い。第2実装面25は、第1段差26から第1発光素子14の先端が突出することで端部が第1発光素子14の先端の下方に位置すると共に、湾曲しながら第2実装面25の反対側の端部に延伸する第1凹部27が形成される。第1凹部27には、第1光学素子パターン23は、配置されない。
【0043】
図11(a)は第2サブ基板12の斜視図であり、
図11(b)は
図11(a)において一点鎖線Bで示される部分の拡大斜視図である。
【0044】
第2サブ基板12は、第2基台31と、第2発光素子パターン32と、第2光学素子パターン33とを有し、第2基板3に実装される。第2基台31は、シリコンで形成された略直方体状の部材であり、表面に第3実装面34及び第4実装面35が第2段差36を介して形成される。第2基台31の幅及び高さは、第1基台21の幅及び高さと略同一である。一方、第2基台31の長さは、第1基台21のよりも短い。第2サブ基板12は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に接合される。
【0045】
第2発光素子パターン32は、表面活性化接合により、第3実装面34に接合される。また、第2発光素子パターン32は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第3実装面34に配置されてもよい。第2発光素子パターン32の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第2発光素子パターン32は、表面活性化結合により第2発光素子15の裏面電極を第2サブ基板12に接合する。
【0046】
第2光学素子パターン33は、表面活性化接合により、第4実装面35に接合される。また、表面活性化接合により、第4実装面35に接合される。金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第4実装面35に配置されてもよい。第2光学素子パターン33の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第2光学素子パターン33は、表面活性化結合により光学素子17を第2サブ基板12に接合する。
【0047】
第3実装面34及び第4実装面35のそれぞれは、矩形状の平面形状を有する。第3実装面34の第2サブ基板12の底面からの高さは、第4実装面35の第2サブ基板12の底面からの高さよりも低い。第4実装面35の第1サブ基板11の底面からの高さは、第2実装面25の第1サブ基板11の底面からの高さと等しい。第4実装面35は、第2段差36から第2発光素子15の先端が突出することで端部が第2発光素子15の先端の下方に位置すると共に、湾曲しながら長手方向の一対の辺の一方に延伸する第2凹部37が形成される。第2凹部37には、第2光学素子パターン33は、配置されない。
【0048】
図12(a)は第3サブ基板13の斜視図であり、
図12(b)は
図12(a)において一点鎖線Cで示される部分の拡大斜視図である。
【0049】
第3サブ基板13は、第3基台41と、第3発光素子パターン42と、第3光学素子パターン43とを有し、第2基板3に実装される。第3基台41は、シリコンで形成された略直方体状の部材であり、表面に第5実装面44及び第6実装面45が第3段差46を介して形成される。第3基台41は、第2基台31と同一形状を有する。すなわち、第3基台41の長さ、幅及び高さは、第2基台31の長さ、幅及び高さと略同一である。第3サブ基板13は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に接合される。
【0050】
第3発光素子パターン42は、表面活性化接合により、第5実装面44に接合される。また、第3発光素子パターン42は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第5実装面44に配置されてもよい。第3発光素子パターン42の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第3発光素子パターン42は、表面活性化結合により第3発光素子16の裏面電極を第3サブ基板13に接合する。
【0051】
第3光学素子パターン43は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって形成され、第6実装面45に配置される。第3光学素子パターン43の表面には、複数のマイクロバンプが形成される。第3光学素子パターン43は、表面活性化結合により第3発光素子16を第3サブ基板13に接合する。
【0052】
第5実装面44及び第6実装面45のそれぞれは、矩形状の平面形状を有する。第5実装面44の第3サブ基板13の底面からの高さは、第6実装面45の第3サブ基板13の底面からの高さよりも低い。第6実装面45の第1サブ基板11の底面からの高さは、第2実装面25及び第4実装面35の第1サブ基板11の底面からの高さと等しい。第6実装面45は、第3段差46から第3発光素子16の先端が突出することで端部が第3発光素子16の先端の下方に位置すると共に、湾曲しながら長手方向の一対の辺の一方に延伸する第3凹部47が形成される。第3凹部47には、第3光学素子パターン43は、配置されない。
【0053】
第1サブ基板11の第1実装面24と第2実装面25との間に形成される第1段差26は、ウェットエッチング及びドライエッチングを含む公知のエッチング技術により形成される。第2サブ基板12の第2段差36及び第3サブ基板13の第3段差46は、第1段差26と同様に、公知のエッチング技術により形成される。
【0054】
第1発光素子14は、ガリウムひ素基板に形成されたレーザダイオードであり、第1基板2の裏面に配置される電極対2r2を介しての表面電極と裏面電極との間に順方向電圧が印加されることに応じて、赤色光を出射する。第1発光素子14から出射される赤色光は、第1の波長を有する第1光の一例である。
【0055】
第1発光素子14から出射される赤色光の波長は、620nmと750nmとの間の範囲内であり、一例では640nmである。第1発光素子14は、マイクロバンプが表面に形成される第1発光素子パターン22を介して第1実装面24に実装される。第1発光素子14の表面電極は不図示のボンディングワイヤを介して一対の電極対2r2の一方に接続され、第1発光素子14の裏面電極は第1発光素子パターン22を介して一対の電極対2r2の他方に接続される。
【0056】
第2発光素子15は、窒化ガリウム基板に形成されたレーザダイオードであり、第1基板2の裏面に配置される電極対を介して表面電極と裏面電極との間に順方向電圧が印加されることに応じて、緑色光を出射する。第2発光素子15から出射される緑色光は、第1の波長と異なる第2の波長を有する第2光の一例である。
【0057】
第2発光素子15から出射される緑色光の波長は、490nmと570nmとの間の範囲内であり、一例では520nmである。第2発光素子15は、マイクロバンプが表面に形成される第2発光素子パターン32を介して第3実装面34に実装される。第2発光素子15の表面電極は不図示のボンディングワイヤを介して一対の電極対2g2の一方に接続され、第2発光素子15の裏面電極は第2発光素子パターン32を介して一対の電極対2g2の他方に接続される。
【0058】
第3発光素子16は、窒化ガリウム基板に形成されたレーザダイオードであり、第1基板2の裏面に配置される電極対を介して表面電極と裏面電極との間に順方向電圧が印加されることに応じて、青色光を出射する。第3発光素子16から出射される青色光は、第1の波長及び第2の波長と異なる第3の波長を有する第3光の一例である。
【0059】
第3発光素子16から出射される青色光の波長は、450nmと495nmとの間の範囲内であり、一例では455nmである。第3発光素子16は、マイクロバンプが表面に形成される第3発光素子パターン42を介して第5実装面44に実装される。第3発光素子16の表面電極は不図示のボンディングワイヤを介して一対の電極対2r2の一方に接続され、第3発光素子16の裏面電極は第3発光素子パターン42を介して一対の電極対2r2の他方に接続される。
【0060】
光学素子17は、シリコン基板に形成された光合波器であり、例えば特許文献1に記載される光合波器である。光学素子17は、シリコンにより形成される基材17aと、光が導光する光導波路であるコアが内部に形成されるクラッド層17bとにより形成される。光学素子17は、第1発光素子14~第3発光素子16のそれぞれから出射される赤色光、緑色光及び青色光を合波して白色光を出射する。クラッド層17bは、基材17aの下面に形成される。
【0061】
【0062】
光学素子17は、第1光導波路51と、第2光導波路52と、第3光導波路53と、第1カプラ54と、第2カプラ55と、第3カプラ56と、位相制御部57とを有する。第1光導波路51、第2光導波路52、第3光導波路53、第1カプラ54、第2カプラ55、第3カプラ56及び位相制御部57は、酸化シリコンで形成されるクラッド層17bの内部に形成されるコアである。第1光導波路51、第2光導波路52及び第3光導波路53の下方には凸部が形成される。第1光導波路51、第2光導波路52及び第3光導波路53の下方に形成される凸部は、第1凹部27、第2凹部37及び第3凹部47のそれぞれに挿入される。
【0063】
第1光導波路51は、一端に第1入射ポート51aが第1発光素子14の出射面に対向するように配置され、第1入射ポート51aを介して第1発光素子14から赤色光が入射する。第2光導波路52は、一端に第2入射ポート52aが第2発光素子15の出射面に対向するように配置され、第2入射ポート52aを介して第2発光素子15から緑色光が入射する。第3光導波路53は、一端に第3入射ポート53aが第3発光素子16の出射面に対向するように配置され、第3入射ポート53aを介して第3発光素子16から青色光が入射する。
【0064】
第1カプラ54は、例えば3dBカプラであり、第2光導波路52を介して入射する緑色光と第3光導波路53を介して入射する青色光とを合波して第2カプラ55に出射すると共に、青色光を位相制御部57に出射する。第2カプラ55は、例えば3dBカプラであり、第1光導波路51を介して入射する赤色光と第1カプラ54から入射する緑色光及び青色光の合波光と合波して、第3カプラ56に出射する。第3カプラ56は、例えば3dBカプラであり、第2カプラ55を介して入射する合波光と位相制御部57を介して入射する青色光とを合波して白色光を生成し、生成した白色光を出射光として出射ポート52bからレンズ19に出射する。
【0065】
架台18は、アルミナにより形成され、光学素子17の他端を支持すると共に、レンズ19を保持する。架台18の底面は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって第2基板3の表面に形成される接合パターンに接合される。架台18の上面は、金錫合金ペースト材等の半田よりも融点が高い接合部材によって光学素子17に接合される。
【0066】
レンズ19は、ガラス等の光透過性部材により形成された凸レンズであり、架台18に形成される貫通孔の内部に配置されることで架台18に保持される。レンズ19は、光学素子17側の端面が光学素子17側の貫通孔の開口部よりも内側に位置するように配置される。貫通孔の開口部とレンズ19の端面との間の空間は、光学素子17の出射ポート52bから出射される出射光の光量を調整する絞りとして機能する。レンズ19は、光学素子17の出射ポート52bから発散しながら入射される出射光の径をコリメートして平行光である出力光を生成し、生成した出力光を出射孔401を介して光デバイス1の外部に出射する。
【0067】
サーミスタ20は、第1サブ基板11、第2サブ基板12及び第3サブ基板13と架台18とに支持された光学素子17に覆われるように、第2基板3に実装される温度検出センサである。サーミスタ20は、光学素子17の下方に配置される。サーミスタ20は、第1基板及び筐体4により形成される収容空間の温度変化に応じて抵抗値を変化させる。サーミスタ20の両端は、第1基板2及び第2基板3を介して第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2sに接続される。サーミスタ20は、収容空間の温度を示す抵抗値に対応する電圧値又は電流値を、第1基板2の裏面に形成される一対の電極対2sを介して制御装置に出力する。
【0068】
(実施形態に係る光デバイスの作用効果)
光デバイス1では、第1発光素子14の出射面の高さを光学素子17の第1光導波路51の高さが一致するように形成された第1段差26を介して配置される第1実装面24及び第2実装面25のそれぞれに第1発光素子14及び光学素子17が実装される。光デバイス1では、第1段差26を介して第1発光素子14及び光学素子17の高さが調整されるので、第1発光素子14の出射面の高さを光学素子17の第1光導波路51の高さに容易に一致させることができる。光デバイス1では、第1発光素子14の出射面の高さを光学素子17の第1光導波路51の高さに容易に一致できるので、スペーサを用いずに製造コストの上昇及び放射特性の低下を招くことなくパッシブアライメント法により高精度に調芯することができる。
【0069】
同様に、第2段差36を介して第2発光素子15及び光学素子17の高さが調整されるので、第2発光素子15の出射面の高さを光学素子17の第2光導波路52の高さに容易に一致させることができる。また、第3段差46を介して第3発光素子16及び光学素子17の高さが調整されるので、第3発光素子16の出射面の高さを光学素子17の第3光導波路53の高さに容易に一致させることができる。
【0070】
また、光デバイス1では、第1発光素子14~第3発光素子16及び光学素子17は、第1サブ基板11~第3サブ基板13に厚さが微調整可能なマイクロバンプが表面に形成されたパターンに表面活性化結合される。光デバイス1では、第1発光素子14~光学素子17のコアの高さの製造条件によるばらつきを、マイクロバンプが表面に形成されたパターンを表面活性化結合することで吸収できる。
【0071】
また、光デバイス1では、第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422によって、第1光のみが第1フォトダイオード5に入射し、第2光のみが第2フォトダイオード6に入射し、第3光のみが第3フォトダイオード7に入射する。光デバイス1では、第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7のそれぞれは、第1発光素子14~第3発光素子16から出射される第1光~第3光の1つの光のみが入射するので、第1光~第3光を別個に検出することができる。光デバイス1は、第1発光素子14~第3発光素子16から出射される第1光~第3光を別個に検出するので、他の発光素子から光が入射して発光素子のそれぞれから出射される光の光量の検出精度が低下するおそれは低い。
【0072】
また、光デバイス1では、第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422は、筐体4に一体化されるので、部品点数を増加させることなく遮蔽壁を設置することで、製造コストの増加を抑制しながら、発光素子から出射される光の光量を高精度に検出することができる。また、光デバイス1は、第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422が筐体4に一体化されるので、第1遮蔽壁421及び第2遮蔽壁422を配置するためのスペースを第2基板3に形成しないので、第2基板3の面積が小さくなり、小型化が可能である。
【0073】
また、光デバイス1では、反射面417が第1光~第4光のそれぞれを第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7のそれぞれに反射するので、第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7に多くの光を入射することができる。光デバイス1では、第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7に多くの光を入射することで、発光素子から出射される光の光量の検出精度を更に向上させることができる。
【0074】
また、光デバイス1は、サーミスタ20が光学素子17の下方に配置されるので、第1基板2及び第2基板3の面積を削減することで、小型化が可能である。また、光デバイス1では、サーミスタ20は、光学素子17の下方に配置されるので、第1発光素子14~第3発光素子16から出射される第1光~第3光が入射して特性が劣化することを防止することができる。
【0075】
(実施形態に係る光デバイスの変形例)
光デバイス1は、赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれが出射する第1発光素子14~第3発光素子16を有するが、実施形態に係る光デバイスは、単一の発光素子のみを有してもよい。また、実施形態に係る光デバイスは、2個又は4個以上の発光素子を有してもよい。
【0076】
また、光デバイス1では、第1発光素子14~第3発光素子16は、第1サブ基板11~第3サブ基板13にそれぞれ実装されるが、実施形態に係る光デバイスでは、第1発光素子14~第3発光素子16は、単一のサブ基板に実装されてもよい。また、実施形態に係る光デバイスでは、第1発光素子14は第1サブ基板11に実装され、大きさが同一である第2発光素子15及び第3発光素子16は、単一のサブ基板に実装されてもよい。
【0077】
また、光デバイス1では、第1発光素子14~第3発光素子16が実装される実装面のサブ基板の底面からの高さは、光学素子17が実装される実装面よりもサブ基板の底面からの高さよりも低い。しかしながら、実施形態に係る光デバイスでは、複数の発光素子が実装される実装面のサブ基板の底面からの高さは、光学素子が実装される実装面よりもサブ基板の底面からの高さよりも高くてもよい。
【0078】
また、光デバイス1では、第1発光素子14~第3発光素子16及び光学素子17は、微調整可能なマイクロバンプが表面に形成されたパターンに表面活性化結合されて実装される。しかしながら、実施形態に係る光デバイスでは、第1発光素子14~第3発光素子16及び光学素子17は、表面活性化結合によらず半田よりも融点が高い接合部材によって接合されていればよい。
【0079】
また、光デバイス1では、光学素子17は、光合波器であるが、実施形態に係る光デバイスでは、光学素子は、光導波路を有していればよく、例えばフィルタリング素子、レンズ素子及び偏光素子等の光合波器以外の光学素子であってもよい。
【0080】
また、光デバイス1では、第1サブ基板11、第2サブ基板12及び第3サブ基板13は、シリコン基板により形成されるが、実施形態に係る光デバイスでは、サブ基板は、SOI(Silicon on Insulator)基板により形成されてもよい。
【0081】
また、光デバイス1では、第1段差26、第2段差36及び第3段差46は、第1サブ基板11、第2サブ基板12及び第3サブ基板13の表面をエッチングすることで形成される。しかしながら、実施形態に係る光デバイスでは、段差は、エッチストッパ層が形成された基板をエッチングすることにより形成されてもよい。
【0082】
図14は変形例に係るサブ基板の製造方法を示す図であり、
図14(a)は第1工程を示し、
図14(b)は第2工程を示し、
図14(c)は第3工程を示し、
図14(d)は第4工程を示す。
【0083】
まず、第1工程において、基材60が準備される。基材60は、基台61と、エッチストッパ層62と、上部層63とを有する。基台61はシリコン基板であり、エッチストッパ層62は基台61の表面に形成された酸化シリコン層であり、上部層63は、エッチストッパ層62の表面に形成されたシリコン層である。
【0084】
次いで、第2工程において、基材60の底面からの高さが低い第1実装面が形成される面を覆わず、且つ、基材60の底面からの高さが低い第1実装面が形成される面を覆うように、マスク64を配置する。
【0085】
次いで、第3工程において、エッチング処理が形成され、第1実装面66及び第2実装面67が段差68を介して形成されることで、サブ基板69が製造される。サブ基板69において、エッチストッパ層62の表面は第1実装面を形成し、上部層63の表面は第2実装面を形成する。そして、第4工程において、マスク64が除去されて、サブ基板69の製造処理が終了する。
【0086】
変形例に係るサブ基板69は、表面が第1実装面66の表面となるエッチストッパ層62を有する基材60から形成されるので、第1実装面66と第2実装面67との間の高さを、より高精度に形成することができる。
【0087】
また、光デバイス1では、筐体4は、金属材料で形成されるが、実施形態に係る光デバイスでは、筐体は、セラミックス材料で形成されてもよい。筐体がセラミックス材料で形成されるとき、反射面、第1遮蔽壁及び第2遮蔽壁を含む筐体の凹部は、金属めっき層が配置される。
【0088】
また、光デバイス1では、反射面417は、傾斜面として形成されるが、実施形態に係る光デバイスでは、筐体の上板部に形成される反射面は、球面を含む湾曲面であってもよい。
【0089】
また、光デバイス1では、第1ツェナーダイオード8~第3ツェナーダイオード10は、第1発光素子14~第3発光素子16と第1フォトダイオード5~第3フォトダイオード7の間に配置される。しかしながら、実施形態に係る光デバイスでは、第1ツェナーダイオード8~第3ツェナーダイオード10は、サーミスタ20と同様に、光学素子17の下方に配置されてもよい。第1ツェナーダイオード8~第3ツェナーダイオード10が光学素子17の下方に配置されることで、実施形態に係る光デバイスは、更に小型化が可能になる。
【符号の説明】
【0090】
1 光デバイス
2 第1基板
3 第2基板
4 筐体
14 第1発光素子
15 第2発光素子
16 第3発光素子