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特開2023-39802経路生成表示装置および経路生成表示方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039802
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】経路生成表示装置および経路生成表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230314BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147098
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 芽生
(72)【発明者】
【氏名】白方 亨宗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】作業者の行動が適切であるかどうかを判断するための、作業者に推奨する移動経路を生成および表示すること。
【解決手段】本開示の一実施例に係る経路生成表示装置は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出する抽出部と、前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成する処理部と、前記第2の移動経路を表示する表示部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出する抽出部と、
前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成する処理部と、
前記第2の移動経路を表示する表示部と、
を備える経路生成表示装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記行動特性として、前記第1の移動経路の頻度を算出し、
前記処理部は、前記第1の移動経路の頻度に基づいて、前記第2の移動経路を生成する、
請求項1に記載の経路生成表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記第2の移動経路と、前記作業者の作業基準である規定経路と、を表示する、
請求項1または2に記載の経路生成表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記第2の移動経路のうちの1つの移動経路が選択されたことを示す入力に応じて、前記1つの移動経路を前記規定経路に重ねて表示する、
請求項3に記載の経路生成表示装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路と前記規定経路との違いに基づいて、前記規定経路に改善の余地があることを自然言語に変換し、
前記表示部は、前記自然言語を表示する、
請求項2に従属する場合の請求項3に記載の経路生成表示装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を新たな規定経路に設定することを示す入力に応じて、前記規定経路の代わりに、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を前記新たな規定経路として設定する、
請求項5に記載の経路生成表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記第2の移動経路と工程配置とを表示し、
前記処理部は、前記工程配置が変更されることを示す入力に応じて、前記行動特性に基づいて、前記第2の移動経路に含まれる工程移動順序が変更された第3の移動経路を生成し、
前記表示部は、前記第3の移動経路を表示する、
請求項1ないし6のうちのいずれか一項に記載の経路生成表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記第2の移動経路に含まれる工程滞在時間を円の大きさで表示し、前記第2の移動経路に含まれる工程移動順序を矢印の向きで表示する、
請求項1ないし7のうちのいずれか一項に記載の経路生成表示装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記円が選択されたことを示す入力に応じて、前記工程滞在時間を数字で表示する、
請求項8に記載の経路生成表示装置。
【請求項10】
1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、
前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出し、
前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成し、
前記第2の移動経路を表示する、
経路生成表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経路生成表示装置および経路生成表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セル生産方式などの生産ラインにおける生産性を改善するために、生産性に影響を及ぼし得る作業者の行動を把握し分析する技術の需要が高まっている。
【0003】
例えば特許文献1には、設備の稼働情報、ワーク、作業者の位置を取得し、それらをランニングチャートなどで可視化することによって、生産管理者の生産ラインにおける異常の発見を容易にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-022602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、設備の稼働情報(状態)と作業者の位置とを並べて表示することにより、突発的な異常およびその要因を発見することはできても、日々の作業者の行動(作業時間、作業順序など)が適切であるかどうかを判断することは困難である。したがって、上記のように表示したとしても、突発的な異常を発見した後に生産ライン全体として改善を行う箇所を特定することも困難である。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、作業者の行動が適切であるかどうかを判断するための、作業者に推奨する移動経路を生成および表示することができる経路生成表示装置および経路生成表示方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る経路生成表示装置は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出する抽出部と、前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成する処理部と、前記第2の移動経路を表示する表示部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る経路生成表示方法は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出し、前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成し、前記第2の移動経路を表示する。
【0009】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、作業者の行動が適切であるかどうかを判断するための、作業者に推奨する移動経路を生成および表示することができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態における作業者行動推定が行われる生産ラインの一例を示す図
図2】本開示の実施の形態における作業者行動推定システムの一例を示す構成図
図3】本開示の実施の形態における表示部の表示画面レイアウトの一例を示す図
図4】本開示の実施の形態における表示部の表示画面レイアウトの別の例を示す図
図5】本開示の実施の形態における表示部の表示画面レイアウトのさらに別の例を示す図
図6】本開示の実施の形態における1人の作業者についての経路表示操作の一例を示す図
図7】本開示の実施の形態における1人の作業者についての分析結果表示操作の一例を示す図
図8】本開示の実施の形態における1人の作業者についての規定の経路設定操作の一例を示す図
図9】本開示の実施の形態における1人の作業者についての工程配置変更操作の一例を示す図
図10】本開示の実施の形態における1つのグループについての経路表示操作の一例を示す図
図11】本開示の実施の形態における1つのグループについての分析結果表示操作の一例を示す図
図12】本開示の実施の形態における複数のグループについての経路表示操作の一例を示す図
図13】本開示の実施の形態における複数のグループについての分析結果表示操作の一例を示す図
図14】本開示の実施の形態の変形例における表示部の表示画面レイアウトの一例を示す図
図15】本開示の実施の形態の変形例における1人の作業者についての経路表示操作の一例を示す図
図16】本開示の実施の形態の変形例における1人の作業者についての分析結果表示操作の一例を示す図
図17】本開示の実施の形態における作業者の位置情報の時系列データの一例を示す図
図18A】本開示の実施の形態における行動特性データおよび推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)の一例を示す図
図18B】本開示の実施の形態における行動特性データおよび推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)の別の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0014】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
(実施の形態)
<生産ライン>
図1は、本開示の実施の形態における作業者行動推定が行われる生産ライン10の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、例えば工場内に設けられた生産ライン10は、1列に配置された工程11-1~11-5と、別の1列に配置された工程11-6~11-9と、を含む。
【0017】
生産ライン10では、複数の作業者12-1~12-Nの各々が、1つ以上の工程を受け持ち、複数の工程を受け持つ場合には工程を移動しながら作業を行う。以下、作業者12-1~12-Nのそれぞれを区別する必要がない場合には、作業者12と総称される。
【0018】
このような作業者12についての行動を推定する作業者行動推定システム100が提供される。
【0019】
<作業者行動推定システム>
図2は、本開示の実施の形態における作業者行動推定システム100の一例を示す構成図である。
【0020】
作業者行動推定システム100は、生産ライン10において、作業者12-1~12-Nそれぞれの移動経路(第1の移動経路と呼ぶこともある)を取得し、作業者12の移動経路を示す移動経路データから行動特性を推定する。また、作業者行動推定システム100は、推定した作業者12の行動特性を示す行動特性データ(単に行動特性と呼ぶこともある)から、ユーザー(生産管理者、システム管理者など)が選択した条件に該当する行動特性データを抽出し、抽出した行動特性データに基づいて、推奨する移動経路データ(第2の移動経路と呼ぶこともある)を表示する。
【0021】
作業者行動推定システム100は、データ取得部101と、行動特性推定部102と、処理部103と、表示部104と、UI(User Interface:ユーザーインタフェース)部105と、を備える。
【0022】
データ取得部101は、作業者12-1~12-Nそれぞれの位置情報を取得して、データ取得部101または記憶装置(図示せず)に設けられたデータ記憶部(図示せず)に記憶させる。また、データ取得部101は、位置情報の時系列データから作業者12-1~12-Nそれぞれの移動経路(第1の移動経路)を求め、行動特性推定部102に出力する。
【0023】
作業者12の時系列データは、例えば、カメラによる画像検出や、タッチセンサ、赤外線センサ、無線通信タグなどを工程や作業者12に取り付けて行う測位技術などによって、時刻ごとの作業者12の位置を記録するようにして取得されてよい。
【0024】
図17を参照して、本開示の実施の形態における作業者の位置情報の時系列データの一例を示す。図17に示すグラフの横軸は、基準時刻からの経過時間(秒)を表し、グラフの縦軸は、工程(1~9はそれぞれ工程11-1~工程11-9を表す)を表す。この例では、ある時間区間(200秒間)における2人の作業者12-1および作業者12-2の位置情報を示しているが、実際には、様々な時間区間における作業者12の位置情報が、データ取得部101によって取得される。
【0025】
データ取得部101は、上記のカメラや各種センサによって実現されてもよいし、上記のカメラや各種センサから送信された時系列データを有線または無線で受信するインターフェース装置によって実現されてもよい。
【0026】
行動特性推定部102は、データ取得部101から入力された作業者12の移動経路(第1の移動経路)を受け付ける。また、行動特性推定部102は、受け付けた作業者12の移動経路から、モードについての作業者12の行動特性を示す行動特性データを抽出し、作業者12の行動特性データを行動特性推定部102または記憶装置(図示せず)に設けられたデータ記憶部(図示せず)に記憶させる。このようにして、行動特性推定部102は、作業者12の移動経路に基づいてモード毎に作業者12の行動特性を推定する。なお、行動特性データは、一部の作業者12の行動特性を対象外としてもよい。例えば、工程の移動を途中で中止した作業者の行動特性は、例外的な行動として削除されてもよい。
【0027】
また、行動特性推定部102は、例えば工程設計の際に、作業者12が作業を行うための基準として事前に計画されて決められていた移動経路(計画経路と呼ぶ)、または、ユーザーによって設定された移動経路を、規定の経路(規定経路と呼ぶこともある)としてデータ記憶部に記憶させる。ユーザーによって設定された移動経路は、以下で説明するように、例えば、作業者12による複数の移動経路の中で最も頻度が高い移動経路であってよい。規定の経路は、推奨される移動経路と比較するための基準となる経路を表す。
【0028】
また、行動特性推定部102は、処理部103から、表示部104におけるユーザー操作(入力)を受け付け(例えばモードの受付)、モードの条件に応じた行動特性データを抽出して処理部103に出力する。
【0029】
ここで、行動特性データは、作業者12がとった移動経路(第1の移動経路)の頻度(回数)であってもよいし、作業者12のとった工程移動順序における工程間ごとの遷移(移動)確率(同じ工程に留まる確率も含む)であってもよい。より詳細には、行動特性データは、作業者12がとった移動経路の頻度または作業者12による工程間ごとの遷移確率を表し、時間および工程に紐付けられている。
【0030】
一例として、より具体的には、図18Aの(a)に示すように、行動特性データは、時系列データから抽出(算出)された移動経路(第1の移動経路)毎の頻度であってもよい。
【0031】
なお、移動経路は、作業者12が作業を行っていた位置(工程)を、測定間隔単位で(例えば5秒ごとに)追跡することによって得られた作業者12の工程移動順序であるが、工程遷移の組み合わせであり、1つの工程の滞在時間は考慮しなくてもよい。例えば、工程移動順序が、測定間隔単位で、工程1、工程1、工程2である場合、移動経路としては、工程1、工程2と考える。
【0032】
また、図18Aの(a)の工程移動順序は、例えば、移動経路Aが、最初の測定間隔では工程1に滞在し、次の測定間隔では工程1に滞在し、同様に、移動経路Cが、最初の測定間隔では工程3に滞在し、次の測定間隔では工程4に滞在していたことを示す。
【0033】
行動特性推定部102は、同じ工程移動順序を同じ移動経路として、行動特性データである頻度を算出する。また、図18Aの(a)は、移動経路Aを、作業者12が所定期間内に10回とったこと、移動経路Bを作業者12が所定期間内に200回とったこと、および、移動経路Cを作業者12が所定期間内に5回とったことを示している。他の移動経路についても同様である。
【0034】
別の例として、より具体的には、図18Bの(a)に示すように、行動特性データは、時系列データから抽出(算出)された移動経路(第1の移動経路)の工程移動順序において、ある工程から別の工程に移動した、または、ある工程に留まった確率(遷移確率)であってもよい。なお、工程iから工程jへの遷移確率P(i,j)は、式P(i,j)=N(i,j)/Nallで表される。ここで、N(i,j)は、以下で説明する表示期間または日時範囲における工程iから工程jへの遷移回数であり、Nallは、表示期間または日時範囲における全遷移回数である。なお、本実施の形態において、iおよびjは、1以上9以下の整数である。
【0035】
例えば、図18Bの(a)は、作業者12が、工程1に滞在し、測定間隔後に(例えば5秒後に)工程1に滞在していた確率が0.4であり、作業者12が、工程1に滞在し、測定間隔後に工程2に滞在していた確率が0.8であることを示している。同様に、図18Bの(a)は、作業者12が、工程4に滞在し、測定間隔後に工程4に滞在していた確率が0.4であり、作業者12が、工程4に滞在し、測定間隔後に工程5に滞在していた確率が0.4であり、作業者12が、工程4に滞在し、測定間隔後に工程6に滞在していた確率が1.3であることを示している。他の工程についても同様である。なお、上記の確率は正規化されていない。
【0036】
なお、行動特性データは、計画経路における作業時間との差異を用いてもよい。例えば、計画経路の合計作業時間との差異、計画経路の合計作業時間からの短縮度合、計画経路に含まれる各工程の作業時間との差異、または、計画経路に含まれる各工程の作業時間からの短縮度合であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。なお、行動特性データは、頻度、遷移確率、計画経路における作業時間との差異の任意の組み合わせであってもよい。
【0037】
行動特性推定部102は、例えば、プロセッサなどの処理装置によって実現されてよい。
【0038】
処理部103は、モード選択部1031と、経路処理部1032と、分析結果処理部1033と、改善提案処理部1034と、を含む。処理部103は、例えば、プロセッサなどの処理装置によって実現されてよい。
【0039】
モード選択部1031は、表示部104におけるユーザー操作と、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034からの信号またはデータと、を入力として受け付ける。
【0040】
モード選択部1031は、表示部104に表示された表示対象、表示期間および測定間隔に対するユーザー操作(ユーザー選択)に応じたモードを選択し、選択したモードを行動特性推定部102に出力する。
【0041】
より具体的には、モード選択部1031は、移動経路データを表示させる対象の、ユーザーによって選択および設定された作業者など(表示対象)と、移動経路データを表示させる、ユーザーによって選択および設定された日時範囲(例えば、表示期間として、開始日時および終了日時、開始日時および表示時間など)と、データ取得部101が取得した時系列データと行動特性データとの間で変換をするときに用いられる、ユーザーによって選択および設定された時間間隔(測定間隔)と、を、ユーザーによって選択および設定されたモード(モードの条件)として選択する。なお、ユーザーによって選択および設定された時間間隔は、データ取得部101が取得した時系列データのサンプリング間隔より大きい値をユーザーが任意で選択してもよいし、規定の選択肢の中からユーザーが選択してもよい。
【0042】
また、モード選択部1031は、ユーザーがモードを選択した後、選択されたモードにおける生産ライン(全ての工程)の平均作業時間、最大作業時間など(作業時間)を算出する。モード選択部1031は、表示部104に指示して、ユーザーによって選択および設定された表示対象、表示期間および測定間隔と、モード選択部1031によって算出された作業時間と、を表示部104に表示させる。
【0043】
経路処理部1032は、表示部104におけるユーザー操作と、モード選択部1031、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034からの信号またはデータと、行動特性推定部102からの行動特性データと、を入力として受け付ける。
【0044】
経路処理部1032は、モード選択部1031によって選択されたモードについての行動特性データを行動特性推定部102から受け付け、第1の移動経路を行動特性データに基づいて変換することにより、推奨する移動経路データ(第2の移動経路)を生成し、生成した推奨する移動経路データを分析結果処理部1033に出力する。
【0045】
一例として、行動特性データが、作業者12のとった移動経路の頻度(発生頻度)である場合について考える。経路処理部1032は、行動特性推定部102から入力された図18Aの(a)に示す第1の移動経路データを変換することによって、具体的には、移動経路を、頻度が高いものから順にソートすることによって、推奨する移動経路データ(第2の移動経路)を生成する。例えば、図18Aの(b)に示すように、経路処理部1032は、作業者12が300回とった移動経路D、作業者12が200回とった移動経路B、作業者12が50回とった移動経路E、・・・の順となるように、推奨する移動経路データを生成する。
【0046】
別の例として、行動特性データが、作業者12の工程間ごとの遷移確率である場合について考える。この場合、経路処理部1032は、行動特性推定部102から入力された図18Bの(a)に示す行動特性データを変換することによって、具体的には、第1の移動経路ごとに各工程の遷移確率を合計した累積遷移確率(以下、累積確率と呼ぶ)を算出し、第1の移動経路を、累積確率が大きいものから順にソートすることによって、推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)を生成する。
【0047】
累積確率Xは、各移動経路における工程移動順序の時刻tから時刻tまでの遷移確率の合計であり、式X=Pt(i,j)+Pt(i,j)+...+Pt(i,j)で表される。ここで、Pt(i,j)は、時刻tにおける工程iから工程jへの遷移確率である(kは1以上T以下の整数)。なお、本実施の形態において、iおよびjは、1以上9以下の整数である。例えば、図18Bの(b)に示すように、経路処理部1032は、累積確率が5.1である移動経路D、累積確率が4.5である移動経路B、累積確率が3.9である移動経路F、・・・の順となるように、新たな移動経路データを生成する。この場合、経路処理部1032は、累積確率を頻度として扱う。
【0048】
上記のように、行動特性推定部102が、例えば、選択されたモードについて、作業者12による第1の移動経路の所定期間内での発生回数(頻度)を算出し、算出した頻度などを基に推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)を生成してもよい。
【0049】
また、上記のように、行動特性推定部102が、選択されたモードについて、作業者12による第1の移動経路の工程間の遷移確率をそれぞれ算出し、第1の移動経路毎に累積確率を算出し、算出した遷移確率および累積確率などを基に、推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)を生成してもよい。
【0050】
また、経路処理部1032は、作業者12がとった移動経路の頻度などの行動特性の分析結果データを分析結果処理部1033から受け付ける。
【0051】
また、経路処理部1032は、表示部104に指示して、工程配置マップと頻度が高い移動経路データとを表示部104に表示させる。経路処理部1032は、例えば、2次元座標である工程配置マップ上に、頻度が高い順に上位3つの移動経路データ(第2の移動経路データ)を表示部104に表示させる。
【0052】
また、経路処理部1032は、表示部104におけるユーザー操作に応じた表示を、経路処理部1032または他の処理部を介して表示部104に行わせる。
【0053】
分析結果処理部1033は、表示部104におけるユーザー操作と、モード選択部1031、経路処理部1032および改善提案処理部1034からの信号またはデータと、行動特性推定部102からの行動特性データと、を入力として受け付ける。
【0054】
分析結果処理部1033は、モード選択部1031によって選択されたモードについての行動特性データを行動特性推定部102から受け付け、推奨する移動経路データ(第2の移動経路データ)を経路処理部1032から受け付ける。
【0055】
また、分析結果処理部1033は、行動特性推定部102および経路処理部1032からそれぞれ入力された行動特性データおよび推奨する移動経路データに基づいて、推奨する移動経路ごとにその移動経路がとられた頻度を分析結果として算出する。
【0056】
また、分析結果処理部1033は、移動経路がとられた頻度を含む分析結果データを経路処理部1032および改善提案処理部1034に出力する。
【0057】
また、分析結果処理部1033は、表示部104に指示して、頻度が高い移動経路データ(例えば、頻度が高い順に上位3つの移動経路データ)を表示部104に表示させる。
【0058】
また、分析結果処理部1033は、表示部104におけるユーザー操作に応じた表示を、分析結果処理部1033または他の処理部を介して表示部104に行わせる。
【0059】
なお、推奨する移動経路データの生成および頻度の算出は、上記のとおり、行動特性推定部102によって行われてもよい。
【0060】
改善提案処理部1034は、表示部104におけるユーザー操作と、モード選択部1031、経路処理部1032および分析結果処理部1033からの信号またはデータと、行動特性推定部102からの行動特性データと、を入力として受け付ける。
【0061】
改善提案処理部1034は、推奨する移動経路データおよび分析結果データを経路処理部1032および分析結果処理部1033からそれぞれ受け付ける。
【0062】
また、改善提案処理部1034は、推奨する移動経路データおよび分析結果データに基づいて、頻度が高い移動経路と規定の経路との、工程の滞在時間および移動順序の違いを検出情報として検出し、規定の経路における対応する工程、移動パスなどに改善の余地があることを自然言語に変換する。
【0063】
また、改善提案処理部1034は、表示部104に指示して、行動特性の特徴と自然言語に変換した改善提案データとを表示部104に表示させてもよい。
【0064】
また、改善提案処理部1034は、表示部104におけるユーザー操作に応じた表示を、改善提案処理部1034または他の処理部を介して表示部104に行わせる。
【0065】
表示部104は、モード選択部1031、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034から入力されたデータを、表示画面300(図3など参照)として表示する。表示部104は、例えば、LCD、タッチパネルなどによって実現されてよい。
【0066】
UI部105は、表示画面300から処理部103に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作を示す信号に変換して処理部103に出力する。なお、UI部105は、表示部104に組み込まれてもよい。
【0067】
これらのデータ取得部101、行動特性推定部102、処理部103、表示部104、およびUI部105は、バス線で接続されている。また、例えば、メモリなどの記憶装置に記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより、プロセッサによって実現されている行動特性推定部102および処理部103などの処理が実行されてよい。
【0068】
なお、作業者行動推定システム100、行動特性推定部102、処理部103および表示部104はそれぞれ、本開示に係る経路生成表示装置、抽出部、処理部および表示部の例である。
【0069】
(表示画面レイアウト例)
[1人の作業者についての表示画面レイアウト例]
図3は、本開示の実施の形態における表示部104の表示画面レイアウトの一例を示す図である。この例では、1人の作業者についての表示画面レイアウトが示されている。
【0070】
表示部104は、表示画面300の中に、モード選択部1031から入力されたデータなどが表示されるモード表示部3031と、経路処理部1032から入力されたデータなどが表示される経路表示部3032と、分析結果処理部1033から入力されたデータなどが表示される分析結果表示部3033と、改善提案処理部1034から入力されたデータなどが表示される改善提案表示部3034と、を含む。
【0071】
モード表示部3031は、表示対象表示部3031-1と、表示期間表示部3031-2と、測定間隔表示部3031-3と、作業時間表示部3031-4と、を含む。
【0072】
表示対象表示部3031-1は、ユーザーによって選択および設定された(モード選択部1031によって選択された)1人の対象作業者を表示する。また、表示対象表示部3031-1は、推奨する移動経路データを表示させる対象の作業者をユーザーが選択可能なように作業者を表示してもよい。あるいは、表示対象表示部3031-1とは異なる表示画面領域が、推奨する移動経路データを表示させる対象の作業者をユーザーが選択可能なように作業者を表示してもよい。表示(選択)対象は、1人以上の作業者の作業者名、作業者に紐づけられた作業者識別情報(ID)、複数の作業者を含む作業者グループ(単にグループとも呼ぶ)のグループ名、グループに紐付けられたグループIDなどであってよい。また、表示対象表示部3031-1は、ユーザーが選択できる作業者やグループのリストを事前に登録しておき、ユーザーが所定の操作を行うことでそのリストを表示してもよい。
【0073】
表示期間表示部3031-2は、ユーザーによって選択および設定された日時範囲を表示する。また、表示期間表示部3031-2は、推奨する移動経路データを表示させる日時範囲をユーザーが選択可能なように日時範囲を表示してもよい。あるいは、表示期間表示部3031-2とは異なる表示画面領域が、推奨する移動経路データを表示させる日時範囲をユーザーが選択可能なように日時範囲を表示してもよい。
【0074】
測定間隔表示部3031-3は、ユーザーによって選択および設定された時間間隔を表示する。また、測定間隔表示部3031-3は、時間間隔をユーザーが選択可能なように時間間隔を表示してもよい。あるいは、測定間隔表示部3031-3とは異なる表示画面領域が、時間間隔をユーザーが選択可能なように時間間隔を表示してもよい。
【0075】
作業時間表示部3031-4は、モード選択部1031によって算出された作業時間を表示する。
【0076】
このように、モード表示部3031は、ユーザーによって選択および設定される、推奨する移動経路データを表示する条件の組み合わせ(モードまたはモードの条件と呼ぶ)を表示する。
【0077】
経路表示部3032は、表示対象表示部3031-1において表示(選択)されている1人の対象作業者について、工程配置マップ上に、頻度が高い推奨する移動経路データ(例えば、頻度が高い順に上位3つの移動経路データ)を表示する。なお、経路表示部3032は、推奨する移動経路データの他に、対象作業者のとった移動経路を表示してもよい。これによって、推奨する移動経路との比較が容易になる。
【0078】
経路表示部3032は、「工程1~9」をそれぞれ表す工程W1~9と、作業者が移動した「経路1~3」を表す経路P1~3と、事前に計画された計画経路Qと、経路P2の工程間の移動パスであるP2-46、P2-65およびP2-57と、を表示している。なお、図3では、計画経路Qは経路P1と同じ経路である。
【0079】
工程W1~9は、生産ライン10における工程配置を工程配置マップ上に表現したものである。経路P1~3は、移動経路データを円および矢印によって工程配置マップ上に表現したものである。経路P1~3は、作業者についての工程ごとの滞在時間と工程の移動順序とを含む。滞在時間の長さは、円の大きさで表現したものであり、移動順序は、矢印の向きで表現したものである。計画経路Qは、事前に計画された作業時間(計画作業時間とも呼ぶ)と作業順序(計画作業順序とも呼ぶ)とを含む経路である。
【0080】
経路表示部3032は、経路P1~3と計画経路Qとで異なる部分を、線の太さ、濃淡、色などのうちの少なくとも1つを変えて強調表示する。例えば、経路P1と計画経路Qとでは、工程W5における滞在時間および計画作業時間との差が所定値よりも大きく異なるため、経路表示部3032は、工程W5を黒く塗り分けて強調表示してもよい。なお、各工程における滞在時間および計画作業時間との差のうち最も大きい工程について、強調表示してもよい。また、経路P1と経路P2とでは、工程間の移動順序が異なるため、経路表示部3032は、工程W4から工程W6への移動パスP2-46と、工程W6から工程W5への移動パスP2-65と、工程W5から工程W7への移動パスP2-57とで、矢印の線を太くして強調表示してもよい。
【0081】
また、経路Pの線のスタイルを実線にし、計画経路Qの線のスタイルを点線にするなどして、経路Pと計画経路Qとを一目で区別できるようにしてもよい。
【0082】
これにより、ユーザーは、滞在時間の違いおよび移動順序の違いを経路ごとに一目で比較できる。また、実際の滞在時間および移動順序と計画作業時間および計画作業順序との比較が可能であり、ユーザーは、作業者の実際の行動が計画との違いを容易に確認できる。
【0083】
分析結果表示部3033は、表示対象表示部3031-1において選択されている1人の対象作業者について、グラフ上に、頻度が高い移動経路データ(例えば、頻度が高い順に上位3つの移動経路データ)を表示する。
【0084】
分析結果表示部3033において、グラフの縦軸は経路番号を示し、グラフの横軸は頻度を示す。B1~3は、経路表示部3032の経路P1~3についての頻度をそれぞれ表すバーであり、頻度が高い順にソートして表示される。例えば、分析結果表示部3033においては、頻度バーがB2、B1、B3の順に上から並んでいるため、対応する経路P2、P1、P3の順に作業者が多く移動していることがわかる。なお、頻度バーBの数は、経路表示部3032の経路Pの数より多く表示されてもよい。
【0085】
これにより、ユーザーは、作業者が頻繁に移動した経路、作業者が突発的に移動した経路などを容易に判別できる。
【0086】
改善提案表示部3034は、表示対象表示部3031-1において選択されている1人の対象作業者について、経路表示部3032および分析結果表示部3033における検出された検出情報を自然言語に変換した改善提案データを表示する。このような検出情報には、例えば、滞在時間が計画作業時間より規定値以上長い工程の工程番号、計画作業順序と異なる移動パスを持つ経路の経路番号、計画経路よりも頻度が高い経路の経路番号などが含まれる。また、改善提案表示部3034は、表示された改善提案をユーザーが受け入れるか否かを選択するためのボタン(図3では、「Yes」ボタン)を表示する。
【0087】
これにより、ユーザーは、経路表示部3032および分析結果表示部3033において表示された経路P1~3と計画経路Qとの違いや特徴を容易に見つけることができる。
【0088】
表示部104に表示されるデータの元になるデータの一例を、以下の表1に示す。
【表1】
【0089】
表1に示すような、表示部104に表示されるデータの元になるデータは、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034によって共有されてもよいし、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034のそれぞれによって個別に保持されてもよい。このようなデータには、工程滞在時間など、さらなるデータが含まれる。
【0090】
表1は、ある期間において、作業者Aが、「1→2→3→4→6→5→7→8→9」の移動順序である経路P2をとった頻度が、300回であり、作業者Aが、「1→2→3→4→5→6→7→8→9」の移動順序である経路P1をとった頻度が、200回であり、作業者Aが、「1→2→3→8→9」の移動順序である経路P3をとった頻度が、50回であることを示している。
【0091】
[1つのグループについての表示画面レイアウト例]
図4は、本開示の実施の形態における表示部104の表示画面レイアウトの別の例を示す図である。この例では、複数の作業者を含む1つのグループについての表示画面レイアウトが示されている。
【0092】
基本的には、図3に示す1人の作業者についての表示画面レイアウトと図4に示す1つのグループについての表示画面レイアウトとは、同様であり、図4に示す1つのグループについての表示画面レイアウトでは、経路表示部3032、分析結果表示部3033および改善提案表示部3034において表示されるデータの対象が、表示対象表示部3031-1において選択されている1つのグループ(複数の作業者)である点で異なる。ここで、図4に示すように、グループ1は、作業者Aと作業者Bとを含む。なお、グループは、3人以上の作業者を含んでもよい。
【0093】
ユーザーが、ポインタ401によって、表示対象表示部3031-1からグループ1を選択する操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介してモード選択部1031に出力される。モード選択部1031は、当該操作に応じて、作業者Aおよび作業者B両方についての行動特性データを行動特性推定部102に要求する。行動特性推定部102は、要求に応じて、作業者Aおよび作業者B両方についての行動特性データを処理部103に出力する。経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034は、行動特性推定部102から出力された行動特性データに基づいて、推奨する移動経路データを生成するなどそれぞれの処理を実行し、経路表示部3032、分析結果表示部3033および改善提案表示部3034は、それぞれの形式でデータを表示する。
【0094】
ユーザーが、表示対象表示部3031-1においてグループ1を選択すると、経路表示部3032は、例えば図3に示すように表示している経路P1~3を、グループ1に含まれる作業者が移動した経路のうち頻度が高い例えば上位3つの経路に切り替えて表示する。
【0095】
また、分析結果表示部3033は、表示している頻度バーBを、グループ1に含まれる作業者が移動した経路Pの頻度を表すように切り替えて表示する。このとき、頻度バーB1~3は、作業者Aと作業者Bとを区別して表示する積み上げ棒グラフとして表示されてもよい。
【0096】
さらに、改善提案表示部3034は、表示している行動の特徴を示す自然言語を、経路表示部3032の経路Pと計画経路Q、分析結果表示部3033の頻度バーBなどに基づいて検出されたグループ1についての検出情報に切り替えて表示する。
【0097】
これにより、ユーザーは、複数の作業者を含むグループ全体の行動特性を、工程滞在時間、工程移動順序、経路の頻度などとして確認し、注目すべき経路、経路同士などの違いを直感的に見つけることができる。
【0098】
表示部104に表示されるデータの元になるデータの一例を、以下の表2に示す。
【表2】
【0099】
表2に示すような、表示部104に表示されるデータの元になるデータは、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034によって共有されてもよいし、経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034のそれぞれによって個別に保持されてもよい。このようなデータには、工程滞在時間など、さらなるデータが含まれる。
【0100】
表2は、ある期間において、グループ1(に含まれる作業者AおよびB)が、「1→2→3→4→6→5→7→8→9」の移動順序である経路P2をとった頻度が、550回であり、グループ1が、「1→2→3→4→5→6→7→8→9」の移動順序である経路P1をとった頻度が、400回であり、グループ1が、「1→2→3→9」の移動順序である経路P3をとった頻度が、110回であることを示している。
【0101】
[複数のグループについての表示画面レイアウト例]
図5は、本開示の実施の形態における表示部104の表示画面レイアウトのさらに別の例を示す図である。この例では、複数の作業者をそれぞれ含む複数のグループについての表示画面レイアウトが示されている。
【0102】
基本的には、図4に示す1つのグループについての表示画面レイアウトと図5に示す1つのグループについての表示画面レイアウトとは、同様であり、図4に示す1つのグループについての表示画面レイアウトでは、経路表示部3032、分析結果表示部3033および改善提案表示部3034において表示されるデータの対象が、表示対象表示部3031-1において選択されている複数のグループ(例えば、図5では、熟練グループ1および新人グループ2)である点で異なる。ここで、図5に示すように、グループ1は、作業者Aと作業者Bとを含み、グループ2は、作業者Cと作業者Dとを含む。
【0103】
ユーザーが、ポインタ501によって、表示対象表示部3031-1からグループ1および2を選択する操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介してモード選択部1031に出力される。モード選択部1031は、当該操作に応じて、グループ1に含まれる作業者Aおよび作業者Bならびにグループ2に含まれる作業者Cおよび作業者Dについての行動特性データを行動特性推定部102に要求する。行動特性推定部102は、要求に応じて、作業者A~Dについての行動特性データを処理部103に出力する。経路処理部1032、分析結果処理部1033および改善提案処理部1034は、行動特性推定部102から出力された行動特性データに基づいて、推奨する移動経路データを生成し直すなどそれぞれの処理を実行し、経路表示部3032、分析結果表示部3033および改善提案表示部3034は、それぞれの形式でデータを表示する。
【0104】
ユーザーが、表示対象表示部3031-1においてグループ1および2を選択すると、経路表示部3032は、図3に示すように表示している経路P1~3を、グループ1および2に含まれる作業者A~Dが移動した経路のうち頻度が高い例えば上位3つの経路に切り替えて表示する。
【0105】
また、分析結果表示部3033は、表示している頻度バーBを、グループ1(に含まれる作業者AおよびB)とグループ2(に含まれる作業者CおよびD)とが移動した経路Pの頻度を表すように切り替えて表示する。このとき、頻度バーB1~3は、グループ1とグループ2とを区別して表示する積み上げ棒グラフとして表示されてもよい。
【0106】
さらに、改善提案表示部3034は、表示している行動の特徴を示す自然言語を、経路表示部3032の経路Pと計画経路Q、分析結果表示部3033の頻度バーBなどに基づいて検出されたグループ1および2についての検出情報に切り替えて表示する。
【0107】
これにより、ユーザーは、複数のグループについての行動特性を、工程滞在時間、工程移動順序、経路の頻度などとして確認し、注目すべき経路、経路同士などの違いを直感的に見つけることができる。
【0108】
(動作例および表示例)
次に、表示部104におけるユーザー操作に応じた動作例および表示例について図6図13を参照して説明する。
【0109】
[1人の作業者についての経路表示操作]
図6は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0110】
ユーザーが、経路表示部3032において所定の操作を行うと、経路表示部3032および改善提案表示部3034は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0111】
これにより、ユーザーは、表示対象の作業者が移動した複数の経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0112】
例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ60によって、作業者Aが通った経路P1~3のうち、経路P2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P1およびP3を削除させ、経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0113】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0114】
また、経路処理部1032は、当該操作が行われたことを示す信号を改善提案処理部1034に出力する。これに応じて、改善提案処理部1034は、改善提案表示部3034に指示して、改善提案表示部3034に、最も頻度が高い経路P2と計画経路Qとの比較により検出された検出情報を自然言語によって表示させる。例えば、改善提案表示部3034は、最も頻度が高い経路は経路P2であること、経路P2の移動順序は、計画経路Qと移動パスP2-46、65、57が異なり、その近くの工程W5およびW6に改善できる可能性があることなどを日本語で表示する。
【0115】
これにより、ユーザーは、作業者Aの移動経路の特徴、計画経路との違いなどを文章で確認し、作業改善に、よって、生産性の改善に繋げることができる。
【0116】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ61を経路P2の工程W5に対応する円の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P2の工程W5における滞在時間と計画経路Qの工程W5における計画作業時間とをポップアップ611で表示させる。
【0117】
これにより、ユーザーは、経路P2の工程滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との違いを一目で判別できる。
【0118】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ62を工程W6の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、工程W6についての経路P1~3それぞれの工程滞在時間をポップアップ621で表示させる。
【0119】
これにより、ユーザーは、工程W6についての経路P1~3それぞれの作業時間の違いを一目で判別できる。
【0120】
図6を参照して上述した操作により、ユーザーは、工程配置マップ上に表示された移動経路データに基づいて表示データのモード変更を行い、作業者Aが移動した経路Pの工程滞在時間および移動順序と計画経路Qの計画作業時間および計画作業順序との違いを一目で判別できる。
【0121】
[1人の作業者についての分析結果表示操作]
図7は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの分析結果表示部3033におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0122】
ユーザーが、分析結果表示部3033において所定の操作を行うと、経路表示部3032および分析結果表示部3033は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0123】
これにより、ユーザーは、表示対象の作業者が移動した複数の経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0124】
例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ71によって、作業者Aについての頻度バーB1~3のうち、頻度バーB2のラベルL2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われたことを示す信号を経路処理部1032に出力する。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2に対応する経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0125】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0126】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ71を、頻度バーB2のラベルL2上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、頻度バーB2に対応する経路P2における全ての工程滞在時間の平均、最大値などを算出し、分析結果表示部3033に指示して、分析結果表示部3033に、算出した平均、最大値などをポップアップ711で表示させる。
【0127】
これにより、ユーザーは、経路P1~3それぞれについての平均、最大工程滞在時間などを容易に判別できる。
【0128】
[規定の経路設定操作]
図8は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの改善提案表示部3034におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0129】
ここで、改善提案表示部3034は、特定の経路P(例えば経路P2)を規定の経路として設定するためのボタン3034-1を表示している。
【0130】
ユーザーは、経路P2を規定の経路として設定する場合、ポインタ80によってボタン3034-1を押すと、この操作に応じた信号が、UI部105を介して改善提案処理部1034に出力される。これに応じて、改善提案処理部1034は、経路P2を規定の経路として設定することを決定し、経路P2を規定の経路として設定することを行動特性推定部102に指示する。
【0131】
これにより、ユーザーは、経路P2を、計画経路Qのように、他の経路との比較対象として設定できる。
【0132】
行動特性推定部102は、経路P2を規定の経路として設定する指示を改善提案処理部1034から受け付けると、経路P2についての移動経路データを規定の経路に設定してデータ記憶部に記憶させる。設定された規定の経路は、計画経路Qの代わりに、比較のために他の経路と同時に経路表示部3032に表示されてよい。また、計画経路Qの代わりに他の経路との違いが検出され、自然言語に変換されたこの違いが、改善提案表示部3034に表示されてよい。
【0133】
特定の経路P(この例では経路P2)は、経路P1~3の中で最も頻度が高い経路であってもよいし、経路表示部3032または分析結果表示部3033においてユーザーによって選択された経路であってもよい。
【0134】
図8を参照して上述した操作により、ユーザーは、作業者の実際の行動に基づいて設定された任意の移動経路データを、計画経路Qのように、他の経路と比較できる。
【0135】
[工程配置変更操作]
図9は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0136】
例えば、ユーザーが、改善提案表示部3034に表示された内容に基づいて、経路表示部3032の工程Wを移動する操作を行う。すると、経路表示部3032は、当該操作に応じて工程Wの配置および経路Pの表示を変更する。
【0137】
これにより、ユーザーは、改善提案表示部3034において表示された内容に基づいて、工程配置の変更と作業者の行動のシミュレーションとを行うことができる。
【0138】
例えば、ユーザーが、ポインタ90によって、工程W5を工程W6の位置に移動させる操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、工程W5と工程W6の位置を入れ替えて表示させる。
【0139】
また、経路処理部1032は、当該操作に応じて、変更された工程配置データを行動特性推定部102に出力する。行動特性推定部102は、変更された工程配置データを用いて行動特性を再推定し、再推定した結果である行動特性データを、データ記憶部に記憶させ、さらに、経路処理部1032に出力する。
【0140】
これに応じて、経路処理部1032は、入力された行動特性データに基づいて推奨する移動経路データ(第3の移動経路)を生成し直し、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、生成し直した推奨する移動経路データである経路を再表示させる。これにより、工程移動順序(矢印の向き)または工程滞在時間(円の大きさ)が更新される。
【0141】
例えば、図9において工程W5と工程W6の位置を入れ替えた場合、行動特性推定部102は、変更後の工程配置データ(右列が下から順にW1、W2、W3、W4、W6、左列が上から順にW5、W7、W8、W9)と経路2の工程移動順序(W1→W2→W3→W4→W6→W5→W7→W8→W9)と経路2の工程滞在時間(例えば、工程W5:10秒、工程W6:30秒)とを経路処理部1032に出力する。経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、変更後の工程配置データに従って、経路2の工程移動順序および工程滞在時間を表示させる。
【0142】
なお、この時、行動特性データを工程間の遷移確率として記憶している場合(図18B)、工程配置の変更により工程間の距離や並び順が変わるため、その近さや、計画作業順序と同じ遷移をするかによって工程間の遷移確率に重み付けをしてもよい。これにより、再推定される経路2の累積確率が変化するため、生成し直した推奨する移動経路データ(第3の移動経路データ)も変更される。
【0143】
図9を参照して上述した操作により、ユーザーは、改善提案表示部3034に表示された内容に基づいて、工程配置の変更と作業者の行動のシミュレーションとを行うことができる。
【0144】
以上、図6図9を参照して上述したような操作により、ユーザーは、選択したモードについての移動経路データの特徴を、円の大きさ、矢印の太さおよび向き、頻度に基づくソートなどにより経路として可視化し、複数の経路の比較、注目点の検出などを直感的に行うことができるようになり、作業改善に、よって、生産性の改善に繋げることができる。
【0145】
[1つのグループについての経路表示操作]
図10は、表示対象表示部3031-1において1つのグループが選択されているときの経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0146】
ユーザーが、経路表示部3032において所定の操作を行うと、経路表示部3032および改善提案表示部3034は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0147】
これにより、ユーザーは、表示対象のグループに含まれる作業者の全員が移動した経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0148】
例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1001によって、グループ1に含まれる作業者が通った経路P1~3のうち、経路P2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P1およびP3を削除させ、経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0149】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0150】
また、経路処理部1032は、当該操作が行われたことを示す信号を改善提案処理部1034に出力する。これに応じて、改善提案処理部1034は、改善提案表示部3034に指示して、改善提案表示部3034に、最も頻度が高い経路P2と計画経路Qとの比較により検出された検出情報を自然言語によって表示させる。例えば、改善提案表示部3034は、最も頻度が高い経路は経路P2であること、経路P2の移動順序は、計画経路Qと移動パスP2-46、65、57が異なり、その近くの工程W5およびW6に改善できる可能性があることなどを日本語で表示する。
【0151】
これにより、ユーザーは、グループ1に含まれる作業者の移動経路の特徴、計画経路との違いなどを文章で確認し、作業改善に、よって、生産性の改善に繋げることができる。
【0152】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1002を経路P2の工程W5に対応する円の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P2の工程W5における滞在時間と計画経路Qの工程W5における計画作業時間とを作業者ごとにポップアップ10021で表示させる。
【0153】
これにより、ユーザーは、経路P2の工程滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との違いを作業者ごとに一目で判別できる。
【0154】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1003を工程W6の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、工程W6についての経路P1~3それぞれの工程滞在時間をポップアップ10031で表示させる。
【0155】
これにより、ユーザーは、工程W6についての経路P1~3それぞれの作業時間の違いを一目で判別できる。なお、各経路の工程滞在時間は、グループ1に含まれる作業者全員の平均、最大値などであってよい。
【0156】
図10を参照して上述した操作により、ユーザーは、工程配置マップ上に表示された移動経路データに基づいて表示データのモード変更を行い、グループ1に含まれる複数の作業者が移動した経路Pの工程滞在時間および移動順序と計画経路Qの計画作業時間および計画作業順序との違いを一目で判別できる。
【0157】
[1つのグループについての分析結果表示操作]
図11は、表示対象表示部3031-1において1つのグループが選択されているときの分析結果表示部3033におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0158】
ユーザーが、分析結果表示部3033において所定の操作を行うと、経路表示部3032および分析結果表示部3033は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0159】
これにより、ユーザーは、表示対象のグループに含まれる複数の作業者全員が移動した複数の経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0160】
例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1101によって、グループ1についての頻度バーB1~3のうち、頻度バーB2のラベルL2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われたことを示す信号を経路処理部1032に出力する。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2に対応する経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0161】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0162】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1101を、頻度バーB2のラベルL2上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、分析結果表示部3033に指示して、分析結果表示部3033に、頻度バーB2に対応する経路P2における全ての工程滞在時間の平均、最大値などを作業者ごとにポップアップ11011で表示させる。
【0163】
これにより、ユーザーは、経路P1~3それぞれについての全ての工程滞在時間を容易に判別できる。
【0164】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1102によって、頻度バーB2の作業者Aについての頻度バーB2-Aを押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われたことを示す信号を経路処理部1032に出力する。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2-Aに対応する作業者Aについての経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。同様に、頻度バーB2-Bが押されると、経路表示部3032は、作業者Bについての経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示する。
【0165】
これにより、ユーザーは、グループ1に含まれる作業者全員についての頻度の高い経路と、作業者Aについての経路Pと、作業者Bについての経路Pと、を素早く切り替えて簡単に比較できる。
【0166】
図11を参照して上述した操作により、ユーザーは、頻度順にソートされた移動経路データに基づいて表示データのモード変更を行い、グループ1に含まれる作業者が移動した経路Pの工程滞在時間および移動順序と計画経路Qの計画作業時間および計画作業順序との違いを一目で判別できる。
【0167】
[複数のグループについての経路表示操作]
図12は、表示対象表示部3031-1において複数のグループが選択されているときの経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0168】
ユーザーが、経路表示部3032において所定の操作を行うと、経路表示部3032および改善提案表示部3034は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0169】
これにより、ユーザーは、表示対象のグループに含まれる作業者の全員が移動した複数の経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0170】
例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1201によって、グループ1および2に含まれる作業者が通った経路P1~3のうち、経路P2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P1およびP3を削除させ、経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0171】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0172】
また、経路処理部1032は、当該操作が行われたことを示す信号を改善提案処理部1034に出力する。これに応じて、改善提案処理部1034は、改善提案表示部3034に指示して、改善提案表示部3034に、最も頻度が高い経路P2と計画経路Qとの比較により検出された検出情報を自然言語によって表示させる。例えば、改善提案表示部3034は、最も頻度が高い経路は経路P2であること、経路P2の移動順序は、計画経路Qと移動パスP2-46、65、57が異なり、その近くの工程W5およびW6に改善できる可能性があることなどを日本語で表示する。
【0173】
これにより、ユーザーは、グループ1および2に含まれる作業者の移動経路の特徴、計画経路との違いなどを文章で確認し、作業改善に、よって、生産性の改善に繋げることができる。
【0174】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1202を経路P2の工程W5に対応する円の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P2の工程W5における滞在時間と計画経路Qの工程W5における計画作業時間とをグループごとにポップアップ12021で表示させる。
【0175】
これにより、ユーザーは、経路P2の工程滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との違いをグループごとに一目で判別できる。
【0176】
また、例えば、ユーザーが、経路表示部3032において、ポインタ1203を工程W6の上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、工程W6についての経路P1~3それぞれの工程滞在時間をポップアップ12031で表示させる。
【0177】
これにより、ユーザーは、工程W6についての経路P1~3それぞれの作業時間の違いを一目で判別できる。なお、各経路の工程滞在時間は、グループ1および2に含まれる作業者全員の平均値、最大値などであってよい。
【0178】
図12を参照して上述した操作により、ユーザーは、工程配置マップ上に表示された移動経路データに基づいて表示データのモード変更を行い、グループ1および2に含まれる複数の作業者が移動した経路Pの工程滞在時間および移動順序と計画経路Qの計画作業時間および計画作業順序との違いを一目で判別できる。
【0179】
[複数のグループについての分析結果表示操作]
図13は、表示対象表示部3031-1において複数のグループが選択されているときの分析結果表示部3033におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0180】
ユーザーが、分析結果表示部3033において所定の操作を行うと、経路表示部3032および改善提案表示部3034は、この操作に基づいて表示を切り替える。
【0181】
これにより、ユーザーは、表示対象のグループ1および2に含まれる作業者全員が移動した複数の経路Pと計画経路Qとの比較、注目点の検出などを直感的に行うことができる。
【0182】
例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1301によって、グループ1および2についての頻度バーB1~3のうち、頻度バーB2のラベルL2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われた示す信号を経路処理部1032に出力する。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2に対応する経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。
【0183】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0184】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1301を、頻度バーB2のラベルL2上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、分析結果表示部3033に指示して、分析結果表示部3033に、頻度バーB2に対応する経路P2における全ての工程滞在時間の平均、最大値などをグループごとにポップアップ13011で表示させる。
【0185】
これにより、ユーザーは、経路P1~3それぞれについての全ての工程滞在時間を容易に判別できる。
【0186】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1302によって、頻度バーB2のグループ1についての頻度バーB2-1を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われたことを示す信号を経路処理部1032に出力する。経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2-1に対応するグループ1についての経路P2のみを計画経路Qに重ねて表示させる。同様に、頻度バーB2-2が押されると、経路表示部3032は、作業者Bについての経路P2を計画経路Qに重ねて表示する。
【0187】
これにより、ユーザーは、グループ1および2に含まれる作業者全員についての経路Pと、グループ1についての経路Pと、作業者Bについての経路Pと、を素早く切り替えて簡単に比較できる。
【0188】
図13を参照して上述した操作により、ユーザーは、頻度順にソートされた移動経路データに基づいて表示データのモード変更を行い、グループ1および2に含まれる作業者が移動した経路Pの工程滞在時間および移動順序と計画経路Qの計画作業時間および計画作業順序との違いを一目で判別できる。
【0189】
(変形例)
本開示は、これまでに説明した実施の形態に示されたものに限定されないことはいうまでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形を加えることができる。
【0190】
[変形例1]
上記では、図3図5を参照して、1人の作業者、1つのグループおよび複数のグループについての表示画面レイアウト例を説明したが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。例えば、より簡易的な表示画面が、デフォルトとして最初に表示されてもよい。図12は、本開示の実施の形態の変形例における表示部104の表示画面レイアウトの一例を示す図である。この例では、表示対象表示部3031-1および経路表示部3032のみが、表示部104において表示画面300の中に最初に表示されてよい。
【0191】
[変形例2]
また、上記では、図6を参照して、1人の作業者についての経路表示操作例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示は、以下のようであってもよい。
【0192】
図15は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの経路表示部3032におけるユーザー操作に応じた動作および表示の例を示す図である。
【0193】
はじめに、図3に示すように、経路表示部3032には、作業者Aが移動した経路P1~3の滞在時間を表す円が重ならないように表示されているとする。
【0194】
例えば、ユーザーが、ポインタ1500によって、経路表示部3032の経路P2を計画経路Qの上に移動させる操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して経路処理部1032に出力される。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、経路P2の滞在時間を表す円の中心が、計画経路Qの計画作業時間を表す円の中心と重なるように表示させる。
【0195】
同様に、例えば、ユーザーが、ポインタ1500によって、経路表示部3032の経路P3を計画経路Qの上に移動させる操作を行うと、経路表示部3032は、経路P3の滞在時間を表す円の中心が、計画経路Qの計画作業時間を表す円の中心と重なるように表示する。
【0196】
これにより、任意の経路Pの工程滞在時間と計画経路Qの計画作業時間とを同心円状の円として重畳表示し、大きさの比較をしやすくできる。
【0197】
逆に、例えば、ユーザーが、経路P1を計画経路Q上から他の位置へ移動させる操作を行うと、経路表示部3032は、経路P1と計画経路Qとの重畳表示を解除し、経路P1と計画経路Qとを重ならないように表示してもよい。
【0198】
[変形例3]
また、上記では、図7を参照して、1人の作業者についての分析結果表示操作例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、分析結果表示部3033の表示と分析結果表示部3033におけるユーザー操作に応じた動作および表示とは、以下のようであってもよい。
【0199】
図16は、表示対象表示部3031-1において1人の作業者が選択されているときの分析結果表示部3033におけるユーザー操作に応じた動作および表示の一例を示す図である。
【0200】
この例では、分析結果表示部3033は、図3に示す分析結果表示部3033の表示の代わりに、縦軸が表示対象を表し、横軸が時刻を表すグラフとして、経路P1~3の頻度を表示する。
【0201】
より具体的には、図16の分析結果表示部3033において、縦軸は表示対象の作業者を示し、横軸は時刻を示す。頻度バーB1~3は、経路表示部3032の経路P1~3のうち、その時刻に作業者Aが最も移動していた経路を表す。例えば、図16の分析結果表示部3033において、頻度バーB3は、作業者Aが9時から11時まで経路P3を最も多く移動したことを表す。同様に、頻度バーB1は、作業者Aが11時から13時まで経路P1を最も多く移動したことを表し、頻度バーB2は、作業者Aが13時から17時まで経路P2を最も多く移動したことを表す。
【0202】
これにより、ユーザーは、作業者が頻繁に移動した経路の時間変化を容易に確認できる。
【0203】
例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1600によって、作業者Aについての頻度バーB1~3のうち、頻度バーB2を押す操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、当該操作が行われたことを示す信号を経路処理部1032に出力する。これに応じて、経路処理部1032は、経路表示部3032に指示して、経路表示部3032に、頻度バーB2に対応する経路P2を計画経路Qに重ねて表示させる。
【0204】
これにより、ユーザーは、経路P2の滞在時間と計画経路Qの計画作業時間との大小関係を円の大きさの違いで判別できる。また、ユーザーは、経路P2の移動順序と計画経路Qの計画作業順序との違いを矢印の位置や向きで判別できる。
【0205】
また、例えば、ユーザーが、分析結果表示部3033において、ポインタ1601を、頻度バーB2のラベルL2上に置く操作を行う。すると、この操作に応じた信号が、UI部105を介して分析結果処理部1033に出力される。これに応じて、分析結果処理部1033は、分析結果表示部3033に指示して、分析結果表示部3033に、頻度バーB2に対応する経路P2における全ての工程滞在時間の平均、最大値などをポップアップ16011で表示させる。
【0206】
これにより、ユーザーは、経路P1~3それぞれについての平均、最大工程滞在時間などを容易に判別できる。
【0207】
(実施の形態における効果)
本開示の実施の形態における経路生成表示装置(作業者行動推定システム100)は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出する抽出部(行動特性推定部102)と、第1の移動経路および行動特性に基づいて、作業者に推奨する第2の移動経路を生成する処理部(処理部103、経路処理部1032)と、第2の移動経路を表示する表示部(表示部104、経路表示部3032)と、を備える。このように、作業者に推奨する第2の移動経路が、ユーザーに対して表示される。これにより、ユーザーは、作業者の行動が適切であるかどうかを判断するための、作業者に推奨する移動経路を確認することができる。
【0208】
本経路生成表示装置において、抽出部(行動特性推定部102)は、行動特性として、第1の移動経路の頻度を算出し、処理部(処理部103、経路処理部1032)は、第1の移動経路の頻度に基づいて、第2の移動経路を生成する。これにより、ユーザーは、最も頻度が高い第2の移動経路を新たな規定経路として設定すべきかどうかなど、作業者の行動が適切であるかどうかを判断し、生産ライン全体として改善を行う箇所を特定することができる。
【0209】
本経路生成表示装置において、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、第2の移動経路と、作業者の作業基準である規定経路と、を表示する。これにより、ユーザーは、第2の移動経路と作業基準である規定経路とを比較して、作業者の実際の行動と計画との違いを容易に確認および検出することができ、作業者の行動が適切であるかどうかを判断し、生産ライン全体として改善を行う箇所を特定することができる。
【0210】
本経路生成表示装置において、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、第2の移動経路のうちの1つの移動経路が選択されたことを示す入力に応じて、1つの移動経路を規定経路に重ねて表示する。これにより、ユーザーは、選択された移動経路と作業基準である規定経路とを比較して、作業者の実際の行動と計画との違いをより容易に確認および検出することができ、作業者の行動が適切であるかどうかを判断し、生産ライン全体として改善を行う箇所を特定することができる。
【0211】
本経路生成表示装置において、処理部(処理部103、改善提案処理部1034)は、第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路と規定経路との違いに基づいて、規定経路に改善の余地があることを自然言語に変換し、表示部(表示部104、改善提案表示部3034)は、自然言語を表示する。これにより、ユーザーは、表示された自然言語を読むことで、生産ライン全体として改善を行う箇所をより容易に特定することができる。
【0212】
本経路生成表示装置において、処理部(処理部103、改善提案処理部1034)は、第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を新たな規定経路に設定することを示す入力に応じて、規定経路の代わりに、第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を新たな規定経路として設定する。これにより、ユーザーは、以後、作業者が作業しやすい経路で作業できるようにし、生産ラインにおける生産性を改善することができる。
【0213】
本経路生成表示装置において、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、第2の移動経路と工程配置とを表示し、処理部(処理部103、経路処理部1032)は、工程配置が変更されることを示す入力に応じて、行動特性に基づいて、第2の移動経路に含まれる工程移動順序が変更された第3の移動経路を生成し、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、第3の移動経路を表示する。これにより、ユーザーは、作業者の行動のシミュレーションを行うことができ、生産ラインにおける生産性の改善に繋げることができる。
【0214】
本経路生成表示装置において、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、第2の移動経路に含まれる工程滞在時間を円の大きさで表示し、第2の移動経路に含まれる工程移動順序を矢印の向きで表示する。これにより、ユーザーは、第2の移動経路の工程滞在時間および工程移動順序の違いやこれらと作業基準である規定経路または新たな規定経路との工程滞在時間および工程移動順序の違いを直感的に把握することができる。
【0215】
本経路生成表示装置において、表示部(表示部104、経路表示部3032)は、円が選択されたことを示す入力に応じて、工程滞在時間を数字で表示する。これにより、ユーザーは、工程滞在時間を正確に把握することができる。
【0216】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、または、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0217】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0218】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的にまたは全体的に、一つのLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0219】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサまたは専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されてもよい。
【0220】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0221】
(本開示のまとめ)
本開示の一実施例に係る経路生成表示装置は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出する抽出部と、前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成する処理部と、前記第2の移動経路を表示する表示部と、を備える。
【0222】
上記経路生成表示装置において、前記抽出部は、前記行動特性として、前記第1の移動経路の頻度を算出し、前記処理部は、前記第1の移動経路の頻度に基づいて、前記第2の移動経路を生成する。
【0223】
上記経路生成表示装置において、前記表示部は、前記第2の移動経路と、前記作業者の作業基準である規定経路と、を表示する。
【0224】
上記経路生成表示装置において、前記表示部は、前記第2の移動経路のうちの1つの移動経路が選択されたことを示す入力に応じて、前記1つの移動経路を前記規定経路に重ねて表示する。
【0225】
上記経路生成表示装置において、前記処理部は、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路と前記規定経路との違いに基づいて、前記規定経路に改善の余地があることを自然言語に変換し、前記表示部は、前記自然言語を表示する。
【0226】
上記経路生成表示装置において、前記処理部は、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を新たな規定経路に設定することを示す入力に応じて、前記規定経路の代わりに、前記第2の移動経路のうち最も頻度が高い移動経路を前記新たな規定経路として設定する。
【0227】
上記経路生成表示装置において、前記表示部は、前記第2の移動経路と工程配置とを表示し、前記処理部は、前記工程配置が変更されることを示す入力に応じて、前記行動特性に基づいて、前記第2の移動経路に含まれる工程移動順序が変更された第3の移動経路を生成し、前記表示部は、前記第3の移動経路を表示する。
【0228】
上記経路生成表示装置において、前記表示部は、前記第2の移動経路に含まれる工程滞在時間を円の大きさで表示し、前記第2の移動経路に含まれる工程移動順序を矢印の向きで表示する。
【0229】
上記経路生成表示装置において、前記表示部は、前記円が選択されたことを示す入力に応じて、前記工程滞在時間を数字で表示する。
【0230】
本開示の一実施例に係る経路生成表示方法は、1人または複数人の作業者が複数の工程で作業を行ったことを示す位置情報の時系列データから、前記作業者それぞれのとった第1の移動経路を生成し、前記第1の移動経路の時間および工程に紐付けられた行動特性を抽出し、前記第1の移動経路および前記行動特性に基づいて、前記作業者に推奨する第2の移動経路を生成し、前記第2の移動経路を表示する。
【産業上の利用可能性】
【0231】
本開示は、移動経路を生成して表示する経路生成表示装置に有用である。
【符号の説明】
【0232】
10 生産ライン
100 作業者行動推定システム
101 データ取得部
102 行動特性推定部
103 処理部
1031 モード選択部
1032 経路処理部
1033 分析結果処理部
1034 改善提案処理部
104 表示部
105 UI部
3031 モード表示部
3031-1 表示対象表示部
3031-2 表示期間表示部
3031-3 測定間隔表示部
3031-4 作業時間表示部
3032 経路表示部
3033 分析結果表示部
3034 改善提案表示部
図1
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