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特開2023-39915打撃フェースが改善されたゴルフクラブヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039915
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】打撃フェースが改善されたゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20230314BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230314BHJP
【FI】
A63B53/04 C
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022129418
(22)【出願日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】17/471,040
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】カイル エイ. カー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン エス. マーフィー
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薄肉のフェース、厚肉の中央領域を具備し、また、厚い周囲領域を具備するゴルフクラブヘッドに対して、打撃フェースの周辺の端部から不必要な重量を除去し、そのような特徴の恩恵を受けることができる最適化された場所でのみ、肉厚化した周囲領域を局所化することによって、さらなる改良を行う。
【解決手段】打撃フェースが、打撃フェース部分202の幾何学的中心の近くに位置付けられた厚肉の中央領域214と、この厚肉の中央領域から半径方向外向きに延びる中央遷移領域216と、この中央遷移領域から半径方向外向きに延びる薄肉の中間領域218と、この薄肉の中間領域から半径方向外向きに延びる厚肉の応力低減領域220と、この厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延びる薄肉の周囲領域222とからなり、これらすべてが結合して、改良された打撃フェースを形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、
上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、
上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、
上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、
上記第4の厚さは、上記第1の厚さより大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記厚くなった応力低減領域の上記第4の厚さが、上記打撃フェース部分の最も厚い部分である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記第5の厚さが上記第3の厚さより大きい、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記厚肉の応力低減領域は、約0.6から約1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記T対H比が約0.7から約0.9の間である、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記T対H比が約0.8である、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記厚肉の応力低減領域は、さらに、
上部の厚肉の応力低減領域と、
下部の厚肉の応力低減領域とを有し、
上記上部の厚肉の応力低減領域および上記下部の厚肉の応力低減領域は同じ高さを有する請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記厚肉の応力低減領域は、さらに、
上部の厚肉の応力低減領域と、
下部の厚肉の応力低減領域、
上記上部の厚肉の応力低減領域と上記下部の厚肉の応力低減領域は異なる高さを有する請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
上記上部の肉厚の応力低減領域の高さは、上記下部の肉厚の応力低減領域の高さよりも小さい、請求項8に記載のゴルフクラブヘッドド。
【請求項10】
上記上部の厚肉の応力低減領域の上記高さは、上記下部の厚肉の応力低減領域の上記高さよりも約0.5mm小さい請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、
上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、
上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、
上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、
上記第5の厚さは上記第4の厚さより小さく、
上記薄肉の中間領域の上記第3の厚さは、上記打撃フェース部分の最も薄い部分であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
上記厚肉の応力低減領域の上記第4の厚さは、上記打撃フェース部分の最も厚い部分である、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
上記厚肉の応力低減領域は、半径方向に沿って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約15.0mmから約46.0mmの距離に配置される請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約15mmから約30mmの間の距離に配置される請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約17mmから約28mmの間の距離に配置される請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約20mmから約25mmの間の距離に配置される請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面が組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の周囲に位置付けられた、厚肉の応力低減領域を有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出するリングを形成し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約15mmから約30mmの間の距離に配置されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
上記厚肉の応力低減領域は、約0.6から約1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
上記T対H比が約0.7から約0.9の間である、請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
上記T対H比が約0.8である、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、打撃フェースを改良したゴルフクラブヘッドに関する。より具体的には、この発明は、打撃フェースが、打撃フェース部分の幾何中心の近くに位置付けられた肉厚の中央領域と、当該肉厚の中央領域から半径方向外向きに延びる中央遷移領域と、当該中央遷移領域から半径方向外向きに延びる薄肉中間領域と、当該薄肉中間領域から半径方向外向きに延びる厚肉の応力低減領域と、当該厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延びる薄肉周囲領域とをさらに有し、これらが組み合わさって、改良された打撃フェースを形成する、メタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドの打撃フェースは、ゴルフボールを打ったときに最も高いレベルの応力を受けるゴルフクラブヘッドの唯一の部品である。さらに、打撃フェースはゴルフボールと接触する唯一の部品であるため、あらゆるゴルフクラブの設計にとって重要な部品の1つある。
【0003】
打撃フェースを介してゴルフクラブヘッドの性能を改善するために、ゴルフクラブの設計者は、非常に薄い打撃フェースを作成しようと試みてきた。これにより、ゴルフボールに衝突するときに打撃フェースが弾性的に変形し、それによって、ゴルフボールの速度が、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースを離れた後、増大する。ただし、ゴルフのルールを守る必要がある。Zebeleanに付与された米国特許第4,432,549号は、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの上側部分を薄くすることによって、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースを薄くする初期の試みの1つを示している。
【0004】
フェースを薄くすることは、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの性能を改善する唯一の方法ではなく、より最近の改善には、打撃フェースの様々な部分の厚さを調整して性能を改善することが含まれる。すでに薄くなっているフェースに基づいて、Evans等の米国特許第6,863,626号は、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの厚さを変化させる初期の試みの1つを図説し、これは、厚肉の中央領域が中心から外側に減少して、当該中心でゴルフボールの速度を低減させるのを支援し、速度および性能が改善された大きな領域を生成することを開示している。
【0005】
厚肉の中央部分と組み合わされた薄肉のフェースの既知の技術にさらに基づいて、ゴルフクラブヘッドの性能をさらに改善するために、Baconらに付与された米国特許第10,758,789号は、打撃フェースの末端に厚肉の周囲領域を追加し、これにより、耐久性が向上し、ボール速度が増大し、特徴時間(characteristic time)が増加すると発明者は主張している。しかしながら、これを追加することは有益ではあるけれども、最適化されていない。なぜならば、米国特許第10,758,789号に示されているように、厚肉の周囲領域の利点は一般に局所的であり、それを打撃フェースの周辺までずっと広げる必要はないからである。
【0006】
したがって、薄肉のフェース、厚肉の中央領域を具備し、また、厚い周囲領域を具備するゴルフクラブヘッドに対して、打撃フェースの周辺の端部から不必要な重量を除去し、そのような特徴の恩恵を受けることができる最適化された場所でのみ、肉厚化した周囲領域を局所化することによって、さらなる改良を行うことができることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,432,549号
【特許文献2】米国特許第6,863,626号
【特許文献3】米国特許第10,758,789号
【発明の概要】
【0008】
この発明の一側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、正面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、上記第4の厚さは、上記第1の厚さより大きい上記ゴルフクラブヘッドである。
【0009】
この発明の他の側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、正面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、上記第5の厚さは上記第4の厚さより小さく、上記薄肉の中間領域の上記第3の厚さは、上記打撃フェース部分の最も薄い部分である、上記ゴルフクラブヘッドである。
【0010】
この発明の他の側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、正面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記正面打撃表面および上記内部背面表面が組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の周囲に位置付けられた、厚肉の応力低減領域を有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出するリングを形成し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約15mmから約30mmの間の距離に配置される、上記ゴルフクラブヘッドである。
【0011】
この発明のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
この発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面に示されているように、この発明の以下の説明から明らかになるであろう。ここに組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、この発明の原理を説明し、関連技術の当業者がこの発明を実施および使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【0013】
図1】添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの正面図を示し、断面線A-A’を示す。
図2】添付図面の図2は、図1に示される断面線A-A’に沿った、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図3】添付図面の図3は、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図4】添付図面の図4は、再び、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示し、種々の機能を強調表示する。
図5】添付図面の図5は、再度、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェースの拡大断面図を示し、種々の機能を強調表示する。
図6図6a~図6lは、この発明の例示的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域の代表的な断面図を示す。
図7a】添付図面の図7aは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の陰影を付けた背面図を示す。
図7b】添付図面の図7bは、この発明の例示的実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図8】添付図面の図8は、図1に示される断面線A-A’に沿った、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図9】添付図面の図9は、図8に示されるこの発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図10a】添付図面の10aは、この発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェースの陰影を付けた背面図を示す。
図10b】添付図面の図10bは、この発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図11】添付図面の図11は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
図12】添付図面の図12は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図13】添付図面の図13は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0014】
以下の詳細な説明は、この発明を実行する現在考えられる最良のモードを記述する。この発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されるので、この説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、単にこの発明の一般原理を説明する目的で作成されたものである。
【0015】
この発明の様々な特徴を以下に説明する。それぞれを互いに独立して、または他の特徴と組み合わせて使用することができる。ただし、この発明の単一の特徴のいずれも、上述の問題のいずれかまたはすべてに対処しない場合もあれば、上述の問題の1つに対処するだけの場合もある。さらに、上述の問題の1つまたは複数は、以下に説明する特徴のいずれによっても完全には対処されない可能性がある。
【0016】
添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の正面図を示す。何よりもまず、添付図面の図1は、x、y、およびz軸に沿ったゴルフクラブヘッド100の向きを定義する座標系101を示す。ここに示されるx軸は水平であり、ヒールからトウの方向に広がり、正の軸はゴルフクラブヘッド100のヒールを指す。ここに示されるy軸は垂直であり、クラウンからソールの方向に広がる。最後に、ここに示されるz軸は、紙面の表裏を指し前後の方向にまたがる軸を参照し、正の軸が前面方向を指す。このゴルフクラブヘッド100の正面図は、この実施例ではフェースインサート104とフェース周辺部106とからさらに構成される打撃フェース部分102を示す。添付図面の図1は、また、y軸に沿い、y-z平面に沿う、垂直な切断線A-A’を示し、これは、打撃フェース部分102の内部形状をより明確に示すことを可能にする。
【0017】
添付図面の図2は、図1に示される断面線A-A’沿ったゴルフクラブヘッド200の断面図を示す。図2に示されるゴルフクラブヘッド200のこの断面図において、ゴルフクラブヘッド200は、打撃フェース部分202と、打撃フェース部分202の後部に取り付けられた後部本体部分203とを有することが分かる。この発明において定義される打撃フェース部分202は、実質的に平面であり、ゴルフクラブヘッド200の前部に位置し、ゴルフボールを打つように適合されたゴルフクラブヘッド200の部分を指す。打撃フェース部分202は、実質的に平坦な前方打撃面210と可変輪郭を有する後方内面212とによって形成される厚さによって製造され、可変フェース厚さプロファイルを有する打撃フェース部分を形成する。打撃フェース部分202と後方本体部分203との間の境界は、後方内面212が実質的に平面の垂直方向から実質的に水平方向に向かって逸脱するときに生じる。
【0018】
添付の図面の図2は、最後に、この実施例において、フェースインサート204が使用され、フェース周囲206によって作成された打撃フェース部分202の開口部を閉じることを示している。この発明のこの実施例において、フェースインサート204は、全般的には、軽量で耐久性が高い特性を実現するためにチタン材料から作られて良く、また、フェース周囲206の周りの独特の厚肉の応力低減領域216により、同様の構造を有する従来のゴルフクラブヘッドよりも大幅に薄くされて良い。この発明のこの実施例において、フェース周囲206の周りの厚肉の応力低減領域220は、フェースインサート204をより薄く軽量にすることを可能にし、約25グラム未満、より好ましくは約24グラム未満、最も好ましくは、約23グラム未満の質量をもたらし、これは、すべて、この発明の範囲および内容から逸脱するものではない。フェース周囲206の周りに厚くなった応力低減領域220なしで取り付けられたフェースインサートと比較して、フェースインサートの質量は約12グラム減少する。
【0019】
フェース周辺206の周りの厚肉の応力低減領域220を、肉厚の中央領域214、中央遷移領域216、薄肉の中間領域218、および、薄肉の周囲領域222などの打撃フェース部分202の残りの部分の幾何形状と合わせてより詳細に説明するために、打撃フェース部分202の拡大図が図3に提供される。
【0020】
添付図面の図3は、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の拡大断面図を示す。この拡大断面図は、打撃フェース部分202の様々な高さをより明確に示すことを可能にし、他方、添付図面の図4は、打撃フェース部分202の様々な厚さを示す。この発明のこの図示された例示的な実施例によれば、打撃フェース部分202は、さらに、薄肉の上部周囲領域222-aと薄肉の下部周囲領域222-bとを含み、組み合わされて薄肉の周囲領域222を形成する。打撃フェース部分202は、薄肉の周囲領域から内側に位置付けられて、肉厚の応力低減領域220を形成するように結合する、上部の肉厚の応力低減領域220-aおよび下部の肉厚の応力低減領域220-bを有する。別の言い方をすれば、肉厚の応力低減領域220は、打撃フェース部分202の内面212から後方に突出するリングを形成すると言うことができる。打撃フェース部分202は、肉厚の応力低減領域の内側に位置付けられて、薄肉の中間領域218を形成するように組み合わされた、上部の薄肉の中間領域218-aおよび下部の薄肉の中間領域218-bを有する。打撃フェース部分202は、薄肉の中間領域から内側に位置付けられて、中央遷移領域216を形成するように組み合わされた、上部中央遷移領域216-aおよび下部中央遷移領域216-bを有する。最後に、打撃フェース部分202は、中央遷移領域214の内側に位置する、肉厚の中央領域214を具備する。
【0021】
図3に示されているこの発明のこの実施例において、肉厚の中央領域214の高さH1は、一般的には、約4.0mmから約15.0mmの間、より好ましくは約4.0mmから約10.0mmの間、最も好ましくは約4.0mmである。
【0022】
中央遷移領域216の高さは、この発明のこの実施例によれば、肉厚の中央領域214の上よりも肉厚の中央領域214の下の方が高くても良い。したがって、この実施例によれば、上部中央遷移領域216-aの高さH2-aは、約7.0mmから約11.0mmの間、より好ましくは約8.0mmから約10.0mmの間、最も好ましくは約9.0mmである。下部中央遷移領域216-bの高さH2-bは、一般的には、約13.0mmから約17.0mmの間、より好ましくは約14.0mmから約16.0mmの間、最も好ましくは約15.0mmであって良い。ただし、代替的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部中央遷移領域216-aおよび下部中央遷移領域216-bの高さが同じであって良いことに留意されたい。
【0023】
この発明のこの実施例によれば、薄肉の中間領域218の高さは、また、厚肉の中央領域214の上よりも厚肉の中央領域214の下でより高くて良い。したがって、この実施例によれば、高さH3-aは一般的には約3.5mmから約5.5mmであり、より好ましくは約4.0mmから約5.0mmであり、最も好ましくは約4.5mmである。下部中央遷移領域218-bの高さH3-bは、一般的には、約6.5mmから約8.5mmの間、より好ましくは約7.0mmから約8.0mmの間、最も好ましくは約7.5mmであって良い。ただし、大艇的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部中央遷移領域218-aおよび下部中央遷移領域218-bの高さが同じであってもよいことに留意されたい。
【0024】
厚肉の応力低減領域220の高さは、先の測定値とは異なり、測定が上部の厚肉の応力低減領域220-aまたは下部の厚肉の応力低減領域220-bに関するものであるかどうかにかかわらず、同じ測定値である。したがって、この実施例によれば、高さH4-aおよびH4-bは両方とも約4.0mmから約6.0mmであり、より好ましくは約4.5mmから約5.5mmであり、最も好ましくは約5.0mmである。上述の論理と同様に、異なるH4-aおよびH4-b値を有することも、両方が上記の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。ここで、厚肉の応力低減領域220の高さが、この発明の適切な機能にとって重要であることは注目に値する。なぜならば、打撃フェース部分202に不必要な質量を過剰に付加しないようにする要請と、フェース周囲106(図1に示す)からの応力を低減するのに十分な構造的剛性を提供して、打撃フェース部分202の残りの部分をより薄くし、より効率的にする要請とを注意深くバランスさせるためである。厚肉の応力低減領域220の高さは、厚肉の応力低減領域220の厚さ(図4で後述される)と組み合わされて、この発明の性能向上を達成する最適化された形状が概説される。
【0025】
薄肉の周囲領域222に関する議論に移る前に、幾何学的なフェース中心108(図1に示される)に対する厚肉の応力低減領域220の配置が、この発明における性能向上の達成にとって重要であることに留意することが重要である。これは、図3に示す拡大断面図に表されるように、幾何学的フェース中心108(図1に示す)を通過する垂直断面平面に沿って特に当てはまる。この特定の断面の重要性、およびこの断面に沿った厚肉の応力低減領域220の配置は、この平面に沿った上部フェース部分でより高い応力向上を実現し、したがって、肉厚の応力低減領域220を追加する打撃フェース部分202の傾向に由来する。この発明の当該実施例において、厚肉の応力低減領域220は、一般的に、断面A-A’に沿って、幾何学的面の中心105から約15mmから約30mm離れた距離に配置して良く、好ましくは、断面平面A-A’に沿って幾何学的面中心105(図1に示す)から約17mmから約28mm離れて配置されて良く、最も好ましくは、断面平面A-A’に沿って、幾何学的面中心105(図1に示す)から約20mmから約25mmの間で配置されて良い。
【0026】
薄肉の周囲領域222の高さは、また、厚肉の中央領域214の上よりも、厚肉の中央領域214の下でより高くても良い。したがって、この実施例によれば、高さH5-aは、約1.8mmから約2.8mmの間であり、より好ましくは約2.1mmと約2.5mmの間であり、最も好ましくは約2.3mmであって良い。高さH5-bは、一般的には、約2.3mmから約3.3mmの間であり、より好ましくは約2.6mmから約3.0mmの間であり、最も好ましくは約2.8mmであって良い。ただし、代替的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部の薄肉の周囲領域222-aおよび下部の薄肉の周囲領域222-bの高さが同じであって良いことに留意されたい。
【0027】
添付図面の図4は、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の別の拡大断面図を示す。この断面図において、打撃フェース部分202の構成要素の様々な厚さがより詳細に示されている。この発明のこの現行の実施例において、厚肉の中央領域214は、一般的には、約3.6mm未満、より好ましくは約3.4mm未満、最も好ましくは約3.2mm未満の厚さT1を有して良い。この発明の目的は、打撃フェース部分202にかかる応力を緩和する厚肉の応力低減領域220の導入によって、打撃フェース部分202の様々な構成要素の厚さを最小限に抑えることであるためである。
【0028】
薄肉の中間領域218の厚さは、それが上部の薄肉の中間領域218-aに位置するか、下部の薄肉の中間領域218-bに位置するかに関係なく、概して同じであって良い。したがって、厚さT3-aおよびT3-bは両方とも約2.5mm未満であり、より好ましくは約2.4mm未満であり、最も好ましくは約2.3mm未満である。ただし、この発明の別の実施例において、T3-aおよびT3-bの値は、互いにわずかに異なっていてもよく、両方が上記の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0029】
ここでは、厚さT4-aを有する上部の厚肉の応力低減領域220-aおよび厚さT4-bを有する下部の厚肉の応力低減領域220-bとして示される、厚肉の応力低減領域220の厚さは、当該厚肉の応力低減領域220の幅と組み合わされて、幾何形状を定義し、これは、ゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分202の改善された性能にとって重要である。この実施例において、上部の厚肉の応力低減領域220-aおよび下部の厚肉の応力低減領域220-bのそれぞれの厚さT4-aおよびT4-bは両方とも同じであり、したがって約3.6mmから約4.4mm、より好ましくは約3.8mmから約4.2mmの間、最も好ましくは約4.0mmである。ただし、この発明の別の実施例において、厚さT4-aおよびT4-bは、先に定義された厚さの範囲外にならない限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いにわずかにずれていてもよい。
【0030】
厚肉の応力低減領域220の厚さT4および高さH4が定義されると、厚肉の応力低減領域220の好ましい幾何学的形状は、厚さと高さの比として確立することができる。好ましい幾何学的形状は、以下の式(1)によって定義されるT対H比を有する。
T対H比=(厚肉の応力低減領域の厚さT4)/(厚肉の応力低減領域の高さH4)
---式(1)
この発明に従う打撃フェース部分202の厚肉の応力低減領域220のT対H比は、一般的には、約0.6から約1.1の間、より好ましくは約0.7から約0.9の間、最も好ましくは約0.8であっても良い。繰り返しになるけれども、上述のように、この比率は、当該厚肉の応力低減領域220の追加によって追加される不必要な質量を最小限に抑えながら、打撃フェース部分202の応力低減特性を達成するために重要である。
【0031】
薄肉の周囲領域222の厚さは、それが上部の薄肉の周囲領域22-aに位置するか、または下部の薄肉の周囲領域222-bに位置するかに関係なく、概して同じであって良い。したがって、厚さT5-aおよびT5-bは両方とも約3.0mm未満であり、より好ましくは約2.8mm未満であり、最も好ましくは約2.7mm未満である。ただし、この発明の別の実施例において、T5-aおよびT5-bの値は互いにわずかに異なっていてもよく、両方が上述の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0032】
ここで強調する価値のある別の重要な関係は、厚肉の応力低減領域720の厚さT4に対する厚肉の中央領域714の厚さT1である。厚肉の応力低減領域720を導入すると、打撃フェース部分702全体の厚さおよび質量が全体として大幅に減少するので、2つの厚さの間の結果として得られる関係は、この発明の改善された性能を達成するために非常に重要である。この発明のこの例示的な実施例において、T4をT1で割った比は、一般に約1より大きく、より好ましくは約1.15より大きく、最も好ましくは約1.375より大きい。別の言い方をすれば、厚肉の応力低減領域220の厚さT4は、厚肉の中央領域214の厚さT1、または打撃フェース部分202全体に沿った任意の他の位置よりも大きいと言うことができる。打撃フェース部分202の最も厚い部分は、厚肉の応力低減領域220上に位置する。
【0033】
添付図面の図5は、図3および図4と同様なゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の拡大断面図を示す。ただし、今回は、厚肉の応力低減領域220から、隣接する薄肉の中間領域218および薄肉の周囲領域222への遷移に焦点を当てる。この発明のこの実施r例において、厚肉の応力低減領域220の周りの様々な半径も、この発明の適切な機能にとって重要である。なぜならば、望ましくない半径は、応力を減らすという目的に役立たないだけでなく、製造上の課題を追加する可能性があるためである。何よりも、半径は、一方では厚肉の応力低減領域220の追加に起因する望ましくない重量の追加を最小限に抑え、他方では肉厚の応力低減領域220に起因する応力と製造上の課題とのバランスを取る必要がある。
【0034】
半径R5-aおよび半径R5-bは、曲率半径、または厚肉の応力低減領域220-aおよび220-bから薄肉の周囲領域222-aおよび222-bに向かうブレンドを示す。この実施例におけるR5-aおよびR5-bは、一般的には、同じ数であってよく、伊パン的には、約1.0mm~約1.4mm、より好ましくは約1.1mm~約1.3mm、最も好ましくは約1.2mmである。ただし、この発明の他の実施例において、R5-aおよびR5-bは、上述の半径範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていてもよいことに留意されたい。
【0035】
半径R3-aおよび半径R3-bは、曲率半径、または、厚肉の応力低減領域220-aおよび220-bから薄肉の中間領域218-aおよび218-bに向かうブレンドを示す。この実施例におけるR3-aおよびR3-bは、一般的には、同じであって良く、また、上述のR5-aおよびR5-bと同じであって良く、約1.0mm~約1.4mmの間、より好ましくは約1.1mm~約1.3mmの間で、最も好ましくは約1.2mmであって良い。ただし、この発明の他の実施例において、R3-aおよびR3-bは、上述の半径範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていてもよいことに留意されたい。
【0036】
ここで、それぞれR5およびR3として示される、厚肉の応力低減領域220から薄肉の周囲領域222および薄肉の中間領域218に向かうブレンドの半径は、一般に互いに同じであって良いことに注目することは有益である。ただし、上述のように、この発明の他の実施例において、これらの数は、上述の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていても良い。
【0037】
添付の図面の図6aから6Lは、厚肉の応力低減領域220の代替的な形状を示している。図6aを参照すると、遷移半径を追加した前述の設計と同様に、実質的に長方形の設計がここに示されている。添付図面の図6bは、この発明の代替的な実施例に従う厚肉の応力低減領域220の代替的なの外向きテーパ設計を示す。図。添付図面の図6cは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の他の内向きテーパ設計を示す。添付図面の図6dは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の一定のオフセット設計を有する代替的な外向きテーパを示す。添付図面の図6eは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の内側オフセット設計を有する代替外向きテーパを示す。添付図面の図6fは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の外向きオフセット設計を伴う代替的な外向きテーパを示す。添付図面の図6gは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な三角形のシェブロン設計を示す。添付図面の図6hは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な内側オフセット三角形シェブロン設計を示す。添付図面の図6iは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な外向きオフセット三角形シェブロン設計を示す。添付図面の図6jは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な半球設計を示す。添付図面の図6kは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な有機的な設計(オーガニック・デザイン)を示す。添付の図面の図6bは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的なくぼみチャネルのテーパ設計を示す。
【0038】
図7aおよび7bは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分702の背面図を示す。図7aにおいて、打撃フェース部分702の様々な構成要素をよりよく視覚化するために陰影を付けた図が提示されている。図7aにおいて、薄肉周囲領域722は、打撃フェース部分702の外周を形成する。薄肉周囲領域722から内側に、厚肉の応力低減領域720を見ることができる。厚肉の応力低減領域720から内側に薄肉中間領域718がある。最後に、打撃フェース部分702の幾何学的中心には、厚肉の中央領域714がある。打撃フェース部分701の様々な構成要素を示すことに加えて、図7aは、また、様々なコンポーネントの高さがフェース上のどこにあるかによってどのように変化するかを示しており、様々なコンポーネントの高さの以前の測定値は、図1に示されているように、フェースの幾何学的中心に沿った断面のみを参照していた。一例において、中間遷移領域718の高さは、打撃フェース部分702のヒールおよびトウ部分での中間遷移領域718の高さと比較すると、一般的に、打撃フェース部分702のクラウンおよびソール部分で小さいことが分かる。
【0039】
フェースの種々の部分に沿ったさまざまな構成要素の高さの違いをよりよく示すために、図7bに、打撃フェース部分702の陰影を付けていない背面図を示す。上述に加えて、図7bは、すべての測定値がフェースの幾何学的中心108(図1に示される)から得られるので、様々な構成要素の半径方向距離をより詳細に示すことを可能にする。これは、図2の厚肉の応力低減領域220の位置に関する上述の説明と同様である。ただし、ここで提供される距離は、図2における前の説明のように、特定の断面A-A’に拘束されなく、むしろ、半径方向の最小距離と最大距離の測定値である。図7bに示される打撃フェース部分702の当該背面図において、厚肉の中央領域714の外周は、任意の半径方向にわたって幾何学的フェース中心から約4.00mmから約14.0mmの間の投影距離D1内に概して位置することが分かる。中央遷移領域716の外周は、一般的に、任意の半径方向にわたって幾何学的フェース中心から約13.0mmから約30.0mmの間の距離D2に位置付けられて良い。薄肉の中間領域718の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約17.0mmから約40.0mmの間の距離D3に位置付けられて良い。厚肉の応力低減領域720の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約15.0mmから約46.0mmの間の距離D4に位置付けられて良い。最後に、薄肉の周囲領域722の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約25.50mmから約55.5mmの間の距離D5に位置付けられて良い。
【0040】
添付図面の図8は、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド800の、図1に示される断面線A-A’に沿った断面図を示す。この発明のこの断面図において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの形状および幾何学形状は、下部の厚肉の応力低減領域820-bとは異なるように変更されて、一般的に、打撃フェース部分802の上部クラウン領域において発生する高い応力レベルに対処するのに役立つ。上部の厚肉の応力低減領域820-aと下部の厚肉の応力低減領域820-bとの間のブレンドの高さおよび曲率半径の相違を示すために、打撃フェース部分802の拡大図が図9に提供される。
【0041】
添付図面の図9は、図8に示されるゴルフクラブヘッド800の打撃フェース部分802の断面図の拡大図を示す。この拡大断面図においては、この発明のこの実施例を先の実施例と区別する特徴のみが強調されている。この発明のこの代替的な実施例において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、下部の厚肉の応力低減領域820-bの高さH4-bとはもはや同じではない。実際、上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、打撃フェース部分802の上部でしばしば発生する応力上昇要因に対処するために低減される。上部の応力低減領域820-aが厚くなると、上部の薄肉の中間領域818-aの高さH3-aが増加する。上述した点に加えて、応力をさらに低減するために、上部の厚肉の応力低減領域820-aと上部の薄肉の中間領域818-aとの間の半径R3-aを増加させて、この位置でより緩やかなブレンドを作成する。最後に、打撃フェース部分802の応力レベルに対処することとは無関係に、上部の厚肉の応力低減領域820-aと上部の薄肉の周囲領域822-aとの間の半径R5-aも増加させてブレンドを柔らかくし、製造可能性を容易にすることができるようになす。
【0042】
数字を掘り下げると、この発明のこの実施例に従う上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、一般的に、約3.1mmから約3.9mmの間、より好ましくは約3.3mmから約3.7mm、最も好ましくは約3.5mmでありの間であって良く、これは下部の厚肉の応力低減領域820-bに位置付けられる対応部分H4-bよりも約0.5mm短い。この発明の現行の実施例に従う上部の薄肉の中間領域818-aの高さH3-aは、一般的に、約6.5mmから約8.5mmの間、より好ましくは約7.0mmから約8.0mmの間であり、最も好ましくは約7.5mmであって良く、これにより、下部の薄肉の中間領域818-bに位置する対応部分H3-bとほぼ同じになる。
【0043】
高さの変化に加えて、上部の厚肉の応力低減領域820-aの半径R3-aおよびR5-aも変更され、下部の厚肉の応力低減領域820-bの対応する部分とは異なるようになっている。R3-aの曲率半径を大きくすることにより、隣接する2つの構成要素間の遷移がより緩やかになり、打撃フェース部分802のその部分で発生する可能性がある応力上昇を排除するのに役立つ。この発明のこの実施例に従うR3-aは、一般的に、約1.50mmを超え、より好ましくは約1.60mmを超え、より好ましくは約1.70mmを超えて良い。他方、曲率半径R5-aもより緩やかになるように増加するけれども、今回は製造上の理由から、減少した鋳造フローのあまり目立たない領域を考慮している。したがって、この発明のこの実施例に従うR5-aは、一般的に、約1.50mmを超え、より好ましくは約1.60mmを超え、より好ましくは約1.70mmを超えて良い。したがって、この実施例において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの遷移部の曲率半径が、下部の厚肉の応力低減領域820-bの遷移部の曲率半径よりも大きいことが重要であることにここで注目する価値がある。なぜなら、打撃フェース部分802は、しばしばその位置でより高い応力レベルを示すからである。
【0044】
図10aおよび10bは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1002の背面図を示す。図10aにおいて、打撃フェース部分1002の様々な構成要素のより良い視覚を提供するために陰影付きの図が提示されている。図10aに示される陰影を付けた図および図10bに示されるワイヤフレーム図において、上部の厚肉の応力低減領域1020-aに対する調整が見られ、その高さH4-a(図9に示される)は、厚肉の応力低減領域1020-aの残りの部分と比較して小さい。ここで、以前に言及されなかった注目に値する別のことは、この発明の現行の例示的な実施例において、厚肉の応力低減領域1020全体が、打撃フェース部分1002の中央部分を取り囲むリングの形状をとるということである。ただし、この発明の代替的な実施例において、厚肉の応力低減領域1020は、打撃フェース部分1002を完全に取り囲む必要はなく、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、打撃フェース部分を部分的に取り囲むものでも良い。別の言い方をすれば、厚肉の応力低減領域1020は、この発明の範囲および内容からすべて逸脱することなく、フェースの周りを360度未満、フェー顔の周りを約270度未満、フェースの周りを180度未満だけ取り囲んで良い。
【0045】
添付の図面の図11から15は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドを示し、ここで、厚肉の応力低減領域は、複数の材料から形成されて、厚肉の応力減少領域の応力低減能力をさらに改善することを達成する。
【0046】
添付図面の図11は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッド1100の分解斜視図を示しており、厚肉の応力低減領域はさらに複数の材料から形成されている。図11に示されるゴルフクラブヘッド1100のこの分解断面図において、図11に示されるように、本体部分1103は、周囲レッジ1132を有するポケット1134を有し、周囲レッジ1132は、ガスケット1130を収容するのを支援し、ガスケット1130は、フェースインサート1104を周囲レッジ1132から分離する。この発明のこの実施例において、周縁レッジ1132、ガスケット1130、およびフェースインサート1104の周縁の組み合わせが組み合わさって、厚くなった応力低減領域(図12に示される)を作り出す。
【0047】
[添付図面の図12は、図1に示される断面線A-A’に沿った、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1200の断面図を示す。ゴルフクラブヘッド1200のこの断面図において、ゴルフクラブヘッド1200は、前の実施例と同様に、正面打撃フェース部分1202と後方本体部分1203とに分割できることが分かる。正面打撃フェース部分1202は、前の実施例のようにフェースインサート1204を受け入れるように適合された開口ポケット1234からさらに構成される。ただし、この発明のこの実施例において、業界で一般に知られているようにフェースインサート1204をポケット1234の周囲に直接溶接する代わりに、開口ポケット1234は、打撃フェースの外側表面から窪んだ周囲レッジ1232を作成し、この周囲レッジ1232は、フェースインサート1204を周囲レッジ1232から分離するガスケット1230を受容するように適合される。この発明のこの断面図において、周縁レッジ1232、ガスケット1230、およびフェースインサート1204の周縁の組み合わせが組み合わさって、厚肉の応力低減領域1220を作り出すことが明確に分かる。この実施例における厚肉の応力低減領域1220は、上部の厚肉の応力低減領域1220-aおよび下部の厚肉の応力低減領域1220-bとしてさらに形成されて良く、これらの両方は、上述した先の実施例と同様の寸法測定値を有する。
【0048】
この発明のこの実施例において、フェースインサート1204、ガスケット1230、および周囲レッジ1232は、一般的に、ある種の接着剤を使用して一緒に結合されて良い。ただし、この発明の代替的な実施例において、異なる材料特性を有して良い、厚肉の応力低減領域1220を形成する3つの構成要素は、すべてこの発明から逸脱することなく、ろう付け、スエージ加工、または機械的ファスナなどの種々の結合技術に依存することもできる。これは、フェースインサート1204が周囲レッジ1232自体に直接結合されていない限り、この発明の範囲および内容はこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0049】
ガスケット1230を作成するために使用される材料も、この発明のこの実施例において重要であり、正面打撃フェース部分1202の周囲の応力を低減するのに役立ち得る。この実施例において、ガスケットを作成するために使用される材料は、一般に、約5GPaから約120GPaの間、より好ましくは約10GPaから約80GPaの間、最も好ましくは約30GPaの弾性率、またはヤング率を有して良い。上述に加えて、ガスケット1230は、また、約2,000g/cc未満、より好ましくは約1,900g/cc未満、最も好ましくは約1,800g/cc未満の密度を有することができ、すべてこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0050】
ガスケット1230自体の寸法の一部を示すために、打撃フェース部分1202の拡大断面図を図13に示す。この図13に示される部において、ガスケット1230は、ほぼ同じ上部ガスケット高さH6-aおよび下部ガスケット高さH6-bを有することができることが分かる。この発明のこの実施例に従うH6-aおよびH6-bは、一般的に、約3.0mm~約7.0mm、より好ましくは約4.0mm~約6.0mm、最も好ましくは約5.0mmであって良い。図13は、また、ガスケットの厚さT6を示し、上部ガスケット厚さT6-aおよび下部ガスケット厚さT6-bとして示され、これらは両方ともこの発明のこの実施例においてほぼ同じである。したがって、この発明のこの実施例に従うT6-aおよびT6-bは、一般的に、約0.3mmから約0.7mmの間、より好ましくは約0.4mmから約0.6mmの間、最も好ましくは約0.5mmであって良い。
【0051】
上述の厚さおよび高さの測定値に基づいて、ガスケット1230は、以下の式(2)によって定義されるT対H比を有して良いと言うことができる。
T対H比=(ガスケットの厚さT6)/(ガスケットの高さH6)―――(2)
ガスケット1230のT対H比は、一般的に、約0.04から約0.23の間、より好ましくは約0.06から約0.15の間、最も好ましくは約0.1であって良い。
【0052】
ガスケット1230の厚さおよび高さは、ガスケット1230の上部部分およびガスケット1230の下部部分について同じであるけれども、ガスケットの厚さおよび高さは、相互に異なっていて良いいことにも留意されたい。これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。例示的な一実施例において、ガスケット1230の上部をより厚くし、ガスケット1230の下部をより薄くして、ゴルフボールとの衝突時に打撃面部分1202がより下方に撓み、下方の打ち出しとスピンを減少させるのを支援することができ、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。言うまでもなく、ガスケット1230の厚さを操作する場合、通常、周囲レッジ1232の深さはそれに応じて調整され、休止ニュートラル位置でゴルフクラブヘッドの継ぎ目のない平らな外観を作り出す。代替的には、材料の厚さを維持することもできるけれども、弾性率は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく同じ効果を達成するように調整される。
【0053】
ここで説明する実施例のほとんどは、解放可能なホーゼル穴カバーを作成することを目的としているが、これらの実施例はすべて、ホーゼル穴カバーをホーゼル穴内に留まらせるために接着剤を含んで、ホーゼルホーカバーを除去できないようにして良いことに留意されたい。これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0054】
動作例以外、または、特に明記しない限り、本明細書の先の部分における、材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角度、種々の性能比、その他のような、すべての数値範囲、量、値およびパーセンテージは、「約」という用語が値、量、または範囲に明示的に現れなくても、「約」という用語が前に付いているかのように理解して良い。したがって、そうでないと示されない限り、上述の明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、この発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を請求項の範囲に限定することを試みることなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0055】
この発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。ただし、数値には本質的に、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に起因する特定の誤差が含まれている。さらに、様々な範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組み合わせが使用され得ることに留意されたい。
【0056】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-02-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、
上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、
上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、
上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、
上記第4の厚さは、上記第1の厚さより大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記厚くなった応力低減領域の上記第4の厚さが、上記打撃フェース部分の最も厚い部分である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記第5の厚さが上記第3の厚さより大きい、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記厚肉の応力低減領域は、0.6から1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記T対H比が0.7から0.9の間である、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記T対H比が0.8である、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記厚肉の応力低減領域は、さらに、
上部の厚肉の応力低減領域と、
下部の厚肉の応力低減領域とを有し、
上記上部の厚肉の応力低減領域および上記下部の厚肉の応力低減領域は同じ高さを有する請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記厚肉の応力低減領域は、さらに、
上部の厚肉の応力低減領域と、
下部の厚肉の応力低減領域、
上記上部の厚肉の応力低減領域と上記下部の厚肉の応力低減領域は異なる高さを有する請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
上記上部の肉厚の応力低減領域の高さは、上記下部の肉厚の応力低減領域の高さよりも小さい、請求項8に記載のゴルフクラブヘッドド。
【請求項10】
上記上部の厚肉の応力低減領域の上記高さは、上記下部の厚肉の応力低減領域の上記高さよりも0.5mm小さい請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、
上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、
上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、
上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、
上記第5の厚さは上記第4の厚さより小さく、
上記薄肉の中間領域の上記第3の厚さは、上記打撃フェース部分の最も薄い部分であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
上記厚肉の応力低減領域の上記第4の厚さは、上記打撃フェース部分の最も厚い部分である、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
上記厚肉の応力低減領域は、半径方向に沿って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から15.0mmから46.0mmの距離に配置される請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から15mmから30mmの間の距離に配置される請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から17mmから28mmの間の距離に配置される請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
上記厚肉の応力低減領域は、上記幾何的フェース中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から20mmから25mmの間の距離に配置される請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの正面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、正面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記正面打撃表面および上記内部背面表面が組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の周囲に位置付けられた、厚肉の応力低減領域を有し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出するリングを形成し、
上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から15mmから30mmの間の距離に配置されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
上記厚肉の応力低減領域は、0.6から1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
上記T対H比が0.7から0.9の間である、請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
上記T対H比が0.8である、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の正面図を示す。何よりもまず、添付図面の図1は、x、y、およびz軸に沿ったゴルフクラブヘッド100の向きを定義する座標系101を示す。ここに示されるx軸は水平であり、ヒールからトウの方向に広がり、正の軸はゴルフクラブヘッド100のヒールを指す。ここに示されるy軸は垂直であり、クラウンからソールの方向に広がる。最後に、ここに示されるz軸は、紙面の表裏を指し前後の方向にまたがる軸を参照し、正の軸が前面方向を指す。このゴルフクラブヘッド100の正面図は、この実施例ではフェースインサート104とフェース周囲106とからさらに構成される打撃フェース部分102を示す。添付図面の図1は、また、y軸に沿い、y-z平面に沿う、垂直な切断線A-A'を示し、これは、打撃フェース部分102の内部形状をより明確に示すことを可能にする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
薄肉の周囲領域222の厚さは、それが上部の薄肉の周囲領域222-aに位置するか、または下部の薄肉の周囲領域222-bに位置するかに関係なく、概して同じであって良い。したがって、厚さT5-aおよびT5-bは両方とも約3.0mm未満であり、より好ましくは約2.8mm未満であり、最も好ましくは約2.7mm未満である。ただし、この発明の別の実施例において、T5-aおよびT5-bの値は互いにわずかに異なっていてもよく、両方が上述の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
[符号の説明]
100 ゴルフクラブヘッド
101 座標系
102 打撃フェース部分
104 フェースインサート
105 幾何学的面中心
106 フェース周囲
108 幾何学的フェース中心
200 ゴルフクラブヘッド
202 打撃フェース部分
203 後方本体部分
204 フェースインサート
206 フェース周囲
210 前方打撃フェース
212 後方内面
214 中央領域
216 中央遷移領域
218 中間領域
220 応力低減領域
222 周囲領域
702 打撃フェース部分
714 中央領域
716 中央移行領域
718 薄肉中間領域
720 応力低減領域
722 薄肉周囲領域
【外国語明細書】