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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039928
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】コンパクトな巻き尺の引込機構
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/1005 20200101AFI20230314BHJP
【FI】
G01B3/1005
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022138908
(22)【出願日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】17/471,078
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522027242
【氏名又は名称】パノシアン,マイケル エイチ.
(71)【出願人】
【識別番号】522027253
【氏名又は名称】キーラー,ジョシュア エム.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パノシアン,マイケル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】キーラー,ジョシュア エム.
【テーマコード(参考)】
2F011
【Fターム(参考)】
2F011AA04
2F011AB01
2F011AC02
(57)【要約】
【課題】 コンパクトな巻き尺の引込機構を提供する。
【解決手段】 テープスプールを取り囲むコンパクトな巻き尺ハウジングを含むデバイスが開示され、複数セグメントからなるばね付勢テープ保持機構は、テープスプールと、一次巻き戻しばねと、回転ばね継手を介して一緒に結合された二次巻き戻しばねとを有する。さまざまな実施形態において、一次ばね及び二次ばねは、並べて置かれてもよく、2つのばね及び巻き尺デバイス全体の直径を小さくする。一次巻き戻しばね及び二次巻き戻しばねは、軸ピンを介してテープスプール及びハウジングに結合される。巻き尺ハウジングの直径は、2つ以上の巻き戻しばねが単一の巻き戻しばねの代わりに使用される場合、減少させることができる。一次巻き戻しばね及び二次巻き戻しばねは、直列に作動する。測定テープを引くと、一次ばねは圧縮されて、二次巻き戻しばねを圧縮する。テープを解放すると、ばねは逆に作動し、テープを引き込む。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、
前記ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、
小端部及び大端部を有し、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねが直列に作動することを可能にするために前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを結合する、巻き戻しばね継手と
を備え、
前記一次巻き戻しばね、前記二次巻き戻しばね、及び前記巻き戻しばね継手が、スプールアセンブリの一部を構成する、
測定装置。
【請求項2】
一次ばねスプールと結合された、テープスプールエンクロージャ内に保持される測定テープ
をさらに備える、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを貫通するテープ軸
をさらに備える、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記テープスプールエンクロージャが、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを取り囲む、
請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
テープスプールの側板が、スプールアセンブリの一端上に、前記一次巻き戻しばね、前記二次巻き戻しばね、及び前記巻き戻しばね継手のための境界を設定するために使用される、
請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記テープ軸が、前記スプールアセンブリの一端上のスプールアセンブリ側板を貫通し、前記スプールアセンブリの別の端部上の前記テープスプールエンクロージャ側板を貫通する、
請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記巻き戻しばね継手の前記小端部が、前記一次巻き戻しばねと結合され、
前記巻き戻しばね継手の前記大端部が、前記二次巻き戻しばねと結合される、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記測定テープの運動が、前記一次ばねスプールの運動を引き起こし、前記一次ばねスプールの前記運動が、次に、前記二次ばねスプールの運動を引き起こす、
請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、
測定テープを保持するテープスプールエンクロージャと、
前記ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、
前記ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、
前記テープスプールエンクロージャ、前記一次巻き戻しばね、及び前記二次巻き戻しばねの間で力を伝達するために、前記テープスプールエンクロージャ、前記一次巻き戻しばね、及び前記二次巻き戻しばねと結合された2段ばね継手と
を備える、
コンパクトな巻き尺。
【請求項10】
前記一次巻き戻しばね及び前記2段ばね継手を貫通し、前記二次巻き戻しばねに結合されたテープ軸
をさらに備える、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項11】
スプールアセンブリを収容する側板
をさらに備える、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項12】
一次巻き戻しばねタブ及びテープスプールエンクロージャタブが両方とも、テープスプールスロットを係合する、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項13】
前記2段ばね継手が、
一次巻き戻しばね内側タブを係合する小側壁スロットと、
二次巻き戻しばね外側タブを係合する大側壁スロットと
を含む、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項14】
テープ軸スロットが、二次巻き戻しばね内側タブを係合する、
請求項10に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項15】
測定テープを保持するテープスプールエンクロージャと、
一次巻き戻しばねと、
二次巻き戻しばねと、
小端部及び大端部を有する2段ばね継手と
を備え、
前記小端部が前記一次巻き戻しばねと結合され、前記大端部が前記二次巻き戻しばねと結合され、
前記測定テープの移動が、前記一次巻き戻しばねの移動を引き起こし、前記一次巻き戻しばねの前記移動が、2段ばね継手を介して前記二次巻き戻しばねに伝達される、
測定テープ引込装置。
【請求項16】
スプールアセンブリ側板と、
テープスプール側板と
をさらに備え、
前記スプールアセンブリが、前記テープスプールエンクロージャと、前記一次巻き戻しばねと、前記二次巻き戻しばねと、前記2段ばね継手とを備える、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項17】
前記スプールアセンブリ側板及び前記テープスプール側板を貫通するテープ軸
をさらに備える、
請求項16に記載の測定テープ引込装置。
【請求項18】
前記2段ばね継手が、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを直列に作動させる、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項19】
前記一次巻き戻しばねの幅及び前記二次巻き戻しばねの幅の合計が、前記テープスプールエンクロージャの幅に等しい、又は、前記テープスプールエンクロージャの前記幅より大きい、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項20】
前記テープスプールエンクロージャが、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねの両方を取り囲む、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし。
【0002】
技術分野
本出願は一般に、測定デバイスに関する。より詳細には、本出願は、マルチセグメント化されたばねベースのテープ引込機構を有するコンパクトな巻き尺に関する。
【0003】
図面の簡単な説明
図面は、以下の説明に関連して考慮されたときに、保護を求める主題の理解を容易にする目的で提示される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】コンパクトな巻き尺の例示的な斜視図を示す。
図2A図1のコンパクトな巻き尺の例示的な正面図を示し、断面D-Dが表されている。
図2B図2Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面D-Dを示す。
図3A図1のコンパクトな巻き尺の例示的な側面図を示し、断面B-Bが表されている。
図3B図3Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面B-Bを示し、例示的なテープ引込機構を見ることができ、断面F-F及びG-Gが表されている。
図3C図3Bに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面F-Fを示す。
図3D図3Bに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面G-Gを示す。
図4図1のコンパクトな巻き尺の例示的な切取斜視図を示し、テープハウジングの一部が取り外されている。
図5A図4のコンパクトな巻き尺の切取斜視図の例示的な側面図を示し、断面A-Aが表されている。
図5B図5Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面A-Aを示す。
図6A図1のコンパクトな巻き尺のテープスプールアセンブリの例示的な分解斜視図を示す。
図6B図6Aのテープスプールアセンブリの分解斜視図の例示的な側面図を示し、断面A-Aが表されている。
図6C図6Aのテープスプールアセンブリの分解斜視図の例示的な断面A-Aを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
本開示は、本明細書に記載するいくつかの例示的実施形態及び例示的デバイスを参照して説明されるが、本開示は、そのような実施形態に限定されるものではないことが明白であるものとする。したがって、本明細書で提供される実施形態の記載は、本開示を説明するものであり、請求される本開示の範囲を限定するものではない。さらに、以下の説明は、2つのセグメントからなるばね付勢テープ引込機構に言及するが、本開示は、2つより多いセグメントを有する他の種類のテープ引込機構に適用可能であってもよいことが理解されるであろう。
【0006】
簡単に説明すると、テープスプールを取り囲むコンパクトな巻き尺ハウジングを含むシステム及び方法が開示され、複数セグメントからなるばね付勢テープ保持機構は、テープスプールと、一次巻き戻しばねと、回転ばね継手を介して一次巻き戻しばねと結合された二次巻き戻しばねとを含む。さまざまな実施形態において、一次ばね及び二次ばねは、テープハウジング内に並べて置かれてもよく、2つの巻き戻しばねは、同じ全長のばねを有する単一の巻き戻しばねよりも直径が小さくなる。いくつかの実施形態において、一次巻き戻しばね及び二次巻き戻しばねは、軸ピンを介してテープスプール及びハウジングに結合される。巻き尺ハウジングの直径は、2つ以上のばねが単一のばねの代わりに使用される場合、減少させることができる。テープ保持機構は、一次ばね及び二次ばねを直列に機能的に置くことによって動く。使用するために測定テープをハウジングから引き出すと、一次ばねは徐々に圧縮され、二次ばねを同様に圧縮開始させる。テープを解放すると、ばねは逆に作動し、テープを引き込む。
【0007】
さまざまな実施形態において、内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、大端部及び小端部を有し、一次巻き戻しばね及び二次巻き戻しばねが直列に作動することを可能にするために一次巻き戻しばね及び二次巻き戻しばねを結合する、巻き戻しばね継手とを有する測定装置が開示される。一次巻き戻しばね、二次巻き戻しばね、及び巻き戻しばね継手は、スプールアセンブリの一部を構成する。
【0008】
さまざまな実施形態において、内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、測定テープを保持するテープスプールエンクロージャと、ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、テープスプールエンクロージャ、一次巻き戻しばね、及び二次巻き戻しばねの間で力を伝達するために、テープスプールエンクロージャ、一次巻き戻しばね、及び二次巻き戻しばねと結合された2段ばね継手とを含む、コンパクトな巻き尺が開示される。
【0009】
さまざまな実施形態において、測定テープを保持するテープスプールエンクロージャと、一次巻き戻しばねと、二次巻き戻しばねと、小端部及び大端部を有する2段ばね継手とを含む測定テープ引込装置が開示される。小端部は一次巻き戻しばねと結合され、大端部は二次巻き戻しばねと結合される。測定テープの移動は、一次巻き戻しばねの移動を引き起こし、一次巻き戻しばねの移動は、2段ばね継手を介して二次巻き戻しばねに伝達される。
【0010】
物体、空間、箱などの寸法を測定しなければならない、建築請負業者、建設作業員、画家、敷物士、個人の日曜大工(DIY)する人達、出荷作業、引越会社、倉庫などは、多くの場合、レーザ、平坦なテープ、ばね付勢リールテープなどの測定装置を使用する。いくつかの巻き尺は、リール上に巻き取られる、インチ又はセンチメートルなどの長さの単位を示すマーキングを有するブレードを含み、使用後、リール上にブレードを自動的に引き込むための引込システムも含むことがある。自動ブレード保持により、引込アセンブリは一般に、渦巻又はコイルばねなどのばねによって動く。テープがユーザによって引き出されると、ばねに張力をかけることによって、位置エネルギがばねに蓄積される。位置エネルギは、ばねを緩めることによって解放され、それは、そのスプール又はリール上にテープを巻き戻すために使用される。他の種類の巻き尺では、テープの引き込みは、ハンドル又はクランクの手動操作を介して実行される。後者の手動式の巻き尺は、多くの場合、直径がより大きくなり、より長い距離測定のために使用される。
【0011】
ばね付勢テープは多くの場合、さまざまな測定のためにすぐに取り出して使用するために、自身のツールベルト、通常のベルト、ポケット、又は小さいツールボックスで持ち歩くのに十分コンパクトである。しかしながら、この種類の使用を考えると、さらによりコンパクトなサイズが多くの場合、望ましい。さらに、(より小さい幅と比較して)より大きなテープ幅は、テープブレードをより長い距離進めることを可能にし、巻き尺のより簡単な片手又は一人での操作を可能にする。よって、より広いハウジングになる任意のテープハウジングデザインは、より広いテープブレードの使用も可能にする。
【0012】
図1は、コンパクトな巻き尺の例示的な斜視図を示す。さまざまな実施形態において、コンパクトな巻き尺100は、巻き尺ハウジング101と、テープフック102と、テープロック103とを含む。
【0013】
さまざまな実施形態において、コンパクトな巻き尺100は、類似した構成要素を有する、より大きなサイズ(コンパクトではない)巻き尺に類似している。巻き尺ハウジング101は通常、たとえば、プラスチックタブ及びスロットをはめ合わせることによって、一緒にねじ止めされる又はスナップ式に接続される2つ以上の部品から構成される。ハウジングの内部は、しっかりと保持されるとき、地面に落とされたとき、ツールボックス内で押しつぶされたとき、及び、他のそのような物理的に応力を加えられた状況の下でのハウジングの屈曲及び他の変形を減少させるために、リブ、スタッド、肉厚部などの補強部材を含んでもよい。巻き尺ハウジング101は、ねじ、ピン、スプール又はリール、運動止め具、スピニング軸、ハウジングの結合セクションのために一緒に使用される可撓性タブなどの他の構成要素を受けるモールドキャビティをさらに含んでもよい。
【0014】
さまざまな実施形態において、テープフック102は一般に、箱などの測定される物体の端部にテープの一端を引っ掛けて、保持し、片手で巻き尺を移動させてテープを引き出すために使用される。テープフック102は通常、テーブル又は箱の縁部のような直角縁部に適合する(テープの表面に対して)直角の形態である。テープフック102は、2つの別個の方法で使用されてもよく、1つの方法は、テープフック102を縁部に引っ掛けて、巻き尺を引き戻し、テープを引き出す方法であり、一方、別の方法は、壁又は他の表面などの表面にフックを押しつけて、距離を測定する方法である。しかしながら、フックが表面に押しつけられるとき、フックの厚さが測定距離に加えられ、測定値をわずかに歪める。
【0015】
この歪みを回避するため、通常、テープフック102は、わずかに緩く、テープの先端に結合され、それにより、テープフック102は、テープの長手方向に沿って、正確にフックの厚さと同じ量だけ前後に摺動することができる。テープの先端上の第1の距離のマーキングも、テープの残りの部分上の他の距離のマーキングより短い。よって、フックが表面に押しつけられると、テープフック102はテープの方へ後方に摺動し、その厚さは測定値に加えられるが、その厚さを減ずるために縁部から引き離されると、テープから離れて、前方に摺動する。
【0016】
いくつかの実施形態において、テープフック102は、単純な曲折縁部(90度の角度)であってもよく、一方、他の実施形態では、いくつかの状況において側縁上により良好に引っ掛けるためのサイドフラップも有してもよい。
【0017】
さまざまな実施形態において、テープロック103は、テープが、巻き尺ハウジング101に又は巻き尺ハウジング101から、さらに摺動するのを止めるために使用される。いくつかの実施形態において、止め具は、テープに対して押圧され、テープとテープが出てくるスロットとの間の摩擦を増加させる楔を係合してもよい。当業者は、テープロック103が、テープの下又はテープの上などのハウジングのまわりのさまざまな位置に配置されてもよく、テープに対する直接的な圧力又はテープスプールの回転防止などのさまざまな他の方法によってテープの移動を止めてもよいことを理解するであろう。
【0018】
図2Aは、図1のコンパクトな巻き尺の例示的な正面図を示し、断面D-Dが表されている。さまざまな実施形態において、コンパクトな巻き尺100(図1を参照する)の正面図200は、巻き尺ハウジング101と、テープフック102と、テープロック103とを含む。
【0019】
断面D-Dは、図2A図2Bとに示される図の関係を明示及び定義するために表される。この断面は、図2Bに関して以下でさらに説明される。
【0020】
図2Bは、図2Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面D-Dを示す。さまざまな実施形態において、断面D-D250は、巻き尺ハウジング101と、テープフック102と、ばね継手面251と、(巻上状態の)測定テープ252と、テープ軸253と、テープスプール254とを含む。
【0021】
さまざまな実施形態において、ばね継手面251は、本明細書に後述される巻き戻しばねの1つを取り囲む。ばね継手の動作も本明細書に後述される。
【0022】
さまざまな実施形態において、測定テープ252は、テープ軸253と回転可能に結合されたスプールのまわりに巻き上げられる。ばね継手面251及びばね継手側壁の組合せを使用する、とりわけ、図3B、5B、及び6に関して以下で説明されるような巻き戻しばねを受ける空洞が形成されてもよい。測定テープ252がテープ軸253から巻き出されると、以下で説明されるように、ばね継手は、ばねに運動を伝達する。
【0023】
図3Aは、図1のコンパクトな巻き尺の例示的な側面図を示し、断面B-Bが表されている。コンパクトな巻き尺の側面図300は、巻き尺ハウジング101と、テープフック102とを含んでもよい。断面B-Bは、図3Bに関して後述するために、図に表されている。
【0024】
図3Bは、図3Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面B-Bを示し、例示的なテープ引込機構を見ることができ、断面F-F及びG-Gが表されている。さまざまな実施形態において、断面B-B310は、巻き尺ハウジング101と、テープ軸253のまわりに巻き取られた測定テープ252と、テープスプール254と、ばね継手大側壁301と、ばね継手小側壁302と、軸ノッチ311と、一次巻き戻しばね312と、二次巻き戻しばね313と、巻き戻しばね継手314とを含んでもよい。
【0025】
さまざまな実施形態において、巻き戻しばね継手314は、ばね継手小側壁302に取り付けられたばね継手大側壁301によって形成されてもよく、巻き戻しばね継手314のための2つの別個のセクションである、大端部及び小端部を作り、それぞれ、ばね継手大側壁301及びばね継手小側壁302に対応する。2つの大端部及び小端部は、2段式又は2部式巻き戻しばね継手314を作り、各段は、異なる巻き戻しばねと結合される。巻き戻しばね継手314は、一次巻き戻しばね312を二次巻き戻しばね313に直列に結合するために使用される。直列であるとは、1つのばねが最初に、(使用されるばねの種類に応じて)圧縮又は引張であるかどうかにかかわらず、応力下に置かれて、それぞれ、その最大長又は最小長の方へ圧縮又は伸長され、同時に、第2の又は次のばねも応力下に置かれることを意味する。ばねが直列に作用すると、それらの反力は足し合わされず、それらの全長のみ増加する。これは、並列に使用されるばねとは対照的であり、並列の場合、それらの長さは変わらないが、それらの反力は足し合わされる。
【0026】
巻き戻しばね継手314も、1つの巻き戻しばねから別の巻き戻しばねにばね力又は引張力を伝達する伝達デバイス又は装置のように機能する。
【0027】
よって、直列に配置された2つのばねは、同じ程度まで応力を加えられた単一のばねと同じ力を提供するが、より長い測定テープの引き込みを支援するために、より大きい長さを提供する。本明細書に開示される構成において、1つのより長いばねを直列に結合された2つのより短いばねに分割することも、コンパクトな巻き尺の直径を減少させる。巻き尺ハウジング101(図1を参照)の直径は、一般に、巻き上げられる測定テープ252の直径に比例し、測定テープ252自体が巻き戻しばねを取り囲み、巻き戻しばねの直径に比例する。よって、巻き戻しばねを一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313に分割することは、コンパクトな巻き尺100の全径の減少を支援する。
【0028】
さまざまな実施形態において、一次及び二次巻き戻しばね(312及び313)は、図3Bに示されるように、テープ軸253に対して並べて置かれる。一次巻き戻しばね312は巻き戻しばね継手314の小端部と結合され、一方、二次巻き戻しばね313は巻き戻しばね継手314の大端部と結合される。巻き戻しばね及びテープ軸253への巻き戻しばね継手314の結合は、一方の構成要素のノッチ又はスロットと、結合される構成要素の相手側タブ又は突起とを使用して行われてもよく、そのため、2つの構成要素は互いに対して移動しない。たとえば、テープ軸ノッチ311は、二次巻き戻しばね313のためのスプールからの対応するタブを受けてもよい。これは、図6A及び6Cに関してさらに以下で説明する。
【0029】
さまざまな実施形態において、一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313は渦巻状であり、中央に開口又は穴を有する短い層状シリンダを形成する。シリンダの層は、ばねの巻線である。コイルばねの中央の穴は、巻き尺を一緒に保持するために、テープ軸253がさまざまな構成要素を貫通するときに、テープ軸253を取り囲むために使用される。
【0030】
さまざまな実施形態において、測定テープ252は、長年の多くの使用に対して繰り返される巻き取り及び巻き出しのために十分に柔軟且つ弾性である、さまざまな金属若しくは合金、プラスチック、又は他の合成材料から作られてもよい。測定テープ252はさらに、テープスプール又はリールの円周のまわりに巻き取るテープの長手方向に対して垂直な方向に、横に湾曲していてもよい。このような湾曲は、巻き出されるとき、テープのより長いきわだった長さを可能にし、そのため、テープフックは、数フィート又はメートル離れた縁部に着くことができる。この特徴により、テープを引っ掛けて、寸法を測定するために、手では到達することができない、又は、手では到達することが難しいアクセスできないコーナ又は縁部へのより簡単なアクセスが可能になる。
【0031】
さまざまな実施形態において、一次及び二次巻き戻しばねは、板ばね、フラットコイルばね、ねじりばね、引張又は圧縮ばねなどを含む、さまざまな種類のばねであってもよい。使用されるばねの種類は、巻き尺デバイスの長さ及びサイズ、引込機構、並びに他の考慮すべき事項による。フラットコイルばねは、巻き尺で使用されるより一般的な種類のいくつかである。
【0032】
作業中、巻き尺ハウジング101がユーザの手で保持され、測定テープ252がハウジングから巻き出されて引き出され、伸ばされたとき、それに応じて、テープスプール254は回転し、測定テープ252の引張りによって一次巻き戻しばね312に及ぼされている力のために、一次巻き戻しばね312をテープ軸253のまわりで同じ方向に同様に回転させる。同時に、巻き戻しばね継手314も、一次巻き戻しばね312によって巻き戻しばね継手314に及ぼされる力のために、テープ軸253のまわりを回転し始め、それは、応力を加えられており、そのコイルは締まっている。巻き戻しばね継手314の回転により、巻き戻しばね継手314の大端部によって取り囲まれた二次巻き戻しばね313も回転し始め、同時に、応力を加えられて、圧縮される。
【0033】
測定テープ252が解放されると、上記のプロセスの反対が起こる。すなわち、二次巻き戻しばね313は、緩み(応力及びエネルギを解放し)始め、測定テープ252を巻き取り、巻き尺ハウジング101に引き戻す。同時に、一次巻き戻しばね312も、緩み始め、測定テープ252を巻き上げ始める。
【0034】
コンパクトな巻き尺100の構造をさらに説明するために、2つの他の断面F-F及びG-Gが、図3C及び3Dに対して以下で考えられる。これらの断面は、測定テープ252に対する巻き戻しばね継手314、並びに、一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313の構造をそれぞれ、さらに示す。
【0035】
図3Cは、図3Bに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面F-Fを示す。さまざまな実施形態において、断面F-F325は、巻き尺ハウジング101と、測定テープ252と、テープ軸253と、テープスプール254と、ばね継手小側壁302と、一次巻き戻しばね312とを含む。
【0036】
断面F-F325は、テープ軸253に対する一次巻き戻しばね312、測定テープ252、及び巻き戻しばね継手314の小端部を示す。この視点から、一次巻き戻しばね312は、測定テープ312及びそのテープスプール254によって取り囲まれる又は囲まれるように示される。測定テープ252が巻き尺ハウジング101から図の左の方へ引き出されるとき、テープスプール254は、(この図の平面に対して)時計回りに回転し、一次巻き戻しばね312も時計回り方向に回し、ばね継手小側壁302のまわりのばねに応力を加えて圧縮する。一次巻き戻しばね312がこのように応力を加えられて圧縮されると、測定テープ252を引き出して伸ばすために測定テープ252に及ぼされる引張りの力は、巻き戻しばね継手314に、次に、二次巻き戻しばね313にも伝達される。
【0037】
図3Dは、図3Bに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面G-Gを示す。さまざまな実施形態において、断面G-G350は、巻き尺ハウジング101と、測定テープ252と、テープ軸253と、テープスプール254と、ばね継手大側壁301と、二次巻き戻しばね313とを含む。
【0038】
断面G-G350は、テープ軸253に対する二次巻き戻しばね313、測定テープ252、及び巻き戻しばね継手314の大端部を示す。この視点から、二次巻き戻しばね313は、測定テープ312及びそのテープスプール254によって取り囲まれる又は囲まれるように示され、さらに、巻き戻しばね継手314の大端部によって取り囲まれている。測定テープ252が伸ばされた状態にあり、次いで、解放されると、二次巻き戻しばね313は、巻き出し(緩み)始め、測定テープ252を、巻き尺ハウジング101に引き戻し、テープスプール254上に反時計回りに巻き取る。二次巻き戻しばね313がこのように緩むと、圧縮された一次巻き戻しばね312の力も、測定テープ252を緩め、巻き尺ハウジング101に引き戻すために使用される。
【0039】
図4は、図1のコンパクトな巻き尺の例示的な切取斜視図を示し、テープハウジングの一部が取り外されている。さまざまな実施形態において、切取斜視図400は、巻き尺ハウジング101の残りの部分と、テープフック102と、テープ軸253と、スプールアセンブリ401と、テープスプール254と、テープスプール側板402とを含む。
【0040】
さまざまな実施形態において、スプールアセンブリ401は、測定テープ252のための内部構成要素及びスプーリング機構、並びに巻き戻しばねをすべて含む。これらの機構及び構成要素は、図6A~6Cに関して、以下でさらに詳細に説明される。
【0041】
図5Aは、図4のコンパクトな巻き尺の切取斜視図の例示的な側面図を示し、断面A-Aが表されている。さまざまな実施形態において、側面図500は、巻き尺ハウジング101と、テープフック102と、テープ軸253と、テープスプール254の側板402とを含む。
【0042】
断面A-Aは、図5Aと5Bとに示される図の関係を明示及び定義するために表される。この断面は、図5Bに関して以下でさらに説明される。
【0043】
図5Bは、図5Aに表された視点から見たコンパクトな巻き尺の例示的な断面A-Aを示す。さまざまな実施形態において、断面A-A550は、巻き尺ハウジング101の一部と、測定テープ252と、テープ軸253と、テープスプール254と、ばね継手大側壁301と、ばね継手小側壁302と、一次巻き戻しばね312と、二次巻き戻しばね313と、巻き戻しばね継手314と、テープスプール側板402とを含む。
【0044】
さまざまな実施形態において、断面A-A550は、図3Bに示されるものと実質的に同じ構成要素及び関係を示すが、巻き尺ハウジング101の一部を除去しているため、より明瞭である。この断面は、スプールアセンブリ401(図4を参照)の内部構造を示し、そのまわりでの測定テープ252の巻き上げを支援するテープスプール254を含む。この図はさらに、テープ軸253に対して並べて配置されて、巻き戻しばね継手314と結合される、一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313を示す。巻き戻しばね継手314の大端部は、二次巻き戻しばね313を取り囲み、一方、巻き戻しばね継手314の小端部は、一次巻き戻しばね312を支持するスプールに挿入される。巻き戻しばね継手314は、図3Bに関して上で説明されたように、一次及び二次巻き戻しばねが直列に作動することを可能にする。一次及び二次巻き戻しばねは、図6A~6Cに関して以下でさらに論じられるように、テープ軸253及びテープスプールに設けられたスロット又はノッチを介して、巻き戻しばね継手314と結合される。
【0045】
図6Aは、図1のコンパクトな巻き尺のテープスプールアセンブリの例示的な分解斜視図を示す。さまざまな実施形態において、分解斜視図600は、テープ軸253と、軸ノッチ311と、スプールアセンブリ側板601と、一次巻き戻しばね312と、一次ばね外側タブ312aと、ばね継手大側壁301と、ばね継手小側壁302と、ばね継手大側壁スロット301aと、ばね継手小側壁スロット302aと、二次巻き戻しばね313と、二次ばねタブ313aと、測定テープ252と、テープスプール254と、テープスプールスロット254aと、テープスプール側板402とを含む。
【0046】
さまざまな実施形態において、分解斜視図600は、スプールアセンブリ401の構成要素間の関係と、それらがスプールアセンブリ401を作るためにどのように配置されて組み合わされるかを示す。この図の右側から開始し、テープ軸253は、スプールアセンブリ401内の以下で説明される他のすべての内部構成要素を収容して保持するように働くスプールアセンブリ側板601の開口又は中心穴を貫通する。テープ軸253は、図5Bに示されるように、示されるすべての構成要素及びテープスプール側板402の中心穴を貫通する。テープ軸253は、他のスプール及び構成要素の回転中心として機能する。
【0047】
一次巻き戻しばね312は、以下でさらに説明されるような、他の構成要素のスロットを係合するためのタブに形成される2つの端部を有する。2つの端部は、図6Cに関して以下で説明される、外側タブ312aと内側タブとを含む。一次巻き戻しばね312は、ばね継手小側壁スロット302aへの一次ばね内側タブ312bの取付けを介して、ばね継手小側壁302に結合される。軸253は、図3B及び5Bに示されるように、一次巻き戻しばね312の中心を貫通する。一次巻き戻しばね312の内端部は、後で図6Cに示される、テープスプールスロット254a、又は測定テープ252の内側タブのうちの少なくとも1つを係合する。当業者は、スロット及びタブが交換可能であってもよい、すなわち、スロットがタブの代わりに使用されてもよく、その逆も同じであることを理解するであろう。また、細長いタブ及びスロットの代わりに、これらの構成要素を結合するために、異なる形状を有する他の嵌合部品が使用されてもよい。たとえば、小さいスタッド及び穴又はキー付き溝形構成が、そのような装置で採用されてもよい。同じことは、本明細書に記載される任意のタブ及びスロット装置にも当てはまる。
【0048】
引き続き図6Aを参照すると、ばね継手大側壁301は、テープスプール254の内部に収まり、同時に、二次巻き戻しばね313を取り囲む。二次ばねタブ313aは、ばね継手大側壁スロット301aに嵌合する。一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313の(この図のテープ軸253の長手方向軸に沿った)それぞれの幅の合計は、測定テープ252又はテープスプール254の幅と同じサイズである、又は、それよりわずかに大きく、各巻き戻しばねは、テープスプール254の幅の約半分を占める。
【0049】
テープスプール254は、測定テープ252内に取り囲まれる、又は、測定テープ252によって囲まれる、そしてさらに、ばね継手大側壁301を取り囲む。二次ばね外側タブ313aも、ばね継手大側壁スロット301aに嵌合する。テープスプール側板402は、スプールアセンブリ401の他方側を覆い、スプールアセンブリ側板601とともに、スプールアセンブリ401のすべての内部構成要素を収容して保持する。
【0050】
すべてのタブ及びスロット装置は、さまざまな構成要素を係合及び結合して、巻き戻しばね継手314が適切に作動及び機能することを可能にし、適切な点で各巻き戻しばね及び対応するスプールを係合する。
【0051】
図6Bは、図6Aのテープスプールアセンブリの分解斜視図の例示的な側面図を示し、断面A-Aが表されている。さまざまな実施形態において、側面図625は、テープスプール側板402を含む。
【0052】
断面A-Aは、図6Bと6Cとに示される図の関係を明示及び定義するために表される。この断面は、図6Cに関して以下でさらに説明される。
【0053】
図6Cは、図6Aのテープスプールアセンブリの側面図の例示的な断面A-Aを示す。さまざまな実施形態において、断面A-A650は、テープ軸253と、軸ノッチ311と、スプールアセンブリ側板601と、一次巻き戻しばね312と、一次ばね外側タブ312aと、一次ばね内側タブ312bと、巻き戻しばね継手314と、ばね継手大側壁301と、ばね継手小側壁302と、ばね継手大側壁スロット301aと、ばね継手小側壁スロット302aと、測定テープ252と、測定テープタブ252aと、二次巻き戻しばね313と、二次ばね外側タブ313aと、二次ばね内側タブ313bと、テープスプール254と、テープスプールスロット254aと、テープスプール側板402とを含む。
【0054】
さまざまな実施形態において、断面A-A650は、図6Aに示されるのと同じ構成要素を示し、いくつかの新しい詳細は図6Aの斜視図では見えない。よって、新しい特徴及び詳細は、図6Aに対してすでに示された説明を繰り返すことなく、ここで説明される。より詳細には、さまざまなタブとスロットとの関係は、この図に関してより完全に説明される。
【0055】
さまざまな実施形態において、スプールアセンブリ401のすべての構成要素が組み立てられるとき、さまざまなタブ及びスロットの係合は、以下の通りである。テープ軸スロット311は、二次ばね内側タブ313bを係合する。一次ばね外側タブ312aは、テープスプールスロット254a及び測定テープタブ252aの少なくとも1つを係合する。一次ばね内側タブ312bは、ばね継手小側壁スロット302aと結合されてもよい。二次ばね外側タブ313aは、ばね継手大側壁スロット301aを係合する。測定テープタブ252aは、テープスプールスロット254aと結合されてもよい。
【0056】
さまざまな実施形態において、作業中、測定テープ252が伸ばされて、巻き尺ハウジング101から引き出されると、それは、これらの構成要素間のそれぞれのタブ及びスロットの結合により、一次ばね312の回転、及び、一次巻き戻しばね312の巻き上げ又は圧縮を引き起こす。ばね継手小側壁スロット302a及び一次ばね内側タブ312bの結合のために、巻き戻しばね継手314も回転し始める。巻き戻しばね継手314の回転は、これらの構成要素間のそれぞれのタブ及びスロットの結合により、二次巻き戻しばね313の回転を同様に引き起こし、よって、二次巻き戻しばね313を圧縮する。この構成において、一次巻き戻しばね312及び二次巻き戻しばね313によって発生する力は直列に作用する。そのため、ばねによって発生する力は、ばねの力が並列に作用する場合のようには増加しないが、むしろ、引き出すことができるテープの長さは、これらのばねのうちの1つを使用することと比較して増加する。よって、直列に作用する2つのより小さい又はより短いばねを使用することにより、単一のより長いばねを使用するのと同じテープ長を収容することができる。2つのより短いばねはより小さい直径を有するので、それらは、より小さい直径の巻き尺ハウジング101に組み込まれる。
【0057】
この時点で、測定テープ252がユーザによって解放される場合、二次及び一次巻き戻しばね、並びに巻き戻しばね継手314は逆に機能し、測定テープ252を巻き戻して、テープ測定値ハウジング101に引き込む。
【0058】
明示的に記載又は指定されない限り、あるプロセスにおいて記載されたステップは、順序付けられるものではなく、必ずしも記載又は図示された順序で行われる又は生じる必要はない場合があることが理解されるだろう。たとえば、あるプロセス内のステップBよりも前に記載された同一プロセス内のステップAは、実際には、ステップBの後に行われてもよい。つまり、最終結果を達成するためのプロセス内の一群のステップは、別段の記載のない限り、どのような順序で生じてもよい。
【0059】
上記の詳細な説明に鑑みて、請求項に係る発明に変更を加えることができる。上記の記載は、本発明の特定の実施形態を詳述し、企図される最良の形態を説明するが、上記が文章でどれほど詳細に記載されていようと、請求項に係る発明は、多くのやり方で実施することができる。システムの詳細は、本明細書に開示する請求項に係る発明になお包含されつつ、その実施の詳細に関してかなり異なり得る。
【0060】
本開示の特定の特徴又は態様を説明する際に使用された特定の専門用語は、その専門用語が関連する本開示の具体的特性、特徴、又は態様に限定されるようにその専門用語が本明細書で再定義されることを示唆すると見なされるものではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、上記の詳細な説明のセクションが明示的にそのような用語を定義しない限り、請求項に係る発明を本明細書に開示された具体的実施形態に限定すると解釈されるものではない。したがって、請求項に係る発明の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、請求項に係る発明を実践又は実施するすべての均等な方法も包含する。
【0061】
一般に、本明細書で、及び特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の請求項の主体)で使用される用語は、一般に「オープン」用語であることが意図される(たとえば、「含む(including)」という用語は、「含むが限定されない(including but not limited to)」と解釈されるものとし、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるものとし、「含む(includes)」という用語は、「含むが限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるものとするなど)ことが当業者によって理解されるだろう。さらに、導入された請求項の記載の特定の数が意図される場合、そのような意図は、請求項において明示的に記載され、そのような記載がなければ、そのような意図は存在しないことを当業者は理解するだろう。たとえば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲が、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は複数の(one or more)」という導入フレーズの使用を含む場合がある。しかしながら、このようなフレーズの使用は、同じ請求項が「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」という導入フレーズと、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの不定冠詞とを含む場合であっても、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による請求項の記載の導入が、このような導入された請求項の記載を含む特定の請求項をたった1つのそのような記載を含む発明に限定することを示唆すると解釈されるものではない(たとえば、「1つの(a)」及び/又は「1つの(an)」は、一般的に、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると解釈されるものである)。同じことが、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、導入された請求項の記載のある特定の数が明示的に記載される場合であっても、このような記載が、一般的には、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるものであることを当業者は認識するだろう(たとえば、他の修飾語句を持たない「2つの記載」というただの記載は、一般的に、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。さらにまた、「A、B、及びCの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C)など」に類似した表記法が使用される例では、一般に、当業者がこの表記法を理解する意味でこのような構文が意図される(たとえば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、及び/又は、A、B、及びCを一緒になどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCの少なくとも1つ(at least one of A, B, or C)など」に類似した表記法が使用される例では、一般に、当業者がこの表記法を理解する意味でこのような構文が意図される(たとえば、「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、及び/又は、A、B、及びCを一緒になどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。さらに、明細書の記載、請求項、又は図面中にかかわらず、2つ以上の代替用語を表す事実上どのような離接語及び/又はフレーズも、それらの用語の1つ、それらの用語のどちらか、又は両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるものであることが当業者によって理解されるだろう。たとえば、「A又はB」というフレーズは、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるだろう。さらに、「A/B」の形式のフレーズは、「A」、「B」、「A若しくはB」、又は「A及びB」の何れか1つを意味するものであることが理解される。この構成は、「及び/又は」というフレーズ自体を含む。
【0062】
上記の仕様、例、及びデータは、請求項に係る発明の製造及び使用の完全な説明を提供する。開示の精神及び範囲から逸脱することなく、請求項に係る発明の多数の実施形態を作ることが可能であるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に帰する。さらに、本開示は、開示された実施形態に限定されず、すべての変形形態及び均等なアレンジを包含するように、最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれるさまざまなアレンジを対象に含めることが意図されることが理解される。
【符号の説明】
【0063】
100 コンパクトな巻き尺
101 巻き尺ハウジング
102 テープフック
103 テープロック
200 正面図
250 断面D-D
251 ばね継手面
252 測定テープ
252a 測定テープタブ
253 テープ軸
254 テープスプール
254a テープスプールスロット
300 側面図
301 ばね継手大側壁
301a ばね継手大側壁スロット
302 ばね継手小側壁
302a ばね継手小側壁スロット
310 断面B-B
311 軸ノッチ
312 一次巻き戻しばね
312a 一次ばね外側タブ
312b 一次ばね内側タブ
313 二次巻き戻しばね
313a 二次ばね外側タブ
313b 二次ばね内側タブ
314 巻き戻しばね継手
325 断面F-F
350 断面G-G
400 切取斜視図
401 スプールアセンブリ
402 テープスプール側板
500 側面図
550 断面A-A
600 分解斜視図
601 スプールアセンブリ側板
625 側面図
650 断面A-A
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
【手続補正書】
【提出日】2022-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、
前記ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、
前記ハウジングから切り離され、大端部に取り付けられた小端部によって形成され、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねが直列に作動可能とするために前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを結合する、巻き戻しばね継手と
を備え、
前記一次巻き戻しばね、前記二次巻き戻しばね、及び前記巻き戻しばね継手が、スプールアセンブリの一部を構成する、
測定装置。
【請求項2】
一次ばねスプールと結合された、テープスプール内に保持される測定テープ
をさらに備える、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを貫通するテープ軸
をさらに備える、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記テープスプールが、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを取り囲む、
請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
テープスプールの側板が、前記スプールアセンブリの一端上に、前記一次巻き戻しばね、前記二次巻き戻しばね、及び前記巻き戻しばね継手のための境界を設定するために使用される、
請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記テープ軸が、前記スプールアセンブリの一端上のスプールアセンブリ側板を貫通し、前記スプールアセンブリの別の端部上の前記テープスプール側板を貫通する、
請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記巻き戻しばね継手の前記小端部が、前記一次巻き戻しばねと結合され、
前記巻き戻しばね継手の前記大端部が、前記二次巻き戻しばねと結合される、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記測定テープの運動が、前記一次ばねスプールの運動を引き起こし、前記一次ばねスプールの前記運動が、次に、前記二次ばねスプールの運動を引き起こす、
請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
内部構成要素を保持する空洞を有するハウジングと、
測定テープを保持するテープスプールと
前記ハウジング内に配置された一次巻き戻しばねと、
前記ハウジング内に配置された二次巻き戻しばねと、
前記ハウジングから切り離され、小端部に取り付けられた大端部によって形成され、前記テープスプールエンクロージャ、前記一次巻き戻しばね、及び前記二次巻き戻しばねの間で力を伝達するために、前記テープスプール、前記一次巻き戻しばね、及び前記二次巻き戻しばねと結合された2段ばね継手と
を備える、
コンパクトな巻き尺。
【請求項10】
前記一次巻き戻しばね及び前記2段ばね継手を貫通し、前記二次巻き戻しばねに結合されたテープ軸
をさらに備える、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項11】
スプールアセンブリを収容する側板
をさらに備える、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項12】
一次巻き戻しばねタブ及び測定テープタブが両方とも、テープスプールスロットを係合する、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項13】
前記2段ばね継手が、
一次巻き戻しばね内側タブを係合する小側壁スロットと、
二次巻き戻しばね外側タブを係合する大側壁スロットと
を含む、
請求項9に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項14】
テープ軸スロットが、二次巻き戻しばね内側タブを係合する、
請求項10に記載のコンパクトな巻き尺。
【請求項15】
測定テープを保持するテープスプールと
一次巻き戻しばねと、
二次巻き戻しばねと、
前記テープスプールから切り離され、大端部に取り付けられた小端部によって形成された2段ばね継手と
を備え、
前記小端部が前記一次巻き戻しばねと結合され、前記大端部が前記二次巻き戻しばねと結合され、
前記測定テープの移動が、前記一次巻き戻しばねの移動を引き起こし、前記一次巻き戻しばねの前記移動が、前記2段ばね継手を介して前記二次巻き戻しばねに伝達される、
測定テープ引込装置。
【請求項16】
スプールアセンブリ側板と、
テープスプール側板と
をさらに備え、
前記スプールアセンブリが、前記テープスプールと、前記一次巻き戻しばねと、前記二次巻き戻しばねと、前記2段ばね継手とを備える、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項17】
前記スプールアセンブリ側板及び前記テープスプール側板を貫通するテープ軸
をさらに備える、
請求項16に記載の測定テープ引込装置。
【請求項18】
前記2段ばね継手が、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねを直列に作動させる、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項19】
前記一次巻き戻しばねの幅及び前記二次巻き戻しばねの幅の合計が、前記テープスプールの幅に等しい、又は、前記テープスプールの前記幅より大きい、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【請求項20】
前記テープスプールが、前記一次巻き戻しばね及び前記二次巻き戻しばねの両方を取り囲む、
請求項15に記載の測定テープ引込装置。
【外国語明細書】