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特開2023-39936キノコ形状の遠位先端を有するバスケットカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039936
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】キノコ形状の遠位先端を有するバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022142793
(22)【出願日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】17/470,751
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・デビッド・スクワイアーズ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK18
4C160KK35
4C160KK39
4C160KK54
4C160KK57
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態は、挿入チューブと、バスケットアセンブリと、軸方向電極と、複数の半径方向電極と、を有する、医療用プローブを含む。挿入チューブは、患者の体腔に挿入するように構成されている。バスケットアセンブリは、挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、かつ複数の弾性スパインを含み、複数の弾性スパインは、バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつバスケットアセンブリの遠位端で結合されている。軸方向電極は、バスケットアセンブリの遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、体腔内の組織と接触するように構成されている。複数の半径方向電極は、体腔内の組織と接触するように構成されており、スパイン上に配置された半径方向電極を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブと、
前記挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリであって、前記弾性スパインが、前記バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつ前記バスケットアセンブリの遠位端で結合されている、バスケットアセンブリと、
前記バスケットアセンブリの前記遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成されている、軸方向電極と、
前記体腔内の前記組織と接触するように構成されており、かつ前記スパイン上に配置された半径方向電極を備える、複数の半径方向電極と、を備える、医療用プローブ。
【請求項2】
前記軸方向電極及び前記半径方向電極に連結された電気信号生成器を更に備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記電気信号生成器が、不可逆エレクトロポレーション(IRE)パルスを前記軸方向電極に送達するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記電気信号生成器が、IREエネルギーを前記軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極に同時に送達するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記電気信号生成器が、無線周波数エネルギーを前記軸方向電極に送達するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記スパインが、それぞれの外部側面及び内部側面を有し、各所与の半径方向電極が、そのそれぞれのスパインの前記外部側面に向かって付勢された導電性材料を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記軸方向電極が、丸みを帯びた表面を有する円形形状である、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記軸方向電極が、前記直径の少なくとも20%の厚さを有する、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記軸方向電極が、前記厚さの少なくとも25%である曲率半径を有する側面を有する、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記軸方向電極が、最大で前記厚さの50%である曲率半径を有する側面を有する、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
医療用プローブの製造方法であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブを提供することと、
前記挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリを提供することであって、前記弾性スパインが、前記バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつ前記バスケットアセンブリの遠位端で結合されている、提供することと、
前記バスケットアセンブリの前記遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成されている、軸方向電極を提供することと、
前記体腔内の前記組織と接触するように構成されており、前記スパイン上に配置された半径方向電極を備える、複数の半径方向電極を提供することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記軸方向電極及び前記半径方向電極に連結された電気信号生成器を提供することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電気信号生成器が、不可逆エレクトロポレーション(IRE)パルスを前記軸方向電極に送達するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気信号生成器が、IREエネルギーを前記軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極に同時に送達するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記電気信号生成器が、無線周波数エネルギーを前記軸方向電極に送達するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記スパインが、それぞれの外部側面及び内部側面を有し、各所与の半径方向電極が、そのそれぞれのスパインの前記外部側面に向かって付勢された導電性材料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記軸方向電極が、丸みを帯びた表面を有する円形形状である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記軸方向電極が、前記直径の少なくとも20%の厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記軸方向電極が、前記厚さの少なくとも25%である曲率半径を有する側面を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記軸方向電極が、最大で前記厚さの50%である曲率半径を有する側面を有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療用プローブに関し、具体的には、バスケットアセンブリの遠位端に取り付けられたキノコ形状のアブレーション電極を備える医療用プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
不整脈とは、典型的には、不規則な心拍を引き起こす心臓組織の小さな領域によって引き起こされる異常な心拍リズムである。心臓アブレーションは、不規則な心拍を引き起こす心臓組織の領域を破壊することによって不整脈を治療するために実施できる医療処置である。いくつかの医療システムは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用して心臓組織をアブレーションする。IREは、組織に送達される高電圧の短パルスによって引き起こされる細胞膜の回復不能な透過化に基づく非熱アブレーション法である。
【0003】
Altmannらの米国特許出願第2016/0113582号は、急性限局性マッピングに使用することができる微小電極アレイを備える遠位先端を有するカテーテルを記載している。このカテーテルは、複数の電極担持スパインを有する、バスケットアセンブリを備える。遠位先端は、凹部を有する非金属の電気絶縁基板本体を有し、凹部の中には、概ね平滑な遠位先端輪郭を示すように微小電極が位置決めされている。
【0004】
Justらの米国特許出願第2012/0143298号は、カテーテル用の電極アセンブリを記載している。一実施形態では、電極アセンブリは、シャフトの遠位端に配置された1つ又は2つ以上の位置決め電極及び1つ又は2つ以上のアブレーション電極を備える。別の実施形態では、電極アセンブリは、非接触電極を有するカテーテルのバスケット部分を備える。
【0005】
Ruppersberの米国特許出願第2018/0279896号は、電気生理学的データを分析するためのシステム及び方法を記載している。このシステムは、RFアブレーションエネルギーをカテーテルの遠位端近くに配置されたアブレーション電極に送達するように構成されたアブレーションモジュールを備える。一実施形態では、このシステムは、互いに電気的に絶縁され、かつ身体組織の電気アブレーションに使用することができる、先端電極及び接地電極を含む、細長い本体を有する、カテーテルを備える。
【0006】
Kordisらの米国特許出願第2014/0303469号は、心調律障害を検出するための方法を記載している。このシステムは、心臓の心内膜表面から局所電圧を感知するように構成された複数の露出電極を案内するために使用されるスパインを有する、バスケットアセンブリを備える、カテーテルを使用する。
【0007】
Govariの米国特許出願第2018/0344188号は、バスケットアセンブリを備えるカテーテルを記載している。バスケットアセンブリは、アセンブリのスプライン上に配置された複数のスプライン電極を備え、アセンブリの内部には遠方界電極が配置されている。スプライン電極は、心内電位図を生成するために使用することができ、遠方界電極は、遠方界電位図を生成するために使用することができる。
【0008】
上記の説明は、当該分野における関連技術の一般的な概要として記載したものであり、そこに含まれる情報のいずれかが本特許出願に対する先行技術を構成することを認めるものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、医療用プローブが提供され、この医療用プローブは、患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブと、挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを含む、バスケットアセンブリであって、弾性スパインがバスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつバスケットアセンブリの遠位端で結合されている、バスケットアセンブリと、バスケットアセンブリの遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、また体腔内の組織と接触するように構成された軸方向電極と、体腔内の組織と接触するように構成されており、スパイン上に配置された半径方向電極を含む複数の半径方向電極と、を含む。
【0010】
一実施形態では、医療用プローブは、軸方向電極及び半径方向電極に連結された電気信号生成器を更に含む。
【0011】
別の実施形態では、電気信号生成器は、不可逆エレクトロポレーション(IRE)パルスを軸方向電極に送達するように構成される。一部の実施形態では、電気信号生成器は、IREエネルギーを軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極に同時に送達するように構成されている。他の実施形態では、電気信号生成器は、無線周波数エネルギーを軸方向電極に送達するように構成されている。
【0012】
追加の実施形態では、スパインは、それぞれの外部側面及び内部側面を有し、各所与の半径方向電極は、そのそれぞれのスパインの外部側面に向かって付勢された導電性材料を含む。
【0013】
更なる実施形態では、軸方向電極は、丸みを帯びた表面を有する円形形状である。一部の実施形態では、軸方向電極は、直径の少なくとも20%の厚さを有する。他の実施形態では、軸方向電極は、厚さの少なくとも25%である曲率半径を有する側面を有する。補足的な実施形態では、軸方向電極は、最大で厚さの50%である曲率半径を有する側面を有する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、医療用プローブの製造方法が提供され、この方法は、患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブを提供することと、挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを含むバスケットアセンブリを提供することであって、弾性スパインがバスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつバスケットアセンブリの遠位端で結合されている、提供することと、バスケットアセンブリの遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、また体腔内の組織と接触するように構成された軸方向電極を提供することと、体腔内の組織と接触するように構成されており、スパイン上に配置された半径方向電極を含む複数の半径方向電極を提供することと、を含む。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、治療方法が更に提供され、この方法は、挿入チューブを貫通する管腔を含む遠位端を有する挿入チューブを体腔に挿入することと、挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを含むバスケットアセンブリを遠位端から体腔内に展開することであって、弾性スパインがバスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつバスケットアセンブリの遠位端で結合されており、バスケットアセンブリが、バスケットアセンブリの遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、また体腔内の組織と接触するように構成された軸方向電極と、体腔内の組織と接触するように構成されており、スパイン上に配置された半径方向電極を含む複数の半径方向電極と、を含む、展開することと、軸方向電極が体腔内の組織を圧迫するようにバスケットアセンブリを位置決めすることと、軸方向電極を介してアブレーションエネルギーを組織に伝達することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書では、本開示をあくまで例として添付の図面を参照して説明する。
図1】本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリの遠位端に固定された軸方向電極を備える、医療システム20の概略描画図である。
図2】本発明の一実施形態による拡張構成のバスケットアセンブリの概略図である。
図3】本発明の一実施形態による軸方向電極の概略横方向図である。
図4】本発明の一実施形態による軸方向電極の概略側面図である。
図5】本発明の一実施形態による、折り畳まれた構成のバスケットアセンブリの概略側面図である。
図6】本発明の一実施形態による、軸方向電極を使用して心臓の室内で組織アブレーション医療処置を行う方法を概略的に示す流れ図である。
図7】本発明の一実施形態による、医療処置中の心臓の室内のバスケットアセンブリの概略描画図である。
図8】本発明の一実施形態による、医療処置中の心臓の室内のバスケットアセンブリの概略描画図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
概要
バスケットカテーテルの遠位先端は診断電極を備えることができるが、電極のサイズに対する制約により、電極をアブレーション電極として操作することが困難になる。診断電極とは対照的に、アブレーション電極は、損傷又は変形することなく比較的大きな電流の伝送をサポートする必要があり、また、局所的な電気アークを発生させる可能性のある高電流密度を回避するために十分な表面積及び形状を有する必要がある。
【0018】
本発明の実施形態は、バスケットアセンブリを備える医療用プローブを提供し、このバスケットアセンブリは、その遠位端に固定されたアブレーション電極を有する。以下に説明するように、医療用プローブは、患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブと、挿入チューブに遠位に接続された、即ち挿入チューブの遠位に接続されている近位端を有するバスケットアセンブリと、を備える。バスケットアセンブリは、バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつバスケットアセンブリの遠位端で結合されている、複数の弾性スパインを備える。医療用プローブは、バスケットアセンブリの遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートル(mm)の直径を有し、また体腔内の組織と接触するように構成された軸方向電極を更に備える。軸方向電極に加えて、医療用プローブは、体腔内の組織と接触するように構成されており、スパイン上に配置された複数の半径方向電極を更に備える。
【0019】
一部の実施形態では、軸方向電極はキノコ形状(即ち、丸みを帯びた表面を有する厚いディスク)であり、また、アブレーション処置中に熱を放散するのに十分な横方向表面積を提供するのに十分に大きい接触面積を有する(即ち、上述の少なくとも1.5mmのため)。表面積を増加させることに加えて、軸方向電極の丸みを帯びた表面は、アーク放電を防ぐのに役立ち、組織を傷つけない。
【0020】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ22及び制御コンソール24を備える医療システム20の概略描画図である。医療システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用することができる。
【0021】
プローブ22は、可撓性挿入シース30と、挿入シースの近位端に連結されたハンドル32と、を備える。プローブ22はまた、挿入シース30内に収容された可撓性挿入チューブ74を備える。医療処置の間、医療専門家34は、挿入シース30の遠位端36が心臓26の室などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の室に入ると、医療専門家34は、挿入チューブ74の遠位端73に取り付けられたバスケットアセンブリ38を展開することができる。バスケットアセンブリ38は、以下の図2を参照する説明で記載するように、一組の電極40を備える。
【0022】
不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織と係合するように、ハンドル32を操作して遠位端73を位置決めすることができる。
【0023】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に貼り付けられた接着性皮膚パッチ44を備える。制御コンソール24は、プロセッサ46を備え、このプロセッサは、電流追跡モジュール48とともに、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられた電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内の遠位端73の位置座標を決定する。医療処置中に位置センサとして使用されることに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0024】
上述したように、電流追跡モジュール48とともに、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内の遠位端73の位置座標を決定することができる。このような決定は、通常、インピーダンス又は電流を遠位端73の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示された実施形態は、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように(も)構成された電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の精神及び範囲内であると見なされる。
【0025】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路52と、を備え得る。プロセッサは、本明細書に開示された1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、1つ又は2つ以上のアルゴリズムの各々は、以下に説明するステップを含む。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するために、回路50及び回路52、並びに以下でより詳細に説明するモジュールの特徴を使用する。
【0026】
図1に示される医療システムは、インピーダンス又は電流ベースの検知を使用して遠位端73の位置を測定するが、他の位置追跡技術(例えば、磁気ベースのセンサを使用する技術)が使用され得る。インピーダンス及び電流ベースの位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号及び同第5,944,022号に記載されている。上述した位置検知の方法は、上述のCARTO(登録商標)システムにおいて実装され、上記で引用した特許に詳細に記載されている。
【0027】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を伝送し、及び/又はそれらに信号を伝送することを可能にする入力/出力(I/O)通信インターフェース54を備える。図1に示される構成では、制御コンソール24は、電気信号生成器56及びスイッチングモジュール58を更に備える。本明細書に記載の実施形態は、電気信号生成器をIREアブレーションモジュール56として示しているが(即ち、電気信号生成器56は、本明細書ではIREアブレーションモジュール56とも称される)、他のタイプの電気信号生成器は、本発明の趣旨及び範囲内にあると見なされる。例えば、電気信号生成器56は、無線周波数(radio frequency、RF)エネルギーを生成するように構成することができる。
【0028】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを生成するように構成することができる。以下に説明するように、医療システム20は、IREアブレーションモジュール56が、IREパルスを電極40の対に同時に送達することによってIREアブレーションを実行する。一部の実施形態では、電極の所与の対は、2組の電極40を備え、各組は、少なくとも1つの電極40を有する。スイッチングモジュール58を使用して、IREアブレーションモジュール56は、1つ又は2つ以上のIREパルスを電極対の各対に独立して送達することができる。
【0029】
熱を放散し、アブレーションプロセスの効率を向上させるために、システム20は、挿入チューブ74内のチャネル(図示せず)を介して遠位端73に灌注流体(例えば、通常の生理食塩水)を供給する。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を備える。
【0030】
通常、電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信された信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内の遠位端73の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置の間、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを備え得る。
【0031】
一部の実施形態では、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け取るように構成することができるタッチスクリーンを備え得る。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態による、拡張構成のバスケットアセンブリ38を備える遠位端73の概略図である。バスケットアセンブリ38は、挿入シース30の挿入シース管腔70から前進することなどによって、拘束されていないときに拡張構成を採ることができる。
【0033】
図2において、電極40は、識別番号に文字を付加することによって区別することができ、その結果、電極は電極40A及び40Bを備える。本明細書の実施形態では、電極40Aは軸方向電極40Aと称され得、電極40Bは半径方向電極40Bと称され得る。
【0034】
例として、バスケットアセンブリ38は、挿入チューブ74の遠位端73に形成された複数の弾性スパイン72を備える。バスケットアセンブリ38の近位端71は、挿入チューブ74の遠位端73に接続され、スパイン72は、バスケットアセンブリの遠位端80で結合されている(図2)。
【0035】
医療処置の間、医療専門家34は、挿入シース30の遠位端36から挿入チューブ74を延ばすことによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン72は、卵形(例えば、楕円形又は円形)又は長方形(平坦に見えることがある)の断面を有し得、典型的には、可撓性で弾力のある材料(例えば、ニチノールとしても既知であるニッケル-チタンのような形状記憶合金)を含む。拡張構成では、バスケットアセンブリ38は拡張配置を有し、拡張配置ではスパイン72はバスケットアセンブリの長手方向軸77から半径方向外側方向75に湾曲している。
【0036】
図2に示される構成では、電極をスパインに嵌合させるために、1つ又は2つ以上の電極40Bが各所与のスパイン72に挿入されている。各スパイン72は、外部側面76及び内部側面78を有する。本発明の実施形態では、所与のスパイン72に嵌合された所与の半径方向電極40Bについて、所与のスパインは所与の半径方向電極において平面状であると想定され、ここで平面は所与の電極を非対称的に分割し、その結果、(平面の)内部側面よりも外部側面に多くの導電性材料が存在する。電極40Bの側面図を示す図2の挿入図では、スパイン72は、電極40Bを通って延在しており、その結果、スパイン72は、中心線L-Lの一方の側にあることによって中心線L-Lに対してずれている、又は「非対称的」である。スパイン72が(中心線L-Lの一方の側にあることによって)ずれていると、電極40Bの上面(図2の挿入図)のより多くは生体組織内に延在する。
【0037】
これらの実施形態では、各電極40(即ち、所与のスパイン72に嵌合されるとき)は、上記の非対称性のために、それぞれのスパイン72の外部側面に向かって幾何学的に付勢される導電性材料を含む。したがって、各所与の半径方向電極40Bは、所与の電極の内部側面の表面積に比べて、その外部側面の表面積がより大きい。半径方向電極40Bを外部側面76に付勢することによって、半径方向電極は、スパインの外部側面の半径方向電極の部分からより多くのアブレーションエネルギーを送達する(即ち、スパインの内部側面の半径方向電極の部分から送達されるアブレーションエネルギーよりも著しく多い)。
【0038】
本発明の実施形態では、プローブ22は、バスケットアセンブリ38の遠位端80に配置された軸方向電極40Aも備える。軸方向電極40Aは、円形形状を有し、以下の図3図5で説明する。3つのスパイン72は、バスケット38の遠位端80のスパイン72の交点で互いに固定(例えば、溶接、ろう付け又は接着)することができる。電極40Aは、バスケット38の遠位端80で交差する3つのスパインのうちの1つ又は2つ以上の外部表面に固定(例えば、溶接、ろう付け、又は接着)されたその外部表面を有し得る。
【0039】
本明細書に記載の実施形態では、電極40は、心臓26内の組織にアブレーションエネルギーを送達するように構成することができる。電極40を使用してアブレーションエネルギーを送達することに加えて、電極を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を判定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置での局所表面電位などの生理学的特性を測定することもできる。
【0040】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)が挙げられる。これらの材料はまた、非常に高い熱伝導率を有し、これにより、(即ち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによって)組織上で生成される最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(即ち、スパインの内部側面にある電極の部分)に伝導され、次に心臓26内の血液プールに伝導される。
【0041】
プローブ22はまた、IREアブレーションモジュール56を電極40に連結する1組のワイヤ82を備える。一部の実施形態では、各スパイン72は、その内部側面78に取り付けられた少なくとも1つのワイヤ82を備える。
【0042】
一部の実施形態では、バスケットアセンブリ38の遠位端80は、挿入チューブ74の遠位端73から長手方向に延在するステム84を備える。上述したように、制御コンソール24は、灌注流体を遠位端73に送達する灌注モジュール60を備える。ステム84は、複数のスプレーポート86を備え、各所与のスプレーポート86は、所与の電極40又は心臓26内の組織のいずれかに灌注流体を送達することを目指すように(即ち、2つの隣接するスパイン72の間への送達を目指すことによって)角度が付けられている。
【0043】
電極40は、灌注流体を送達するスプレーポートを備えないため、上述の構成により、熱が組織から(即ち、アブレーション処置中に)スパインの内部側面にある電極の部分に伝送されることが可能になり、また、スプレーポート86を介してスパインの内部側面にある電極の部分に灌注流体を向けることによって、電極を冷却することができる。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態による軸方向電極40Aの概略横方向(即ち、上から見下ろした)図である。本発明の実施形態では、軸方向電極40Aは、アブレーションエネルギーを(即ち、IREアブレーションモジュール56から)心臓26内の組織に送達するように構成されている。したがって、軸方向電極40Aは、少なくとも1.5ミリメートル(mm)の直径90(即ち、軸方向電極の側面92の間)を有することができる。直径90の典型的な値は、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5mm、及び3.0mmである。これらの大きな直径はまた、アブレーション中に熱を放散するのに十分な横方向表面積を軸方向電極40Aに提供する。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態による軸方向電極40Aの概略側面図である。一部の実施形態では、軸方向電極40Aは、直径90の少なくとも20%である最小厚さ100(即ち、軸方向電極の丸みを帯びた表面のため)を有する。
【0046】
本発明の実施形態では、軸方向電極40Aは、すべて丸みを帯びた遠位端104、近位端106、及び側面92を備える、丸みを帯びた表面102を有する。したがって、表面102にはエッジがない。一部の実施形態では、側面92は、典型的には、エッジを形成せずに可能な限り最大の曲率半径107を有するように丸みを帯びている。したがって、曲率半径107は、厚さ100の(少なくとも)4分の1(25%)と(最大で)厚さ100の2分の1(50%)の間であり得る。側面92の最小曲率半径は、通常、直径90の終点で生じ、これは、図において直径90の終点の1つに正接する中心109を有する円108によって概略的に示されている。
【0047】
上述したように、軸方向電極40Aはキノコ状形状(又はビスケット状形状)を有し、その丸みを帯びた表面102及び厚さの制約により、(a)心臓26内の係合組織(又は患者28の任意の他の体腔内の組織)に対して軸方向電極が非外傷性になり、(b)IREアブレーション中にアーク放電を引き起こす可能性のある高電流密度が防止され、(c)アブレーション中に熱を放散するのに十分な表面積が軸方向電極に提供され、(d)軸方向電極の操作性が向上する。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態による、折り畳まれた構成にあり、概ね長手方向軸77に沿って配置されたバスケットアセンブリ38の概略側面図である。図5に示されるように、電極40の外向きの付勢は、バスケットアセンブリ38が挿入シース30内で折り畳まれているとき、スパイン72が挿入チューブ74と同一平面上にあることを可能にする。
【0049】
一部の実施形態では、管腔70は、3.0~3.33mmの管腔直径110を有する(即ち、医療用プローブ22は、10フレンチのカテーテルである)。これらの実施形態では、軸方向電極40Aの直径90は、バスケットアセンブリ38が管腔70を横断できるように、管腔直径110よりも小さい。
【0050】
図6は、医療用プローブ22を使用して心臓26の室140内で組織アブレーション医療処置を行う方法を概略的に示す流れ図であり、図7及び図8は、本発明の一実施形態による、医療処置中の心臓の室内の遠位端73の概略描画図である。
【0051】
組織選択ステップ120において、医療専門家34は心臓内組織144の領域142を選択し、挿入ステップ122において、医療専門家は挿入シース30の遠位端36を心臓26の室140に挿入する。
【0052】
展開ステップ124において、医療専門家は、バスケットアセンブリ38を管腔70から室140に展開する。
【0053】
医療専門家34が(例えば、ハンドル32を操作することによって)室内でバスケットアセンブリを操作すると、プロセッサ46は、位置判定ステップ126において、室内のバスケットアセンブリの位置を判定する。一部の実施形態では、プロセッサ46は、医療専門家34に(即ち、ディスプレイ64上のマップ62で)バスケットアセンブリ38の位置を提示することができる。
【0054】
アブレーションタイプ選択ステップ128において、医療専門家34が軸方向電極40Aのみを使用して組織144の選択された領域をアブレーションすることを望む場合、第1の位置決めステップ130において、医療専門家34は、図7に示されるように、軸方向電極40Aが心臓内組織144上の選択された領域を圧迫するようにバスケットアセンブリ38を位置決めする。
【0055】
第1のアブレーションステップ132において、医療専門家34からの入力に応答して、IREアブレーションモジュール56はIREパルスを軸方向電極40Aに伝達し、軸方向電極はそれを心臓内組織144の選択された領域に送達し、方法は終了する。一部の実施形態では、IREアブレーションモジュール56は、所与の入力デバイス68から、又はハンドル32上の追加の入力デバイス(図示せず)から入力を受信することができる。
【0056】
本明細書の実施形態は、心臓内組織144をアブレーションするためにIREアブレーションモジュール56がIREパルスを1つ又は2つ以上の電極40に送達することを記載しているが、任意の電極40に他のタイプのアブレーションエネルギー(例えば、無線周波数エネルギー)を送達するように医療システム20を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内にあると見なされる。
【0057】
ステップ128に戻って、医療専門家34が、軸方向電極40Aを備える1つ又は2つ以上の対の電極40を使用することを望む場合、第2の位置決めステップ134において、医療専門家34は、図8に示されるように、軸方向電極40A及び1つ又は2つ以上の半径方向電極40Bが心臓内組織144上の選択された領域を圧迫するようにバスケットアセンブリ38を位置決めする。
【0058】
電極選択ステップ136において、医療専門家34は、(例えば、所与の入力デバイス68を使用して)心臓内組織144に係合している軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極40Bを選択し、第2のアブレーションステップ138において、医療専門家34からの入力に応答して、IREアブレーションモジュール56はIREパルスを選択された電極に伝達し、選択された電極はそれを心臓内組織144の選択された領域に送達し、方法は終了する。
【0059】
一実施形態では、選択された電極は、電極40の対を備える。これらの実施形態では、医療システム20は、電極40の対にIREパルスを送達することによってIREアブレーションを実行する。追加の実施形態では、電極の所与の対は、2組の電極40を備え、各組は、少なくとも1つの電極40を有する。任意の所与の対における電極は、単一のスパイン72又は複数のスパイン72に固定することができる。スイッチングモジュール58を使用して、IREアブレーションモジュール56は、1つ又は2つ以上のIREパルスを電極対の各対に独立して送達することができる。
【0060】
上述の実施形態は例として引用したものであり、本発明は、上記で特に示され、説明されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含む。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブと、
前記挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリであって、前記弾性スパインが、前記バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつ前記バスケットアセンブリの遠位端で結合されている、バスケットアセンブリと、
前記バスケットアセンブリの前記遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成されている、軸方向電極と、
前記体腔内の前記組織と接触するように構成されており、かつ前記スパイン上に配置された半径方向電極を備える、複数の半径方向電極と、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記軸方向電極及び前記半径方向電極に連結された電気信号生成器を更に備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記電気信号生成器が、不可逆エレクトロポレーション(IRE)パルスを前記軸方向電極に送達するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記電気信号生成器が、IREエネルギーを前記軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極に同時に送達するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(5) 前記電気信号生成器が、無線周波数エネルギーを前記軸方向電極に送達するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
【0062】
(6) 前記スパインが、それぞれの外部側面及び内部側面を有し、各所与の半径方向電極が、そのそれぞれのスパインの前記外部側面に向かって付勢された導電性材料を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(7) 前記軸方向電極が、丸みを帯びた表面を有する円形形状である、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(8) 前記軸方向電極が、前記直径の少なくとも20%の厚さを有する、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記軸方向電極が、前記厚さの少なくとも25%である曲率半径を有する側面を有する、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(10) 前記軸方向電極が、最大で前記厚さの50%である曲率半径を有する側面を有する、実施態様8に記載の医療用プローブ。
【0063】
(11) 医療用プローブの製造方法であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入チューブを提供することと、
前記挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリを提供することであって、前記弾性スパインが、前記バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつ前記バスケットアセンブリの遠位端で結合されている、提供することと、
前記バスケットアセンブリの前記遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成されている、軸方向電極を提供することと、
前記体腔内の前記組織と接触するように構成されており、前記スパイン上に配置された半径方向電極を備える、複数の半径方向電極を提供することと、を含む、方法。
(12) 前記軸方向電極及び前記半径方向電極に連結された電気信号生成器を提供することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記電気信号生成器が、不可逆エレクトロポレーション(IRE)パルスを前記軸方向電極に送達するように構成されている、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記電気信号生成器が、IREエネルギーを前記軸方向電極及び少なくとも1つの半径方向電極に同時に送達するように構成されている、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記電気信号生成器が、無線周波数エネルギーを前記軸方向電極に送達するように構成されている、実施態様12に記載の方法。
【0064】
(16) 前記スパインが、それぞれの外部側面及び内部側面を有し、各所与の半径方向電極が、そのそれぞれのスパインの前記外部側面に向かって付勢された導電性材料を含む、実施態様11に記載の方法。
(17) 前記軸方向電極が、丸みを帯びた表面を有する円形形状である、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記軸方向電極が、前記直径の少なくとも20%の厚さを有する、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記軸方向電極が、前記厚さの少なくとも25%である曲率半径を有する側面を有する、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記軸方向電極が、最大で前記厚さの50%である曲率半径を有する側面を有する、実施態様18に記載の方法。
【0065】
(21) 治療方法であって、
挿入チューブを貫通する管腔を含む遠位端を有する前記挿入チューブを体腔に挿入することと、
前記挿入チューブに遠位に接続されている近位端を有し、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリを、前記遠位端から前記体腔内に展開することであって、前記弾性スパインが、前記バスケットアセンブリの軸から半径方向外向きに湾曲するように構成されており、かつ前記バスケットアセンブリの遠位端で結合されており、前記バスケットアセンブリが、
前記バスケットアセンブリの前記遠位端に配置されており、少なくとも1.5ミリメートルの直径を有し、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成されている、軸方向電極と、
前記体腔内の前記組織と接触するように構成されており、かつ前記スパイン上に配置された半径方向電極を備える、複数の半径方向電極と、を備える、展開することと、
前記軸方向電極が前記体腔内の組織を圧迫するように、前記バスケットアセンブリを位置決めすることと、
前記軸方向電極を介して、アブレーションエネルギーを前記組織に伝達することと、を含む、治療方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】