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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040032
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】乗客用モジュール、乗客座席装置
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B64D11/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022203065
(22)【出願日】2022-12-20
(62)【分割の表示】P 2021145477の分割
【原出願日】2019-03-29
(31)【優先権主張番号】62/770,863
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519315774
【氏名又は名称】アディエント エアロスペース エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】カルリオーズ、 ビクター
(72)【発明者】
【氏名】クリアリー、 マシュー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】乗り物客室内の空間の利用を最適化するために、改良された乗客座席装置及び改良された乗り物客室を提供する。
【解決手段】乗り物客室3、特に航空機客室用の乗客用モジュールMであって、第1側面要素FEと第2側面要素SEの間に配置された2つの座席1、2を含み、第1側面要素FE及び第2側面要素SEは互いに平行に延び、座席1、2は、実質的に互いに前後に配置され、かつ実質的に同じ方向に向いており、前座席1は、その垂直軸szを中心に、第1側面要素FEに向かって所定の第1角度αだけ角度を付けて配置され、後座席2は、その垂直軸sz’を中心に、第2側面要素SEに向かって所定の第2角度βだけ角度を付けて配置される、乗客用モジュール。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物客室(3)、特に航空機客室用の乗客用モジュール(M)であって、
第1側面要素(FE)と第2側面要素(SE)との間に配置された2つの座席(1、2)を含み、
前記第1側面要素(FE)及び前記第2側面要素(SE)は互いに平行に延び、
前記座席(1、2)は、実質的に互いに前後に配置され、かつ実質的に同じ方向に向いており、
前座席(1)は、その垂直軸(sz)を中心に、前記第1側面要素(FE)に向かって所定の第1角度(α)だけ角度を付けて配置され、
後座席(2)は、その垂直軸(sz’)を中心に、前記第2側面要素(SE)に向かって所定の第2角度(β)だけ角度を付けて配置される、乗客用モジュール(M)。
【請求項2】
前記第1角度(α)と前記第2角度(β)は互いに異なる、請求項1に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項3】
前記第1側面要素(FE)から始まり、前記第2側面要素(SE)に向かって前記後座席(2)の後ろに延びるように構成される後隔壁(5)を含む、請求項1又は2に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項4】
前記第1側面要素(FE)から始まり、前記第2側面要素(SE)に向かって前記後座席(2)と前記前座席(1)との間に延びるように構成され、かつ後乗客座席エリア(2A)と前乗客座席エリア(1A)を分離するように構成される前隔壁(6)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項5】
前記前隔壁(6)は、前記第1側面要素(FE)と前記第2側面要素(SE)との間に連続して延びる壁を形成するように構成される、請求項4に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項6】
前記後乗客座席エリア(2A)の乗客用の乗客アクセス通路(2.3)及びレッグルーム(2.4)が前記後乗客座席エリア(2A)内に形成され、かつ前記前隔壁(6)と前記後隔壁(5)の間に延びている、請求項3から5のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項7】
前記前座席(1)の乗客用のレッグルーム(1.4)が前記前座席(1)の直前に設けられ、前記レッグルーム(1.4)をつなぐ乗客アクセス通路(1.3)が前記第2側面要素(SE)に向かって前記前隔壁(6)に沿って延びるように形成される、請求項4に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項8】
前記第1角度(α)は、前記第1側面要素(FE)に対して約5°から18°、好ましくは約10°から15°を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項9】
前記第2角度(β)は、前記第2側面要素(SE)に対して約20°から40°、好ましくは約25°から35°を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項10】
前記第1側面要素(FE)は、各座席(1、2)に隣接して配置された前コンソール要素(1.5)及び後コンソール要素(2.5)として構成され、各コンソール要素(1.5、2.5)は少なくとも、各座席(1、2)の対応する乗客用のユーティリティ面及び/又は収納庫を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項11】
前記第2側面要素(SE)は、後座席の乗客用の足元空間(9)を有する区画要素(7)として構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも2つの同じ乗客用モジュール(M)を含む乗り物客室(3)用の乗客座席装置(PA)であって、
前記乗客用モジュール(M)は、前記乗り物客室(3)の縦方向において互いに前後に、かつ/又は前記乗り物客室(3)の横方向において互いに隣接して配置される、乗客座席装置(PA)。
【請求項13】
少なくとも2つの乗客用モジュール(M)を互いに前後に配置する場合、後乗客用モジュール(M)の前乗客座席エリア(1A)、対応するレッグルーム(1.4)及び乗客アクセス通路(1.3)は、前乗客用モジュール(M)の後隔壁(5)によって境界を定められる、請求項12に記載の乗客座席装置(PA)。
【請求項14】
少なくとも2つの乗客用モジュール(M)を互いに前後に配置する場合、前乗客用モジュール(M)の後座席コンソール要素(2.5)は、後乗客用モジュール(M)の前座席乗客用の足元空間(9)を含む、請求項12又は13に記載の乗客座席装置(PA)。
【請求項15】
前乗客用モジュール(M)の前座席コンソール要素(1.5)及び後座席コンソール要素(2.5)は、後乗客用モジュール(M)の前座席乗客用の拡張された足元空間(9)を形成するように構成される、請求項12から14のいずれか一項に記載の乗客座席装置(PA)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、乗り物客室用、特に航空機客室用の乗客用モジュールに関する。本開示はさらに、乗り物客室用、特に航空機客室用の乗客座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において乗り物客室用、特に航空機客室用の多種多様な乗客用モジュール及び乗客座席装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、座席のアセンブリと飛行機用の装置を定めている。座席のアセンブリは、隣接する座席対の少なくとも2列を含み、各座席は、隣接する座席対の後方に配置された集合点における各リクライニング軸の交差によって得られる第1角度で隣接する座席に対して傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3127811号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、乗り物客室用、特に航空機客室又は他の乗客運搬乗り物用の改良された乗客用モジュールを提供することである。詳細には、本発明の利点は、乗り物客室内の空間の利用を最適化することである。また、本開示の目的は、改良された乗客座席装置及び改良された乗り物客室を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、請求項1に記載の乗客用モジュール及び請求項13に記載の乗客座席装置によって達成される。
【0007】
本発明の好ましい実施形態は、独立請求項に記載されている。
【0008】
本開示は、乗り物客室、特に航空機客室用の乗客用モジュールであって、第1側面要素と第2側面要素との間に配置された2つの座席を含み、第1側面要素及び第2側面要素は互いに平行に延びる乗客用モジュールを提供する。また、座席は互いに前後に斜めに配置され、実質的に同じ方向を向いており、前座席は、その垂直軸を中心として第1側面要素に向かって所定の第1角度だけ角度を付けて配置され、後座席は、その垂直軸を中心として第2側面要素に向かって所定の第2角度だけ角度を付けて配置される。
【0009】
特に、第1角度と第2角度は互いに異なる。詳細には、異なる角度により、前座席と後座席は、省スペースの乗客用モジュールを作成するために可能な限り近くで実質的に互いに前後に配置されると同時に、各前後座席の乗客にプライバシーを提供することができる。
【0010】
詳細には、第1角度は、第1側面要素と、前座席の垂直軸を通って座席の指示延伸方向を定める各座席軸との間の夾角である。第2角度は、第2側面要素と、後座席の垂直軸を通って座席の指示延伸方向を定める各座席軸との間の夾角である。
【0011】
例えば、第1側面要素は客室壁に隣接して配置され、第2側面要素は通路に隣接して配置され、第1及び第2側面要素は互いに平行に延びている。それにより、前座席の指示延伸方向は、実質的に客室壁に向けられる。後座席の指示延伸方向は、実質的に通路に向けられる。
【0012】
有利なことに、少なくとも各乗客に高い快適スペースを確保しながら、乗り物客室(以下、客室とも呼ばれる)内の乗客席の密度を最適化することができる。詳細には、本発明による乗客用モジュールを使用することにより、客室の窓側に沿って位置する乗客を含むすべての乗客に通路への直接アクセスを提供しながら、高密度のビジネスクラスの座席配置を作成することができる。
【0013】
また、複数の同一乗客用モジュールを含む客室の内部の光学的外観を改善することができる。さらに、繰り返しパターンの構成によって、同一乗客用モジュールを取り付けて配置することにより全体のアセンブリを簡素化することができる。詳細には、複数の開示された乗客用モジュールを並べることにより、快適な座席位置と、対応する乗客の快適なフルフラットベッド位置のための十分なスペースとを提供する、ビジネスクラスの座席の新しい配置が可能になる。さらに、複数の開示された乗客用モジュールを並べることにより、できるだけ多くの快適さを提供するとともに、各フライトでより多くの座席を提供できるように比較的多くの座席を配置しながら、乗り物客室、特に航空会社の客室の最適な利用が可能になる。
【0014】
一実施形態では、各第1及び第2側面要素の延伸方向は、乗り物客室の縦軸と一直線になっている。また、第1及び第2側面要素は、乗り物客室の横方向に互いから間隔を置いて配置される。
【0015】
一実施形態によれば、乗客用モジュールは後隔壁を含み、後隔壁は、第1側面要素から始まって、第2側面要素に向かって後座席の後ろに延びるように構成される。2つの同一乗客用モジュールを互いに前後に配置する場合、後隔壁は、前乗客用モジュールと後乗客用モジュールとの間の間隔を定める。したがって、後隔壁の後側は、後乗客用モジュールの前座席の乗客用のモニター及び/又は収納ユニットを含むことができる。
【0016】
可能な一実施形態では、乗客用モジュールは前隔壁を含み、前隔壁は、第1側面要素から始まり、第2側面要素に向かって後座席と前座席との間に延びるように構成され、かつ後乗客座席エリアと前乗客座席エリアを分離するように構成される。
【0017】
別の実施形態によれば、前隔壁は、第1側面要素と第2側面要素との間に連続して延びる壁を形成するように構成される。これは、前座席と後座席が横方向に完全に分離されることを意味する。
【0018】
乗客用モジュールの別の実施形態では、後乗客座席エリアの乗客用の乗客アクセス通路及びレッグルームは、前隔壁と後隔壁との間に延びる後乗客座席エリア内に形成される。
【0019】
乗客用モジュールのさらなる実施形態では、前座席の乗客用のレッグルームは、前座席のすぐ前に設けられ、レッグルームをつなぐ乗客アクセス通路は、第2側面要素に向かって前隔壁に沿って延びるように形成される。
【0020】
各乗客座席エリアは、それ自体の個人用の乗客アクセス通路及びレッグルームを含む。
【0021】
乗客用モジュールのさらなる実施形態によれば、第1角度は、第1側面要素に対して約5°から18°、好ましくは約10°から15°から成る。詳細には、前座席は、第1側面要素に対して約第1角度の角度で配置される。
【0022】
さらなる可能な一実施形態によれば、第2角度は、第2側面要素に対して約20°から40°、好ましくは約25°から35°から成る。詳細には、後座席は、第2側面要素に対して 約第2角度の角度で配置される。
【0023】
別の実施形態では、各座席は、少なくとも着座位置と少なくともベッド位置との間で調整可能であるように構成される。本発明の調節可能な座席によれば、座席は、少なくともシートパン(座席底面)及び背もたれによって形成される。加えて、座席は、任意選択でレッグレストを含むことができる。例えば、座席は、1つ以上の位置、例えば、タキシング離着陸位置(「TTL」又は「TT&L」位置として指定される)、傾斜位置又は就寝位置にすることができる。詳細には、就寝位置では、シートパン、背もたれ、及び任意選択でレッグレストが、実質的に平らな水平位置にされる。
【0024】
座席のタキシング離着陸位置は、背もたれがシートパンに対して実質的に直立位置にある位置である。詳細には、背もたれは、水平に配置されたシートパンに対して実質的に垂直に配置される。レッグレストも、水平に配置されたシートパンに対して実質的に垂直に配置される。例えば、背もたれは、垂直軸に対して約3°から12°の角度で配置される。レッグレストは、垂直軸に対して約0°の角度で配置されることができる。垂直軸は、航空機客室のヨー軸に平行に走る軸であることが理解される。
【0025】
座席の傾斜位置は、背もたれ及び/又はレッグレストがシートパンに対して傾斜している快適な位置である。例えば、背もたれは、垂直軸に対して約12°を超え85°未満の角度で配置される。レッグレストは、垂直軸に対して約0°を超え85°未満の角度で配置されることができる。
【0026】
座席の就寝位置は、背もたれ及びシートパンと任意選択でレッグレストとが互いに位置合わせして水平に配置され、水平なフラットベッドを形成する位置である。例えば、背もたれは、垂直軸に対して約85°から90°の角度で配置される。レッグレストは、垂直軸に対して約90°の角度で配置できる。
【0027】
乗客用モジュールの実施形態に関して、第1側面要素は、各座席に隣接して配置された前コンソール要素及び後コンソール要素として構成され、各コンソール要素は少なくとも、各座席の対応する乗客用のユーティリティ面及び/又は収納庫を含む。例えば、第1側面要素は、2部品の要素として構成され、第1側面要素は、前コンソール要素及び後コンソール要素から組み立てられる。
【0028】
別の可能な一実施形態では、第2側面要素は、後座席の乗客用の足元空間を有する区画要素として構成される。
【0029】
乗客用モジュールのさらなる実施形態によれば、区画要素は、後座席乗客用の可動トレイテーブルを含み、トレイテーブルは、非使用位置では区画要素内に収納され、使用位置では後座席に向かって展開される。例えば、トレイテーブルは2つ折り可能である。或いは、トレイテーブルは、第2側面要素/区画要素の寸法に対応する寸法を有する。2つの同一乗客用モジュールを互いに前後に配置する場合、第1側面要素は、後乗客用モジュールの前座席乗客用の可動トレイテーブルを含み、トレイテーブルは非使用位置では第1側面要素内に収納され、使用位置では前座席に向かって展開される。
【0030】
本開示はさらに、上述及び後述の少なくとも2つの同一乗客用モジュールを含む乗り物客室用の乗客座席装置に関する。
【0031】
例えば、乗客用モジュールは、乗り物客室の縦方向に互いに前後に配置され、かつ/又は乗り物客室の横方向に互いに隣接して配置される。
【0032】
乗客座席装置の一実施形態によれば、各第1側面要素は乗り物客室の客室壁に隣接して配置され、各第2側面要素は乗り物客室の通路に隣接している。
【0033】
少なくとも2つの乗客用モジュールを互いに前後に配置する場合、後乗客用モジュールの前乗客座席エリア、その対応するレッグルーム及び乗客アクセス通路は、前乗客用モジュールの後隔壁によって境界を定められる。
【0034】
2つの乗客用モジュールが互いに隣接して配置される場合、乗客用モジュールは通路によって分離され、かつ通路の中心軸に対して対称的に同一に配置される。
【0035】
別の実施形態では、少なくとも2つの乗客用モジュールを互いに前後に配置する場合、前乗客用モジュールの第1側面要素は、後乗客用モジュールの前座席乗客用の足元空間を含む。詳細には、第1側面要素は、後座席コンソール及び前座席コンソールから組み立てられる2部品の要素として構成される。例えば、少なくとも2つの乗客用モジュールを互いに前後に配置する場合、少なくとも前乗客用モジュールの後座席コンソールは、後乗客用モジュールの前座席乗客用の足元空間を含む。
【0036】
さらなる実施形態において、前乗客用モジュールの前座席コンソール要素及び後座席コンソール要素は、後乗客用モジュールの前座席乗客用の拡張された足元空間を形成するように構成される。例えば、前座席コンソール要素は、足元空間を拡張するために後座席コンソール要素に接続されたオープンスペースを含む。コンソール要素の各々は、支持面部分を含むことができ、支持面部分は、座席が就寝位置にあるときに互いに接続されてシートパンと任意選択でレッグレスト延長部分とを形成する。
【0037】
さらに、本開示は、上述の乗客座席装置を含む乗り物客室、特に航空機客室に関する。例えば、乗り物客室は、客室壁に沿って配置された少なくとも2つの縦列と、2つの縦列の間に配置された少なくとも1つの通路とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示は、本明細書の以下の詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるようになるが、添付の図面は、例としてのみ与えられ、したがって本開示を限定するものではない。
【0039】
図1】TTL位置にある2つの座席を含む乗客用モジュールの実施形態の上面図を概略的に示す。
図2】就寝位置にある2つの座席を含む乗客用モジュールの実施形態の上面図を概略的に示す。
図3】互いに前後に配置された2つの乗客用モジュールを含む乗客座席装置の実施形態の上面図を概略的に示す。
図4】複数の同一乗客用モジュールを含む乗客座席装置の実施形態の上面図を概略的に示す。
図5】複数の同一乗客用モジュールを備えた乗客座席装置を有する乗り物客室の実施形態の上面図を概略的に示す。
図6】乗り物客室内の乗客座席装置の実施形態の斜視図を概略的に示す。
図7】TTL位置にある2つの座席を含む実施形態の乗客用モジュールの正面斜視図を概略的に示す。
図8A】2つの乗客用モジュールを含む乗客座席装置の実施形態の上面図を概略的に示す。
図8B図8Aによる乗客座席装置の側面斜視図を概略的に示す。
図9】乗客用モジュールの側面要素の斜視図を概略的に示す。
【0040】
対応する部品には、すべての図において同じ符号が付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1及び2はそれぞれ、2つの座席1、2を含む乗客用モジュールMの実施形態の上面図を概略的に示し、図1はいわゆるTTL位置P1にある各座席1、2を示し、図2は互いに前後に配置された2つの乗客用モジュールMを示し、各座席1、2は就寝位置P2で示される。
【0042】
乗客用モジュールMの後続の説明をよりよく理解するために、座標系がさらなる図に示される。座標系は、航空機に対して、縦軸(前後軸)x、横軸y、及び垂直軸zを含む。詳細には、縦軸xは乗り物客室3の縦方向及び長さを定め、横軸yは乗り物客室3の横方向及び幅を定め、垂直軸zは乗り物客室3の垂直方向及び高さを定める。例示的に、飛行方向Fがさらなる図に示される。
【0043】
乗客用モジュールMは、第1側面要素FEと第2側面要素SEとを含む。第1側方要素FE及び第2側方要素SEは、互いに平行に延びながら互いから間隔を置いて配置される。詳細には、第1及び第2側面要素FE、SEは、縦軸xに平行に延びている。例えば、側面要素FE、SEのそれぞれは、外側壁4.1、4.2を含む。詳細には、各外側壁4.1、4.2は、縦軸xに平行に延びるように配置される。
【0044】
また、座席1、2は、縦方向に関して互いに前後に配置される。座席1、2は、詳細には横軸yに関して斜めに(オフセットして)配置される。言い換えると、座席1、2はずらして(ジグザグに)互いに前後に配置される。座席1、2のこの配置により、乗客用モジュールM全体の縦方向(前後方向)及び横方向の寸法に関してより密な配置が可能になる。
【0045】
座席1、2は両方とも実質的に同じ方向を向いている。詳細には、座席1、2は両方とも飛行方向Fに対して前方を向いている。
【0046】
座席1、2は、前座席1と後座席2に分割され、前座席1は、縦方向及び飛行方向Fを考慮して後座席2の前に配置される。両座席1、2は、第1側面要素FEと第2側面要素SEとの間に配置される。
【0047】
前座席1は、第1側面要素FEに向かってそれ自体の垂直軸szを中心として所定の第1角度αだけ角度を付けて配置される。後座席1は、第2側面要素SEに向かってそれ自体の垂直軸sz’を中心として所定の第2角度βだけ角度を付けて配置される。詳細には、座席1、2は、互いから離れる方向に角度を付けて配置される。
【0048】
詳細には、前座席1の所定の第1角度αは、後座席2の所定の第2角度βと異なる。例えば、定義済みの角度βは、定義済みの角度αよりも大きい。これにより、乗客用モジュールM内の座席1、2の縦方向及び横方向のずれ(ジグザグ)が改善される。
【0049】
例えば、前座席1は、第1側面要素FEに対して約5°から18°、好ましくは約10°から15°の角度αで配置される。図示の実施形態では、角度αは約13°から成る。
【0050】
後座席2は、第2側面要素SEに対して約20°から40°、好ましくは約25°から35°の角度αで配置される。図示の実施形態では、角度βは約31°から成る。
【0051】
詳細には、第1角度αは、第1側面要素FEと、前座席1の垂直軸szを通って座席1の指示延伸方向を定める各座席軸saとの間の夾角である。第2角度βは、第2側面要素SEと、後座席2の垂直軸sz’を通って座席2の指示延伸方向を定める各座席軸sa’との間の夾角である。詳細には、各外側壁4.1、4.2は、各角度α、βを定めるために、各座席軸sa、sa’に対する基準軸を定める。
【0052】
例えば、第1側面要素FEは、図5に示すように客室壁3.1に隣接して配置され、第2側面要素SEは図5に示すように通路3.2に隣接して配置され、第1及び第2側面要素FE、SEは、互いに平行に延びている。それにより、各座席軸sz、詳細には前座席1の指示延伸方向は、実質的に客室壁3.1に向けられる。各座席軸sz’、詳細には後座席2の指示延伸方向は、実質的に通路3.2に向けられる。
【0053】
座席1、2は可動であり、詳細にはフルフラットベッドに変換できる。各座席1、2は、少なくともシートパン1.1、2.1及び背もたれ1.2、2.2によって形成される。詳細には、後座席2は、シートパン2.1が実質的に縦方向から見て前座席1の背もたれ部1.2の後ろに配置されるように、前座席1の後ろに配置される。座席1、2の反対側の角度位置のため、シートパン2.1と背もたれ1.2との間には横方向に小さな重なり部分がある。
【0054】
任意選択で、各座席1、2は追加のレッグレストを含むことができる。例えば、各座席1、2は1つ以上の位置、例えば、タキシング離着陸位置(「TTL」又は「TT&L」位置P1として指定される)、傾斜位置及び/又は就寝位置P2にすることができる。詳細には、就寝位置P2では、シートパン1.1、2.1、背もたれ1.2、2.2、及び任意選択でレッグレストが、実質的に平らな水平位置にされる。
【0055】
座席1、2は、それぞれの座席軸sa、sa’に沿って、TTL位置P1と就寝位置P2との間で移動可能である。それぞれの座席軸sa、sa’は、各座席1、2の縦の延伸方向に対応することを理解されたい。例えば、それぞれの座席軸sa、sa’は、前座席1の後ろの集合点で交差する。詳細には、前述の角度付き座席1、2の有利なジグザグ配置(わずかに斜めの配置で、互いに前後に密に配置される)により、集合点は後座席2の背もたれ領域にある。
【0056】
乗客用モジュールMは後隔壁5を含み、後隔壁5は、第1側面要素FEから始まり、第2側面要素SEに向かって後座席2の後ろに延びるように構成される。
【0057】
また、乗客用モジュールMは前隔壁6を含み、前隔壁6は、第1側面要素FEから始まり、第2側面要素SEに向かって後座席2と前座席1との間に延びるように構成され、かつ後乗客座席エリア2Aと前乗客座席エリア1Aを分離するように構成される。それにより、より大きな角度βにより、後座席2にアクセスするための乗客アクセス通路2.3(出口)を後乗客座席エリア2A内で得ることができる。詳細には、乗客アクセス通路2.3は、後隔壁5と前隔壁6との間に配置される。
【0058】
また、後乗客座席エリア2Aの乗客用のレッグルーム2.4が後乗客座席エリア2A内に形成される。乗客アクセス通路2.3とレッグルーム2.4は両方ともモジュール内部にある。
【0059】
前座席1の乗客用の乗客アクセス通路1.3は、第2側面要素SEに向かって前隔壁6に沿って延びるように配置される。前座席1の乗客用のレッグルーム1.4は、前座席1の直前に設けられ、乗客アクセス通路1.3は、レッグルーム1.4をつなぐ。したがって、乗客アクセス通路1.3とレッグルーム1.4はモジュール外部にあると言える。
【0060】
また、第1側面要素FEは、各座席1、2に隣接して配置される前コンソール要素1.5及び後コンソール要素2.5として構成され、各コンソール要素1.5、2.5は少なくとも、各座席1、2の対応する乗客用のユーティリティ面及び/又は収納庫を含む。
【0061】
各座席1、2の対応する乗客用のユーティリティ面は、各コンソール要素1.5、2.5の上面1.5.1、2.5.1によって提供される。例えば、ユーティリティ面は、棚、テーブル、収納スペース、及び収納手段を含むことができる。収納手段は、リモコン装置、雑誌、スーツケース、靴、ヘッドフォン、又は乗客若しくは航空会社に属する他のアイテム用の収納スペースを提供することができる。また、ユーティリティ面は、各乗客座席エリア1A、2Aの操作可能な機能を制御するためのスイッチ及びHMIパネルなどのサービス及び操作要素を含むことができる。
【0062】
加えて、第2側面要素SEは、後座席2の乗客用の足元空間9を有する区画要素7として構成される。例えば、調節可能な座席2は、座席2が足元空間9内に部分的に突出するように、就寝位置P2、詳細にはベッド位置にされることができる。 したがって、区画要素7及び足元空間スペースは、後ろの乗客用の拡張スペースと見なすことができる。座席が就寝位置P2にされると、後ろの乗客のために就寝面が拡張されるように、図9に示すように、座面2.1又は任意選択でレッグレストが足元空間9の内側に配置された支持面部分9.1と接触することができる。支持面部分9.1は、シートパン2.1又は任意選択でレッグレストの形状に対応する形状を有する。
【0063】
図3は、互いに前後に配置された2つの乗客用モジュールMを含む乗客座席装置PAの実施形態の上面図を概略的に示す。
【0064】
2つの乗客用モジュールMを互いに前後に配置する場合、後乗客用モジュールMの前乗客座席エリア1A、その対応するレッグルーム1.4及び乗客アクセス通路1.3は、前乗客用モジュールMの後隔壁5によって境界を定められる。
【0065】
2つの乗客用モジュールMを互いに前後に配置する場合、前乗客用モジュールMの後座席コンソール要素2.5は、後乗客用モジュールMの前座席1の乗客用の足元空間9を含む。また、各コンソール要素1.5、2.5は、図9に示すように、足元空間スペース内に固定された支持面部分9.1を含むことができる。
【0066】
一実施形態では、前乗客用モジュールMの前座席コンソール要素1.5及び後座席コンソール要素2.5は、後乗客用モジュールMの前座席1の乗客用の拡張された足元空間を形成するように構成される。
【0067】
図示の実施形態では、区画要素7は、後座席2の乗客用の可動トレイテーブル8を含み、トレイテーブル8は、非使用位置P3では区画要素7内に収容され、使用位置P4では後座席2に向かって展開される。例えば、トレイテーブル8は2つ折り可能である。収納された非使用位置P3では、トレイテーブル8は折り畳まれて、より小さい収納可能なテーブル面を形成する。展開された使用位置P4では、トレイテーブル8は、乗客により広げられ、例えば、回転され、旋回され、開かれ、より大きな使用可能なテーブル面を形成することができる。
【0068】
また、例示的な実施形態では、乗客座席エリア1A、2Aの少なくとも一方の内部にアームレスト1.6が配置される。アームレスト1.6は、図3において、後乗客用モジュールMの前乗客座席エリア1A内に見ることができる。アームレスト1.6は、実質的に三角形である。詳細には、アームレスト1.6は、乗客アクセス通路1.3に向けられた座席側で座席1に隣接して配置される。図示のように、アームレスト1.6は、隔壁6と座席1との間に形成された隙間に嵌め込まれる。
【0069】
例えば、各隔壁5、6は、第1側面要素FEから始まって、実質的に第1壁部分5.1、6.1を含むように構成される。第1壁部分5.1、6.1は、第1側面要素FEから対応する座席1、2に向かって、詳細には各背もたれ1.2、2.2の後部に向かってまっすぐに延びる。各隔壁5、6は、第2側面要素SEに向かって第1壁部分5.1、6.1から離れるように角度が付けられた第2壁部分5.2、6.2を含む。第2壁部分5.2、6.2は、実質的に真っ直ぐに延びる。例えば、第2側面要素SEは、縦方向及び飛行方向Fに関して第1側面要素FEからずらして配置される。第2壁部分5.2、6.2は、ずらされてより前方に配置された第2側面要素SEに向かって座席1、2の後ろに延びる。また、各隔壁5、6は、第1壁部分5.1、6.1と第2壁部分5.2、6.2とを接続するように構成された任意選択の湾曲部分5.3、6.3を含む。詳細には、各湾曲部分5.3、6.3は、背もたれ1.2、2.2を少なくとも部分的に囲むように、かつ/又は背もたれ1.2、2.2の後部の後ろに、詳細には背もたれ1.2、2.2の後部に沿って、延びるように構成される。
【0070】
また、前隔壁6は、第1側方要素FEと第2側方要素SEとの間に連続して延びる壁を形成するように構成される。これは、前座席1と後座席2が横方向に完全に分離されることを意味する。したがって、前隔壁6の第2壁部分6.2は、第2側面要素SEに向かって延びる。詳細には、前隔壁6は、第1側面要素FEと第2側面要素SEとを接続する。一実施形態によれば、前隔壁6は、側面要素FE、SEの外側壁4.1、4.2の間に連続的に延びるように構成される。例えば、前隔壁6は、第1及び第2側面要素FE、SEの外側壁4.1、4.2を接続するように構成される。
【0071】
前隔壁6の第2壁部分6.2は、前座席1から第2側面要素SEに向かって延びており、前座席1は、第1側面要素FEに向かって斜めに配置される。このようにして、前座席1と前隔壁6の第2壁部6.2との間に隙間が形成される。座席1への出入りをサポートするために、アームレスト1.6は傾斜可能である。詳細には、アームレスト1.6は、ヒンジで連結されたアームレスト1.6として構成される。アームレスト1.6は、前隔壁6に傾斜可能に配置され、詳細には前隔壁6の前面に移動可能に固定されている。例えば、アームレスト1.6は、ヒンジ要素1.6.1などを介して第2壁部分6.2に傾斜可能に取り付けられる。
【0072】
アームレスト1.6は、前隔壁6に向かって、詳細には前隔壁6の第2壁部分6.2の前面に向かって上に回転する。前座席の乗客の腕を支持するために使用される上面は、上向きに回転した位置、詳細には収納位置で、第2壁部分6.2の前面と整列する。使用位置では、アームレスト1.6は下方向に回転して前隔壁6から離れる。収納されたアームレストの位置により、座席1からの出入りがより快適になり、座席1からの出入りスペースが大きくなる。またに、収納されたアームレスト1.6により、例えば座席1が就寝位置P2にあるとき、座席1に隣接して空いている垂直空間を作り出すことができる。
【0073】
図示の実施形態では、少なくとも2つの乗客用モジュールMを互いに前後に配置する場合、乗客アクセス通路1.3、2.3を分離するために、アクセス分離要素10が設けられる。アクセス分離要素10は、例えば、後隔壁5から第2側面要素SEに向かって延びる壁状要素として成形される。アクセス分離要素10は、前乗客アクセス通路1.3を後乗客アクセス通路2.3から縦方向に分離する。例えば、アクセス分離要素10は、専用の乗客アクセス通路1.3、2.3を作成する。アクセス分離要素10は、任意選択の要素である。
【0074】
図4は、複数の同一乗客用モジュールMを含む乗客座席装置PAの実施形態の上面図を概略的に示す。
【0075】
図示の実施形態では、乗客用モジュールMは、乗り物客室3の縦方向において互いに前後に、乗り物客室3の横方向において互いに隣接して配置される。
【0076】
詳細には、各第1側面要素FEは、乗り物客室3の客室壁3.1に隣接して配置されるように構成され、各第2側面要素SEは、乗り物客室3の通路3.2に隣接するように構成される。
【0077】
同一乗客用モジュールMは、2つの縦列C1、C2に沿って配置され、縦列C1、C2は、通路3.2によって分離されている。詳細には、乗客用モジュールMは、通路3.2によって分離され、かつ通路3.2の中心軸caに関して対称的に同一に配置される。すなわち、第1縦列C1の乗客用モジュールMは、すべて中心軸caを中心としてミラーリングされ、又はその逆も同様である。
【0078】
図5は、複数の同一乗客用モジュールMを備えた乗客座席装置PAを有する乗り物客室3の実施形態の上面図を概略的に示す。
【0079】
図示の乗り物客室3は、それぞれ客室壁3.1に沿って配置された2つの縦列C1、C2を含み、通路3.2は、2つの縦列C1、C2の間に配置されている。
【0080】
詳細には、狭い客室本体用のいわゆる2-2乗客座席装置PAが示されている。乗客用モジュールMは、各縦列C1、C2において互いに前後に配置されている。
【0081】
乗り物客室3の内部空間に応じて、乗客用モジュールMの数を変えることができる。また、乗客用モジュールMの数は、例えば、航空会社自体が所望するように変えることができる。「内部空間」という用語は、乗り物客室3の寸法、詳細には乗り物の少なくとも乗客運搬区画の長さ及び幅を含むと理解される。乗客運搬区画の長さは、各縦列C1、C2の長さ、詳細には各縦列C1、C2内で互いに前後に配置される乗客用モジュールMの数に影響する。乗客運搬区画の幅は、乗り物客室3の横方向に互いに隣接して配置される縦列C1、C2の数に影響する。例えば、客室3は、各乗り物客室壁3.1に沿った1つ以上の外側縦列C1、C2と、外側縦列C1、C2の間に配置された1つ以上の中央縦列とを含むことができる。それにより、中央縦列は、通路によって外側縦列C1、C2から及び/又は互いから分離されることができる。
【0082】
図6は、乗り物客室3内の乗客座席装置PAの実施形態の斜視図を概略的に示す。
【0083】
図7は、それぞれがTTL位置P1で示されている2つの座席1、2を含む実施形態の乗客用モジュールMの正面斜視図を概略的に示す。
【0084】
乗客用モジュールMは、第1側面要素FEと第2側面要素SEとを含む。第1側方要素FE及び第2側方要素SEは、互いに平行に延びながら互いから間隔を置いて配置される。詳細には、第1及び第2側面要素FE、SEは、縦軸xに平行に延びている。
【0085】
第1側面要素FEは、前座席1に隣接して配置された前コンソール要素1.5を含む。前コンソール要素1.5は、前座席の乗客がアームレストとして、又はカップ、雑誌、エンターテインメント装置などのアイテムを置くための棚として使用することができる上面1.5.1を含む。
【0086】
図示の実施形態では、前コンソール1.5は下部コンソール部分1.5.2を含み、上面1.5.1は下部コンソール部分1.5.2から垂直方向に離れている。上面1.5.1と下部コンソール部分1.5.2との間に形成された空間は、座席1が就寝位置P2にあるときに収納庫及び/又は横方向ベッド延長部として使用することができる。
【0087】
図8Aは、互いに前後に配置された2つの乗客用モジュールMを含む乗客座席装置PAの実施形態の上面図を概略的に示す。
【0088】
図8Bは、図8Aによる乗客座席装置PAの側面斜視図を概略的に示す。
【0089】
図8A及び8Bに示すように、先に図3に示したアクセス分離要素10は除くことができる。これにより、前乗客用モジュールMの後ろの乗客及び後乗客用モジュールMの前の乗客のためにより大きいアクセス空間11が可能になる。
【0090】
また、図8A及び8Bは、折り畳み可能ではないが、トレイテーブル8が非使用位置P3に配置されたときに第1及び第2側面要素FE、SE内に完全に収納可能であるように、第1及び第2側面要素FE、SEの寸法に対応する寸法を有するトレイテーブル8の実施形態を示す。
【0091】
図9は、乗客用モジュールMの第2側面要素SEの実施形態の斜視図を概略的に示す。例えば、第2側面要素SEは、後座席2の乗客用の足元空間9を有する区画要素7として構成される。例えば、調節可能な座席2は、座席2が足元空間9内に部分的に突出するように、就寝位置P2、詳細にはベッド位置にされることができる。したがって、区画要素7及び足元空間スペースは、後ろの乗客用の拡張スペースと見なすことができる。座席が就寝位置P2にされると、シートパン2.1又は任意選択でレッグレストは、就寝面が後ろの乗客のために拡張されるように、足元空間9内に配置された支持面部分9.1と接触することができる。支持面部分9.1は、シートパン2.1又は任意選択でレッグレストの形状に対応する形状を有する。
【符号の説明】
【0092】
1、2 座席
1.1、2.1 シートパン
1.2、2.2 背もたれ
1.3、2.3 乗客アクセス通路
1.4、2.4 レッグルーム
1.5、2.5 コンソール要素
1.5.1、2.5.1 上面
1.5.2 下部コンソール部分
1.6 アームレスト
1.6.1 ヒンジ要素
3 客室
3.1 客室壁
3.2 通路
4.1、4.2 外側壁
5、6 隔壁
5.1、6.1 第1壁部分
5.2、6.2 第2壁部分
5.3、6.3 湾曲部分
7 区画要素
8 トレイテーブル
9 足元空間
9.1 支持面部分
10 アクセス分離要素
11 アクセス空間
1A 前乗客座席エリア
2A 後乗客座席エリア
C1、C2 縦列
F 飛行方向
FE 第1側面要素
M 乗客用モジュール
PA 乗客座席装置
SE 第2側面要素
P1 TTL位置
P2 就寝位置
P3 非使用位置
P4 使用位置
ca 中心軸
sa、sa’ 座席軸
sz、sz’ 垂直軸
x 縦軸
y 横軸
z 垂直軸
α 第1角度
β 第2角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物客室(3)、特に航空機客室用の乗客用モジュール(M)であって、
第1側面要素(FE)及び第2側面要素(SE)と、
前記第1側面要素(FE)と前記第2側面要素(SE)との間に配置された2つの座席(1、2)
少なくとも含み、
前記第1側面要素(FE)及び前記第2側面要素(SE)は互いに平行に延び、
前記座席(1、2)は、実質的に互いに前後に配置され、共に乗り物の進行方向に対して前方を向き、かつ互いから離れる方向に角度を付けて配置され
前座席(1)は、その垂直軸(sz)を中心に、前記第1側面要素(FE)に向かって所定の第1角度(α)だけ角度を付けて配置され、
少なくとも前記第1側面要素(FE)は、客室壁(3.1)に隣接して配置され、前記座席(1、2)の少なくとも1つに隣接して横方向に延び、
前記第1側面要素(FE)の外側壁(4.1)は、前記乗り物客室(3)の縦軸(x)に平行に延び、前記第1側面要素(FE)の内側壁は、前記前座席(1)の座席軸(sa)に平行に延び、かつ/又は
少なくとも前記第2側面要素(SE)は、通路(3.2)に隣接して配置され、前記前座席(1)に隣接して横方向に延び、
前記第2側面要素(SE)の外側壁(4.2)は、前記通路(3.2)の縦軸(x)に平行に延び、前記第2側面要素(SE)の内側壁は、後座席(2)の座席軸(sa)に平行に延び、
各側面要素(FE、SE)が、コンソール要素(1.5、2.5)又は区画要素(7)のうちの1つを形成している、乗客用モジュール(M)。
【請求項2】
前記後座席(2)は、その垂直軸(sz’)を中心に、前記第2側面要素(SE)に向かって所定の第2角度(β)だけ角度を付けて配置される、請求項1に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項3】
前記第1側面要素(FE)及び前記第2側面要素(SE)のそれぞれの寸法は、前記後座席(2)に向かう方向を指す側から前記前座席(1)に向かう方向を指す側まで減少する、請求項1又は2に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項4】
前記側面要素(FE、SE)のそれぞれが実質的に三角形の形状を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項5】
前記第1角度(α)と前記第2角度(β)は互いに異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項6】
各座席(1、2)が、前記乗り物客室(3)の通路(3.2)に直接アクセスできる、請求項1から5のいずれか一項に記載の乗客モジュール(M)。
【請求項7】
前記第1側面要素(FE)から始まり、前記第2側面要素(SE)に向かって前記後座席(2)の後ろに延びるように構成される後隔壁(5)と、
前記第1側面要素(FE)から始まり、前記第2側面要素(SE)に向かって前記後座
席(2)と前記前座席(1)との間に延びるように構成され、かつ後乗客座席エリア(2
A)と前乗客座席エリア(1A)を分離するように構成される前隔壁(6)と
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の乗客モジュール(M)。
【請求項8】
前記前隔壁(6)は、前記第1側面要素(FE)と前記第2側面要素(SE)との間に
連続して延びる壁を形成するように構成される、請求項に記載の乗客用モジュール(M
)。
【請求項9】
前記後座席(2)の乗客用の乗客アクセス通路(2.3)が、前記第2側面要素(SE)に向かって延びる前記前隔壁(6)の後ろに配置され、前記前座席(1)の乗客用の乗客アクセス通路(1.3)が、前記第2側面要素(SE)に向かって延びる前記前隔壁(6)の前に配置される、請求項7または8に記載の乗客モジュール(M)。
【請求項10】
前記第1角度(α)は、前記第1側面要素(FE)に対して約5°から18°、好ましくは約10°から15°を含み、前記第2角度(β)は、前記第2側面要素(SE)に対して約20°から40°、好ましくは約25°から35°を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項11】
前記第1側面要素(FE)は、各座席(1、2)に隣接して配置された前コンソール要素(1.5)及び後コンソール要素(2.5)として構成され、各コンソール要素(1.5、2.5)は少なくとも、各座席(1、2)の対応する乗客用のユーティリティ面及び/又は収納庫を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項12】
前記第2側面要素(SE)は、後座席の乗客用の足元空間(9)を有する前記区画要素(7)として構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の乗客用モジュール(M)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも2つの同じ乗客用モジュール(M)を含む乗り物客室(3)用の乗客座席装置(PA)であって、
前記乗客用モジュール(M)は、前記乗り物客室(3)の縦方向において互いに前後に、かつ/又は前記乗り物客室(3)の横方向において互いに隣接して配置される、乗客座席装置(PA)。
【請求項14】
少なくとも2つの乗客用モジュール(M)を互いに前後に配置する場合、後乗客用モジュール(M)の前乗客座席エリア(1A)、対応するレッグルーム(1.4)及び乗客アクセス通路(1.3)は、前乗客用モジュール(M)の後隔壁(5)によって境界を定められ、かつ/又は、
少なくとも2つの乗客用モジュール(M)を互いに前後に配置する場合、前乗客用モジュール(M)の後座席コンソール要素(2.5)は、後乗客用モジュール(M)の前座席乗客用の足元空間(9)を含む、請求項13に記載の乗客座席装置(PA)。
【請求項15】
前乗客用モジュール(M)の前座席コンソール要素(1.5)及び後座席コンソール要素(2.5)は、後乗客用モジュール(M)の前座席乗客用の拡張された足元空間(9)を形成するように構成される、請求項13又は14に記載の乗客座席装置(PA)。
【外国語明細書】