(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040105
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】薬剤送達装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/158 20060101AFI20230314BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20230314BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230314BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20230314BHJP
A61K 38/28 20060101ALI20230314BHJP
A61K 38/26 20060101ALI20230314BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61M5/158 500D
A61M5/158 500F
A61M5/145 500
A61K45/00
A61K38/19
A61K38/28
A61K38/26
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/395 U
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209480
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2021025393の分割
【原出願日】2013-11-20
(31)【優先権主張番号】61/774,567
(32)【優先日】2013-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/729,303
(32)【優先日】2012-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・リング
(72)【発明者】
【氏名】ダイリャ・メータ
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー・トイ
(72)【発明者】
【氏名】フェリー・タムトロ
(72)【発明者】
【氏名】アレグザンダー・スチュアート・ケアンズ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ロバート・ギブソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高流量、急速投与における薬剤の流れの遮断、圧力上昇を防ぎ、正確な送達ができる薬剤送達装置を提供する。
【解決手段】薬剤送達装置はブラントカニューレ100と貯留部を含む。ブラントカニューレ100は、ブラントカニューレ100の第1の端部106と第2の端部108の間に軸路を画成する円筒壁102を有する。壁102は、軸路に流体連通する開口部112であってブラントカニューレ100の軸路を通って第1の端部106から出る流体の流れの遮断に抵抗するよう第1の端部106で適合された開口部112を画成するように少なくとも第1のテーパー領域110を第1の端部106で有する。貯留部はブラントカニューレ100の第2の端部108に接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラントカニューレの第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する前記ブラントカニューレであって、前記壁は、前記軸路に流体連通する開口部であってかつ前記ブラントカニューレの前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように前記第1の端部で適合された開口部を画成するように少なくとも1つの第1のテーパー領域を前記第1の端部で有する、ブラントカニューレと、
前記ブラントカニューレの前記第2の端部に接続された貯留部と、
を含む、薬剤送達装置。
【請求項2】
前記ブラントカニューレは、前記ブラントカニューレの前記壁に前記第1の端部で形成される少なくとも1つの側面ポートを有する、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項3】
前記少なくとも側面ポートは一対の側面ポートを含む、請求項2に記載の薬剤送達装置。
【請求項4】
前記一対の側面ポートは前記軸路を横切る方向にお互いに位置合わせされている、請求項3に記載の薬剤送達装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの側面ポートは、流れが前記軸路を横断することを可能にするように前記壁に形成された円形の開口部を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの側面ポートは、流れが前記軸路を横断することを可能にするように前記壁に形成された細長いスリットを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの側面ポートは、流れが前記軸路を横断することを可能にするように前記壁に形成された細長いスロットを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの側面ポートは、前記第1のテーパー領域から離れて、前記ブラントカニューレの前記第1の端部に形成される、請求項2~7のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項9】
前記第1のテーパー領域は少なくとも1つのベベルを含む、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項10】
前記第1のテーパー領域は1つのベベルしか含まない、請求項9に記載の薬剤送達装置。
【請求項11】
前記第1のテーパー領域は、お互いに交差する2つのベベルを含む、請求項9に記載の薬剤送達装置。
【請求項12】
前記第1のテーパー領域は、お互いに交差する2つの反対向き又は逆ベベルを含む、請求項9に記載の薬剤送達装置。
【請求項13】
前記第1の端部は、前記第1のテーパー領域における前記開口部周りに配置される或るパターンの開口部を含む、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項14】
前記或るパターンの開口部は、前記壁の中に窪んだ或るパターンの凹部を含む、請求項13に記載の薬剤送達装置。
【請求項15】
前記ブラントカニューレは、隣接する表面領域に対して前記軸路の方に凹設された少なくとも1つの外側凹設領域を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの外側凹設領域は、或るパターンの畝によって画成される、請求項15に記載の薬剤送達装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの外側凹設表面領域は、或るパターンの溝よって画成される、請求項15に記載の薬剤送達装置。
【請求項18】
前記ブラントカニューレに連結された振動発生器をさらに含み、前記振動発生器は、前記ブラントカニューレの前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するよう作動する、請求項1~17のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項19】
前記貯留部を画成するように外筒と前記外筒内に配置されたプランジャーとを有する、自動注入装置、マイクロ注入器、又は注入ポンプをさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項20】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、開口部を通して前記カニューレが作動状態で配置されるものである前記開口部を有し、前記開口部は前記カニューレの直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項21】
ブラントカニューレの閉止状第1の端部と、第2の端部との間に軸路を画成する円筒壁を有する前記ブラントカニューレであって、前記壁は、前記軸路に流体連通する少なくとも1つの側面開口部であって前記ブラントカニューレの前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように適合された側面開口部をもった前記第1の端部で第1のテーパー領域を有する、ブラントカニューレと、
前記ブラントカニューレの前記第2の端部に接続された貯留部と、
を含む、薬剤送達装置。
【請求項22】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、開口部を通して前記カニューレが作動状態で配置されるものである前記開口部を有し、前記開口部は前記カニューレの直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項21に記載の薬剤送達装置。
【請求項23】
ブラントカニューレの第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する前記ブラントカニューレであって、前記壁は、前記軸路に流体連通する開口部を画成するように第1のテーパー領域を前記第1の端部で有する、ブラントカニューレと;
前記ブラントカニューレに連結された振動発生器であって、前記ブラントカニューレの前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するよう作動する振動発生器と;
前記ブラントカニューレの前記第2の端部に接続された貯留部と、
を含む、薬剤送達装置。
【請求項24】
前記振動発生器は、軸部と、前記軸部に取り付けられた偏心ウェイトとをもったモーターを含む、請求項23に記載の薬剤送達装置。
【請求項25】
前記振動発生器は圧電振動子を含む、請求項23に記載の薬剤送達装置。
【請求項26】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、開口部を通して前記カニューレが作動状態で配置されるものである前記開口部を有し、前記開口部は前記カニューレの直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項23~25のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項27】
硬質針の第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する前記硬質針であって、前記壁は、前記軸路に流体連通する開口部であってかつ前記硬質針の前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように前記第1の端部で適合された開口部を前記第1の端部で有する、硬質針と;
前記硬質針の前記第2の端部に連結された貯留部と、を含み、
前記第1の端部での前記適合は、前記第1のテーパー領域で前記開口部周りに配置された少なくとも1つの或るパターンの開口部と、隣接する表面領域に対して前記軸路の方に凹設された少なくとも1つの外側凹設領域と、
を含む、薬剤送達装置。
【請求項28】
前記或るパターンの開口部は、前記壁の中に窪んだ或るパターンの凹部を含む、請求項27に記載の薬剤送達装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの外側凹設領域は、或るパターンの畝によって画成される、請求項27に記載の薬剤送達装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの外側凹設表面領域は、或るパターンの溝によって画成される、請求項27に記載の薬剤送達装置。
【請求項31】
前記硬質針に連結された振動発生器をさらに含み、前記振動発生器は、前記硬質針の前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するよう作動する、請求項27~30のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項32】
前記貯留部を画成するように外筒と前記外筒内に配置されたプランジャーとを有する、自動注入装置、マイクロ注入器、又は注入ポンプをさらに含む、請求項27~31のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項33】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、開口部を通して前記硬質針が作動状態で配置されるものである前記開口部を有し、前記開口部は前記硬質針の直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項27~32のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項34】
硬質針の第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する前記硬質針であって、前記壁は前記軸路に流体連通する開口部を前記第1の端部で有する、硬質針と;
前記硬質針に連結された振動発生器であって、前記硬質針の前記軸路を通って前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するよう作動する振動発生器と;
前記硬質針の前記第2の端部に連結された貯留部と、
を含む、薬剤送達装置。
【請求項35】
前記振動発生器は、軸部と、前記軸部に取り付けられた偏心ウェイトとをもったモーターを含む、請求項34に記載の薬剤送達装置。
【請求項36】
前記振動発生器は圧電振動子を含む、請求項34に記載の薬剤送達装置。
【請求項37】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、開口部を通して前記硬質針が作動状態で配置されるものである前記開口部を有し、前記開口部は前記硬質針の直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項34~36のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項38】
前記貯留部に配置されるいくらかの量の赤血球生成促進剤をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項39】
前記貯留部に配置されるいくらかの量の顆粒球コロニー刺激因子をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項40】
貯留部に配置されるいくらかの量のTNF遮断薬をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項41】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のペグ化顆粒球コロニー刺激因子をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項42】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のインターロイキン受容体特異的抗体をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項43】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のIGF受容体特異的抗体をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項44】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のTGF特異的抗体をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項45】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のインスリンをさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項46】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のGLP-1をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項47】
前記貯留部に配置されるいくらかの量のスクレロスチン抗体をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は薬剤送達装置に関し、詳しくは、ブラントカニューレ又は硬質針とともに使用する薬剤送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤送達装置は、高流量の急速投与が可能である。かかる薬剤送達装置としては、自動注入装置,薬物注入ポンプ、及びマイクロ注入器があり、但しこれらに限定されない。マイクロ注入器には、継続的に着用できる体表上ポンプもある。かかる高流量では、急速投与に用いられる針又はカニューレの先端に圧力上昇が起こると、薬剤の流れが遮断される可能性がある。例えば、針又はカニューレの端の開口部が塞がったり詰まったりすると、圧力上昇が起こり得る。針又はカニューレを通る流れの遮断は、薬品の正確な量の送達を妨げたり、薬品の所望の量の(即ち,より低い量を用いなければならない)送達を妨げたりなど、負の作用を有する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様では、薬剤送達装置はブラントカニューレと貯留部を含む。ブラントカニューレは、ブラントカニューレの第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する。壁は、軸路に流体連通する開口部であってかつブラントカニューレの軸路を通って第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように第1の端部で適合された開口部を画成するように少なくとも第1のテーパー領域を第1の端部に有する。貯留部は、ブラントカニューレの第2の端部に接続される。
【0004】
本開示の別の態様では、薬剤送達装置はブラントカニューレと貯留部を含む。ブラントカニューレは、ブラントカニューレの閉止状第1の端部と、第2の端部との間に軸路を画成する円筒壁を有する。壁は、軸路に流体連通する少なくとも1つの側面開口部であってブラントカニューレの軸路を通って第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように適合された側面開口部をもった第1の端部で第1のテーパー領域を有する。貯留部は、ブラントカニューレの第2の端部に接続される。
【0005】
本開示のさらなる態様では、薬剤送達装置は、ブラントカニューレ、振動発生器、及び貯留部を含む。ブラントカニューレは、ブラントカニューレの第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する。壁は、第1の端部で第1のテーパー領域に、軸路に流体連通する開口部を画成することを有する。振動発生器はブラントカニューレに連結され、その振動発生器は、ブラントカニューレの軸路を通って第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように作動する。貯留部は、ブラントカニューレの第2の端部に接続される。
【0006】
本開示のなおもさらなる態様では、薬剤送達装置は、硬質針と貯留部を含む。硬質針は、硬質針の第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する。壁は、軸路に流体連通する開口部であって硬質針の軸路を通って第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように第1の端部で適合された開口部を第1の端部で有する。第1の端部での適合は、第1のテーパー領域で開口部の周りに配置された少なくとも1つの或るパターンの開口部と、隣接表面領域から軸路の方に凹設された少なくとも1つの外側凹設領域と、を含む。貯留部は、硬質針の第2の端部に接続される。
【0007】
本開示のなおも別の態様では、薬剤送達装置は、硬質針、振動発生器、及び貯留部を含む。硬質針は、硬質針の第1の端部と第2の端部の間に軸路を画成する円筒壁を有する。壁は、軸路に流体連通する開口部を第1の端部に有する。振動発生器は、硬質針に連結され、その振動発生器は、硬質針の軸路を通って第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように作動する。貯留部は、硬質針の第2の端部に接続される。
【0008】
本開示は、添付の図面に関連してなされる次の説明からよりよく理解されるものと考える。図のいくつかでは、選択した要素を省略して簡略化することを、他の要素をより明確に示す目的で行っている場合がある。いくつかの図における要素のかかる省略が例示的な実施形態のいずれかにおける特定の要素の有る無しを表すものであると、対応する記述説明において明示的に詳述している場合を除いて、そう表すものであるとは限らない。図面のいずれも縮尺通りとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ブラントカニューレを通る流体の流れの遮断に抵抗するよう適合された該カニューレを含む、本開示による薬剤送達装置の模式図である。
【
図2】
図1に例示するような薬剤送達装置とともに用いることができる、少なくとも一対の側面ポートをもった、本開示によるブラントカニューレの実施形態の斜視図である。
【
図4】
図2のブラントカニューレの第1の端部の拡大側面図である。
【
図5】
図4の5-5線に沿って取った、ブラントカニューレの断面図である。
【
図6】
図2~5の側面ポートとは異なる形状を有する少なくとも一対の側面ポートをもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図7】シングルベベル(single bevel)をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図8】シングルオフセットベベル(single offset bevel)をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図9】一対の正の交差するベベルをもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図10】一対の負の交差するベベルをもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図11】軸開口部の周りに配置された第1のパターンの凹部をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図12】軸開口部の周りに配置された第2のパターンの凹部をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図13】キャップをした第1の端部の周りに配置された或るパターンの横断開口部をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図14】カニューレの外側表面上に形成された或るパターンの畝によって画成された外側表面上凹設表面領域をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図15】カニューレの外側表面に形成された或るパターンの溝によって画成された外側表面上凹設表面領域をもった、本開示によるブラントカニューレの別の実施形態の第1の端部の拡大側面図である。
【
図16】(
図2~15に例示するブラントカニューレの特徴を有するか又は有しない)ブラントカニューレと、振動発生器とを含む、本開示による薬剤送達装置の模式図である。
【
図17】本開示による薬剤送達装置と、薬剤送達装置を適用する皮膚の領域との拡大模式図である。
【
図18】
図17に例示する皮膚の領域と、薬剤送達装置を粘着剤とともに適用する皮膚の領域との関係において例示されたカニューレ又は針の導入点又は挿入点との、拡大平面図である。
【
図19】カニューレ又は針を皮膚の中へ導入する時の中間的な状態又は配置にある、
図17の薬剤送達装置の拡大模式図である。
【
図20】カニューレ又は針を皮膚の中へ十分導入又は挿入した最終的な状態又は配置にある、
図17の薬剤送達装置の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本開示による薬剤送達装置50の模式図であり、この薬剤送達装置50は例えば、自動注入装置、注入器、又はマイクロ注入器の形式であってもよい。明確化しておくために述べると、これらの装置の1つを参照することが他の薬剤送達装置の使用を排除することにはならない。薬剤送達装置50は貯留部52とブラントカニューレ54を含む。ブラントカニューレ54は第1の端部と第2の端部を有し、貯留部52がブラントカニューレ54の第2の端部に接続され、第1の端部は貯留部から患者へ薬品を皮下送達するために用いられる。貯留部は一次容器、例えばプレフィルド注射器、又はカートリッジであってもよい。薬剤送達装置50にはまた、貯留部52に動作可能なように連結され、なお好ましくは貯留部52と一体に形成されていてもよいコントローラー56を含む。コントローラー56は駆動器を含んでいてもよく、この駆動器は、機械式、電気機械式、又は電気式であってもよく、貯留部52に動作可能に連結して流体を貯留部52からブラントカニューレ54中に押し流すものである。例えば、貯留部52が注射外筒及び注射外筒内に配置されたプランジャーによって画成される場合、駆動器は、プランジャーを注射外筒に沿って進ませて薬品を貯留部52から押す機械的な要素を組み込んでいてもよい。コントローラー56にはまた、駆動器に動作可能に連結されて駆動器を作動させるマイクロプロセッサーを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラー56は、単に注射器内のプランジャー棒であってもよい。
【0011】
図2~14は、本開示による種々のブラントカニューレを例示する。特に、
図2~5はブラントカニューレの一実施形態を例示し、その詳細については、その他の
図6~15に例示する実施形態の構造及び機能がこれらの追加的実施形態のそれぞれについて
図2~5の実施形態と共通の構造及び機能の詳細を繰り返すことなく理解されるように、論じる。代わりに、
図6~15に例示する実施形態を
図2~5の実施形態と区別させる構造及び機能の詳細のみを
図6~15に関連して論じる。
【0012】
図2は、
図5で最もよく分かる軸路104を画成する円筒壁102を有するブラントカニューレ100を例示する。軸路104は、ブラントカニューレ100の第1の端部106と第2の端部108の間に延在する。壁102は、軸路104に流体連通する開口部112を画成する少なくとも第1のテーパー領域110を第1の端部106において有する。
【0013】
図2に例示するブラントカニューレ100の具体的な実施形態に関して、カニューレ100は、継手又は遷移124によって接続される第1のセグメント120及び第2のセグメント122を含むということを理解されたい。第1のセグメント120及び第2のセグメント122は、
図3で最もよく分かるように、お互いに対して角度をなして配置される。例示する実施形態では、第1のセグメント120及び第2のセグメント122は、お互いに対して鈍角をなして配置される。セグメント120、122がお互いに対して角度をなして配置される場合でも、通路104はやはり軸路と称す。さらに、
図1及び2ではお互いに対して角度をなして配置されるセグメントをもったカニューレを示す一方、セグメントがお互いに対して角度をなしていない、つまりカニューレが単一直線状のセグメントであり得る実施形態も可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、中軸126はカニューレ100の第2の端部108に配置されるが、他の実施形態では中軸はなくてもよい。中軸126は、カニューレ100と貯留部がお互いに流体連通するようにカニューレ100を貯留部に接続するために用いられる針又は他のコネクターを取り囲んでいてもよい(例えば、針をゴム隔膜等に突き通すことによって)。例示した実施形態に関して構造を説明したが、本開示によるカニューレはそれに限定されず、
図2及び3に例示するカニューレには種々のものが存在し得る。
【0015】
第1の端部106はまた、ブラントカニューレ100の軸路104を通って第1の端部106から出る流体の流れの遮断に抵抗するように適合されている。流体の流れの遮断に抵抗するように第1の端部106を適合させる方法が種々あり得ることは、他の実施形態への関連において論じる。つまり、種々の適合例を
図2~15に関して個別に論じるが、一方、
図2~15の例示的説明のそれぞれにおいて論じる具体的な実施形態をお互いに組み合わせることが可能であるということを理解されたい。例えば、
図2~5又は
図6の実施形態は、
図7の実施形態と組み合わせてもよい。またさらなる組み合わせも当業者に明らかであり、下に論じられる。
【0016】
図2~5に例示する適合例に関して、この実施形態は、第1の端部106でブラントカニューレ100の壁102において形成される少なくとも1つの対の側面ポート130を有するが、但し、本開示はまた、少なくとも1つの側面ポート(例えば、ただ1つの側面ポート)を含む実施形態も包含する。
図2~5に例示する少なくとも1つの対の側面ポート130は、第1の端部106でブラントカニューレ100の壁102に形成される円形開口部の形状である。さらに、
図5で最もよく分かるように、ブラントカニューレ100の壁102に形成される円形開口部は、軸路104を横切る方向にお互いに位置が向かい合っている(即ち、円形開口部は横断軸132に沿って位置する)が、かかる位置合わせは必要ではない。例えば、側面ポート130はそれぞれ、カニューレ100の第1の端部106から別々の距離にあってもよい。
【0017】
2つの側面ポート130に関して、ブラントカニューレ100の壁102は内部表面134及び外側表面136を有することを理解されたい。側面ポート130は、内部表面134に第1の開口部を、外側表面136に第2の開口部を有し、第1の開口部と第2の開口部を接続する通路を有する。結果として、側面ポート130は、カニューレ100の壁102を通ることになる。
【0018】
さらに理解されるように、
図2~5に例示する実施形態の側面ポート130は、開口部112を画成する第1のテーパー領域110から離れて、ブラントカニューレ100の第1の端部106に形成される。他の実施形態では、側面ポート130は第1のテーパー領域110内に配置してもよい。なおも他の実施形態では、側面ポート130は第1のテーパー領域110からさらに離れて配置される。
【0019】
本開示の具体的な実施形態では、側面ポートは0.006インチ(0.15mm)の直径を有していてもよく、24ゲージのカニューレの場合、開口部112から0.06インチ(1.5mm)のところに配置されていてもよい。代替的な実施形態では、側面ポートは0.006インチ(0.15mm)の直径を有していてもよく、24ゲージのカニューレの場合、開口部112から0.08インチ(2mm)のところに配置されていてもよい。なおも他の実施形態では、この直径と、開口部112からの距離とは、直ぐ上で述べられている値と異なっていてもよい。ポートは、例えばドリルを用いて形成してもよい。
【0020】
図6は、少なくとも1つの対の側面ポートをブラントカニューレ100の壁102に形成する、本開示の関連実施形態を例示する。しかしながら、
図2~5に例示する実施形態とは異なり、
図6に例示する側面ポートの実施形態は、細長いスリット又は細長いスロット140(スリットはスロットに比べて幅がせまい)の形式である。具体的には、細長いスリット140は、軸路104に平行して走る軸142に沿って位置していてもよい。さらに、細長いスリット140は、第1及び第2の丸い端部144を有していてもよい。側面ポート130についてそうであったように、スリット140は、ブラントカニューレ100の内部表面134に第1の開口部を、外側表面136に第2の開口部を有し、第1の開口部と第2の開口部を接続する通路を有する。スリットは、例えばレーザー切削工具を用いて形成してもよい。
【0021】
図7~9は、軸路104を通る流体の流れの遮断に抵抗するための異なる適合を例示する。詳しくは、
図7~9に例示する実施形態は、カニューレ100の第1の端部106に少なくとも1つのベベルを形成することを含む。詳しくは、少なくとも1つのベベルは、開口部112を画成する第1のテーパー領域110に形成する。結果として、
図2~6の実施形態に例示する開口部112は断面が円形であってもよいが、一方、
図7~10に例示する実施形態の開口部112は、少なくとも1つの長方形又は長円形の面を有していてもよく、つまり、軸路104に対して傾きのある複数の平面において長円形の面を有していてもよい。
【0022】
詳しくは、
図7及び8に例示する実施形態はシングルべべル150、151のみを含むが、
図7の実施形態はテーパー領域110全体にベベルを有し、一方、
図8の実施形態はテーパー領域110の一部にのみベベルを有する(これにより結果として、
図8の実施形態の端部は座屈又は湾曲に対して抵抗性を増す)。ベベル150、151は、本明細書では正のベベルと称することがある。同様に、
図9はお互いに交差する2つの正のベベル152、154の使用を例示する。しかしながら、
図10において行っているように逆又は負のベベルを用いることも可能であり、
図10では逆ダブルベベル156、158を用いている。テーパー領域110に形成される1つのベベル又は複数のベベルの機能に側面ポートが干渉しない限り、先に述べたように、
図7~10に例示する実施形態のいずれか1つを、
図2~6に例示する実施形態のいずれか1つとともに用いることができる。
【0023】
例示するように、ベベルは45度で傾いていてもよい。しかしながら、ベベルは他の角度も可能であることを理解されたい。角度が浅いと、カニューレを患者の皮膚の中へ、あるいは皮膚に突き通して挿入する場合、ブラントカニューレの座屈に対する抵抗が生じるということも理解されたい。
【0024】
図11~13は軸路104を通る流体の流れの遮断に抵抗する適合例をさらに例示する。詳しくは、
図11~13に例示する実施形態は、第1のテーパー領域110における開口部112の周りに配置される或るパターンの開口部を含む。開口部のパターンは、例示するように規則的、周期的であってもよく、あるいは開口部のパターンは不規則であってもよい(即ち、パターンの間隔が開口部及び介在する壁部分に対して均等でなくてもよい)。
【0025】
例えば、
図11の実施形態は、規則的で周期的なパターンの開口部160及び壁部分162を含む。得られたパターンは、城郭状と称することができる。同様に、第2のパターンの開口部164を
図12に例示するが、この開口部164は、軸路104に対して横断的な一連の溝によってテーパー領域110に形成される凹部として画成してもよい。また、なおもさらなるパターンの開口部166を
図13に例示するが、ここでは、流体が開口部166を通って軸路104に対して横断的にしか流れることができないように、第1の端部106にキャップをしている。開口部166は、窓状と称することができる。
【0026】
図7~10に例示する実施形態についてそうであったように、
図11~13に例示する実施形態は、
図2~5に例示する実施形態のいずれに組み合わせて用いてもよい。あるいは、
図11~13に例示する実施形態は、
図7~10に例示する実施形態のいずれに組み合わせて用いてもよい。またさらに、
図11~13に例示する実施形態は、
図2~6及び7~10の実施形態と組み合わせて用いてもよい。
【0027】
またさらに、
図14及び15は、カニューレ100の座屈に抵抗するだけでなく、軸路104を通る流体の流れの遮断を最小化又は低減するための適合例を例示する。詳しくは、ブラントカニューレ100の壁102は、その上に形成される少なくとも1つの外側凹設領域を有していてもよく、その凹部は隣接表面領域から軸路104の方に凹設されるものである。この少なくとも1つの外側凹設領域は、規則的かつ周期的なパターンであってもよく、あるいは、開口部のパターンは不規則であってもよい(即ち、パターン間隔の取り方が第1のテーパー領域110に対して均等でなくてもよい)。
【0028】
図14に例示する実施形態では、少なくとも1つの凹設領域170は、外側表面136上に形成される或るパターンの畝172によって画成されてもよい。あるいは、
図15の最少1つの凹設領域174は、外側表面136に形成される或るパターンの溝176によって画成されてもよい。また、或るパターンの畝と或るパターンの溝を組み合わせた組み合わせを用いて最少1つの凹設領域を画成することも可能である。畝又は溝は、挿入部位からの漏れの可能性を抑えるように、カニューレ100のその挿入部位にかかる部分の前で終わることが好ましい。また、畝又は溝は、開口部112の周囲に沿って少なくとも1つの側面ポート又は開口部とともに用いることが好ましいが、畝又は溝は、側面ポート又は他の開口部(例えば、ベベルのある端部をもったもの)を設けることなく用いてもよい。
【0029】
上に例示する実施形態についてそうであったように、
図14及び15に例示する実施形態は、
図2~13に例示する実施形態のいずれに組み合わせて用いてもよい。実際、
図14及び15の実施形態は、例えば側面ポート、先端溝等を設けるなど、放射状の流路を設けた実施形態を伴って最も有用であり得る。
図14及び15に例示する実施形態は、
図2~6、7~10、又は11~13の適合例群の1つ又は複数に例示する実施形態のいずれと組み合わせて用いてもよい。したがって、
図14及び15に例示する実施形態は、
図2~6、7~10、及び11~13に例示する群のそれぞれの実施形態部分と組み合わせて用いてもよい。
【0030】
本開示によるなおもさらなる適合例を
図16に例示する。この実施形態では、薬剤送達装置60は、貯留部52、カニューレ54、及びコントローラー56に加えて、振動発生器62を含む。振動発生器62の作動は、それが動作可能に連結されているコントローラー56によって制御してもよい。加えて、振動発生器62の出力は、カニューレ54に動作可能に連結されていてもよい。振動発生器は、シャフトに偏心ウェイトが付いたシャフトを有するモーターの形式であってもよい。あるいは、振動発生器は、圧電振動子の形式であってもよい。なおもさらなる代替的実施形態が可能である。振動発生器62の作動は、カニューレ54の端部から障害又は詰まりを取り除くか、カニューレ54の先端を閉塞構造(例えば、組織)から引き離すか、あるいは微小破壊された組織のポケットを作り出して圧力閾値がより低くなるよう表面積を増加させるかし、それによって流れが再開することを可能とする。
【0031】
上に詳述する適合例についてそうであったように、
図16に例示する適合例は
図2~15に例示する適合例のいずれの1つ又は複数とともに用いてもよい。
【0032】
加えて、これまでの実施形態がブラントカニューレに関して論じられている一方、上述の適合例のいくつかはまた、硬質針とともに用いてもよく、この針は金属でできていてもよく、針の第1の端部に作られた1つ又は複数のベベルによって画成された先端を有していてもよい。硬質針は、第1の端部と第2の端部の間の通路を画成する円筒壁を有していてもよく、第1の端部は、軸路と流体連通する開口部を有していてもよい。さらに、貯留部は硬質針の第2の端部に接続されていてもよい。
【0033】
詳しくは、
図11、12、及び14~16による適合例は、硬質針とともに用いてもよい。
【0034】
本開示による装置は従来の技術に対して1つ又は複数の長所を有し得、その長所のいずれの1つ又は複数もが特定の実施形態において、その実施形態に含まれる本開示の特徴に従って存在していてもよい、ということを理解されたい。詳しくは、ブラントカニューレの第1の端部の開口部が塞がったり詰まったりした場合、
図2~15に例示する実施形態のそれぞれは、代替的な薬品流路を提供し、それによってカニューレを通る流れの遮断の可能性を制限する。実施形態はまた、曝露される表面積を増加させ、組織を動かすのに必要な圧力閾値を低くする。
図16に例示する実施形態はカニューレを通る流れの遮断を制限する異なる技法を用い、振動がカニューレの端部から障害又は詰まりを取り除くか、カニューレの先端を閉塞構造(例えば、組織)から引き離すか、あるいは微小破壊された組織のポケットを作り出して圧力閾値がより低くなるよう表面積を増加させるかし、それによって流れが再開することを可能とする。本明細書に具体的に列記されない他の長所もまた同様に理解されたい。
【0035】
図17~20は、本開示による実施形態が提供するカニューレ又は針に流体を通すのに必要な圧力を低くする体系的手法がどのようして本技術の特定の適用において働くことができるかを例示する。詳しくは、本論述は着用可能な薬剤送達装置に関し、その装置は患者の皮膚に貼付されるものであり、カニューレ又は針を配置し、そのカニューレ又は針を通して流体を送達するための独自の機構(複数可)を含む。着用可能な薬剤送達装置(例えば、自動注入装置、注入器、又はマイクロ注入器)は、流体を患者に送達する圧力を高くする能力が概して限られているので、カニューレ又は針を通じて組織へ流体を通すのに必要な圧力の変動的上昇が、患者に送達される流体(例えば、薬剤)の量を予測不能に低減させることがあり、より高い圧力を提供するよう装置を設計することが必要となることがあるが、ただ、そのより高い圧力がいつも必要であるとは限らない。したがって、流体をカニューレ又は針を通して送達するのに必要な圧力を低くする体系的な手法は、より高い圧力を提供するようにかかる送達装置を設計する必要性を少なくするのみならず、特定の流体量を患者に一様に提供し、装置の信頼性を改善することを確実にする可能性がある。
【0036】
詳しくは、かかる着用可能装置における流体の流れに対する抵抗は、本明細書で「テンティング」と称する効果の結果として生じることがある。
図17に例示する通り、着用可能薬剤送達装置はハウジング200を、ハウジング200の外側表面204上に粘着剤層202を配置して有し、この粘着剤層202は、所定の実施形態に従って裏布201と粘着剤203とを含んでもよい。
図17参照のこと(
図19及び20には詳しく例示しないが、これらの図の粘着剤層202は
図17にもまた例示する通り画成してもよい)。詳しくは、粘着剤層202はハウジング200に接して配置され、但し、カニューレ又は針100の周りに配置される領域206は除く(このことは、例示する通り、
図2~5に例示する実施形態と同様である)。領域206は粘着剤無しと称することができ、粘着剤層202が裏布201及び粘着剤203の両方を含む実施形態に従えば、領域206は裏布と粘着剤の両方がないことになるが、やはり「粘着剤無し」と称す。
【0037】
例えば、領域206は、開口部208がハウジング200に形成されるという点で粘着剤無しであり得る。所定の実施形態では、カニューレ100が自由に通ることを依然可能とする限り、開口部208はできる限り小さくしてもよい。例えば、一実施形態では、開口部208は円形であり、カニューレ100の直径の2倍以下の直径を有する(この表現により、カニューレ又は硬質針が開口部208を通って着用可能装置及びカニューレ100を作動状態にして配置するように、開口部208はカニューレ100又は硬質針の直径より大きくなければならないということも理解されたい)。
【0038】
薬剤送達装置を付着させる皮膚210(及び関連皮下組織)はある程度の弾力性(この弾力性は人によって違っていてもよい)を有しているが、領域206の周りに配置される粘着剤層202は、皮膚表面212を境界214でハウジング200に対して実質的に固定して保持するように、装置(及び詳しくはハウジング200)を皮膚表面212に付着させる(
図18も参照のこと)。この境界214においてあるいはそれに沿っていくらかの動きがある場合があるが、それは実質的なものではない。結果として、カニューレ又は針100が、皮膚表面212の方に向けて薬剤送達装置の作動によって自動的に進められるか配置されるかするとき、皮膚表面212は固定境界214から伸び始める。さらに、カニューレ又は針100が皮膚210を通るに従い、カニューレ100の挿入は、カニューレ100と皮膚210の間の摩擦のために、皮膚組織210のひきずりを起こす。これにより、
図19で数字216によって例示する通り、「テンティング」作用がカニューレ又は針100の周りに起こる。
【0039】
話は少しだけそれるが、
図17~20のカニューレ100は、カニューレを皮膚に挿入するために用いる構造物であって、その後取り外して流体をカニューレに通すことを可能とする構造物の周りに配置されているところを例示されている、ということを理解されたい。(
図19と20を比較のこと)。この構造物は、導入針220と称してよく、本開示による全ての実施形態に存在する必要はない。しかしながら、所定の実施形態では、導入針220はカニューレ100に配置され、皮膚210中にカニューレ100を導入するように用いられ、その後それはカニューレ100から取り外される(
図20参照のこと)。
【0040】
図20に例示するように、カニューレ100は今、皮膚210に挿入されており、皮膚210の表面212は薬剤送達装置ハウジング200の外側表面204に平行する元の位置に、概ね、戻ろうとしているところにある。しかしながら、カニューレ100と皮膚組織210の間の摩擦により、組織が元の状態又は静止状態に完全に戻れなくなる。そのようにして、カニューレ100の先端に対する皮膚及び皮下組織の残留力は、カニューレ100の先端を通して流体を送達するのに必要な圧力を高くし、カニューレ100の先端を完全に閉塞させることにもなり得る。
【0041】
図2~15のカニューレ又は針の実施形態のいずれでも、流体を組織中に通すのに必要な圧力は、例えば、側面ポート等の導入を通して、流体に曝す組織の全体的な表面積を増加させることにより、低くすることができる。加えて、組織を振動させることにより、
図16の機構に従って、皮膚組織210の残留力のいくらかを放出させ、それによって圧力と閉塞の可能性とを低くすることができる。
図2~15の実施形態は、
図16の実施形態によって提供される振動と組み合わせて用いてもよく、あるいは、
図2~15及び16の実施形態を別々に用いてもよい。いずれの場合でも、本明細書で開示される実施形態は、カニューレ又は針が着用可能薬剤送達装置によって患者に自動的に導入又は配置される時に引き起こされる皮膚のテンティングに解決方法を提供し得ると思われる。また、粘着剤層202の開口部(開窓)208のサイズを減少させることによって、テンティング及び関連残留力の減少があると思われる。
【0042】
また上述の通り、貯留部52は、薬剤又は医薬品で満たしてもよい。例えば、貯留部は、G-CSF等、コロニー刺激因子で満たしてもよい。かかるG-CSF剤としては、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられるがそれに限定されない。
【0043】
種々の他の実施形態では、薬剤送達装置は、種々の医薬品とともに用いることができ、かかる使用は、G-CSFについて上に記載されているのと同じ条件で行っても行わなくてもよい。これらの薬品としては、例えば、赤血球生成促進剤(ESA)が挙げられ、それは液体形式でも凍結乾燥形式でもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ等、赤血球生成を刺激する分子、並びに次の特許又は特許出願に開示される分子又はその変異体若しくは類似体であり、これら文献のそれぞれはその全体が参照によって本明細書に援用されるものとする:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,986,047号;第6,583,272号;第7,084,245号;及び第7,271,689号;並びに国際公開第91/05867号;第95/05465号;第96/40772号;第00/24893号;第01/81405号;及び第2007/136752号。
【0044】
ESAは赤血球生成促進タンパク質であり得る。本明細書で使用される場合、「赤血球生成促進タンパク質」は、例えば、エリスロポエチン受容体に結合してその二量体化を起こすことによって、その受容体の活性化を直接的又は間接的に起こすタンパク質を意味する。赤血球生成促進タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合してそれを活性化させるエリスロポエチンとその変異体、類似体、又は誘導体;エリスロポエチン受容に結合してその受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容に結合してそれを活性化させるペプチド、が挙げられる。赤血球生成促進タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、擬態性ペプチド(EMP1/ヘマタイドを含む)、及び擬態性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。適例な赤血球生成促進タンパク質としては、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及び、エリスロポエチン受容体に結合してそれを活性化させるペプチド又は抗体(及び、米国特許出願公開第2003/0215444号と第2006/0040858号に報告される化合物が挙げられ、それら文献のそれぞれの開示はその全体が参照によって本明細書に援用されるものとする)、並びに次の特許又は特許出願に開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられ、これら文献のそれぞれはその全体が参照によって本明細書に援用されるものとする:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,830,851号;第5,856,298号;第5,986,047号;第6,030,086号;第6,310,078号;第6,391,633号;第6,583,272号;第6,586,398号;第6,900,292号;第6,750,369号;第7,030,226号;第7,084,245号;及び第7,217,689号;米国特許出願公開第2002/0155998号;第2003/0077753号;第2003/0082749号;第2003/0143202号;第2004/0009902号;第2004/0071694号;第2004/0091961号;第2004/0143857号;第2004/0157293号;第2004/0175379号;第2004/0175824号;第2004/0229318号;第2004/0248815号;第2004/0266690号;第2005/0019914号;第2005/0026834号;第2005/0096461号;第2005/0107297号;第2005/0107591号;第2005/0124045号;第2005/0124564号;第2005/0137329号;第2005/0142642号;第2005/0143292号;第2005/0153879号;第2005/0158822号;第2005/0158832号;第2005/0170457号;第2005/0181359号;第2005/0181482号;第2005/0192211号;第2005/0202538号;第2005/0227289号;第2005/0244409号;第2006/0088906号;及び第2006/0111279号;並びに国際公開第91/05867号;国際公開第95/05465号;国際公開第99/66054号;国際公開第00/24893号;国際公開第01/81405号;国際公開第00/61637号;国際公開第01/36489号;国際公開第02/014356号;国際公開第02/19963号;国際公開第02/20034号;国際公開第02/49673号;国際公開第02/085940号;国際公開第03/029291号;国際公開第2003/055526号;国際公開第2003/084477号;国際公開第2003/094858号;国際公開第2004/002417号;国際公開第2004/002424号;国際公開第2004/009627号;国際公開第2004/024761号;国際公開第2004/033651号;国際公開第2004/035603号;国際公開第2004/043382号;国際公開第2004/101600号;国際公開第2004/101606号;国際公開第2004/101611号;国際公開第2004/106373号;国際公開第2004/018667号;国際公開第2005/001025号;国際公開第2005/001136号;国際公開第2005/021579号;国際公開第2005/025606号;国際公開第2005/032460号;国際公開第2005/051327号;国際公開第2005/063808号;国際公開第2005/063809号;国際公開第2005/070451号;国際公開第2005/081687号;国際公開第2005/084711号;国際公開第2005/103076号;国際公開第2005/100403号;国際公開第2005/092369号;国際公開第2006/50959号;国際公開第2006/02646号;及び国際公開第2006/29094号。
【0045】
装置とともに用いられる他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)、及びProlia(商標)(デノサマブ)等の抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルガストリム(filgastrim)、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)等の他の生物剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)等の小分子薬剤が挙げられるが、これに限定されない。装置はまた、治療抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は、鉄等の他の化学薬品、例えばフェルモキシトール、鉄デキストラン、フェリックグリコネート(ferric glyconate)、及び鉄スクロースとともに用いてもよい。医薬品は液体形式であってもよく、凍結乾燥形式から再構成されていてもよい。
【0046】
特定の例示的なタンパク質としては、下に述べる具体的なタンパク質があり、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体が含まれる:
【0047】
OPGL特異的抗体、ペプチボディ(peptibodies)、及び関連タンパク質等(RANKL特異的抗体、ペプチボディ等とも称す)、例えば、完全ヒト化抗体およびヒトOPGL特異的抗体、特に完全ヒト化モノクローナル抗体、例えば、限定するものではないが、国際公開第03/002713号に記載される抗体であって、この文献はその全体が、OPGL特異的抗体及び抗体関連タンパク質、特に、この文献中に示される配列、特に、限定するものではないが、この文献中に示される配列:9H7;18B2;2D8;2E11;16E1;および22B3を有するもの、例えば、この文献の
図2に示される配列番号2の軽鎖および/または
図4に示される配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異的抗体、に関して本明細書に援用されるものとし、この配列のそれぞれはその全体が上記公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、OPGL特異的抗体、ペプチボディ(peptibodies)、及び関連タンパク質等;
【0048】
ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、ミオスタチン特異的ペプチボディ、特に、米国特許出願公開第2004/0181033号及び国際公開第2004/058988号に記載されるものであって、この文献はその全体が特に以下に関する部分において参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、ミオスタチン特異的ペプチボディ、例えば、限定するものではないが、mTN8-19ファミリーのペプチボディ、例えば、TN8-19-1からTN8-19-40とTN8-19con1、TN8-19con2を含む配列番号305~351のもの;配列番号357-383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384-409のmL15ファミリー;配列番号410-438のmL17ファミリー;配列番号439-446のmL20ファミリー;配列番号447-452のmL21ファミリー;配列番号453-454のmL24ファミリー;及び配列番号615-631のものであり、この配列のそれぞれは上記公報に開示されるとおり十分にその全体が参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0049】
IL-4受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特に、IL-4及び/又はIL-13が受容体に結合することによって媒介される活性を阻害するもの、例えば、国際公開第2005/047331号又は国際出願第PCT/US2004/03742号、及び米国特許出願公開第2005/112694号に記載されるものであって、これら文献はその全体が特に以下に関する部分において参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、IL-4受容体特異的抗体、特にその文献に記載される抗体、特に、その文献に指定されるもの:L1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1で但しこれに限定されないものであり、この抗体のそれぞれはその全体が上記公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、IL-4受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0050】
インターロイキン1受容体1(「IL1-R1」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、限定するものではないが、米国特許出願公開第2004/097712(A1)号に記載されるものであって、その文献はその全体が参照により以下に関する部分において本明細書に援用されものとし、以下とは、IL1-R1特異的結合タンパク質、特にモノクローナル抗体、特に、その文献に指定されるもの:15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7で但しこれに限定されないものであり、そのそれぞれはその全体が上記米国公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に援用されるものとする、インターロイキン1受容体1(「IL1-R1」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0051】
Ang2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、限定するものではないが、国際公開第03/057134号及び米国特許出願公開第2003/0229023号に記載されるものであって、それら文献のそれぞれはその全体が特に以下に関する部分において参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、Ang2特異的抗体及びペプチボディ等、特に上述の文献に記載される配列のもので、例えば、限定するものではないが、L1(N);L1(N)WT;L1(N)1KWT;2xL1(N);2xL1(N)WT;Con4(N)、Con4(N)1KWT、2xCon4(N)1K;L1C;L1C1K;2xL1C;Con4C;Con4C1K;2xCon4C1K;Con4-L1(N);Con4-L1C;TN-12-9(N);C17(N);TN8-8(N);TN8-14(N);Con1(N)であり、また、国際公開第2003/030833号に記載されるような抗Ang2抗体及び製剤であって、この文献はその全体がAng2特異的抗体及びペプチボディ等、特に以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、Ab526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;AbFE;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;andAblPであり、その文献に記載される種々の順列におけるものであり、このそれぞれはその全体が上記公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、Ang2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0052】
NGF特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、限定するものではないが、特に米国特許出願公開第2005/0074821号及び米国特許第6,919,426号に記載されるものであって、それら文献はその全体が特に以下に関する部分において参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、NGF特異的抗体及びこの点における関連タンパク質、例えば、限定するものではないが、特にその文献において4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11と指定されるNGF特異的抗体であり、これらのそれぞれはその全体が上記公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、NGF特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0053】
CD22特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、米国特許第5,789,554号に記載されるもの等であって、この文献はその全体が以下に関する部分において参照により本明細書に援用されるものとし、以下とはCD22特異的抗体及び関連タンパク質、特にヒトCD22特異的抗体、例えば、限定するものではないが、ヒト化及び完全ヒト抗体、例えば、限定するものではないがヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体、特に、例えば、限定するものではないが、ヒトCD22特異的IgG抗体、例えば、例として、ヒト-マウス・モノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウス・モノクローナルhLL2γ鎖ジスルフィドの二量体、例えば、限定するものではないが、Epratuzumab、CAS登録番号501423-23-0のヒトCD22特異的完全ヒト抗体である、CD22特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0054】
IGF-1受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等であって、国際公開第06/069202号に記載されるもの等であり、その文献はその全体が以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、IGF-1受容体特異的抗体及び関連タンパク質であり、例えば、限定するものではないが、その文献で以下と指定されるIGF-1特異的抗体が挙げられ、以下とは、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びそのIGF-1R-結合断片及び誘導体であり、これらのそれぞれはその全体が上記国際公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、IGF-1受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0055】
また、本発明の方法及び組成物に用いられる抗IGF-1R抗体の非限定的な例の中には次に記載されるもののそれぞれ及び全てが挙げられる:
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号(2006年2月23日公開)、第2005/0008642号(2005年1月13日公開)、第2004/0228859号(2004年11月18日公開)であって、例えば、限定するものではないが、抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC2588)及び抗体18を例として記載する、それら文献;
(ii)国際公開第06/138729号(2006年12月28日公開)及び第05/016970号(2005年2月24日公開)、及びLu et al.,2004,J Biol.Chem.279:2856-65であって、例えば、抗体2F8、A12、及びIMC-A12を記載する、それら文献;
(iii)国際公開第07/012614号(2007年2月1日公開)、第07/000328号(2007年1月4日公開)、第06/013472号(2006年2月9日公開)、第05/058967号(2005年6月30日公開)、及び第03/059951号(2003年7月24日公開);
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号(2005年4月21日公開)であって、例えば、限定するものではないが、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを記載する、その文献;
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号(2005年11月10日公開)、第2005/0186203号(2005年8月25日公開)、第2004/0265307号(2004年12月30日公開)、及び第2003/0235582号(2003年12月25日公開)、及びMaloney et al.,2003,Cancer Res.63:5073-83であって、例えば、抗体EM164、表面再構成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164v1.0、huEM164v1.1、huEM164v1.2、及びhuEM164v1.3に限定しないがこれらを記載する、それら文献;
(vi)米国特許第7、037、498号(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号(2005年11月30日公開)、及び第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、及びCohen,et al.,2005,Clinical Cancer Res.11:2063-73、例えば、抗体CP-751,871、例えば、限定するものではないが、ATCC寄託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマによって産生される抗体、並びに抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3、のそれぞれを記載する、それら文献;
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号(2005年6月23日公開)及び第2004/0018191号(2004年1月29日公開)であって、例えば、限定するものではないが、抗体19D12、及び、番号PTA-5214の下ATCCに寄託される、プラスミド15H12/19D12HCA(γ4)中でポリヌクレオチドによってコードされる重鎖と、番号PTA-5220の下ATCCに寄託される、プラスミド15H12/19D12LCF(κ)中でポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖とを含む抗体、を記載する、それら文献;及び
(viii)米国特許出願公開第2004/0202655号(2004年10月14日公開)であって、例えば、限定するものではないが、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を記載する、その文献であり;これらのそれぞれ及び全てはその全体が特に以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、その以下とは、IGF-1受容体を標的とする上述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等である、文献;
【0056】
B-7関連タンパク質1特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」は文献でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称す)であって、特に、B7RP特異的完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特に、B7RP-1の第1免疫グロブリン様ドメインにおいてエピトープに結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特に、B7RP-1の天然の受容体であるICOSを特に活性T細胞にもったB7RP-1の相互作用を阻害するもの、特に、上述の全てに関して、米国特許出願公開第2008/0166352号及び国際公開第07/011941号に開示されるものであり、これら文献はその全体が以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、その以下とは、抗体及び関連タンパク質、例えば、限定するものではないが、それら文献に指定される次の通りの抗体:16H(それら文献で、それぞれ配列番号1及び配列番号7の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する);5D(それら文献で、それぞれ配列番号2及び配列番号9の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する);2H(それら文献で、それぞれ配列番号3及び配列番号10の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する);43H(それら文献で、それぞれ配列番号6及び配列番号14の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する);41H(それら文献で、それぞれ配列番号5及び配列番号13の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する);及び15H(それら文献で、それぞれ配列番号4及び配列番号12の軽鎖可変配列及び重鎖可変配列を有する)の通りであり、これらのそれぞれはその全体が上記米国公報に開示されるとおり十分に参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、B-7関連タンパク質1特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;
【0057】
IL-15特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、例えば、ヒト化モノクローナル抗体、特に、米国特許出願公開第2003/0138421号;第2003/023586号;及び第2004/0071702号;及び米国特許第7,153,507号に開示されるもの等の抗体であって、これら文献のそれぞれはその全体が以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、IL-15特異的抗体及び関連タンパク質、例えば、ペプチボディ、例えば特に、例として、限定するものではないが、HuMaxIL-15抗体及び関連タンパク質、例えば、146B7等である、IL-15特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0058】
IFNγ特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特に、ヒトIFNγ特異的抗体、特に、例として、米国特許出願公開第2005/0004353号に記載されるもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体であって、その文献はその全体が以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、その以下とは、IFNγ特異的抗体、特に、例えば、その文献において1118;1118*;1119;1121;及び1121*と指定される抗体である、IFNγ特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等。これらの抗体のそれぞれの重鎖及び軽鎖の配列全体、並びに、それら抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域及び相補性決定領域はそれぞれ、上記米国広報及びThakur et al.,Mol.Immunol.36:1107-1115(1999)において開示される通り十分にその全体が参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする。加えて、上記米国公報に提供されるこれらの抗体の特性の記載もその全体が参照により本明細書に援用されるものとする。具体的な抗体としては、上記米国公報に開示されるように、配列番号17の重鎖と配列番号18の軽鎖を有するもの;配列番号6の重鎖可変領域と配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号19の重鎖と配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号10の重鎖可変領域と配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号32の重鎖と配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号30の重鎖可変領域と配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖配列と配列番号22の軽鎖配列を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域と配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖配列と配列番号33の軽鎖配列を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域と配列番号31の軽鎖可変領域を有するもの、が挙げられる。考えられる具体的な抗体としては、上記米国公報に開示され、その文献に開示される配列番号17の完全重鎖を有し、その文献に開示される配列番号18の完全軽鎖を有する抗体1119が挙げられる;
【0059】
TALL-1特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、及び、米国特許出願公開第2003/0195156号及び第2006/0135431号に開示されるもの等の他のTALL特異的結合タンパク質であって、これら文献のそれぞれはその全体が以下に関して参照により本明細書に援用されるものとし、以下とは、TALL-1結合タンパク質、特に、表4及び5Bの分子であり、それらのそれぞれは上記米国公報に開示されるとおり十分にその全体が参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用されるものとする、TALL-1特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、及び他のTALL特異的結合タンパク質;
【0060】
副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、米国特許第6,756,480号に開示されるもの等であって、その文献はその全体が、PTHに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0061】
トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、米国特許第6,835,809号に開示されるもの等であって、その文献はその全体が、TPO-Rに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0062】
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等であって、例えば、米国特許出願公開第2005/0118643号及び国際公開第2005/017107号に記載される肝細胞増殖因子/散乱因子(HGF/SF)、米国特許第7,220,410号に記載されるhuL2G7、及び、米国特許第5,686,292号及び第6,468,529号及び国際公開第96/38557号に記載されるOA-5d5、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものであり、それら文献のそれぞれはその全体がHGFに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0063】
TRAIL-R2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、米国特許第7,521,048号に記載されるもの等であって、その文献はその全体が、TRAIL-R2に結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、TRAIL-R2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;
【0064】
アクチビンA特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、例えば、限定するものではないが、米国特許出願公開第2009/0234106号に記載されるもで、その文献はその全体が、アクチビンAに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、アクチビンA特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;
【0065】
TGFβ特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、例えば、限定するものではないが、米国特許第6,803,453号及び米国特許出願公開第2007/0110747号に記載されるもで、それら文献のそれぞれはその全体が、TGFβに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、TGFβ特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;
【0066】
アミロイドβタンパク質特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、例えば、限定するものではないが、国際公開第2006/081171号に記載されるもで、その文献はその全体が、アミロイドβタンパク質に結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、アミロイドβタンパク質特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。考えられるひとつの抗体としては、国際公開に開示される、配列番号8を含む重鎖可変領域と、配列番号6を有する軽鎖可変領域とを有する抗体が挙げられる;
【0067】
c-Kit特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、例えば、限定するものではないが、米国特許出願公開第2007/0253951号に記載されるもで、その文献はその全体が、c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体に結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、c-Kit特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;
【0068】
OX40L特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、例えば、限定するものではないが、米国特許出願第11/068,289号に記載されるもで、その文献はその全体が、OX40L及び/又は、OX40受容体の他のリガンドに結合するタンパク質に関する部分において特に、参照により本明細書に援用されるものとする、OX40L特異的抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;及び
【0069】
他の適例なタンパク質としては、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα);Epogen(登録商標)(エポエチンα、orエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロンβ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンδ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF阻害薬);Eprex(登録商標)(エポエチンα);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);溶液中インスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;組換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム(sargamostim)、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタット(lymphostat)B、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PAanalog);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴール、CDP870);Soliris(商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗C5補体);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ(lerdelimumab));TheraCimhR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Neulasta(登録商標)(ペグ化フィルガストリム(filgastrim)、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);OrthocloneOKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンα);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GPlIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンα-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7、153、507号参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗B.アントラシス感染防御抗原mAb);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1トラップ(ヒトIgG1のFc部分と、両方のIL-1受容体成分の細胞外ドメイン(受容体タイプI及び受容体アクセサリータンパク質));VEGFトラップ(IgG1Fcに融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチミブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル毒素A及び毒素BC mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ(adecatumumab);抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMaxCD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第I相フィブロゲン(Fibrogen)(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMaxHepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001);抗PD1 mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;及びNVS抗体#2、が挙げられる。
【0070】
また、ロモソズマブ(romosozumab)、ブロソズマブ(blosozumab)、又はBPS804(Novartis)等のスクレロスチン抗体も挙げられるが、これらに限定されない。さらに、リロツムマブ(rilotumumab)、ビキサロマー、トレバナニブ(trebananib)、ガニツマブ(ganitumab)、コナツムマブ(conatumumab)、二リン酸モテサニブ(motesanib diphosphate)、ブロダルマブ(brodalumab)、ヴィデュピプラント(vidupiprant)、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、又はXGEVA等の治療剤も挙げられる。加えて、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシ9型(PCSK9)、例えば、米国特許第8,030,547号、米国特許出願第13/469,032号、国際公開第2008/057457号、国際公開第2008/057458号、国際公開第2008/057459号、国際公開第2008/063382号、国際公開第2008/133647号、国際公開第2009/100297号、国際公開第2009/100318号、国際公開第2011/037791号、国際公開第2011/053759号、国際公開第2011/053783号、国際公開第2008/125623号、国際公開第2011/072263号、国際公開第2009/055783号、国際公開第2012/0544438号、国際公開第2010/029513号、国際公開第2011/111007号、国際公開第2010/077854号、国際公開第2012/088313号、国際公開第2012/101251号、国際公開第2012/101252号、国際公開第2012/101253号、国際公開第2012/109530号、及び国際公開第2001/031007に結合するモノクローナル抗体(IgG)も、装置に含ませることができる。
【0071】
以上の本文は本発明の様々な実施形態の詳細な説明を記しているけれども、本発明の法的な範囲は、本特許の末尾に述べられる請求項の文言によって定義されることを理解されたい。可能なあらゆる実施形態を記載することは不可能ではないにしても実際的ではないと考えられるため、本詳細な説明は、例示であるとのみ解釈されるものとし、本発明の可能なあらゆる実施形態を説明しているとは限らない。現行の技術又は本発明の出願日以降に開発される技術のいずれかを用いて多くの代替的な実施形態が実行できると考えられ、それらもやはり、本発明を規定する請求項の範囲内に入ると考えられる。
【0072】
また、用語が「本明細書で使用される場合、用語「 」は…を意味すると本明細書によって定義される」という文又は同様の文を用いて本発明において明示的に定義されていなければ、その用語の意味を明示的にも暗示的にも、その普通又は通常の意味を超えて限定する意図はなく、かかる用語は、本発明のいずれの部分(請求項の用語以外)においてなされるどのような記述に基づいても範囲を限定されると解釈されるものではないと、理解されたい。本発明の末尾の請求項に記述するどのような用語も、本発明中で一貫して単一の意味をもって使用するその程度は、それを、読者を混乱させないように明確化のためだけに行うものであり、かかる請求項用語を暗示的にもそれ以外にも、その単一の意味に限定することは意図しない。最後になるが、請求項の要素が「手段」という語を記述することによって定義されておらず、機能が構造の記述なく定義されているのでなければ、いかなる請求項の要素の範囲も米国特許法第112条6段の適用に基づいて解釈することを意図しない。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置であって、
開口部を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して移動するように構成されているブラントカニューレと、
貯留部とを含み、前記ブラントカニューレは、
その第1の端部と第2の端部との間の軸路を画成する円筒壁であって、前記第1の端部に少なくとも第1のテーパー領域を有する、円筒壁と、
流体の流れの遮断に抵抗するための、前記円筒壁の前記第1の端部によって画成されている凹設領域と、を含み、
前記ブラントカニューレは、最初は前記ハウジング内に配置されており、その後、作動状態において、患者の皮膚に挿入するために、前記ハウジングの前記開口部を通して少なくとも部分的に配置されており、
前記ブラントカニューレの前記円筒壁の第2の端部は、直接に針を介して前記貯留部に流体連通するように接続され、または接続されるように構成されている、薬物送達装置。
【請求項2】
前記凹設領域は、互いに交差する2つの反対向き又は逆ベベルを含む、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項3】
前記凹設領域が複数の開口部を含む、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項4】
前記複数の開口部は、少なくとも部分的に、城郭状部分によって画成される、請求項3に記載の薬物送達装置。
【請求項5】
前記複数の開口部は、前記円筒壁の前記第1の端部に画成された複数の凹部を含む、請求項3に記載の薬物送達装置。
【請求項6】
前記複数の開口部は、前記円筒壁の前記第1の端部の周りに規則的かつ周期的なパターンまたは不規則なパターンで配置される、請求項3~5のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項7】
前記凹設領域は、(a)前記円筒壁の外側表面に形成された複数の溝、(b)前記円筒壁の外側表面に形成された複数の畝、または(c)前記円筒壁の外側表面に形成された少なくとも1つの溝と少なくとも1つの畝との組み合わせを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項8】
前記円筒壁は、前記軸路と流体連通する軸開口部をその第1端部に画成し、前記凹設領域は、前記軸開口部に隣接する前記円筒壁の前記第1端部によって画成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項9】
前記円筒壁の前記第1の端部がキャップされ、前記複数の開口部が、前記円筒壁内に複数の窓を画成する、請求項3~5のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項10】
前記円筒壁に形成された少なくとも1つの側面ポートをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項11】
前記少なくとも側面ポートは、一対の側面ポートを含む、請求項10に記載の薬物送達装置。
【請求項12】
前記一対の側面ポートは、前記軸路を横切る方向に互いに位置が向かい合っている、請求項11に記載の薬物送達装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの側面ポートは、円形開口部、細長いスリット、または軸路を横断する流れを可能にするために円筒壁に形成された細長いスロットのうちの少なくとも1つを含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの側面ポートは、前記第1のテーパー領域から遠位に形成される、請求項10~13のいずれか一項に記載の薬物送達装置。
【請求項15】
貯留部を画成するように外筒と前記外筒内に配置されたプランジャーとを有する、自動注入装置、マイクロ注入器、又は注入ポンプをさらに含む、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項16】
前記ハウジングの前記開口部は、ブラントカニューレの直径の2倍よりも小さい直径を有する、請求項15に記載の薬物送達装置。
【請求項17】
前記ブラントカニューレに連結された振動発生器をさらに含み、前記振動発生器は、前記軸路を通って前記ブラントカニューレの前記第1の端部から出る流体の流れの遮断に抵抗するように作動される、請求項15~16のいずれか一項に記載の薬物送達装置。