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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040192
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】ベッドサイドにおける薬剤管理
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/00 20060101AFI20230314BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230314BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61J7/00 Z
E05B49/00 S
E05B49/00 J
E05B49/00 K
A61J3/00 310K
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002052
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2020123732の分割
【原出願日】2015-12-04
(31)【優先権主張番号】62/088,503
(32)【優先日】2014-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラトーラカ、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ララビー、ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ウテック、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ウランカール、ジテンドラ
(72)【発明者】
【氏名】エルドレッジ、ガイ
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスケラ、マリア
(57)【要約】
【課題】医療環境においてセキュリティが確保された薬剤を調剤するためのモジュラー自動調剤システムを提供すること。
【解決手段】システムは、医療処置エリア内に配置され、貴重な床スペースを占有しないように構成されたコンパクトエンクロージャを含む。システムは、薬剤又は医療品を保管し調剤するための1つ以上のコンパートメントを有するロック可能な引き出しを含む。システムは、それに直接内部又は外部接続されているか、医療センターネットワークを介してネットワーク接続されているアクセス制限インターフェースを用いてアンロックされる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤ディスペンシングシステムであって、前記薬剤ディスペンシングシステムは、
エンクロージャハウジングと;
前記エンクロージャハウジングの中にスライド可能に囲まれている1つ以上の引き出しと;
前記エンクロージャハウジングの中に前記引き出しを固定するように構成された引き出しロックアセンブリと;
プロセッサと;
生体認証入力装置であって、前記生体認証入力装置は、前記エンクロージャハウジングの表面の内部に少なくとも部分的に配置されており、前記エンクロージャハウジングの表面の下方に埋め込まれており、前記エンクロージャハウジングの前記表面において生体認証入力を受け取るようになっている、生体認証入力装置と
を備え、
前記生体認証入力装置は、前記プロセッサに操作可能に接続されており、
前記プロセッサは、前記生体認証入力装置から前記生体認証入力を受け取ると、
前記生体認証入力に関連付けられるユーザーの認証を行うように構成されており;また、
前記ユーザーの認証に基づいて、前記引き出しロックアセンブリを活性化し、前記引き出しをアンロックし、前記引き出しへのアクセスを与えるように構成されている、薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、表示装置がユーザーインターフェースを表示することを引き起こすように構成されており、前記ユーザーインターフェースは、認証が行われたときに、前記ユーザーが前記1つ以上の引き出しの中に保管されている在庫を見ること、および、1つ以上の薬剤調剤の指示を出すための1つ以上の調剤キューを設定することを可能にするように構成されており、
前記それぞれの薬剤が前記薬剤ディスペンシングシステムから取り出されたとき、それぞれの薬剤を含むそれぞれの調剤キューが消去される、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項3】
前記薬剤ディスペンシングシステムは、前記表示装置をさらに備え、前記表示装置は、前記生体認証入力装置の場所に隣接して、前記エンクロージャハウジングに接続されている、請求項2に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記薬剤ディスペンシングシステムから遠隔にあるモバイル機器を備え、前記ユーザーは、前記モバイル機器に提供されるログイン情報を介して前記ユーザーインターフェースを使用するように認証される、請求項2に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記生体認証入力に基づいて、前記ユーザーインターフェースを使用するために前記ユーザーの認証を行うようにさらに構成されている、請求項2に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の引き出しのそれぞれの引き出しは、前記引き出しの中に収容された複数の蓋付きのコンパートメントを備え、それぞれの蓋付きのコンパートメントは、1つ以上のアイテムを保管し、前記1つ以上のアイテムをアクセスから保護するように構成されており、また、前記ユーザーの前記認証が前記蓋付きのコンパートメントに関連付けられるときに、前記1つ以上のアイテムへのアクセスを与えるように構成されている、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記薬剤ディスペンシングシステムに関連付けられるユーザーインターフェースにアクセスするために前記ユーザーの認証を行うようにさらに構成されており;
前記ユーザーインターフェースから、要求された薬剤の指示を受け取るようにさらに構成されており;
前記要求された薬剤へのアクセスを得ることを許可されているかどうかを確認するようにさらに構成されており;
前記ユーザーが前記要求された薬剤へのアクセスを有することを確認されたときにのみ、前記要求された薬剤を保管している蓋付きのコンパートメントへのアクセスを与えるようにさらに構成されている、請求項6に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項8】
前記薬剤ディスペンシングシステムは、複数の水平方向に整合された引き出しをさらに備え、
それぞれの引き出しは、1つ以上のアイテムを保管するように構成されており、また、前記1つ以上のアイテムをアクセスから保護するように構成されており、また、前記ユーザーの前記認証が前記1つ以上のアイテムに関連付けられるときに、前記1つ以上のアイテムへのアクセスを与えるように構成されている、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記薬剤ディスペンシングシステムから遠隔にあるモバイル機器からの許可信号を受け取るようにさらに構成されており、前記引き出しロックアセンブリは、前記許可信号に基づいて活性化され、前記引き出しをアンロックし、前記引き出しへのアクセスを与える、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項10】
前記生体認証入力装置は、指紋スキャナを備え、前記プロセッサは、前記指紋スキャナによって得られた指紋スキャンを、データベースの中に保管されている生体認証情報に対して確認するようにさらに構成されている、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項11】
前記薬剤ディスペンシングシステムは、前記生体認証入力装置が操作できない場合に前記1つ以上の引き出しへのアクセスを与えるように構成されたキーロックアセンブリをさらに備える、請求項10に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項12】
前記薬剤ディスペンシングシステムは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントをさらに備え、前記第1のコンパートメントは、個別のコンパートメントロックを有しておらず、前記1つ以上の引き出しのそれぞれの引き出しをスライドさせて開くとアクセス可能なコンパートメント内部を有しており、第2のコンパートメントは、前記第2のコンパートメントのみに接続されている個別にロック可能なコンパートメント蓋を有しており、前記それぞれの引き出しを最初に開くときにアクセス可能でないコンパートメント内部を有している、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項13】
前記薬剤ディスペンシングシステムは、許可されたユーザーのモバイル機器から認証を受け取ると前記引き出しロックアセンブリをアンロックするように構成されたネットワークインターフェースをさらに備える、請求項1に記載の薬剤ディスペンシングシステム。
【請求項14】
薬剤をディスペンスするための方法であって、前記方法は、
生体認証入力装置によって生体認証入力を受け取るステップであって、前記生体認証入力装置は、薬剤調剤キャビネットの表面の内部に少なくとも部分的に配置されており、前記薬剤調剤キャビネットの表面の下方に埋め込まれており、前記生体認証入力装置は、前記薬剤調剤キャビネットの前記表面において前記生体認証入力を受け取るように構成されている、ステップと;
前記生体認証入力装置から前記生体認証入力を受け取ると、プロセッサによって、
前記生体認証入力に関連付けられるユーザーの認証を行うステップと;
前記ユーザーの認証を行うことに基づいて、引き出しロックアセンブリを活性化し、前記薬剤調剤キャビネットの中のスライド可能な引き出しをアンロックし、前記スライド可能な引き出しへのアクセスを与えるステップであって、前記スライド可能な引き出しは、前記ユーザーの認証が行われるまでロックされている、ステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記方法は、表示装置がユーザーインターフェースを表示することを引き起こすステップであって、前記ユーザーインターフェースは、認証が行われたときに、前記ユーザーが前記引き出しの中に保管されている在庫を見ること、および、1つ以上の薬剤調剤の指示を出すための1つ以上の調剤キューを設定することを可能にするように構成されている、ステップをさらに含み、
前記それぞれの薬剤が前記薬剤ディスペンシングシステムから取り出されたとき、それぞれの薬剤を含むそれぞれの調剤キューが消去される、請求項14に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【請求項16】
前記表示装置は、前記薬剤ディスペンシングシステムから遠隔にあるモバイル機器を備え、前記方法は、前記モバイル機器に提供されるログイン情報を介して前記ユーザーインターフェースを使用するために前記ユーザーの認証を行うステップをさらに含む、請求項15に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【請求項17】
前記方法は、前記生体認証入力に基づいて、前記ユーザーインターフェースを使用するために前記ユーザーの認証を行うステップをさらに含む、請求項15に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記薬剤ディスペンシングシステムに関連付けられるユーザーインターフェースにアクセスするために前記ユーザーの認証を行うステップと;
前記ユーザーインターフェースから、要求された薬剤の指示を受け取るステップと;
前記要求された薬剤へのアクセスを得ることを許可されているかどうかを確認するステップと;
前記ユーザーが前記要求された薬剤へのアクセスを有することを確認されたときにのみ、前記要求された薬剤を保管している蓋付きのコンパートメントへのアクセスを与えるステップと
をさらに含む、請求項14に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【請求項19】
前記方法は、前記薬剤ディスペンシングシステムから遠隔にあるモバイル機器からの許可信号を受け取るステップであって、前記引き出しロックアセンブリは、前記許可信号に基づいて活性化され、前記引き出しをアンロックし、前記引き出しへのアクセスを与える、ステップをさらに含む、請求項14に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【請求項20】
前記生体認証入力装置は、指紋スキャナを備え、前記方法は、前記指紋スキャナによって得られた指紋スキャンを、データベースの中に保管されている生体認証情報に対して確認するステップをさらに含む、請求項14に記載の薬剤をディスペンスするための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2014年12月5日付で出願された米国仮出願第62/088,503号の利益を主張する。
【0002】
老齢や病気、事故で入院した患者は、普段、満足できないケアを受けている。不満は、薬剤の要求の対応が時宜を得ないときにも生じうる。患者の要求が応えられることなく数時間が経過してしまうこともある。多くの場合、そのような時宜を得ない対応は、薬剤の調剤及び投与を含む、入院した個人の日々のケアに関連した多くの仕事により介護者にかかる過度の負担が原因である。
【0003】
介護者は、薬剤を調剤・投与するために、集中在庫システムを使用する。このシステムでは、薬剤は、集中エリアに保管する。必要薬剤及び任意薬剤のいずれも、集中在庫から可動カートへ取り出されることで、各患者に調剤・投与される。場合により、介護者は、定められたスケジュールに従って必要薬剤を患者に投与し、患者の要求を受けると任意薬剤を与える。任意薬剤としては、必要に応じた(PRN)薬剤がしばしば挙げられる。PRN薬剤は、スケジュールに無い投薬分の処方薬剤を指し、その投与は介護者に一任されるか患者の権利である。PRNは、症状(例えば、痛み/高熱、便秘、不眠、不安、吐き気/嘔吐)を治療するために使用される薬剤として、処方の指示にしばしば追加される。ほとんどの場合、PRN薬剤は、パラセタモール(タイレノール(登録商標))やヒドロコドン(バイコディン(登録商標))等の鎮痛剤、コロキシル等の下剤、ゾルピデム(アンビエン(登録商標))やロラゼパム(アチバン(登録商標))等の睡眠補助剤(鎮静剤)、オンダンセトロンやジメンヒドリナート(グラボル(登録商標))等の制吐剤である。これらの薬剤には、患者が病院又はケア施設に入所していなければ直ちに利用できる店頭販売の薬も含まれうる。
【0004】
患者が任意薬剤の取得を要求すると、介護者は集中在庫から薬剤を入手し、任意薬剤を投与するために患者の元へと戻る。多くの場合、患者は必要薬剤の投与中に任意薬剤を要求し、この時、介護者は必要薬剤を調剤・投与するために各病室を回っている。PRN薬剤等の任意薬剤が要求された場合、介護者は、病室を出て集中在庫から任意薬剤を入手し、薬剤を投与するために病室へと戻る。任意薬剤の投与後、介護者は必要薬剤を投与するため次の患者へと向かい、この患者もまた任意薬剤を要求する可能性がある。そして、介護者は、要求された任意薬剤を入手するために再び集中在庫へと戻り、投与のために患者の元へと戻る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、薬剤を調剤するための方法及びシステムを提供する。この方法及びシステムでは、個々の病室内又は近くに配置された固定調剤装置が薬剤を調剤する。可動調剤装置がその他の薬剤を調剤してもよい。固定調剤装置は、任意薬剤及び/又は必要薬剤を調剤してもよく、要求された薬剤の受け取りの遅延時間を短縮することで入院患者の満足度を向上させる。また、これらの方法及びシステムは、介護者が患者のために薬剤を入手しようと集中保管所へ戻らなければならない回数を削減できる。更に、これらの方法及びシステムは、介護者が患者に薬剤を投与する効率的な方法を提供しつつ、ケア施設による薬剤の管理を維持できる。
【0006】
1つ以上の実施例では、医療環境においてセキュリティが確保された薬剤を調剤するためのモジュラー自動調剤システムが得られる。システムは、医療処置エリアにおいて床スペースを必要とすることなく、医療処置エリア内の支持面上に配置されるように構成されたコンパクトエンクロージャを含む。システムは、ロックアセンブリと、薬剤を保管するための1つ以上の引き出しであって、それぞれが、ロックアセンブリによってロックされるとコンパクトエンクロージャ内に固定されるように構成され、且つ、それぞれが、ロックアセンブリによってアンロックされるとコンパクトエンクロージャからスライドさせて開くことができるように構成された、引き出しとを更に含む。システムは、引き出しのうち少なくとも1つの内部に配置された1つ以上のコンパートメントと、ロックアセンブリに操作可能に接続され、受信した許可入力に基づきロックアセンブリにアンロック信号を提供するように構成されたアクセス制限インターフェースとを更に含む。
【0007】
1つ以上の実施例では、1つ以上のコンパートメントのうち少なくとも1つは取り外し可能であり、取り外し可能なコンパートメントは、予め薬剤を載せた同様の大きさの取り外し可能なコンパートメントと交換されるよう構成されている。1つ以上の実施例では、アクセス制限インターフェースは、生体認証入力装置を含む。1つ以上の実施例では、生体認証入力装置は、指紋スキャナ、網膜スキャナ及び音声認識装置のうち1つを含む。1つ以上の実施例では、システムは、生体認証入力装置が操作できない場合、コンパクトエンクロージャへのアクセスを与えるように構成されたキーロックアセンブリを含む。1つ以上の実施例では、システムはキーロックアセンブリを更に含み、コンパクトエンクロージャへのアクセスには、生体認証入力装置及びキーロックアセンブリの両方の操作を必要とする。
【0008】
1つ以上の実施例では、アクセス制限インターフェースは、許可されたユーザーのモバイル機器から認証を受け取るとロックアセンブリをアンロックするように構成されたネットワークインターフェースを備える。1つ以上の実施例では、システムは、コンパクトエンクロージャに接続されたロック可能な回収容器を含み、ロック可能な回収容器は、過去に調剤された薬剤を受け取り保管するように構成されている。1つ以上の実施例では、1つ以上のコンパートメントのうちの1つは、過去に調剤された薬剤を受け取り保管するように構成された回収コンパートメントである。1つ以上の実施例では、システムは、遠隔管理装置インターフェースを含み、遠隔管理装置インターフェースは、保管キャビネットの遠隔管理装置と通信するように構成されている。1つ以上の実施例では、システムは、モバイル機器のディスプレイ上でモジュラー自動調剤システムの調剤キューへのアクセスを与えるように構成されたモバイル機器インターフェースを含む。1つ以上の実施例では、システムは、引き出し内に保管された薬剤の無線周波数識別(RFID)タグを読み取るように構成されたRFIDリーダーを含み、引き出しからRFIDタグが取り出されると、取り出された薬剤を調剤キューから自動的に削除し、モジュラー自動調剤システムの在庫情報を更新する。1つ以上の実施例では、システムは、取り外し可能なコンパートメントを引き出しのうち少なくとも1つから取り出すかそこに追加した場合、取り外し可能なコンパートメントに関連する情報をスキャンし入力するように構成された外部スキャン装置を含む。
【0009】
1つ以上の実施例では、医療環境においてセキュリティが確保された薬剤を調剤するためのシステムが得られる。システムは、医療処置エリアにおいて床スペースを必要とすることなく、医療処置エリア内の支持面上に配置されるように構成されたコンパクトエンクロージャと、ロックアセンブリとを含む。モジュラー調剤装置はそれぞれ、薬剤を保管するための1つ以上の引き出しであって、それぞれが、ロックアセンブリによってロックされるとコンパクトエンクロージャ内に固定されるように構成され、且つ、それぞれが、ロックアセンブリによってアンロックされるとコンパクトエンクロージャからスライドさせて開くことができるように構成された、引き出しと、引き出しのうち少なくとも1つの内部に配置された1つ以上のコンパートメントとを含む。モジュラー調剤装置はそれぞれ、ロックアセンブリに操作可能に接続され、受信した許可入力に基づき前記ロックアセンブリにアンロック信号を提供するように構成されたアクセス制限インターフェースを更に含む。モジュラー自動調剤装置はそれぞれ、認証された調剤要求に基づき引き出しのうち1つ以上をアンロックするように構成されている。
【0010】
1つ以上の実施例では、複数のモジュラー自動調剤装置のうち1つ以上に操作可能に接続された外部アクセス制限装置を更に備え、外部アクセス制限装置が、接続されたモジュラー自動調剤装置のそれぞれにユーザー認証を提供するように構成されている。1つ以上の実施例では、外部アクセス制限装置は、指紋スキャナ、網膜スキャナ及び音声認識装置のうち1つ以上を含む。1つ以上の実施例では、システムは、複数のモジュラー自動調剤装置を接続する1つ以上の通信ケーブルを含み、複数のモジュラー自動調剤装置のうちの1つはマスター装置として構成され、その他のモジュラー自動調剤装置はスレーブ装置として構成される。1つ以上の実施例では、マスター装置はユーザーの認証を行うように構成され、複数のモジュラー自動調剤装置のいずれも、マスター装置による認証に基づきアンロックできる。
【0011】
1つ以上の実施例では、任意薬剤を調剤するためのシステムが得られる。システムは、別々の病室内に固定された少なくとも2つの装置を含む複数の固定された装置を含む。システムは、複数の固定された装置がそれぞれ患者から薬剤の要求を受け付けるように構成されることを更に含む。システムは、要求された薬剤が任意薬剤であり、現在各患者に投与されている薬剤と相性が良いと判断すると、要求された薬剤を調剤することを更に含む。
【0012】
1つ以上の実施例では、複数の固定された装置はそれぞれ、医療処置エリアにおいて床スペースを必要とすることなく、医療処置エリア内の支持面上に配置されるように構成されたコンパクトエンクロージャとロックアセンブリとを含む。複数の固定された装置はそれぞれ、薬剤を保管するための1つ以上の引き出しであって、それぞれが、ロックアセンブリによってロックされるとコンパクトエンクロージャ内に固定されるように構成され、且つ、それぞれが、ロックアセンブリによってアンロックされるとコンパクトエンクロージャからスライドさせて開くことができるように構成された、引き出しを含む。複数の固定された装置はそれぞれ、引き出しのうち少なくとも1つの内部に配置された1つ以上のコンパートメントと、ロックアセンブリに操作可能に接続され、受信した許可入力に基づきロックアセンブリにアンロック信号を提供するように構成されたアクセス制限インターフェースとを更に含む。固定された装置はそれぞれ、各固定された装置自身に関連するユーザーインタラクションにのみ基づきアンロックを行うことにより別々に動作するように構成される。
【0013】
本開示の更なる特徴及び利点を以下の説明に記載し、その一部は説明から明らかとなるか本開示を実施することにより分かるだろう。本開示の目的とその他の利点とは、記載した説明、請求項、添付の図面で特に指摘した構造により実現及び達成されるだろう。
【0014】
上記の全般的な説明と下記の詳細な説明は、共に例示的で説明的であり、クレームされた開示のさらなる説明を提供することを意図していると理解すべきである。
【0015】
本開示のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を成す添付図面は、本開示の実施例を示しており、説明と併せて本開示の原理を説明するのに役立つ。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】介護者が患者に薬剤を調剤するために辿る経路を示した病院の図である。
図1B】介護者が患者に薬剤を調剤するために辿る別の経路を示した病院の図である。
図2】各患者の病室を、本開示の実施例に係る薬剤を調剤するための第1及び第2の装置とともに示したブロック図である。
図3】本開示の実施例に係る患者の要求に対する薬剤の投与についてのフロー図である。
図4】本明細書で説明する調剤装置の実施例を示す概略図である。
図5】自動調剤機の1つ以上の実施例の前方斜視図である。
図6】モジュラー自動調剤機の1つ以上の実施例の斜視図である。
図7】モジュラー自動調剤機の1つ以上の実施例の斜視図である。
図8】引き出しが様々な開位置にある図7のモジュラー自動調剤機の斜視図である。
図9】引き出しが様々な開位置にある図7のモジュラー自動調剤機の前方斜視図である。
図10図7のモジュラー自動調剤機の前方斜視図である。
図11図7のモジュラー自動調剤機の正面図である。
図12図7のモジュラー自動調剤機の側面図である。
図13図7のモジュラー自動調剤機の別の側面図である。
図14図7のモジュラー自動調剤機の背面図である。
図15】モジュラー自動調剤機の1つ以上の実施例の前方斜視図である。
図16図15のモジュラー自動調剤機の斜視図である。
図17図15のモジュラー自動調剤機の側方斜視図である。
図18】互いに接続された2つのモジュラー自動調剤機の例を示す斜視図である。
図19】モジュラー自動調剤機用の載置装置の1つ以上の実施例を示す斜視図である。
図20】モジュラー自動調剤機用の回収容器の1つ以上の実施例を示す斜視図である。
図21】仕事環境におけるモジュラー自動調剤機の1つ以上の実施例を示す図である。
図22】コンピュータシステムの例を示したブロック図で、このコンピュータシステムを用いて図2~21のいずれかのモジュラー自動調剤機を実装できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明において、本開示の十分な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの具体的詳細の一部がなくても本開示の実施例を実施できることは、当業者にとって明らかであろう。他の場合では、本開示が不明瞭とならないように、周知の構造及び技術は、詳細には説明していない。参照する図面において同様の符号が付せられた要素は、同一又は同様の要素である。符号の末尾に文字を付けることで、共通要素の別の例を示すと共に、末尾に文字のない同じ符号を用いて総括的に共通要素を指すことがある。
【0018】
本文献において、「可搬ユーザーインターフェース装置」及び「PUID」という用語は、情報を提供し入力を受け付ける任意のモバイル機器を意味する。PUIDは、これらに限定されないものの、発光ダイオード(LED)スクリーン等の光学ディスプレイ及びスピーカやブザー等の可聴アクチュエータを含む任意のチャネルを介して情報を提供してもよい。PUIDは、これらに限定されないものの、光学スキャナ、電界及び磁界システムを含む無線周波数識別(RFID)リーダー、キーボード、タッチスクリーン、スタイラス作動式のスクリーン、マイク及びジョイスティックを含む任意のチャネルを介して入力を受け付けてもよい。PUIDは、これらに限定されないものの、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、可動プラットフォームに設置されたデスクトップ型コンピュータ、個人情報端末(PDA)、携帯電話、iPod(登録商標)やiPad(登録商標)等の無線接続された装置、Kindle(登録商標)電子書籍リーダー等のリーダーを含んでもよい。
【0019】
本文献において、「薬剤」という用語は、慣例的に薬剤と見なされる物質を含み、特に医者の処方箋によってのみ入手できる物質や、患者の健康に関する処置で使用されるその他の物質又は混合物を包含する。薬剤は、これらに限定されないものの、食塩水や乳酸リンゲル液等の薬液、鎮痛剤や抗生剤等の活性化合物及びビタミン等の健康関連物質を含む。
【0020】
本文献において、「スキャン」という用語は、機械で読み取り可能な特徴を入力し、そこに符号化された情報を解釈することを意味する。スキャンは、バーコード又はコード化された二次元マトリックス等の可視画像を受動的に光学観測し記録することや、バーコードスキャナで一般的に行われるような画像の一部を横切る光ビームの供給等の能動的照射を含んでもよい。また、スキャンは、受動型RFIDタグを読み取るために一般的に供給される電界又は磁界等のエネルギーフィールドの供給を含んでもよい。
【0021】
本文献において「可搬」という用語は、成人によって容易に移動可能な大きさ及び重量を意味する。適切な装備を用いればあらゆる大きさ及び重量の物体を移動させることができるものの、ここで可搬機器とみなされるものは、ある人が8時間労働のうちの数時間それを持ち歩いても負担にならない程度の大きさ及び重量の装置を含む。可搬装置は、台車やその他の可動器具、例えば病院で一般的に使用され当業者にとっては既知の車輪付きコンピュータプラットフォームに搭載されていてもよい。可搬装置は、それが使用される最中、通常、一か所に長時間固定されることはない。
【0022】
医療業界、特に病院等の急性期医療施設において、医療アイテム(又は「ラインアイテム」)を調剤・投与するために集中在庫システムを用いることが知られている。現在、多くの施設では、医療アイテムを保管し、患者ケアエリアに薬品を配るために集中自動調剤キャビネット(「自動調剤機」「ADM」又は「調剤ユニット」)を利用しており、その一例を図1に示す。各ADMは、アイテムを保管するための1つ又は複数の保管スペースを有する。
【0023】
これら集中自動調剤キャビネットは、患者ケアエリアにおける患者ケアニーズに応える幅広い医療アイテムを提供する。特定のケアエリアの患者のための医療アイテムの95%が、集中自動調剤キャビネットによって提供されることもしばしばである。そのため、典型的なADMは、病院又はその他の医療環境においてかなりの床スペースを必要とする大きな設置面積を有する。
【0024】
いくつかの態様において、本開示は概ね薬剤に関する。より具体的には、本開示は、別々に配置された装置で薬剤を調剤することで、介護者の効率と患者の全体的な満足度とを向上させることに関する。本開示によると、各患者の近くに配置された個別の調剤装置は、任意薬剤を保持する。別の調剤装置は、必要薬剤を保持し、複数の患者にサービスを提供できる。薬剤の調剤に2つ以上の装置を用いることで、介護者は、任意薬剤が要求される度に、中央保管所にある任意薬剤を取りに行く必要がなくなる。また介護者は、使用されなかった薬剤を保管するために戻る必要もなくなる。
【0025】
必要薬剤及び任意薬剤の2種類の薬剤が典型的には患者に与えられる。患者の症状を治療するための薬剤が必要薬剤と呼ばれ、これは患者固有のものである。多くの場合、これらの薬剤は、医療専門家によって出された処方箋に関連している。通常、必要薬剤は任意薬剤よりも高価である。
【0026】
任意薬剤は、痛みや不快感を解消するために通常用いられる。これらはPRN薬剤を含みうる。ここで使用されるPRN薬剤は、その用語の一般的な通常の意味を有するとされており、この意味には、それらに限定されないものの、必要に応じて患者が手に入れることができるが毎日の処方レジメンの一部ではない薬剤が含まれる。任意薬剤の使用回数や投与量に対する要件は通常無いものの、使用量については、任意薬剤の特定の製造者によって制限されている場合がある。任意薬剤は、比較的安価であるという特徴がある。
【0027】
図1A及び図1Bを参照すると、患者に薬剤を調剤する介護者の辿る経路を示す図100が示されている。図100の中央には、中央保管所102が示されている。必要薬剤及び任意薬剤は、中央保管所102に保管されている。必要薬剤の準備は中央保管所102で行われ、介護者によって各患者へと配られる。薬剤は、各患者のためのトレイに載せられ、可動医療カート又は医療ステーションに載せられる。ここで使用されるカートという用語は広義であり、その用語の通常の意味において使用されるだけでなく、これらに限定されないものの、例えば、CareFusion 303社製のMEDSTATION(登録商標)等の分散型保管システムや装置が含まれることを意図している。介護者は、可動カートを利用することにより、各入院患者の必要薬剤ニーズに対して、中央保管所102に戻ることなく、各患者のための個別の必要薬剤を投与できる。
【0028】
適切な量の必要薬剤及び任意薬剤を維持するために、中央保管所102は、薬剤の残量や薬剤の追加注文の必要性に関する情報を追跡する。ある実施例においては、中央保管所102が追跡する情報を介護者から直接受け取る。その他の例では、情報を調剤装置から受け取る。各調剤装置は、中央保管所102で使用されている電子在庫管理装置に投与情報を送信する。そして、電子在庫管理装置は投与情報を処理する。
【0029】
引き続き図1A及び図1Bを参照すると、複数の病室104~118が示されている。病室はそれぞれ分離している。当業者ならば、病室が壁やドア等の物理的障壁を含みうることを理解するだろう。また、病室が布製の仕切り等のスクリーン装置によって仕切られていてもよい。8つの病室104~118が示されているものの、病院は、その大きさや制約に応じてこれよりも少ない又は多い数の病室を有していてもよい。
【0030】
図1Aを参照すると、各個人の必要薬剤のニーズに対して1つの調剤装置を使用した場合の介護者の経路が示されている。経路は、介護者が病室104へと向かい、そこの患者に必要薬剤を投与するところから始まる。必要薬剤の投与中に、患者が頭痛又は同様の種類の疾患に対する任意薬剤を要求する。カートには任意薬剤が積まれていないため、介護者は任意薬剤を取りに中央保管所102へと戻らなければならない。このため、介護者は追加の往復を行わなければならないだけでなく、他の患者の薬剤ニーズに対応する貴重な時間を無駄にしてしまう。
【0031】
続いて、介護者は病室106に立ち寄る。病室106の患者は任意薬剤を要求せず、介護者は必要薬剤を患者に投与した後、病室108にいる次の患者へと向かう。しかし今度は、病室108の患者が睡眠補助のための任意薬剤又は同様の種類の薬剤を要求する。介護者は再び適切な任意薬剤を取りに中央保管所102へと戻らなければならない。
【0032】
それから介護者は病室110及び112へと進む。病室112において介護者は、3回目として、患者が要求した任意薬剤を取りに中央保管102へと戻る。そして、介護者は病室114,116,118の患者に対応する。介護者が任意薬剤のために中央保管所102へと戻る度に、患者の介護のために利用できたはずの貴重な時間を無駄にしてしまう。
【0033】
任意薬剤を要求する患者への対応の別の実施法がある。介護者は、まず病室104~118の患者に必要薬剤を投与し、その後、病室104~118にいた際に要求された任意薬剤を投与できる。この場合でも、介護者は、任意薬剤を取りに中央保管所102を訪れなければならない。また、介護者は各患者の任意薬剤ニーズを書き留めるか記憶しなければならない。更に、最初の患者が任意薬剤を要求し、この要求に対して介護者が対応することを要求した場合、相当な遅延時間が発生する可能性がある。
【0034】
更に別の実施例では、介護者が別の病室104~118にいる際に、任意薬剤の要求が発生しうる。これに対し、介護者は中央保管所102にある要求された任意薬剤を取りに戻る。そして、介護者は要求を行った患者の病室へと向かい、任意薬剤を調剤・投与する。その後、介護者は、要求を受ける前にいた病室へと戻る。
【0035】
いくつかの実施例において、任意薬剤を医療カートに保管してもよい。しかし、介護者が経路を回り終えると、任意薬剤を中央保管所102に戻さなければならない。結果的に、薬剤を何度も取り扱うこととなる。例えば、薬剤は、それが使用される度にカートに載せられ、そして介護者が経路を回り終えると、中央保管所102で降ろされることとなる。薬剤を載せ在庫に戻すことは、介護者が患者の他のニーズに対応する時間を減少させる。
【0036】
ここで図1Bを参照すると、各個人の医療ニーズに対して複数の調剤装置を使用した場合の介護者の経路が示されている。各患者に必要薬剤を調剤するために使用される装置に加え、各患者の病室104~118内において任意薬剤を調剤するための別の装置を使用する。介護者は、各病室104~118において任意薬剤を個別に調剤できるため、中央保管所102へ戻ることなく各病室104~118でサービスを行うことができる。介護者は貴重な時間を無駄にすることなく病室104、病室106等へと向かうことができる。従って、介護者は患者のその他のニーズに対応できる。
【0037】
ここで図2を参照すると、各病室104~118内又は近くに配置された任意薬剤を調剤するための装置202が、複数の病室104~118に移動可能な医療カート204と共に示されている。装置202は多数のコンパートメントを収納し、各コンパートメントはタイレノールや睡眠補助剤等の異なる種類の任意薬剤をそれぞれ収納できる。医療カート204と併せて使用することで、病室104~118を出ることなく、必要薬剤と任意薬剤との両方を投与できる。
【0038】
調剤装置202は、任意薬剤へのアクセスを各病室104~118の患者に制限するためのロック装置206を含んでいてもよい。このようなロック装置206は、調剤装置202の引き出し210が開かれることを防ぐ。あるロック装置206は、ロック及び鍵装置であってもよい。また、ロック装置206は、指紋認識装置であってもよい。更に、ロック装置206は、音声認識システム又はコンビネーションロックであってもよい。当業者ならば、装置202が開かれることを防げる様々な種類のロック装置206があること、即ち、調剤装置202内の任意薬剤へのアクセスを制限し、薬剤を手に入れる許可を得た者にのみ任意薬剤へのアクセスを与えられる様々な種類のロック装置206があることを認識するだろう。更に別の実施例では、装置202は、ロック装置206を必要としない。
【0039】
調剤装置202は、介護者又はその他の許可を得た者が要求された任意薬剤に関する指示を装置202に与えるためのユーザーインターフェース208を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施例では、介護者は、調剤装置202に近づき、例えば指紋認識装置たり得るロック装置206によるセキュリティチェックに合格することでユーザーインターフェース208へのアクセスを得る。介護者は、セキュリティチェックに合格しユーザーインターフェース208へのアクセスを得ると、どの任意薬剤が要求されているのか指定できる。装置202は、要求を受け付けると、引き出しの1つを開き、介護者が薬剤を入手し投与できるようにすることができる。いくつかの実施例では、ユーザーインターフェース208は、装置202の内容を表示するLCDスクリーンであって、介護者が装置202への入力を行うための例えばキーボード、ボタン、タッチスクリーン等の入力手段を提供するLCDスクリーンである。
【0040】
更に別の実施例では、介護者はセキュリティチェックに合格する前に要求された薬剤を指定してもよい。これは、様々な任意薬剤に対して異なるレベルのセキュリティチェックが設けられている場合や、他の必要薬剤に対してコンフリクトを起こす可能性があるため特定の薬剤に制限がかけられている場合に有利となりうる。介護者は、薬剤にアクセスするために装置202に近づき、ユーザーインターフェース208を介して要求された薬剤を指定する。いくつかの実施例では、装置202は、要求された薬剤と現在患者に投与されている薬剤との相性に問題が無いか確認し、問題が無い場合、介護者にロック装置206をアンロックするよう要求するか、ロック装置206を解除できる。装置202は、介護者が任意薬剤へのアクセスを許可されていると確認すると、薬剤に対応する特定の引き出し210をアンロックしたり、薬剤を収容した引き出し210を開いたり、介護者が薬剤を投与できるように調剤したりすることができる。
【0041】
図2に示した実施例では、任意薬剤調剤装置202が病室に備え付けられている。いくつかの実施例では、装置202を患者のベッドに備え付けてもよい。また装置202を患者の近くのテーブルに備え付けてもよい。当業者ならば、任意の固定されたアイテムに装置202を取り付け可能であることを認めるだろう。いくつかの実施例では、装置202を病室104~118内において移動可能としてもよい。更に別の実施例では、装置202が病室の近くに配置される。例えば、いくつかの実施例では、装置202は、病室の外の壁に備え付けられている。
【0042】
いくつかの実施例では、中央位置から装置202を作動させることができる。例えば、図4を参照すると、装置202は、介護者が端末又は介護者ステーションに配置された中央コントロール212から操作できるように構成できる。患者が任意薬剤を与えられることを望んだ場合、患者は介護者をコールし任意薬剤を要求できる。いくつかの実施例では、介護者は、介護者ステーションから中央コントロール212を介して装置202を遠隔から開くことができる。これは、介助無しにベッドから出て薬剤を入手できる歩行可能な患者に対して特に有益である。中央コントロール212は、1つ以上の調剤装置202に直接、無線又はその他の手段で接続された端末であってもよい。
【0043】
中央コントロール212は、ケア施設のその他の電子モジュールに同様に接続されうる。例えば、いくつかの実施例では、図4に示すように、中央コントロール212は、ケア施設管理モジュール214に直接、無線又はその他の手段で接続されている。ケア施設管理モジュール214は、ある患者が請求される全ての経費を記録し処理する売掛金データベース216と売掛金プロセッサ218とを含んでいてもよい。いくつかの実施例では、任意薬剤の投与に関する情報が、中央コントロール212を介して調剤装置202から売掛金データベース216や売掛金プロセッサ218へと自動的に送信される。この情報を処理し自動的に患者の請求書に加えることができる。
【0044】
ケア施設管理モジュール214は、職員情報データベース220と職員情報プロセッサ222とを含んでいてもよい。職員情報データベース220には、ケア施設職員の調剤装置202へのアクセスに関する情報が、その他の事柄に加え、含まれていてもよい。例えば、職員データベース220には、介護者が指紋リーダーを通して装置202へのアクセスを得ようとする際に使用される確認用の介護者の指紋が含まれていてもよい。装置202のロック装置206によって介護者の指紋が読み取られると、職員情報プロセッサ222又は中央コントロール212は、職員データベースにアクセスし、介護者が要求された薬剤へのアクセスを許可されているか判断できる。従って、介護者は、通常この介護者が割り当てられていない新たな病室の患者のケアを頼まれても、この新しい病室内の調剤装置202へアクセスできる。これは、ケア施設の全ての調剤装置202がアクセスできる一か所に介護者の職員情報が保存されているためである。また、ある介護者が施設内の調剤装置202のいずれか1つ又は全てにアクセスしようとした日時を、職員データベースから検索することで、この介護者による薬剤の投与を監視できる。
【0045】
いくつかの実施例では、装置202内の薬剤の残量に関する記録が、好適には中央コントロール212において保存される。よって、いずれかの薬剤を補充しなければならない場合、装置又は中央コントロール212にインジケーターを提示してもよい。いくつかの実施例では、交換しなければならない任意薬剤の名前や量が、インジケーターによって提供される。
【0046】
更に、介護者が中央コントロール212等を介して装置202対するアクセスを遠隔から与える場合、装置202は、好適には、要求された任意薬剤に対するアクセスを1回の服用分しか与えない。いくつかの実施例では、薬剤は引き出し210の内部に収容され、引き出し210は、それぞれ1回の服用分の薬剤しか提供しないように構成されたコンパートメントに分割されている。介護者が患者又は別の介護者のために遠隔又は他の場所から引き出しを開いた場合、引き出しは、好適には、次の服用分の薬剤が提供されるところまでしか開かない。従って、装置202は、どの薬剤が装置202に保管され、どの薬剤が装置202で調剤されたのか監視又は記録できる。
【0047】
ここで、図3を参照すると、2つの調剤装置を用いて患者の要求に適時応えるフロー図300が提示されている。まずブロック302では、介護者が医療カート204から病室104~118の患者に必要薬剤を投与し始める。ブロック304で、介護者が部屋104~118にいる最中に患者からの要求を受け付ける。
【0048】
判断ブロック306において、介護者は、この要求が任意薬剤に対するものであるか判断する。要求が任意薬剤に対するものである場合、ブロック308において、介護者は装置202から任意薬剤を取り出し、これを患者に投与する。いくつかの実施例では、介護者は装置202に関連付けられた装置をアンロックする必要がある。介護者は鍵を用いてロックをアンロックできる。また、介護者は自身の指紋署名を用いてロックをアンロックできる。更に介護者は自身の声を用いてロックをアンロックできる。これらは例に過ぎず、許可のためのその他の方法を採用して装置のアンロックを制御してもよい。その後、ブロック310において、介護者は患者のケアを終え、次の病室へと進む。
【0049】
本開示の更なる実施例では、ある患者の病室104~118にいる介護者が、別の病室104~118にいる患者から要求を受け付ける。この要求に応えるために、介護者は要求を行った患者の病室104~118に入り、この患者に関連付けられた調剤装置202から任意薬剤を取り出す。装置202を用いることにより、中央保管所102に任意薬剤を取りに戻る必要が無くなったため貴重な時間を節約できる。その後、介護者はある患者の病室104~118へと戻る。
【0050】
医薬ニーズの管理を簡易化するために、任意薬剤調剤装置202が使用される度に投与情報が記録される。この情報は、介護者が直接記録してもよいし、あるいは、装置202が自動記録機能を提供するようにしてもよい。装置202は、中央保管所102にある電子在庫管理装置に情報を与える。これにより、中央保管所102は、任意薬剤と必要薬剤との両方の残数を管理し、適切な医薬要求を出すことができる。
【0051】
いくつかの実施例では、患者が任意薬剤を要求しこれを受け取った場合、装置202へのアクセスが、電気信号のトリガとなる。この電気信号は処理装置によって処理され、どの薬剤によって患者が処置されたのかを示す。これは、請求書作成のためだけでなく、薬剤の摂取記録を取るためにも使用できる。例えば、いくつかの実施例では、患者が任意薬剤を要求した場合、装置202が、提供した薬剤を患者への請求に含めるために、処置の通知を患者の記録に送信する。従って、装置202は、任意薬剤の投与に対する自動請求アカウンタビリティを提供できる。
【0052】
任意薬剤調剤装置202を用いることで、中央保管所102に戻される薬剤を削減できる。つまり任意必要薬剤を各患者と一緒に病室104~118に置いておくことができる。任意薬剤が補充され在庫に戻されないことで、薬剤の取り扱い回数が減少し、介護者が患者の他のニーズに応える時間が増加する。更に、薬剤のより厳格な管理が行われ、例えば、スタッフの使用による損失が減少する。
【0053】
更に任意薬剤調剤装置202は、中央保管所102のバルク量の薬剤にアクセスでき各患者のニーズを熟知しているであろう介護者が、任意薬剤の在庫を調整できるようになっている。ある薬剤に対する要求が変化すると、介護者は、病室に保管される薬剤を追加又は撤去できる。また、介護者は、患者がどのような病気にかかるのか又はかかる可能性があるのかを知ることにより、特定の薬剤を調剤装置202に供給し、患者が病院又はケア施設にいる間にそのような薬剤を使い果たす事態を確実に避けることができる。更に、もしある任意薬剤が患者の必要薬剤と組み合わせると悪影響を及ぼす場合、介護者は、調剤装置202内のそのような任意薬剤を、必要薬剤とより相性の良い薬剤と選択的に交換できる。
【0054】
任意薬剤を調剤装置202内に配置すると、介護者は患者の要求に速やかに対応して薬剤を投与できる。この患者の要求に対する速やかな対応は、患者の満足度を増加させ、介護者が任意薬剤を取りに戻るため長時間待たなければならない場合に患者が経験するストレスや苦痛を低減できる。また、調剤装置202に薬剤を配置することは、介護者が中央保管所102に戻る場合に起こりうるミスを低減する。
【0055】
いくつかの態様では、主題の技術によって、薬剤の確実な保管及び調剤が必要な多種多様な環境に適した形状を有するモジュラー自動調剤機(「MADM」)がもたらされる。例えば、MADMは、典型的なADMに代わって又はこれと共に、典型的な急性期ケア施設(例えば、看護室、中央薬局、処置エリア、外来患者)において薬剤を確実に保管し調剤するために用いられてもよい。典型的なADMを使用できないその他の多くのエリアにおいても、1つ以上のMADMを用いて薬剤を提供してもよい。例えば、MADMは、医療クリニック/センター(例えば、外来診療所、外来ケアセンター、腫瘍クリニック、手術センター、透析クリニック、非急性期ケア処置エリア)、長期ケア/ポスト急性期ケア分野(例えば、ホスピス、生活介護、在宅医療、老人ホーム、成人向けデイサービス、外来リハビリ、入院リハビリ)、薬局サービス(例えば、メール注文、研究所、放射線医薬品、小売、調剤業者、専門薬局、薬剤リパッケージャ)、製造/販売(例えば、医薬品、使い捨て品、医療機器の製造/販売)において使用されてもよい。
【0056】
図6図17に示すように、MADMは、設置面積が小さくコンパクトな調剤ユニットである。例えば、MADMは、幅が58.42センチ(23インチ)未満、高さが40.64センチ(16インチ)未満、奥行きが45.72センチ(18インチ)であってもよい。従って、MADMは更なる床スペースを占めることのない場所(例えば、カウンターの上、棚、机、カート)に配置できる。MADMは、薬剤やその他の物品を保管するための異なる大きさの引き出しを有するセキュリティの確保されたエンクロージャであって、各大きさの引き出しの数が異なるエンクロージャとして構成されてもよい。例えば、MADM600は、図6に示すように4つの同じ大きさの引き出し610を有していてもよい。その他の例として、MADM700は、図7に示すように2つの同じ大きさの引き出し610と1つのより大きな引き出し620を有していてもよい。引き出し610,620は、一度に1つの引き出し610,620しか開けられないように構成されていても、図8及び図9に示すように一度に全ての引き出し610,620が開けられるように構成されていてもてよい。また図8及び図9に示すように、各引き出し610,620に様々なコンパートメント630,640(例えば、キューブ)が収容されていてもよい。各コンパートメント630,640には、1つ以上の薬剤又は医療品(例えば、注射器、バイアル、静注用(IV)バッグ)が収納されていてもよい。コンパートメント630,640は、空のコンパートメント630,640を、予め薬品や医療品を載せた新たなコンパートメント630,640と交換するだけでMADM600,700の補充が行えるように取り外し可能となっていてもよい。
【0057】
各MADM600,700のコンパートメントは、大きさが異なっていてもよく、単一の大きさを有するコンパートメントを含んでいてもよい。開示されたシステムでは、任意の大きさのコンパートメントを使用してもよい。各コンパートメントは、高さ、幅及び長さを有する空間として測定されてもよい。この空間は、所定量のアイテムのストックを保持するボリューム空間を形成する。各コンパートメントは、オープン、セキュア又はコントロール空間として定義されてもよい。各種のコンパートメントは、それぞれコンパートメント内のアイテムに対して異なったレベルのセキュリティ、制限、追跡を提供してもよい。オープンコンパートメントは、アクセスに制限がなく、境界(例えば、容器、仕切り、物理的マーク)によって画定されていてもよい。ユーザーがオープンコンパートメントの配置エリア(例えば、病室又はその他の患者ケアエリア)へのアクセスを有する場合、ユーザーはオープンコンパートメントとその内部のアイテムにアクセスできる。セキュアコンパートメントは画定されており、アイテムへの限定的アクセスにより制限されている。セキュアコンパートメントは、あるアイテムが1回の服用分のみ収納されているロック付きコンパートメントであってもよく、ユーザーがロック付きコンパートメントにアクセスするためには許可がなければならない。コントロールコンパートメントは、適切な許可があれば、あるアイテムに1回の服用分又は複数回の服用分アクセスできるコンパートメントである。コントロールコンパートメントは、ユーザーがそれにアクセスするためには適切な許可を提示しければならない蓋付きのコンパートメントであってもよい。
【0058】
MADM600,700へのアクセスに対するセキュリティは、特定のユーザーがMADM600,700を開け薬剤を入手することを許可するための1つ以上の形態のアクセス制限によって確保されていてもよい。例えば、MADM600,700は、組込み生体認証装置650(例えば、指紋スキャン、網膜スキャン、音声認識)を含んでいてもよい。生体認証装置650は、ユーザー登録、ユーザーログイン、目撃認証等の複数のワークフロープロセスのために使用してもよい。その他の例として、MADM600,700には、キーロック、キーパッド、RFIDリーダー、近距離センサ等の1つ以上のその他の形態のアクセス制限が設けられていてもよい。図6図8に示すように、指紋スキャナ650はMADM600,700の上面670に位置していてもよく、キーロック660はMADM600,700の上部前面672に位置していてもよい。ここでは、キーロック660は、指紋スキャナ650のバックアップとして設けられていてもよい。例えば、キーロック660は、MADM600,700への電力が断たれた場合や、指紋スキャナ650が作動していない場合にオーバーライドとして使用されてもよい。
【0059】
図15図17に示すように、MADM800は、内蔵されたアクセス制限装置又はインターフェースを有していなくともよい。その代わり、引き出し810,820は、外部装置(図示せず)によって提供されるユーザー許可によりロック状態が解除されてもよい。例えば、MADM800は、ユーザーが自身の携帯端末(例えば、ノート型コンピュータ、タブレット、スマートフォン)で許可を得ることを可能とするクラウドベースアプリケーションとネットワーク接続されていてもよい。その他の例では、MADM600,700,800は、図14に示すように、外部アクセス制限装置900への接続を提供する1つ以上の通信ポート680を有していてもよい。図14に示した例では、通信ポート680がMADM600,700,800の後側に位置又は配置されている。例示的な態様では、1つ以上の通信ポート680をMADM600,700,800のその他の適切な場所に設けてもよい。例えば、MADM600,700,800は、図14に示すように後面に通信ポート680を有するだけでなく、MADM600,700,800の上前部に位置する追加の通信ポート680を有していてもよい。通信ポート680は、USB、シリアル、イーサネット(登録商標)等の適切な通信インターフェースの任意の組み合わせでもよい。
【0060】
例えば、遠隔許可装置900(例えば、生体認証スキャナ)を、USBポート680を介してMADM600,700,800に接続してもよい。これにより、ユーザーの指紋が遠隔許可装置900によってスキャン及び認証され、この遠隔許可装置900に接続されたどのMADM600,700,800に対してもアクセスが可能となる。即ち、1つの遠隔許可装置900を用いて、複数のMADM600,700,800へのアクセスを与えてもよい。通信ポート680にその他の適切な周辺機器を接続してもよい。例えば、コンパートメント630,640を搭載又は補充する際にこのコンパートメント630,640を特定するための外部スキャナ(例えば、バーコード又はRFIDスキャナ)(図示せず)を接続してもよい。その他の例では、ラベル又は取引伝票を印刷するためのプリンタ(図示せず)を接続してもよい。ネットワークプリンタ(図示せず)を使用してもよく、この場合、特定のMADM600,700,800にプリンタを接続する必要が無くなる。MADM600,700,800は、任意の適切な無線インターフェース(例えば、WiFi、WLAN、RFID、NFS、Bluetooth(登録商標))を介して外部周辺機器とインターフェース接続するように構成されていてもよい。
【0061】
MADM600,700,800は、既存のサーバベース薬剤調剤システム又はアプリケーションの新しいエンドポイントとして構成されていてもよい。この場合、MADM600,700,800は組込みコントローラを有さなくともよい。そして、既存のクライアントコンピュータ950にサーバベースソフトウェアをインストールしてもよく、既存のクライアントコンピュータ950をMADM600,700,800とのワークフローインタラクションを扱うコントローラとして使用する(図21を参照)。また、MADM600,700,800がクラウドベースのサーバアプリケーションにアクセスするようにネットワーク接続され、クラウドベースのサーバアプリケーションがMADM600,700,800とのワークフローインタラクションを扱うコントローラとして使用されてもよい。このように、MADMは、統合制御又は許可装置をほとんど又は全く有さないセキュリティの確保された保管装置であってもよい。別の例としては、MADMは、複数の統合アクセス制限装置と統合ディスプレイ(例えば、LCD、モニター)(図示せず)とを有し、統合ディスプレイが在庫情報を提供してもよい。
【0062】
更なる柔軟性のために、複数のMADM600,700,800を互いに接続してもよい。例えば、引き出し610,620の構成が異なる2つのMADM600を図18に示すように互いに接続してもよい。複数のMADM600,700,800を互いに物理的に接続するか個別に固定して隣接配置してもよい。複数のMADM600,700,800を独立して機能するユニットとして構成しても、マスタースレーブ構成としてもよい。独立して機能するユニットとしての複数のMADM600,700,800は、空間計画又はワークフロー物流のために互いに接続されていても、隣接して載置されていてもよい。この場合、ユーザーは、各MADM600,700,800と個別にやり取りを行い、やり取りを行った特定のMADM600,700,800に対してのみ許可及びアクセスを得る。マスタースレーブ構成では、MADM600,700,800は互いに通信ケーブル(例えば、デイジーチェーン)(図示せず)を介してインターフェース接続されていてもよく、1つのMADM600,700,800がマスターユニットとして構成され、その他の接続されたMADM600,700,800がスレーブユニットとして構成される。従って、ユーザーは、全ての接続されたMADM600,700,800へのアクセスを得るためには、1つのMADM600,700,800で承認されるだけでよい。
【0063】
MADM600,700,800は、調剤ユニットを簡単に移動、誤配置、盗難できないように、面に固定されるように構成されていてもよい。例えば、医療ルール又は建物基準により、図19に示したような例示的なブラケット1000によって、薬剤調剤機を地震運動に備えて固定しなければならない場合がある。図示したブラケット1000は、底部の穴を介してカウンター又はテーブルの上に固定(例えば、ボルト、ネジ又はリベット止め)されるか、側部の穴を介して間柱又は垂直面に固定されるか、その両方の固定が行われる。ブラケット1000の固定タブ1010は、MADM600,700,800の底部と係合する。その他の載置装置もまた考えられる。
【0064】
図20に示すように、誤って調剤された薬剤、未使用の薬剤、又は廃棄される薬剤を確実に回収できるように、回収容器1100をMADM600,700,800に接続してもよい。回収された薬剤は、側部のスロットに入れられ、回収容器1100内に確実に保持される。許可されたユーザーは、いつでも回収容器1100を開け、回収された薬剤を回収、廃棄又は在庫に戻すことができる。その他の例として、MADM600,700,800の引き出し内のコンパートメント630,640を回収コンパートメントに指定してもよい。この場合、回収される薬剤を回収コンパートメントに置き、その後、同じ又は別の許可されたユーザーが回収コンパートメントの内容物を回収し、それを在庫に戻す、別のコンパートメントへ戻す、又は廃棄物として処分する等の処理を行ってもよい。
【0065】
MADM600,700,800は、1つ以上の遠隔管理装置(図示せず)と共に作動するように構成されていてもよい。この場合、遠隔管理装置は、例えば冷蔵ユニット又は保管キャビネットに装備される物理装置であってもよい。遠隔管理装置は、冷蔵キャビネットの温度の監視、冷蔵キャビネットの温度変化に関する警告や情報の提供及び報告、冷蔵キャビネットへのアクセス制限の提供、冷蔵キャビネット内に保管されている薬剤に関する発明者管理情報の提供等を行うように構成されていてもよい。1つのMADM600,700,800が複数の遠隔管理装置とインターフェース接続してもよく、複数のMADM600,700,800が同じ遠隔管理装置とインターフェース接続してもよい。
【0066】
図21は、医療環境に設置されたMADM600,700,800の例を示している。ここでは、MADM600,700,800が共通保管エリアのカウンター上に載置されており、離れて載置されたモニター及びキーボードを有する外部コンピュータ950を介して認証を行う。従って、ワークフロープロセスの一例としては、医療スタッフが外部キーボード及びモニターを用いてMADM600,700,800の薬剤在庫を確認し、MADM600,700,800で調剤を行うための特定の薬剤指示をキューに入れるといったものであってもよい。そして医療スタッフは、認証のために指を指紋スキャナに置いてもよい。認証が行われると、キューに入れた指示の薬剤を収納した引き出し610,620が開くか解放される。そして医療スタッフは、薬剤を取り出し、投与すべき薬剤を患者又は顧客へ届ける。
【0067】
別のワークフローの例では、ユーザー(例えば、医者、看護師、医療技術者)が、ユーザーのモバイル機器(例えば、ノート型コンピュータ、タブレット、スマートフォン)を用いてMADM600,700,800に遠隔からログインする。ロングインが行われると、ユーザーは、MADM600,700,800内の利用可能な在庫を確認及び/又は薬剤調剤の指示を出すための1つ以上の調剤キューを設定してもよい。1つの態様では、ユーザーが企業サーバ又はアプリケーションにログインして、1回のログインで複数のMADM600,700,800において在庫を確認し、調剤キューを設定できるようにしてもよい。この例では、ユーザーは、図18に示した2つのMADM600の在庫を確認して、ある患者に必要な2つの薬剤が第1のMADM600に保管され、この患者に必要な第3の薬剤が第2のMADM600に保管されていると判断してもよい。そして、ユーザーは第1及び第2のMADM600の両方において調剤キューを設定してもよい。キューが設定されると、ユーザーは、第1及び第2のMADM600へと向かい、各MADM600が独立して機能しているユニットかマスタースレーブ構成であるかに応じて1つ又は両方のMADM600で認証を行う。そしてユーザーは2つのMADM600にアクセスし、3つの必要な薬剤をそこから入手する。
【0068】
例示的な態様では、ユーザーがMADM600,700,800の近くにいる場合、ユーザーが自身のモバイル機器を通してMADM600,700,800の設定キューを確認できるようにシステムが構成されていてもよい。また、MADM600,700,800は、それ独自の一体化又は外部ディスプレイを有していてもよく、ユーザーが、自身のモバイル機器無しに、このディスプレイから設定キューを確認できるようにしてもよい。この場合、ユーザーは、MADMディスプレイとやり取りを行って、所望の調剤キューを選択したり、MADM600,700,800から薬剤を取り出したらキューを消去したりしてもよい。その他の例として、ユーザーがディスプレイで調剤キューを確認及び/又は選択した後、薬剤を取り出すと、取り出されたコンパートメント又は薬剤に取り付けられたRFIDタグが自動的にキューを消去しMADM600,700,800の在庫情報を更新するようにしてもよい。
【0069】
1つ以上の実施例において、任意薬剤を保管及び調剤するために調剤装置202としてMADM600,700,800を利用してもよい。1つ以上の実施例において、必要薬剤を保管及び調剤するためにMADM600,700,800を使用してもよい。1つ以上の実施例において、必要薬剤と任意薬剤との両方を保管及び調剤するためにMADM600,700,800を使用してもよい。
【0070】
図22は、コンピュータシステム1200の例を図示したブロック図で、コンピュータシステム1200を用いて図2図4及び図6図17のADM又はMADMを実装できる。ある態様では、コンピュータシステム1200をハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて、専用サーバにおいて、別のエンティティに統合して、又は複数のエンティティに分散して実装してもよい。
【0071】
コンピュータシステム1200(例えば、自動医療調剤システム)は、バス1208又はその他の情報通信を行うための通信機構と、バス1208に接続され情報を処理するためのプロセッサ1202とを含む。例として、コンピュータシステム1200は、1つ以上のプロセッサ1202を用いて実装してもよい。プロセッサ1202は、汎用のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コントローラ、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント又は演算やその他情報操作が可能なその他の適切なエンティティであってもよい。
【0072】
コンピュータシステム1200は、ハードウェアに加え、件のコンピュータプログラムを実行するための環境を作るコード、例えば、内蔵メモリ1204に記憶されたプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム又はそれら1つ以上を含む組み合わせを構成するコードを有していてもよい。メモリ1204は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、イレーサブルPROM(EPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、DVD又はその他の適切な記憶装置であって、プロセッサ1202によって実行される命令や情報を記憶するためにバス1208に接続されている。特殊用途論理回路が、プロセッサ1202及びメモリ1204に加えて設けられていてもよく、プロセッサ1202及びメモリ1204が特殊用途論理回路に組み込まれていてもよい。
【0073】
命令は、メモリ1204に記憶されると共に、1つ以上のコンピュータプログラム製品、即ち、コンピュータシステム1200によって実行される又はその動作を制御するようにコンピュータ読み取り可能媒体にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールに、当業者に周知の任意の方法に従って、実装されてもよい。当該方法は、これらに限定されないものの、データ指向言語(例えば、SQL、dBase)、システム言語(例えば、C、Objective-C、C++、アセンブリ)、アーキテクチャ言語(例えば、Java(登録商標)、.NET)、アプレ―ケーション言語(例えば、PHP、Ruby、Perl、Python)等のコンピュータ言語を含む。命令は、配列言語、アスペクト指向言語、アセンブリ言語、オーサリング言語、コマンドラインインターフェース言語、コンパイル言語、並行言語、カーリーブラケット言語、データフロー言語、データ構造言語、宣言型言語、難解言語、拡張言語、第4世代言語、関数型言語、インタラクティブモード言語、インタプリタ言語、反復型言語、リストベース言語、リトルランゲージ、論理型言語、機械語、マクロ言語、メタプログラミング言語、マルチパラダイム言語、数値解析、非英語ベース言語、オブジェクト指向クラスベース言語、オブジェクト指向プロトタイプベース言語、オフサイドルール言語、手続き型言語、リフレクション言語、ルールベース言語、スクリプト言語、スタックベース言語、同期型言語、シンタックスハンドリング言語、ビジュアル言語、ヴィルト言語、埋め込み言語、xmlベース言語等のコンピュータ言語によって実装されてもよい。メモリ1204は、プロセッサ1202によって実行される命令の実行中に一時変数やその他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。
【0074】
ここで説明したコンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに必ずしも相当しなくともよい。プログラムは、その他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに保存された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、件のプログラム専用の単一のファイル又は複数のコーディネーテッドファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を保存するファイル)に保存できる。コンピュータプログラムは、1つコンピュータで、又は1箇所に配置されるか、複数箇所に分散配置され通信ネットワークで互いに接続されている複数のコンピュータで実行されるように展開できる。本明細書で説明したプロセス及びロジックフローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行して、入力データを演算し出力を生成して機能する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行できる。
【0075】
コンピュータシステム1200は更に、バス1208に接続され、情報や命令を記憶する磁気ディスク又は光学ディスク等のデータ記憶装置1206を含む。コンピュータシステム1200は、入出力モジュール1210を介して様々な装置に接続されていてもよい。入出力モジュール1210は、任意の入出力モジュールであってもよい。入出力モジュール1210の例としては、USBポート等のデータポートが挙げられる。入出力モジュール1210は通信モジュール1212に接続されるように構成されている。通信モジュール1212の例としては、イーサネット(登録商標)カード等のネットワークインターフェースカードやモデムが挙げられる。ある態様では、入出力モジュール1210は、入力装置1214及び/又は出力装置1216等の複数の装置と接続するように構成されている。入力装置1214の例としては、ユーザーがコンピュータシステム1200に入力を行うのに使用できるキーボードやマウス又はトラックボール等のポインティングディバイスが挙げられる。触覚入力装置、視覚入力装置、音響入力装置又はブレインコンピュータインターフェース装置等のその他の種類の入力装置1214を用いて、ユーザーとのやり取りを行ってもよい。例えば、ユーザーに対するフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバックでよく、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバックであってもよい。ユーザーからの入力は、音声、スピーチ、触覚又は脳波入力を含む任意の形態で受け取ることができる。出力装置1216の例としては、ユーザーに情報を表示するLED(発光ダイオード)、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)スクリーン等の表示装置が挙げられる。
【0076】
本開示の1つの態様によると、プロセッサ1202がメモリ1204に記憶された1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することで、コンピュータシステム1200を使用して在庫管理システムを実装できる。このような命令は、データ記憶装置1206等の別の機械読み取り可能媒体からメモリ1204に読み込まれてもよい。プロセッサ1202は、メインメモリ1204に記憶された命令のシーケンスの実行することにより、ここで説明したプロセスステップを実行する。また、マルチプロセッシング配列における1つ以上のプロセッサを用いてメモリ1204に記憶された命令のシーケンスを実行してもよい。代替態様では、ハードワイヤード回路をソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて使用して、本開示の様々な態様を実装してもよい。従って、本開示の態様は、ハードウェア回路とソフトウェアとのいかなる具体的な組み合わせにも限定されない。
【0077】
本明細書で説明した主題の様々な態様は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)、フロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザーが本明細書で説明した主題の実装とやり取りを行うことができるグラフィックユーザーインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)又はそのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントを1つ以上含む任意の組み合わせを有するコンピュータシステムにおいて実装できる。システムのコンポーネントは、任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって互いに接続されうる。通信ネットワーク(例えば、ネットワーク150)は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ブロードバンドネットワーク(BBN)及びインターネット等のネットワークを1つ以上含みうる。更に、通信ネットワークは、それらに限定されないものの、例えば、バス型ネットワーク、スター型ネットワーク、リング型ネットワーク、メッシュ型ネットワーク、スター・バス型ネットワーク、ツリー又はヒエラルキー型ネットワーク等を含むネットワークトポロジーを1つ以上含みうる。コミュニケーションモジュールの例としては、モデムやイーサネット(登録商標)カードが挙げられる。
【0078】
コンピュータシステム1200は、クライアント及びサーバを含んでいてもよい。クライアントとサーバは通常、互いから離れた場所に位置し、典型的には通信ネットワークを介してやり取りを行う。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータで実行され、クライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムにより発生する。コンピュータシステム1200は、これらの限定されないもの、例えば、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータ又はタブレッド型コンピュータであってもよい。また、コンピュータシステム1200は別の装置、例えば、これらに限定されないものの、携帯電話、個人情報端末(PDA)、携帯音楽プレーヤー、全地球測位システム(GPS)受信機、テレビゲームコンソール及び/又はテレビ用セットトップボックスに埋め込むことができる。
【0079】
ここで使用される「機械読み取り可能媒体」又は「コンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、実行される命令やデータのプロセッサ1202への提供に関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、これらに限定されないものの、不揮発性媒体、揮発性媒体、伝送媒体を含む多くの形態を取りうる。不揮発性媒体としては、例えば、データ記憶装置1206のような光学ディスク、磁気ディスク又はフラッシュメモリが挙げられる。揮発性媒体としては、メモリ1204のような動的メモリが挙げられる。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、光ファイバ、更にはバス1208を構成するワイヤが挙げられる。コンピュータ読み取り可能媒体又は機械読み取り可能媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD‐ROM、DVD、その他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、その他の穴のパターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH‐EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、その他のコンピュータが読み取ることができる媒体が挙げられる。機械読み取り可能媒体は、機械読み取り可能記憶装置、機械読み取り可能記憶基板、メモリ装置、機械読み取り可能伝搬信号に影響を与える物質の組成又はそれら1つ以上を含む組み合わせであってもよい。
【0080】
一連のアイテムのうちいずれかが「及び」又は「又は」といった用語で区切られていて、これら一連のアイテムに続く「のうち少なくとも1つ」という表現は、ここで使用されているように、この一覧の各部材(例えば各アイテム)をそれぞれ修飾するというよりは、一覧全体を修飾する。「のうち少なくとも1つ」という表現は、少なくとも1つのアイテムを選択する必要ない。むしろこの表現は、アイテムのうちいずれか1つ及び/又はアイテムの組み合わせのうち少なくとも1つ及び/又はアイテムをそれぞれ少なくとも1つのうち少なくとも1つを含む意味と解釈できる。例として、「A、B及びCのうち少なくとも1つ」又は「A、B又はCのうち少なくとも1つ」という表現は:Aのみ、Bのみ又はCのみ;A、B及びCの任意の組み合わせ;及び/又はA、B及びCをそれぞれ少なくとも1つを指す。
【0081】
また、「含む」、「有する」等の用語が説明又はクレームで使用される限りでは、このような用語は、「含む」という用語が請求項において移行句として使用された場合の解釈と同様に、非排他的であることを意図している。
【0082】
単数形で述べられている要素は、特に指摘されない限り「だた1つ」の意味であることを意図しておらず、むしろ「1つ以上」の意味であることを意図している。当業者に知られているか、又は後に知られることとなる、本開示を通して説明された様々な構成の要素の構造的及び機能的同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題の技術に含まれるものとする。また、ここで開示されたものはいずれも、そのような開示が上述の説明で明示的に記載されているかどうかに関わらず、公に献呈されると意図されない。
【0083】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらはクレームされうるものの範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ主題の特定の実装を説明したものとして解釈されるべきである。また、本明細書の別々の実施例の文脈において説明された特定の特徴を組み合わせて1つの実施例において実装してもよい。逆に、1つの実施例の文脈において説明された様々な特徴を、別々に複数の実施例で又は任意の適切なサブコンビネーションで実装してもよい。更に、各特徴は所定の組み合わせで動作するように上に記載され且つそのように当初クレームされている場合もあるものの、場合によってはクレームされた組み合わせから1つ以上の特徴を切り取り、クレームされた組み合わせをサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形例に向けてもよい。
【0084】
同様に、動作は特定の順番で図面に示されているが、これは、このような動作を図示された特定の順番又はある順番で実行しなければならない、また所望の結果を実現するためには図示された動作を全て実行しなければならないと理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が好適である場合がある。また、上記の態様における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての態様でこのような分離を必要とすると理解されるべきではない。また、記載されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に統合されるか、複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解すべきである。
【0085】
本明細書の主題を特定の態様の観点から説明したが、その他の態様も実装可能であり、下記の請求項の範囲に含まれる。例えば、クレームに記載された動作は異なった順番で実行してもよく、この場合でも所望の結果を実現できる。一例として、添付した図面に図示したプロセスは、所望の結果を実現するために図示した特定の順番又はある順番で実行する必要は必ずしもない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が好適である場合がある。その他の変形例は、下記のクレームの範囲に含まれる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22