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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040217
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】縮毛矯正用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/92 20060101AFI20230314BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230314BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20230314BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230314BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/44
A61K8/64
A61K8/34
A61Q5/04
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002782
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2020523054の分割
【原出願日】2018-07-10
(31)【優先権主張番号】17/56543
(32)【優先日】2017-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】17/61139
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】520009415
【氏名又は名称】ディ ヴィスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスコリオージ セバスチャン フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ゲリン ディディエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】毛髪の質を悪化させることなく、容易な適用の条件下で、持続的かつ効率的な方法で縮毛矯正を可能にする縮毛矯正用製品を提供する。
【解決手段】一方で、タンパク質構成アミノ酸0.1%から20%、及びクレアチン、加水分解されたクレアチン、ケラチン、加水分解されたケラチン、小麦タンパク質、加水分解された小麦タンパク質、絹タンパク質、加水分解された絹タンパク質、大豆タンパク質、加水分解された大豆タンパク質、コラーゲン、加水分解されたコラーゲン、エラスチン、加水分解されたエラスチン、エンドウ豆タンパク質などから選択されるタンパク質0.1%から20%を含む組成物と、他方で、アルコール1%から50%、及び1%の硫黄又は含硫アミノ酸を含む植物油50%から95%を含む組成物と、を含む縮毛矯正用製品とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸、
タンパク質、
アルコール、及び、
植物油
を含む縮毛矯正用組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記アミノ酸は、タンパク質構成アミノ酸又はその酸もしくは塩基、有機塩もしくは無機塩であることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、グリシン、アラニン、セリン、βアラニン、タウリン、リジン及びアルギニン、並びにそれらの酸もしくは塩基、有機塩もしくは無機塩から選択されることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記タンパク質は、場合によっては加水分解されたクレアチン、場合によっては加水分解されたケラチン、場合によっては加水分解された小麦タンパク質、場合によっては加水分解された絹タンパク質、場合によっては加水分解された大豆タンパク質、場合によっては加水分解されたコラーゲン、場合によっては加水分解されたエラスチン、場合によっては加水分解されたエンドウ豆タンパク質、場合によっては加水分解された米タンパク質、場合によっては加水分解されたコンキオリンタンパク質及び場合によっては加水分解された乳清タンパク質から選択されることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記タンパク質は、クレアチン、ケラチン、場合によっては加水分解された小麦タンパク質、場合によっては加水分解された絹タンパク質及び場合によっては加水分解された大豆タンパク質から選択されることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記アルコールは、ブタノール、イソプロパノール及びエタノールから選択されることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記アルコールはエタノールであることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記植物油は、スイートアーモンド油、オリーブ油、アルガン油、ハーレム油、ババス油、ブロッコリー種子油、アボカド油、アマニ油、アプリコット油、キュウリ油、ニゲラ油、ブラジルナッツ油、グレープ種子油、シアオレイン、ゴマ油及びトマト油から選択されることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の縮毛矯正用組成物において、
前記植物油は、ブロッコリー種子油であることを特徴とする縮毛矯正用組成物。
【請求項10】
一方では、請求項1から3のいずれか1項に記載のアミノ酸及び請求項1、4又は5のいずれか1項に記載のタンパク質を含む組成物と、
他方では、請求項1、6又は7のいずれか1項に記載のアルコール及び請求項1、8又は9のいずれか1項に記載の植物油を含む組成物と、を含むことを特徴とする縮毛矯正用キット。
【請求項11】
請求項10に記載の縮毛矯正用キットにおいて、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物を50%から70%と、
前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物を30%から50%と、を含むことを特徴とする縮毛矯正用キット。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の縮毛矯正用キットにおいて、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水エマルジョン、ヘアローション又はシャンプーの形態であることを特徴とする縮毛矯正用キット。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項に記載の縮毛矯正用キットにおいて、
前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水エマルジョン、二相性ローション又はシャンプーの形態であることを特徴とする縮毛矯正用キット。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項に記載の縮毛矯正用キットを用いた縮毛矯正方法において、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物と、前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物と、を混合するステップと、
前記混合により得られた生成物を、毛束毎に根元から毛先まで塗布するステップと、
塗布した前記生成物が毛髪を変化させる間、15分間から45分間放置するステップと、
前記生成物を塗布した毛髪を乾燥させるステップと、
乾燥させた毛髪を水ですすぐステップと、そして、
ヘアドライヤーでスタイリングをおこなうステップと、を含むことを特徴とする縮毛矯正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸、タンパク質、アルコール及び植物油を含む新規な縮毛矯正用組成物並びにそれを用いた縮毛矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の分野において、縮毛矯正は、毛髪を一時的に又はより長い時間ストレートにすることができるヘアスタイリング技術である。
【0003】
毛髪をストレートにすることを望む消費者は、良好な保持力を有するストレートヘアを得るだけでなく、特にその後のシャンプーに持ちこたえ、その効果を長期間持続させることも求めている。
【0004】
毛髪の形状を長持ちさせるために、一般的に熱処理が用いられる。これらの処理は、カールや縮れに関しても、毛髪の全体的なボリュームに関しても、髪型の外観の視覚的な改良を可能にする。そのような処理は、髪型を一日中維持するために、より滑らかな視覚的外観、輝きの実質的な増加、湿気及び熱に対する耐性をもたらす。
【0005】
これらの熱処理は一般に、特定の組成による毛髪の「化学的」処理によって補足される(又は先行される)。
【0006】
第1の補足的処理には、チオール還元剤ベースの組成物の使用が含まれる。これらの技術は、特に分量と静止時間において、供給業者が推奨する適用条件の厳密な順守を必要とする。さらに、それらは過度に敏感になった毛髪には禁忌であり、着色や変色などの他の処理と同じ日には適合しない。さらに、それらは臭い。
【0007】
第2の補足的処理には、ホルマリン(又はホルムアルデヒド)及びその誘導体に基づく組成物の使用が含まれる。これらの処理は、上記のチオール縮毛矯正、アルカリ縮毛矯正、すべてのタイプの着色又は変色のような、前又は後に実行される従来の他のあらゆる処理と完全に適合性があるという強力な特殊性を備える。それらは毛髪に、優れた保持力、非常に強い輝き、毎日の手入れの容易さを与える。しかしながら、これらの製品は、180
℃から230℃の温度でストレートヘアアイロンを使用する必要があり、短期間又は中期間
で毛髪を非常に強く損傷させる。さらに、これらの縮毛矯正の方法は、毛髪の毛束毎に対して作業する必要があり、「アフロ-カリビアン」タイプの毛髪を矯正するためにかかる平均時間は4時間から9時間であるため、非常に長い時間がかかる。
【0008】
したがって、縮毛矯正プロセスを容易にし、ユーザーの健康にとって有毒かつ有害なこれらの物質の使用を避けるために新しい補足的な方法が開発された。
【0009】
そのため、国際特許出願WO 2011/104282には、酸ベースの組成物、特にグリオキシル酸の使用が記載されている。この出願には、特に、半永久的な縮毛矯正の方法が記載されており、これは、アルファ-ケト酸溶液を15分間から120分間毛髪に塗布し、その後乾燥さ
せ、そして最後に約200℃のストレートヘアアイロンで毛髪をまっすぐにするという方法
で構成される。使用されるアルファ-ケト酸はグリオキシル酸であることが好ましい。
【0010】
次に、フランス特許出願FR 3030241には、アミノ酸及びポリオールを含む組成物を塗布し、続いて少なくとも100℃のストレートヘアアイロンによってまっすぐにすることによ
り、縮毛矯正をする方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特に頭皮が敏感である及び/又は刺激される場合は、グリオキシル酸はあまり許容されないことがわかった。ストレートヘアアイロンの熱によって助長される揮発性にも問題がある。
【0012】
さらに、すべての新しく開発された補足的な方法は、最終的には効果的ではないか、少なくとも限られた有効性であって、すべて高温でストレートヘアアイロンを使用する必要があり、それは毛髪を悪化させ、損傷を引き起こす。
【0013】
したがって、本発明において、毛髪の質を悪化させることなく、容易な適用の条件下で、持続的かつ効率的な方法で縮毛矯正を可能にする組成物を開発することが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、今や毛髪の質を保ちつつも実施が容易な適用方法によって、効果的かつ長期間持続可能な縮毛矯正用組成物が見出された。
【0015】
本発明の目的は、
アミノ酸、
タンパク質、
アルコール、及び、
植物油
を含む縮毛矯正用組成物を提供することである。
【発明の効果】
【0016】
本発明による縮毛矯正用組成物は、特にストレートヘアアイロンを使用することなく、より簡単な方法及び毛髪の質を維持することにより、効果的かつ長期間持続する縮毛矯正を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の縮毛矯正用組成物で処理する前の毛髪の写真である。
図2】本発明の縮毛矯正用組成物で処理する前の毛髪の構造の顕微鏡画像である。
図3】本発明の縮毛矯正用組成物で処理した後の毛髪の写真である。
図4】本発明の縮毛矯正用組成物で処理した後の毛髪の構造の顕微鏡画像である。
図5】本発明の縮毛矯正用組成物で処理する前の毛髪の写真である。
図6】本発明の縮毛矯正用組成物で処理した後の毛髪の写真である。
図7】本発明の縮毛矯正用組成物による処理及びスチーム処理した後の毛髪の写真である。
図8】アミノ酸とアルコールのみを含む縮毛矯正用組成物で処理する前の毛髪の写真である。
図9】アミノ酸とアルコールのみを含む縮毛矯正用組成物で処理した後の毛髪の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の文脈中において、
「縮毛矯正」という用語は、外観表面をまっすぐにするために、毛髪の平坦化や、毛髪のくせを取る任意の処理を意味する。
【0019】
「アミノ酸」という用語は、当業者によって知られる任意のアミノ酸であり、特に下記の式(I)又は式(II)のアミノ酸を意味し、
【0020】
【化1】
【0021】
又は
【0022】
【化2】
【0023】
これらにおいて、
・Rは水素原子、又は、ヒドロキシル基、アミノ基、-C(O)-OH、-S(O)-OH、-C(O)-O,M及び-S(O)-O,Mからなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されたC1からCのアルキル基を表す。
・Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムなどのカチオン性のカウンターイオンを表す。
・nは0又は1である。
【0024】
それらのベタイン型、それらの光学異性体、水和物などの溶媒和物、そして、それらの酸又は塩基、有機塩又は無機塩も同様である。
【0025】
上記アミノ酸は、シリコーン、糖質化合物、脂肪酸もしくはその誘導体、又は、アニオン性、カチオン性、非イオン性もしくは両性の界面活性剤のようなヘテロ分子にグラフト化されていてもよい。
【0026】
「植物油」という用語は、油性植物から抽出された任意の脂肪物質を意味し、油性植物とはつまり、種子、木の実又は果実に脂質が含まれる植物である。
【0027】
「タンパク質」という用語は、任意のタンパク質、ヘテロタンパク質又はタンパク質誘導体を意味し、シリコーン、脂質化合物、脂肪酸もしくはその誘導体、又は、アニオン性
、カチオン性、非イオン性もしくは両性の界面活性剤のようなヘテロ分子にグラフト化されたタンパク質などであり、大きさや形状は様々であり、アミノ酸によって荷電され、ペプチド結合により結合された1つ又は複数の鎖によって形成される。好ましくは、三次元構造又は四次元構造を有するタンパク質である。
【0028】
「CからCのアルキル基」という用語は、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素鎖を意味し、x個からy個の炭素原子を含むものである。
【0029】
「アルコール」という用語は、直鎖又は分岐鎖の任意の炭素鎖を意味し、ヒドロキシル基、アミノアルコール、アドール又はケトールで置換された1から10の炭素原子を含む。好ましくは、「アルコール」は式C2n+1OHで表される直鎖又は分岐鎖の任意
の化合物を示し、nは1から10の整数である。
【0030】
「ポリオール」という用語は、少なくとも2つのヒドロキシル基で置換されたCからC10のアルキル基を意味する。好ましくは、「ポリオール」という用語は、グリセリン、プロピレングリコール、プロパン-1,3-ジオール又はソルビトールから選ばれる任
意の化合物を意味する。
【0031】
なお、本発明の文脈において、特に明記しない限り、%で表される割合は、考慮される
物質の総重量に対する重量パーセントに対応する。
【0032】
本発明による組成物は、アミノ酸、タンパク質、アルコール及び植物油を含む。好ましくは、本発明は、以下の特徴を単独で又は組み合わせて有する上述の組成物に関する。
【0033】
アミノ酸は、タンパク質を構成するアミノ酸又はその酸もしくは塩基、有機塩もしくは無機塩である。より好ましくは、アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、グリシン、アラニン、セリン、βアラニン、タウリン、リジン及びアルギニン、並びに、それらの酸もしくは塩基、有機塩もしくは無機塩から選択されるものである。最も好ましくは、アミノ酸は、グルタミン酸、システイン及びアルギニンから選択されるものである。
【0034】
タンパク質は、場合によっては加水分解されたクレアチン、場合によっては加水分解されたケラチン、場合によっては加水分解された小麦タンパク質、場合によっては加水分解された絹タンパク質、場合によっては加水分解された大豆タンパク質、場合によっては加水分解されたコラーゲン、場合によっては加水分解されたエラスチン、場合によっては加水分解されたエンドウ豆タンパク質、場合によっては加水分解された米タンパク質、場合によっては加水分解されたコンキオリンタンパク質及び場合によっては加水分解された乳清タンパク質から選択される。最も好ましくは、タンパク質は、クレアチン、ケラチン、場合によっては加水分解された小麦タンパク質、場合によっては加水分解された絹タンパク質及び場合によっては加水分解された大豆たんぱく質から選択される。
【0035】
アルコールは、ブタノール、イソプロパノール及びエタノールから選択される。最も好ましくは、エタノールとして選択されるものである。
【0036】
植物油には、少なくとも1%の硫黄又は含硫アミノ酸が含まれている。より好ましくは、植物油は、スイートアーモンド油、オリーブ油、アルガン油、ハーレム油、ババス油、ブロッコリー種子油、アボカド油、アマニ油、アプリコット油、キュウリ油、ニゲラ油、ブラジルナッツ油、ブドウ種子油、シアオレイン、ゴマ油及びトマト油から選択される。最
も好ましくは、植物油はブロッコリー種子油又はハーレム油として選択される。
【0037】
その縮毛矯正用組成物はさらに、ポリオールを含み、及び/又は、
その縮毛矯正用組成物は毛髪を着色させる顔料又は染料も含んでいる。
【0038】
本発明による縮毛矯正用組成物は、単一の組成物の形態でも、本発明による組成物の成分の1以上をそれぞれ含む2、3又は4の別個の組成物を含む縮毛矯正用キットでもよい。好ましくは、本発明は、
一方では、上記のようなアミノ酸及び上記のようなタンパク質を含む組成物と、
他方では、上記のようなアルコール及び上記のような植物油を含む組成物と、
を含む縮毛矯正用キットに関するものでもある。
【0039】
好ましくは、本発明は、以下の特徴を単独で又は組み合わせて有する上述の縮毛矯正用キットに関する。
【0040】
その縮毛矯正用キットは、アミノ酸及びタンパク質を含む組成物を50%から70%含み、アルコール及び植物油を含む組成物を30%から50%含む。
【0041】
アミノ酸及びタンパク質を含むその組成物は、0.1%から20%の上記アミノ酸、好ましく
は0.1%から5%の上記アミノ酸、より好ましくは0.1%から1%の上記アミノ酸を含み、
アミノ酸及びタンパク質を含むその組成物は、0.1%から20%の上記タンパク質、より好
ましくは0.1%から5%の上記タンパク質、最も好ましくは0.1%から2%の上記タンパク質を含み、
アミノ酸及びタンパク質を含むその組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水のエマルジョン、ヘアローション又はシャンプーの形態である。より好ましくは、アミノ酸及びタンパク質を含むその組成物はクリームの形態である。
【0042】
アルコール及び植物油を含むその組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水のエマルジョン、二相性ローション又はシャンプーの形態である。より好ましくは、アルコール及び植物油を含むその組成物は、二相性ローションの形態であり、
アルコール及び植物油を含むその組成物は、1%から50%の上記アルコール、より好まし
くは10%から50%の上記アルコール、最も好ましくは、10%から30%の上記アルコールを含み、
アルコール及び植物油を含むその組成物は、50%から95%の上記植物油、より好ましくは50%から80%の上記植物油、最も好ましくは70%から80%の上記植物油を含む。
【0043】
アルコール及び植物油を含むその組成物は、さらにポリオールを含み、及び/又は、
毛髪を着色するための色素又は顔料は、アミノ酸及びタンパク質を含有する製剤や補足的な製剤に統合される。
【0044】
本発明による縮毛矯正用組成物は、キットの形態であるか否かに関わらず、当業者に知られている任意の方法に従って適用することができる。好ましくは、本発明による縮毛矯正用組成物は、以下のステップを含む方法に従って適用される。
【0045】
縮毛矯正用組成物が、上記キットの形態である場合、本発明による縮毛矯正用組成物を得るために、上記のアミノ酸及びタンパク質を含む組成物と、上記のアルコール及び植物油を含む組成物とを混合し、
得られた生成物(すなわち、本発明による縮毛矯正用組成物)を根元から毛先まで毛束毎に塗布し、
その生成物が毛髪を変化させる間、15分間から45分間放置し、
ヘアドライヤーを使用するなどして、好ましくは温風によって、毛髪を乾燥させ、
その毛髪を水ですすぎ、そして、
ヘアドライヤーでスタイリングをおこなう。
【0046】
本発明による方法は、容易に実施可能であり、ストレートヘアアイロンを使用することなく効果的かつ長続きする縮毛矯正を可能にし、その結果、毛髪の質を保持する。
【0047】
本発明による方法は、以下の方法によってさらに仕上げることができる。
【0048】
本発明の縮毛矯正用組成物を使用する前に、シャンプーを使用し、
本発明の縮毛矯正用組成物を使用する前に、毛髪を部分的に予備乾燥させ、及び/又は、
水で毛髪をすすいだ後、スタイリングの前に、疎水性か否かに関わらずマスクタイプの組成物を塗布する。
【0049】
以下の例により、本発明を非限定的に説明する。
【0050】
例1-本発明による縮毛矯正用キット
アミノ酸及びタンパク質を含むクリーム状の縮毛矯正用組成物と、
アルコール及び植物油を含む二相ローション状の二相性活性剤と、を含み、
表1及び表2にそれぞれ報告されている組成物を調製した縮毛矯正用キットを準備した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
例2-縮毛矯正試験
2.1-縮毛矯正方法
上記例1で説明した縮毛矯正用キットは、チオ酸を用いた従来の縮毛矯正により、トレイ全体が大きく壊れ、強力な還元剤ベースの製品の使用が妨げられるほどに非常に弱くなったアフロタイプの毛髪をまっすぐにするために使用される(図1)。処理前の毛髪の顕微鏡分析により、内部構造が明らかに弱体化していることが明らかになった(図2)。
【0054】
本発明による縮毛矯正用組成物の適用は、以下の手順に従って実施される。
【0055】
ステップ1:毛髪の前処理
準備用のシャンプーを用いてダブルシャンプーが実施される。
【0056】
ステップ2:本発明による縮毛矯正用組成物の調製
例1の縮毛矯正用組成物及び二相性活性剤は、縮毛矯正用組成物/二相性活性剤希釈率60/40で混合される。
【0057】
ステップ3:本発明による縮毛矯正用組成物の適用
ヘアドライヤーを使用して毛髪をほぐし、70%ほどに予備乾燥をさせる。
【0058】
本発明による縮毛矯正用組成物は、根元から毛先まで毛束毎に塗布される。生成物を適切に塗り広げるために各毛束を揉み、櫛でとかす。
【0059】
その後、毛髪をセロファンで多い、縮毛矯正用組成物を30分間作用させる。
【0060】
ステップ4:乾燥
その後、ヘアドライヤーの温風で乾燥させる際に、根元から毛先に向かって風を吹き付けてキューティクルを整える。3cm幅ずつ毛束をとり、頭皮に対して垂直に保って100%乾
燥させる。
【0061】
ステップ5:すすぎ
その後、毛髪を冷まして水ですすぐ。次に、従来の「マスク」組成物を塗布し、5分間
作用させて、毛髪を再び水ですすぐ。
【0062】
ステップ6:ストレート化
その後、毛髪はヘアドライヤーによってハンドスタイリングされる。
【0063】
2.2-得られた結果
縮毛矯正中にストレートヘアアイロンを使用する必要がなく、毛髪が直接まっすぐにな
り、整えられる。
【0064】
このようにして、ストレートヘアアイロンの張力又は高温の効果に頼ることなく、単純にヘアドライヤーの熱に触れるだけでストレートヘアが得られる。
【0065】
ボリュームが制御され、これまでの処理で敏感になっていた毛髪繊維に対して大きな復元の効果が見られる(図3)。処理後の毛髪の顕微鏡分析から、毛髪繊維の表面全体にわたってまっすぐな状態だけでなく、処理前の毛髪と比較して内部構造が改善されたことが明らかである(図4)。
【0066】
毛髪には強い輝きが見られ、顕著な流動性と明るさが回復された。
【0067】
さらに、その効果は長続きする(約3か月)。
【0068】
例3-本発明による縮毛矯正用キット
アミノ酸、タンパク質、アルコール及び植物油を含むクリーム状の縮毛矯正用組成物と、
タンパク質と疎水性樹脂を含む「トップコート」マスクと、を含み、
表3及び表4にそれぞれ報告されている組成物を調製した縮毛矯正用キットを準備した。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
例4-縮毛矯正試験
4.1-縮毛矯正方法
上記例3に示した縮毛矯正用キットは、水分と接触した際に縮れ、扱いにくく、頑固なアフロタイプの毛髪に用いられる。
【0072】
処理前に撮影した写真には、自然な状態の毛髪が写し出されている(図5)。
【0073】
本発明による縮毛矯正用組成物の適用は、以下の手順に従って実施される。
【0074】
ステップ1:乾燥した毛髪に直接縮毛矯正クリームを塗布する
本発明による縮毛矯正用組成物は、毛束毎に根元から毛先まで適用される。生成物を各毛束に適切に塗り広げるため、各毛束を揉み、櫛でとかす。
【0075】
その後、毛髪をセロファンで覆い、縮毛矯正用組成物を30分間作用させる。
【0076】
ステップ2:乾燥
その後、ヘアドライヤーの温風で乾燥させる際に、根元から毛先に向かって風を吹き付けてキューティクルを整える。3cm幅ずつ毛束をとり、頭皮に対して垂直に保ち、全長に
わたって加熱する。
【0077】
ステップ3:すすぎ
毛髪全体をすすぎ、硫酸ナトリウム(SLS)を含まない典型的なシャンプーを使用する。
【0078】
そのシャンプーを洗い流し、「トップコート」マスク組成物を塗布し、5分間放置して
から洗い流す。
【0079】
ステップ4:ストレート化
その後、毛髪はヘアドライヤーを用いてハンドスタイリングされる。
【0080】
4.2-得られた結果
縮毛矯正中にストレートヘアアイロンを使用する必要がなく、毛髪がまっすぐになり、整えられる。
【0081】
このようにして、ストレートヘアアイロンの張力又は高温の効果に頼ることなく、単純にヘアドライヤーの熱に触れるだけでストレートヘアが得られる(図6)。
【0082】
含水率91%のスチーム処理に15分間晒された後を含めて、毛髪繊維は抑制される(図7
)。
【0083】
さらに、その効果は長続きする(約3か月)。
【0084】
例5-比較試験
アミノ酸及びアルコールのみを含むクリーム状の縮毛矯正用組成物(つまり、タンパク質及び植物油を含まない)と、
タンパク質を含む「トップコート」マスクと、を含み、
表5及び表6にそれぞれ報告されている組成物を調製した縮毛矯正用キットを準備した。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
次に、例4に記載されたものと同一の手順に従って、この組成物で縮毛矯正試験を実施した。
【0088】
処理前に撮影した写真には、自然な状態の毛髪が写し出されている(図8)。
【0089】
処理後、軽く脱水させた毛髪が観察された。さらに、ヘアドライヤーの熱に触れると。毛髪はまっすぐではなく、うねり、泡立ったような外観となった。ブラッシングによって改善を試みたが、結果は全く不十分だった(図9)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方で、
アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、グリシン、アラニン、セリン、βアラニン、タウリン、リジン及びアルギニン、並びにそれらの酸性塩もしくは塩基性塩、有機塩もしくは無機塩から選択されるタンパク質構成アミノ酸0.1%から20%、及び、
クレアチン、加水分解されたクレアチン、ケラチン、加水分解されたケラチン、小麦タンパク質、加水分解された小麦タンパク質、絹タンパク質、加水分解された絹タンパク質、大豆タンパク質、加水分解された大豆タンパク質、コラーゲン、加水分解されたコラーゲン、エラスチン、加水分解されたエラスチン、エンドウ豆タンパク質、加水分解されたエンドウ豆タンパク質、米タンパク質、加水分解された米タンパク質、コンキオリンタンパク質、加水分解されたコンキオリンタンパク質、乳清タンパク質及び加水分解された乳清タンパク質から選択されるタンパク質0.1%から20%、を含む組成物と、
他方で、
2n+1 OHで表され、nは1から10の整数であるアルコール1%から50%、及び、
1%の硫黄又は含硫アミノ酸を含む植物油50%から95%、を含む組成物と、
を含む縮毛矯正用製品
【請求項2】
請求項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記タンパク質は、クレアチン、ケラチン、小麦タンパク質、加水分解された小麦タンパク質、絹タンパク質、加水分解された絹タンパク質、大豆タンパク質、加水分解された大豆タンパク質から選択されることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項3】
請求項1又は2に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アルコールは、ブタノール、イソプロパノール及びエタノールから選択されることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項4】
請求項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アルコールはエタノールであることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記植物油は、スイートアーモンド油、オリーブ油、アルガン油、ハーレム油、ババス油、ブロッコリー種子油、アボカド油、アマニ油、アプリコット油、キュウリ油、ニゲラ油、ブラジルナッツ油、グレープ種子油、シアオレイン、ゴマ油及びトマト油から選択されることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項6】
請求項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記植物油は、ブロッコリー種子油又はハーレム油であることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物が更に、ポリオールを含むことを特徴とする縮毛矯正用製品。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物が更に、毛髪を着色させる顔料又は染料を含むことを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物を50%から70%と、
前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物を30%から50%と、を含むことを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アミノ酸及び前記タンパク質を含む前記組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水エマルジョン、ヘアローション又はシャンプーの形態であることを特徴とする縮毛矯正用製品
【請求項11】
請求項から10のいずれか1項に記載の縮毛矯正用製品において、
前記アルコール及び前記植物油を含む前記組成物は、クリーム状、ゲル状、水中油もしくは油中水エマルジョン、二相性ローション又はシャンプーの形態であることを特徴とす
る縮毛矯正用製品