(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040228
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】安全分類ゾーンでの追跡装置の動作
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230314BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003029
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2019571651の分割
【原出願日】2018-08-01
(31)【優先権主張番号】15/841,841
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/546,454
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/841,884
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/841,877
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/841,874
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516294193
【氏名又は名称】タイル,インク.
【氏名又は名称原語表記】Tile,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パパーラ、アルンクマール
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リューイン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン、ウェイン
(57)【要約】
【課題】安全分類ゾーンでの追跡装置の好適な動作を提供する。
【解決手段】追跡装置は、安全ゾーン、スマートゾーン、および高リスクゾーンに関連付けられるす。安全ゾーンは、追跡装置を安全ゾーン内で紛失する可能性が安全ゾーン外よりも低い領域に対応する。高リスクゾーンは、高リスクゾーン内で追跡装置を紛失する可能性が高リスクゾーン外よりも高い領域に対応する。スマートゾーンは、予想される追跡装置、モバイル装置、またはユーザの動作に対応します。ホームエリアは、ユーザが居住する地理的領域であり、外出エリアは、ユーザが居住しない地理的領域である。追跡装置は、安全ゾーン、スマートゾーン、高リスクゾーン、ホームエリア、または外出エリア内の追跡装置の存在に基づいて選択されたモードで動作するように構成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡装置の位置を特定するための方法であって、
中央追跡システムが、1つまたは複数の地理的領域の各々を記述する情報にアクセスすることであって、各地理的領域は地理的境界に関連付けられている、前記情報にアクセスすること、
前記中央追跡システムが、追跡装置のユーザが第1の地理的境界内に位置することを判定すること、
前記中央追跡システムが、前記ユーザが前記第1の地理的境界に関連付けられた第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性を判定すること、
前記中央追跡システムが、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する判定された可能性に基づいて選択された動作モードで動作するように前記追跡装置を設定するための命令を前記ユーザのモバイル装置に供給すること、を備える方法。
【請求項2】
前記ユーザの自宅は、前記第1の地理的領域内に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザが住んでいる都市、町、または近所を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザによって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された信号送信レートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
選択された前記信号送信レートは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性が増大するにつれて高くなる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された電力消費量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
実行可能な複数のコンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記複数のコンピュータ命令は、プロセッサによって実行されると、追跡装置の位置を特定するための複数のステップを実行し、前記複数のステップは、
1つまたは複数の地理的領域の各々を記述する情報にアクセスすることであって、各地理的領域は地理的境界に関連付けられている、前記情報にアクセスすること、
追跡装置のユーザが第1の地理的境界内に位置することを判定すること、
前記ユーザが前記第1の地理的境界に関連付けられた第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性を判定すること、
前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する判定された可能性に基づいて選択された動作モードで動作するように前記追跡装置を設定するための命令を前記ユーザのモバイル装置に供給すること、を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
前記ユーザの自宅は、前記第1の地理的領域内に位置する、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザが住んでいる都市、町、または近所を含む、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザによって定義される、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された信号送信レートを含む、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
選択された前記信号送信レートは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性が増大するにつれて高くなる、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された電力消費量を含む、請求項8に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
追跡装置の位置を特定するシステムであって、
実行可能な複数の命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を備え、
前記複数の命令は、実行されると、前記システムによって複数のステップを実行させ、前記複数のステップは、
1つまたは複数の地理的領域の各々を記述する情報にアクセスすることであって、各地理的領域は地理的境界に関連付けられている、前記情報にアクセスすること、
追跡装置のユーザが第1の地理的境界内に位置することを判定すること、
前記ユーザが前記第1の地理的境界に関連付けられた第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性を判定すること、
前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する判定された可能性に基づいて選択された動作モードで動作するように前記追跡装置を設定するための命令を前記ユーザのモバイル装置に供給すること、を含む、システム。
【請求項16】
前記ユーザの自宅は、前記第1の地理的領域内に位置する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザが住んでいる都市、町、または近所を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の地理的領域は、前記ユーザによって定義される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された信号送信レートを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記動作モードは、前記ユーザが前記第1の地理的領域内で前記追跡装置を紛失する可能性に基づいて選択された電力消費量を含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して追跡装置に関し、より具体的には、ゾーンまたはエリアにおけるその存在に基づいて追跡装置または関連するモバイル装置の動作を修正することに関する。
【背景技術】
【0002】
電子追跡装置は、人が人および/または物体の位置を追跡するための多数の方法を生成している。たとえば、ユーザはGPSテクノロジを使用して、装置を遠隔で追跡するか、またはユーザの位置を特定することができる。別の例では、ユーザはキーや財布などの重要な物体に追跡装置を取り付け、(たとえば、紛失した場合に)追跡装置の機能を使用して物体をより迅速に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】一実施形態による、追跡装置が動作することができる例示的な追跡システム環境を示す。
【
図2】一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的な追跡システムを示す。
【
図3】一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的なユーザモバイル装置を示す。
【
図4】一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的なコミュニティモバイル装置を示す。
【
図5】一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的な追跡システムを示す。
【
図6】一実施形態による、追跡装置または関連するモバイル装置の動作に影響を及ぼす関連する動作プロファイルを有する複数のゾーンを示す。
【
図7】一実施形態による、複数のゾーンをそれぞれ含む複数のエリアを示す。
【
図8】一実施形態による、複数のゾーンを生成するプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態による、スマートゾーン内での存在に基づいて追跡装置の動作を修正するプロセスを示すフローチャートである。
【
図10】一実施形態による、エリア内での存在に基づいて追跡装置の動作を修正するプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図は、例示のみの目的で本願発明のさまざまな実施形態を示している。
本明細書において記述されている本願発明の原理から逸脱することなく、本明細書において示されている構造および方法の代替実施形態が採用されることが可能であるということを当業者であれば以降の論考から容易に認識するであろう。
【0005】
環境の概要
本明細書で説明される実施形態は、追跡装置(tracking device)に関連する機能を詳述する。ユーザは、財布、鍵、車、バイク、ペット、またはユーザが追跡したいその他の物体などの物体に追跡装置を取り付けるか、またはその内部に追跡装置を封入することができる。その後、ユーザは、(例えば、モバイル装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションによって)モバイル装置または他の装置またはサービスを使用して、追跡装置と対応する物体を追跡できる。たとえば、モバイル装置は、近くの物体に取り付けられた追跡装置の局地探索を実行できる。しかしながら、ユーザが自身のモバイル装置を使用して追跡装置を見つけることができない状況において(例えば、追跡装置が、モバイル装置および追跡装置が通信可能な距離を超えている場合)、ユーザは、追跡装置システムの複数のユーザのコミュニティの能力を利用することができる。
【0006】
特に、(本明細書では「クラウドサーバ」または単に「サーバ」とも呼ばれる)追跡システムは、追跡装置システムの複数のユーザに関連付けられたユーザプロファイルを保持することができる。追跡システムは、システム内の各ユーザを、ユーザに関連付けられた1つまたは複数の追跡装置(例えば、ユーザが購入し、ユーザが所有する物体の追跡に使用している追跡装置)に関連付けることができる。ユーザの物体が紛失または盗難に遭った場合、ユーザは、システムと通信している複数のユーザのコミュニティ(community)に関連付けられた1つまたは複数のモバイル装置と通信している追跡システムに、追跡装置が紛失したという指示を送信できる。追跡システムは、追跡装置を紛失したことを示すフラグを設定できる。近くの追跡装置を探索し(scanning)、更新された位置を追跡システムに提供する複数のモバイル装置のコミュニティの1つが、フラグが立てられた追跡装置を特定すると、追跡システムは、受信された位置をフラグが立てられた追跡装置に関連付け、その位置を追跡装置のユーザに中継して知らせて、ユーザが、紛失した追跡装置の位置を特定することができる。本明細書中で使用される場合、「モバイル装置」は、電話、タブレットコンピュータ、または他の接続されたデバイスを指し、また、追跡装置に接続し、追跡装置の位置を報告するように構成された、サーバ、ルータ、ゲートウェイ、アクセスポイント、および特殊化されたシステムなど、典型的には携帯性を考慮しないシステムも指すことができる。
【0007】
本明細書で使用される「追跡装置」は、追跡装置の位置を特定する目的で別の装置と通信するように構成された任意の装置を指すことができる。追跡装置は、特殊化された装置または単一目的の装置(たとえば、別の装置と通信するための回路またはコンポーネントを含む内蔵型装置)であり得る。しかしながら、本明細書で使用される「追跡装置」は、異なる一次機能を有するが二次追跡装置機能を有する装置または物体を指すこともある。たとえば、スーツケースは、ユーザがスーツケースを追跡および/または特定可能な追跡装置コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、追跡装置プラットフォームが、1つまたは複数の基準を満たす複数の装置および物体が追跡装置エコシステム(tracking device ecosystem)内の複数の追跡装置として機能できるように構成され得る。例えば、追跡装置プロバイダは、物体または装置に組み込まれた場合に、物体または装置が追跡装置として機能し、追跡装置エコシステム内の他のデバイスと通信し、本明細書に記載の機能を実装することを可能にするSDKまたはカスタムチップセットを提供することができる。
【0008】
図1は、一実施形態による、追跡装置が動作することができる例示的な追跡システム環境を示す。
図1の環境は、第1のネットワーク108を介してユーザ103に関連付けられたモバイル装置102に通信可能に接続された追跡システム100を含む。また、追跡システム100は、第1のネットワーク108を介して、(「複数のコミュニティユーザ105」として本明細書において集合的に呼称される)追跡システム100の複数のユーザ105a~105nに関連する(「複数のコミュニティモバイル装置104」として本明細書において集合的に呼称される)複数のコミュニティモバイル装置104a~104nに通信可能に接続される。
【0009】
以下により詳細に説明されるように、追跡システム100は、ユーザ103が、ユーザ103に関連する追跡装置106を管理することおよび/またはその位置を特定することを可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、追跡システム100は、追跡装置の位置がユーザ103にとって未知であり、かつ追跡するモバイル装置102の能力を超えている場合、追跡装置106の位置を特定するために、複数のコミュニティモバイル装置104の能力を利用する。いくつかの構成では、ユーザ103は、複数の追跡装置106を所有および登録し得る。
図1は、追跡システム100、モバイル装置102、コミュニティモバイル装置104、および追跡装置106の特定の配置を示しているが、様々な追加の配置が可能である。
【0011】
いくつかの構成では、ユーザ103は、複数のユーザのコミュニティ105の一部分であり得る。さらに、1人以上のユーザ105は、1つまたは複数の追跡装置106を所有および登録してもよい。したがって、複数のユーザ105のコミュニティ内の複数のユーザのうちの任意の一人が、追跡システム100と通信し、ユーザ103に加えてユーザ105のコミュニティの能力を利用して、紛失した追跡装置106の位置を特定することができる。
【0012】
追跡システム100、モバイル装置102、および複数のコミュニティモバイル装置104は、既知の通信技術、デバイス、媒体、およびリモートデータ通信をサポートするプロトコルを含む、データおよび/または通信信号を伝送するのに適した任意の通信プラットフォームおよび技術を使用して通信してもよい。
【0013】
特定の実施形態では、追跡システム100、モバイル装置102、および複数のコミュニティモバイル装置104は、無線ネットワーク(例えば、無線通信ネットワーク)、移動電話ネットワーク(例えば、携帯電話ネットワーク)、クローズド通信ネットワーク、オープン通信ネットワーク、衛星ネットワーク、ナビゲーションネットワーク、ブロードバンドネットワーク、狭帯域ネットワーク、インターネット、ローカルエリアネットワーク、および追跡システム100、モバイル装置102、および複数のコミュニティモバイル装置104の間でデータおよび/または通信信号を伝送することができる任意の他のネットワークを含むが、これらに限定されない、1つまたは複数のネットワークを含むネットワーク108を介して通信してもよい。
【0014】
モバイル装置102および複数のモバイル装置104のコミュニティは、第2のネットワーク110を介して追跡装置106と通信してもよい。第2のネットワーク110は、第1のネットワーク108と同様または異なるタイプのネットワークであり得る。いくつかの実施形態では、第2のネットワーク110は、ブルートゥースまたはブルートゥース低エネルギー(Bluetooth Low Energy : BLE)無線ネットワークなど、通信範囲が制限された無線ネットワークを含む。いくつかの構成では、第2のネットワーク110は、追跡装置106と、追跡装置106の近くにある1つまたは複数のモバイル装置とを含むポイント・ツー・ポイントネットワーク(point-to-point network)である。このような実施形態では、モバイル装置102および複数のコミュニティモバイル装置104は、追跡装置106のすぐ近くにある場合にのみ、追跡装置と通信することができるが、他の実施形態では、追跡装置は、長距離通信機能(例えば、GSM送受信器)を使用して、任意の距離でモバイル装置102/104または追跡システム100と通信してもよい。
【0015】
いくつかの構成では、モバイル装置102および1つまたは複数のコミュニティモバイル装置104の各々は、様々なユーザに関連付けられた複数の追跡装置に関連付けられ得る。
【0016】
上述したように、
図1は、ユーザ103に関連付けられたモバイル装置102を示す。モバイル装置102は、複数の追跡装置(例えば、追跡装置106)の位置特定に関して本明細書で説明される1つまたは複数の機能を実行するように構成され得る。たとえば、モバイル装置102は、ユーザ103に関する情報および追跡装置106に関する情報を示す入力をユーザ103から受け取ることができる。次いで、モバイル装置102は、受け取ったユーザ情報、追跡装置情報、および/またはモバイル装置102に関する情報を追跡システム100に提供し得る。したがって、追跡システム100は、モバイル装置102、ユーザ103、および/または追跡装置106を互いに関連付けることができる。いくつかの実施形態では、モバイル装置102は追跡装置106と通信し、追跡装置の位置に関する情報をユーザ103に提供することができる。例えば、モバイル装置102は、モバイル装置102と追跡装置106との間のおおよその距離を決定するために、(例えば、第2のネットワーク110を介して)追跡装置106からの通信信号、ならびに通信信号の強度または近さを示す他の測定値を検出することができる。次に、モバイル装置102は、(たとえば、1つまたは複数のグラフィカルユーザインタフェースを介して)この情報をユーザ103に提供して、ユーザ103が追跡装置106を見つけるのを支援することができる。
【0017】
したがって、ユーザ103は、モバイル装置102を使用して、追跡装置106および追跡装置106に関連付けられた対応する物体を追跡および位置特定し得る。モバイル装置102が追跡装置106との通信の直前の範囲(immediate range)を超えて(例えば、第2のネットワーク110を超えて)位置する場合、モバイル装置102は、追跡装置106を紛失したという指示を追跡システム100に送信し、追跡装置を見つける際の支援を要求するように構成され得る。モバイル装置102は、ユーザ103からのコマンドに応答して、紛失した装置の指示を送信することができる。例えばユーザ103が追跡装置106を紛失したと判定した場合、ユーザは、(例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介して)ユーザ入力をモバイル装置102に供給し、モバイル装置102が追跡システム100に追跡装置106を紛失したという指示を送信することを要求することができる。いくつかの例では、紛失指示(lost indication)は、ユーザ103を識別する情報(例えば、名前、ユーザ名、認証情報)、モバイル装置102に関連する情報(例えば、携帯電話番号)、追跡装置に関連する情報(例えば、固有の追跡装置識別子)、またはユーザの位置(例えば、要求が送られたときのモバイル装置102のGPS位置)を含み得る。
【0018】
追跡システム100は、複数の追跡装置および/または複数の追跡装置に関連する複数のユーザの追跡および管理に関連するいくつかの機能およびサービスを提供するように構成され得る。例えば、追跡システム100は、ユーザ103および複数のコミュニティユーザ105に関連する情報および/またはユーザプロファイルを管理し得る。特に、追跡システム100は、追跡装置106および/またはユーザ103および/または複数のコミュニティユーザ105に関連する他の追跡装置に関連する情報を管理し得る。
【0019】
上述のしたように、追跡システム100は、モバイル装置102から追跡装置106を紛失したという指示を受信し得る。次に、追跡システム100は、ユーザ103が追跡装置106を見つけるのを支援するためにその指示を処理し得る。例えば、追跡システム100は、複数のコミュニティモバイル装置104の能力を利用して、追跡装置106を見つけるのを支援することができる。特に、追跡システム100は、追跡装置106を紛失したことを示すために追跡装置106にフラグをセットし、複数のコミュニティモバイル装置104の近くにある1つまたは複数の追跡装置106の位置を示す複数のコミュニティモバイル装置104から受信される通信を監視してもよい。追跡システム100は、紛失した追跡装置106に特定の位置が関連付けられているかどうかを判定し、追跡装置106に関連付けられている位置の更新をモバイル装置102に供給することができる。一例では、追跡システムは、追跡装置106を紛失しているかどうかにかかわらず、追跡装置106の位置の定期的な更新を受信し、追跡装置106を紛失したという指示の受信に応答して追跡装置106の更新された最新の位置を提供し得る。
【0020】
いくつかの構成では、追跡システム100は、追跡装置106に関連する位置特定要求を複数のコミュニティモバイル装置104のそれぞれに送信し得る。位置特定要求は、複数のコミュニティモバイル装置106が追跡装置102を見つけるために必要な任意の命令および/または情報を含み得る。例えば、位置特定要求は、追跡装置106を識別するために複数のコミュニティモバイル装置104によって使用される追跡装置106に関連付けられた固有の識別子を含み得る。したがって、複数のコミュニティモバイル装置104のうちの1つが追跡装置106からの通信を検出した場合(例えば、コミュニティモバイル装置104が追跡装置106の通信能力の範囲内にあるか、またはその範囲内に移動し、追跡装置106に関連付けられた固有の識別子を含むか、またはそれに関連付けられた信号を追跡装置106から受信した場合)、当該コミュニティモバイル装置104は、追跡システム100に通知し得る。追跡システム100は、複数のコミュニティモバイル装置104から受信した情報を使用して、追跡装置106の潜在的な位置を(例えば、モバイル装置102を介して)ユーザに通知することができる。
【0021】
上述され
図1に示されるように、追跡システム100は、対応する複数のコミュニティユーザ105に関連する複数のコミュニティモバイル装置104と通信し得る。
例えば、一実施形態は、第1のコミュニティユーザ105aに関連する第1のコミュニティモバイル装置104aと、第2のコミュニティユーザ105bに関連する第2のコミュニティモバイル装置104bと、第nのコミュニティユーザ105nに関連する第nのコミュニティモバイル装置104nまでの追加のコミュニティユーザに関連する追加のコミュニティモバイル装置を含み得る。複数のコミュニティモバイル装置104は、各コミュニティモバイル装置104が当該コミュニティモバイル装置104の近くにある追跡装置106を特定できるようにする機能を含み得る。一例では、追跡装置106の近傍にある第1のコミュニティモバイル装置104aは、追跡装置106と通信し、(例えば、追跡装置106に関連する固有の識別子を使用して)追跡装置106を識別し、および/または、追跡装置106に関連する位置(例えば、追跡装置106との通信時における第1のコミュニティモバイル装置104aの位置)を検出することができる。この情報を使用して、更新された位置を提供し、および/または追跡装置106に関する追跡システム100からの位置特定要求に応答し得る。いくつかの実施形態では、第1のコミュニティモバイル装置104aによって実行される複数のステップは、第1のコミュニティユーザ105aから隠される。従って、第1のコミュニティモバイル装置104aは、第1のモバイルユーザ105aへの影響及びその情報なしに追跡装置106の位置特定を支援することができる。
【0022】
上述したように、追跡システム100は、追跡装置106の位置を特定する際にユーザ103を支援し得る。追跡装置は、チップ、タイル、タグ、または回路を収容するための他の装置であり、財布、鍵、財布、車、またはユーザ103が追跡する他の物体などの物体に取り付けられるかまたは封入される。さらに、追跡装置106は、音を発するためのスピーカーおよび/またはビーコンをブロードキャストするための送信器を含み得る。特定の構成では、追跡装置106は、近くのモバイル装置102および/またはコミュニティモバイル装置104を使用して検出されるビーコン信号(beacon signal)を定期的に送信し得る。いくつかの構成では、追跡装置106は、近くのモバイル装置(たとえば、コミュニティモバイル装置104)から検出されるビーコンを定期的な間隔(たとえば、1秒間隔)でブロードキャストする。追跡装置106から発せられる信号の強度は、信号を検出するモバイル装置102またはコミュニティモバイル装置104への近接度を決定するために使用されてもよい。例えば、より高い強度の信号は、追跡装置106とモバイル装置102との間の近い近接性を示し、より低い強度の信号は、追跡装置106とモバイル装置102との間のより遠い近接性を示すが、いくつかの実施形態では、追跡装置106は、ビーコン信号の送信強度を意図的に変化させることができる。
【0023】
いくつかの場合では、信号の強度または信号の不在が、追跡装置106を紛失したことを示すために使用される。
システム概要
図2は、一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的な追跡システムを示す。図示されるように、追跡システム100は、限定されるものではないが、関連付けマネージャ204、追跡装置位置特定マネージャ206、ゾーンマネージャ207A、エリアマネージャ207B、およびデータマネージャ208を含み、これらの各々は、任意の適切な通信技術を使用して互いに通信することができる。
図2では、マネージャ204~208は分離されているように示されているが、マネージャ204~208のいずれも、単一のマネージャのように、より少ないマネージャに組み合わされてもよく、または特定の実施形態に役立つように、より多くのマネージャに分割されてもよいことが認識されるであろう。
【0024】
関連付けマネージャ204は、ユーザ103に関する情報および/または1つまたは複数の特定の追跡装置(例えば、追跡装置106)に関する情報を受信、送信、取得、および/または更新するように構成され得る。いくつかの構成では、関連付けマネージャ204は、ユーザ103に関連付けられた情報を追跡装置106に関連付けられた情報に関連付けることができる。例えば、ユーザ情報および追跡情報は、モバイル装置102を介して取得され、関連付けマネージャ204を使用して、ユーザ情報および追跡情報をリンクし得る。ユーザ103と追跡装置106との間の関連付けが用いられて、認証目的、またはユーザ情報、追跡装置情報、許可、またはユーザ103および/または追跡装置106に関する他の情報をデータベースに格納し得る。
【0025】
追跡システム100は、追跡装置位置特定マネージャ206も含む。追跡装置位置特定マネージャ206は、モバイル装置(例えば、モバイル装置102または複数のコミュニティモバイル装置104)から追跡装置106を紛失したという指示を受信および処理し得る。例えば、追跡システム100は、追跡装置106を紛失したことを示す紛失指示をモバイル装置102から受信してもよい。追跡装置位置特定マネージャ206は、追跡装置106を紛失したことを示すフラグをデータベース(例えば、トラッカーデータベース(tracker database)212)に設定してもよい。追跡装置位置特定マネージャ206は、データベースに問い合わせて、関連するユーザ103および/または追跡装置106に対応する追跡情報を判定し得る。追跡システム100は、追跡装置情報を取得し、追跡装置情報または追跡装置106に関連する他の情報を、紛失したかまたは利用できない追跡装置106に関する警告状態にある複数のコミュニティモバイル装置104に供給し得る。
【0026】
追跡装置位置特定マネージャ206は、例えば、紛失したと以前にマーキングされていない追跡装置106によって送信されたビーコン信号をコミュニティモバイル装置が受信したことに応答して、追跡装置106を検出する1つまたは複数のコミュニティモバイル装置104から位置を受信してもよい。このような実施形態では、モバイル装置102に対応するユーザは、追跡システム100から追跡装置に関連する最新の位置を要求し、位置特定マネージャ206は、モバイル装置102による表示のために、コミュニティモバイル装置から受信した位置を提供することができる。いくつかの実施形態では、位置特定マネージャ206は、(例えば、追跡装置106を紛失したとしてマーキングされている場合)自動的に、または(例えば、モバイル装置102のアプリケーションを介した)モバイル装置102のユーザの要求に応じて、コミュニティモバイル装置から受信された追跡装置106の位置を提供する。位置特定マネージャ206は、テキストメッセージ、プッシュ通知、アプリケーション通知、自動音声メッセージ、または任意の他の適切な通信形態を介して、モバイル装置102に追跡装置106の位置を提供し得る。
【0027】
追跡装置位置特定マネージャ206は、追跡装置106を紛失したかどうかについての指示を提供することをさらに管理し得る。例えば、上述したように、追跡装置位置特定マネージャ206は、追跡装置106を紛失したことを示す位置特定要求を複数のモバイル装置のコミュニティ104に提供し得る。さらに、ユーザ103又は複数のユーザ105のコミュニティのうちの一人による追跡装置106の位置特定時に、追跡装置位置特定マネージャ206は、追跡装置106が発見されたという指示をユーザ103、コミュニティユーザ105、または追跡システム100に提供して、追跡装置に関連するフラグを除去し、および/または複数のユーザのコミュニティ105に以前に提供された位置特定要求をキャンセルする。例えば、追跡装置106を紛失したという指示をユーザ103が追跡システム100に送信し、後で追跡装置106を発見した場合、モバイル装置102は、追跡システム100に追跡装置106が発見されたという指示を提供し得る。これに応答して、追跡装置位置特定マネージャ206は、追跡装置106を紛失したことを示すフラグを除去し、および/または、更新された指示を追跡装置106が発見されたことをユーザ105のコミュニティに提供し、これにより、以前に提供された位置特定要求に関連する任意の命令を取り消すことができる。いくつかの構成では、モバイル装置102がモバイル装置102の近くで追跡装置106を検出すると、追跡装置106が発見されたという通知が自動的に提供され得る。代替的には、追跡装置106が発見されたという通知は、ユーザ103によってモバイル装置102のユーザ入力を介して提供されてもよい。別の例では、追跡装置106が共有されている既知のユーザ(例えば、友人または家族)は、当該追跡装置106が発見されたという指示を提供してもよい。
【0028】
ゾーンマネージャ(zone manager)207Aは、1人以上のユーザの位置データセットに基づいて、異なるタイプのゾーンを生成する。ゾーンを生成した後、ゾーンマネージャ207Aは、ゾーンをゾーンデータベースに格納する。ゾーンの生成と機能については、
図6を参照して以下でさらに詳しく説明する。以下で説明するように、いくつかのタイプのゾーン(例えば、スマートゾーン(smart zones)および安全ゾーン(safe zones))はユーザ固有であるが、他のタイプのゾーン(例えば、高リスクゾーン)は複数のユーザに適用可能である。一実施形態では、ゾーンマネージャ207Aは、ユーザに関する他のデータに関連してユーザデータベース210にユーザ固有のゾーンを格納し、ゾーンマネージャ207Aは、ゾーンデータベース218に複数のユーザに適用可能なゾーンを格納する。別の実施形態では、ゾーンマネージャ207Aは、生成されたすべてのゾーンをゾーンデータベース218に格納するが、ユーザ固有のゾーンは、関連するユーザの識別子とともに格納される。
【0029】
エリアマネージャ(area manager)207Bは、異なるタイプのエリアを生成し、生成されたエリアをエリアデータベース220に格納する。エリアの生成と機能については、
図7を参照して以下でさらに詳しく説明する。以下で説明するように、エリアはユーザ固有であり得る。したがって、ユーザ固有のゾーンと同様に、ユーザ固有のエリアは、ユーザに関する他のデータに関連してユーザデータベース210に格納されるか、または関連するユーザの識別子とともにエリアデータベース220に格納される。
【0030】
追跡システム100は、データマネージャ208をさらに含む。データマネージャ208は、ユーザ、モバイル装置、追跡装置、許可、位置特定要求、および追跡装置の位置特定サービスの実行に関連するデータベースに格納および/または維持される他のデータに関連する情報を格納および管理し得る。示されるように、データマネージャ208は、ユーザデータベース210、トラッカーデータベース212、許可データ214、位置特定要求データ216、ゾーンデータベース、およびエリアデータベース220を含むことができるが、これらに限定されない。
図2では、データマネージャ208内のデータベースおよびデータは別々に示されているが、ユーザデータベース210、トラッカーデータベース212、許可データ214、および位置特定要求データ216のいずれも、単一のデータベースまたはマネージャ内で組み合わされ、または特定の実施形態に役立つように、より多くのデータベースまたはマネージャに分割されることができることが理解されよう。
【0031】
データマネージャ208は、ユーザデータベース210を含み得る。ユーザデータベース210は、様々なユーザに関連するデータを格納するために使用される。例えば、ユーザデータベース210は、複数のユーザ105のコミュニティ内の各ユーザ105に関するデータとともに、ユーザ103に関するデータを含んでもよい。複数のユーザのコミュニティ105は、モバイル装置102、104または他の電子デバイスを介して追跡システム100にユーザ情報を提供した任意のユーザを含み得る。ユーザ情報は、1つまたは複数の追跡装置106の各々に関連付けられてもよく、または特定の追跡装置に関連付けられずに格納されてもよい。例えば、コミュニティユーザ105は、追跡装置104を所有することなくまたは追跡装置106に関連付けられることなく、ユーザ情報を提供し、コミュニティモバイル装置104上で追跡機能の実行を許可し得る。
【0032】
ユーザデータベース210はまた、特定のユーザに関連付けられた1つまたは複数のモバイル装置または他の電子デバイスに関する情報を含み得る。
データマネージャ208はまた、トラッカーデータベース212を含み得る。トラッカーデータベース212は、複数の追跡装置に関連するデータを格納するために使用される。例えば、トラッカーデータベース212は、追跡システム100に登録されている追跡装置106の追跡データを含んでもよい。追跡データは、個々の追跡装置106に関連付けられた固有のトラッカー識別子(tracker identification )(IDs)を含み得る。トラッカーIDsは、対応するユーザ103に関連付けられてもよい。またトラッカーIDsは、複数のユーザに関連付けられてもよい。さらに、トラッカーデータベース212は、特定の追跡装置106を紛失したと示されたかどうか、およびその追跡装置106に関する任意の着信通信(incoming communication)が追跡装置106に関連するフラグの存在に基づいて処理されるべきかどうかに関連する任意のフラグまたは他の指示を含み得る。
【0033】
データマネージャ208は、許可データ214および位置特定要求データ216をさらに含み得る。許可データ214は、特定のユーザ103および/または追跡装置106に関連する許可のレベルを含み得る。例えば、許可データ214は、追跡装置106を共有していると示されたか、または追跡装置106の位置を特定または受信する許可を与えられた追加のユーザを含んでもよい。位置特定要求データ216は、モバイル装置102を介してユーザ103から受信した位置特定要求または紛失指示に関連する情報を含み得る。
【0034】
データマネージャ208は、ゾーンデータベース218およびエリアデータベース220をさらに含み得る。上述したように、ゾーンデータベース218は、ゾーンマネージャ207Aによって生成された複数のゾーンを格納してもよく、エリアデータベース220は、エリアマネージャ207Bによって生成された複数のエリアを格納してもよい。
【0035】
図3は、一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的なユーザモバイル装置を示す。図示されるように、モバイル装置102は、限定されるものではないが、ユーザインタフェースマネージャ302、位置特定要求マネージャ304、データベースマネージャ306、および追跡マネージャ308を含み、これらの各々は、任意の適切な通信技術を使用して互いに通信することができる。
図3では、マネージャ302~308は分離されているように示されているが、マネージャ302~308のいずれも、単一のマネージャのように、より少ないマネージャに組み合わされてもよく、または特定の実施形態に役立つように、より多くのマネージャに分割されてもよいことが認識されるであろう。
【0036】
以下でより詳細に説明されるように、モバイル装置102は、ユーザインタフェースマネージャ302を含む。ユーザインタフェースマネージャ302は、追跡システム100上のデータへのアクセスをユーザ103に提供すること、および/または追跡システム100にデータを提供することを可能にする。さらに、ユーザインタフェースマネージャ302は、ユーザ103がモバイル装置102を介して追跡システム100および/または追跡装置106と通信することができるユーザインタフェースを提供する。
【0037】
モバイル装置102は、位置特定要求マネージャ304も含み得る。位置特定要求マネージャ304は、モバイル装置102への要求入力を受信および処理して、追跡装置106を紛失したという指示を追跡システム100に送信し得る。例えば、ユーザ103は、追跡装置106を紛失したとの指示、追跡装置106が到達不可能であるとの指示、またはそうでなければ利用できないとの指示をモバイル装置102からユーザインタフェースマネージャ302を介して提供し、位置特定要求マネージャ304は、紛失指示を処理し、位置特定要求を処理してネットワーク108を介して他のユーザ105に中継するために必要な任意のデータを追跡システム100に提供し得る。いくつかの構成では、追跡装置106を紛失したという指示は、ユーザ入力を介して提供される。代替的には、追跡装置106を紛失したとモバイル装置102が判定したことに応答して、指示が自動的に送信されてもよい。
【0038】
さらに、位置特定要求マネージャ304は、追跡装置106を紛失したと識別されることなく、追跡装置106の位置特定を要求することができる。例えば、ユーザは、(例えば、ユーザインタフェースマネージャ302を介して)モバイル装置102上で実行されているアプリケーションの追跡装置位置特定機能にアクセスすることができ、位置特定要求マネージャ304は、追跡システム100から追跡装置106の最新の位置を要求することができる。位置特定要求マネージャ304は、追跡システム100から最新の位置を受信して、ユーザインタフェースマネージャ302を介して最新の位置を表示することができる。
【0039】
モバイル装置102は、データベースマネージャ306も含み得る。データベースマネージャ306は、追跡装置106の位置を特定する、および/またはユーザ103に関連する1つ以上の追跡装置106の位置を特定するための要求を追跡システム100に提供するために使用されるユーザ103、追跡装置106、許可、他のデータに関連するデータを保持し得る。さらに、データベースマネージャ306は、モバイル装置102上の任意の他のマネージャを使用してアクセスされる任意の情報を保持し得る。
【0040】
モバイル装置102は、追跡マネージャ308をさらに含み得る。追跡マネージャ308は、ユーザ103に関連する追跡装置106と通信し、追跡装置106の位置を特定するための追跡アプリケーション(例えば、ソフトウェアアプリケーション)を含み得る。
【0041】
例えば、追跡マネージャ308は、追跡システム100および/または複数のコミュニティモバイル装置104を使用して、追跡装置106の位置を特定する、および/または追跡装置106の位置特定を要求する機能を提供するモバイル装置102上にインストールされる追跡アプリケーションの特定の構成であってもよい。図示のように、追跡マネージャ308は、Bluetooth低エネルギー(Bluetooth Low Energy : BLE)ケーブルマネージャ310、持続性マネージャ(persistence manager)312、ローカルファイルマネージャ314、モーションマネージャ(motion manager)316、セキュアストレージマネージャ318、設定マネージャ320、位置特定マネージャ322、ネットワークマネージャ324、通知マネージャ326、サウンドマネージャ328、友人マネージャ330、写真マネージャ332、認証マネージャ334、およびデバイスマネージャ336を含むが、これらに限定されない。したがって、追跡マネージャ308は、以下でさらに詳細に説明するマネージャ310~338に関連する機能のいずれかを実行することができる。
【0042】
BLEマネージャ310は、1つ以上の追跡装置106との通信を管理するために使用され得る。持続性マネージャ312は、追跡マネージャ308に関連する論理スキーマ情報(logical schema information)を格納するために使用され得る。ローカルファイルマネージャ314は、モバイル装置102から入力または出力されるすべてのファイルを管理する役割を果たし得る。モーションマネージャ316は、追跡マネージャ308が必要とするすべてのモーション管理の役割を果たし得る。セキュアストレージマネージャは、このサブシステムを介してアクセスされるパスワードおよびプライベートデータなどの情報を含むセキュアデータのストレージの役割を果たし得る。設定マネージャ320は、追跡マネージャ308によって使用される設定管理の役割を果たし得る。そのような設定は、モバイル装置102および/または追跡システム100による内部使用(たとえば、アプリケーション設定)のために追跡マネージャ308によってユーザ制御(たとえば、ユーザ設定)または定義されてもよい。位置特定マネージャ322は、追跡マネージャ308によって行われたすべての位置追跡の役割を果たし得る。例えば、位置特定マネージャ322は、モバイル装置102の位置特定サービスへのアクセスを管理し、他のマネージャと協働してデータを保持し得る。
【0043】
ネットワークマネージャ324は、追跡マネージャ308からのすべてのインターネット通信の役割を果たし得る。例えば、ネットワークマネージャ324は、追跡マネージャ308のためのすべてのインターネットAPIコールを調停し得る。通知マネージャ326は、追跡マネージャ308が必要とするローカルおよびプッシュ通知を管理する役割を果たし得る。サウンドマネージャ328は、追跡マネージャ308によるオーディオキュー(audio cues)の再生の役割を果たし得る。友人マネージャ330は、連絡先およびユーザのソーシャルグラフへのアクセスを管理する役割を果たし得る。写真マネージャ332は、追跡マネージャ308によって使用される写真を取得して管理する役割を果たし得る。
【0044】
認証マネージャ334は、ユーザの認証(例えば、サインインまたはログイン)を処理する役割を果たし得る。
認証マネージャ334は、登録(例えば、サインアップ)機能も含み得る。認証マネージャ334は、他のマネージャとさらに調整して、登録機能を達成する。デバイスマネージャ336は、追跡マネージャ308によって発見されたデバイスを管理する役割を果たし得る。デバイスマネージャ336は、デバイスの発見および更新に関連するアルゴリズムのロジックをさらに格納および/または保持してもよい。
【0045】
図4は、一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的なコミュニティモバイル装置を示す。図示されるように、コミュニティモバイル装置104は、限定されるものではないが、ユーザインタフェースマネージャ402、追跡装置マネージャ404、データベースマネージャ406、および追跡マネージャ408を含み、これらの各々は、任意の適切な通信技術を使用して互いに通信することができる。
図4に示すユーザインタフェースマネージャ402、データベースマネージャ406、および追跡マネージャ408は、
図3に関連して上述したユーザインタフェースマネージャ302、データベースマネージャ306、および追跡マネージャ308と同様の特徴および機能を含み得る。
図4では、マネージャ402~408は分離されているように示されているが、マネージャ402~408のいずれも、単一のマネージャのように、より少ないマネージャに組み合わされてもよく、または特定の実施形態に役立つように、より多くのマネージャに分割されてもよいことが認識されるであろう。
【0046】
コミュニティモバイル装置104は、追跡装置マネージャ404を含み得る。追跡装置マネージャ404は、近くの追跡装置106の探索を可能にし得る。いくつかの構成では、追跡装置マネージャ404は、近くの追跡装置106について連続的または定期的に(たとえば、1秒に1回)探索することができる。追跡装置マネージャ404は、近くの追跡装置106の更新された位置を追跡システム100に提供するかどうかを決定し得る。いくつかの構成では、追跡装置マネージャ404は、近くの追跡装置106の位置を自動的に提供する。代替的には、追跡装置マネージャ404は、追跡装置106の位置が最近更新されたかどうかを判定してもよく、追跡装置106の位置が最後に更新された時刻に基づいて、(例えば、コミュニティモバイル装置104によって)更新された位置を提供するかどうかを判定してもよい。例えば、コミュニティモバイル装置104が追跡装置106の位置の最近の更新を提供した場合、追跡装置マネージャ404は、同じ追跡装置106の更新された位置を提供する前に、所定の期間(例えば、5分)待機することを決定してもよい。
【0047】
特定の構成では、追跡装置マネージャ404は、追跡システム100によってコミュニティモバイル装置104に中継される位置特定要求または他の情報を受信および処理し得る。例えば、追跡装置マネージャ404は、紛失したと示された追跡装置106の指示を受信し、追跡装置106がコミュニティモバイル装置104の近くに配置された場合、その位置を提供し得る。
【0048】
いくつかの構成では、コミュニティモバイル装置104は、近隣エリアを定期的に探索して、コミュニティモバイル装置104の近くに追跡装置106があるかどうかを判定する。したがって、(例えば、位置特定要求から)追跡システム100によって提供される情報と一致する追跡装置106が、コミュニティモバイル装置104の近くに配置された場合、追跡装置マネージャ404は、位置特定要求に対する応答を生成して追跡システム100に送信して、追跡装置106に関連するユーザ103に提供することができる。さらに、追跡要求に対する応答の生成および送信は、モバイル装置102および/または追跡システム100によって紛失したとしてフラグが立てられている追跡装置106の状態を条件としてもよい。
【0049】
追跡装置マネージャ404は、追跡要求の受信に応答して、追跡システム100に他の情報を追加的に提供し得る。例えば、コミュニティモバイル装置104の位置を提供することに加えて、追跡装置マネージャは、位置に関連する信号強度を提供して、ユーザ103に提供されるコミュニティモバイル装置104の位置に対する近接レベルを示してもよい。例えば、信号強度が高い場合、ユーザ103に提供される位置は、低い信号強度を伴う位置よりも正確である可能性が高い。このことは、ユーザ103が追跡装置106の正確な位置を決定するのに有用である追加情報を提供し得る。
【0050】
上述したように、追跡装置マネージャ404は、追跡装置106の近くの位置を追跡システム100に送信するかどうかを決定し得る。
位置を追跡システム100に送信するかどうかの決定は、様々な要因に基づいてもよい。例えば、追跡装置マネージャ404は、検出された追跡装置106を紛失したとして示されているかどうか、または追跡要求が特定の追跡装置106のためにコミュニティモバイル装置104に提供されたかどうかに基づいて、追跡装置106の位置を追跡システム100に送信するように決定し得る。いくつかの構成では、追跡装置106が現在の追跡要求に関連付けられていない場合、または追跡装置106を紛失したと指示されていない場合でも、コミュニティモバイル装置104は、追跡装置106の位置の更新を送信し得る。
【0051】
例えば、追跡装置106の位置が所定の期間更新されていない場合、追跡要求が受信されたかどうかにかかわらず、コミュニティモバイル装置104は、追跡システム100に追跡装置の位置の更新を提供し得る。
【0052】
いくつかの構成では、コミュニティモバイル装置104は、追加の機能を含み得る。例えば、コミュニティモバイル装置104は、追跡システム100が、コミュニティモバイル装置104の写真機能を使用して写真をスナップし、ダウンロードすることを可能にする。
【0053】
いくつかの構成では、これは、コミュニティユーザ105が追跡システム100がスナップショットを撮像し、追跡装置106の近くのエリアの視覚画像を提供することを許可するオプトイン機能(opt-in feature)であり得る。
【0054】
図5は、一実施形態による、追跡システム環境で使用するための例示的な追跡システムを示す。
図5の追跡装置106は、インタフェース502、送受信器504、コントローラ506、1つまたは複数のセンサ508、およびGPSユニット510を含む。送受信器504は、信号の送信と受信の両方が可能なハードウェア回路である。他の実施形態では、追跡装置106は、
図5に示されるものよりも少ない、追加の、または異なるコンポーネントを含むことに留意されたい。例えば、追跡装置はGPSユニット510を含まなくてもよく、本明細書で説明される機能を依然として具体化することができる。
【0055】
インタフェース502は、追跡装置106と、モバイル装置102のような1つ以上の他の装置との間の通信インタフェースを提供する。
例えば、インタフェース502は、上述したように(例えば、周期的に、または追跡装置106の検出された移動のようなトリガー事象に応答して)ビーコン信号を出力するように送受信器504に命令することができる。
【0056】
インタフェース502は、送受信器504が例えばモバイル装置102から信号を受信したことに応答して、追跡装置106とモバイル装置102との間に通信接続を確立するためのペアリングプロトコルを管理することができる。
【0057】
上述したように、ペアリングプロトコルはBLE接続とすることができるが、他の実施形態では、インタフェース502は、他の適切な無線接続プロトコル(WiFi、Global System for Mobile Communications、GSMなど)を管理することができる。
【0058】
コントローラ506は、1つ以上の機能を実行するか、または1つ以上の動作モードまたは状態で動作するように追跡装置106を設定するハードウェアチップである。例えば、コントローラ506は、送受信器がビーコン信号をブロードキャストする間隔を設定すること、装置から受信した情報および追跡装置に格納された許可に基づいて特定の装置が追跡装置106とペアリングすることを許可または禁止すること、送受信器がブロードキャストされる信号の送信強度を増大または減少すること、着信音を発するかまたはLED光を点滅させるようにインタフェースを設定すること、種々の追跡装置センサを有効または無効にすること、追跡装置GPSユニットを有効または無効にすること、(GSM送信器や受信器などの)追跡装置106の通信機能を有効または無効にすること、追跡装置をスリープモードまたはウェイクモードに設定すること、追跡装置を省電力モードに設定すること等ができる。コントローラ506は、追跡装置106とペアリングしているか、またはペアリングしようと試みている装置から受信した情報または信号に基づいて、追跡装置106の動作状態または接続状態に基づいて、ユーザが選択した設定に基づいて、追跡装置106に記憶された情報に基づいて、追跡装置106の検出された位置に基づいて、追跡装置106の履歴動作(例えば、追跡装置が特定のモードで動作するように設定された以前の時間の長さ)に基づいて、センサ508またはGPS510から受信した情報に基づいて、または任意の他の適切な基準に基づいて、機能を実行するかまたは特定の動作モードで動作するように追跡装置を設定することができる。
【0059】
複数のセンサ508は、(ジャイロスコープや加速器などの)モーションセンサ、高度計、方位センサ、近接センサ、光センサ、または追跡装置106の環境、追跡装置106の状態、追跡装置106の移動または位置などを検出するように構成された任意の他の適切なセンサを含み得る。複数のセンサ508は、複数のセンサによって検出された情報をコントローラ506に提供するように構成される。GPSユニット510は、受信したGPS信号に基づいて追跡装置106の位置を検出するように構成され、検出された位置をコントローラ506に提供するように構成される。
【0060】
ゾーンまたはエリア内の存在に基づく追跡動作の修正
図6は、一実施形態による、追跡装置または関連するモバイル装置の動作に影響を及ぼす関連する動作プロファイル(behavior profile)を有する複数のゾーン602,604,606を示す。
【0061】
本明細書において説明されるように、ゾーンは、取り付けられた物体が予想される動きを有するか、または紛失または置き忘れの平均よりも高いかまたは低い確率を有する位置である。取り付けられた物体は、追跡装置106が取り付けられた物体を指す。例えば、取り付けられた物体は、一組のキー、携帯電子機器(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータ)、財布、または財布など、ユーザが通常持ち歩く個人所有物であり得る。取り付けられた物体は、リモートコントロールまたはペットなど、ユーザによって日常的に持ち歩かれるとは限らない個人所有物であってもよい。説明を明確にするために、「個人所有物」という用語が本開示全体で使用されている。この用語が使用される場合、追跡装置106が取り付けられた物体を指すことを理解されたい。
【0062】
図6には、3つの異なるタイプのゾーン602、604、606の例が示されている。ゾーンの第1のタイプは、安全ゾーン602である。安全ゾーンとは、ユーザが個人所有物を紛失したり、または置き忘れたりする可能性が平均よりも低い場所である。たとえば、ユーザの自宅、職場、または学校が、安全ゾーンとして指定され得る。
図6に示される例では、ユーザの家が安全ゾーン602として指定されている。
【0063】
(例えば、モバイル装置102の位置追跡機能によって示されるように)ユーザ、追跡装置、およびモバイル装置の1つまたは複数が安全ゾーン602に存在する場合、ユーザのモバイル装置102および追跡装置106の動作または構成は、個人所有物を紛失する可能性がより低いことを反映するように修正され得る。例えば、安全ゾーン602においてユーザの存在を検出した後、モバイル装置102は、追跡装置106を探索する頻度を低くするように自動的に自身を設定してもよい。またモバイル装置106は、追跡装置106によって送信されるビーコン信号の電力および頻度を低下させる、追跡装置106がスリープモードからウェイクモードに自動的に移行する頻度を低下させる、または追跡装置106のスピーカーの音量を低下させるなどの省電力機能を可能にするように、取り付けられた追跡装置106を設定してもよい。安全ゾーン内に位置するときのモバイル装置または追跡装置の動作または構成の修正は、本明細書では「安全ゾーンモード」における動作と呼称される。
【0064】
第2のタイプのゾーンは、スマートゾーン604である。スマートゾーン604は、ユーザおよび自身の所有物が特定の方法で動くことが予想される場所である。より詳細には、スマートゾーンは、(ユーザの位置を示していると推定される)モバイル装置102と(ユーザの所有物のうちの1つの位置を示していると推定される)追跡装置106との間の離隔距離が特定のパターンに従うと予想される場所である。例えば、ユーザがレストランにいる間、ユーザは、トイレを使用するかまたはウェイターに話しかけたりするために立ち上がったとき、自身の所有物をテーブルに置いておく可能性がある。したがって、レストランでは、モバイル装置と追跡装置との間の離隔距離の一時的な増加は、ユーザが追跡装置に取り付けられた物体を紛失または置き忘れたという指示ではなく、通常のユーザ動作の結果である可能性がある。
【0065】
ユーザが対応するスマートゾーン604にいる場合に、スマートゾーン604は、追跡装置106の動作およびモバイル装置102の関連する機能を制御する複数のパラメータを指定する動作プロファイルに関連付けられる。動作プロファイルの特定のパラメータは、例えば、追跡装置106の切断を検出することと、追跡装置106が切断されたことをモバイル装置102に通知することとの間の遅延(以下、通知遅延時間と呼称される)であり得る。別のパラメータは、モバイル装置102にユーザへの通知を提供させる追跡装置106とモバイル装置102との間の閾値離隔距離であり得る。例えば、モバイル装置102は、追跡装置106から受信した信号の強度に基づいてモバイル装置102と追跡装置106との間の離隔距離を判定し、離隔距離が閾値を超える場合、モバイル装置102は、取り付けられた物体をユーザが置き忘れた際にユーザに通知を提供し得る。
【0066】
動作プロファイルで指定される複数のパラメータは、モバイル装置102によって提供される通知の強度または追跡装置106によって提供される警告の強度を制御するパラメータをさらに含み得る。例えば、複数のパラメータは、音声警告の音量、振動の強度またはパターン、または音声警告、振動、またはその両方を再生するかどうかなど、モバイル装置102に通知を提供する方法の様々な態様を定義してもよい。同様に、複数のパラメータは、追跡装置106が警告を提供する方法の複数の態様を定義してもよい。例えば、パラメータは、追跡装置106が内蔵スピーカーで再生する音声警告の音量を定義してもよい。別の例として、追跡装置106は、追跡装置106の光を点滅させることにより視覚的警告を提供してもよく、複数のパラメータは、視覚的警告の頻度または明るさを定義してもよい。
【0067】
また動作プロファイルは、追跡装置106によって送信されるビーコン信号の電力および頻度、追跡装置106がスリープモードからウェイクモードに自動的に移行する間隔、または追跡装置106のスピーカーの音量などの追跡装置106の省電力機能のための複数のパラメータを含み得る。また動作プロファイルは、スマートゾーン内の装置102,104が近くの追跡装置106を探索する頻度、または(例えば、追跡装置106がスマートゾーン内で紛失したと報告された場合に、追跡装置106をより頻繁に探索するようにスマートゾーン内のコミュニティモバイル装置104を設定する)検索パーティ機能(search party function)を起動するかどうかなど、スマートゾーン内のモバイル装置102またはコミュニティモバイル装置104の複数の特徴に関するパラメータを含んでもよい。
【0068】
特定の実施形態では、スマートゾーンの動作プロファイルは、(例えば、ゾーンデータベース218におけるスマートゾーンに関連して、またはユーザデータベース210におけるユーザおよびスマートゾーンに関連して)追跡システム100に格納される。動作プロファイルは、追加的または代替的に、ユーザのモバイル装置102に格納されてもよい。例えば、複数の動作プロファイルは追跡システム110に格納され、モバイル装置102は、ユーザが頻繁に(たとえば、直前の週や月などの追跡期間(trailing time period)に閾値を超える回数)訪れる場所に関する複数の動作プロファイルおよび関連する複数のスマートゾーンのコピーを含むキャッシュを保持する。
【0069】
またスマートゾーン604は、スマートゾーン604に対応する現実世界の場所のタイプ(例えば、レストラン、ジム、教会など)を示すカテゴリに関連付けられ得る。例えば、スマートゾーン604Aはレストラン・スマートゾーンとして分類され、スマートゾーン604Bはジム・スマートゾーンとして分類される。複数のスマートゾーンを生成し、複数のスマートゾーンに複数のカテゴリを割り当てるプロセスの一例を、
図7Aを参照して以下に説明する。
【0070】
各スマートゾーンのカテゴリは、対応するタイプの場所におけるユーザ、モバイル装置、または追跡装置の予想される動作を反映する複数のパラメータを指定する動作プロファイルに関連付けられ得る。例えば、(例えば、レストラン・スマートゾーン604Aの)レストラン動作プロファイルは、モバイル装置102の位置がレストラン・スマートゾーン内に留まる限り、比較的短いが、0分よりも長い通知遅延時間(例えば、15~30分)を指定する。上記したように、レストランで食事をするとき、ユーザは、トイレを使用したり、ビュッフェを訪れたり、またはウェイターに話したりするために、自分の所有物をテーブルに短時間置いておくことは一般的である。従って、レストラン・スマートゾーンにおける短いがゼロでない通知遅延時間は、ユーザが単に短時間テーブルを離れたときに追跡装置106を紛失したかもしれないという不必要な通知をモバイル装置102が提供することを防止する。
【0071】
特定の実施形態では、すべてのレストランの遅延時間は、同じデフォルト値(例えば、15分~30分の間)である。いくつかの実施形態では、特定のレストラン・スマートゾーンの遅延時間は、レストランを訪れた複数のユーザから受信した追跡装置データに基づいて生成(またはデフォルト値から調整)することができる。特定の実施形態では、追跡システム100は、レストラン内の追跡装置106を追跡するための切断から再接続までの平均時間(例えば、追跡装置106がモバイル装置102から切断されたことと、追跡装置106がモバイル装置に再接続されることとの間の平均時間)を計算し、切断から再接続までの平均時間に基づいて(例えば、切断から再接続までの時間に「2.0」のような所定の倍率を掛けることによって)レストラン・スマートゾーンの遅延時間を生成する。切断から再接続までの平均時間は、ユーザがテーブルを離れる平均時間を示すことができるため、遅延時間を生成するこの方法は、異なるレストラン間のユーザの行動の違いを有利に考慮することができる。例えば、複数のユーザは、テーブルサービスを備えたレストランよりもビュッフェレストランにおいて長時間テーブルを離れており、このように遅延時間を生成することは、このような行動の違いを考慮することができる。
【0072】
別の例として、(例えば、ジム・スマートゾーン604Bの)ジム動作プロファイルは、ジム内の運動器具を操作する前に、ロッカーまたは車に個人所有物を置く傾向を反映するために、比較的長い通知遅延時間(例えば、2時間)を指定する。従って、(例えば、運動器具を操作しながら音楽を聴くために)ユーザが自分のモバイル装置102をジムに持ち込むと、車またはロッカーに残された個人所有物に取り付けられた追跡装置106は、ユーザの運動の間、切断される可能性が高い。上記したレストランの例と同様に、特定のジム・スマートゾーンの遅延時間は、ジムを訪れた複数のユーザから受信した追跡装置データに基づいて生成(またはデフォルト値から調整)され得る。
【0073】
第3の例として、礼拝に参加している人が個人所有物から離れることが比較的稀であるため、教会動作プロファイルは0分の通知遅延時間を指定する(すなわち、追跡装置106が切断されるとすぐに、通知がモバイル装置102に提供される)。
【0074】
礼拝の中断を減らすために、教会動作プロファイルは、追跡装置106が切断されたことを検出した場合の、モバイル装置102によって提供される通知のより低い強度値(例えば、より低い音量、より低い振動強度、より短い振動長、または音声警告の代わりの振動の生成)、または追跡装置106によって提供される警告の強度(例えば、追跡装置106が内蔵スピーカーで再生する音声警告のより低い音量)をさらに指定することができる。
【0075】
上述した複数の例のスマートゾーンの各々において、モバイル装置102は、追跡装置106が切断されている間にモバイル装置102がスマートゾーンから離れる場合には、たとえ通知遅延時間が経過していなくても、ユーザがスマートゾーンから離れて個人所有物を背後に残していることを意味するので、ユーザに直ちに通知を表示するように構成され得る。例えば、モバイル装置102が15分後にジム・スマートゾーン604Bを離れ、その後、ユーザの家の鍵に取り付けられた追跡装置106がモバイル装置102に接続されない場合、モバイル装置102は、2時間の遅延期間が経過していなくても通知を表示する。スマートゾーン内に位置するときのモバイル装置または追跡装置の動作または設定の修正は、本明細書では「スマートゾーンモード」における動作と呼称される。
【0076】
また追跡システム100は、該追跡システム100によって、カテゴリに関連付けられていないスマートゾーン、またはカテゴリ固有の動作プロファイルを有していないカテゴリに関連付けられたスマートゾーンに割り当てる未分類の動作プロファイルを保持してもよい。未分類の動作プロファイルは、デフォルト通知遅延時間(例えば、1時間)を指定してもよいが、追跡装置106が切断されている間にモバイル装置102がスマートゾーンから離れた場合にユーザに直ちに通知を表示するように設定してもよい。
【0077】
第3のタイプのゾーンは、高リスクゾーン606である。高リスクゾーンとは、空港、駅、コンサート会場、スポーツイベント、公共交通機関、店舗または他の事業所、ショッピングモールなど、個人所有物を紛失する確率が平均よりも高い場所をいう。スマートゾーン604と同様に、高リスクゾーン606は、ユーザが対応する高リスクゾーン606にいる場合に、追跡装置106の動作およびモバイル装置102の関連する機能を制御する複数のパラメータを指定する動作プロファイルに関連付けられ得る。
【0078】
概して、高リスクゾーンの動作プロファイルは、より積極的な通知、例えば、より短い通知遅延時間(または0分の通知遅延時間)、モバイル装置上でのより高い強度の通知、追跡装置からの通信のより大きな送信範囲、追跡装置からのより高い通信頻度、および追跡装置上でのより高い強度の警告を提供し得る。
【0079】
高リスクゾーンは、現実世界の場所を示すカテゴリに関連付けられてもよく、各カテゴリは、対応するタイプの場所で予想されるユーザを反映するパラメータを指定する動作プロファイルに関連付けられてもよい。例えば、
図6の高リスクゾーン606は空港高リスクゾーンであり、追跡システム100は空港動作プロファイルを定義することができる。特定の実施形態では、空港動作プロファイルは、追跡装置106が切断された直後にモバイル装置102が通知を行うように、通知遅延時間を0分に指定する。これは偽陽性通知(false positive notifications)(すなわち、個人所有物を実際に紛失していない状況での通知の提供)を提供するリスクを伴うが、空港内で紛失物を回収することの難しさは、偽陽性通知を提供する不便さを上回るほど大きいかもしれない。また空港動作プロファイルは、(例えば、より大きな音量、より長いまたはより強い振動、振動および音声警告の組み合わせの)モバイル装置102に提供される通知のより高い強度及び(例えば、音声警告のより大きなボリュームでの)追跡装置106に提供される警告のより高い強度を指定してもよい。空港動作プロファイルは、追跡装置106の離隔距離が50フィートなどの閾値離隔距離を超えたときに通知を提供するように、ユーザのモバイル装置102を設定してもよい。これは、たとえば、ユーザがセキュリティチェックポイントにアイテムを置き忘れたときにユーザに警告するのに役立つ。
【0080】
別の例として、ショッピングモール動作プロファイルは、空港内よりもショッピングモール内で紛失した個人所有物を回収することが一般的に容易であるため、平均よりも積極的であるが空港動作プロファイルより積極的でないパラメータを指定してもよい。たとえば、ショッピングモール動作プロファイルでは、0分より長いが比較的短い通知遅延時間(例えば、5~10分)を指定してもよい。高リスクゾーン内に存在するときのモバイル装置または追跡装置の動作または設定の修正は、本明細書では「高リスクモード」における動作と呼称される。
【0081】
いくつかの実施形態では、異なるタイプのゾーン602、604、606は重なり合うことができる。たとえば、空港ターミナル内のレストランに関連付けられたスマートゾーンは、空港に関連付けられた高リスクゾーンと重なり合ってもよい。別には、ユーザが空港の近くに住んでいる場合、ユーザの家に関連付けられた安全ゾーンは、空港に関連付けられた高リスクゾーンと重なり合うかもしれない。特定の実施形態では、安全ゾーンに関連付けられた動作プロファイルには、スマートゾーンに関連付けられた動作プロファイルよりも高い優先度が付与され、スマートゾーンに関連付けられた動作プロファイルには、高リスクゾーンに関連付けられた動作プロファイルよりも高い優先度が付与される。したがって、モバイル装置102が、安全ゾーンがスマートゾーンまたは高リスクゾーンと重なり合う位置にある場合、モバイル装置102および接続された追跡装置106は、安全ゾーン動作プロファイルに従って設定される。同様に、スマートゾーンが高リスクゾーンと重なり合う位置にモバイル装置102がある場合、モバイル装置102および接続された追跡装置106は、スマートゾーン動作プロファイルに従って設定される。
【0082】
いくつかの実施形態では、追跡装置またはモバイル装置は、本明細書に記載の特別なモード(安全ゾーンモード、スマートゾーンモード、高リスクモードなど)で動作するように設定された後、閾値時間が経過するまで特別なモードで動作するように設定される。他の実施形態では、追跡装置またはモバイル装置は、中央追跡システムが異なるモードで動作する命令を提供するまで、追跡装置またはモバイル装置が対応するゾーンから出るまで、(たとえば、加速度計などの動きを検知する部品を用いて)追跡装置またはモバイル装置があらゆる種類の動きを検出するまで、または満足した他の任意の適切な基準に基づいて、特別なモードで動作するように設定され得る。
【0083】
本明細書に記載の各タイプのゾーン(エリアのタイプに加えて、安全ゾーン、スマートゾーン、および高リスクゾーン)に関連する地理的境界は、いくつかの基準に基づいて定義できることに留意されたい。いくつかの実施形態では、地理的境界は、外部ソース、例えば、敷地境界線(property line)のデータベース、地図データベースからの境界、中央追跡システムによって保持される位置データベースなどから検索される。たとえば、空港高リスクゾーンの場合、地理的境界は、Googleマップで定義されている空港の境界とすることができる。他の実施形態では、それら境界は、一群の追跡装置から検索された履歴位置データに基づいて決定されるか、特定の追跡装置の履歴位置データに基づいて決定されるか、またはユーザ定義であり得る。
【0084】
図7は、一実施形態による、複数のゾーンをそれぞれ含む複数のエリアを示す。本明細書で言及するように、エリアとは、ユーザが所定の期間に位置すると予想される領域である。
図7に示される例は、2つの異なるタイプのエリア、ホームエリア(home area)700および外出エリア(travel area)710を含む。
【0085】
ホームエリア700は、ユーザが居住する地理的領域である。追跡システム100は、ユーザの家の位置を中心とする所定の半径(例えば、80.5km(50マイル))の円(または所定の寸法を有する他の形状)を描くことにより、ユーザのホームエリア700を生成し得る。他の実施形態では、ホームエリア700は、ユーザが住んでいる都市、町、または近所の周りの地理的境界によって定義されるか、またはユーザによって定義され得る。ユーザのホーム位置は、ユーザによるユーザ入力として提供されてもよく、追跡システム100は、
図8を参照して以下で説明する方法でユーザの位置データセットを分析することによって、ユーザのホーム位置を特定してもよい。
【0086】
外出エリア710は、ユーザが外出している地理的領域である。追跡システム100は、空港、駅、またはバスターミナルなどの交通関連(transit-related)の高リスクゾーンでのユーザの行動に基づいて、ユーザの外出エリア710を生成し得る。例えば、(例えば、ユーザのモバイル装置102によって記録される)ユーザの位置情報が、ユーザがホームエリア700の外側の交通関連の高リスクゾーンに入り、そこから出たことを示す場合、追跡システム100は、高リスクゾーンを中心とする所定の半径(例えば、80.5km(50マイル))の円(または予め設定された大きさの他の形状)を描くことによって外出ゾーンを生成する。追跡システム100はまた、ユーザが自身のホームエリアの外側にいる夜間のユーザの行動に基づいて外出エリアを生成してもよい。たとえば、ユーザの位置情報が、ユーザの位置がホテルに関連付けられた位置で静止していることを示している場合、追跡システムは、ホテルを中心とした外出ゾーンを生成する。外出ゾーンを生成するこの方法は、たとえば、空港または駅などの交通関連の高リスクゾーンを通過することを伴わない車での外出などの外出を検出できるために有利である。別の実施形態では、追跡システム100は、ユーザのホームエリアを超える地理的領域を外出エリアとして指定する。
【0087】
各エリアは、ユーザがそのエリア内にいる間に個人所有物を紛失する一般的な確率、またはそのエリア内で紛失した個人所有物を回収する一般的な困難さを示す紛失確率に関連付けられる。特定の実施形態では、追跡システム100は、エリアを生成するときに紛失確率を生成する。紛失確率は、紛失確率が関連付けられるエリアのタイプに基づいて生成され得る(例えば、ホームエリアの紛失確率が、外出エリアの紛失確率よりも低い)。また紛失確率は、直前の期間(例えば、直前の60日間)内にそのエリアで紛失したものとして追跡システム100に報告された追跡装置106の数など、他の要因に基づくこともできる。
【0088】
ユーザがエリア内にいるとき、追跡システム100は、エリアに関連付けられた紛失確率に基づいて、ユーザのモバイル装置102および追跡装置106を設定することができる。特定の実施形態では、紛失確率は紛失係数として格納され(例えば、1.0よりも大きい係数は平均よりも高い紛失確率を示し、1.0よりも小さい係数は平均よりも低い紛失確率を示す)、およびエリア内のスマートゾーンと高リスクゾーンの動作プロファイルの複数のパラメータは、紛失係数でスケーリングされる(scaled)。例えば、
図7に示される外出エリア710は、ユーザが外出している間に紛失した個人所有物を回収することが一般により困難であるという事実を反映するために1.25の紛失係数を有する。その結果、追跡システム100は、紛失係数により、外出エリア710内の複数のスマートゾーンの動作プロファイルのパラメータをスケーリングする。例えば、追跡装置106が切断されたときにプロンプター通知(prompter notification)を提供するために、外出エリア内の2つのレストラン・スマートゾーンの通知遅延時間は1.25の倍数で短縮される(すなわち、1.25で除算される)。同様に、通知の強度(例えば、音声警告の音量、振動警告の強度または持続時間)は1.25倍で増大されて、外出エリア710内でより強力な通知を提供する。
【0089】
追跡システム100は、紛失係数を使用して、動作プロファイルとは無関係にモバイル装置102および追跡装置106の動作を修正することもできる。たとえば、モバイル装置102で提供される通知または追跡装置106での警告のデフォルトの強度は、ユーザが外出エリア110内にいる場合、紛失係数によってスケーリングされる。別の例として、追跡装置106によってブロードキャストされるビーコン信号の強度または頻度は、ユーザが外出エリア110内にいる場合、紛失係数によってスケーリングされる。
【0090】
また追跡システム100は、エリア内のユーザの存在に基づいて、追跡システム100、モバイル装置102、または追跡装置106の他の特徴を調整することができる。例えば、(ユーザが休暇から家に戻った場合など)ユーザのモバイル装置102が外出エリア710を出るが、ユーザの追跡装置106の一方が外出エリア内に残っている場合、追跡システム100は、紛失指示を受信することなく、追跡装置106を紛失したものとして自動的に指定する。反対に、(ユーザが休暇を取得して家を出た場合など)ユーザのモバイル装置102がホームエリア710を出るが、ユーザの追跡装置106の一方がホームエリア内に残っている場合、追跡システム100は、追跡装置106を紛失したものとして自動的に指定しない。代わりに、モバイル装置102は、追跡装置106に取り付けられた物体が取り残されたことをユーザに警告するために、ユーザに通知を提供してもよい。
【0091】
図8は、一実施形態による、複数のゾーンを生成するプロセス800を示すフローチャートである。他の実施形態では、プロセス800は、
図8に示されていない追加のステップを含んでもよく、プロセス800の複数のステップの幾つかは省略されるか、異なる順序で実行されてもよい。
図8を参照して提供される説明は、プロセス800が追跡システム100上で実行されることを述べているが、プロセスにおける複数のステップの一部分または全ては、代替的に、モバイル装置102上で実行されてもよい。
【0092】
追跡システム100は、810において、ユーザの位置データセットを受信する。位置データセットは、ユーザが追跡時間ウィンドウの間(例えば、直前の30日間又は直前の60日間)に移動した位置を示す1組のタイムスタンプされた位置(timestamped location)を含む。本明細書で言及されるように、位置ポイント(location point)は、単一のタイムスタンプされた位置(たとえば、日付と時刻に関連付けられた緯度と経度の座標ペア)であり、位置データセットは、複数の位置ポイントを含む。一実施形態では、複数の位置ポイントは、ユーザのモバイル装置102によって記録され、追跡システム100に送信される。例えば、ユーザのモバイル装置102は、モバイル装置102上の位置追跡機能(例えば、モバイル装置102上のGPS受信機)によって示されるようにモバイル装置102の位置を定期的に記録するように構成され、この位置はユーザを示していると推定される。特定の実施形態では、モバイル装置102は、モバイル装置102が複数の位置ポイントを記録することおよび/または複数の位置ポイントを追跡システムに送信することをユーザが禁止することを可能にするプライバシー設定を提供する。
【0093】
追跡システム100は、812において、位置データセット内の最も高い密度の複数の位置(densest locations)を識別することによって複数の安全ゾーンを生成する。いくつかの実施形態では、追跡システム100は、最も密に接続された複数の位置ポイントを複数のクラスタ(cluster)にグループ化するクラスタリングアルゴリズム(clustering algorithm)に基づいて、位置データセット内の最も高い密度の複数の位置を識別する。追跡システム100は、位置データセット全体または位置データセット内の複数の位置ポイントの一部分、例えば、より短い追跡時間ウィンドウ内の複数の位置ポイントの一部分に対してクラスタリングアルゴリズムを実行することができる。たとえば、追跡システムは、直前の60日間の位置ポイントを含む位置データセットを保持し、クラスタリングアルゴリズムは、直前の30日間の位置ポイントに対して実行される。また、追跡100は、クラスタリングアルゴリズムを実行する前に、位置ポイントに対して1つ以上のデータ前処理およびフィルタリングのステップを実行してもよい。例えば、追跡システム100は、位置ポイントに精度フィルタ(accuracy filter)を適用して、精度が閾値未満である位置ポイントを除去する(例えば、誤差が±65メートルより大きい位置ポイントを除去する)。
【0094】
クラスタリングアルゴリズムは、クラスタリング閾値を超える多数の位置ポイントを含むクラスタを識別するように構成されるが、クラスタリング閾値を下回る多数の位置ポイントを含むグループは、クラスタにグループ化されず、代わりに外れ値(outlier)として識別され得る。例えば、クラスタリング閾値は、50個の位置ポイントに設定され、これは、50個以上の位置ポイントを含むグループがクラスタに加わるが、50個未満の位置ポイントを含むグループの位置ポイントは外れ値として識別されることを意味する。
【0095】
別の例として、クラスタリング閾値は、20個の位置ポイントに設定され得る。一実施形態では、クラスタリングアルゴリズムは、DBSCAN(density-based spatial clustering of applications with noise)アルゴリズムである。
【0096】
複数のクラスタを識別した後、追跡システム100は、812において、複数のクラスタのいくつかまたはすべてで安全ゾーンを生成する。一実施形態では、追跡システム100は、812において、クラスタリングアルゴリズムによって識別された各クラスタで安全ゾーンを生成する。別の実施形態では、追跡システム100は、812において、複数のクラスタの一部分を選択し、選択された各クラスタで安全ゾーンを生成する。例えば、追跡システム100は、密度値(density value)を各クラスタに割り当てる(例えば、密度値は、クラスタ内の位置ポイントの数であり得る)。次いで、追跡システム100は、複数のクラスタをそれらの密度値に従ってランク付けし、ランキング(ranking)が閾値ランキングよりも高いクラスタ(例えば、最も高い密度の5つのクラスタ)を選択してもよく、または密度値が閾値密度値よりも高いクラスタ(例えば、75個の位置ポイントを超える密度値を有するクラスタ)を選択してもよい。いくつかの実施形態では、安全ゾーンはユーザによって定義されるが、他の実施形態では、候補安全ゾーンが安全ゾーンとして確認のためにユーザに提示されることに留意されたい。例えば、追跡システム100は、識別されたクラスタに基づいて一組の候補安全ゾーンを生成し、ユーザが一組の候補安全ゾーンのうちの1つ以上を肯定的に選択することを示唆し、生成する安全ゾーンを選択された候補安全ゾーンに限定することができる。
【0097】
812において複数の安全ゾーンを生成した後、追跡システム100は、複数の安全ゾーンを分類することができる。特定の実施形態では、追跡システム100は、安全ゾーン内の複数の位置ポイントのタイムスタンプに基づいて安全ゾーンを分類する。たとえば、ユーザの位置は、午前12時から午前6時までの間(つまり、ユーザが寝ているとき)に自宅の位置と同じになる傾向がある。したがって、特定の安全ゾーン内の複数の位置ポイントのタイムスタンプが午前12時から午前6時までの多数のタイムスタンプを含む場合、安全ゾーンは、ユーザのホーム安全ゾーンとして分類される。同様に、ユーザの位置は、午前9時から午後5時までの間に職場の位置と同じになる傾向があるため、特定の安全ゾーン内の複数の位置ポイントのタイムスタンプがそれらの時刻の間に多数のタイムスタンプを含む場合、安全ゾーンは、ユーザの職場安全ゾーンとして分類され得る。
【0098】
追跡システム100は、814において、領域内の高リスクゾーンを識別する。上記したように、高リスクゾーンは複数のユーザに適用されるが、スマートゾーンと安全ゾーンは単一のユーザに固有のものであり得る。結果として、
図8に示されるプロセス800とは独立したプロセスで高リスクゾーンが生成され得る。特定の実施形態では、プロセスは、ある位置で受信された紛失指示の数、同じ位置で受信された発見指示の数に基づいて位置を識別するかどうか、および公衆に利用可能な場所または地図データが、その位置が追跡システム100上に保持される高リスクカテゴリ(例えば、空港、ヘリポート、飛行場、駅、バスターミナル、コンサート会場、ショッピングモール)の所定のリストの一部であるカテゴリを有することを示すかどうかを判定する。
【0099】
たとえば、プロセスは、ある位置での発見指示と紛失指示の割合を示す発見対紛失割合を計算する。割合が閾値よりも小さい場合(たとえば、その位置で紛失指示に比べて発見指示が比較的少ない場合)、プロセスは、その位置が高リスクカテゴリであるかどうかを判定する。その位置が閾値を下回る割合および高リスクカテゴリの両方を有する場合、追跡システム100は、その位置で高リスクゾーンを生成する。
【0100】
追跡システム100は、816において、位置データセット内の高い密度の複数の位置を特定し、高リスクゾーンおよび安全ゾーンから除外することによって、スマートゾーンを生成する。一実施形態では、追跡システム100は、クラスタリングアルゴリズムを2回実行するが、より低いクラスタリング閾値を使用し(たとえば、812においてクラスタリング閾値を「50」に設定して安全ゾーンを生成し、816において「20」に設定してスマートゾーンをする)、次に、安全ゾーンを生成するために既に使用された任意のクラスタ、および高リスクゾーンが生成された複数の位置における任意のクラスタを除去する。次に、追跡システム100は、816において、除去されなかった複数のクラスタでスマートゾーンを生成する。
【0101】
異なるクラスタリング閾値に加えて、追跡システム100は、816においてスマートゾーンを生成する場合に、位置データセットの異なる部分に対してクラスタリングアルゴリズムを実行してもよい。例えば、追跡システム100は、812において安全ゾーンを生成するときにクラスタリングアルゴリズムへの入力として直前の30日間からの位置ポイントを提供し、816においてスマートゾーンを生成するときにクラスタリングアルゴリズムへの入力として直前の60日間からの位置ポイントを提供する。追跡システム100は、816においてクラスタリングアルゴリズムを実行してスマートゾーンを生成する前に、複数の位置ポイントに対して1つ以上のデータ前処理およびフィルタリングのステップをさらに実行し得る(例えば、精度が閾値よりも低い位置ポイントを除去する)。
【0102】
816においてスマートゾーンを生成した後、追跡システム100は、スマートゾーンカテゴリ(例えば、
図6を参照して上述したレストラン・スマートゾーン、ジム・スマートゾーン、教会スマートゾーン)によってスマートゾーンの一部分または全部を分類し得る。例えば、追跡システム100は、(例えば、GOOGLE PLACES APIの呼び出しを介して)地図データベースからスマートゾーンの位置に関する情報を受け取り、位置情報に基づいてスマートゾーンを分類する。
【0103】
追跡システム100は、各スマートゾーンの境界も生成する。スマートゾーンの境界は、例えば、クラスタ内の複数の位置ポイントの位置に基づいて生成され(例えば、複数の位置ポイントが互いに離れている場合、境界はより広い領域をカバーする)、所定の半径に基づいて生成され(例えば、境界は、所定の半径を有し、クラスタの中心を中心とする円である)、不動産データ(property data)に基づいて生成され(例えば、位置を含む土地の区画の境界線は地図データに従う)、またはその位置における過去のユーザの行動の解析(例えば、その位置におけるユーザの平均移動量、ユーザがその位置に出入りする平均レートなど)に基づいて生成され得る。
【0104】
一実施形態では、追跡システム100は、境界をジオフェンス(geofence)として格納する。追跡システム100は、同様のプロセスを実行して、追跡システム100によって812において生成された安全ゾーンの複数の境界を生成することもできる。
【0105】
追跡システム100は、812において、生成された複数のゾーンのそれぞれについての動作プロファイルを作成する。
図6を参照して上述したように、追跡システム100は、スマートゾーンのカテゴリに基づいて、かつスマートゾーンを訪れた複数のユーザから受け取った追跡装置データに基づいて、スマートゾーンの動作プロファイルの複数のパラメータを生成することができる。追跡システム100は、816において、安全ゾーンの動作プロファイルを作成してもよい。
【0106】
追跡システム100は、820において、作成された複数のゾーンおよび複数の動作プロファイルを格納する。例えば、複数のゾーンおよび複数の動作プロファイルは、ユーザの他のデータに関連してゾーンデータベース218またはユーザデータベース210に格納される。
【0107】
上述したプロセス800に加えて、追跡システム100は、他の方法でスマートゾーンを生成してもよい。特定の実施形態では、追跡システム100はまた、野外コンサートまたはパレードなどの公共イベントのための一時的な(temporary)スマートゾーンを生成できるプロセスを実行する。例えば、追跡システム100は、公共イベントが通常行われる公共の場所(例えば、ワシントンD.C.のナショナルモール)を監視し、公共の場所にいる人の数が閾値数を超えた場合に公共の場所に一時的なスマートゾーンを作成する。閾値数は、公共の場所にいる人の平均数に基づいて決定される(例えば、閾値数は、平均数の3倍であり、一時的なスマートゾーンは、公共の場所にいる人の平均数の3倍の人がいる場合に作成される)。追跡システム100は、例えば、比較的短い追跡時間ウィンドウ(例えば、直前の時間)にわたって公共の場所のモバイル装置102から受信した複数の位置ポイントに基づいて、公共の場所の人の数を判定することができる。追跡システム100は、追加的または代替的に、公共イベントの時刻および場所を提供する公開情報に基づいて、または追跡システム100のオペレータまたは追跡システムと通信するモバイル装置102のユーザからのユーザ入力によって、一時的なスマートゾーンを生成することができる。
【0108】
追跡システム100は、複数のユーザの位置データセットを組み合わせ、組み合わせた位置データセットを上記したクラスタリングアルゴリズムに提供することによって、(上記した高リスクゾーンと同様に)複数のユーザに適用可能なスマートゾーンを生成してもよい。次いで、追跡システム100は、816において、クラスタリングアルゴリズムを実行して高い密度の複数の位置を特定し、高リスクゾーンおよび安全ゾーンを除外することによって、上記したものと同じ方法でスマートゾーンを生成することができる。しかし、追跡システム100は、単一のユーザの安全ゾーンを除外するのではなく、クラスタリングアルゴリズムへの入力として位置データセットが提供された複数のユーザのそれぞれの安全ゾーンを除外する。
【0109】
図9は、一実施形態による、スマートゾーン内での存在に基づいて追跡装置の動作を修正するプロセス900を示すフローチャートである。他の実施形態では、プロセス900は、
図8に示されていない追加のステップを含んでもよく、プロセス900の複数のステップの幾つかは省略されるか、異なる順序で実行されてもよい。
【0110】
モバイル装置102は、910において、スマートゾーンにおけるユーザの存在を検出する。例えば、モバイル装置910の位置追跡機能からの位置データは、モバイル装置102がスマートゾーンの複数の境界を定義するジオフェンス内にあることを示す。910においてスマートゾーン内でユーザの存在を検出した後、モバイル装置102は、スマートゾーンの動作プロファイルにアクセスする。例えば、モバイル装置102は、追跡システム100から動作プロファイルを取得する。別の例として、モバイル装置102は、頻繁に訪れるスマートゾーンの動作プロファイルのローカルキャッシュを保持し、モバイル装置102は、キャッシュ内の動作プロファイルにアクセスする。
【0111】
モバイル装置102は、912において、動作プロファイルに基づいて、接続された追跡装置106を再設定する。たとえば、動作プロファイルは、追跡装置106によってブロードキャストされるビーコン信号の電力および頻度、または追跡装置106のスピーカーによって発せられる音声警告の音量など、追跡装置106の設定を変更するパラメータを指定し、モバイル装置102は、912において、これらの設定を適用することによって追跡装置106を再設定してもよい。モバイル装置102はまた、914において、動作プロファイルに基づいて自身を再設定する。例えば、モバイル装置102は、自身の通知遅延時間を調整して、動作プロファイルで指定された通知遅延時間と一致させる。またモバイル装置102は、動作モデル(behavior model)において指定された複数のパラメータに基づいて、提供する通知の強度を調整してもよい。
【0112】
図10は、一実施形態による、エリア内での存在に基づいて追跡装置の動作を修正するプロセス1000を示すフローチャートである。他の実施形態では、プロセス1000は、
図8に示されていない追加のステップを含んでもよく、プロセス1000の複数のステップの幾つかは省略されるか、異なる順序で実行されてもよい。
【0113】
モバイル装置102は、910において、エリアにおけるユーザの存在を検出する。例えば、ホームエリアが所定の半径(例えば、80.5km(50マイル))のユーザの家を中心とする円として定義される実施形態では、モバイル装置102は、モバイル装置102の位置とユーザの家の位置との間の距離を決定する。距離が所定の半径より小さい場合、モバイル装置102はホームエリア内にある。同様に、外出エリアが、トランジット関連(transit-related)の高リスクゾーンまたはホテルに関連する位置を中心とする所定の半径を有する円として定義される場合、モバイル装置102は、モバイル装置と外出エリアの中心との間の距離が所定の半径未満である場合に自身が外出エリア内にあると判定する。
【0114】
モバイル装置102は、1012において、エリアの紛失確率に基づいて、接続された追跡装置106を再設定する。モバイル装置102はまた、1014において、エリアの紛失確率に基づいて自身を再設定する。例えば、モバイル装置102は、
図7を参照して上述した方法で、紛失係数に基づいて自身の設定または追跡装置106の設定を修正してもよい。
【0115】
図9,10に示されるプロセス900、1000の複数のステップはモバイル装置102において実行されるものとして説明されているが、これらのプロセス900、1000の一部分またはすべてのステップは、代替的に、追跡システム100において実行されてもよい。
【0116】
追加の考慮事項
本発明の実施形態の前述した説明は、例示の目的で提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することは意図されていない。関連技術の当業者は、上記した開示に照らして多くの修正および変形が可能であることを理解することができる。
【0117】
本明細書で説明される装置またはシステムのいずれも、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって具体化され得る。コンピューティングデバイスは、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、I/Oインタフェース、および通信インタフェースを含み、これらは通信インフラストラクチャを介して通信可能に結合され得る。他の実施形態では、追加または代替のコンポーネントを使用してもよい。特定の実施形態では、プロセッサは、内部レジスタ、内部キャッシュ、または他のメモリまたはストレージデバイスから複数の命令を検索し、それらをデコードして実行することによって、複数のコンピュータプログラム命令を実行するハードウェアを含む。メモリは、プロセッサによる実行のためのデータまたは複数の命令を格納するために使用される。メモリは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリなどの任意の好適なストレージメカニズムとすることができる。ストレージデバイスは、データまたは複数のコンピュータ命令を格納し、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、または他の適切なストレージデバイスを含み得る。I/Oインタフェースは、ユーザがコンピューティングデバイスと対話することを可能にし、マウス、キーパッド、キーボード、タッチスクリーンインタフェースなどを含み得る。通信インタフェースには、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせを含み、他のデバイスまたはエンティティとの通信用の1つ以上のインタフェースを提供できる。
【0118】
この説明のいくつかの部分は、情報に関するオペレーションのアルゴリズムおよびシンボル表示という点から本発明の実施形態について記述している。これらのアルゴリズム的な記述および表示は一般に、データ処理技術分野における技術者たちによって、それらの技術者たちの作業の実体を他の当業者たちに対して効果的に伝達するために使用されている。
【0119】
これらのオペレーションは、機能的に、計算処理的に、または論理的に記述されているが、コンピュータプログラムまたは均等な電気回路、マイクロコードなどによって実施されるということがわかる。さらに、一般性を失うことなく、モジュールとしてオペレーションのこれらの構成に言及することが時として好都合であることもわかっている。記述されているオペレーションおよびそれらの関連付けられているモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せで具体化されることが可能である。
【0120】
本明細書において記述されている工程、オペレーション、またはプロセスのうちのいずれも、1つもしくは複数のハードウェアモジュールもしくはソフトウェアモジュールを用いて、単独で、またはその他のデバイスと組み合わせて実行または実施されることが可能である。一実施形態においては、ソフトウェアモジュールは、記述されている工程、オペレーション、またはプロセスのうちの任意のものまたはすべてを実行するためにコンピュータプロセッサによって実行されることが可能であるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品とともに実装される。
【0121】
本発明の実施形態は、本明細書におけるオペレーションを実行するための装置に関連することも可能である。この装置は、求められている目的のために特別に構築されることが可能であり、および/または、コンピュータ内に記憶されているコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化もしくは再構成される汎用コンピューティングデバイスを備えることができる。
【0122】
そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムバスへ結合されることが可能である非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体、または電子命令を記憶するのに適している任意のタイプのメディア内に記憶されることが可能である。さらに、本明細書において言及されているあらゆるコンピューティングシステムは、シングルプロセッサを含むことができ、またはコンピューティング機能を高めるためにマルチプロセッサ設計を採用している構成であることが可能である。
【0123】
本発明の実施形態は、本明細書において記述されているコンピューティングプロセスによって製造される製品に関連することも可能である。そのような製品は、コンピューティングプロセスから生じる情報を備えることができ、それらの情報は、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、本明細書において記述されているコンピュータプログラム製品またはその他のデータの組合せの任意の実施形態を含むことができる。
【0124】
最後に、本明細書において使用されている言葉は、主として読みやすさおよび教示上の目的で選択されており、発明特定事項の線引きまたは画定を行うために選択されてはいない場合がある。
【0125】
したがって、発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に基づく出願上で生じるあらゆる請求項によって限定されるということが意図されている。したがって、本発明の実施形態の開示は、発明の範囲を例示するものであり、特許権の範囲を限定するものではないということが意図されており、特許権の範囲は、添付の特許請求の範囲において示されている。