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特開2023-40298電子デバイスを試験する装置のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040298
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】電子デバイスを試験する装置のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッド
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20230314BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G01R1/06 B
G01R1/073 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023007552
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2019531945の分割
【原出願日】2017-12-06
(31)【優先権主張番号】102016000127507
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァロリ、ラファエーレ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェハ上に集積された、電子デバイスを試験する装置との接続のためのコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドであって、互いに極めて近い、すなわち非常に小さなピッチを有する接触パッドの構成についても、より高密度の実装を可能にするコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドを提供する。
【解決手段】電子デバイスを試験する装置のプローブヘッドのコンタクトプローブ20は、それぞれの接触パッドとの接触を実現するように構成され、実質的に、それぞれの端部20A、20B間の長手方向に延在するプローブ本体20Cを備え、少なくとも1つの端部20Bがプローブ本体20Cよりも大きな横方向寸法を有する。好適には、1つの端部20Bが、前記コンタクトプローブ20が実現された基板からの分離後に前記コンタクトプローブ20上にある切れ端材24Aを収容するように構成された少なくとも1つの窪み23Aを備える。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを試験する装置のプローブヘッド用のコンタクトプローブ(20)であって、それぞれの接触パッドとの接触を実現するように構成され、それぞれの端部(20A、20B)の間で、実質的に長手方向に延在するプローブ本体(20C)を備え、少なくとも1つの端部(20B)が前記プローブ本体(20C)よりも大きな横方向寸法を有し、前記少なくとも1つの端部(20B)が、前記コンタクトプローブ(20)が実現される基板(25)からの分離後に前記コンタクトプローブ(20)上にある切れ端材(24A)を収容するように構成された少なくとも1つの窪み(23A)を備えた、コンタクトプローブ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスを試験する装置のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は限定的でないが特に、ウェハ上に集積された電子デバイスを試験する装置のコンタクトプローブおよびプローブヘッドに関し、以下の開示は、その説明を簡素化する目的のみで本出願の技術分野を参照する。
【発明の概要】
【0003】
よく知られているように、プローブヘッドは本質的に、マイクロストラクチャ、特に、ウェハ上に集積された電子デバイスの複数の接触パッドを、その機能性試験、特に電気的な機能性試験、または一般に試験を行う試験装置の対応するチャンネルと電気的に接続させるのに適した装置である。
【0004】
集積デバイスに対して行われる試験は、早ければ、製造工程にある不良回路を検出し、隔離するのに特に有用である。通常、プローブヘッドはしたがって、ウェハ上に集積されたデバイスの、切断され、チップ格納パッケージ内に組立てられる前の電気的試験に使用される。
【0005】
一般に、プローブヘッドは、略板状の、および互いに平行の少なくとも一対の板またはダイによって保持される複数の可動の接触要素またはプローブを備える。上記ダイは、適切な孔を備えており、および、コンタクトプローブの移動および考えられる変形のために自由空間またはエアギャップを残すために互いに一定の距離をおいて配置される。特に、上記ダイの対は通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金のワイヤでできているコンタクトプローブが軸方向に摺動するガイド孔がいずれにも設けられた上方のダイおよび下方のダイを備える。
【0006】
被試験デバイスの接触パッドとコンタクトプローブとの間の良好な接続は、デバイス自体へのプローブヘッドの押圧によって確実にされ、上方および下方のダイ内に作られたガイド孔内で移動可能なコンタクトプローブは、その押圧接触中に、2つのダイ間のエアギャップ内での曲げ、およびそうしたガイド孔内の摺動を受ける。この種のプローブヘッドは通常、垂直プローブを有するプローブヘッドと呼ばれ、英語の用語「Vertical probe head(垂直プローブヘッド)」で示される。
【0007】
特に、図1は、少なくとも1つのコンタクトプローブ1が摺動するそれぞれのガイド孔2Aおよび3Aを有する少なくとも1つの下方の板状サポートまたはダイ2および上方の板状サポートまたはダイ3を備えるプローブヘッド10を概略的に示す。
【0008】
なお、便宜上、ここおよび以下では、「上方」および「下方」の用語は、限定的であると解されることなく、図の局所参照系に関して使用されている。
【0009】
コンタクトプローブ1は、そうしたプローブヘッド10が端要素を形成する試験装置(図示せず)と被試験デバイス(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実現するように、被試験デバイス4の接触パッド4Aに当接することが意図された少なくとも1つの端部または接触先端1Aを有する。
【0010】
ここおよび以下では、「接触先端」との用語は、パッドに接触することが意図されたコンタクトプローブの端ゾーンまたは領域を意味し、当該接触ゾーンまたは領域は必ずしも鋭利ではない。
【0011】
一部の場合には、コンタクトプローブは上方のダイに対応してヘッド自体に締結固定され、そうしたプローブヘッドは、「ブロックされたプローブヘッド」と呼ばれる。
【0012】
しかし、プローブヘッドは、ブロックされていないプローブ、すなわち、締結固定されていないがミクロ接触基板を介して基板とインターフェース接続された状態に保持されたプローブを伴ってより頻繁に使用され、そうしたプローブヘッドは、「ブロックされていないプローブヘッド」と呼ばれる。ミクロ接触基板は通常、プローブに接触する他に、被試験デバイス上の接触パッドに対してその上に実現された接触パッドを空間的に再配分すること、特に、パッド自体の中心間の距離の制約を緩和することも可能にするので、「スペーストランスフォーマ」と呼ばれる。
【0013】
この場合、図1に示すように、コンタクトプローブ1は、そうしたスペーストランスフォーマ5の接触パッド5Aに向かってさらなる端部または接触ヘッド1Bを有する。プローブ1とスペーストランスフォーマ5との間の良好な電気的接触は、コンタクトプローブ1の接触ヘッド1Bをスペーストランスフォーマ5の接触パッド5Aに押し当てることにより、被試験デバイス4との接触と同様に確実にされる。
【0014】
下方のダイ2および上方のダイ3は好適には、コンタクトプローブ1の変形を可能にするエアギャップ6によって間隔が空けられる。最後に、ガイド孔2Aおよび3Aは、その中のコンタクトプローブ1の摺動を可能にするように所定の大きさに作られる。
【0015】
さらに、特に、プローブ1の接触ヘッド1Bまたは接触先端1Aの、被試験デバイス4およびスペーストランスフォーマ5の接触パッド4Aおよび5Aそれぞれへの押圧接触中に、プローブ1は、ガイド孔2Aおよび3A内を摺動し、エアギャップ6に対応して変形を受ける。
【0016】
プローブが受ける変形の形状、およびそうした変形をもたらすのに必要な力は、プローブができている合金の物理的特性、上方ダイ内のガイド孔と、下方ダイ内の対応するガイド孔との間のオフセットの値などのいくつかの要因に依存する。
【0017】
プローブヘッドの正しい動作は基本的には、2つのパラメータ、すなわち、コンタクトプローブの垂直移動すなわちオーバートラベル、および、そうしたコンタクトプローブの接触先端の水平移動すなわちスクラブの垂直移動すなわちオーバートラベルに関連する。知られているように、接触パッドの表面の「スクラブ」を可能にするように接触先端の適切なスクラブを確実にし、このようにして、例えば、薄層状または酸化膜状となる、不純物を除去し、よって、プローブヘッドによって行われる接触を改善することが重要である。
【0018】
プローブと被試験デバイスとの間の良好な電気的接触が常に確実にされるべきであるので、これらの特徴はすべて、プローブヘッドの製造工程において評価され、較正されるべきである。いわゆる「シフトプレート(shifted plate)」技術によって製造された試験ヘッドの場合、「バックリングビーム(buckling beam)」とも呼ばれるコンタクトプローブ1は、それらの全長にわたって一定の、好ましくは矩形の断面を伴って、まっすぐな状態にされ、通常、接触端部、特に、図1に示すような接触先端1Aおよび接触ヘッド1Bそれぞれを形成するためにそれらの端において鋭利にされる。よって、示された例におけるように、略中央位置においてプローブ本体の変形をもたらすために下方のダイ2と上方のダイ3との間のシフトを、この種のプローブヘッドに対して与えることが知られている。これらのプローブヘッドは、「シフトプレートプローブヘッド」とも呼ばれる。
【0019】
プローブヘッド製造における重要なパラメータは、被試験デバイス上の接触パッドの中心間の距離(いわゆるピッチ)である。実際に、対応する製造技術の進歩に伴い、集積電子デバイスのピッチはますます小さくなっており、プローブヘッド内のコンタクトプローブの高密度実装を余儀なくし、コンタクトプローブ間の相互接触を回避すべきであるという配置の課題をもたらす。
【0020】
最新技術では、通常、ピッチとして示される、集積デバイス上の接触パッドの中心間の距離は、30μm以上80μm以下の範囲に含まれる値まで低減している。このピッチ低減は、ますます高くなっている緊急性を伴ってマトリックス型パッドの構成に影響を及ぼしている。この場合、同一行上のパッドの接触中心間および同一列上のパッドの接触中心間の距離は30μm以上80μm以下の範囲に含まれる値まで低減している。
【0021】
既に述べたように、最新の製造の被試験デバイスの接触パッド構成のピッチ値におけるこの低減は、隣接するプローブ間の、特に、それらの突出部間の接触に関する課題をもたらす。
【0022】
プローブヘッドの上方および下方のダイ内に実現された対応するガイド孔から滑落することが可能でないことを確実にするために実質的に使用され、よって、コンタクトプローブの残りの部分よりも大きい、特に、プローブ本体の直径よりも大きい少なくとも1つの直径(直径とはそうした断面の最大寸法を意味する)を有する、特に接触ヘッド1Bの、一端部に対応する少なくとも1つの拡張部をコンタクトプローブ1が有する場合に、この課題が強く感じられる。
【0023】
コンタクトプローブの拡張部の寸法の増加だけによっても、例えば、被試験デバイスのパッドのマトリックス分布よりも、列方向、行方向それぞれについて、隣接するプローブ間の接触の可能性が高いそうした部分に対応する隣接するプローブに接近する可能性を劇的に抑える、上述した高密度実装の課題は増大する。
【0024】
言い換えれば、コンタクトプローブ、およびそれらを備えるプローブヘッドを設計する際に、特にそれらの拡張部、例えば、接触ヘッドの当該部分に対応する隣接プローブ間で離隔させる必要のある距離の最小値を考慮することも必要になる。隣接するプローブ間の接触を回避するのに適したそうした最小距離は明らかに、プローブヘッドが試験することができるデバイスの接触パッドの距離またはピッチに影響を及ぼす。さらに、列または行方向の等しい、または異なる最小距離値を与えることが可能になる。
【0025】
そうしたコンタクトプローブの関係する寸法は、コンタクトプローブの製造方法に対する拘束力が非常に大きいということも知られている。特に、最近製造された集積回路を試験する技術分野では、被試験デバイスの接触パッド間、および、よって、対応するプローブヘッドのコンタクトプローブ間の大きく低減された距離により、特に、フォトリソグラフィー、マスキング、成長、およびアタックの手法を使用する、コンタクトプローブの伝統的な製造方法の寸法上の限度が脅かされている。
【0026】
したがって、近年では、レーザー技術を使用した、プローブヘッドのコンタクトプローブの製造方法における関心が増大している。
【0027】
特に、プローブの最終的な所望の形態における金属シートを「切り抜く」ことにより、コンタクトプローブを得ることを可能にするレーザー切断による製造方法は通常、
図2Aに示すように、導電材料でできた基板11を用意する工程と、
図2Bにおいて破線で示すように、そうしたプローブに望ましい外形10Cに応じたレーザー切断により、各コンタクトプローブ10を画定する工程と
を備える。
【0028】
特に、図2Cに示すように、当該方法は、それぞれが、コンタクトプローブ10の接触先端10Aまたは接触ヘッド10Bを備える部分を意味するそれぞれの端部10Aおよび10Bを備えており、基板11の長手展開方向、特に、図2Cに示すような垂直方向Yに従って延在する、基板11内の複数のコンタクトプローブ10をレーザー切断することにより、画定をもたらす。
【0029】
接触先端10Aおよび接触ヘッド10Bについて図に示した形状は、同じ形状、または例示したものと異なる形状を有し得るので、完全に任意である。
【0030】
通常、画定の工程は、図3Aに、および拡大図である図3Bに概略的に示すように、少なくとも1つの対応する材料ブリッジ13を介して基板11に固定するように、対応するフレーム12内に各コンタクトプローブ10を実現する。
【0031】
したがって、当該方法は、材料ブリッジ13を切断することにより、基板11からコンタクトプローブ10を分離するさらなる分離工程を備える。
【0032】
特に、図3Aおよび図3Bに示す例では、各コンタクトプローブ10は、1つの材料ブリッジ13であって、対応するフレーム12内に基板11を接続し、対応するフレーム12にそれを固定する1つの材料ブリッジ13のみを有し、上記材料ブリッジ13は、端部と別個のプローブの一部分に対応して実現される。
【0033】
完全に任意に、やはり、図3Aおよび図3Bに示すものに対してコンタクトプローブ10の他の箇所に配置されたいずれの数の材料ブリッジ13も実現することが明らかに可能である。
【0034】
例えば、図4Aおよび図4Bに概略的に示すように、なお、単一の材料ブリッジ13によって基板11に固定されるように各コンタクトプローブ10を実現することが可能であり、この場合、好ましくは側方の位置におけるその接触パッド10Bに対応して実現される。このようにして、実際に、材料ブリッジ13は、プローブの残りの部分よりも大きな寸法を有するコンタクトプローブ10の位置、すなわち、材料ブリッジ13自体を切断することによる基板11からのコンタクトプローブ10の分離の時点において特に有用である、良好な機械的封止部を有する領域内にある。
【0035】
さらに、材料ブリッジ13の上記位置付けにより、前述したように、そうしたコンタクトプローブ10を備えるプローブヘッドの動作中に上方の、または下方のガイドのガイド孔内で摺動しなければならない、コンタクトプローブ10の部分において、切れ端材、および面の凹凸が残ることが阻止される。
【0036】
実際に、基板11からのコンタクトプローブ10の分離中の材料ブリッジ13の切断には、切れ端材と呼ばれ、図5中の参照番号14に示す、ブリッジ自体の取り付け部に対応してコンタクトプローブ10に固定されている保持材料が関係することがよく知られている。既に示したように、この切れ端材14がコンタクトプローブ10の接触パッド10Bに対応しており、実際にその側方の実装面積を増加させ、したがって、ちょうど、接触ヘッド10Bにおいて配置された上記切れ端材14に対応する、隣接するプローブ間の接触のリスクをおかさないために、そのようにして実現された多数のプローブを高密度実装する可能性を低減することが考えられる。
【0037】
さらに、対応する接触ヘッド10Bの両側に対称に配置された少なくとも2つの材料ブリッジ13を有するようにコンタクトプローブ10を実現することが一般的であり、基板11からの上記コンタクトプローブ10の分離により、接触ヘッド10Bの両側に配置された切れ端材14が残される。
【0038】
さらに、高い表面粗さを有する領域であるそうした切れ端材14に対応する隣接するプローブの考えらえる接触により、少なくとも、そうしたプローブが望まない状態である動かない状態となり、それらを備えるプローブヘッドの機能も決定的に喪失しまいかねない。
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
本発明の技術的課題は、先行技術によって作られたシステムに現在、なお影響を及ぼす制約および欠点を解消することを可能にするような構造的および機能的特徴を有する、特にウェハ上に集積された、電子デバイスを試験する装置との接続のためのコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドであって、特に、互いに極めて近い、すなわち非常に小さなピッチを有する接触パッドの構成についても、プローブヘッド内のプローブ自体のより高密度の実装を可能にするように、例えばプローブの接触ヘッドに対応するその拡張部間の接触の確率を低減することができる、コンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明の基となる解決策の考えは、プローブが得られた基板に、取り付け部の切れ端材を収容することができ、よって、そうしたプローブヘッドによる被試験デバイスの互いに極めて近い接触パッドの構成についても、対応するプローブヘッド内に一旦収容されると相互間のプローブの接触のリスクを低減する、プローブの残りよりも大きな寸法を有する、その一端部、特に接触ヘッドに対応する少なくとも1つの窪みを備えたコンタクトプローブを実現することである。
【0041】
この解決策の考えに基づけば、上記技術的課題は、電子デバイスを試験する装置のプローブヘッドのコンタクトプローブであって、それぞれの接触パッドとの接触を実現するように構成され、それぞれの端部の間で、実質的に長手方向に延在するプローブ本体を備え、少なくとも1つの端部がプローブ本体よりも大きな横方向寸法を有し、少なくとも1つの端部が、上記コンタクトプローブが実現される基板からの分離後に上記コンタクトプローブ上にある切れ端材を収容するように構成された少なくとも1つの窪みを備える、コンタクトプローブによって解決される。
【0042】
さらに、特に、本発明は適宜、単独で、または組み合わせで以下のさらなる、および任意的な特徴を備える。
【0043】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの端部は、スペーストランスフォーマの接触パッドに当接するように構成された接触ヘッドであり得、さらなる端部は、被試験デバイスの接触パッドに当接するように構成された接触先端であり得る。
【0044】
本発明の別の態様によれば、上記窪みは、5μm以上15μm以下の範囲に含まれる値を有する長さだけ、端部の内側へ延在し得る。
【0045】
さらに、コンタクトプローブは、コンタクトプローブの第1の側壁にのみ対応して当接する拡張部を備え得る。
【0046】
特に、拡張部は、コンタクトプローブを備えるプローブヘッドのガイドの対応する面に当接するように構成された少なくとも1つのアンダーカット壁を画定し得る。
【0047】
さらに、少なくとも1つの端部は、プローブ本体の直径およびアンダーカット壁の長さの和に等しい実装面積の直径を有し得、直径は対応する断面の最大寸法を意味する。
【0048】
本発明の別の態様によれば、コンタクトプローブは、別のさらなるアンダーカット壁を画定するように、コンタクトプローブの反対側の第2の側壁に対応して突出するさらなる拡張部を備え得る。
【0049】
特に、上記少なくとも1つの端部は、アンダーカット壁の長さの和と、プローブ本体の直径との和に等しい、実装面積の直径を有し得、直径は、対応する断面の最大寸法を意味する。
【0050】
さらに、上記窪みは、拡張部の少なくとも1つの内側へ延在し得る。
【0051】
コンタクトプローブはさらに、拡張部内に延在するそれぞれの窪みを備え得る。
【0052】
特に、アンダーカット壁および/またはさらなるアンダーカット壁は、プローブ本体の直径の5~30%に等しい値を有する長さを有し得る。
【0053】
本発明の別の態様によれば、切れ端材は、材料ブリッジを通過する少なくとも1つの脆弱ラインに対応し得、材料ブリッジの一体性を破断することにより、基板からのコンタクトプローブの分離を容易にするように構成される。
【0054】
特に、少なくとも1つの脆弱ラインは、上記窪みにおけるコンタクトプローブに近接する材料ブリッジ上に配置し得る。
【0055】
本発明はさらに、電子デバイスの機能性試験のための垂直プローブを有するプローブヘッドであって、プローブヘッドは、適切なエアギャップにより互いに間隔が空けられた、少なくとも一対の板状支持体を備え、板状支持体は、上述したように作られているコンタクトプローブである複数のコンタクトプローブを摺動可能に収容するためのそれぞれのガイド孔を備えているプローブヘッドに関する。
【0056】
本発明の別の態様によれば、板状支持体は、エアギャップに対応する予変形を、それぞれのガイド孔内で摺動する上記コンタクトプローブに対して付与するように適切に相互にシフトさせることが可能であり、コンタクトプローブそれぞれの端部の、少なくとも1つの拡張部は、端部に近接して板状支持体の上記ガイド孔の壁上に載って支えられているコンタクトプローブの壁から突出する。
【0057】
特に、少なくとも1つの拡張部は、板状支持体の第1の面に当接するように構成されたアンダーカット壁を画定し得る。
【0058】
本発明の別の態様によれば、プローブヘッドは、対応する壁から拡張部が突出した、複数の隣接するプローブを長手方向または横方向において備え得る。
【0059】
代替的には、プローブヘッドは、それぞれの反対側の壁から拡張部が突出した複数の隣接するプローブを長手方向または横方向において備え得る。
【0060】
本発明の別の態様によれば、プローブヘッドは、コンタクトプローブの両方の側壁から突出している拡張部を備えた接触ヘッドを有する、複数の対称のコンタクトプローブ、および、コンタクトプローブの一方の側壁のみから突出する1つの拡張部のみを備えている接触ヘッドを有する、複数の非対称のコンタクトプローブを備え得、そうした拡張部は、それらが形成された基板からのコンタクトプローブの分離による、切れ端材を収容するように構成されたそれぞれの窪みを備え、そうした対称のコンタクトプローブは、非対称のコンタクトプローブによって接触パッドが接触させられる第2の領域よりも大きなピッチを有する、被試験デバイスの第1の領域の接触パッドに当接して配置される。
【0061】
本発明によるコンタクトプローブおよび接触ヘッドの特徴および利点は、添付図面を参照して、示された、および限定的でない例によって表された、その実施形態の、以下に記載した説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】先行技術によって実現されたプローブヘッドを示す。
図2A】レーザー切断による製造方法の種々の工程を概略的に示す。
図2B】レーザー切断による製造方法の種々の工程を概略的に示す。
図2C】レーザー切断による製造方法の種々の工程を概略的に示す。
図3図2A図2Cの方法によって得られた、複数のコンタクトプローブ、および単一のプローブに関する対応する細部それぞれの代替的な実施形態を概略的に示す。
図4図2A図2Cの方法によって得られた、複数のコンタクトプローブ、および単一のプローブに関する対応する細部それぞれの代替的な実施形態を概略的に示す。
図5図2A図2Cの方法によって実現されたコンタクトプローブを概略的に示す。
図6A】本発明によるコンタクトプローブの実施形態を概略的に示す。
図6B】本発明によるコンタクトプローブの実施形態を概略的に示す。
図7A】レーザー切断、および図6A図6Bの対応する実施形態それぞれによって得られたそれぞれの複数のプローブを示す。
図7B】レーザー切断、および図6A図6Bの対応する実施形態それぞれによって得られたそれぞれの複数のプローブを示す。
図8】本発明によるコンタクトプローブのさらなる実施形態を示す。
図9A図6Bおよび図8の実施形態に対応するそれぞれのコンタクトプローブを備える、特に、垂直プローブおよびシフトプレートを有する、本発明によるそれぞれのプローブヘッドの実施形態を概略的に示す。
図9B図6Bおよび図8の実施形態に対応するそれぞれのコンタクトプローブを備える、特に、垂直プローブおよびシフトプレートを有する、本発明によるそれぞれのプローブヘッドの実施形態を概略的に示す。
図10A図8の実施形態によって実現された、一対の隣接するコンタクトプローブの種々の配置を概略的に示す。
図10B図8の実施形態によって実現された、一対の隣接するコンタクトプローブの種々の配置を概略的に示す。
図11図6Bおよび図8の実施形態の両方に対応するコンタクトプローブを備える、特に、垂直プローブおよびシフトプレートを有する、本発明によるプローブヘッドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
上記図、および、特に、図6Aを参照するに、参照番号20は、本発明の実施形態による、特に、ウェハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブヘッドのコンタクトプローブを大局的に示す。
【0064】
なお、図は、本発明によるコンタクトプローブおよびプローブヘッドの概略図を表し、縮尺通りに描いていないが、むしろ、それらは、本発明の重要な特徴を強調するために描いている。
【0065】
さらに、図において例として表した本発明の種々の態様は明らかに、互いに組み合わせることが可能であり、一実施形態を、別のものと置換可能であり得る。
【0066】
本発明の一態様によれば、コンタクトプローブ20は、それぞれの端部間、特に、接触先端20Aおよび接触ヘッド20B間に延在するいわゆるプローブ本体20Cを備える。好適には、少なくとも1つの端部、特に、接触ヘッド20Bは、プローブ本体20Cよりも大きな横方向寸法を有する。さらに、特に、接触ヘッド20Bは、プローブ本体20Cの横断面における直径Dsよりも大きな直径Dtを有する横断面を有し、直径とはそうした断面における最大寸法を意味する。
【0067】
先行技術に関して既にみられるように、このようにして、接触ヘッド20Bは、特にプローブが当接する被試験デバイスがない状態で、それを備える接触ヘッドのガイドまたはダイにおいて実現された対応するガイド孔からコンタクトプローブ20が滑落し得ないことを確実にすることを可能にする。
【0068】
コンタクトプローブ20の接触先端20Aはテーパ状であり、被試験デバイスの接触パッドに当接することが意図された接触部21Aで終端する。同様に、接触ヘッド20Bは、固定されていないプローブを有するプローブヘッドの場合にスペーストランスフォーマの接触パッドに当接することが意図された接触部21Bで終端する。
【0069】
接触部21Aおよび21Bは、略点状の接触を画定するよう適合させることが可能であり、または、端部の残りよりも小さい直径を有する場合がある、丸みのある形状、またはなお略平坦な形状を有し得る。
【0070】
さらに、特に、コンタクトプローブ20Bは、図の局所的な参照において、プローブ自体の左および右に配置された、図中、PLaおよびPLbそれぞれで示し、コンタクトプローブ20の長手方向展開軸HHに対して対称に配置された、コンタクトプローブ20のそれぞれの、および両方の側壁に対応して突出しているそれぞれの拡張部22Aおよび22Bを備える。このようにして、接触ヘッド20Bは、コンタクトプローブ20の長手方向展開軸HHに対して対称の構成を有する。
【0071】
このようにして、コンタクトプローブ20Bは、図の局所的な参照を考慮すると、ダイ、特に、上方のダイの対応する面に当接するように構成された、拡張部22Aおよび22Bに対応するそれぞれのアンダーカット壁22asおよび22bsを有し、例えば、コンタクトプローブ20が、対応する接触パッドに当接しておらず、下方に摺動する傾向にある場合に、コンタクトプローブ20がダイから、したがって、プローブヘッドから滑落することを阻止する。さらに、特に、拡張部22Aおよび22Bは、プローブDsの直径の20~60%に等しい値を有する等しい長さLexのアンダーカット壁22asおよび22bsを画定する。このようにして、接触パッド20Bは、実装面積の直径、具体的には、長さLexの和と、プローブ直径Dsとの和に等しいヘッド直径Dt:Dt=Ds+2*Lexを有する。
【0072】
好適には、本発明によれば、コンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bはさらに、拡張部22Aおよび22Bの少なくとも一方に、特に、拡張部22Aに対応して配置された少なくとも1つの窪み23Aを備え、少なくとも1つの窪み23Aは、例えばレーザー切断によって、プローブが得られる基板からのコンタクトプローブ20の切り離しによる、それぞれの材料ブリッジ24の切断から生じる少なくとも1つの切れ端材24を収容するように構成されている。
【0073】
好適には、上記窪み23Aは、長さLexの5~30%に等しい長さLrだけ、上記拡張部22Aまたは22B内で延在し得て、好ましくは、5μm以上15μm以下の範囲に含まれる値を有し得る。
【0074】
そうした切れ端材24Aがたとえ存在している場合であっても、本発明によるコンタクトプローブ20が既知の解決策のそれと等しいヘッド直径Dtを有しており、関係する寸法が等しいならば、そうした切れ端材24Aが、接触ヘッド20Bによって与えられた実装面積に対して突出していないことは直ちに明らかである。
【0075】
最も一般的な適用では、アンダーカット壁22asおよび22bsの長さLexは10μm以上25μm以下の範囲に含まれる値を有し、プローブ直径Dsは20μm以上90μm以下の範囲に含まれる値を有し、ヘッド直径Dtは30μm以上120μm以下の範囲に含まれる値を有する。
【0076】
図6Bに概略的に示す別の実施形態によれば、コンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bは、拡張部22Aおよび22Bの両方に対応して実現されたそれぞれの窪み23Aおよび23Bを備える。そうした窪み23Aおよび23Bは、例えば、レーザー切断により、プローブが得られる基板からコンタクトプローブ20の取り付け部の材料ブリッジ24への接触ヘッド20Bのそれぞれの、および対称の取り付け部に対応するそれぞれの切れ端材24Aを収容することを可能にする。
【0077】
さらに、この場合、窪み23Aおよび23Bが存在していることにより、関係する寸法が等しいならば、接触ヘッド20Bによって与えられる実装面積に対して突出していない切れ端材24Aおよび24Bが存在している状態でも、既知の解決策のそれに等しいヘッド直径Dtを、本発明によるコンタクトプローブ20が有することが確実にされる。
【0078】
有利には、本発明によれば、したがって、プローブヘッド30において隣接するコンタクトプローブ20を互いに接近させることが可能であり、切れ端材24Aを考慮した公差を導入することなく、プローブの最大の寸法を有する部分の間で、すなわち、対応する接触ヘッド20Bに対応する部分の間で、離隔すべき最小距離Dmをいずれにせよ確保する。コンタクトプローブ特に、最小距離Dmは、隣接するプローブ間の接触を回避するよう適合された値を意味し、通常は、10μm以上20μm以下に含まれる値である。
【0079】
このようにして、コンタクトプローブ20の接触先端20Aも互いに近い、すなわち、そうした端材24Aが存在する状態にも、既知の解決策と同様なピッチ値まで、被試験デバイス25の接触パッド26A、または、もっと良いのは、上記パッドの中心が接近することが考えられる。
【0080】
完全に任意に、図6Aおよび図6Bに示すものに関し、やはり、コンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bを心ずれした状態で、および/または非対称に配置したいずれの数の材料ブリッジ24も実現することは明らかに可能である。
【0081】
よって、本発明によるコンタクトプローブ20を、実際に、接触ヘッドを作るのに適した材料で実現された適切な基板25からのレーザー切断により、それらを画定することによって実現することが可能である。各コンタクトプローブ20は、よって、図7Aに概略的に示すように、材料を除去することにより、基板25内で得られ、コンタクトプローブ20を取り囲むように構成された、単にフレーム25Aとして示す適切な略フレーム状のスロットにおいて実現される。
【0082】
さらに、特に、図6Aの実施形態による、そうしたコンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bにおいて実現されたそれぞれの窪み23Aに対応する取り付け箇所を有する少なくとも1つの材料ブリッジ24により、基板25に固定された複数のコンタクトプローブ20が実現される。
【0083】
あるいは、図7Bに概略的に示すように、図6Bの実施形態による、上記コンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bにおいて実現されたそれぞれの、および対称の窪み23Aおよび23Bに対応する材料ブリッジ24のそれぞれの取り付け箇所を有するように基板25内に複数のコンタクトプローブ20を実現することが可能である。
【0084】
したがって、当該方法は、1つまたは複数の材料ブリッジ24を切断することにより、基板25からコンタクトプローブ20を分離するさらなる工程を備える。好適には、本発明によれば、コンタクトプローブ20のそうした工程により、かかる窪み23Aおよび/または23B内にそれぞれ配置された切れ端材24Aおよび/または24Bが残される。
【0085】
好適には、図7Aおよび図7Bに示すように、各材料ブリッジ24には、それを通過し、材料ブリッジ24自体の一体性を破断することにより、基板25からのプローブの分離を容易にするように構成された少なくとも1つの脆弱ラインLLが設けられ得る。
【0086】
特に、このような脆弱ラインLLは、コンタクトプローブ20に近接して配置されることが可能であるので、基板25からのコンタクトプローブ10の分離中の切断は、基板25に固定された材料ブリッジ24の大半の部分の保持を伴う。
【0087】
好適には、脆弱ラインLLは、基板25内の貫通孔によって得ることが可能であり、上記貫通孔は、任意の形状、例えば、その一部を挙げれば、円形、楕円形、矩形、傾斜を有していてもよい。あるいは、脆弱ラインLLは、その基板25の平面と直交する方向Zにおいて、それに対応する基板25の局所的な薄肉化によって実現することも可能である。
【0088】
図8に概略的に示す、本発明によるコンタクトプローブ20の別の実施形態によれば、接触ヘッド20Bは、図の局所的な参照において、示された例では、プローブ自体の左に配置された、コンタクトプローブ20の側壁PLaに対応する、コンタクトプローブ20の側壁にのみ対応して突出している、1つの拡張部22Aのみを備える。一方、第2の、および反対側の面PLbに対応して、接触ヘッド20Bは、拡張および突出している部分を有していない。このようにして、接触ヘッド20Bは、コンタクトプローブ20の長手方向展開軸HHに対して非対称の構成を有する。
【0089】
なお、この場合にも、接触ヘッド20Bは、このようにして、ダイ、特に、上方のダイの対応する面に当接するように構成された拡張部22Aに対応するアンダーカット壁22asを有し、例えば、図の局所的な参照を考慮して、コンタクトプローブ20が対応する接触パッドに当接せず、下方に摺動する傾向にある場合、接触パッド20がダイから、したがって、プローブヘッドから滑落することを阻止する。さらに、特に、拡張部22Aは、プローブ直径Dsの20~60%に等しい値を有する長さLexを有し得るアンダーカット壁22asを画定する。
【0090】
このようにして、好適には、本実施形態によれば、接触ヘッド20Bは、関係する寸法が等しければ、図6Aおよび図6Bに示す実施形態のヘッド直径Dtよりも、および、したがって、さらに、既知の解決策よりも小さい、実装面積の直径、特に、プローブ直径Dsおよび長さLexの和に等しいヘッド直径Dt:Dt=Ds+Lexを有する。
【0091】
さらに、この場合、コンタクトプローブ20の接触ヘッド20Bはさらに、拡張部22Aに対応して配置され、および、特に、ヘッド直径Dtの、その実装面積における増加なしで、例えばレーザー切断により、プローブが得られる基板からのコンタクトプローブ20の切り離しによる、かかる材料ブリッジ24の切断から生じる少なくとも1つの切れ端材24Aを収容するように構成された少なくとも1つの窪み23Aを備える。
【0092】
説明されたタイプのコンタクトプローブは、参照番号30で全体を示す、図9Aおよび図9Bに概略的に示すようなプローブヘッドを実現するために使用することが可能である。
【0093】
特に、プローブヘッド30は、複数のコンタクトプローブ20を収容し、少なくとも1つの下方のダイ26と上方のダイ27とを備え、下方のダイ26および上方のダイ27は、前述した種類のコンタクトプローブ20が摺動するそれぞれのガイド孔26Aおよび27Aを備えている。簡素化のために、図9Aおよび図9Bでは、図6Bおよび図8それぞれで表した種類にかかわらず、コンタクトプローブ20のみを示す。
【0094】
各コンタクトプローブ20は、被試験デバイス28の対応する接触パッド28Aに当接するように構成された接触先端20A、およびスペーストランスフォーマ29の接触パッド29Aに当接するように構成されたプローブヘッド20Bを有する。
【0095】
図示した例では、プローブヘッド30は、垂直プローブおよびシフトプレートを有する種類のものであり、図示したプローブは、上方のダイ27と下方のダイ26との間のエアギャップZA内で延在するプローブ本体20Cを備える。前述したように、便宜上、「上方」および「下方」の用語は、本発明を限定するやり方でそれらを解することなく、図の局所参照系に関して使用されている。
【0096】
特に、下方および上方のダイ26、27は、ダイ間のエアギャップZAに対応する予変形を、複数のコンタクトプローブ20であって、それらのガイド孔26Aおよび27A内で摺動する上記コンタクトプローブ20に対して付与するように適切に、相互にシフトさせ、そうした予変形は、コンタクトプローブ20の接触先端20Aが被試験デバイス28の接触パッド28Aに押圧接触しており、コンタクトプローブ20がエアギャップZAに対応して屈曲する場合に、プローブヘッド30の動作中に増加する。
【0097】
コンタクトプローブ20は、プローブヘッド30が意図する用途に基づいて選択される、0.8milsから3milsまで変動する直径を有する、特に、プローブ本体20Cに対応する断面を有する一方、拡張部22Aおよび/または22Bを備えるプローブヘッド20Bは、1milsから3.5milsまで変動する直径を有する断面を有し、直径とは、必ずしも円形でないそうした断面の最大寸法を意味する。
【0098】
なお、図9Bに示すシフトプレートの構成では、コンタクトプローブ20は、コンタクトプローブ20の壁、例えば、その下の上方のダイ27のガイド孔27Aの壁上に載って支えられている壁PLaから突出している拡張部22Aを有するようにプローブヘッド30内に収容される。
【0099】
このようにして、拡張部22Aのアンダーカット壁22asは、なお、図の局所的な参照を使用するに、上方の面27sとして示す、上方のガイド27の第1の面、特に、スペーストランスフォーマ29の前方の面に当接するように構成される。さらに、上方のダイ27は下方の面27iとして示す第2の、反対側の面を有する。
【0100】
有利には、本発明によれば、図8に示す実施形態のコンタクトプローブ20の構成のおかげで、図10Aに概略的に示すような、対応するプローブヘッド20Bに対応する、プローブの最大寸法を有する部分間で離隔すべき最小距離Dmをいずれにせよ確実にして、プローブヘッド30内の別の隣接するコンタクトプローブ20に接近することが可能であり、最小距離Dmは常に、通常10μm以上20μm以下に含まれる、隣接するプローブを回避するよう適合された値を意味する。
【0101】
明らかに、このようにして、コンタクトプローブ20の接触先端20Aに接近させる、すなわち、ピッチPI*を低減することにより、被試験デバイス26の接触パッド26A、または、さらに良いのは、そうしたパッドの中心に接近することが可能であり、すなわち、このようにして、有利には、図6Aおよび図6Bに示すコンタクトプローブ20の、したがって、既知の解決策の実施形態よりも小さいピッチPI*を有するデバイスを試験することが可能である。
【0102】
代替的な実施形態によれば、図10Bに概略的に示すように、プローブヘッド30内に、長手方向または横方向における隣接するプローブ20、20’が、反対側の壁PLa、PL’bから突出している拡張部22A、22’Aを有するようにコンタクトプローブ20を配置することも可能である。このようにして、第1のプローブ20はその第1の壁PLaから突出する突出部22Aを備え、長手方向または横方向において第1のプローブ20に隣接する第2のプローブ20’は、その第2の、反対側の壁PL’bから突出するかかる突出部22’Aを備え、すなわち、隣接するプローブ20、20’は、側面に位置するプローブのそうした長手または横方向に対して両側から突出している拡張部22A、22A’を有する。
【0103】
このようにして、プローブ間の考えられる接触を回避するように構成された最小距離Dmを確実にするが、隣接するプローブに、特にそれらの接触ヘッドに対応してさらに接近することが可能である。したがって、上記パッドの中心にさらに、接近させ、その結果、図に示すように、ピッチP1*がさらに低減する。
【0104】
なお、有利には、本発明によれば、さらに、提案されたプローブヘッドは、集積回路の最新の集積および設計の技術によって要求される要件にまで、被試験デバイス28のピッチP1*を低減する、すなわち、対応する接触パッド28Aの中心に接近することを可能にする。
【0105】
本発明によるプローブヘッド30の特に効果的な実施形態は図11に概略的に示す。
【0106】
プローブヘッド30は特に、参照番号20”で示し、プローブヘッド20”Bが、以下に非対称のコンタクトプローブ20”として示すように、一方の側壁、特に第1の壁PL”aのみから突出している1つの拡張部22”Aのみを備えている複数のコンタクトプローブとともに、以下に、対称のコンタクトプローブ20として示す、図6Aおよび図6Bの(後者は、例として図11に示すものである、)実施形態におけるような、プローブの両方の側壁から突出している拡張部22Aおよび22Bを備えているプローブヘッド20Bを有する複数のコンタクトプローブ20を備える。
【0107】
前述したように、拡張部22Aおよび/または22Bと22”Aは、コンタクトプローブ20、20”の、それらが形成された基板25からの分離による切れ端材24A、24”Aを収容するように構成されたそれぞれの窪み23Aおよび/または23Bと23”Aを備える。
【0108】
図に示す例では、プローブヘッド20はシフトプレート型のものであり、したがって、平面であり、互いに平行であり、非対称のコンタクトプローブ20”が摺動可能に収容されたさらなるそれぞれのガイド孔26Bおよび27Bを備えている下方のダイ26および上方のダイ27を備える。
【0109】
さらに、特に、非対称のコンタクトプローブ20”の各々は、スペーストランスフォーマ29のさらなる接触パッド29Bに当接するように構成された接触ヘッド20”B、および被試験デバイス28のさらなる接触パッド28Bに当接するように構成された接触先端20”Aを備える。
【0110】
なお、非対称のコンタクトプローブ20”は、最大の実装面積、特に、対称の接触ヘッド20の対応するヘッド直径よりも小さいヘッド直径Dtを有する。このようにして、図11に示すように作られた同じプローブヘッド30により、種々のピッチを有する領域を有する集積デバイスを試験することが、よって、可能である。
【0111】
実際に、集積回路を実現する技術における最新の開発により、デバイス自体の種々の領域において異なる相対距離またはピッチを有する、接触パッドの2次元アレイにより、デバイスを実現することが可能になったことが知られている。さらに、特に、そうしたデバイスは、パッドが互いに、より近い小さなピッチを有する領域として示す第2の領域に対する、対応する中心間の、より大きい距離を有する大きなピッチを有する領域として示す第1の領域を備える。この場合、マルチピッチのデバイスについて論じることが可能である。
【0112】
好適には、図11に示すような本発明によるプローブヘッド30は、特に、マルチピッチのデバイスを試験するために、大きなピッチを有する第1の領域内の対称のコンタクトプローブ20および小さなピッチを有する第2の領域内の非対称のコンタクトプローブ20”を使用して、そうしたデバイスを試験することを可能にする。
【0113】
考慮した事項は、例えば、いくつかの支持体を備える上方のダイおよび/または下方のダイを有するプローブヘッドなどの、いかなる本発明の主題であっても、ここに開示していない種々の実施形態についてなお、有効である。さらに、実施形態に関して行われた方策は、他の実施形態についても使用することが可能であり、3つ以上の実施形態を相互に、自由に組み合わせることが可能である。
【0114】
まとめれば、本発明の実施形態による、コンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドの構成は、複数のプローブ自体の高密度実装を実現し、やはり互いに非常に近い接触パッドの構成を試験することを可能にし、当該限度は、複数のプローブの、それらが実現された基板からの分離によって残された考えらえる切れ端材を考慮に入れなくてよいそれらの拡張ヘッド部によって与えられる。
【0115】
このようにして、効果的には、本発明によれば、特に、集積回路の最新の集積および設計の技術によって要求される要件にまで、互いに非常に近い対応する接触パッドの中心を有する、非常に小さなピッチを有する集積デバイスの場合にも他の技術の制約を解消する最新のレーザー技術を使用することにより、プローブを実現することが可能である。
【0116】
非対称のプローブヘッドを有する別の実施形態では、プローブの一方の側壁のみから突出している拡張部を有する対応するヘッド部の低減した実装面積のおかげで、そうしたプローブの実装密度を増加させることも可能である。
【0117】
コンタクトプローブが、特に、レーザー技術を使用することにより、単純に、および、低コストで実現されることに関する効果は無視できない。
【0118】
好ましい実施形態では、本発明によるプローブヘッドは、マルチピッチのデバイスを試験することも可能にする。
【0119】
明らかに、当業者は、起こり得る、および特定の要件を満たすために、以下の請求項によって画定される、本発明の範囲にすべて含まれる数多くの修正および変形を、上述した接触ヘッドおよびプローブヘッドに対して行い得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
【外国語明細書】