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特開2023-40317負荷制御システム、負荷制御方法、プログラム及び負荷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040317
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】負荷制御システム、負荷制御方法、プログラム及び負荷システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20230315BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J13/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020030912
(22)【出願日】2020-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小曽根 真
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB12
5G064DA03
5G066JA03
5G066JA04
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】第1制御と第2制御とを両立する。
【解決手段】負荷制御システム1は、需要家に設けられた負荷(蓄電システム5)を制御するためのシステムである。負荷制御システム1は、制御部11を備える。制御部11は、第1制御及び第2制御を実行可能である。第1制御では、電力系統2が安定するように負荷を制御する。第2制御では、電力系統2から供給される供給電力P1が閾値電力を超えないように負荷を制御する。制御部11は、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家に設けられた負荷を制御するための負荷制御システムであって、
電力系統が安定するように前記負荷を制御する第1制御、及び前記電力系統から供給される供給電力が閾値電力を超えないように前記負荷を制御する第2制御を実行可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御とを相互に関連付けて実行する、
負荷制御システム。
【請求項2】
前記負荷は、前記電力系統に対して充電及び放電の少なくとも一方を行う蓄電システムを含み、
前記第1制御及び前記第2制御の各々は、前記充電と前記放電との少なくとも一方の制御を含む、
請求項1に記載の負荷制御システム。
【請求項3】
前記電力系統の状態を判別する判別部を更に備え、
前記制御部は、前記判別部の判別結果から前記電力系統が不安定であって、前記第1制御にて前記充電を行う場合に、特定期間における前記供給電力が前記閾値電力を超えないように前記蓄電システムの充電量を制御する、
請求項1又は2に記載の負荷制御システム。
【請求項4】
上位システムから前記蓄電システムに対する充電指令を取得する取得部を更に備え、
前記制御部は、前記取得部が取得した前記充電指令に従って、特定期間における前記供給電力が前記閾値電力を超えないように前記蓄電システムの充電量を制御する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項5】
前記上位システムに充電可能量を送信する送信部を更に備え、
前記制御部は、前記閾値電力から前記供給電力の予測値を引いた電力値以下となるように前記充電可能量を決定する、
請求項4に記載の負荷制御システム。
【請求項6】
前記電力系統の状態を判別する判別部を更に備え、
前記制御部は、前記判別部の判別結果から前記電力系統が不安定であって、前記第1制御にて前記放電を行う場合に、前記供給電力が前記閾値電力を超えると予測される予測期間における前記閾値電力からの超過量に基づいて前記蓄電システムの放電量を制御する、
請求項1又は2に記載の負荷制御システム。
【請求項7】
上位システムから前記蓄電システムに対する放電指令を取得する取得部を更に備え、
前記制御部は、前記取得部が取得した前記放電指令に従って、前記供給電力が前記閾値電力を超えると予測される予測期間における前記閾値電力からの超過量に基づいて前記蓄電システムの放電量を制御する、
請求項1、2又は6に記載の負荷制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記放電を行った後に前記充電が行われる場合に、前記充電による前記充電量を考慮して前記放電量を制御する、
請求項6又は7に記載の負荷制御システム。
【請求項9】
前記第1制御と前記第2制御との優先度を変更可能である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項10】
前記優先度は、前記第1制御に用いられる情報に基づいて変更される、
請求項9に記載の負荷制御システム。
【請求項11】
前記優先度は、前記上位システムの指令に基づいて変更される、
請求項9に記載の負荷制御システム。
【請求項12】
前記供給電力は、予め設定された設定期間における瞬時電力の積算値である、
請求項1~11のいずれか1項に記載の負荷制御システム。
【請求項13】
需要家に設けられた負荷を制御するための負荷制御システムに用いられる負荷制御方法であって、
電力系統が安定するように前記負荷を制御する第1制御、及び前記電力系統から供給される供給電力が閾値電力を超えないように前記負荷を制御する第2制御を実行可能な制御ステップを有し、
前記制御ステップでは、前記第1制御と前記第2制御とを相互に関連付けて実行する、
負荷制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の負荷制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか1項に記載の負荷制御システムと、
前記負荷と、を備える、
負荷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に負荷制御システム、負荷制御方法、プログラム及び負荷システムに関する。より詳細には、本開示は、需要家に設けられた負荷を制御するための負荷制御システム、負荷制御方法、プログラム及び負荷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電システム(負荷)を用いて需要家のピークカット及び電力系統の周波数制御を行う需給制御装置が記載されている。特許文献1に記載の需給制御装置では、一定の時間単位で区切られた時間スロットごとに、周波数制御及びピークカットを少なくとも含む複数の制御内容のうちの1つが割り当てられる。具体的には、予測された消費電力が所定の契約電力を超える時間スロットにはピークカットが割り当てられ、予測された消費電力が所定の契約電力以下となる時間スロットには周波数制御が割り当てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6281817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の需給制御装置(負荷制御システム)では、周波数制御(第1制御)とピークカット(第2制御)とを両立することができなかった。
【0005】
本開示の目的は、第1制御と第2制御とを両立することができる負荷制御システム、負荷制御方法、プログラム及び負荷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る負荷制御システムは、需要家に設けられた負荷を制御するための負荷制御システムである。前記負荷制御システムは、制御部を備える。前記制御部は、第1制御及び第2制御を実行可能である。前記第1制御では、電力系統が安定するように前記負荷を制御する。前記第2制御では、前記電力系統から供給される供給電力が閾値電力を超えないように前記負荷を制御する。前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【0007】
本開示の一態様に係る負荷制御方法は、需要家に設けられた負荷を制御するための負荷制御システムに用いられる負荷制御方法である。前記負荷制御方法は、制御ステップを有する。前記制御ステップは、第1制御及び第2制御を実行可能なステップである。前記第1制御では、電力系統が安定するように前記負荷を制御する。前記第2制御では、前記電力系統から供給される供給電力が閾値電力を超えないように前記負荷を制御する。前記制御ステップでは、前記第1制御と前記第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記負荷制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示の一態様に係る負荷システムは、前記負荷制御システムと、前記負荷と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、第1制御と第2制御とを両立することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る負荷制御システム及び負荷システムの概略構成図である。
図2図2は、同上の負荷システムが備える蓄電システムの充電動作の一例を説明する説明図である。
図3図3は、契約電力の決定の仕方を説明する説明図である。
図4図4Aは、比較例に係る負荷制御システムによる充電サポートを説明する説明図である。図4Bは、実施形態に係る負荷制御システムによる充電サポートを説明する説明図である。
図5図5Aは、比較例に係る負荷制御システムによる放電サポートを説明する説明図である。図5Bは、実施形態に係る負荷制御システムによる放電サポートを説明する説明図である。
図6図6は、実施形態の変形例に係る負荷システムが備える蓄電システムの充電動作の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、実施形態に係る負荷制御システム及び負荷システムについて、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
また、下記の実施形態等において説明する各図は、いずれも模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(1)概要
まず、本実施形態に係る負荷制御システム1及び負荷システム10の概要について、図1を参照して説明する。
【0015】
本実施形態に係る負荷制御システム1は、配電網21から供給される供給電力P1の供給を受ける需要家に適用され、需要家に設けられた負荷を制御するためのシステムである。本実施形態では一例として、負荷は、蓄電システム5である。すなわち、負荷は、電力系統2に対して充電と放電との少なくとも一方を行う蓄電システム5を含む。
【0016】
配電網21は、電力系統2が備える配電網である。上位システム3は、送電業者、配電業者、発電業者等の個別事業体、もしくは送電と配電と発電とのうちの複数を含めた電力事業体、あるいは送電と配電と発電とのすべてを含めた電力事業体、又は電力アグリゲータである。電力アグリゲータは、複数の需要家の電力需要を束ねて効果的にエネルギーマネジメントサービスを提供する事業者である。
【0017】
負荷制御システム1は、蓄電システム5と共に、負荷システム10を構成している。すなわち、負荷システム10は、負荷制御システム1と、負荷としての蓄電システム5と、を備えている。また、本実施形態では、負荷システム10は、負荷6を更に備えている。
【0018】
さらに、負荷システム10は、配電網21及び上位システム3と共に、電力供給システム20を構成している。すなわち、電力供給システム20は、負荷システム10と、配電網21と、上位システム3と、を備えている。電力供給システム20は、供給電力P1を、配電網21を介して負荷システム10に供給するためのシステムである。
【0019】
要するに、本実施形態に係る負荷制御システム1は、需要家に設けられた負荷(蓄電システム5)を制御するためのシステムである。負荷制御システム1は、制御部11を備える。制御部11は、第1制御及び第2制御を実行可能である。第1制御では、電力系統2が安定するように負荷を制御する。第2制御では、電力系統2から供給される供給電力P1が閾値電力Pth(図4B参照)を超えないように負荷を制御する。制御部11は、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【0020】
本実施形態に係る負荷制御システム1及び負荷システム10では、制御部11は、電力系統2が安定するように負荷を制御する第1制御と、電力系統2から供給される供給電力P1が閾値電力Pthを超えないように負荷を制御する第2制御と、を相互に関連付けて実行しており、第1制御と第2制御とを両立することができる。すなわち、第1制御による系統サポートと第2制御によるピークカットとを両立することができる。
【0021】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る負荷制御システム1及び負荷システム10の詳細について、図1図3を参照して説明する。
【0022】
(2.1)前提
本実施形態では、図1に示すように、負荷制御システム1及び負荷システム10が1つの需要家に適用されたと仮定する。ただし、実際には、負荷制御システム1及び負荷システム10は、複数の需要家の各々に適用可能である。
【0023】
本開示でいう「需要家」は、電気の供給を受けて使用する者をいい、戸建て住宅、集合住宅の各住戸、施設及び事業所等を含む。本実施形態では一例として、需要家は戸建て住宅である。
【0024】
また、本開示でいう「系統サポート」は、電力系統2の配電網21から供給される供給電力P1の安定化、すなわち電力系統2の安定化を支援することをいい、電力系統2の余剰分又は不足分を抑制することをいう。具体的には、負荷制御システム1は、系統サポートとして、負荷システム10が備える蓄電システム5の充電及び放電の少なくとも一方を制御する。
【0025】
また、本開示でいう「デマンドレスポンス(Demand Response:DR)」は、電力の需要と供給とのバランスをとるために、需要家側の電力を制御することをいう。デマンドレスポンスには、電力消費を抑える「下げDR」と、電力消費を増やす「上げDR」と、の2種類がある。
【0026】
また、本開示でいう「供給電力P1」は、電力系統2の配電網21から需要家に供給される電力(受電電力)をいう。供給電力P1は、需要家において、後述の負荷6に供給される構内消費電力P2と、蓄電システム5に供給されるESS電力P3と、に分配される。
【0027】
(2.2)電力供給システム
次に、本実施形態に係る電力供給システム20の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る電力供給システム20は、上述したように、負荷システム10と、配電網21と、上位システム3と、を備えている。
【0028】
(2.2.1)上位システム
上位システム3は、図1に示すように、管理装置31と、通信部32と、を有している。
【0029】
通信部32は、負荷制御システム1の後述の通信部12との間で通信可能な通信インターフェースを含む。通信部32は、直接的、又はネットワーク7若しくは中継器等を介して間接的に、通信部12と通信するように構成されている。本実施形態では、通信部32は、インターネット等のネットワーク7を介して通信部12と通信可能である。これにより、上位システム3は、負荷制御システム1に対してデマンド情報を送信することができる。
【0030】
(2.2.2)負荷システム
次に、本実施形態に係る負荷システム10の構成について、図1を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係る負荷システム10は、スマートメータ4を介して配電網21に接続されている。スマートメータ4は、負荷システム10ごと(すなわち需要家ごと)に設けられている。スマートメータ4は、需要家ごとに設置され、需要家で使用された使用電力量(受電電力量)を一定時間(例えば30分)ごとに測定し、その測定結果を負荷制御システム1に送信する。すなわち、スマートメータ4は、需要家の使用電力量を測定する機能と、測定結果を負荷制御システム1に送信する機能と、を有している。
【0032】
負荷システム10は、上述したように、負荷制御システム1と、蓄電システム5(負荷)と、を備えている。また、本実施形態では、負荷システム10は、負荷6を更に備えている。負荷システム10では、電力系統2の配電網21から供給された供給電力P1は、構内消費電力P2とESS電力P3とに分配される。構内消費電力P2は負荷6に供給され、ESS電力P3は蓄電システム5に供給される。
【0033】
負荷6は、例えば、需要家に設置された電気機器(冷蔵庫、照明及びエアコン等)であって、供給電力P1を使用して動作する電気機器である。ただし、電気機器は、供給電力P1によって充電されるバッテリを搭載し、このバッテリから供給される電力で動作する電気機器であってもよく、例えば、充電式の掃除機、及びスマートフォン等のモバイル通信機器を含む。
【0034】
蓄電システム5は、電力を充電及び放電する機能を有する装置であり、例えば、需要家に設置されている。ここでいう「充電」は、電力系統2の配電網21から蓄電システム5への充電であり、「放電」は、蓄電システム5から負荷6又は電力系統2への放電である。
【0035】
蓄電システム5は、図1に示すように、蓄電制御部51と、蓄電池52と、を備えている。蓄電池52は、充放電可能な蓄電池(例えば鉛蓄電池又はリチウムイオン電池)である。蓄電制御部51は、蓄電池52の充放電を制御する。より詳細には、蓄電制御部51は、蓄電池52の充電時には、供給電力P1を直流電力に変換して蓄電池52を充電し、蓄電池52の放電時には、蓄電池52の放電電力を交流電力に変換して負荷6又は電力系統2に放電する。
【0036】
(2.3)負荷制御システム
次に、本実施形態に係る負荷制御システム1の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る負荷制御システム1は、図1に示すように、制御部11と、通信部12と、を備えている。
【0037】
(2.3.1)通信部
通信部12は、上位システム3の通信部32との間、及びスマートメータ4との間で通信可能な通信インターフェースを含む。通信部12は、直接的、又はネットワーク7若しくは中継器等を介して間接的に、通信部32及びスマートメータ4と通信するように構成されている。本実施形態では、通信部12は、インターネット等のネットワーク7を介して通信部32と通信可能である。また、本実施形態では、通信部12は、直接的にスマートメータ4と通信可能である。これにより、負荷制御システム1は、上位システム3からデマンド情報を受信することができる。また、負荷制御システム1は、スマートメータ4から需要家の使用電力量の測定結果を受信することができる。ここでいう「デマンド情報」は、デマンドレスポンスに関する情報であって、例えば「下げDR」であれば、需要家での電力消費の削減を要請する情報を含み、「上げDR」であれば、需要家での電力消費の増加を要請する情報を含む。本実施形態では、通信部12により送信部が構成されている。
【0038】
(2.3.2)制御部
制御部11は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、制御部11(後述の判別部111及び取得部112を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよく、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0039】
制御部11は、図1に示すように、判別部111と、取得部112と、を有している。
【0040】
判別部111は、電力系統2の状態を判別するように構成されている。ここでいう「電力系統2の状態」は、電力系統2が余剰状態にあるか、不足状態にあるか、そのいずれでもないかを意味する。図2に示すように、電力系統2が余剰状態では電力系統2の系統周波数Fは高くなり、電力系統2が不足状態では電力系統2の系統周波数Fは低くなる。本実施形態では、判別部111は、電力系統2の系統周波数Fと特定周波数との大小によって、電力系統2の状態を判別している。本実施形態では一例として、特定周波数は60Hzである。より詳細には、判別部111は、系統周波数Fが特定周波数よりも高くなっていれば電力系統2が余剰状態にあると判別し、系統周波数Fが特定周波数よりも低くなっていれば電力系統2が不足状態にあると判別する。
【0041】
制御部11は、判別部111の判別結果から電力系統2が不安定(電力系統2が余剰状態又は不足状態)である場合、第1制御を実行する。ここでいう「第1制御」は、電力系統2に影響を与えられるように負荷(ここでは蓄電システム5)を制御することをいう(以下、「系統サポート」ともいう)。より詳細には、制御部11は、判別部111の判別結果から電力系統2が余剰状態であれば、蓄電システム5の充電を行う。
【0042】
また、制御部11は、判別部111の判別結果から電力系統2が不足状態であれば、蓄電システム5の放電を行う。
【0043】
また、本実施形態では、制御部11は、第1制御に加えて、第2制御も実行可能である。ここでいう「第2制御」は、電力系統2の配電網21から供給される供給電力P1が閾値電力Pth(図4B参照)を超えないように負荷(ここでは蓄電システム5)を制御することをいう(以下、「ピークカット」ともいう)。より詳細には、制御部11は、第2制御においては、供給電力P1が閾値電力Pthを超えると予測される場合に、蓄電システム5の放電を行う。すなわち、第1制御及び第2制御の各々は、蓄電システム5の充電と放電との少なくとも一方の制御を含む。
【0044】
さらに、本実施形態では、制御部11は、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行するように構成されている。要するに、制御部11は、判別部111の判別結果から電力系統2が不安定であって、第1制御にて蓄電システム5の充電を行う場合に、期間T2(図4B参照)における供給電力P1が閾値電力Pth(図4B参照)を超えないように第2制御にて蓄電システム5の充電量を制御する。また、制御部11は、デマンド情報に充電指令が含まれている場合、期間T2(図4B参照)における供給電力P1が閾値電力Pth(図4B参照)を超えないように蓄電システム5の充電量を制御する。さらに、制御部11は、判別部111の判別結果から電力系統2が不安定であって、第1制御にて蓄電システム5の放電を行う場合に、期間T4(図5B参照)における供給電力P1の閾値電力Pthからの超過量に基づいて蓄電システム5の放電量を制御する。また、制御部11は、デマンド情報に放電指令が含まれている場合、期間T4(図5B参照)における供給電力P1の閾値電力Pthからの超過量に基づいて蓄電システム5の放電量を制御する。なお、制御部11の動作については、「(3)動作」の欄で詳しく説明する。
【0045】
取得部112は、上位システム3からデマンド情報を取得するように構成されている。言い換えると、取得部112は、上位システム3から蓄電システム5に対する充電指令又は放電指令を取得するように構成されている。
【0046】
制御部11は、取得部112がデマンド情報を取得した場合、デマンド情報に含まれる充電指令又は放電指令に従って、第1制御を実行する。
【0047】
ここで、電力系統2の系統周波数Fは、図2に示すように、電力系統2が需要に対して不足すると低下し、電力系統2が需要に対して余剰になると上昇する。上述したように、制御部11は、取得部112により電力系統2の系統周波数Fを取得し、取得した系統周波数Fに応じて蓄電システム5の充放電量を制御する。例えば、制御部11は、取得部112が取得した系統周波数Fが特定周波数(ここでは60Hz)よりも高くなっている場合、蓄電システム5の充電量を制御する。この場合、系統周波数Fが60Hzから61Hzまでの第1充電範囲R1では、制御部11は、蓄電システム5の充電電力(充電量)をゼロからPmaxまで比例的に増加させる。また、系統周波数Fが61Hz以上である第2充電範囲R2では、制御部11は、蓄電システム5の充電電力(充電量)をPmaxとする。一方、制御部11は、取得部112が取得した系統周波数Fが特定周波数(ここでは60Hz)よりも低くなっている場合、電力系統2が不足していることから、蓄電システム5の放電を行う。すなわち、制御部11は、周波数ワット制御を行う。ここでいう「充電電力Pmax」は、蓄電システム5の定格電力をいう。
【0048】
なお、需要家の契約電力は、以下に示すように各月ごとに決定される。各月の契約電力は、過去1年間(当月及び当月より前の11か月)の最大需要電力のうちの最も大きい値である。図3の例では、例えば、当年の7月分の契約電力は、当月(7月)と、当月よりも前の11か月(前年の8月から当年の6月までの11か月)との間の各月の最大需要電力のうちの最も大きい値(110KW)である。なお、最大需要電力は、需要家における所定時間(例えば30分)ごとの平均使用電力のうち、月間で最も大きい値である。
【0049】
(3)動作
次に、本実施形態に係る負荷制御システム1の動作について、図4A図5Bを参照して説明する。なお、以下では、電力系統2が不安定(電力系統2が余剰状態又は不足状態)である場合を例に説明するが、上位システム3からデマンド情報を取得した場合も同様に動作するため、ここではデマンド情報を取得した場合の動作については説明を省略する。また、図4A図5Bにおける供給電力P1(実線)、構内消費電力P2(破線)及びESS電力P3(ドット部分)は瞬時電力である。
【0050】
(3.1)充電サポート
まず、本実施形態に係る負荷制御システム1による充電サポートについて、図4A及び図4Bを参照して説明する。ここでいう「充電サポート」は、蓄電システム5の充電を行うことにより、第1制御(系統サポート)と第2制御(ピークカット)とを両立させることをいう。図4A及び図4Bにおける「第1期間T1」は、第1制御及び第2制御が行われない場合に供給電力P1が閾値電力Pthを上回っている期間である。また、図4A及び図4Bにおける「第2期間T2」は、第1制御及び第2制御が行われない場合に供給電力P1が閾値電力Pthを下回っている期間である。
【0051】
図4A及び図4Bの例では、第1期間T1において電力系統2の系統周波数Fが特定周波数(ここでは60Hz)よりも高くなっている。この場合、負荷制御システム1の判別部111は、電力系統2が余剰状態にあると判別し、制御部11は、電力系統2の系統周波数Fを下げるために蓄電システム5の充電を行おうとする。しかしながら、第1期間T1では、図4A及び図4Bに示すように、供給電力P1が閾値電力Pthを上回っている。そのため、図4Aに示すように、第1期間T1において蓄電システム5の充電を行った場合には、第1期間T1における供給電力P1は、構内消費電力P2と蓄電システム5のESS電力(充電電力)P31とを加えた値になり、閾値電力Pthを大幅に上回ることになる。例えば、閾値電力Pthは契約電力を下げるための供給電力P1の上限値であり、それを上回ると電気料金が想定よりも上昇する。
【0052】
そこで、本実施形態に係る負荷制御システム1では、制御部11は、図4Bに示すように、供給電力P1が閾値電力Pthを超えるような第1期間T1では、第1制御を行わずに第2制御のみを行う。具体的には、制御部11は、第1期間T1における供給電力P1のうち閾値電力Pthを超えている部分に相当する電力P33の放電を蓄電システム5に行わせる。すなわち、制御部11は、供給電力P1が閾値電力Pthを超えないように充放電量(ここでは放電量)を調整する。その結果、第1期間T1における供給電力P1を閾値電力Pth以下に抑えることができ、電気料金の上昇を抑えることができる。本実施形態では、供給電力P1は実測値であるが、推定値であってもよい。
【0053】
また、図4A及び図4Bにおける第2期間T2では、第1期間T1と同様、電力系統2の系統周波数Fが特定周波数よりも高くなっており、電力系統2は余剰状態にある。第2期間T2では、図4A及び図4Bに示すように、供給電力P1が閾値電力Pthを下回っているため、蓄電システム5の充電が可能である。しかしながら、図4A示すように、第2期間T2における供給電力P1(構内消費電力P2とESS電力P32とを加えた電力)が閾値電力Pthを上回ってしまうと、同様に電気料金が上昇する。
【0054】
そこで、本実施形態に係る負荷制御システム1では、制御部11は、図4Bに示すように、第2期間T2における供給電力P1が閾値電力Pthを超えないように、蓄電システム5のESS電力P34を制御している。その結果、第1期間T1における供給電力P1を閾値電力Pth以下に抑えることができ、電気料金の上昇を抑えることができる。本実施形態に係る負荷制御システム1では、上述したように、第2制御の機能が第1制御の機能よりも優先される。
【0055】
ここでは、上述の第1期間T1及び第2期間T2における制御部11の動作が制御ステップである。
【0056】
(3.2)放電サポート
次に、本実施形態に係る負荷制御システム1による放電サポートについて、図5A及び図5Bを参照して説明する。ここでいう「放電サポート」は、蓄電システム5の放電を行うことにより、第1制御(系統サポート)と第2制御(ピークカット)とを両立させることをいう。図5A及び図5Bにおける「第3期間T3」は、第1制御及び第2制御が行われない場合に供給電力P1が閾値電力Pthを下回っている期間である。また、「第4期間T4」は、第1制御及び第2制御が行われない場合に供給電力P1が閾値電力Pthを上回っている期間である。
【0057】
図5A及び図5Bの例では、第3期間T3において電力系統2の系統周波数Fが特定周波数よりも低くなっている。この場合、負荷制御システム1の判別部111は、電力系統2が不足状態にあると判別し、制御部11は、電力系統2の系統周波数Fを上げるために蓄電システム5の放電を行う。このとき、図5Aに示すように、第3期間T3において蓄電システム5に蓄えられている電力P35を全て放電してしまうと、第4期間T4において閾値電力Pthを超えている電力を補うための放電を行うことができず、その結果、電気料金が上昇する。
【0058】
そこで、本実施形態に係る負荷制御システム1では、制御部11は、第4期間T4においても蓄電システム5の放電を行うことができるように、第3期間T3における蓄電システム5のESS電力(放電電力)P36を制御する(図5B参照)。具体的には、制御部11は、第3期間T3におけるESS電力(放電電力)P36と第4期間T4におけるESS電力(放電電力)P38とを加えた電力が、蓄電システム5に蓄えられている電力以下となるように、第3期間T3におけるESS電力P36を制御する。これにより、第4期間T4における供給電力P1のうち閾値電力Pthを超えている部分に相当する電力P38の放電を蓄電システム5に行わせることができる。その結果、第4期間T4における供給電力P1を閾値電力Pth以下に抑えることができ、電気料金の上昇を抑えることができる。
【0059】
なお、図5Bに示すように、第3期間T3と第4期間T4との間の第5期間T5において、例えば、供給電力P1が閾値電力Pthを超えずに充電できる場合(もしくは充電できると推測される場合)や、デマンドレスポンスにて蓄電システム5の充電が予定されている場合には、制御部11は、第5期間T5におけるESS電力(充電電力)P37を考慮して第3期間T3におけるESS電力(放電電力)P36を制御すればよい。すなわち、制御部11は、放電を行った後に充電が行われる場合に、充電による充電量を考慮して上記放電による放電量を制御すればよい。すなわち、この場合においても、第2制御の機能が第1制御の機能よりも優先される。
【0060】
ここでは、上述の第3期間T3及び第4期間T4における制御部11の動作が制御ステップである。
【0061】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上述の実施形態に係る負荷制御システム1と同様の機能は、負荷制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0062】
一態様に係る負荷制御方法は、需要家に設けられた負荷(蓄電システム5)を制御するための負荷制御システム1に用いられる負荷制御方法である。負荷制御方法は、制御ステップを有する。制御ステップは、第1制御及び第2制御を実行可能なステップである。第1制御では、電力系統2が安定するように負荷を制御する。第2制御では、電力系統2から供給される供給電力P1が閾値電力Pth(図4B参照)を超えないように負荷を制御する。制御ステップでは、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行する。また、一態様に係るプログラムは、上述の負荷制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0063】
上述の実施形態では、図4Bに示すように、第1期間T1において系統サポートを実現する第1制御を行わずに、ピークカットを実現する第2制御を優先して行っているが、第1制御と第2制御との優先度を変更可能であってもよい。以下、変形例に係る負荷制御システム1の動作について、図6を参照して説明する。
【0064】
図6に示すように、電力系統2の系統周波数Fが特定周波数(ここでは60Hz)からf1(>61Hz)までの第3充電範囲R3では、系統周波数Fの周波数変動が小さく、電力系統2の安定度が高いため、ピークカットを実現する第2制御を優先する。なお、この場合において、第1制御についても行うことができれば、第1制御と第2制御とを両立させてもよい。
【0065】
また、系統周波数Fがf1よりも大きい第4充電範囲R4では、電力系統2が非常に不安定になっており、停電を回避するために、系統サポートを実現する第1制御を優先する。すなわち、変形例に係る負荷制御システム1では、上述したように、第1制御と第2制御との優先度を変更可能である。そして、この場合における優先度は、電力系統2の安定度、すなわち第1制御に用いられる情報に基づいて変更される。また、優先度は、上位システム3からの指令によって変更されてもよい。要するに、変形例に係る負荷制御システム1では、電力系統2の安定度に基づいて、第1制御を優先するか、第2制御を優先するかを変更することができる。
【0066】
また、系統周波数Fが特定周波数よりも小さい範囲でも同様に、系統周波数Fの周波数変動が小さい場合は電力系統2の安定度が高いため、ピークカットを実現する第2制御を優先する。この場合において、第1制御についても行うことができれば、第1制御と第2制御とを両立させてもよい。そして、系統周波数Fが非常に小さい(ある閾値よりも小さい)場合は、電力系統2が非常に不安定になっており、停電を回避するために、系統サポートを実現する第1制御を優先する。
【0067】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0068】
本開示における負荷制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における負荷制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。更に、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0069】
また、負荷制御システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは負荷制御システム1に必須の構成ではない。負荷制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、負荷制御システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0070】
反対に、上述の実施形態において、複数のシステム(負荷制御システム1及び蓄電システム5)に分散されている負荷システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、負荷制御システム1と蓄電システム5とに分散されている負荷システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0071】
上述の実施形態では、負荷は、蓄電システム5であるが、電力系統2の余剰分を充電し、かつ電力系統2の不足分を放電することができればよく、蓄電システム5に限定されない。
【0072】
上述の実施形態では、負荷制御システム1の通信部12とスマートメータ4との通信、及び上位システム3の通信部32と負荷制御システム1の通信部12との通信がいずれも有線通信であるが、少なくとも一方が無線通信であってもよい。
【0073】
上述の実施形態では、電力系統2の配電網21から供給される供給電力P1が瞬時電力であるが、供給電力P1は、瞬時電力に限らず、例えば、予め設定された設定期間における瞬時電力の積算値であってもよい。設定期間は、例えば、デマンド時限(30分間)である。
【0074】
上述の実施形態では、電力系統2の系統周波数Fに基づいて系統サポートを実行しているが、例えば、電力系統2の電圧や位相に基づいて系統サポートを実行してもよい。
【0075】
上述の実施形態では、負荷制御システム1と蓄電システム5とが別々に設けられているが、例えば、負荷制御システム1が蓄電システム5に含まれていてもよい。
【0076】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る負荷制御システム(1)は、需要家に設けられた負荷(5)を制御するための負荷制御システム(1)である。負荷制御システム(1)は、制御部(11)を備える。制御部(11)は、第1制御(系統サポート)及び第2制御(ピークカット)を実行可能である。第1制御では、電力系統(2)が安定するように負荷(5)を制御する。第2制御では、電力系統(2)から供給される供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えないように負荷(5)を制御する。制御部(11)は、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【0077】
この態様によれば、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行するので、第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0078】
第2の態様に係る負荷制御システム(1)では、第1の態様において、負荷(5)は、蓄電システム(5)を含む。蓄電システム(5)は、電力系統(2)に対して充電及び放電の少なくとも一方を行う。第1制御及び第2制御の各々は、充電と放電との少なくとも一方の制御を含む。
【0079】
この態様によれば、蓄電システム(5)の充電と放電との少なくとも一方を行うことにより、第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0080】
第3の態様に係る負荷制御システム(1)は、第1又は第2の態様において、判別部(111)を更に備える。判別部(111)は、電力系統(2)の状態を判別する。制御部(11)は、判別部(111)の判別結果から電力系統(2)が不安定であって、第1制御にて充電を行う場合に、特定期間(T1)における供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えないように蓄電システム(5)の充電量を制御する。
【0081】
この態様によれば、蓄電システム(5)の充電量を制御することによって、供給電力(P1)を閾値電力(Pth)以下に抑えることができる。
【0082】
第4の態様に係る負荷制御システム(1)は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、取得部(112)を更に備える。取得部(112)は、上位システム(3)から蓄電システム(5)に対する充電指令を取得する。制御部(11)は、取得部(112)が取得した充電指令に従って、特定期間(T1)における供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えないように蓄電システム(5)の充電量を制御する。
【0083】
この態様によれば、蓄電システム(5)の充電量を制御することによって、供給電力(P1)を閾値電力(Pth)以下に抑えることができる。
【0084】
第5の態様に係る負荷制御システム(1)は、第4の態様において、送信部(12)を更に備える。送信部(12)は、上位システム(3)に充電可能量を送信する。制御部(11)は、閾値電力(Pth)から供給電力(P1)の予測値を引いた電力値以下となるように充電可能量を決定する。
【0085】
この態様によれば、供給電力(P1)を閾値電力(Pth)以下に抑えることができる。
【0086】
第6の態様に係る負荷制御システム(1)は、第1又は第2の態様において、判別部(111)を更に備える。判別部(111)は、電力系統(2)の状態を判別する。制御部(11)は、判別部(111)の判別結果から電力系統(2)が不安定であって、第1制御にて放電を行う場合に、予測期間(T4)における閾値電力(Pth)からの超過量に基づいて蓄電システム(5)の放電量を制御する。予測期間(T4)は、供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えると予測される期間である。
【0087】
この態様によれば、蓄電システム(5)の放電量を制御することによって、供給電力(P1)を閾値電力(Pth)以下に抑えることができる。
【0088】
第7の態様に係る負荷制御システム(1)は、第1、第2又は第6の態様において、取得部(112)を更に備える。取得部(112)は、上位システム(3)から蓄電システム(5)に対する放電指令を取得する。制御部(11)は、取得部(112)が取得した放電指令に従って、予測期間(T4)における閾値電力(Pth)からの超過量に基づいて蓄電システム(5)の放電量を制御する。予測期間(T4)は、供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えると予測される期間である。
【0089】
この態様によれば、蓄電システム(5)の放電量を制御することによって、供給電力(P1)を閾値電力(Pth)以下に抑えることができる。
【0090】
第8の態様に係る負荷制御システム(1)では、第6又は第7の態様において、制御部(11)は、放電を行った後に充電が行われる場合に、充電による充電量を考慮して放電量を制御する。
【0091】
この態様によれば、蓄電システム(5)の充電を考慮して、蓄電システム(5)の放電を行うことができる。
【0092】
第9の態様に係る負荷制御システム(1)では、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、第1制御と第2制御との優先度を変更可能である。
【0093】
この態様によれば、第1制御と第2制御との優先度を変更することができる。
【0094】
第10の態様に係る負荷制御システム(1)では、第9の態様において、優先度は、第1制御に用いられる情報に基づいて変更される。
【0095】
この態様によれば、第1制御に用いられる情報に基づいて、第1制御と第2制御との優先度を変更することができる。
【0096】
第11の態様に係る負荷制御システム(1)では、第9の態様において、優先度は、上位システム(3)の指令に基づいて変更される。
【0097】
この態様によれば、上位システム(3)の指令に基づいて、第1制御と第2制御との優先度を変更することができる。
【0098】
第12の態様に係る負荷制御システム(1)では、第1~第11の態様のいずれか1つにおいて、供給電力(P1)は、予め設定された設定期間における瞬時電力の積算値である。
【0099】
この態様によれば、供給電力(P1)の積算値に基づいて第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0100】
第13の態様に係る負荷制御方法は、需要家に設けられた負荷(蓄電システム5)を制御するための負荷制御システム(1)に用いられる負荷制御方法である。負荷制御方法は、制御ステップを有する。制御ステップは、第1制御及び第2制御を実行可能なステップである。第1制御では、電力系統(2)が安定するように負荷(5)を制御する。第2制御では、電力系統(2)から供給される供給電力(P1)が閾値電力(Pth)を超えないように負荷(5)を制御する。制御ステップでは、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行する。
【0101】
この態様によれば、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行するので、第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0102】
第14の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る負荷制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0103】
この態様によれば、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行するので、第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0104】
第15の態様に係る負荷システム(10)は、第1~第12の態様のいずれか1つに係る負荷制御システム(1)と、負荷(5)と、を備える。
【0105】
この態様によれば、第1制御と第2制御とを相互に関連付けて実行するので、第1制御と第2制御とを両立することができる。
【0106】
第2~第12の態様に係る構成については、負荷制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 負荷制御システム
2 電力系統
3 上位システム
5 蓄電システム(負荷)
10 負荷システム
11 制御部
12 通信部(送信部)
111 判別部
112 取得部
P1 供給電力
Pth 閾値電力
T1 第1期間(特定期間)
T4 予測期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6