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特開2023-40435情報処理システム、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040435
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230315BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20230315BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230315BHJP
   G06Q 30/0283 20230101ALI20230315BHJP
【FI】
G06Q30/06 322
G06Q30/02 450
G06Q30/02 470
G06Q30/02 490
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147385
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】513262920
【氏名又は名称】株式会社エーエヌラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100116986
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 弘司
(72)【発明者】
【氏名】大原 健
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L049BB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】買い取り等を希望する対象物である衣類について、該衣類の画像データに基づいて対象物について商品を識別する精度を向上する情報処理システム、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】利用者端末と運営者サーバが通信ネットワークを介して接続され、利用者端末から受信した衣類である対象物の画像データに基づいて商品である対象物について識別する情報処理システムにおいて、運営者サーバは、文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を記憶するデータベース手段と、対象物の外観の画像データを記憶する外観画像記憶手段と、外観画像記憶手段によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形に基づいて、データベース手段を参照して対象物について衣類の種類を識別する種類識別手段と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末と運営者サーバが通信ネットワークを介して接続され、前記利用者端末から受信した衣類である対象物の画像データに基づいて前記対象物について商品を識別する情報処理システムにおいて、
前記運営者サーバは、
文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を記憶するデータベース手段と、
前記対象物の外観の画像データを記憶する外観画像記憶手段と、
前記外観画像記憶手段によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形に基づいて、前記データベース手段を参照して前記対象物について衣類の種類を識別する種類識別手段と、
前記種類識別手段によって識別された種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を前記外観の画像データについて認識する外観画像認識手段と、
前記外観画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別する商品識別手段を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記衣類の外観に関する商品識別情報は、衣類の種類毎に定められた衣類の形、模様、色、文字、皺、又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記対象物に付されているタグの画像データを記憶するタグ画像記憶手段と、
前記タグ画像記憶手段によって記憶されたタグの画像データについて衣類のタグに関する商品識別情報を認識するタグ画像認識手段をさらに備え、
前記商品識別手段は前記外観画像認識手段及び前記タグ画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記タグ画像認識手段による認識は前記タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいて認識することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記衣類のタグに関する商品識別情報は商品固有のコードを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記タグ画像認識手段は、前記タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合は文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
衣類である対象物の画像データに基づいて前記対象物について商品を識別する情報処理装置であって、
文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を記憶するデータベース手段と、
前記対象物の外観の画像データを記憶する外観画像記憶手段と、
前記外観画像記憶手段によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形に基づいて、前記データベース手段を参照して前記対象物について衣類の種類を識別する種類識別手段と、
前記種類識別手段によって識別された種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を前記外観の画像データについて認識する外観画像認識手段と、
前記外観画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別する商品識別手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記衣類の外観に関する商品識別情報は、衣類の種類毎に定められた衣類の形、模様、色、文字、皺、又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記対象物に付されているタグの画像データを記憶するタグ画像記憶手段と、
前記タグ画像記憶手段によって記憶されたタグの画像データについて衣類のタグに関する商品識別情報を認識するタグ画像認識手段をさらに備え、
前記商品識別手段は前記外観画像認識手段及び前記タグ画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記タグ画像認識手段による認識は前記タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいて認識することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記衣類のタグに関する商品識別情報は商品固有のコードを含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記タグ画像認識手段は、前記タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合は文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識することを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
請求項1ないし6のいずれかに記載の運営者サーバの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項7ないし12のいずれかに記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、売却を希望する中古品などの衣類である利用者から提供された対象物について、その画像データを基に対象物である衣類について商品を識別する情報処理システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットや通信回線を利用した買い取り、オークション、フリーマーケット等のサービスが行われている。例えば、売却を希望する取引サービスの利用者が電子商取引プラットフォームに売却したい商品を登録し、それに対して取引サービスの運営者が買い取ったり、購入を希望する取引サービスの別の利用者が購入したりするものである。
【0003】
そして、買い取り、オークション、フリーマーケット等のサービスで中古品を含む売却がされる取引においては、取引価格の決定等をするために、売却を希望する商品を的確に識別することが必要になる。そのため、実際に商品を手に取って見ることができないインターネット上の取引においては、売却を希望する者は売却する対象物の画像データや文章による説明等を準備して、電子商取引プラットフォームに登録して売却を行うことが通常である。この商品の識別が的確に行われないと価格が適正であるかという判断や、そもそも売却を希望する対象物は購入者が購入を希望している商品と同じものなのかという判断ができず、取引の安全を図ることができない。もし、この商品の識別が的確でなければ、電子商取引プラットフォーム上で取引が成立しても、実際に購入希望者等に商品が届いた後に、その商品が希望していたものとは異なることが判明してトラブルが発生する原因となる。
また、特に中古の商品の場合は新規購入時には付属していた説明書、包装の袋や箱がなくなっていることも多く、利用者から提供された商品を撮影した画像データだけで取引に関する判断をしなければならない場合も少なくない。
そのため、このような場合は判断材料の不足により、取引サービスの関係者が商品を正しく識別するのが困難なことが少なくなく、対象物の画像データを基に対象物に関する商品情報を取得するために様々な方法が提供されている。
【0004】
例えば、出品価格の決定に有用なレポートに提示することができ、情報処理装置の処理の負荷を軽減することを目的として、メモリと、1つ又は複数のプロセッサとを含む情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記1又は複数のプロセッサが、第1商品の第1画像情報を取得すること、前記メモリに格納され、電子商取引プラットフォームに登録されている各商品の各画像情報と、前記第1画像情報とを用いて、前記第1商品に類似する第2商品を抽出すること、前記第2商品に関連付けられる出品情報を用いて、前記第1商品を前記電子商取引プラットフォームで出品した場合の売却に関するレポート情報を作成すること、前記レポート情報を、前記第1商品を保有するユーザが利用する他の情報処理装置に出力すること、を実行する、情報処理方法が提供されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-33715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
買い取り、オークション、フリーマーケット等のサービスでは、売却を希望する商品が何であるか的確に識別できなければ購入者も安心して購入することができないが、その点、商品が電子機器、電化製品などの場合は関連製品も含め製品自体に刻印やシールの形で型式の情報が表示されていることが多く、その型式の情報が利用者から提供されていれば商品の識別に困難をきたすということは少ない。
しかし、衣類の商品の場合は売却を希望する対象物の型番や品番等の情報が衣類自体に付されていないことが多いために、商品の識別が他のものと比較して困難であることが多いという問題がある。
その上、衣類が電子商取引プラットフォーム上で売却されているような場合、利用者から提供される情報は単に売却を希望する対象物である衣類をカメラで撮影した画像データがいくつかあるだけという場合も少なくないという問題がある。
【0007】
本願発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、買い取り等を希望する対象物である衣類について、該衣類の画像データに基づいて対象物について商品を識別する精度の向上を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、利用者端末と運営者サーバが通信ネットワークを介して接続され、前記利用者端末から受信した衣類である対象物の画像データに基づいて前記対象物について商品を識別する情報処理システムにおいて、前記運営者サーバは、文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を記憶するデータベース手段と、前記対象物の外観の画像データを記憶する外観画像記憶手段と、前記外観画像記憶手段によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形に基づいて、前記データベース手段を参照して前記対象物について衣類の種類を識別する種類識別手段と、前記種類識別手段によって識別された種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を前記外観の画像データについて認識する外観画像認識手段と、前記外観画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別する商品識別手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記衣類の外観に関する商品識別情報は、衣類の種類毎に定められた衣類の形、模様、色、文字、皺、又はこれらの組合せであることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記対象物に付されているタグの画像データを記憶するタグ画像記憶手段と、前記タグ画像記憶手段によって記憶されたタグの画像データについて衣類のタグに関する商品識別情報を認識するタグ画像認識手段をさらに備え、前記商品識別手段は前記外観画像認識手段及び前記タグ画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記タグ画像認識手段による認識は前記タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいて認識することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記衣類のタグに関する商品識別情報は商品固有のコードを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記タグ画像認識手段は、前記タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合は文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、衣類である対象物の画像データに基づいて前記対象物について商品を識別する情報処理装置であって、文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を記憶するデータベース手段と、前記対象物の外観の画像データを記憶する外観画像記憶手段と、前記外観画像記憶手段によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形に基づいて、前記データベース手段を参照して前記対象物について衣類の種類を識別する種類識別手段と、前記種類識別手段によって識別された種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を前記外観の画像データについて認識する外観画像認識手段と、前記外観画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別する商品識別手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、前記衣類の外観に関する商品識別情報は、衣類の種類毎に定められた衣類の形、模様、色、文字、皺、又はこれらの組合せであることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、前記対象物に付されているタグの画像データを記憶するタグ画像記憶手段と、前記タグ画像記憶手段によって記憶されたタグの画像データについて衣類のタグに関する商品識別情報を認識するタグ画像認識手段をさらに備え、前記商品識別手段は前記外観画像認識手段及び前記タグ画像認識手段による認識の結果に基づいて前記データベース手段を参照して前記対象物について商品を識別することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、前記タグ画像認識手段による認識は前記タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいて認識することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、前記衣類のタグに関する商品識別情報は商品固有のコードを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、前記タグ画像認識手段は、前記タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合は文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識することを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、プログラムであって、請求項1ないし6のいずれかに記載の運営者サーバの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、プログラムであって、請求項7ないし12のいずれかに記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、買い取りサービス等で売却を希望する対象物である衣類について、利用者から提供された画像データを基に衣類の種類を識別した後に商品を識別することによって、対象物について商品を識別する精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】全体のシステム構成を示した説明図である。
図2】運営者サーバ101の内部構成を示したブロック図である。
図3】運営者サーバ101における識別する対象物である衣類に関し、利用者から提供された画像データに基づき、対象物について商品を識別するための処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本願発明に係る情報処理システム、情報処理装置及びプログラムの実施例につき、図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。
【実施例0025】
図1は、全体のシステム構成を示した説明図である。
本システムは、利用者端末103と運営者サーバ101が通信ネットワーク102を介して接続され、利用者端末103から受信した衣類である対象物の画像データに基づいて対象物について商品を識別するものである。
【0026】
運営者サーバ101は、中古品の買い取り等の衣類の取引に関する運営サービスを提供する運営者が管理するコンピュータであり、取引の運営サービスを利用者へ提供するために、インターネットなどの通信ネットワーク102を介して、この運営サービスを利用して衣類の売却等を希望する者が使用する利用者端末103、と通信を行なうように構成されている。
この取引には、ある利用者が売却者となり、他の利用者が購入者となる場合だけでなく、運営者自身が購入者となって、ある利用者から衣類の買い取りを直接行う場合も含まれる。
運営者サーバ101は、衣類の識別や買い取り取引などの処理内容を実行するプログラムを格納しており、プログラムは利用者から提供された衣類である対象物の画像データを認識して売却を希望する商品を識別する処理等を行う。
なお、図1では運営者サーバ101は一つで示されているが、複数台で構成されていてもよい。
【0027】
通信ネットワーク102は、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)など、種々のネットワークを利用することが可能である。
【0028】
利用者端末103は、運営者が提供する買い取り等の取引サービスを利用する利用者が使用する端末であり、運営者サーバ101に対して売却を希望する衣類である対象物の画像データ等を送信したりする端末である。
利用者端末103としては、利用者が保有する、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末など種々の情報処理装置が使用可能である。
なお、図1では利用者端末103が2つで示されているが、その数は2つに限られるものではなく、1つ又は3つ以上の数の利用者端末103が通信ネットワーク102に接続されていても良い。
【0029】
図2は、運営者サーバ101の内部構成を示したブロック図である。なお、図2では、単一のサーバコンピューティングシステムで示しているが、この単一の場合に限られるものではなく、複数台のサーバコンピュータに分散するように構成するなど、分散型のコンピューティングシステムとして構成してもよい。
運営者サーバ101は、システムバスを介して相互に接続された、CPU、RAM、入力装置、出力装置、通信制御装置、及び記憶装置などを備えている。記憶装置は不揮発性記憶媒体(ROMやHDDなど)で構成され、ソフトウェアプログラムを格納したプログラム格納領域と、当該ソフトウェアプログラムで取り扱うデータを格納したデータ格納領域とを備えている。プログラム格納領域の各部は、独立したソフトウェアプログラム、そのルーチンやコンポーネントなどであり、記憶装置に格納されている。実行時にCPUによって記憶装置から呼び出されRAMのワークエリアに展開されることで、データ格納領域などにアクセスしながらプログラムの各機能を発揮することができる。
【0030】
運営者サーバ101の内部構成は、本実施例に関連するものを列挙すると、データベース部201、利用者情報記憶部202、外観画像記憶部203、タグ画像記憶部204、種類識別部205、外観画像認識部206、タグ画像認識部207、商品識別部208、送受信部209、を備える。
【0031】
データベース部201は、文字データ及び画像データを含む衣類の商品に関する各種情報を蓄積して記憶している。運営者が提供するサービスにおいて今までに取引があった利用者の衣類の情報だけでなく、外部の衣類の情報を含む衣類の商品に関する各種情報も記憶している。衣類の情報とは、衣類の外観、衣類の襟等に縫い付けられているタグ、衣類のロゴ等に関する画像データ、衣類のメーカー名、衣類のブランド名、衣類のシリーズ名、衣類のモデル名、衣類の型番、衣類の品番、衣類のサイズ、衣類の色、衣類の年式、衣類の価格に関する文字データ、衣類の商品に関する画像特徴情報等である。
【0032】
利用者情報記憶部202は、運営者が提供するサービスを利用する利用者の情報を記憶する。より具体的には、利用者の氏名、住所、連絡先、ID、パスワード、取引履歴等である。利用者は、運営サービスの利用方法に応じて、衣類の売却を希望する者、衣類の購入を希望する者などになり、同じ利用者がある取引では売却希望者になっても、別の取引では購入希望者になったりする。
【0033】
外観画像記憶部203は、利用者端末103から通信ネットワーク102を介して受信した利用者が売却を希望する対象物である衣類の外観の画像データを記憶する。このデータは、利用者が自宅などで自分のカメラやスマートフォン等のカメラ機能を用いて、対象物の前や後などの外観を様々な角度から写真撮影、又は動画撮影した動画像のキャプチャにより取得されたものである。なお、対象物の衣類の外観の画像データは、1枚だけでなく複数枚でも良い。
また、売却を希望する対象物が複数ある場合、例えば、利用者が同時に自分のスーツとズボンの売却を希望して、これら2つの対象物の画像データを運営者サーバ101に送信する際は、送信される画像データがどの対象物と対応しているかがわかるように区別されて送信されて、外観画像記憶部203に記憶されるものとする。
【0034】
タグ画像記憶部204は、利用者端末103から受信した利用者が売却を希望する対象物に付されているタグの画像データを記憶する。対象物である衣類の襟などに縫い付けられているタグの画像データは、利用者が自宅などで自分のカメラやスマートフォン等のカメラ機能を用いて、対象物に付されているタグを様々な角度から写真撮影、又は動画撮影した動画像のキャプチャにより取得されたものである。なお、対象物の衣類のタグの画像は、1枚だけでなく複数枚でも良い。
衣類に付されているタグには、クリーニングマークが表示されている洗濯タグ、繊維製品の取り扱い上の注意が表示されているデメリットタグ、襟等に縫い付けられている衣類を製造したメーカー、ブランド、モデル、シリーズ、商品名を示す名称等の文字やロゴが表示されているブランドタグ、衣類のサイズが表示されているサイズタグなどがある。
本実施例で使用するタグは、この中のブランドタグであるが、一つのタグに複数の表示があり、衣類のサイズ等と共にブランド名等が一つのタグに表示されている場合は、このようなタグも使用することが可能である。
なお、メーカー名とは衣類を製造した会社の名称であり、ブランド名とはその衣類に付けられた、他社の衣類と区別するための名称であり、モデル名とは衣類の型の名称であり、シリーズ名とは主に型名の頭の部分が同じ衣類等の名称である。
また、売却を希望する対象物が複数ある場合は、外観の画像データと同様に、送信されるタグの画像データがどの対象物と対応しているのかが分かるように区別されて利用者端末103から運営者サーバ101に送信され、区別可能な状態でタグ画像記憶部204に記憶されるものとする。
なお、送信されるタグの画像データは、タグ以外の画像データとは区別されて利用者端末103から運営者サーバ101に送信され、タグ以外の画像データとは区別可能な状態でタグ画像記憶部204に記憶されるものとする。
即ち、画像データには外観の画像データやタグの画像データといった、どの画像データに該当するかの識別情報が付いており、どの画像データに関するものなのか識別されて利用者端末103から送信される。
例えば、利用者端末103においては、先ず利用者に「服の全体を撮影して下さい。」という案内メッセージが出力され、利用者が服の全体の外観を撮影した後に、「服のタグを撮影して下さい。」という案内メッセージが出力され、続いて利用者は服に付されているタグを撮影する。そして、外観の画像データとタグの画像データのどちらに該当するかの識別情報が各々の画像データに付けられた後に、利用者端末103から運営者サーバ101へ送信される。
なお、タグが無い又はタグに情報量の少ない衣類の商品もあるので、利用者は対象物のタグを撮影しないという選択も可能である。
【0035】
種類識別部205は、外観画像記憶部203によって記憶された外観の画像データ中の衣類と背景の境界線によって作られた対象物の衣類の輪郭の形に基づいて、データベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物について衣類の種類を識別する。該類似検索は、データベース部201に記憶されている衣類の輪郭に関する様々なデータと、対象物の輪郭に関するデータとの類似度を算出し、この類似度に基づいてデータベース部201から対象物の衣類の種類と予測されるものを検索する。
ここで衣類の種類とは、具体的にはTシャツ、ドレス、ジャケット、スーツ、ズボンなどである。
【0036】
外観画像認識部206は、種類識別部205によって識別された対象物の衣類の種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を対象物の外観の画像データについて認識する。
ここで、衣類の外観に関する商品識別情報とは、衣類の種類毎に定められた衣類の形、模様、色、文字、皺、又はこれらの組合せである。
より具体的には、衣類の種類がTシャツの場合の衣類の外観に関する商品識別情報は衣類に書かれた文字などであり、衣類の種類がドレスの場合の衣類の外観に関する商品識別情報は模様などである。例えば、衣類の種類がTシャツの場合は、外観画像認識部206がTシャツの前側等に書かれた文字部分を中心に認識し、ドレスの場合はドレスに描かれた衣類に付された模様部分を中心に認識し、ジャケットの場合は襟上りの文字部分を中心に認識し、スーツならば服に形成された皺を中心に認識する。
【0037】
タグ画像認識部207は、タグ画像記憶部204によって記憶されたタグの画像データについて衣類のタグに関する商品識別情報を認識する。この衣類のタグに関する商品識別情報には、型番又は品番といった商品固有のコードを含む。
タグ画像認識部207による認識は、タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいて認識する。例えば、タグ画像認識部207によって対象物のメーカー又はブランドを識別する場合は、タグの画像データ中のロゴ及び/又は文字に基づいてタグに関する商品識別情報を認識することにより行われる。
また、タグ画像認識部207は、タグ画像記憶部204によって記憶された画像データについて対象物のモデル又はシリーズを識別しても良い。タグ画像認識部207によるモデル又はシリーズの識別は、タグの画像データ中の文字に基づいてタグに関する商品識別情報を認識することにより行われる。
タグ画像認識部207において、タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合は、画像データから文字として認識される文字領域を検出した後、その文字領域を解析し、該文字領域に含まれる文字情報を検出する。また、文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識する。文字のフォントサイズの大きい文字が、より重要な情報を表現していると推定されるためである。
【0038】
商品識別部208は、外観画像認識部206による認識の結果及びタグ画像認識部207による認識の結果に基づいて、データベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物について商品を識別する。該類似検索は、データベース部201に記憶されている衣類の商品に関する様々なデータと、外観画像認識部206による認識の結果及びタグ画像認識部207による認識の結果との類似度を算出し、この類似度に基づいてデータベース部201から対象物と予測される衣類を検索する。そして、外観画像認識部206及びタグ画像認識部207の両方の結果を合わせて類似度に応じた点数を付けて識別し、点数の高い順から識別結果を提示する。
ただし、識別結果の提示方法はこれに限られるものではなく、型番又は品番を識別できる場合は同一の型番又は品番の商品を提示する、あるいはパラメータを指定することにより検索の対象範囲を拡げて類似の型番又は品番の商品を提示する、など様々な方法が適用可能である。
なお、商品識別部208は、外観画像認識部206による認識の結果だけに基づいてデータベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物について商品を識別してもよい。特に、対象物が模様、文字、色などによって形成される特徴のある絵柄が存在する衣類の場合は、外観画像認識部206の結果だけで精度の高い識別が可能である。そして、識別結果の提示方法として、外観が類似している商品を類似度の高い順に提示する、あるいはパラメータを指定することにより外観に関する類似度の範囲を指定して該当する類似の商品を提示する、などしても良い。
ここで、型番とは衣類の製造段階で衣類の型毎に分けて付けられた番号であり、品番とは衣類が出来上がった段階で付けられた仕入れた会社内で用いられる管理用の番号である。
また、商品識別部208は、データベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物である衣類の年式や衣類の価格を識別してもよい。
【0039】
送受信部209は、通信ネットワーク102を介して運営者サーバ101と利用者端末103間の各種情報の送信処理及び受信処理を行う。
【0040】
図3は、運営者サーバ101における識別する対象物である衣類に関し、利用者から提供された画像データに基づき、対象物について商品を識別するための処理手順を示したフローチャートである。
【0041】
処理の開始(ステップS301)後、利用者端末103から送信された識別の対象物である衣類の外観の画像データを、通信ネットワーク102を介して送受信部209により受信し、外観画像記憶部203に記憶する(ステップS302)。
次に、利用者端末103から送信された識別の対象物である衣類のタグの画像データを、通信ネットワーク102を介して送受信部209により受信し、タグ画像記憶部204に記憶する(ステップS303)。
そして、外観画像記憶部203によって記憶された外観の画像データにおける衣類と背景の境界線によって作られた輪郭の形の情報に基づいて、種類識別部205によってデータベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物について、スーツ、ドレス、ジャケットなどのように衣類の種類を識別する(ステップS304)。
【0042】
続いて、種類識別部205によって識別された対象物の衣類の種類についての衣類の外観に関する商品識別情報を対象物の外観の画像データについて認識する(ステップS305)。衣類の種類毎に認識する衣類の外観に関する商品識別情報が定められているのは、衣類の種類によって特徴点が異なるからである。例えば、対象物の衣類の種類がTシャツと識別された場合は、衣類の外観に関する商品識別情報であるTシャツの前側等に書かれた文字部分を中心に対象物の外観の画像データについて認識する。
次に、タグ画像記憶部204によって記憶されたタグの画像データについてタグ画像認識部207によって衣類のタグに関する商品識別情報を認識する(ステップS306)。より具体的には、タグ画像記憶部204によって記憶された対象物のタグの画像データについて、衣類のタグに関する商品識別情報をタグの画像データ中のロゴや文字に基づいて認識する。そして、タグの画像データ中の文字に基づいて認識する場合、タグ画像認識部207は文字のフォントサイズによる重み付けを行なって認識する。なお、衣類のタグに関する商品識別情報には商品固有のコードが含まれる。
そして、外観画像認識部206の認識の結果及びタグ画像認識部207の認識の結果に基づいて、商品識別部208によってデータベース部201を参照して類似検索等を行いながら対象物について商品を識別する(ステップS307)。
最後に、商品識別部208によって識別した対象物に関する商品を識別した結果の情報をデータベース部201及び利用者情報記憶部202に記憶し(ステップS308)、終了となる(ステップS309)。
【0043】
上記の実施の形態では、情報処理システムの構成要素が、運営者サーバ101と利用者端末103とに分散されて配置されていたが、各構成要素の配置はこれに限られない。
例えば、上記の情報処理システムのすべての構成要素が利用者端末103に備えられ、利用者端末103がスタンドアロンで情報処理装置を構成していてもよい。この場合には、利用者端末103がプログラムを実行することで、上記の情報処理システムの構成要素を含む、衣類である対象物の画像データに基づいて対象物について商品を識別する情報処理装置が実現される。
【0044】
本実施例によれば、第1に、買い取りサービス等で売却を希望する対象物である衣類について、利用者から提供された画像データを基に衣類の種類を識別した後に、対象物について衣類の外観の画像データ等を基に商品を識別することによって、対象物について商品を識別する精度を向上させることができる。これにより、当該対象物に関する売却価格や購入価格を検討する際の利用者の利便性が高まる。
第2に、色やサイズを除いて、同一メーカーや同一ブランドの場合は、その中で衣類の外観が類似することは少ない。むしろ、メーカーが異なる衣類と外観が類似する例が多い。そのため、外観が類似している衣類の検索結果に対して、タグの画像データを元にしたメーカー、ブランド、シリーズ、モデル等の検索結果で、さらに絞り込み検索を行うことにより衣類を高い精度で識別することができる。
第3に、絵柄のない無地の衣類は、外観類似検索で絵柄を対象にした絞り込み検索ができないので、外観の画像データに加えてタグの画像データを認識することによって絵柄のある衣類と同程度の高い精度で商品を識別することが可能となる。これにより、取引の安全を一層図ることができる。
【0045】
本願発明の目的は、本実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラム、即ち、情報処理システムの運営者サーバ101、又は情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる命令を有するプログラム、をシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータが記憶媒体に記録されたソフトウェアのプログラムを読出し実行することによっても達成される。
そのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0046】
また、プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0047】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、システム又は装置のコンピュータに挿入された機能拡張用のボードやコンピュータに接続された機能拡張用のユニットに備えられたメモリに書込まれた後、当該プログラムの指示に基づき、その機能拡張用のボードやユニットに備えられたCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によって上記の機能が実現される場合も含まれる。
【0048】
なお、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形態で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上記の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
101 運営者サーバ
102 通信ネットワーク
103 利用者端末
201 データベース部
202 利用者情報記憶部
203 外観画像記憶部
204 タグ画像記憶部
205 種類識別部
206 外観画像認識部
207 タグ画像認識部
208 商品識別部
209 送受信部




図1
図2
図3