IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-取付具 図1
  • 特開-取付具 図2
  • 特開-取付具 図3
  • 特開-取付具 図4
  • 特開-取付具 図5
  • 特開-取付具 図6
  • 特開-取付具 図7
  • 特開-取付具 図8
  • 特開-取付具 図9
  • 特開-取付具 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040470
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】取付具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/04 20060101AFI20230315BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230315BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20230315BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20230315BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230315BHJP
【FI】
F21V21/04 210
F21S2/00 230
F21S8/02 420
F21V21/00 130
F21V21/00 140
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147453
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大屋 智嗣
(57)【要約】
【課題】組立作業が簡易な取付具を提供する。
【解決手段】取付具は、被取付部に設けられたバー材に器具本体を取り付ける取付具であって、器具本体に取り付けられ第1方向に沿って延びる本体主部と、本体主部の第1方向の端部において収容空間を形成するように設けられた本体支持部と、を有する取付具本体と、収容空間に収容されることによって取付具本体に取り付けられる弾性部材であり、バー材に保持される保持バネと、を備え、本体支持部は、本体主部から第1方向と交わる第2方向に沿って延びる本体側部と、第1方向において本体側部に対向するように設けられた本体カバー部と、本体主部から第1方向に沿って突出し本体側部と本体カバー部と共に収容空間を形成する本体突出部と、を有し、保持バネは、縮められた状態で収容空間に挿入されて収容される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に設けられたバー材に器具本体を取り付ける取付具であって、
前記器具本体に取り付けられ第1方向に沿って延びる本体主部と、前記本体主部の前記第1方向の端部において収容空間を形成するように設けられた本体支持部と、を有する取付具本体と、
前記収容空間に収容されることによって前記取付具本体に取り付けられる弾性部材であり、前記バー材に保持される保持バネと、を備え、
前記本体支持部は、
前記本体主部から前記第1方向と交わる第2方向に沿って延びる本体側部と、
前記第1方向において前記本体側部に対向するように設けられた本体カバー部と、
前記本体主部から前記第1方向に沿って突出し前記本体側部と前記本体カバー部と共に前記収容空間を形成する本体突出部と、を有し、
前記保持バネは、縮められた状態で前記収容空間に挿入されて収容される
取付具。
【請求項2】
前記本体支持部は、
前記本体突出部の先端から前記第2方向に沿って延び、前記保持バネが前記第1方向に沿って移動することを規制する本体爪部を更に有する
請求項1記載の取付具。
【請求項3】
前記本体カバー部には、
前記第1方向において貫通し、前記保持バネが引っ掛かる本体カバー溝部が形成されている
請求項1又は2記載の取付具。
【請求項4】
前記保持バネは、
前記本体側部と対向する板状の保持バネ主部を有する
請求項1~3のいずれか1項に記載の取付具。
【請求項5】
前記保持バネは、
前記保持バネ主部から前記本体カバー部側に延び、前記第2方向において前記本体突出部に当接する保持バネ笠部と、
前記保持バネ主部から前記本体カバー部側に延びて前記保持バネ笠部と対向するように設けられ、前記第2方向において前記本体カバー部と当接する保持バネ突出部と、を更に有する
請求項4記載の取付具。
【請求項6】
前記本体支持部は、
前記第1方向において前記本体側部と前記本体カバー部とを接続する本体連結部を更に有し、
前記保持バネは、
前記保持バネ主部から前記本体カバー部側に延びる保持バネ側部と、
前記第2方向において前記保持バネ側部から離間した状態で前記保持バネ主部に設けられ、前記バー材に引っ掛けられる保持バネ引掛部と、を更に有し、
前記保持バネ引掛部は、前記第2方向において前記本体連結部との距離よりも前記保持バネ側部との距離のほうが短い
請求項4又は5記載の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バー材に照明器具を取り付ける取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の被取付部に設けられたバー材であるTバーに照明器具を取り付ける取付具が知られている。特許文献1には、器具本体に取り付けられるソケット取付台と、ソケット取付台に引っ掛かる支持体とを有する取付具が開示されている。支持体は、ソケット取付台に引っ掛かる係合支持体と、ソケット取付台に引っ掛かり係止部を有する弾性体である係止ばねと、係止部と篏合する係止開口部が形成された固定支持体とを有している。ソケット取付台と係合支持体と係止ばねと固定支持体とがネジ等の締結具を用いずに組み立てられることによって、取付具が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4-81310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された取付具は、係合支持体、係止ばね及び固定支持体から支持体を組み立てる際、係合支持体と係止ばねとでソケット取付台を挟み込むように引掛ける。これにより、支持体がソケット取付台に取り付けられる。このため、組立作業に手間がかかる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、組立作業が簡易な取付具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る取付具は、被取付部に設けられたバー材に器具本体を取り付ける取付具であって、器具本体に取り付けられ第1方向に沿って延びる本体主部と、本体主部の第1方向の端部において収容空間を形成するように設けられた本体支持部と、を有する取付具本体と、収容空間に収容されることによって取付具本体に取り付けられる弾性部材であり、バー材に保持される保持バネと、を備え、本体支持部は、本体主部から第1方向と交わる第2方向に沿って延びる本体側部と、第1方向において本体側部に対向するように設けられた本体カバー部と、本体主部から第1方向に沿って突出し本体側部と本体カバー部と共に収容空間を形成する本体突出部と、を有し、保持バネは、縮められた状態で収容空間に挿入されて収容される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、保持バネは、縮められた状態で収容空間に挿入されて収容される。このように、部材同士を挟み込んだ状態で、引掛けるといった動作が必要ない。従って、取付具の組立作業を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具を示す組立斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る取付具を示す斜視図である。
図4】実施の形態1に係る取付具本体を示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係る取付具本体の収容空間を示す斜視図である。
図6】実施の形態1に係る取付具本体の挿入口を示す斜視図である。
図7】実施の形態1に係る保持バネを示す斜視図である。
図8】実施の形態1に係る取付具本体に保持バネが取り付けられる態様を示す斜視図である。
図9】実施の形態1に係る取付具本体に保持バネが取り付けられる態様を示す斜視図である。
図10】実施の形態1に係る取付具本体に保持バネが取り付けられる態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る取付具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1を示す組立斜視図である。図1に示すように、照明器具1は、天井等の被取付部(図示せず)に設けられたバー材100であるTバーに取り付けられている。バー材100は、照明器具1の長手方向に延びる断面T字状の部材である。照明器具1は、被取付部に形成された開口(図示せず)に一部が埋め込まれている。照明器具1は、外部電源(図示せず)から電力が供給されることによって、光を射出するものである。ここで、照明器具1の長手方向をX方向とし、照明器具1の幅方向をY方向とし、照明器具1の上下方向をZ方向とする。上下方向のうち、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。なお、以下の説明において、X方向は奥行方向とも呼称される。
【0011】
(照明器具1)
図2は、実施の形態1に係る照明器具1を示す分解斜視図である。図1及び図2に示すように、照明器具1は、器具本体10と、光源ユニット13と、取付具20とを備えている。
【0012】
(器具本体10)
器具本体10は、長手方向X方向に沿って延びる長尺形状をなしており、取付具20が取り付けられるものである。器具本体10の被取付部側(Z1側)は、取付具取付面11となっており、取付具取付面11に取付具20が取り付けられている。器具本体10の照射側(Z2側)には、光源ユニット13が収容される凹状の光源ユニット収容部12が形成されている。
【0013】
(光源ユニット13)
光源ユニット13は、長手方向X方向に沿って延びる長尺形状をなしており、器具本体10の光源ユニット収容部12に収容されている。光源ユニット13は、外部電源から供給された電力によって、照射側(Z2側)に光を射出するものである。光源ユニット13の内部には、複数の発光素子(図示せず)が実装された発光基板(図示せず)が設けられている。なお、発光素子は、例えばLEDである。
【0014】
(取付具20)
図3は、実施の形態1に係る取付具20を示す斜視図である。取付具20は、バー材100に引っ掛けられることによって、器具本体10を被取付部に取り付けるものである。取付具20は、前述の如く、器具本体10の取付具取付面11に取り付けられる。取付具20は、取付具本体21と保持バネ22とを有している。
【0015】
(取付具本体21)
取付具本体21は、器具本体10の取付具取付面11に取り付けられるものである。取付具本体21は、第1方向(Y方向)に沿って延びる長尺状の部材である。取付具本体21は、1枚の板金を折り曲げて成形されたものでもよいし、押出成型等の成形方法によって成形されたものでもよい。取付具本体21は、本体主部211と本体支持部212とを有している。
【0016】
(本体主部211)
本体主部211は、第1方向(Y方向)に沿って延びる長尺状且つ板状の部分である。本体主部211の中央部には、上下方向Z方向に沿って貫通した2つの取付具ねじ孔2111が形成されている。取付具ねじ孔2111にネジが挿入されることによって、本体主部211が器具本体10の取付具取付面11に取り付けられる。本体主部211の第1方向(Y方向)における両端部は、本体支持部212に接続される本体端部2112となっている。
【0017】
(本体支持部212)
図4は、実施の形態1に係る取付具本体21を示す斜視図である。図4に示すように、本体支持部212は、本体主部211の第1方向(Y方向)における端部である本体端部2112に設けられた部分である。本体支持部212は、保持バネ22を支持するものである。本体支持部212は、本体側部2121と、本体突出部2122と、本体爪部2125と、本体連結部2123と、本体カバー部2124と、本体カバー突出部2126とを有している。
【0018】
(本体側部2121)
本体側部2121は、本体主部211の本体端部2112から下方向Z2方向に延びる板状の部分である。ここで、上下方向Z方向は、第1方向(Y方向)と垂直に交わる第2方向である。本体側部2121は、1つの隅部が矩形状に切り欠かれており、第1方向(Y方向)からみてL字状となっている。本体側部2121の一部は、切り起こされており、切り起こされた部分が本体突出部2122及び本体爪部2125となっている。
【0019】
(本体突出部2122)
本体突出部2122は、本体主部211の本体端部2112から第1方向(Y方向)の外側に向かって突出する部分である。本体突出部2122は、本体側部2121の一部が切り起こされた部分である。本体突出部2122の先端には、本体爪部2125が設けられている。
【0020】
(本体爪部2125)
本体爪部2125は、本体突出部2122の先端から第2方向(Z方向)に沿って延びる部分であり、本体側部2121と対向している。本体爪部2125は、本体突出部2122の本体端部2112側とは反対側の端部から第2方向(Z方向)に沿って下方向Z2方向に向かって突出している。
【0021】
(本体連結部2123)
本体連結部2123は、本体側部2121のX方向の端部から第1方向(Y方向)の外側に向かって延びる部分である。本体連結部2123は、X方向からみて、台形状をなしている。本体連結部2123は、第1方向(Y方向)において本体側部2121と本体カバー部2124とを接続するものである。
【0022】
(本体カバー部2124)
本体カバー部2124は、第1方向(Y方向)において本体側部2121に対向するように設けられた板状の部分である。本体カバー部2124は、本体連結部2123の本体側部2121側とは反対側の端部からX方向に沿って延びている。本体カバー部2124は、上下方向(Z方向)において本体突出部2122と間を空けて設けられている。本体カバー部2124には、第1方向(Y方向)において貫通し、保持バネ22が引っ掛かる矩形状の本体カバー溝部2127が形成されている。本体カバー溝部2127は、本体カバー部2124の上端部に形成されている。即ち、本体カバー溝部2127の上端部は開口している。なお、本体カバー部2124の上端部の高さは、本体側部2121の高さよりも低い。
【0023】
(本体カバー突出部2126)
本体カバー突出部2126は、第1方向(Y方向)に沿って本体カバー部2124の上端部から本体側部2121に向かって突出するものである。本体カバー突出部2126は、上下方向(Z方向)において本体突出部2122の下側に設けられている。
【0024】
(収容空間23)
図5は、実施の形態1に係る取付具本体21の収容空間23を示す斜視図である。図5に示すように、本体支持部212は、収容空間23を形成する。具体的には、収容空間23は、本体側部2121と本体爪部2125と本体連結部2123と本体カバー部2124とで囲まれた空間である。ここで、本体突出部2122が設けられた平面を第1仮想平面231とし、本体側部2121が設けられた平面を第2仮想平面232とし、本体カバー部2124が設けられた平面を第3仮想平面233とする。収容空間23は、第1仮想平面231と第2仮想平面232と第3仮想平面233とで囲まれた空間である。収容空間23には、保持バネ22が収容される。
【0025】
(挿入口24)
図6は、実施の形態1に係る取付具本体21の挿入口24を示す斜視図である。図6に示すように、本体支持部212は、挿入口24を形成する。前述の如く、本体カバー部2124は、上下方向(Z方向)において本体突出部2122と間を空けて設けられている。挿入口24は、本体カバー部2124と本体突出部2122との間に形成されている。ここで、本体突出部2122と本体爪部2125との接続箇所を通るX方向の直線を第1挿入口仮想線241とし、本体カバー部2124の上端部を通るX方向の直線を第2挿入口仮想線242とする。挿入口24は、第1挿入口仮想線241と第2挿入口仮想線242とで囲まれた開口である。挿入口24には、保持バネ22が挿入される。
【0026】
(保持バネ22)
図7は、実施の形態1に係る保持バネ22を示す斜視図である。保持バネ22は、本体支持部212の収容空間23に収容されることによって、取付具本体21に取り付けられる。保持バネ22は、弾性を有する材料によって成形された弾性部材である。保持バネ22は、1枚の板金を折り曲げて成形されたものでもよく、押出成型等の成形方法によって成形されたものでもよい。保持バネ22は、バー材100の上方から下方向Z2方向に向かってバー材100に引っ掛かるものであり、これにより、取付具20がバー材100に保持される。保持バネ22は、保持バネ主部221と、保持バネ笠部222と、保持バネ突出部223と、保持バネ側部224と、保持バネ引掛部225とを有している。
【0027】
(保持バネ主部221)
保持バネ主部221は、第1方向(Y方向)からみて、若干第2方向(Z方向)に延びるT字状をなす板状の部分である。保持バネ主部221は、取付具本体21の本体側部2121と対向している。保持バネ主部221の上端部は、保持バネ主部端部2211となっている。なお、保持バネ主部221にはスリット226とスリット227とが形成されている。スリット226とスリット227との長さ寸法(L1,L2)は、保持バネ22の剛性と弾性変形とを勘案して決定される。
【0028】
(保持バネ笠部222)
保持バネ笠部222は、保持バネ主部端部2211から第1方向に沿って延びる部分である。保持バネ笠部222は、保持バネ主部221から本体カバー部2124側に向かって延びている。
【0029】
(保持バネ突出部223)
保持バネ突出部223は、保持バネ主部221から本体カバー部2124側に突出する部分であり、保持バネ笠部222と対向している。保持バネ突出部223は、保持バネ主部221の一部が第1方向(Y方向)に沿って折り曲げられて形成されている。保持バネ突出部223は、上下方向(Z方向)において弾性変形が可能である。保持バネ突出部223における保持バネ主部221側とは反対側の端部は、保持バネ突出部端部2231となっている。なお、保持バネ突出部223は、保持バネ主部221の一部を折り曲げたものに限らず、弾性変形が可能な板状の別部材が保持バネ主部221に設けられたものでもよい。保持バネ突出部223は、保持バネ突出部凸部2232と、保持バネ爪部2233とを有している。
【0030】
(保持バネ突出部凸部2232)
保持バネ突出部凸部2232は、保持バネ突出部端部2231の一部からY方向に延びたあとZ2方向に延びる屈曲した部分である。
【0031】
(保持バネ爪部2233)
保持バネ爪部2233は、保持バネ突出部凸部2232の先端からZ2方向に向かって延びる部分である。
【0032】
(保持バネ側部224)
保持バネ側部224は、保持バネ主部221におけるX方向の端部から本体カバー部2124側に向かって延びる板状の部分である。保持バネ側部224は、バー材100の上方から下方向(Z2方向)に向かってバー材100に引っ掛かるものである。保持バネ側部224の長さ寸法L3は、バー材100の断面形状に対応して決定される。
【0033】
(保持バネ引掛部225)
保持バネ引掛部225は、保持バネ主部221の下端部から下方向(Z2方向)に延びたあとY方向及び上方向(Z1方向)に屈曲する部分である。保持バネ引掛部225は、第2方向において保持バネ側部224から離間した状態で保持バネ主部221に設けられている。保持バネ引掛部225は、保持バネ折返部2251を有している。保持バネ引掛部225は、第2方向において本体連結部2123との距離よりも保持バネ側部224との距離の方が短い。
【0034】
(保持バネ折返部2251)
保持バネ折返部2251は、保持バネ引掛部225の先端から斜め上方向に延びる部分である。保持バネ折返部2251は、バー材100に下方向(Z2方向)側から引っ掛かるものである。保持バネ笠部222から保持バネ引掛部225までの長さ寸法L4は、バー材100の断面形状に対応して決定される。
【0035】
(取付具20の組立)
図8図10は、実施の形態1に係る取付具本体21に保持バネ22が取り付けられる態様を示す斜視図である。次に、取付具本体21に保持バネ22が取り付けられて取付具20が組み立てられる態様について説明する。図8は、取付具本体21と保持バネ22とが離れている状態を示す図である。図8に示すように、取付具本体21と保持バネ22とが別々に配置されている。本体支持部212は、上下方向Z方向において本体爪部2125と本体カバー突出部2126との間隔が保持バネ22の保持バネ笠部222と保持バネ突出部223との間の長さよりも短い。
【0036】
先ず、図8の状態において、作業者は、保持バネ突出部223と保持バネ笠部222とを親指と人差し指で挟む。作業者は、親指と人差し指とに力を入れて、保持バネ突出部223と保持バネ笠部222とが近づくように保持バネ22を弾性変形させて縮ませる。
【0037】
図9は、保持バネ22が取付具本体21に挿入されている状態を示す図である。次に、図9に示すように、作業者は、保持バネ22を弾性変形させたまま、挿入口24から収容空間23に挿入する。このとき、保持バネ突出部223は、上下方向Z方向に弾性変形が可能であるため、上下方向Z方向において保持バネ笠部222と保持バネ突出部223との間の長さが、本体爪部2125と本体カバー突出部2126との間隔よりも短くなる。このため、保持バネ22は、本体爪部2125と本体カバー突出部2126との間から挿入されることができる。このように、保持バネ22は、縮められた状態で収容空間23に挿入されて収容される。
【0038】
図10は、保持バネが取付具本体21に取り付けられた状態を示す図である。図9の状態から、作業者は、図10に示すように、第1方向(Y方向)において、保持バネ笠部222を本体側部2121と本体爪部2125との間に収容する。そして、作業者は、X方向において、保持バネ突出部凸部2232を本体カバー溝部2127に収容する。作業者は、上下方向Z方向において保持バネ突出部223を本体カバー突出部2126に当接させる。このように、保持バネ突出部223は、第2方向(Z方向)において本体突出部2122に当接するものである。また、作業者は、保持バネ笠部222を本体突出部2122に当接させる。このように、保持バネ笠部222は、第2方向(Z方向)において本体突出部2122に当接するものである。これにより、保持バネ22が本体支持部212に取り付けられることによって、取付具20が組み立てられる。
【0039】
保持バネ22は、Y方向において本体側部2121と本体爪部2125とによって外れることが抑制される。このように、本体爪部2125は、保持バネ22が第1方向(Y方向)に沿って移動することを規制する。また、保持バネ22は、X方向において本体カバー溝部2127によって外れることが抑制される。更に、保持バネ22は、上下方向Z方向において本体カバー突出部2126と本体突出部2122とを押圧した状態で保持されることによって、本体支持部212から外れ難くなる。また、本体支持部212の本体カバー部2124は、Y方向において保持バネ22の保持バネ突出部端部2231と保持バネ爪部2233との間に収容される。保持バネ22の保持バネ側部224の下方向Z2側の端部は、上下方向Z方向において本体支持部212の本体連結部2123の下方向Z2側の端部よりも保持バネ折返部2251に近い。
【0040】
本実施の形態1によれば、保持バネ22は、縮められた状態で収容空間23に挿入されて収容される。このように、部材同士を挟み込んだ状態で、引掛けるといった動作が必要ない。従って、取付具20の組立作業を簡易化することができる。取付具20は、第1方向(Y方向)において、保持バネ笠部222が本体側部2121と保体爪部との間に収容される。よって、取付具20の本体支持部212は、保持バネ22がY方向において移動することを抑制する。また、取付具20は、X方向において保持バネ突出部凸部2232が本体カバー溝部2127に収容される。よって、取付具20の本体支持部212は、保持バネ22がX方向において移動することを抑制する。
【0041】
取付具20は、保持バネ22が上下方向Z方向において弾性変形する。保持バネ22は、上下方向Z方向において保持バネ突出部223が本体カバー突出部2126を押圧し、保持バネ笠部222が本体突出部2122を押圧した状態で本体支持部212に取り付けられる。よって、取付具20の本体支持部212は、保持バネ22をX方向において固定するように保持することができる。取付具20は、Y方向において本体支持部212の本体カバー部2124が保持バネ22の保持バネ突出部端部2231と保持バネ爪部2233との間に収容される。よって、保持バネ22は、Y方向において本体支持部212から外れ難くなる。
【0042】
従来、保持バネ22は、収容空間23に挿入される際、本体爪部2125又は本体カバー部2124に干渉するおそれがある。これに対し、本実施の形態1の取付具20は、保持バネ笠部222と保持バネ突出部223とを指でつまみ、保持バネ突出部223を上方向Z1側に弾性変形させることによって、本体支持部212と保持バネ22との干渉を抑制することができる。
【0043】
また、取付具20は、バー材100の長さ及び形状が異なる場合に、バー材100に対応した保持バネ引掛部225を有する保持バネ22が本体支持部212に取り付けられる。このとき、本体支持部212の本体連結部2123がバー材100に接触すると、保持バネ22は、保持バネ折返部2251がバー材100の下方向Z2側に引っ掛からずにバー材100とのはずれ止めが不完全となるおそれがある。これに対し、本実施の形態1の取付具20は、保持バネ22の保持バネ側部224の下方向Z2側の端部が上下方向Z方向において本体支持部212の本体連結部2123の下方向Z2側の端部よりも保持バネ折返部2251に近い。このため、保持バネ側部224がバー材100に接触する。よって、取付具20は、保持バネ折返部2251がバー材100に引っ掛からずにはずれ止めが不完全となることを抑制することができる。
【0044】
一般に、建築物の天井等の被取付部には、多様な断面形状のバー材100であるTバーが設置されている。本実施の形態1における取付具20は、取付具本体21の収容空間23に簡単に保持バネ22を取り付けることができる。このため、取付具20は、保持バネ側部224の長さ寸法L3、或いは、保持バネ笠部222から保持バネ引掛部225までの長さ寸法L4が異なる寸法の保持バネ22と取付具本体21とを組み合わせることによって、バー材100であるTバーの多様な断面形状に柔軟に対応させることができる。このように、保持バネ22を用いた取付具20は、照明器具1の施工性を向上させることができる。また、取付具本体21は、収容空間23及び挿入口24の仕様を共通化することができれば、多様な保持バネ22と組み合わせることができる。
【0045】
本実施の形態1において、本体支持部212は、上下方向Z方向において本体爪部2125と本体カバー突出部2126との間隔が保持バネ22の保持バネ笠部222と保持バネ突出部223との長さよりも短い場合について例示している。なお、Y方向において、保持バネ笠部222が本体側部2121と本体爪部2125とに収容されればよい。例えば、上下方向Z方向において、本体爪部2125と本体カバー突出部2126との間隔が保持バネ22の保持バネ笠部222と保持バネ突出部223との長さより長くてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 照明器具、10 器具本体、11 取付具取付面、12 光源ユニット収容部、13 光源ユニット、20 取付具、21 取付具本体、22 保持バネ、23 収容空間、24 挿入口、100 バー材、211 本体主部、212 本体支持部、221 保持バネ主部、222 保持バネ笠部、223 保持バネ突出部、224 保持バネ側部、225 保持バネ引掛部、226,227 スリット、231 第1仮想平面、232 第2仮想平面、233 第3仮想平面、241 第1挿入口仮想線、242 第2挿入口仮想線、2111 取付具ねじ孔、2112 本体端部、2121 本体側部、2122 本体突出部、2123 本体連結部、2124 本体カバー部、2125 本体爪部、2126 本体カバー突出部、2127 本体カバー溝部、2211 保持バネ主部端部、2231 保持バネ突出部端部、2232 保持バネ突出部凸部、2233 保持バネ爪部、2251 保持バネ折返部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10