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  • 特開-ペット用爪切り 図1
  • 特開-ペット用爪切り 図2
  • 特開-ペット用爪切り 図3
  • 特開-ペット用爪切り 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040511
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】ペット用爪切り
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/06 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
B26B13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147536
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】西田 泰士
【テーマコード(参考)】
3C065
【Fターム(参考)】
3C065AA07
3C065BA04
3C065DA02
3C065FA01
(57)【要約】
【課題】 楽な姿勢でペットの爪切りを行うことができるペット用爪切りを提供すること。
【解決手段】 一対の把持部と、前記一対の把持部の端部から延び、先端に切欠きを有する一対の刃部と、前記一対の刃部を回動自在に連結するリベットと、を具備し、前記先端が、前記一対の刃部の基部に対して一方の刃面側に傾いており、前記先端が、前記基部の延びる方向に対して、前記一対の刃部の回動方向に傾いていること、を特徴とするペット用爪切り。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の把持部と、
前記一対の把持部の端部から延び、先端に切欠きを有する一対の刃部と、
前記一対の刃部を回動自在に連結するリベットと、を具備し、
前記先端が、前記一対の刃部の基部に対して一方の刃面側に傾いており、
前記先端が、前記基部の延びる方向に対して、前記一対の刃部の回動方向に傾いていること、
を特徴とするペット用爪切り。
【請求項2】
前記先端が、前記基部に対して20度以上、30度以下の角度で前記一方の刃面側に傾いていること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用爪切り。
【請求項3】
前記先端が、前記一対の刃部の回動方向に5度以上、10度以下の角度で傾いていること、
を特徴とする請求項2に記載のペット用爪切り。
【請求項4】
前記一対の把持部を互いに遠ざける方向に付勢するバネを更に具備すること、
を特徴とする請求項3に記載のペット用爪切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用爪切りに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(実開平4-68662号公報)は、一対の鋏片を支軸により開閉可能に支持に、各鋏片の先端部において互いに対応する位置に凹状の刃部を設けたペット用爪切り鋏を開示している。
【0003】
ユーザは、一方の手にペット用爪切り鋏を持ち、他方の手に膝上のペットの足先を持つ。そして、ユーザは、ペットの爪の1つを爪切り鋏の刃部に挟み込んで、その爪を切断する。このとき、ユーザは、爪切り鋏の刃がペットの爪の延びる方向に略直交するように、爪切り鋏を持つ手の手首を内側に捻った姿勢を取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4-68662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ペットを怖がらせたり嫌がらせたりしないように素早く爪切りを行うことが望ましい。そのためには、ユーザにとって楽な姿勢で爪切りを行うことが好ましい。この観点から、従来のペット用爪切り鋏にはなお課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、楽な姿勢でペットの爪切りを行うことができるペット用爪切りを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
一対の把持部と、
前記一対の把持部の端部から延び、先端に切欠きを有する一対の刃部と、
前記一対の刃部を回動自在に連結するリベットと、を具備し、
前記先端が、前記一対の刃部の基部に対して一方の刃面側に傾いており、
前記先端が、前記基部の延びる方向に対して、前記一対の刃部の回動方向に傾いていること、
を特徴とするペット用爪切り、を提供する。
【0008】
本発明のペット用爪切りにおいては、前記先端が、前記基部に対して20度以上、30度以下の角度で前記一方の刃面側に傾いていること、が好ましい。
【0009】
また、本発明のペット用爪切りにおいては、前記先端が、前記一対の刃部の回動方向に5度以上、10度以下の角度で傾いていること、が好ましい。
【0010】
また、本発明のペット用爪切りにおいては、前記一対の把持部を互いに遠ざける方向に付勢するバネを更に具備すること、が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のペット用爪切りを用いることで、ユーザは楽な姿勢でペットの爪切りを行うことができる。したがって、ユーザは、ペットを怖がらせたり嫌がらせたりしないように素早く爪切りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るペット用爪切り1の斜視図である。
図2】ペット用爪切り1の正面図、背面図、平面図、底面図、右側面図及び左側面図である。
図3】開いた状態のペット用爪切り1の斜視図である。
図4】ペット用爪切り1の使用方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明に係るペット用爪切りの代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0014】
図1に示すペット用爪切り1は、右利き用であり、このペット用爪切り1は、一対の把持部2,3、一対の刃部4,5及びリベット6を具備する。この爪切り1は典型的には犬及び猫のために利用されるが、これに限られない。
【0015】
把持部2,3は、互いに対向するように配置され、ユーザによって把持される棒状の部材である。把持部2,3は、ユーザの把持力に耐え得る強度を有する限り、ABS樹脂などの樹脂材料で作製されてもよいし、金属材料及び木材その他の材料で作製されてもよい。把持部2,3の外面は、熱可塑性エラストマーなどからなる滑止め21,31でそれぞれ覆われてもよい。
【0016】
刃部4,5は、把持部2,3の端部22,32から延びる板状の部材である。刃部4,5は、把持部2,3に取り付けられる基部41,51と、基部41,51から延びる先端42,52と、から構成される。
【0017】
先端42,52は弧状の切欠き43,53を含み、切欠き43,53は、刃部4,5が回動した状態で向い合い、ペットの爪をその間に挟み込むことを許容する。刃部4,5は、ステンレス鋼などの金属材料から構成されてよい。
【0018】
図2(E)に示すように、刃部4,5の先端42,52は、基部41,51に対して一方の刃面側に傾き(角度)αだけ傾斜している。即ち、図2(E)に示すペット用爪切り1の長さ方向に略平行な基準線Xからみて角度αだけ傾斜している。
【0019】
加えて、図2(A)に示すように、先端42,52は、基部41,51の延びる方向に対して、即ち、図2(A)に示すペット用爪切り1の長さ方向に略平行な中心線Yからみて、刃部4(又は刃部5)が開く方向(刃部4及び刃部5の回動方向のうちの一方の向き、即ち、弧状の切欠き43,53が設けられている側とは反対の側であり図2(A)においては中心線Yから左側)に傾き(角度)βだけ傾斜している。
【0020】
つまり、刃部4,5の先端42,52は、手前側(又は奥側)に傾くように構成されているとともに、左側(又は右側)に傾くように構成されている。これらの傾きα,βは、爪切り作業を行うユーザの姿勢を改善するために設定される。
【0021】
本実施形態では、傾きαは、好ましくは20度以上、30度以下であり、より好ましくは23度以上、27度以下である。また、傾きβは、好ましくは5度以上、10度以下であり、より好ましくは6度以上、9度以下である。
【0022】
リベット6は刃部4,5を互いに回動自在に連結し、これにより刃部4,5は開いた位置と閉じた位置とを取ることができる(図1及び図3参照)。リベット6は、刃部4,5に形成された開口(図示せず)に挿通され、刃部4,5同士の回動を許容する。リベット6は、ステンレス鋼などの金属材料により作製されてよい。
【0023】
例えば図3に示すように、ペット用爪切り1は、把持部2,3を互いに遠ざける方向に付勢するバネ7を更に具備してもよい。バネ7は、把持部2,3の間に恒久的に掛け渡されてもよいし、使用時に把持部2,3の間に装着されてもよい。後者の場合、不使用時に把持部2,3の一方からバネ7を取り外すことができ、把持部2,3の間にバネ7のテンションが掛からないため、収納に便利である。バネ7は、ステンレス鋼などの金属材料で作製されてよい。
【0024】
本実施形態において、バネ7は略U字状である。バネ7の開放端は把持部2に回動自在に取り付けられ、閉鎖端はバンパー71を有して反対側の把持部3又は刃部5(基部51)に押し当てられる。ユーザが把持部2,3を握ると、把持部2,3同士が近づき、バンパー71が把持部3及び刃部5に沿って転がりながら移動する。このとき、バネ7が弾性変形し、復元力により把持部2,3同士を離そうとする。これにより、閉じられた把持部2,3は開いた状態に戻る。
【0025】
次いで、ペット用爪切り1の使用方法を説明する。
例えば、図4に示すように、ユーザ90は、左手91でペット80の足81を握るとともに右手92に持った爪切り1を開き、切欠き43,53の間にペット80の爪82を入れ込み、爪切り1を閉じて爪82を切る。
【0026】
このとき、刃部4,5の先端42,52がペット80の爪82を囲むように傾きα,βだけ傾いているので、ユーザ90は、ペット用爪切り1を持つ手92の手首に負担をかけることなく楽な姿勢で、ペット80の爪82を切ることができる。
【0027】
また、閉じた状態の把持部2,3はバネ7の復元力又は反発力により自動的に開くので、ユーザ90は、把持部2,3を開く動作に気を遣うことなく、ペット80の爪82を切る動作に集中でき、爪切りが容易になる。
【0028】
更に、バネ7を下に回すことでバネ7を把持部3から取り外すことができるので、不使用時には、把持部2,3にテンションが掛らず、収納時に便利である。
【0029】
以上の、本発明の一実施形態に係るペット用玩具の具体的な態様について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0030】
上記実施形態で説明したペット用爪切り1は右利き用であるが、左利き用に設計変更することもでき、かかる左利き用の態様も当然に本願発明の技術的範囲に属する。
【0031】
左利き用にする場合は、例えば、刃部4,5及び先端42,52を入れ替えて配置するとともに、図2(A)において、先端42,52を、基部41,51の延びる方向に対して、刃部4(又は刃部5)が開く方向のうちの中心線Yからみて右側の向きに傾き(角度)βだけ傾斜させればよい。即ち、弧状の切欠き43,53も、図2(A)の中心線からみて、反対側に設ければよい。
【符号の説明】
【0032】
1 ペット用爪切り
2,3 把持部
4,5 刃部
6 リベット
7 バネ
41,51 基部
42,52 先端
43,53 切欠き
X 基準線
Y 中心線

図1
図2
図3
図4