(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040667
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 29/08 20060101AFI20230315BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20230315BHJP
【FI】
H02K29/08
H02K11/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147779
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八幡 篤志
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 康大
【テーマコード(参考)】
5H019
5H611
【Fターム(参考)】
5H019BB01
5H019BB05
5H019BB15
5H019BB19
5H019BB22
5H019CC04
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB08
5H611PP05
5H611QQ03
5H611RR02
5H611UA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】モータをより軽量化する。
【解決手段】モータ100は、ステータ2と、ロータ1と、磁気センサ5と、を備える。ステータが有する環状のステータコア21は、軸方向に延びる中心軸を囲む。ロータは、中心軸を中心に回転可能である。ロータは、第1マグネット16と、第2マグネット17と、スペーサ18と、を有する。第1マグネットは、ステータコアよりも径方向外方に配置される。第2マグネットは、第1マグネット及びステータコアよりも軸方向一方に配置される。スペーサは、軸方向において第1マグネット及び第2マグネット間に配置される。磁気センサは、第2マグネットの磁力を検出する。スペーサは、非磁性体である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸を囲む環状のステータコアを有するステータと、
前記中心軸を中心に回転可能なロータと、
磁気センサと、
を備え、
前記ロータは、
前記ステータコアよりも径方向外方に配置される第1マグネットと、
前記第1マグネット及び前記ステータコアよりも軸方向一方に配置される第2マグネットと、
軸方向において前記第1マグネット及び前記第2マグネット間に配置されるスペーサと、
を有し、
前記磁気センサは、前記第2マグネットの磁力を検出し、
前記スペーサは、非磁性体である、モータ。
【請求項2】
軸方向に延びる中心軸を囲む環状のステータコアを有するステータと、
前記中心軸を中心に回転可能なロータと、
磁気センサと、
を備え、
前記ロータは、
前記ステータコアよりも径方向外方に配置される第1マグネットと、
前記第1マグネットの径方向における前記ステータコアとは反対側の端部に配置されるヨークと、
前記第1マグネット及び前記ステータコアよりも軸方向一方に配置される第2マグネットと、
を有し、
前記磁気センサは、前記第2マグネットの磁力を検出し、
前記第2マグネットは、軸方向において前記第1マグネットと隙間を空けて配置され、
前記ヨークの軸方向一方端部は、前記第1マグネットの軸方向一方端部よりも軸方向一方に延びて、前記第2マグネットの軸方向他方端面に接する、モータ。
【請求項3】
前記ロータは、軸方向に延びて前記中心軸を囲むロータ筒部をさらに有し、
前記第2マグネットは、前記ロータ筒部の径方向における前記ステータコア側の端部に配置され、
前記スペーサは、前記ロータ筒部の一部である、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記スペーサの径方向における前記ステータコア側の端部は、前記第1マグネットの径方向における前記ステータコア側の端部と同じ径方向位置、及び、前記第1マグネットの径方向における前記ステータコア側の端部よりも径方向における前記ステータコアとは反対側の位置のどちらかにある、請求項1又は請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記スペーサの軸方向他方側の端部は、前記ヨークの軸方向一方側の端部と接し、
前記ヨーク及び前記スペーサのうちの一方の第1部材は、第1凹部を有し、
前記ヨーク及び前記スペーサのうちの他方の第2部材は、第1突出部を有し、
前記第1凹部は、前記第2部材から前記第1部材に向かって凹み、
前記第1突出部は、前記第2部材から前記第1部材に向かって突出し、前記第1凹部に嵌る、請求項1及び請求項3から請求項4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記スペーサの軸方向他方側の端部は、前記第1マグネットの軸方向一方側の端部と接し、
前記第1マグネット及び前記スペーサのうちの一方の第1部材は、第1凹部を有し、
前記第1マグネット及び前記スペーサのうちの他方の第2部材は、第1突出部を有し、
前記第1凹部は、前記第2部材から前記第1部材に向かって凹み、
前記第1突出部は、前記第2部材から前記第1部材に向かって突出し、前記第1凹部に嵌る、請求項1及び請求項3から請求項4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記第1マグネットは、周方向において順番に並ぶ第1磁石片から第3磁石片を有し、
前記第2磁石片の軸方向一方側の端部は、前記第1磁石片の軸方向一方側の端部、及び前記第3磁石片の軸方向一方側の端部よりも軸方向において前記第1部材側に位置する、請求項5又は請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記第2マグネット及び前記スペーサのうちの一方の第3部材は、第2凹部を有し、
前記第2マグネット及び前記スペーサのうちの他方の第4部材は、第2突出部を有し、
前記第2凹部は、前記第4部材から前記第3部材に向かって凹み、
前記第2突出部は、前記第4部材から前記第3部材に向かって突出し、前記第2凹部に嵌る、請求項1及び請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記ロータは、軸方向に延びて前記中心軸を囲むロータ筒部をさらに有し、
前記第2マグネットは、前記ロータ筒部の径方向における前記ステータコア側の端部に配置される、請求項2に記載のモータ。
【請求項10】
前記ヨーク及び前記第2マグネットのうちの一方の第3部材は、第2凹部を有し、
前記ヨーク及び前記第2マグネットのうちの他方の第4部材は、第2突出部を有し、
前記第2凹部は、前記第4部材から前記第3部材に向かって凹み、
前記第2突出部は、前記第4部材から前記第3部材に向かって突出し、前記第2凹部に嵌る、請求項2又は請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
前記第2マグネットは、周方向において順番に並ぶ第4磁石片から第6磁石片を有し、
前記第5磁石片の軸方向他方側の端部は、前記第4磁石片の軸方向他方側の端部、及び前記第6磁石片の軸方向他方側の端部よりも軸方向において前記第3部材側に位置する、請求項8又は請求項10に記載のモータ。
【請求項12】
前記第4磁石片から前記第6磁石片のそれぞれの軸方向一方側の端部の軸方向における位置は同じであり、
前記第2マグネットでは、異なる磁極が軸方向に配列され、
前記磁気センサは、前記第2マグネットよりも軸方向一方に配置され、
前記磁気センサの少なくとも一部は、前記第2マグネットと軸方向に重なる、請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記ステータを保持するステータホルダをさらに備え、
前記第2マグネットでは、異なる磁極が径方向に配列され、
前記磁気センサは、ステータホルダに配置され、
前記磁気センサの少なくとも一部は、前記第2マグネットと径方向に重なる、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータの回転位置をセンサマグネット及び磁気センサで検出するモータが知られている。たとえば、円筒型のセンサマグネットは、強磁性体からなるシールドプレートを挟んでロータマグネットと一体化され、ロータマグネットとともにモータシャフトに固定される。センサマグネットの磁極は、センサマグネットと対向するように配置された磁気検出部品で検出される(特開2004-15911号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、モータの軽量化の要求がますます高まっている。しかしながら、上述のモータのように鉄などの強磁性体をシールドプレートの材料とする構成では、モータの重量が増加し易い。
【0005】
本発明は、モータをより軽量化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、ステータと、ロータと、磁気センサと、を備える。前記ステータは、環状のステータコアを有する。前記ステータコアは、軸方向に延びる中心軸を囲む。前記ロータは、前記中心軸を中心に回転可能である。前記ロータは、第1マグネットと、第2マグネットと、スペーサと、を有する。前記第1マグネットは、前記ステータコアよりも径方向外方に配置される。前記第2マグネットは、前記第1マグネット及び前記ステータコアよりも軸方向一方に配置される。前記スペーサは、軸方向において前記第1マグネット及び前記第2マグネット間に配置される。前記磁気センサは、前記第2マグネットの磁力を検出する。前記スペーサは、非磁性体である。
【0007】
また、本発明の他の例示的なモータは、ステータと、ロータと、磁気センサと、を備える。前記ステータは、環状のステータコアを有する。前記ステータコアは、軸方向に延びる中心軸を囲む。前記ロータは、前記中心軸を中心に回転可能である。前記ロータは、第1マグネットと、ヨークと、第2マグネットと、を有する。前記第1マグネットは、前記ステータコアよりも径方向外方に配置される。前記ヨークは、前記第1マグネットの径方向における前記ステータコアとは反対側の端部に配置される。前記第2マグネットは、前記第1マグネット及び前記ステータコアよりも軸方向一方に配置される。前記磁気センサは、前記第2マグネットの磁力を検出する。前記第2マグネットは、軸方向において前記第1マグネットと隙間を空けて配置される。前記ヨークの軸方向一方端部は、前記第1マグネットの軸方向一方端部よりも軸方向一方に延びて、前記第2マグネットの軸方向他方端面に接する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の例示的なモータによれば、モータをより軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るモータの構成例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1変形例に係るモータの構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、第2変形例に係るモータの構成例を示す断面図である。
【
図4A】
図4Aは、ヨークの軸方向一方側の端部とスペーサの軸方向他方側の端部との構成例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、ヨークの軸方向一方側の端部とスペーサの軸方向他方側の端部との他の構成例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、第1マグネットの軸方向一方側の端部とスペーサの軸方向他方側の端部との構成例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、第1マグネットの軸方向一方側の端部とスペーサの軸方向他方側の端部との他の構成例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、第2マグネットの軸方向他方側の端部とスペーサの軸方向一方側の端部との構成例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、第2マグネットの軸方向他方側の端部とスペーサの軸方向一方側の端部との他の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るモータの構成例を示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは、ヨークの軸方向一方側の端部と第2マグネットの軸方向他方側の端部との構成例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、ヨークの軸方向一方側の端部と第2マグネットの軸方向他方側の端部との他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0011】
なお、本明細書では、中心軸CAと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、後述する第1マグネット16から第2マグネット17への向きを「軸方向一方D1」と呼び、第2マグネット17から第1マグネット16への向きを「軸方向他方D2」と呼ぶ。また、中心軸CAに直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸CAを中心とする回転方向を「周方向Dr」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CAへと近づく向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。
【0012】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CAなどの所定の軸を中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、所定の軸を中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、所定の軸を中心として、所定の軸と交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0013】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0014】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0015】
<1.実施形態>
図1は、本実施形態に係るモータの構成例を示す断面図である。
図2及び
図3は、モータ100の他の構成例である。
図2は、第1変形例に係るモータ100の構成例を示す断面図である。
図3は、第2変形例に係るモータ100の構成例を示す断面図である。
【0016】
モータ100は、ロータ1と、ステータ2と、ステータホルダ3と、基板4と、磁気センサ5と、エンコーダ6と、を備える。
【0017】
<1-1.ロータ1>
ロータ1は、軸方向に延びる中心軸CAを中心に回転可能である。前述の如く、モータ100は、ロータ1を備える。ロータ1は、シャフト10と、ロータハブ11と、ロータ筒部12と、フランジ部13と、周壁部14と、ヨーク15と、第1マグネット16と、第2マグネット17と、スペーサ18と、を有する。
【0018】
<1-1―1.シャフト10から周壁部14>
シャフト10は、中心軸CAに沿って軸方向に延びる円柱形状である。
【0019】
ロータハブ11は、シャフト10の軸方向他方D2側の端部に固定される。ロータハブ11は、シャフト10を囲む円盤形状であり、シャフト10の径方向外端部から径方向外方に広がる。
【0020】
ロータ筒部12は、軸方向に延びて中心軸CAを囲む。前述の如く、ロータ1は、ロータ筒部12を有する。詳細には、ロータ筒部12は、ステータ2を囲む筒状であり、ロータハブ11の径方向外端部から軸方向一方D1に延びる。
【0021】
フランジ部13は、ロータ筒部12の軸方向一方D1側の端部から径方向外方に広がり、周方向Drに延びる。
【0022】
周壁部14は、フランジ部13の径方向外端部から軸方向一方D1に延びるとともに、周方向Drに延びる。
【0023】
本実施形態では、ロータハブ11、ロータ筒部12、フランジ部13、及び周壁部14は、一体である。これらの材料は、たとえば、Alなどの軽量な金属である。なお、本実施形態の例示に限定されず、これらのうちの少なくとも一部は、他の一部とは別の部材であってもよい。
【0024】
<1-1-2.ヨーク15>
ヨーク15は、ロータ筒部12の径方向内側面に配置される。ヨーク15の材料には、鉄などの磁性体が用いられる。本実施形態では、ヨーク15は、軸方向に延びる筒状である。ヨーク15の軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置は、本実施形態では第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向一方D1である。但し、この例示に限定されず、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置は、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部と同じであってもよいし、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向他方D2であってもよい。なお、第1実施形態の例示に限定されず、ヨーク15は、省略されてもよい。
【0025】
<1-1-3.第1マグネット16>
第1マグネット16は、ヨーク15の径方向内側面に配置され、ステータ2と径方向に対向する。前述の如く、ロータ1は、第1マグネット16を有する。本実施形態では、ロータ1の第1マグネット16は、ステータ2の後述するステータコア21よりも径方向外方に配置される。つまり、本実施形態のモータ100は、アウターロータ型である。第1マグネット16の径方向におけるステータコア21とは反対側の端部(たとえば径方向外端部)には、ヨーク15が配置される。前述の如く、ロータ1は、ヨーク15を有する。
【0026】
第1マグネット16では、異なる磁極(つまりN極及びS極)が、周方向Drにおいて交互に配列する。また、本実施形態では、第1マグネット16は、径方向に着磁された複数の磁石片160を有する。複数の磁石片160は、周方向に並び、中心軸CAを囲む。但し、この例示に限定されず、第1マグネット16は、中心軸CAを囲む単一の部材であってもよい。
【0027】
<1-1-4.第2マグネット17>
第2マグネット17は、ロータ筒部12の径方向におけるステータコア21側の端面(たとえば径方向内側面)に配置される。第2マグネット17は、第1マグネット16及びステータコア21よりも軸方向一方D1に配置される。ロータ1は、第2マグネット17を有する。たとえば、
図1に示すように、第2マグネット17は、軸方向において第1マグネット16と隙間を空けて配置される。
【0028】
第2マグネット17では、異なる磁極(つまりN極及びS極)が、周方向Drにおいて交互に配列する。また、本実施形態では、第2マグネット17は、軸方向に着磁された複数の磁石片170を有する。複数の磁石片170は、周方向に並び、中心軸CAを囲む。但し、この例示に限定されず、第2マグネット17は、中心軸CAを囲む単一の部材であってもよい。
【0029】
<1-1-5.スペーサ18>
スペーサ18は、軸方向において第1マグネット16及び第2マグネット17間に配置される。前述の如く、ロータ1は、スペーサ18を有する。スペーサ18は、非磁性体である。スペーサ18の材料は、本実施形態では樹脂であるが、たとえば、Alなどの軽量な非磁性の金属などであってもよい。第1マグネット16及び第2マグネット17間のスペーサ18を非磁性体にすることで、スペーサ18が磁性体である構成よりも、モータ100をより軽量化することができる。
【0030】
スペーサ18は、本実施形態では、ロータ筒部12とは別の部材であり、ロータ筒部12の径方向内側面に配置され、周方向Drに延びる。但し、この例示に限定されず、スペーサ18は、
図2のように、ロータ筒部12と一体であってもよい。たとえば、ロータ筒部12の径方向におけるステータコア21側の端部において、径方向におけるステータコア21側に向かって突出する突出部が配置される。この突出部をスペーサ18として用いることができる。
図2では、スペーサ18は、ロータ筒部12の径方向内側部において径方向内方に突出する突出部であり、周方向Drに延びる。
【0031】
こうすれば、モータ100の部品点数を少なくできるので、モータ100の製造工程数及び製造コストを低減できる。従って、モータ100の生産性を向上できる。また、たとえば、第2マグネット17をロータ筒部12の径方向におけるステータコア21側の端部(たとえば径方向内端部)に直接に配置することにより、第2マグネット17がヨーク15などの部材を介してロータ筒部12に配置される構成と比べて、第2マグネット17の径方向サイズをより大きくできる。従って、第2マグネット17の磁力をより強くして、磁気センサ5の検出精度を向上できる。或いは、磁力の低減を抑制又は防止しつつ、第2マグネット17の軸方向サイズをより低減できる。
【0032】
好ましくは、スペーサ18の径方向におけるステータコア21側の端部は、第1マグネット16の径方向におけるステータコア21側の端部と同じ径方向位置、及び、第1マグネット16の径方向におけるステータコア21側の端部よりも径方向におけるステータコア21とは反対側の位置のどちらかにある。たとえば、スペーサ18の径方向内端部の径方向位置は、本実施形態では第1マグネット16の径方向内端部と同じであるが、第1マグネット16の径方向内端部よりも径方向外方にあってもよい。こうすれば、ステータ2に対するスペーサ18の干渉を防止できる。たとえば、モータ100を組み立てる際、ステータ2がスペーサ18に当たることを防止できるので、モータ100が組み立て易くなる。従って、製造効率の向上により、モータ100の生産性を向上できる。但し、この例示は、スペーサ18の径方向におけるステータコア21側の端部が第1マグネット16の径方向におけるステータコア21側の端部よりも径方向におけるステータコア21側の位置にある構成を排除しない。この際、ステータ2がスペーサ18に干渉しなければよい。たとえば、スペーサ18の径方向内端部の径方向位置が第1マグネット16の径方向内端部よりも径方向内方にある構成を排除しない。
【0033】
<1-1-6.ヨーク15とスペーサ18との接続例>
本実施形態では、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部は、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部と接する。これにより、ロータ1を組み立てる際、スペーサ18の軸方向位置を容易に決定できる。
【0034】
図4A及び
図4Bは、ヨーク15及びスペーサ18の接触部分を径方向から見た拡大図である。
図4Aは、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との構成例を示す図である。
図4Bは、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との他の構成例を示す図である。
【0035】
図4A及び
図4Bにおいて、好ましくは、ヨーク15及びスペーサ18のうちの一方の部材は、第1凹部191を有する。また、ヨーク15及びスペーサ18のうちの他方の部材は、第1突出部192を有する。なお、
図4A及び
図4Bに例示される構成では、上述の一方の部材を「第1部材」と呼び、上述の他方の部材を「第2部材」と呼ぶ。第1凹部191は、第2部材から第1部材に向かって凹む。第1突出部192は、第2部材から第1部材に向かって突出し、第1凹部191に嵌る。第1凹部191及び第1突出部192はそれぞれ、単数であってもよいし、複数であって周方向Drに並んでもよい。
【0036】
たとえば、
図4Aでは、スペーサ18は、上述の第1部材であって、第1凹部191を有する。第1凹部191は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向一方D1に凹む。また、ヨーク15は、上述の第2部材であって、第1突出部192を有する。第1突出部192は、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向一方D1に突出する。
【0037】
図4Bでは、ヨーク15は、上述の第1部材であって、第1凹部191を有する。第1凹部191は、ヨーク15の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に凹む。また、スペーサ18は、上述の第2部材であって、第1突出部192を有する。第1突出部192は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に突出する。
【0038】
上述のように、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との接触部分において第1凹部191に第1突出部192が嵌ることにより、スペーサ18の周方向Drにおける位置決めを容易に実施できる。
【0039】
なお、上述の例示は、ヨーク15及びスペーサ18との接触部分において第1凹部191及び第1突出部192の嵌め合い構造が配置されない構成を排除しない。たとえば、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部及びスペーサ18の軸方向他方D2側の端部はそれぞれ、平坦であってもよい。
【0040】
また、上述の例示は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部がヨーク15の軸方向一方D1側の端部と接しない構成を排除しない。
【0041】
<1-1-7.第1マグネット16とスペーサ18との接続例>
また、本実施形態の例示に限定されず、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部は、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部と接してもよい。このようにしても、ロータ1を組み立てる際、スペーサ18の軸方向位置を容易に決定できる。
【0042】
図5A及び
図5Bは、第1マグネット16及びスペーサ18の接触部分を径方向から見た拡大図である。
図5Aは、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との構成例を示す図である。
図5Bは、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との他の構成例を示す図である。
【0043】
図5A及び
図5Bにおいて、好ましくは、第1マグネット16及びスペーサ18のうちの一方の部材は、第1凹部191を有する。また、第1マグネット16及びスペーサ18のうちの他方の部材は、第1突出部192を有する。なお、
図5A及び
図5Bに例示される構成では、上述の一方の部材を「第1部材」と呼び、上述の他方の部材を「第2部材」と呼ぶ。第1凹部191は、第2部材から第1部材に向かって凹む。第1突出部192は、第2部材から第1部材に向かって突出し、第1凹部191に嵌る。第1凹部191及び第1突出部192はそれぞれ、単数であってもよいし、複数であって周方向Drに並んでもよい。
【0044】
たとえば、
図5Aでは、スペーサ18は、上述の第1部材であって、第1凹部191を有する。第1凹部191は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向一方D1に凹む。また、第1マグネット16は、上述の第2部材であって、第1突出部192を有する。第1突出部192は、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向一方D1に突出する。
【0045】
また、
図5Bでは、第1マグネット16は、上述の第1部材であって、第1凹部191を有する。第1凹部191は、第1マグネット16の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に凹む。また、スペーサ18は、上述の第2部材であって、第1突出部192を有する。第1突出部192は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に突出する。
【0046】
上述のように、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部とスペーサ18の軸方向他方D2側の端部との接触部分において第1凹部191に第1突出部192が嵌ることにより、スペーサ18の周方向Drにおける位置決めを容易に実施できる。
【0047】
なお、本実施形態では前述の如く、第1マグネット16は、周方向Drに配列する複数の磁石片160を有する。従って、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部に配置される第1凹部191又は第1突出部192は、各々の磁石片160の軸方向一方D1側の端部の軸方向における配置によって形成されてもよい。
【0048】
たとえば、第1マグネット16は、周方向Drにおいて順番に並ぶ第1磁石片161から第3磁石片163を有する。なお、複数の磁石片160は、これらを含む。第2磁石片162の軸方向一方D1側の端部は、第1磁石片161の軸方向一方D1側の端部、及び第3磁石片163の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向において上述の第1部材側に位置する。たとえば、
図5Aのように第1マグネット16が第1突出部192を有する場合、第2磁石片162の軸方向一方D1側の端部は、第1磁石片161及び第3磁石片163の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向一方D1に位置する。また、
図5Bのように第1マグネット16が第1凹部191を有する場合、第2磁石片162の軸方向一方D1側の端部は、第1磁石片161及び第3磁石片163の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向他方D2に位置する。つまり、第1磁石片161から第3磁石片163のそれぞれの軸方向一方D1側の端部の配置によって、第1凹部191又は第1突出部192を形成できる。従って、たとえば単一の第1マグネット16にこれらを形成する構成と比べて、第1凹部191又は第1突出部192を容易に形成できる。
【0049】
但し、上述の例示は、第1マグネット16に配置される第1凹部191又は第1突出部192が、周方向Drに配列する複数の磁石片160の軸方向一方D1側の端部の軸方向における配置に依らない構成を排除しない。たとえば、単一の部材である第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部に第1凹部191又は第1突出部192が配置されてもよい。
【0050】
また、上述の例示は、第1マグネット16及びスペーサ18との接触部分において第1凹部191及び第1突出部192の嵌め合い構造が配置されない構成を排除しない。たとえば、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部及びスペーサ18の軸方向他方D2側の端部はそれぞれ、平坦であってもよい。
【0051】
また、上述の例示は、スペーサ18の軸方向他方D2側の端部が第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部と接しない構成を排除しない。
【0052】
<1-1-8.第2マグネット17とスペーサ18との接続例>
次に、スペーサ18の軸方向一方D1側の端部は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部と接する。これにより、ロータ1を組み立てる際、第2マグネット17の軸方向位置を容易に決定できる。
【0053】
図6A及び
図6Bは、第2マグネット17及びスペーサ18の接触部分を径方向から見た拡大図である。
図6Aは、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部とスペーサ18の軸方向一方D1側の端部との構成例を示す図である。
図6Bは、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部とスペーサ18の軸方向一方D1側の端部との他の構成例を示す図である。
【0054】
図6A及び
図6Bにおいて、好ましくは、第2マグネット17及びスペーサ18のうちの一方の部材は、第2凹部193を有する。なお、
図6A及び
図6Bに例示される構成では、上述の一方の部材を「第3部材」と呼ぶ。また、第2マグネット17及びスペーサ18のうちの他方の部材は、第2突出部194を有する。なお、
図6A及び
図6Bに例示される構成では、上述の他方の部材を「第4部材」と呼ぶ。第2凹部193は、第4部材から第3部材に向かって凹む。第2突出部194は、第4部材から第3部材に向かって突出し、第2凹部193に嵌る。なお、第2凹部193及び第2突出部194はそれぞれ、単数であってもよいし、複数であって周方向Drに並んでもよい。
【0055】
たとえば、
図6Aでは、スペーサ18は、上述の第3部材であって、第2凹部193を有する。第2凹部193は、スペーサ18の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向他方D2に凹む。また、第2マグネット17は、上述の第4部材であって、第2突出部194を有する。第2突出部194は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に突出する。
【0056】
また、
図6Bでは、第2マグネット17は、上述の第3部材であって、第2凹部193を有する。第2凹部193は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向一方D1に凹む。また、スペーサ18は、上述の第4部材であって、第2突出部194を有する。第2突出部194は、スペーサ18の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向一方D1に突出する。
【0057】
上述のように、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部とスペーサ18の軸方向一方D1側の端部との接触部分において第2凹部193に第2突出部194が嵌ることにより、第2マグネット17の周方向Drにおける位置決めを容易に実施できる。
【0058】
なお、本実施形態では前述の如く、第2マグネット17は、周方向Drに配列する複数の磁石片170を有する。従って、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置される第2凹部193又は第2突出部194は、各々の磁石片170の軸方向他方D2側の端部の軸方向における配置によって形成されてもよい。
【0059】
たとえば、第2マグネット17は、周方向Drにおいて順番に並ぶ第4磁石片171から第6磁石片173を有する。なお、複数の磁石片170は、これらを含む。第5磁石片172の軸方向他方D2側の端部は、第4磁石片171の軸方向他方D2側の端部、及び第6磁石片173の軸方向他方D2側の端部よりも軸方向において上述の第3部材側に位置する。たとえば、
図6Aのように第2マグネット17が第2突出部194を有する場合、第2凹部193を有する上述の第3部材はスペーサ18である。この際、第5磁石片172の軸方向他方D2側の端部は、第4磁石片171及び第6磁石片173の軸方向他方D2側の端部よりも軸方向他方D2に位置する。また、
図6Bのように第2マグネット17が第2凹部193を有する場合、第2凹部193を有する上述の第3部材は第2マグネット17である。この際、第5磁石片172の軸方向他方D2側の端部は、第4磁石片171及び第6磁石片173の軸方向他方D2側の端部よりも軸方向一方D1に位置する。つまり、第4磁石片171から第6磁石片173のそれぞれの軸方向他方D2側の端部の配置によって、第2凹部193又は第2突出部194を形成できる。従って、たとえば単一の第2マグネット17にこれらを形成する構成と比べて、第2凹部193又は第2突出部194を容易に形成できる。
【0060】
好ましくは、複数の磁石片170のそれぞれの軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置は同じである。たとえば、第4磁石片171から第6磁石片173のそれぞれの軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置は同じである。この際、好ましくは、第2マグネット17では、異なる磁極(N極、S極)が軸方向に配列される。また、磁気センサ5は、第2マグネット17よりも軸方向一方D1に配置される。さらに好ましくは、磁気センサ5の少なくとも一部は、第2マグネット17と軸方向に重なる。第4磁石片171から第6磁石片173のそれぞれの軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置を同じにすることにより、磁気センサ5を通る第4磁石片から第6磁石片の磁束密度がより強くなる。従って、磁気センサ5の検出精度を向上できる。但し、この例示は、複数の磁石片170の少なくとも一部の軸方向一方D1側の端部の軸方向における位置が他の一部の軸方向一方D1側の端部と異なる構成を排除しない。
【0061】
なお、上述の例示は、第2マグネット17に配置される第2凹部193又は第2突出部194が、周方向Drに配列する複数の磁石片170の軸方向一方D1側の端部の軸方向における配置に依らない構成を排除しない。たとえば、単一の部材である第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に第2凹部193又は第2突出部194が配置されてもよい。
【0062】
また、上述の例示に限定されず、第2マグネット17及びスペーサ18との接触部分において第2凹部193及び第2突出部194の嵌め合い構造が配置されなくてもよい。たとえば、第2マグネット17の軸方向一方D1側の端部及びスペーサ18の軸方向他方D2側の端部はそれぞれ、平坦であってもよい。
【0063】
また、上述の例示は、スペーサ18の軸方向一方D1側の端部が第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部と接しない構成を排除しない。
【0064】
<1-2.ステータ2>
ステータ2は、電力の供給に応じて、ロータ1を回転駆動する。ステータ2は、環状のステータコア21を有する。ステータコア21は、軸方向に延びる中心軸CAを囲む。ステータコア21は、磁性体であり、本実施形態では電磁鋼板が軸方向に積層された積層体である。また、ステータ2は、コイル部22をさらに有する。コイル部22は、ステータコア21にコイル状の導線が配置された部材である。コイル部22に駆動電流が供給されると、ステータ2は励磁されてロータ1を駆動する。導線は、たとえばエナメル被覆銅線、絶縁部材で被覆された金属線などであり、たとえばステータコア21のティース(図示省略)にインシュレータ(図示省略)を介して巻き回されることでコイル部22を形成する。
【0065】
<1-3.ステータホルダ3>
ステータホルダ3は、ステータ2を保持する。前述の如く、モータ100は、ステータホルダ3を備える。ステータホルダ3は、ホルダ筒部31と、ベース部32と、を有する。ホルダ筒部31は、中心軸CAを囲む筒状であり、軸方向に延びる。ホルダ筒部31の径方向外側面には、ステータコア21が固定される。ホルダ筒部31の内部には、ベアリング311が配置され、シャフト10が挿通される。ホルダ筒部31は、ベアリング311を介してシャフト10を回転可能に支持する。ベース部32は、ロータ1及びステータ2よりも軸方向一方D1に配置され、ホルダ筒部31の軸方向一方D1側の端部から径方向外方に広がる。ベース部32の径方向外方側の部分は、ロータ1のフランジ部13及び周壁部14と軸方向に対向する。
【0066】
<1-4.基板4>
基板4は、ステータ2の駆動デバイスなどの様々な電子部品を搭載する。基板4は、径方向外方に広がり、周方向Drに延びる。基板4は、ベース部32の軸方向他方D2側の端面に配置される。
【0067】
<1-5.磁気センサ5>
磁気センサ5は、第2マグネット17の磁力を検出する。前述の如く、モータ100は、磁気センサ5を備える。モータ100は、磁気センサ5の検知結果に基づいて、ロータ1の回転角度などを検知できる。磁気センサ5は、本実施形態ではホール素子である。
図1及び
図2では、磁気センサは、第2マグネット17よりも軸方向一方D1に配置され、基板4に搭載される。磁気センサ5の少なくとも一部は、第2マグネット17と軸方向に重なる。磁気センサ5は、単数であってもよいし、複数であって周方向に配列されてもよい。
【0068】
なお、磁気センサ5の配置は、
図1及び
図2の例示に限定されない。たとえば、磁気センサ5は、ステータホルダ3に配置されてもよい。一例を挙げると、
図3に示すように、磁気センサ5は、ホルダ筒部31の径方向外側面に配置されてもよい。好ましくは、磁気センサ5は、第2マグネット17と径方向に対向する。たとえば、磁気センサ5の少なくとも一部は、第2マグネット17と径方向に重なる。この際、好ましくは、第2マグネット17では、異なる磁極(N極,S極)が径方向に配列される。つまり、第2マグネット17は、ラジアル方向に着磁される。こうすれば、ステータ2よりも軸方向一方D1側の空いたスペースに磁気センサ5を配置できる。従って、第2マグネット17よりも軸方向一方D1側に磁気センサ5を配置するスペースを確保しなくてもよいので、モータ100の小型化に貢献できる。特に、磁気センサ5が第2マグネット17と軸方向に対向する構成と比べて、モータ100の軸方向サイズを低減できる。
【0069】
<1-6.エンコーダ6>
エンコーダ6は、ロータ1の回転角度を検出する。エンコーダ6は、基板4に搭載され、磁気センサ5よりも径方向外方に配置される。エンコーダ6は、ロータ1のフランジ部13と軸方向に対向する。
【0070】
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。ここでは、第2実施形態のうちの上述の第1実施形態及びその変形例と異なる構成を説明する。また、上述の第1実施形態及びその変形例と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0071】
図7は、第2実施形態に係るモータ100の構成例を示す断面図である。
図7に示すように、第2マグネット17は、ロータ筒部12の径方向におけるステータコア21側の端部(たとえば径方向内端部)に配置される。これにより、第2マグネット17がヨーク15などの部材を介してロータ筒部12に配置される構成と比べて、第2マグネット17の径方向サイズをより大きくできる。従って、第2マグネット17の磁力をより強くして、磁気センサ5の検出精度を向上できる。或いは、磁力の低減を抑制又は防止しつつ、第2マグネット17の軸方向サイズをより低減できる。
【0072】
また、第2実施形態では
図7に示すように、ロータ1には、スペーサ18が配置されない。その代わりに、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部は、第1マグネット16の軸方向一方D1側の端部よりも軸方向一方D1に延びて、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端面に接する。こうすれば、スペーサ18を配置しなくても、第1マグネット16に対する第2マグネット17の軸方向における位置決めができる。スペーサ18を省略できるので、モータ100をより軽量化することができる。また、モータ100の部品点数を少なくすることにより、モータ100の製造工程数及び製造コストを低減できる。従って、モータ100の生産性を向上できる。
【0073】
図8A及び
図8Bは、ヨーク15及び第2マグネット17の接触部分を径方向から見た拡大図である。
図8Aは、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部と第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部との構成例を示す図である。
図8Bは、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部と第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部との他の構成例を示す図である。
【0074】
図8A及び
図8Bにおいて、好ましくは、ヨーク15及び第2マグネット17のうちの一方の部材は、第2凹部193を有する。ヨーク15及び第2マグネット17のうちの他方の部材は、第2突出部194を有する。なお、
図8A及び
図8Bに例示される構成では、上述の一方の部材を「第3部材」と呼び、上述の他方の部材を「第4部材」と呼ぶ。第2凹部193は、第4部材から第3部材に向かって凹む。第2突出部194は、第4部材から第3部材に向かって突出し、第2凹部193に嵌る。なお、第2凹部193及び第2突出部194はそれぞれ、単数であってもよいし、複数であって周方向Drに並んでもよい。
【0075】
ヨーク15及び第2マグネット17の接触部分は、第1実施形態における第2マグネット17及びスペーサ18の接触部分と同様に構成できる。
【0076】
たとえば、
図8Aは、第1実施形態の
図6Aと同様に構成される。詳細には、ヨーク15は、上述の第3部材であって、第2凹部193を有する。第2凹部193は、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向他方D2に凹む。また、第2マグネット17は、上述の第4部材であって、第2突出部194を有する。第2突出部194は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向他方D2に突出する。
【0077】
また、
図8Bは、第1実施形態の
図6Bと同様に構成される。詳細には、第2マグネット17は、上述の第3部材であって、第2凹部193を有する。第2凹部193は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置されて、軸方向一方D1に凹む。また、ヨーク15は、上述の第4部材であって、第2突出部194を有する。第2突出部194は、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部に配置されて、軸方向一方D1に突出する。
【0078】
上述のように、ヨーク15の軸方向一方D1側の端部と第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部との接触部分において第2凹部193に第2突出部194が嵌ることにより、ヨーク15に対する第2マグネット17の周方向Drにおける位置決めを容易に実施できる。
【0079】
なお、前述の如く、第2マグネット17は、周方向Drに配列する複数の磁石片170を有する。従って、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に配置される第2凹部193又は第2突出部194は、各々の磁石片170の軸方向他方D2側の端部の軸方向における配置によって形成されてもよい。
【0080】
但し、上述の例示は、第2マグネット17に配置される第2凹部193又は第2突出部194が、周方向Drに配列する複数の磁石片160の軸方向一方D1側の端部の軸方向における配置に依らない構成を排除しない。たとえば、単一の部材である第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部に第2凹部193又は第2突出部194が配置されてもよい。
【0081】
また、上述の例示に限定されず、ヨーク15及び第2マグネット17の接触部分において第2凹部193及び第2突出部194の嵌め合い構造が配置されなくてもよい。たとえば、ヨーク15の軸方向他方D2側の端部及び第2マグネット17の軸方向一方D1側の端部はそれぞれ、平坦であってもよい。
【0082】
また、上述の例示は、第2マグネット17の軸方向他方D2側の端部がヨーク15の軸方向一方D1側の端部と接しない構成を排除しない。
【0083】
<3.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、ロータの駆動用のマグネットとは別に、磁気センサと対で用いられるマグネットが配置される装置に有用である。
【符号の説明】
【0085】
100・・・モータ、1・・・ロータ、10・・・シャフト、11・・・ロータハブ、12・・・ロータ筒部、121・・・凸部、13・・・フランジ部、14・・・周壁部、15・・・ヨーク、16・・・第1マグネット、160・・・磁石片、161・・・第1磁石片、162・・・第2磁石片、163・・・第3磁石片、17・・・第2マグネット、170・・・磁石片、171・・・第4磁石片、172・・・第5磁石片、173・・・第6磁石片、18・・・スペーサ、191・・・第1凹部、192・・・第1突出部、191・・・第2凹部、192・・・第2突出部、2・・・ステータ、21・・・ステータコア、22・・・コイル部、3・・・ステータホルダ、31・・・ホルダ筒部、311・・・ベアリング、32・・・ベース部、4・・・基板、5・・・磁気センサ、6・・・エンコーダ、CA・・・中心軸、D1・・・軸方向一方、D2・・・軸方向他方、Dr・・・周方向