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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040671
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】粘ちょう物用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/12 20060101AFI20230315BHJP
   B65D 41/28 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B65D47/12 100
B65D41/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147784
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】518250782
【氏名又は名称】水上 猛之
(74)【代理人】
【識別番号】100210295
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 誠心
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】水上 猛之
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA03
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB06
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC03
3E084FC01
3E084GB11
3E084JA08
3E084JA18
3E084KA16
3E084LB02
3E084LC02
(57)【要約】
【課題】粘ちょう物を先端のノズルキャップの開口から吐出させる粘ちょう物用容器において、粘ちょう物の補充を可能とし、補充された新しい粘ちょう物より先に粘ちょう物用容器内に残留していた古い粘ちょう物から吐出できる粘ちょう物用容器を提供すること。
【解決手段】粘ちょう物用容器1は本体2、ノズルキャップ3、閉鎖キャップ4を有し、本体2の両端は開口を有し、ノズルキャップ3及び閉鎖キャップ4は、本体の両端に着脱可能となっており、本体の一方の端にノズルキャップを装着し、本体の他方の端に閉鎖キャップを装着した状態で使用し、粘ちょう物を詰め替える過程で、本体2のノズルキャップ3の装着位置と閉鎖キャップ4の装着する位置とを入れ替えられる。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、ノズルキャップ、閉鎖キャップを有する粘ちょう物用容器であって、
本体の両端は開口を有し、
ノズルキャップ及び閉鎖キャップは、本体の両端に着脱可能となっており、
本体の一方の端にノズルキャップを装着し、本体の他方の端に閉鎖キャップを装着した状態で使用し、
粘ちょう物を詰め替える過程で、本体において、ノズルキャップを装着する位置と閉鎖キャップを装着する位置とを入れ替えられることを特徴とする粘ちょう物用容器。
【請求項2】
粘ちょう物用容器は、閉塞内蓋をさらに有しており、
閉鎖キャップの内側で本体の開口を閉塞可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の粘ちょう物用容器。
【請求項3】
粘ちょう物用容器は、交換用の閉塞内蓋さらに有しており、
閉塞内蓋と交換用の閉塞内蓋とは、同一形状であり、両方の開口に嵌め込み及び取り外し可能となっており、
閉塞内蓋が他方の端側の開口を閉塞している状態から、粘ちょう物を詰め替える過程で、閉塞内蓋が取り外され、交換用の閉塞内蓋が一方の端側の開口を閉塞している状態となるように、交換して用いられることを特徴とする請求項2に記載の粘ちょう物用容器。
【請求項4】
閉塞内蓋及び交換用の閉塞内蓋は、ノズルキャップ先端の吐出口を閉塞する吐出口閉塞部を有することを特徴とする請求項3に記載の粘ちょう物用容器。
【請求項5】
閉塞内蓋及び交換用の閉塞内蓋が開口に装着された状態において、吐出口閉塞部は、粘ちょう物収容空間側の面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の粘ちょう物用容器。
【請求項6】
本体に装着された閉鎖キャップの側周面は、本体の側周面と面一となっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の粘ちょう物用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、マスタード等の粘ちょう物を収容し、ノズルキャップの吐出口から吐出させる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を収容する容器であって、収容物の詰め替えを容易とすることを目的とする先行技術文献として、例えば、特開2010-285200号公報がある。
【0003】
この特開2010-285200号公報では、両方に開口を有する筒形状の容器本体と、一方に開口を有するコップ形状の第1の蓋と、一方に開口を有するコップ形状の第2の蓋とを備え、前記第1の蓋及び前記第2の蓋が前記容器本体の両方の開口に着脱自在となっていることを開示している。
【0004】
上記先行技術文献の容器によれば、本体が筒形状であり、両方の開口を前記第1の蓋及び前記第2の蓋で密閉する構造であるため、内容物が僅かになったとき、上側にある前記第1の蓋(又は前記第2の蓋)を開けて新たな内容物を追加し、容器を逆さまにすることで、古い内容物が上に来るようになり、上側にある前記第2の蓋(又は前記第1の蓋)を開けば、古い内容物から取り出すことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-285200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、マスタード等の粘性流体である粘ちょう物は、必ず容器内部に残存してしまう。ノズルキャップを外して補充すると、底に残る古い粘ちょう物の層の上に新しい粘ちょう物の層が出来てしまう。
【0007】
この状態で、再び使用すると、ノズルキャップに近い新しい粘ちょう物から先に吐出されていくことになる。
【0008】
また、ノズルキャップは一方の開口のみに装着されるため、先行技術文献のように容器を逆さまに反対の開口にノズルキャップを装着することはできず、底に残る粘ちょう物がどんどん世代が古くなり、鮮度上及び衛生上の問題がある。
【0009】
粘ちょう物の吐出が進み、容器内部の空間において空気が多くなると、粘ちょう物が吐出しにくくなる。そのため、容器内部に古い粘ちょう物が比較的残った状態であっても、新しい粘ちょう物を補充する必要がある。そのため、容器内部に比較的残った古い粘ちょう物を例えばノズルキャップに一旦収容することは、不可能である。
【0010】
さらに、底に残る世代が古い粘ちょう物は時間が経過すると固化してしまい洗浄が難しいという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、マスタード等の粘ちょう物を収容し、先端のノズルキャップの開口から吐出させる粘ちょう物用容器において、粘ちょう物の補充を可能とし、補充された新しい粘ちょう物より先に粘ちょう物用容器内に残留していた古い粘ちょう物から吐出でき、さらに容器の洗浄も容易な粘ちょう物用容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1の粘ちょう物用容器は、本体、ノズルキャップ、閉鎖キャップを有する粘ちょう物用容器であって、本体の両端は開口を有し、ノズルキャップ及び閉鎖キャップは、本体の両端に着脱可能となっており、本体の一方の端にノズルキャップを装着し、本体の他方の端に閉鎖キャップを装着した状態で使用し、粘ちょう物を詰め替える過程で、本体において、ノズルキャップを装着する位置と閉鎖キャップを装着する位置とを入れ替えられる。
【0013】
請求項1の粘ちょう物用容器によれば、粘ちょう物を詰め替える過程で、本体において、ノズルキャップを装着する位置と閉鎖キャップを装着する位置とを入れ替えられることによって、古い粘ちょう物の層の近くにノズルキャップを装着することができるので、補充された新しい粘ちょう物より先に粘ちょう物用容器内に残留していた古い粘ちょう物から吐出することができる。
【0014】
また、粘ちょう物用容器容器内部に古い粘ちょう物が比較的残った状態であっても、新しい粘ちょう物を補充することができる。
【0015】
さらに、ノズルキャップ及び閉鎖キャップの両方を本体から外すことができるので、両方の開口から本体内部の洗浄することができる。仮に、粘ちょう物用容器の底に当たる部分で固化した粘ちょう物が残存したとしても、固化した粘ちょう物の近くの開口から洗浄用具を挿入して、その洗浄用具をしっかりと押し当てて固化した粘ちょう物を取り除けるように本体内部を洗浄することができる。
【0016】
請求項2の粘ちょう物用容器は、請求項1の粘ちょう物用容器において、粘ちょう物用容器は、閉塞内蓋をさらに有しており、閉鎖キャップの内側で本体の開口を閉塞可能となっている。
【0017】
請求項2の粘ちょう物用容器によれば、請求項1の粘ちょう物用容器と同様の作用に加えて、閉鎖キャップが粘ちょう物に直接触れることなく、開口を閉塞することができる。
【0018】
請求項3の粘ちょう物用容器は、請求項2粘ちょう物用容器において、粘ちょう物用容器は、閉塞内蓋と交換用の閉塞内蓋とをさらに有しており、閉塞内蓋と交換用の閉塞内蓋とは、同一形状であり、両方の開口に嵌め込み及び取り外し可能となっており、閉塞内蓋が他方の端側の開口を閉塞している状態から、粘ちょう物を詰め替える過程で、閉塞内蓋が取り外され、交換用の閉塞内蓋が一方の端側の開口を閉塞している状態となるように、交換して用いられる。
【0019】
請求項3の粘ちょう物用容器によれば、請求項2の粘ちょう物用容器と同様の作用に加えて、粘ちょう物を詰め替える過程で閉塞内蓋と交換用の閉塞内蓋を交換できるので、古い粘ちょう物に直接触れていた閉塞内蓋が、新しい粘ちょう物に触れないようにすることができる。
【0020】
請求項4の粘ちょう物用容器は、請求項3の粘ちょう物用容器において、閉塞内蓋及び交換用の閉塞内蓋は、ノズルキャップ先端の吐出口を閉塞する吐出口閉塞部を有する。
【0021】
請求項4の粘ちょう物用容器によれば、請求項3の粘ちょう物用容器と同様の作用に加えて、ノズルキャップが装着された本体を、ノズルキャップの吐出口が下向きになるようにしたとしても、その吐出口が閉塞内蓋と交換用の閉塞内蓋の吐出口閉塞部に閉塞されるので、本体内部に残った古い粘ちょう物をノズルキャップの吐出口付近に一旦溜まるようにすることができる。
【0022】
請求項5の粘ちょう物用容器は、請求項4の粘ちょう物用容器において、閉塞内蓋及び交換用の閉塞内蓋が開口に装着された状態において、吐出口閉塞部は、粘ちょう物収容空間側の面に形成されている。
【0023】
請求項5の粘ちょう物用容器によれば、請求項4の粘ちょう物用容器と同様の作用に加えて、開口から取り外した閉塞内蓋又は交換用の閉塞内蓋は、粘ちょう物収容空間側の面に古い粘ちょう物が付着することとなるが、粘ちょう物収容空間側の面と反対側の面を粘ちょう物詰め替え作業を行う作業面に載置することによって、載置した平面を古い粘ちょう物で汚すことなく、閉塞内蓋又は交換用の閉塞内蓋の吐出口閉塞部で、本体に装着され下向きになったノズルキャップの吐出口を閉塞することができる。
【0024】
請求項6の粘ちょう物用容器は、請求項1から5のいずれかの粘ちょう物用容器において、本体に装着された閉鎖キャップの側周面は、本体の側周面と面一となっている。
【0025】
請求項6の粘ちょう物用容器によれば、請求項1から5のいずれかの粘ちょう物用容器と同様の作用に加えて、本体に装着された閉鎖キャップの側周面は、本体の側周面と面一となっていることによって、閉鎖キャップが装着された本体を、ノズルキャップの吐出口が上向きになるように、安定して載置できるとともに、
粘ちょう物用容器の外観がスッキリとした印象となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード等の粘ちょう物を収容し、先端のノズルキャップの開口から吐出させる粘ちょう物用容器において、粘ちょう物の補充を可能とし、補充された新しい粘ちょう物より先に粘ちょう物用容器内に残留していた古い粘ちょう物から吐出できる効果を発揮する。
【0027】
また、本体からノズルキャップ、閉鎖キャップを外すことができるので、各部材の洗浄や定期的な本体内部の洗浄も容易に行うことができる効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施の形態の粘ちょう物用容器を示す断面図である。
図2】詰め替え時において、古い粘ちょう物が流失しないように本体を略水平状態を示す断面図である。
図3】詰め替え時において、古い粘ちょう物が流失しないように本体を略水平状態にした準備段階を示す断面図である。
図4】詰め替え時において、古い粘ちょう物が流失しないように本体を略水平状態にした準備段階を示す断面図である。
図5】詰め替え用の新しい粘ちょう物が補充する前の状態を示す断面図である。
図6】詰め替え用の新しい粘ちょう物が補充された状態を示す断面図である。
図7】新しい粘ちょう物が補充後に開口を閉塞内蓋で閉塞した状態を示す断面図である。
図8】新しい粘ちょう物が補充後の閉鎖キャップが装着された状態を示す断面図である。
図9】詰め替え完了後の状態を示す粘ちょう物用容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図面は本発明の一実施の形態を示し、図1は粘ちょう物用容器の断面図、図2から図8は粘ちょう物の詰め替える過程を示す断面図である。
【0030】
粘ちょう物用容器1は、本体2、ノズルキャップ3、閉鎖キャップ4及び閉塞内蓋5,6より構成されている。図1において。本体2、ノズルキャップ3、閉塞内蓋5に囲まれた空間が粘ちょう物収容空間となっている。
【0031】
本体2の両端には、開口21,22を有する。本体2は可撓性のある筒状体であり、開口21,22は本体2の筒状体横断面より絞られて小さな横断面の開口である。
【0032】
粘ちょう物は粘度が高く、図2から図4に示すように、本体2を略水平状態にしたとしても、すぐに一方の開口21や他方の開口22から流出することがない。
【0033】
ノズルキャップ3は、図1では、本体2の両端の開口21、22に着脱可能となっている。ノズルキャップ3は、先細の形状となっている。ノズルキャップ3の先端には吐出口31が設けられている。ノズルキャップ3を下向きにして、本体2の側周面を押圧すると吐出口31から勢いよく粘ちょう物が吐出される。
【0034】
このような粘ちょう物用容器1は、逆さまにしてノズルキャップ3の内部が粘ちょう物で満たされた状態となると、粘ちょう物が突出可能となる。粘ちょう物の粘性が高いと、粘ちょう物用容器1は、逆さまにしても粘ちょう物がノズルキャップ3の内部が粘ちょう物で満たされるまで時間がかかる。そのため、使用者が速やかに粘ちょう物を吐出できるように、容器内部に古い粘ちょう物が比較的残った状態であっても、新しい粘ちょう物を補充することが望ましい。
【0035】
ノズルキャップ3の形状は当該用途の公知のキャップを採用でき、本体2の開口21又は開口22との装着も、接合面がネジ止めや嵌着等、その他公知の任意手段を選択できる。
【0036】
閉鎖キャップ4は、本体2の両端の開口21、22に着脱可能となっている。図1では、開口22に閉塞内蓋5が装着された本体2に他方の端おいて、閉塞キャップ4が、閉塞内蓋5共々包み込むように、開口22の外周面に嵌合し、本体2を起立状態に保てるようにしている。
【0037】
嵌合する接合面はネジ止めや嵌着等、その他公知の任意手段を選択できる。閉鎖キャップ4とは別に閉塞内蓋5があることによって、閉鎖キャップ4が汚れることを抑制でき、閉鎖キャップ4を外して定期的な洗浄も容易となる。
【0038】
本実施形態では、閉塞内蓋5は、本体2の開口22に着脱可能に嵌着して他方の開口22を閉塞し粘ちょう物の流失・漏洩を防いでいる。閉塞キャップ4の内側で本体2の開口22を閉塞可能となっている。交換用の閉塞内蓋6も閉塞内蓋5と同一の形状となっている。
【0039】
図面では、本体2の開口22の内周面に閉塞内蓋5の外周面が嵌着しており、その接合面は嵌着やネジ止め等、その他公知の任意手段を選択できる。
【0040】
吐出口閉塞部51は、閉塞内蓋5が開口21又は開口22に装着された状態において、閉塞内蓋5の粘ちょう物収容空間側の面に形成されている。同様に、吐出口閉塞部61は、閉塞内蓋6が開口21又は開口22に装着された状態において、閉塞内蓋6の粘ちょう物収容空間側の面に形成されている。
【0041】
吐出口閉塞部51,61は、ノズルキャップ3の先端部分を把持すると共に吐出口31を塞いで、吐出口31から粘ちょう物が出てこないようにする形状としてある。
【0042】
開口から取り外した閉塞内蓋5又は交換用の閉塞内蓋6は、吐出口閉塞部51,61が形成された粘ちょう物収容空間側の面に古い粘ちょう物が付着している。しかし、後述の詰め替える過程で記載した手順で行えば、吐出口閉塞部51,61にも付着した古い粘ちょう物が、投入される新しい粘ちょう物と接触することなく、粘ちょう物の衛生の安全性が保たれる。
【0043】
粘ちょう物収容空間側の面と反対側の面を粘ちょう物詰め替え作業を行う作業面に載置することによって、作業面を古い粘ちょう物で汚すことなく、閉塞内蓋5又は交換用の閉塞内蓋6の吐出口閉塞部51,61で、本体2に装着され下向きになったノズルキャップ3の吐出口31を閉塞することができる。
【0044】
交換用の閉塞内蓋6は閉塞内蓋5と同一形態であり、後述の詰め替える過程で、閉塞内蓋5と交換して用いられ、一方の開口21を閉塞し粘ちょう物の流失・漏洩を防ぐことができる。
【0045】
次に、本発明に係る粘ちょう物用容器1の粘ちょう物の詰め替える過程について説明する。
【0046】
図1に示すように、粘ちょう物収容空間において空気が多くなると詰め替え時期となる。
【0047】
図2に示すように、粘ちょう物用容器1を略水平状態に倒すと、古い粘ちょう物7は、その粘性の高さから、本体2内に留まることが可能になる。
【0048】
図3に示すように、閉鎖キャップ4及び閉塞内蓋5、或いはノズルキャップ3を外しても、古い粘ちょう物7は、その粘性の高さから、本体2に残留して、一方の開口21や他方の開口22から流出することはない。
【0049】
図4に示すように、ノズルキャップ3を他方の開口22に戻して装着する。必要があれば外したノズルキャップ3を他方の開口22に戻して装着する前に速やかに洗浄してもよいし、交換用のノズルキャップ3を装着してもよい。
【0050】
図5に示すように、他方の開口22から外した閉塞内蓋5の吐出口閉塞部51をノズルキャップ3の吐出口31に当てて本体2を逆さまにすることにより、ノズルキャップ3の先端部分を把持すると共に吐出口31を塞ぐことができる。粘ちょう物用容器内残留する古い粘ちょう物7をノズルキャップ3の吐出口31に近い位置に貯めることができる。
【0051】
本体2が起立して上方となった他方の開口22から新しい粘ちょう物8を注入して補充する。これにより、図6に示すように、ノズルキャップ3の吐出口31に近い位置に残留する古い粘ちょう物7より、上方の他方の開口22側に新しい粘ちょう物8を位置せしめて詰め替えを行える。
【0052】
図7に示すように、交換用の閉塞内蓋6を他方の開口22に嵌着することによって、残留した古い粘ちょう物7が付着した閉塞内蓋5を使用することなく、補充した新しい粘ちょう物8が接する本体2の他方の開口22を閉塞できる。
【0053】
次に、図8に示すように、交換用の閉塞内蓋6が装着された側の本体2の端に閉鎖キャップ4を装着する。
【0054】
本体2を通常の状態に起立させて、閉塞内蓋5の吐出口閉塞部51をノズルキャップ3の吐出口31から外して詰め替え作業を終える。
【0055】
閉塞内蓋5は洗浄され、新たな交換用の閉塞内蓋として保管されるものとなる。
【0056】
図5から図8に示すように、残留の古い粘ちょう物7をノズルキャップ3の吐出口31に近い位置に貯めたまま、新しい粘ちょう物8を他方の開口22から補充できる。そのため、図9に示すように、詰め替え完了後の粘ちょう物用容器は、残留していた古い粘ちょう物7から吐出しやすいようになっており、少なくとも粘ちょう物収容空間において、ノズルキャップ3の吐出口31に遠い位置に古い粘ちょう物7が存在しないようにできる。
【0057】
上記実施形態では、閉鎖キャップ4と閉塞内蓋5、6とが別体であり、それぞれ本体2に着脱可能である場合に説明したが、これに限定されることはない。例えば、閉鎖キャップと閉塞内蓋とが一体となっていてもよい。その閉鎖キャップと閉塞内蓋とが一体となっているものは、2個以上を1組とすれば、吐出口閉塞部にも付着した古い粘ちょう物が、投入される新しい粘ちょう物と接触することなく、粘ちょう物の衛生の安全性が保たれる。
【0058】
本実施形態では、吐出口閉塞部51,61が、開口21又は開口22に装着された閉塞内蓋5又は交換用の閉塞内蓋6の粘ちょう物収容空間側の面に、凹部を形成して設けてある場合について説明したが、これに限定されることはない。吐出口閉塞部は、例えば、突起を環状に形成するなど、吐出口31を塞いで、吐出口31から粘ちょう物が出てこないようにする別の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 粘ちょう物用容器
2 本体
3 ノズルキャップ
4 閉鎖キャップ
5 閉塞内蓋
6 交換用の閉塞内蓋
7 古い粘ちょう物
8 新しい粘ちょう物
21 開口
22 開口
31 吐出口
51 吐出口閉塞部
61 吐出口閉塞部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9