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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004075
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】保護カバー及び保護方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
H05K7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105559
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昭信
(57)【要約】
【課題】 ラックに搭載されている機器を保護する保護カバーを提供する。
【解決手段】 保護カバーは、可撓性を有する板状部材と、前記板状部材の一部を、ラックに搭載された作業対象装置の下に挿入した状態で、この板状部材を前記ラックに固定する固定手段とを有する。好適には、前記固定手段は、前記板状部材の右辺及び左辺からそれぞれ突出した突出片と、前記突出片を左右方向に進退させる進退機構とを含み、前記板状部材は、前記進退機構により前記突出片が退いた状態で、前記ラックに挿入され、前記進退機構により前記突出片が出た状態で、前記ラックに固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する板状部材と、
前記板状部材の一部を、ラックに搭載された作業対象装置の下に挿入した状態で、この板状部材を前記ラックに固定する固定手段と
を有する保護カバー。
【請求項2】
前記固定手段は、
前記板状部材の右辺及び左辺からそれぞれ突出した突出片と、
前記突出片を左右方向に進退させる進退機構と
を含み、
前記板状部材は、前記進退機構により前記突出片が退いた状態で、前記ラックに挿入され、前記進退機構により前記突出片が出た状態で、前記ラックに固定される
請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
前記板状部材は、厚さ0.3mm以上0.5mm以下のポリカーボネート板で構成されている
請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記板状部材は、
可撓性を有する薄板で構成され、前記突出片が右端に形成された右側板と、
可撓性を有する薄板で構成され、前記突出片が左端に形成された左側板と
を含み、
前記進退機構は、前記右側板と前記左側板を連結する連結部材であり、前記右側板と前記左側板の相対的な位置を左右方向に調整する
請求項3に記載の保護カバー。
【請求項5】
前記突出片は、前記ラックの柱の凹部に収まるサイズである
請求項4に記載の保護カバー。
【請求項6】
前記右側板及び前記左側板の少なくとも一方にスリットが設けられており、
前記連結部材には、前記右側板又は前記左側板に設けられたスリットに挿入される固定ツメが形成されている
請求項5に記載の保護カバー。
【請求項7】
前記スリットの周縁部に前記固定ツメが係合した固定状態では、前記右側板と前記左側板は、前記ラックに挿入された領域において重ならず、
前記連結部材は、前記スリットの周縁部と前記固定ツメの係合が解除された固定解除状態では、前記ラックに挿入された領域において、前記右側板と前記左側板を互いに重ねることができるように構成されている
請求項6に記載の保護カバー。
【請求項8】
自重により曲がる程度の可撓性を有する板状部材の一部を、ラックに搭載された作業対象装置の下に挿入する工程と、
前記板状部材の一部が挿入された状態で、この板状部材を前記ラックに固定する工程と
を有する保護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護カバー及び保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、所定箇所に開口部を有する合成樹脂板で形成され、側端部分を前方に折曲してU字状に形成される嵌合部を有し、該嵌合部により電子機器の操作部の両側に設けられている取手に脱着可能としたことを特徴とする誤操作防止カバーが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、操作盤の前面に配置された複数の操作器の誤操作を防止するための誤操作防止装置において、前記操作器の前面に格子状に配置した各カバーと、このカバーを支持する支持部とを有し、前記支持部は前記操作盤に固定されており、前記カバーを格子状に配置すると共に、前記カバーと支持部間に設けられたスライド機構により、前記カバーを縦方向及び横方向に自在にスライドさせて、誤操作を防止すべき操作器前面に配置することにより、その誤操作を防止するよう構成したことを特徴とする操作盤の誤操作防止装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、機器に設けられた操作部を人が誤って操作しないようにする操作部のロック機構であって、前記操作部を前記機器のケース本体に設けた凹部に収納すると共に、該凹部の開口部には該開口部を閉塞可能な開閉蓋を設けたことを特徴とする操作部のロック機構が開示されている。
また、特許文献4には、操作パネルに配置された制御スイッチにおいて、前記操作パネルの制御スイッチの押しボタン押し下げ部周囲を操作パネル表面から所定の距離押しボタンの押し下げ方向に後退したへこみ部として形成し、前記押し下げ部表面を前記へこみ部表面と略同一面となし、前記押し下げ部は操作者の指腹部を操作パネル表面と略平行に位置させて押し下げたときは制御スイッチの動作距離の押し下げを制限し、操作者の指先を操作パネル表面と略直交する方向から押し下げたときは制御スイッチの動作距離の押し下げを許容する大きさとしたことを特徴とする制御スイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-212052
【特許文献2】特開2001-306101
【特許文献3】特開平11-317123
【特許文献4】特開2002-025383
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラックに搭載されている機器を保護する保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る保護カバーは、可撓性を有する板状部材と、前記板状部材の一部を、ラックに搭載された作業対象装置の下に挿入した状態で、この板状部材を前記ラックに固定する固定手段とを有する。
【0008】
好適には、前記固定手段は、前記板状部材の右辺及び左辺からそれぞれ突出した突出片と、前記突出片を左右方向に進退させる進退機構とを含み、前記板状部材は、前記進退機構により前記突出片が退いた状態で、前記ラックに挿入され、前記進退機構により前記突出片が出た状態で、前記ラックに固定される。
【0009】
好適には、前記板状部材は、厚さ0.3mm以上0.5mm以下のポリカーボネート板で構成されている。
【0010】
好適には、前記板状部材は、可撓性を有する薄板で構成され、前記突出片が右端に形成された右側板と、可撓性を有する薄板で構成され、前記突出片が左端に形成された左側板とを含み、前記進退機構は、前記右側板と前記左側板を連結する連結部材であり、前記右側板と前記左側板の相対的な位置を左右方向に調整する。
好適には、前記突出片は、前記ラックの柱の凹部に収まるサイズである。
【0011】
好適には、前記右側板及び前記左側板の少なくとも一方にスリットが設けられており、前記連結部材には、前記右側板又は前記左側板に設けられたスリットに挿入される固定ツメが形成されている。
【0012】
好適には、前記スリットの周縁部に前記固定ツメが係合した固定状態では、前記右側板と前記左側板は、前記ラックに挿入された領域において重ならず、前記連結部材は、前記スリットの周縁部と前記固定ツメの係合が解除された固定解除状態では、前記ラックに挿入された領域において、前記右側板と前記左側板を互いに重ねることができるように構成されている。
【0013】
また、本発明に係る保護方法は、自重により曲がる程度の可撓性を有する板状部材の一部を、ラックに搭載された作業対象装置の下に挿入する工程と、前記板状部材の一部が挿入された状態で、この板状部材を前記ラックに固定する工程とを有する。
【発明の効果】
【0014】
ラックに搭載された機器を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】保護カバー10が設置されたラック8を例示する図である。
図2】保護カバー10の部品図である。
図3】保護カバー10の固定状態及び固定解除状態を説明する図である。
図4】ラック8に設置された保護カバー10を例示する図である。
図5】保護カバー10の各部品のサイズを示す図である。
図6】保護カバー10を用いた保守対象外装置92の保護方法(S1)を説明するフローチャートである。
図7】保護カバー20の部品及び結合状態を説明する図である。
図8】ラック8に設置された保護カバー20を例示する図である。
図9】保護カバー20の各部品のサイズを示す図である。
図10】保護カバー30の部品及び結合状態を説明する図である。
図11】保護カバー30の収納状態及び各部品のサイズを示す図である。
図12】変形例における保護カバー15を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
図1図6を参照して、第1の実施形態における保護カバー10を説明する。
図1(A)は、保護カバー10が設置されたラック8の正面図であり、図1(B)は、ラック8を側面から見た模式図であり、図1(C)は、ラック8の水平断面図である。なお、本願において、図1(A)に示すように、作業者がラック8に正面から向き合った場合の右手側を右側とし、左手側を左側とする。
図1に例示するように、ラック8には、複数の装置が鉛直方向に積層した状態で設置されている。それぞれの装置(保守対象装置90及び保守対象外装置92を含む)は、柱80のナット取付部800において、ナットにより固定されている。
【0017】
このような状況において、保守対象装置90の保守作業を行う作業者は、図1(B)に例示するように、保守対象装置90をラック8から引き出す等して、保守作業を行うが、その際に、作業中の保守対象装置90の死角に存在する保守対象外装置92の電源スイッチ等に気がつかずに触れてしまう虞があった。
また、保守対象外装置92については「触れてはいけない」と意識しているが、作業に集中すると「気がついたら触れていた」ということもある。
さらには、ラック8に搭載されている保守対象外装置92は、メーカー等が不定であり、事前知識がないケースがある。
【0018】
そこで、本実施形態では、作業する保守対象装置90の下段装置に誤って触れないように、保護カバー10をとりつける。作業者が誤って作業対象外装置92に触れる前に取り付けた保護カバー10に接触することにより、以降は意識して作業を継続できる。
また、保護カバー10は、保守対象装置90及び保守対象外装置92に触れることなく取り付けることができる。さらには、情報処理の分野では、19インチラックはEIA規格のラックが標準になっており、どのメーカーのラックでも対応できる。
【0019】
具体的には、保護カバー10は、図1に例示するように、積層された装置のうち、保守対象装置90の直下に、その一部が挿入された状態でラック8に固定される。ラック8への固定は、図1(C)に示すように、保護カバー10の右端及び左端に形成された突出片112が柱80の凹部(すなわち、ナット取付部800)に嵌合することにより実現される。
【0020】
図1(B)に例示するように、ラック8に固定された保護カバー10のうち、ラック8内に挿入されていない領域(非挿入領域)は、自重により下方に撓む。これにより、下方に撓んだ保護カバー10が保守対象外装置92を保護することになる。本例の保護カバー10は、自重により35mm~40mm程度下がることで、下段の保守対象外装置92のスイッチを隠す。さらには、保守対象装置90の作業中では、作業者の身体が下段装置に触れる前に保護カバー10に接触するため、注意喚起になる。
【0021】
図2図5を参照して、保護カバー10の構成をより詳細に説明する。
図2は、保護カバー10の部品図であり、図3は、保護カバー10の固定状態及び固定解除状態を説明する図であり、図4は、ラック8に設置された保護カバー10を例示し、図5は、保護カバー10の各部品のサイズを示す。
図2に示すように、保護カバー10は、右側板110と、左側板120と、連結板130とを有する。連結板130は、本発明に係る連結部材の一例である。
右側板110は、可撓性を有する薄板で構成され、突出片112が右端に形成されている。さらに、右側板110の非挿入領域には、連結板130の固定ツメ132の先端と係合する第1スリット114と、連結板130を挿入するための第2スリット116及び第3スリット118が形成されている。
同様に、左側板120は、撓性を有する薄板で構成され、突出片122が左端に形成され、左側板120の非挿入領域には、連結板130の固定ツメ134の先端と係合する第1スリット124と、連結板130を挿入するための第2スリット126及び第3スリット128が形成されている。
連結板130は、第2スリット116及び126に挿入できる幅の本体形状を有し、その両端に、第2スリット116及び126よりも少しだけ太い固定ツメ132(右側)及び固定ツメ134(左側)が形成されている。
【0022】
図2の右側板110、左側板120及び連結板130を組み立てると、図3に例示する保護カバー10ができる。より具体的には、右側の固定ツメ132の先端を右側板110の第1スリット114に差し込んで係合させるとともに、固定ツメ132を第2スリット116に係合させ、左側の固定ツメ134の先端を左側板120の第1スリット124に差し込んで係合させるとともに、固定ツメ134を第2スリット126に係合させると、図3(A)の固定状態となる。図3(A)の固定状態は、図4に示すように、ラック8に保護カバー10が固定された状態である。すなわち、図3(A)の固定状態にある保護カバー10の右側の突出片112及び左側の突出片122は、柱80の凹部に嵌合した状態となる。
また、右側の固定ツメ132の先端を右側板110の第1スリット114から外し、左側の固定ツメ134の先端を左側板120の第1スリット124から外すと、図3(B)の固定解除状態となり、右側板110と左側板120を互いに重ね合わせて、保護カバー10を小さくすることができる。
【0023】
図4に示すように、保護カバー10の非挿入領域は、ラック8から突出した状態となり、連結板130等の重みで下方に撓む。なお、図4では、作図の制約上撓んでいないが、実際の保護カバー10では弾性的に下方に曲がる。
【0024】
保護カバー10の各部品は、厚さ0.3mm~0.5mmのポリカーボネート板から、図5に例示するサイズで切り出すことにより製造される。なお、図5のサイズの単位はミリメートルである。本例の保護カバー10は、右側板110と左側板120が互いに重なり合わない状態であれば、挿入領域において、最大厚0.5mmの板状部材となるため、保守対象装置90の直下に保守対象外装置92が設置された状態であっても、これらの間に挿入することができる。
【0025】
図6は、保護カバー10を用いた保守対象外装置92の保護方法(S1)を説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップ10(S10)において、作業者は、保護カバー10をラック8に挿入可能な状態にする。具体的には、図3(B)の収納状態にある保護カバー10を、右側板110と左側板120が互いに重ならない状態まで広げる。
ステップ20(S20)において、作業者は、右側板110と左側板120が互いに重ならない状態まで広げた保護カバー10を、保守対象装置90の直下に挿入する。
ステップ30(S30)において、作業者は、保護カバー10の挿入領域のみがラック8に挿入された状態で、保護カバー10をさらに広げて、右側の突出片112及び左側の突出片122を柱80のナット取付部800に嵌合させる。さらに、作業者は、この状態で、固定ツメ132及び134をそれぞれ第1スリット114及び124に差し込んで、図3(A)の固定状態とする。
【0026】
以上説明したように、第1の実施形態の保護カバー10によれば、保守対象装置90の下段の装置に触れることなく、取り付けができる。
また、保護カバー10の非挿入領域は、自重により35mm~40mm程度下がることで、下段装置のスイッチを隠す効果がある。さらには、作業中でも、作業者の身体が下段装置に触れる前に保護カバー10の非挿入領域に接触するため、注意喚起になる。
また、ラックケージナットを取り付ける作業領域で固定できるため、どのラックでも対応できる。さらには、連結板130をスリット内でスライドさせる構造を採用することにより、結合した状態においても300mm×400mm以下の収納状態にしてカバンで運ぶことができる。
【0027】
また、薄いシートで構成されているため、保護カバー10複数セットの運搬も可能となる。さらには、作業中に、ネジ等が落下した場合でも、ラック前方に保護カバー10の非挿入領域が存在するため、ネジ等がラック内部に侵入することを防止できる。
また、保守対象装置90をラック8から取り外したり、取り付けたりする時に、保守対象装置90が作業対象外装置92と接触したときの傷防止の養生効果が期待できる。さらには、保守対象外装置92のカバーとなり、飛沫付着の防止(感染防止)効果が期待できる。
また、保護カバー10の非挿入領域に、注意事項等を記載したシール等を貼り付けることにより、保守作業の注意喚起ができる。例えば、保守カバー10の非挿入領域に鈴を取り付けることにより、聴覚による注意喚起ができる。
【0028】
保守対象装置90の内部の部品交換時、取り外した装置の天板の替わりに、保護カバー10を載せてもよい。作業を行う箇所以外を保護カバー10により塞ぐことにより、装置内部へのネジ等の落下防止にも利用できる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、図7図9を参照して、第2の実施形態における保護カバー20を説明する。
図7に示すように、第2の実施形態の保護カバー20は、連結部材の構成のみ、第1の実施形態の保護カバー10と異なる。すなわち、図7(A)に示すように、保護カバー20は、右側板210と一体化した連結片230と、左側板220と一体化された連結片230とを有し、図7(B)に示すように、これらの連結片230に形成された連結ツメ232が、左側板220に形成されたスリット224,及び、右側板210に形成されたスリット214に挿入され、右側板210及び左側板220が互いに左右方向にスライドする。さらに、右側板210には、左側板220の右端辺と係合するストッパ218が形成され、左側板220には、右側板210の左端辺と係合するストッパ228が形成され、図7(B)の結合状態となる。
なお、保護カバー20における突出片212及び222等は、第1の実施形態と実質的に同一である。
【0030】
保護カバー20の各部品は、厚さ0.3mm~0.5mmのポリカーボネート板から、図9に例示するサイズで切り出すことにより製造され、ラック8に取り付けられると、図8の状態となり、保護カバー20の非挿入領域が自重により下方に撓む。
このように、第2の実施形態における保護カバー20は、連結部材(連結片230)を右側板210及び左側板220に一体化することにより部品数を抑えながら、第1の実施形態と同様に、ラック8に搭載された保守対象外装置92を保護することができる。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、図10図11を参照して、第3の実施形態における保護カバー30を説明する。
図10に示すように、第3の実施形態の保護カバー30は、連結部材の構成のみ、第1の実施形態の保護カバー10と異なる。すなわち、図10(A)に示すように、保護カバー30は、右側板310と一体化した連結片330と、この連結片330の先端に形成された固定ツメ334とを有し、左側板320に形成された3つのスリット(第1スリット324、第2スリット326及び第3スリット328)を第1の実施形態よりも右側に移動させた。本実施形態では、図10(B)に示すように、連結片330が第2スリット326及び第3スリット328に挿入された状態で、右側板310及び左側板320が互いに左右方向にスライドし、固定ツメ334の先端が第1スリット324に挿入されるとともに、固定ツメ334が第1スリット326に係合することにより、固定状態となる。また、固定ツメ334を第1スリット324から外すことにより、図11(A)に示すように、右側板310と左側板320が互いに重なり合った収納状態とすることができる。
なお、保護カバー30における突出片312及び322等は、第1の実施形態と実質的に同一である。
【0032】
保護カバー30の各部品は、厚さ0.3mm~0.5mmのポリカーボネート板から、図11に例示するサイズで切り出すことにより製造される。
このように、第3の実施形態における保護カバー30は、連結部材(連結片330)を右側板310に一体化することにより、第2の実施形態よりもシンプルな構成で部品数を抑え、かつ、第1の実施形態と同様に、ラック8に搭載された保守対象外装置92を保護することができる。
【0033】
(変形例)
図12は、変形例における保護カバー15を説明する図である。
図12に示すように、変形例の保護カバー15は、第1の実施形態の保護カバー10に、右側板110に接続された網150と、左側板120に接続された網152とを追加した構成をとる。
このように、変形例の保護カバー15は、網150及び152を非挿入領域に追加して、保護できる領域を拡張することができる。網150及び152の目の大きさによっては、視認性を確保しながら、広い範囲を保護することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、突出片を左右方向に進退させる進退機構として、連結板130又は連結片230等をスライドさせて、右側板と左側板の相対的位置を調整する形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、左右の突出片のみを独立して進退させてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10、15、20、30…保護カバー
110、210、310…右側板
120、220、320…左側板
130…連結板
230、330…連結片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12