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特開2023-40764撮影装置、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040764
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】撮影装置、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230315BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147917
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】三輪 哲也
(72)【発明者】
【氏名】神野 貴代
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】撮影した画像をシール紙に印刷する一連のゲームを提供する写真作成ゲーム機に適用できる、ゲームを利用するユーザがリピートユーザである場合にゲームの内容を適切に変更できるようにする撮影装置、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、写真シール作成装置1の撮影部は、ゲームを一緒に利用する複数のユーザU1、U2を被写体として撮影し、ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果を、複数のユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得し、リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、ゲームの内容を変更する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影部と、
前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果を、複数の前記ユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得する取得部と、
複数の前記ユーザのそれぞれについての前記リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、前記ゲームの内容を変更する制御部と
を備える撮影装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記ユーザの全員が前記リピートユーザである場合と、前記リピートユーザではないユーザが複数の前記ユーザの中に含まれる場合とで前記ゲームの内容を変更する
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記リピートユーザとして判定されたそれぞれの前記ユーザに対して、前記リピートユーザ用の情報を提示する
請求項1または2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記リピートユーザ用の情報の表示数と表示位置のうちの少なくともいずれかを変更する
請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記ゲームの画面を表示させる表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記画面のうちの、前記リピートユーザとして判定された前記ユーザに割り当てられた領域に前記リピートユーザ用の情報を表示させる
請求項3または4に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記取得部は、過去の前記ゲームにおける前記リピートユーザの選択内容に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記リピートユーザ用の情報として、過去の前記ゲームにおける選択内容と同じ内容を今回の前記ゲームに反映させるか否かの選択に用いられる情報を表示する
請求項3乃至5のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項7】
前記制御部は、複数の前記ユーザが前記ゲームを一緒に利用していた前記リピートユーザであるか否かに応じて、前記ゲームの内容を変更する
請求項1乃至6のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項8】
前記取得部は、過去の前記ゲームにおける前記リピートユーザの撮影時の立ち位置に関する情報を取得し、
前記制御部は、複数の前記ユーザが前記ゲームを一緒に利用していた前記リピートユーザである場合、立ち位置に関する情報を提示する
請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記制御部は、今回の前記ゲームにおける複数の前記ユーザの撮影時の立ち位置が、過去の前記ゲームにおける撮影時の立ち位置と異なる場合に立ち位置に関する情報を提示する
請求項8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記取得部は、人物を顔画像に基づいて認証し、認証した人物が前記リピートユーザであるか否かを判定する情報処理装置に対して、前記画像に基づいて生成した複数の前記ユーザのそれぞれの顔画像を送信し、前記リピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報を前記情報処理装置から取得する
請求項1乃至9のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項11】
撮影装置が、
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影し、
前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果を、複数の前記ユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得し、
複数の前記ユーザのそれぞれについての前記リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、前記ゲームの内容を変更する
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影し、
前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果を、複数の前記ユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得し、
複数の前記ユーザのそれぞれについての前記リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、前記ゲームの内容を変更する
処理を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影装置から送信されてきた画像に写る人物を認証する認証部と、
人物の認証結果に基づいて、複数の前記ユーザが前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かを判定する判定部と、
複数の前記ユーザのそれぞれが前記リピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報を前記撮影装置に送信する通信部と
を備える情報処理装置。
【請求項14】
複数の前記ユーザのそれぞれに前記認証結果として割り当てられた識別情報、前記ゲームにおける選択内容を表す情報、および、前記ゲームにおける、複数の前記ユーザのそれぞれの撮影時の立ち位置の情報のうちの少なくともいずれかを紐付けて記憶する記憶部をさらに備える
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置が、
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影装置から送信されてきた画像に写る人物を認証し、
人物の認証結果に基づいて、複数の前記ユーザが前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かを判定し、
複数の前記ユーザのそれぞれが前記リピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報を前記撮影装置に送信する
情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影装置から送信されてきた画像に写る人物を認証し、
人物の認証結果に基づいて、複数の前記ユーザが前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かを判定し、
複数の前記ユーザのそれぞれが前記リピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報を前記撮影装置に送信する
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮影装置、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、ゲームを利用するユーザがリピートユーザである場合にゲームの内容を適切に変更できるようにした撮影装置、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真シール作成装置が知られている。写真シール作成装置は、ユーザを撮影し、撮影画像に対してユーザに編集を行わせ、編集後の画像をシール紙に印刷して提供するものである。写真シール作成装置は遊戯施設などに設置される。
【0003】
写真シール作成装置が提供する1ゲームの流れは、通常、撮影ブース内にいるユーザを被写体として撮影を行った後、ユーザを編集ブースに移動させ、編集ブースで行われる操作に従って画像を編集して、編集済みの画像をシール紙に印刷するものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-142773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
写真シール作成装置のゲームは、通常、複数のユーザによって利用される。ユーザの全員がリピートユーザである場合、ゲームの内容を変更して進めた方が好ましい場合もある。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ゲームを利用するユーザがリピートユーザである場合にゲームの内容を適切に変更できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の撮影装置は、ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影部と、前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果を、複数の前記ユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得する取得部と、複数の前記ユーザのそれぞれについての前記リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、前記ゲームの内容を変更する制御部とを備える。
【0008】
本技術の他の側面の情報処理装置は、ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影装置から送信されてきた画像に写る人物を認証する認証部と、人物の認証結果に基づいて、複数の前記ユーザが前記ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かを判定する判定部と、複数の前記ユーザのそれぞれが前記リピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報を前記撮影装置に送信する通信部とを備える。
【0009】
本技術の一側面においては、ゲームを一緒に利用する複数のユーザが被写体として撮影され、ゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かの判定結果が、複数のユーザを撮影して得られた画像に基づいて取得される。また、複数の前記ユーザのそれぞれについての前記リピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて、前記ゲームの内容が変更される。
【0010】
本技術の他の側面においては、ゲームを一緒に利用する複数のユーザを被写体として撮影する撮影装置から送信されてきた画像に写る人物が認証され、人物の認証結果に基づいて、複数のユーザがゲームを利用したことがあるリピートユーザであるか否かが判定される。また、複数のユーザのそれぞれがリピートユーザであるか否かの判定結果に関する情報が撮影装置に送信される。
【発明の効果】
【0011】
本技術によれば、ゲームを利用するユーザがリピートユーザである場合にゲームの内容を適切に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本技術の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】顔認証エンジンの入出力の例を示す図である。
図3】ゲーム時の処理の流れを示す図である。
図4】ゲーム管理情報の例を示す図である。
図5】表示画面の例を示す図である。
図6】店舗設置情報の例を示す図である。
図7】写真シール作成装置の外観を示す斜視図である。
図8】写真シール作成装置の構成例を示すブロック図である。
図9】顔画像の生成の例を示す図である。
図10】ユーザの立ち位置を説明する図である。
図11】情報処理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図12】情報処理サーバの機能構成例を示すブロック図である。
図13】写真シール作成装置が実行する写真シール作成ゲーム提供処理について説明するフローチャートである。
図14図13のステップS2の撮影処理について説明するフローチャートである。
図15】分析結果画面の表示例を示す図である。
図16】顔診断の開始時の表示例を示す図である。
図17】顔診断画面の表示例を示す図である。
図18】顔診断画面の他の表示例を示す図である。
図19】編集画面の表示例を示す図である。
図20】編集ブースにおける様子を示す図である。
図21】編集パレットの表示例を示す図である。
図22】情報処理サーバの動作について説明するフローチャートである。
図23】顔認証を行うタイミングの例を示す図である。
図24】顔認証を行うタイミングの他の例を示す図である。
図25】顔認証エンジンの例を示す図である。
図26】写真シール作成装置の他の構成例を示す図である。
図27】立ち位置に関する情報の提示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<顔認証を用いたゲームの提供>
・システム構成
図1は、本技術の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本技術の一実施形態に係る情報処理システムは、写真シール作成装置1と情報処理サーバ2がインターネットなどのネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0015】
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどの店舗に設置される。1台の写真シール作成装置1が図1に示されているが、ネットワーク3には、複数の店舗に設置された写真シール作成装置1が接続される。1つの店舗に複数台の写真シール作成装置1が設置されることもある。
【0016】
写真シール作成装置1のユーザは、主に女子高生や若い女性が中心となる。写真シール作成装置1において、1組あたり2人や3人などの複数人のユーザがゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人のユーザがゲームを楽しむこともできる。
【0017】
写真シール作成装置1の写真作成ゲームにおいて、ユーザは、自身が被写体となって撮影を行う。ユーザは、撮影によって得られた撮影画像に対して、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させるための編集を行い、撮影画像を彩り豊かな画像に編集する。ユーザは、編集済みの撮影画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0018】
ここで、写真シール作成装置1は、例えば5G通信(第5世代移動通信システム)に対応した装置である。5G通信によって写真シール作成装置1がネットワーク3に接続されていることから、写真シール作成装置1と情報処理サーバ2の間の通信は、高速、かつ低遅延で行われる。写真シール作成装置1のゲーム中、後述する各種の情報の送受信が写真シール作成装置1と情報処理サーバ2の間で行われる。
【0019】
情報処理サーバ2は、写真シール作成装置1のメーカーなどが管理するインターネット上のサーバである。情報処理サーバ2は、顔認証エンジン11を有している。顔認証エンジン11は、画像に写っている人物の顔に固有のIDである顔IDを割り当てる画像処理エンジンである。顔認証エンジン11は、例えば、機械学習によって生成された推論モデルによって構成される。
【0020】
図2は、顔認証エンジン11の入出力の例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、顔認証エンジン11は、顔画像を入力とし、顔IDを出力とする推論モデルである。図2の例においては、ユーザU1の顔画像が入力されることに応じて、「000001」のIDが顔IDとして出力されている。同じ人の顔画像が入力された場合、顔認証エンジン11からは同じ顔IDが出力される。顔認証エンジン11の学習においては、様々な人の顔画像が学習データとして用いられる。
【0022】
それぞれの顔に対して固有のIDを割り当てることができる方法であれば、推論モデルを用いた方法以外の方法が採用されるようにしてもよい。例えば、あらかじめ登録された顔画像とのマッチングを行うことによって認証用の顔画像に写る顔に顔IDを割り当てる画像処理エンジンが顔認証エンジン11として用いられるようにしてもよい。顔画像のマッチングは、例えば、あらかじめ登録された顔画像から抽出された特徴と、認証用の顔画像から抽出された特徴との一致度を算出するようにして行われる。
【0023】
顔認証エンジン11においては、写真シール作成装置1から送信されてきた顔画像を対象として顔IDの検出(顔IDの割り当て)が行われる。写真シール作成装置1からは、写真シール作成装置1のゲームを利用するそれぞれのユーザの顔画像が送信されてくる。
【0024】
・写真作成ゲームの流れ
図3は、ゲーム時の処理の流れを示す図である。
【0025】
ここでは、図3の左側に示すように、ユーザU1とユーザU2の2人のユーザが一緒に写真シール作成装置1のゲームを利用する場合について説明する。ユーザU1とユーザU2は例えば友達である。
【0026】
ユーザU1とユーザU2が所定の金額分のお金を支払い、案内に従って撮影ブースに入ったとき、ユーザU1とユーザU2を被写体とした撮影が行われる。撮影ブースにはカメラが設けられている。写真シール作成装置1のゲームは、主に、撮影前の事前選択の作業、撮影ブースに入って撮影を行う作業、撮影ブースから編集ブースに移動して、撮影画像の編集を行う作業の一連の作業をユーザに行わせるようにして進められる。
【0027】
写真シール作成装置1は、例えば、ユーザU1とユーザU2が一緒に写る画像に基づいて、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔画像を生成し、矢印#1に示すように情報処理サーバ2に対して送信する。
【0028】
情報処理サーバ2は、写真シール作成装置1から送信されてきた顔画像を顔認証エンジン11に入力し、上述したようにして、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔IDを検出する。
【0029】
また、情報処理サーバ2は、検出した顔IDに基づいて、写真シール作成装置1を利用してゲームを行っているユーザU1とユーザU2が、それぞれ、写真シール作成装置1を過去に利用したことがあるリピートユーザであるか否かを判定する。
【0030】
情報処理サーバ2においては、写真シール作成装置1を利用したことがあるユーザの顔IDを含むゲーム管理情報が管理されている。写真シール作成装置1を利用してゲームを行っているユーザがリピートユーザであるか否かの判定であるリピート判定は、検出した顔IDと同じ顔IDがゲーム管理情報に登録済みであるか否かに基づいて行われる。
【0031】
図4は、ゲーム管理情報の例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、情報処理サーバ2にはゲーム管理情報DB12が構築される。例えば、写真シール作成装置1においてゲームが1回行われる毎にゲーム管理情報が生成され、ゲーム管理情報DB12に記憶される。
【0033】
吹き出しに示すように、ゲーム管理情報は、ゲーム利用日時、筐体ID、顔ID、ゲーム情報、属性情報などの各情報を紐付けた情報である。
【0034】
ゲーム利用日時は、ゲームの利用日時(ゲームの提供日時)の情報である。
【0035】
筐体IDは、写真シール作成装置1の筐体のIDである。それぞれの店舗に設置された写真シール作成装置1のそれぞれに筐体IDが設定されている。
【0036】
顔IDは、ゲームを利用したユーザの顔IDである。ユーザU1とユーザU2が一緒にゲームを利用した場合、ユーザU1の顔IDとユーザU2の顔IDがそれぞれ登録される。各回のゲームを利用したユーザ全員の顔IDが登録されることから、だれとだれがゲームを一緒に利用していたのかをゲーム管理情報に基づいて特定することが可能となる。
【0037】
ゲーム情報は、過去のゲームにおけるユーザの選択内容を表す情報である。撮影前の事前選択の作業、撮影ブースでの撮影作業、編集ブースでの編集作業においては、ユーザによって各種の選択が行われる。例えば編集ブースでの編集においては、ユーザは、撮影画像の編集に用いるツールの選択、コンテンツの選択などを行う。
【0038】
撮影ブースでの立ち位置(右に立っていたか、左に立っていたか)、編集ブースでの立ち位置、ゲームを一緒に利用したユーザの人数などの、過去のゲーム時のユーザの状況を表す各種の情報がゲーム情報として管理されるようにしてもよい。
【0039】
属性情報は、性別、年齢などのユーザの属性情報である。顔画像に写る人の性別を推定する機能、年齢を推定する機能が顔認証エンジン11に設けられるようにしてもよい。この場合、顔認証エンジン11には、顔画像を入力とし、性別の情報を出力とする推論モデル、顔画像を入力とし、年齢の情報を出力とする推論モデルが用意される。
【0040】
写真シール作成装置1から送信されてきた顔画像に基づいて検出した顔IDと同じ顔IDが、このような各情報を含むゲーム管理情報に登録されている場合、写真シール作成装置1を利用してゲームを行っているユーザがリピートユーザであると判定される。一方、顔画像に基づいて検出した顔IDと同じ顔IDがゲーム管理情報に登録されていない場合、写真シール作成装置1を利用してゲームを行っているユーザがリピートユーザではないと判定される。リピートユーザであるか否かの判定は、それぞれのユーザを対象として行われる。
【0041】
このようなリピート判定の結果が、図3の矢印#2に示すように情報処理サーバ2から写真シール作成装置1に対して顔IDとともに送信される。写真シール作成装置1は、情報処理サーバ2から送信されてきた情報に基づいて、写真シール作成装置1のゲームをいま利用しているユーザが、過去にも利用したことがあるユーザであるか否かを特定することが可能となる。
【0042】
写真シール作成装置1においては、ユーザU1とユーザU2に提供するゲームの内容が、リピート判定の結果に基づいて変更される。
【0043】
図5は、表示画面の例を示す図である。
【0044】
後に詳述するように、写真シール作成装置1のゲームにおいては、ユーザの顔の分析が撮影ブースにおける撮影時に行われる。顔の分析は、ユーザの顔が、あらかじめ用意された複数の系統のうちのどの系統の顔であるのかを特定する処理である。図5に示す画面は、顔の特徴の分析結果の提示に用いられる分析結果画面である。撮影ブースには、撮影時のライブビュー画面や分析結果画面などの各種の画面の表示に用いられる撮影用モニタが設けられる。
【0045】
ユーザU1とユーザU2がゲームを一緒に利用している場合、分析結果画面には、ユーザU1の顔の特徴の分析結果とユーザU2の顔の特徴の分析結果がそれぞれ表示される。分析結果画面の左側の領域は、カメラ(撮影用モニタ)に向かって左側に立っているユーザU1の顔の特徴の分析結果の表示領域であり、右側の領域は、カメラに向かって右側に立っているユーザU2の顔の特徴の分析結果の表示領域である。この例においては、ユーザU1がカメラに向かって左側に立ち、ユーザU2がカメラに向かって右側に立っている。
【0046】
例えば、ユーザU1がリピートユーザであり、ユーザU2がリピートユーザではない場合、図5Aに示すように、「また撮ってくれてありがとう」のリピートユーザ用のメッセージが、ユーザU1に向けて、分析結果画面の左側の領域に分析結果とともに表示される。この場合、分析結果画面の右側の領域には、リピートユーザ用のメッセージが表示されない。
【0047】
ユーザU1は、写真シール作成装置1が自分のことを認識していることに気付き、特別感を得ることができる。メッセージなどのリピートユーザ用の情報が、音声を用いて提示されるようにしてもよい。
【0048】
一方、ユーザU1とユーザU2が2人ともリピートユーザである場合、図5Bに示すように、リピートユーザ用のメッセージが、ユーザU1とユーザU2の2人に向けて、分析結果画面の左側の領域と右側の領域に、分析結果とともにそれぞれ表示される。
【0049】
ユーザU1とユーザU2は、それぞれ、写真シール作成装置1が自分のことを認識していることに気付き、特別感を得ることができる。
【0050】
このように、分析結果画面の表示は、ゲームを一緒に利用するユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで、リピート判定の結果に基づいて変更される。ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで、リピートユーザ用のメッセージの表示位置と、表示されるメッセージの数が変更となる。リピートユーザ用のメッセージの表示位置と、表示されるメッセージの数のうちの少なくともいずれかが変更されるようにしてもよい。
【0051】
メッセージの表示位置と数が変更されるだけでなく、メッセージの内容が変更されるようにしてもよい。例えばゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合、「2人ともまた撮ってくれてありがとう」などのメッセージが表示される。
【0052】
分析結果画面の表示だけでなく、写真シール作成装置1のゲームの各タイミングにおける内容が、ゲームを一緒に利用するユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで変更されるようにすることが可能である。
【0053】
分析結果を確認したユーザU1とユーザU2は、写真シール作成装置1による進行に従ってそれ以降のゲームを行う。
【0054】
以上においては、特定の筐体IDが設定された写真シール作成装置である写真シール作成装置1のゲームを利用したことがあるユーザがリピートユーザとして判定されるものとしたが、写真シール作成装置1が設置された店舗と同じ店舗に設置された写真シール作成装置のゲームを利用したことがあるユーザがリピートユーザとして判定されるようにしてもよい。
【0055】
写真シール作成装置1が設置された店舗と同じ店舗に設置された写真シール作成装置のゲームを利用したことがあるユーザであるか否かの判定は、ゲーム管理情報とともに、図6に示すような店舗設置情報を用いて行われる。
【0056】
店舗設置情報は、写真シール作成装置が設置された店舗のID、写真シール作成装置の機種のIDなどを筐体IDと紐付けた情報である。情報処理サーバ2には、店舗設置情報のDBである店舗設置情報DB13が用意される。情報処理サーバ2は、店舗設置情報を参照することにより、顔画像を送信してきた写真シール作成装置の筐体IDに基づいて、その写真シール作成装置が設置されている店舗を特定することが可能となる。
【0057】
また、写真シール作成装置1の機種と同じ機種の写真シール作成装置のゲームを利用したことがあるユーザがリピートユーザとして判定されるようにしてもよい。写真シール作成装置1の機種と同じ機種の写真シール作成装置のゲームを利用したことがあるユーザであるか否かの判定は、店舗設置情報に含まれる機種IDを用いて行われる。
【0058】
このように、リピートユーザは、同一筐体の写真シール作成装置を利用したことがあるユーザであってもよいし、同一店舗の写真シール作成装置を利用したことがあるユーザであってもよい。また、同一機種の写真シール作成装置を利用したことがあるユーザであってもよい。
【0059】
店舗設置情報DB13が情報処理サーバ2とは異なるサーバ上に構築されるようにしてもよい。
【0060】
<各装置の構成>
・写真シール作成装置1の構成
図7は、写真シール作成装置1の外観を示す斜視図である。
【0061】
図7に示すように、箱状の筐体を有する写真シール作成装置1の側面には事前操作部21が設けられる。事前操作部21は、ゲームを一緒に利用するユーザの人数の選択や撮影コースの選択などの事前選択の操作に用いられる装置である。事前操作部21の上方にはタッチパネルモニタ21Aが設けられる。タッチパネルモニタ21Aの下には、プレイ料金を支払うためのコイン投入口21Bが設けられる。
【0062】
各種の選択に用いられる画面がタッチパネルモニタ21Aに表示される。ユーザは、タッチパネルモニタ21Aの表示に従って各種の選択を行った後、出入り口Gから撮影ブースに入り、撮影を行うことになる。撮影ブースの正面には、カメラ31Aを内蔵した箱状の撮影部31が設けられる。撮影部31には撮影用モニタ31Bが設けられる。
【0063】
事前操作部21の左側には編集部41が設けられる。編集部41は、カメラ31Aで撮影することによって得られた撮影画像の編集に用いられる装置である。撮影ブースで撮影を行ったユーザは、編集部41の前方の編集ブースに移動し、撮影画像の編集を行うことになる。編集部41の上方に形成された斜面には編集用モニタ41Aが設けられる。撮影画像の編集に用いられる画面が編集用モニタ41Aに表示される。
【0064】
図8は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。図8に示す構成のうち、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0065】
図8に示すように、写真シール作成装置1は、PCにより構成される制御部51に対して、事前操作部21、撮影部31、編集部41、通信部52、および印刷部53が接続されることによって構成される。
【0066】
制御部51は、CPUによりプログラムを実行し、ゲームの進行に応じて、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部51においては、所定のプログラムが実行されることにより、ゲーム制御部61と認証結果取得部62が実現される。
【0067】
ゲーム制御部61は、事前選択処理、撮影処理、編集処理、印刷処理などの一連のゲームの処理を制御する。
【0068】
事前選択処理は、撮影コースの選択などの事前選択の作業をユーザに行わせる処理である。
【0069】
撮影処理は、ユーザを被写体とした撮影の作業をユーザに行わせる処理である。撮影処理においては、ユーザに提供する通常の撮影画像の他に、顔認証に用いられる画像の撮影も行われる。顔認証時、ゲーム制御部61は、カメラ31Aを制御することによって、ゲームを利用しているユーザを撮影し、顔認証用の画像を取得する。顔認証用の画像は、認証結果取得部62に供給される。
【0070】
編集処理は、撮影処理によって得られた撮影画像に対する編集の作業をユーザに行わせる処理である。
【0071】
印刷処理は、編集処理によって得られた編集画像を、所定のレイアウトで並べてシール紙に印刷する処理である。編集画像が印刷されたシール紙が、編集部41の筐体の所定の位置に設けられた取り出し口からユーザに提供される。
【0072】
ゲーム制御部61は、各処理の内容を、認証結果取得部62により取得されたリピート判定の結果に基づいて変更する。ゲーム制御部61は、ゲームの内容を、複数のユーザのそれぞれについてのリピートユーザであるか否かの判定結果に基づいて変更する制御部として機能する。また、ゲーム制御部61は、ゲームの内容を、ゲームを一緒に利用するユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで変更する制御部として機能する。
【0073】
また、ゲーム制御部61は、通信部52を制御し、ゲームにおけるユーザの選択内容などを表すゲーム情報を情報処理サーバ2に送信する。ゲーム情報は、例えば、ゲームの利用日時の情報、ユーザの顔IDなどの情報とともに、ゲームが終了したタイミングで情報処理サーバ2に送信される。
【0074】
認証結果取得部62は、ゲーム制御部61から供給された顔認証用の画像に基づいて、それぞれのユーザの顔が写る顔画像を生成する。
【0075】
図9は、顔画像の生成の例を示す図である。
【0076】
図9の上段に示すように、ユーザU1とユーザU2が写る画像Pが顔認証用の画像として撮影された場合、矢印#11の先に示すように、ユーザU1の顔画像とユーザU2の顔画像が画像Pから抽出される。
【0077】
図9の例においては、カメラ31Aに向かって左側に立つ人物(右側に写っている人物)がユーザU1であり、カメラ31Aに向かって右側に立つ人物(左側に写っている人物)がユーザU2である。ユーザU1とユーザU2のそれぞれのユーザの顔を含む矩形の領域の画像が顔画像として抽出される。
【0078】
図10に示すようにユーザU1がカメラ31Aに向かって左側に立ち、ユーザU2がカメラ31Aに向かって右側に立っている場合、画像に写る位置に基づいて、それぞれのユーザの立ち位置を特定することが可能となる。
【0079】
なお、図9の画像Pに示すように、加工処理が施される前の原画像が顔認証に用いられる。編集などが施された後にユーザに提供される通常の撮影画像は、加工処理が施された画像であるのに対して、そのような加工処理が施されていない画像Pから抽出された顔画像が情報処理サーバ2に送信され、顔認証に用いられることになる。
【0080】
加工処理には、目を大きくする処理、顔の大きさを小さくする小顔処理、顔の肌の色を明るくする肌色調整処理、髪の毛の色を調整する髪色調整処理のうちの少なくともいずれかの処理が含まれる。
【0081】
例えば、目を大きくする処理が施された加工処理後の画像に基づいて顔認証が行われるとした場合、同じユーザが写っている画像を用いた場合であっても、それぞれ異なる顔IDが検出されるといったように誤検出が生じる可能性がある。原画像に基づいて顔認証が行われるようにすることにより、そのような誤検出が生じることを防ぐことが可能となる。
【0082】
ユーザU1とユーザU2が写る画像Pが情報処理サーバ2に対して送信され、顔画像の生成が情報処理サーバ2において行われるようにしてもよい。情報処理サーバ2に用意される顔認証エンジン11が、画像Pを入力とし、ユーザU1の顔IDとユーザU2の顔IDを出力とする画像処理エンジンとして構成されるようにしてもよい。
【0083】
図8の認証結果取得部62は、通信部52を制御し、このようにして生成した顔画像を情報処理サーバ2に送信する。認証結果取得部62は、情報処理サーバ2から送信されてきた認証結果を取得する。認証結果取得部62が取得する認証結果には、顔IDとリピート判定の結果が含まれる。ゲーム情報や属性情報などの、顔IDと紐付けて管理されている他の情報も、写真シール作成装置1に対して適宜提供される。
【0084】
事前操作部21は、タッチパネルモニタ21Aに所定の画面を表示させ、撮影を開始する前のユーザに各種の選択を行わせる。事前操作部21は、ユーザの選択を受け付け、選択内容を表す情報を制御部51に出力する。
【0085】
撮影部31は、カメラ31Aを駆動させ、撮影ブースにいるユーザを被写体として撮影を行う。例えば、複数回の撮影が行われることによって、複数枚の撮影画像が取得される。撮影部31により取得された撮影画像は制御部51に供給される。
【0086】
編集部41は、編集ブースにいるユーザを対象として編集処理を行う。編集処理には、撮影画像に対して編集を施すための画像処理などが含まれる。撮影画像の編集は編集用モニタ41Aに表示された編集画面を用いて行われる。編集部41は、撮影画像の編集を終えた後、編集画像を所定のレイアウトで配置することによって印刷データを生成し、制御部51に出力する。
【0087】
通信部52は、情報処理サーバ2などの外部の装置との間で通信を行う。通信部52は、顔画像を情報処理サーバ2に送信する。顔画像とともに、適宜、ゲームの利用日時、筐体IDなどの情報も送信される。
【0088】
印刷部53は、プリンタを有している。印刷部53は、プリンタを駆動し、印刷データに基づいて、編集済みの撮影画像をシール紙に印刷する。
【0089】
・情報処理サーバ2の構成
図11は、情報処理サーバ2のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0090】
図11に示すように、情報処理サーバ2はコンピュータにより構成される。複数台のコンピュータにより情報処理サーバ2が構成されるようにしてもよい。情報処理サーバ2が複数台のコンピュータにより構成される場合、それぞれのコンピュータが協働することにより、情報処理サーバ2の各種の処理が実現される。
【0091】
CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続される。
【0092】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続される。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、およびドライブ110が接続される。
【0093】
入力部106は、キーボード、マウスなどにより構成される。出力部107は、ディスプレイなどにより構成される。
【0094】
記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどにより構成される。記憶部108は、CPU101が実行するプログラム、顔認証のサービスを提供するために用いられる各種の情報を記憶する。
【0095】
ゲーム管理情報DB12と店舗設置情報DB13が例えば記憶部108に構築される。記憶部108は、ゲーム利用日時、筐体ID、顔ID、ゲーム情報、属性情報などの各情報を紐付けたゲーム管理情報と、筐体ID、店舗ID、機種IDを紐付けた店舗設置情報とを記憶する記憶部として機能する。記憶部108が記憶する情報の組み合わせは任意に変更可能である。ゲームにおけるユーザの選択内容を表す情報と、ユーザのそれぞれの撮影時の立ち位置の情報がゲーム情報に含まれる場合、記憶部108は、顔認証の結果としてそれぞれのユーザに割り当てられた顔ID、ゲームにおけるユーザの選択内容を表す情報、ユーザのそれぞれの撮影時の立ち位置の情報のうちの少なくともいずれかを紐付けて記憶する。
【0096】
通信部109は、ネットワーク3に対するインタフェースである。例えば、通信部109は、写真シール作成装置1と通信を行い、写真シール作成装置1から送信されてきた顔画像を受信する。また、通信部109は、認証結果などの情報を写真シール作成装置1に送信する。
【0097】
ドライブ110は、リムーバブルメディア111に対するデータの書き込み、リムーバブルメディア111からのデータの読み出しを制御する。
【0098】
図12は、情報処理サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。
【0099】
図12に示すように、情報処理サーバ2においては情報処理部121が実現される。情報処理部121は、画像取得部131、顔認証部132、判定部133、およびゲーム情報取得部134から構成される。図12に示す機能部のうちの少なくとも一部は、CPU101により所定のプログラムが実行されることによって実現される。情報処理部121には上述したゲーム管理情報DB12も設けられる。
【0100】
画像取得部131は、写真シール作成装置1から送信され、通信部109において受信された顔画像を取得する。画像取得部131により取得された顔画像は顔認証部132に供給される。
【0101】
顔認証部132は、顔認証エンジン11により実現される。顔認証部132は、画像取得部131から供給された顔画像を顔認証エンジン11に入力し、顔IDを検出する。顔認証部132は、顔認証エンジン11を用いて検出した顔IDを判定部133に出力する。
【0102】
また、顔認証部132は、顔認証エンジン11を用いて検出した顔IDをゲーム管理情報DB12に出力し、今回のゲームに関するゲーム管理情報の他の情報と紐付けて登録する。
【0103】
判定部133は、ゲーム管理情報DB12に記憶されているゲーム管理情報を参照し、顔認証部132から供給された顔IDと同じ顔IDが登録済みであるか否かを判定することによってリピート判定を行う。顔認証部132から供給された顔IDと同じ顔IDが登録済みである場合、その顔IDが割り当てられたユーザはリピートユーザとして判定される。一方、顔認証部132から供給された顔IDと同じ顔IDが登録されていない場合、その顔IDが割り当てられたユーザはリピートユーザではないユーザとして判定される。
【0104】
判定部133は、顔認証部132から供給された顔IDと、リピート判定の結果とを含む情報を認証結果として写真シール作成装置1に送信する。
【0105】
ゲーム情報取得部134は、ゲームが終了したときなどの所定のタイミングで写真シール作成装置1から送信されてきたゲーム情報を受信し、ゲーム管理情報に登録する。
【0106】
<各装置の動作>
・写真シール作成装置1の動作
図13のフローチャートを参照して、写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲーム提供処理について説明する。図13の処理は、例えば、所定の金額分のお金の支払いが行われたときに開始される。
【0107】
ステップS1において、ゲーム制御部61は、撮影ブースの外にいるユーザを対象として事前選択処理を行う。事前選択処理においては、ユーザの人数の選択、写りコースの選択などが行われる。いずれの選択も、事前操作部21の撮影用モニタ31Bに表示される選択画面を用いて行われる。事前選択処理が終了したとき、撮影ブースに移動することが案内される。
【0108】
ステップS2において、ゲーム制御部61は、撮影ブースにいるユーザを対象として撮影処理を行う。撮影処理においては、ユーザを被写体とした撮影、顔分析、顔診断などが行われる。撮影処理の詳細については、図14のフローチャートを参照して後述する。
【0109】
ステップS3において、ゲーム制御部61は、編集ブースにいるユーザを対象として編集処理を行う。具体的には、ゲーム制御部61は、編集用モニタ41Aに編集画面を表示させ、撮影処理により得られた撮影画像に対して編集作業を行わせる。ペンツール、スタンプツールなどの各種のツールを用いて編集作業が行われる。ゲーム制御部61は、ユーザによる操作に応じて画像処理を行い、編集画像を生成する。
【0110】
ステップS4において、ゲーム制御部61は、印刷データを印刷部53に出力し、編集画像をシール紙に印刷する。印刷が終了したとき、編集画像が印刷されたシール紙が筐体の取り出し口に排出され、ユーザに提供される。
【0111】
ステップS5において、ゲーム制御部61は、通信部52を制御し、撮影画像や編集画像を画像管理サーバ(図示せず)にアップロードする。画像管理サーバは、写真シール作成装置1のメーカーなどが管理するインターネット上のサーバである。ユーザは、スマートフォンなどの携帯端末を操作して画像管理サーバにアクセスすることによって、ゲームで作成した画像の閲覧、ダウンロードなどを行うことができる。
【0112】
ステップS6において、ゲーム制御部61は、通信部52を制御し、ゲームにおけるユーザの選択内容を表す情報を含むゲーム情報を情報処理サーバ2に送信する。ここで送信された情報が、顔IDなどと紐付けてゲーム管理情報に登録される。
【0113】
次に、図14のフローチャートを参照して、図13のステップS2において行われる撮影処理について説明する。ここでは、ユーザU1とユーザU2がゲームを一緒に利用しているものとする。
【0114】
ステップS21において、ゲーム制御部61は、カメラ31Aを制御し、顔分析撮影を行う。顔分析撮影は、顔の特徴の分析に用いられる画像である顔分析用画像を撮影するために行われる。例えば、図9を参照して説明したような、ユーザU1とユーザU2が一緒に写る1枚の画像が顔分析用画像として撮影される。顔分析用画像に基づいて生成された顔画像は顔認証にも用いられる。顔分析用画像は、顔認証用の画像でもある。
【0115】
ステップS22において、認証結果取得部62は、顔分析用画像に基づいて、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔が写る顔画像を生成する。
【0116】
ステップS23において、ゲーム制御部61は、顔画像を解析し、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔の特徴を分析する。
【0117】
例えば、ゲーム制御部61は、それぞれの顔画像を解析することによって、輪郭、目、鼻、口などの、顔の特定の部位の特徴点を検出する。また、ゲーム制御部61は、顔画像におけるユーザの顔の特徴を数値化し、特徴量空間上にマッピングすることによって、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔の系統を特定する。ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔が、カワイイ系、赤ちゃん系、オシャレ系、オトナ系などの複数の系統のうちのいずれかの系統の顔として特定される。
【0118】
ステップS24において、認証結果取得部62は、通信部52を制御し、顔画像を情報処理サーバ2に送信する。顔画像を送信することに応じて、情報処理サーバ2からは認証結果が送信されてくる。5G通信などを用いることにより、低遅延でのやりとりが可能となる。
【0119】
ステップS25において、認証結果取得部62は、認証結果を受信し、ユーザU1とユーザU2のそれぞれの顔IDとリピート判定の結果とを取得する。ユーザU1とユーザU2のうちの少なくともいずれかがリピートユーザであるとして判定された場合、リピートユーザのゲーム情報が認証結果に含めて取得される。ここで取得されたゲーム情報に基づいて、例えば、前回のゲーム時の各種の選択内容が特定される。
【0120】
ステップS26において、ゲーム制御部61は、リピート判定の結果に応じた分析結果画面を撮影用モニタ31Bに表示させる。分析結果画面は、上述したように、ユーザの顔の特徴の分析結果の提示に用いられる画面である。
【0121】
図15は、分析結果画面の例を示す図である。
【0122】
撮影用モニタ31Bに表示される分析結果画面には、表示領域201L,201Rが左右に並べて形成される。表示領域201Lは、カメラ31A(撮影用モニタ31B)に向かって左側に立っているユーザU1の顔の特徴の分析結果の表示領域である。表示領域201Lは、カメラ31Aに向かって左側に立っているユーザU1に割り当てられた領域となる。
【0123】
表示領域201Rは、カメラ31Aに向かって右側に立っているユーザU2の顔の特徴の分析結果の表示領域である。表示領域201Rは、カメラ31Aに向かって右側に立っているユーザU2に割り当てられた領域となる。
【0124】
図15の例においては、ユーザU1の顔の特徴の分析結果が「カワイイ系」であることが表示領域201Lに表示されている。顔の特徴の分析結果の上には、「また撮ってくれてありがとう」のリピートユーザ用のメッセージが女の子のイラストとともに表示されている。
【0125】
一方、図15の例においては、ユーザU2の顔の特徴の分析結果が「赤ちゃん系」であることが表示領域201Rに表示されている。表示領域201Rには、リピートユーザ用のメッセージが表示されていない。すなわち、図15に示す分析結果画面は、図5Aを参照して説明した、ユーザU1がリピートユーザであり、ユーザU2がリピートユーザではない場合に表示される分析結果画面である。
【0126】
このような分析結果画面が表示された後、図14のステップS27において、ゲーム制御部61は、顔診断画面を撮影用モニタ31Bに表示させる。顔診断は、顔の写りの好みに関する質問に対してユーザが答えることによって進められる。質問とともに複数の選択肢がユーザに提示される。顔診断の結果に応じて、顔に施す加工処理などの画像処理の内容が変更される。
【0127】
図16は、顔診断の開始時の表示例を示す図である。
【0128】
顔診断の開始時、図16に示すように、左側に立っている人から診断を行うことを案内するメッセージが表示される。顔診断は1人ずつ行われる。所定の時間が経過した後、顔診断画面の表示は図17に示す表示に切り替わる。
【0129】
この例においては、左側に立っているユーザU1はリピートユーザである。リピートユーザを対象とした顔診断の開始時、顔診断画面には、図17に示すように、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を今回のゲームにも反映させるか否かを問い合わせるメッセージが表示される。メッセージの下には、反映するときに押下されるYESボタン211と、反映させないときに押下されるNOボタン212が表示される。
【0130】
すなわち、情報処理サーバ2から提供されたゲーム情報には、前回のゲームにおける顔診断時にユーザU1が選択していた内容に関する情報が含まれる。ユーザU1は、YESボタン211を押下することにより、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を顔診断結果として利用することができる。ユーザU1は、顔診断に関する選択を省くことができる。
【0131】
また、ユーザU1は、NOボタン212を押下することにより、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を用いないで、リピートユーザではないユーザと同様に、顔の写りに関する選択を行うことができる。
【0132】
顔診断画面の右下には、「撮ったことないよ」の文字を含む誤認証ボタン213が表示される。誤認証ボタン213は、リピートユーザでないユーザに対して図17に示すような画面が表示された場合に押下されるボタンである。誤認証ボタン213が押下された場合、リピートユーザではないユーザを対象とした場合と同様の顔診断が開始される。
【0133】
顔認証エンジン11を用いた顔IDの検出において誤検出が生じた場合、リピートユーザでないユーザに対して図17に示すようなリピートユーザ用の画面が表示されてしまうことがある。リピートユーザではないユーザは、誤認証ボタン213を押下することにより、自分の顔の写りの好みを選択することができる。
【0134】
例えばユーザU1がYESボタン211を押下し、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を顔診断結果として利用することを選択した場合、ユーザU1を対象とした顔診断は終了となる。ユーザU1を対象とした顔診断に続けて、ユーザU2を対象とした顔診断が開始される。ユーザU2を対象とした顔診断の開始時、右側に立っているユーザU2の診断を行うことを案内するメッセージを含む顔診断画面が表示される。所定の時間が経過した後、顔診断画面の表示は図18に示す表示に切り替わる。
【0135】
ここで、右側に立っているユーザU2はリピートユーザではない。リピートユーザではないユーザを対象とした顔診断は、図18に示すような質問に対してユーザU2が答えることによって行われる。
【0136】
図18の顔診断画面の上には、なりたい顔がどのような顔であるのかを問い合わせるメッセージが表示される。メッセージの下には、選択肢としてのボタン221とボタン222が表示される。ユーザU2は、ボタン221またはボタン222を押下することにより、質問に答えることになる。このような質問が内容を変えて複数回繰り返される。
【0137】
リピートユーザであるユーザU1も、図17のNOボタン212を押下することにより、このような顔診断を、前回のゲーム時の顔診断とは別に再度行うことができる。
【0138】
ユーザU1とともにユーザU2もリピートユーザである場合、ユーザU2を対象とした顔診断時にも、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を反映させることを選択できる画面が表示される。ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで、前回のゲーム時の選択内容と同じ内容を反映させることを選択できる画面の表示回数が変更される。
【0139】
図14の説明に戻り、ステップS28において、ゲーム制御部61は、顔診断画面に対するユーザの選択を受け付ける。ステップS27,S28の処理は、それぞれのユーザを対象として行われる。
【0140】
全てのユーザの顔診断が終了した場合、ステップS29において、ゲーム制御部61は、カメラ31Aを制御し、通常撮影を行う。通常撮影は、ユーザに提供される撮影画像を生成するための撮影である。通常撮影は、例えば5回といったように複数回行われる。
【0141】
ステップS30において、ゲーム制御部61は、それぞれのユーザの顔の特徴の分析結果と顔診断結果との組み合わせに対応する顔パラメータに基づいて、撮影画像に写るそれぞれのユーザの顔部分に対して加工処理を施す。顔の特徴の分析結果と顔診断結果との組み合わせに応じた顔パラメータがあらかじめ設定されている。
【0142】
通常撮影によって得られた撮影画像に写るユーザU1の顔部分に対して、ユーザU1の顔の特徴の分析結果とユーザU1の顔診断結果との組み合わせに対応する顔パラメータを用いた加工処理が施される。また、撮影画像に写るユーザU2の顔部分に対して、ユーザU2の顔の特徴の分析結果とユーザU2の顔診断結果との組み合わせに対応する顔パラメータを用いた加工処理が施される。
【0143】
これにより、撮影画像に写るユーザU1の顔の写りは、ユーザU1の顔の特徴の分析結果とユーザU1の顔診断結果に応じた適切な写りとなる。また、撮影画像に写るユーザU2の顔の写りは、ユーザU2の顔の特徴の分析結果とユーザU2の顔診断結果に応じた適切な写りとなる。
【0144】
ステップS31において、ゲーム制御部61は、撮影終了か否かを判定する。撮影終了ではないと判定された場合、ステップS29に戻り、通常撮影が繰り返される。
【0145】
例えば5枚の撮影画像の撮影が行われたことから、撮影終了であるとステップS31において判定された場合、図13のステップS2に戻り、撮影処理は終了となる。撮影処理の後、編集ブースに移動したユーザを対象として編集処理が行われる。
【0146】
・編集画面の表示
図19は、編集画面の例を示す図である。
【0147】
撮影画像の編集時(図13のステップS3)、編集ブースの編集用モニタ41Aには、編集領域301L,301Rが左右に並べて設けられた編集画面が表示される。編集領域301L,301Rの間には、編集対象とする撮影画像の選択に用いられるサムネイル画像の表示領域であるサムネイル表示領域302が設けられる。
【0148】
編集領域301Lは、編集用モニタ41Aに向かって左側に立っているユーザU1によって用いられる領域である。編集領域301Rは、編集用モニタ41Aに向かって右側に立っているユーザU2によって用いられる領域である。
【0149】
編集領域301Lは、編集用モニタ41Aに向かって左側に立っているユーザU1に割り当てられた領域となり、編集領域301Rは、編集用モニタ41Aに向かって右側に立っているユーザU2に割り当てられた領域となる。図20に示すように、ユーザU1とユーザU2が撮影時と同じ立ち位置で編集を行っていることを前提として編集画面が表示される。ユーザU1とユーザU2の立ち位置が図20の立ち位置と反対である場合、編集領域301LをユーザU2が利用し、編集領域301RをユーザU1が利用するように画面表示を変更することも可能とされる。
【0150】
リピートユーザであるユーザU1が用いる編集領域301Lには、編集対象の撮影画像に重ねて、「また撮ってくれてありがとう」のリピートユーザ用のメッセージが表示される。これによっても、ユーザU1は、写真シール作成装置1が自分のことを認識していることに気付き、特別感を得ることができる。
【0151】
図19の例においては表示されていないが、ユーザU2がリピートユーザである場合、ユーザU2が用いる編集領域301Rにも、リピートユーザ用のメッセージが表示される。
【0152】
リピートユーザ用のメッセージの表示は、例えば、編集画面の表示が開始されてから所定の時間が経過したタイミングで消える。
【0153】
このように、編集画面の表示も、ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで変更される。ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで、リピートユーザ用のメッセージの表示位置と、表示されるメッセージの数が変更となる。
【0154】
編集領域301L,301Rの下には、編集パレット303L,303Rがそれぞれ表示される。編集パレット303L,303Rには、ペンツール、スタンプツールなどの各種の編集ツールの選択に用いられるボタンなどが表示される。ユーザU1、ユーザU2は、それぞれ、編集パレット303L,303Rに表示されたボタンなどを、タッチペン41B(図20)を用いて操作し、編集対象の撮影画像に対して編集を施す。編集用モニタ41Aの近くには、ユーザU1用のタッチペン41BとユーザU2用のタッチペン41Bがそれぞれ用意される。
【0155】
編集領域301Lの左側には、ユーザU1用に設定されたおすすめのメイク処理の選択に用いられる領域であるパーソナルカルテ304Lが表示される。パーソナルカルテ304Lには、ユーザU1の顔の特徴の分析結果とユーザU1の顔診断結果との組み合わせに応じたメイク処理の選択に用いられるボタンなどが表示される。メイク処理は、ハイライトを画像処理によって入れたり、アイカラーを画像処理によって入れたりする処理である。
【0156】
編集領域301Rの右側にも同様に、ユーザU2用に設定されたおすすめのメイク処理の選択に用いられるパーソナルカルテ304Rが表示される。パーソナルカルテ304Lには、ユーザU2の顔の特徴の分析結果とユーザU2の顔診断結果との組み合わせに応じたメイク処理の選択に用いられるボタンなどが表示される。
【0157】
撮影画像に対する編集がこのような編集画面を用いて2人のユーザによりそれぞれ行われる。
【0158】
図21は、編集パレット303Lの表示例を示す図である。
【0159】
リピートユーザであるユーザU1が用いる編集パレット303Lの表示に重ねて、リピートユーザ用の情報が表示されるようにしてもよい。図21の例においては、前回のゲーム時に使用したメイク処理の内容と同じ内容を今回のゲームでも反映するか否かを問い合わせるメッセージが表示されている。
【0160】
メッセージの下には、反映するときに押下されるYESボタン321と、反映させないときに押下されるNOボタン322が表示される。また、NOボタン322の右側には、「撮ったことないよ」の文字を含む誤認証ボタン323が表示される。
【0161】
すなわち、この例においては、リピートユーザであるユーザU1は、メイク処理の内容を反映することを選択することができるようになっている。認証結果として情報処理サーバ2から送信されてくるゲーム情報には、前回のゲーム時にユーザU1が選択したメイク処理の内容に関する情報が含まれる。
【0162】
このように、過去のゲームにおける各種の選択内容を表す情報が顔IDと紐付けて管理され、今回のゲーム時に用いられるようにすることが可能である。
【0163】
・情報処理サーバ2の動作
図22のフローチャートを参照して、情報処理サーバ2の動作について説明する。
【0164】
ステップS51において、画像取得部131(図12)は、写真シール作成装置1から送信されてきた顔画像を取得する。
【0165】
ステップS52において、顔認証部132は、画像取得部131により取得された顔画像を顔認証エンジン11に入力し、顔IDを検出する。
【0166】
ステップS53において、判定部133は、ゲーム管理情報DB12に記憶されているゲーム管理情報を参照し、顔認証部132により検出された顔IDと同じ顔IDが登録済みであるか否かを判定することによってリピート判定を行う。
【0167】
ステップS54において、判定部133は、顔認証部132により検出された顔IDと、リピート判定の結果とを含む情報を認証結果として写真シール作成装置1に送信する。
【0168】
ステップS55において、ゲーム情報取得部134は、写真シール作成装置1からゲーム情報が送信されてきたか否かを判定し、ゲーム情報が送信されてくるまで待機する。
【0169】
写真シール作成装置1からゲーム情報が送信されてきたとステップS55において判定した場合、ステップS56において、ゲーム情報取得部134は、写真シール作成装置1から送信されてきたゲーム情報をゲーム管理情報に含めてゲーム管理情報DB12に登録する。
【0170】
このように、顔IDがゲーム管理情報に含めて管理され、リピート判定に用いられるようにすることが可能である。
【0171】
顔分析撮影によって得られた画像を用いた顔認証が失敗した場合(顔IDの検出ができない場合)、ユーザが実際にはリピートユーザであったとしても、写真シール作成装置1のゲームが、リピートユーザではないユーザを対象としたときと同様にして進められるようにすることが可能である。
【0172】
顔認証が失敗する原因には、例えば、写り方が悪く、画像から顔が認識できない場合と、写真シール作成装置1-情報処理サーバ2間の通信にエラーが生じた場合とが考えられる。いずれの場合にも、写真シール作成装置1のゲームは、リピートユーザではないユーザを対象としたときと同様にして進められる。
【0173】
<変形例>
・顔認証に用いる画像の例
顔認証用の画像(顔分析用画像)の撮影が撮影処理の開始時に行われ、ユーザに提供されることがない画像を用いて顔認証が行われるものとしたが、通常撮影によって得られた撮影画像に基づいて顔認証が行われるようにしてもよい。通常撮影に得られた撮影画像は、シール紙に印刷して、または画像管理サーバ経由でデータとして、ユーザに提供される画像である。
【0174】
図23は、顔認証を行うタイミングの例を示す図である。
【0175】
ユーザU1とユーザU2が撮影ブースに入った後、撮影ブースに設けられた撮影用モニタ31Bにはライブビュー画像が表示される。ライブビュー画像の表示から一定の時間が経過した後、1回目の撮影が行われ、1回目の撮影によって得られた静止画像である撮影画像P1に基づいて顔認証が行われる。撮影画像P1から抽出された顔画像が情報処理サーバ2に対して送信される。
【0176】
また、2回目の撮影が行われ、2回目の撮影によって得られた撮影画像P2に基づいて顔認証が行われる。このように、撮影が行われる毎に顔認証が繰り返される。最後の撮影である例えば5回目の撮影によって得られた撮影画像P5に基づいて顔認証が行われたとき、撮影とともに、顔認証も終了となる。
【0177】
顔の向きなどによっては、1回の顔認証で顔IDを検出できない場合がある。また、ユーザU1と一緒に利用しているユーザU2だけが写っている状態で撮影が行われる場合もある。顔認証が繰り返し行われることにより、それぞれのユーザのリピート判定の精度を高めることが可能となる。
【0178】
図24は、顔認証を行うタイミングの他の例を示す図である。
【0179】
図24に示すように、顔認証が、全ての撮影が終了した後に、5回の撮影によって得られた5枚の撮影画像に基づいて行われるようにしてもよい。5回目の撮影が終了した場合、撮影画像P1乃至P5のそれぞれから抽出された顔画像が情報処理サーバ2に対して送信され、それぞれの顔画像に基づいて顔認証が行われる。
【0180】
例えば、5回の顔認証のうち、あるユーザの顔IDとして所定の顔IDが3回検出され、それとは異なる顔IDが2回検出された場合、3回検出された前者の顔IDが、そのユーザの顔IDとして割り当てられる。多く検出された顔IDが、いわば多数決的に用いられることにより、リピート判定の精度を高めることが可能となる。
【0181】
顔認証エンジン11の入力として用いられる顔画像に写る顔の状態に基づいて、顔IDの信頼度が算出されるようにしてもよい。顔の大きさ、顔の向き、表情などの顔の状態を表すパラメータに基づいて、顔IDの信頼度が算出される。例えば、正面を向いている顔が大きく写っている顔画像を用いて検出された顔IDは、横を向いている顔が写っている顔画像を用いて検出された顔IDや、小さい顔が写っている顔画像を用いて検出された顔IDより信頼度が高い顔IDとなる。
【0182】
この場合、例えば、閾値以上の信頼度が算出された顔IDを用いてリピート判定などが行われる。
【0183】
顔IDの信頼度の情報が認証結果に含めて情報処理サーバ2から写真シール作成装置1に提供され、ゲームの内容の制御に用いられるようにしてもよい。メッセージの内容が変化したり、メッセージの大きさが変化したりするといったように、リピートユーザとして判定されたユーザに提示されるリピートユーザ用の情報が、リピート判定に用いられた顔IDの信頼度に基づいて変更される。
【0184】
例えば、信頼度が閾値より高い顔IDに基づいてリピートユーザであると判定されたユーザに対しては、上述したように「また撮ってくれてありがとう」のメッセージが提示される。一方、信頼度が閾値より低い顔IDに基づいてリピートユーザであると判定されたユーザに対しては、「前も撮ってくれたかな?」などの、内容が異なるメッセージが提示される。
【0185】
これにより、顔IDの信頼度、すなわち、リピート判定の信頼度に応じたメッセージの提示が可能となる。
【0186】
・顔認証エンジンの例
上述したように、顔認証エンジン11は、顔画像を入力とし、固有の顔IDを出力とする画像処理エンジンである。顔認証エンジン11が出力可能な顔IDの数(分類可能な顔の数)には限界がある。図25に示すように、それぞれの筐体用の顔認証エンジン、機種用の顔認証エンジン、店舗用の顔認証エンジン、店舗がある地域用の顔認証エンジンなどの、写真シール作成装置の属性毎の顔認証エンジンが情報処理サーバ2に用意されるようにしてもよい。
【0187】
図25に示す顔認証エンジン11-1A乃至11-1Cは、それぞれ異なる筐体用の顔認証エンジンである。どの顔認証エンジンを顔認証に用いるのかは、例えば、顔画像を送信してきた写真シール作成装置1の筐体IDに基づいて特定される。
【0188】
顔認証エンジン11-2A乃至11-2Cは、それぞれ異なる機種用の顔認証エンジンである。どの顔認証エンジンを顔認証に用いるのかは、例えば、顔画像を送信してきた写真シール作成装置1の機種に応じた機種IDに基づいて特定される。
【0189】
顔認証エンジン11-3A乃至11-3Cは、それぞれ異なる店舗用の顔認証エンジンである。どの顔認証エンジンを顔認証に用いるのかは、例えば、顔画像を送信してきた写真シール作成装置1が設置された店舗の店舗IDに基づいて特定される。
【0190】
顔認証エンジン11-4A乃至11-4Cは、それぞれ異なる地域用の顔認証エンジンである。どの顔認証エンジンを顔認証に用いるのかは、例えば、顔画像を送信してきた写真シール作成装置1が設置された店舗がある地域に応じた地域IDに基づいて特定される。
【0191】
顔認証エンジンが写真シール作成装置の属性毎に用意されることにより、分類可能な顔の数を増やすことができ、リピート判定の精度を高めることが可能となる。
【0192】
顔認証によって検出された顔IDが、ユーザが携帯するスマートフォンのBluetooth(登録商標) IDなどの識別情報と紐付けて管理されるようにしてもよい。スマートフォンの識別情報は例えばゲーム管理情報に含めて管理される。
【0193】
写真シール作成装置1は、ユーザのスマートフォンのBluetooth(登録商標) IDをゲームの開始時に取得し、顔画像とともに情報処理サーバ2に送信する。情報処理サーバ2においては、顔画像を顔認証エンジン11に入力することによって検出した顔IDが、写真シール作成装置1から送信されてきたBluetooth IDにゲーム管理情報において紐付けられている顔IDと同じ顔IDである場合、ユーザがリピートユーザであると判定する。
【0194】
スマートフォンの識別情報を用いることにより、リピート判定の精度を高めることが可能となる。
【0195】
図26に示すように、顔認証エンジン11とゲーム管理情報DB12が写真シール作成装置1に設けられるようにしてもよい。これにより、写真シール作成装置1は、自身の筐体を利用するユーザのリピート判定を自ら行うことが可能となる。
【0196】
顔認証エンジン11が写真シール作成装置1に設けられ、ゲーム管理情報DB12が情報処理サーバ2に設けられるようにしてもよい。反対に、顔認証エンジン11が情報処理サーバ2に設けられ、ゲーム管理情報DB12が写真シール作成装置1に設けられるようにしてもよい。このように、情報処理サーバ2が有する図12の機能部のうちの少なくともいずれかを写真シール作成装置1側に設けるようにすることが可能である。
【0197】
・リピート判定の例
リピートユーザの判定期間が設定されるようにしてもよい。1日、1週間、1ヶ月間、1年間などの、所定の期間が判定期間として設定される。前回のゲームの利用時から判定期間が経過する前にゲームを再度利用したユーザが、リピートユーザとして判定される。
【0198】
これにより、前回のゲームの利用時から長い期間が経過したユーザのことをリピートユーザとして判定してしまうことを防ぐことが可能となる。
【0199】
ゲーム管理情報に基づいてリピート回数が特定されるようにしてもよい。同じ顔IDを含むゲーム管理情報が例えば3つ登録されている場合、その顔IDのユーザは3回目のリピートユーザであると判定される。
【0200】
リピート回数と、ゲーム管理情報に含まれるゲーム利用日時とを組み合わせて用いることにより、「今日は3回目だね」などの、リピート回数に応じたメッセージをリピートユーザ用の情報として提示することが可能となる。
【0201】
ゲーム利用日時を用いることにより、「今日も撮ってくれてありがとう」などの、より詳しい利用状況に応じたメッセージを、前日もゲームを利用していたユーザに対してリピートユーザ用の情報として提示することが可能となる。
【0202】
このように、ゲーム管理情報に含まれる各種の情報に基づいてゲームの内容が変更されるようにすることが可能である。
【0203】
・ゲームの変更の例1
ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とでゲームの内容が変更されるものとしたが、ゲームの内容が属性情報に応じてさらに変更されるようにしてもよい。例えば、ユーザの年齢に応じて、選択できるメイクの種類が変更されるようにしてもよいし、加工処理などの各種の画像処理に用いられるパラメータが変更されるようにしてもよい。
【0204】
髪の毛の色、カラーコンタクトレンズの装着の有無、メイクの有無などの、性別と年齢以外の情報が顔画像に基づいて推定され、属性情報として管理されるようにしてもよい。
【0205】
・ゲームの変更の例2
ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザであるとして判定された場合、さらに、そのユーザが、過去に一緒に利用していたユーザであるか否かが判定されるようにしてもよい。
【0206】
例えば、ユーザU1とユーザU2がゲームを一緒に利用したことがある場合、情報処理サーバ2のゲーム管理情報DB12には、ユーザU1の顔IDとユーザU2の顔IDの組み合わせを含むゲーム管理情報が登録される。顔IDの組み合わせに基づいて、過去に一緒に利用していたリピートユーザであるか否かの判定も可能となる。同じ友達同士で利用することが多いから、同じ顔IDの組み合わせを含むゲーム管理情報が複数登録される。
【0207】
ゲームを一緒に利用しているユーザが、過去に一緒に利用していたリピートユーザであるとして判定された場合、ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合や、ゲームを一緒に利用しているユーザの中にリピートユーザが含まれる場合とは異なる内容のゲームが提供される。例えば、「前にも一緒に遊んでいたね」といったメッセージが、ゲームを一緒に利用している友達のユーザ全員に向けて提示される。
【0208】
ゲームを一緒に利用しているリピートユーザは、写真シール作成装置1が自分達のことを認識していることに気付き、特別感を得ることができる。
【0209】
・ゲームの変更の例3
ゲーム管理情報のゲーム情報に撮影時の立ち位置に関する情報が含まれている場合、ゲームを一緒に利用しているリピートユーザに対して、前回のゲーム時の立ち位置に関する情報が提示されるようにしてもよい。
【0210】
図27は、立ち位置に関する情報の提示の例を示す図である。
【0211】
図27の左側に示すように、前回のゲーム時に、ユーザU1がカメラ31Aに向かって左側に立ち、ユーザU2がカメラ31Aに向かって右側に立って撮影を行っていた場合、ゲーム管理情報のゲーム情報として、そのことを表す情報が登録される。ゲーム管理情報には、ユーザU1の顔IDとユーザU2の顔IDの組み合わせも含まれる。
【0212】
この状態において、ユーザU1とユーザU2が写真シール作成装置1のゲームを再度利用した場合、今回のゲームのリピート判定において、ユーザU1とユーザU2がゲームを一緒に利用していたリピートユーザであるとして判定される。
【0213】
図27の右側に示すように、今回のゲームにおいて、ユーザU1がカメラ31Aに向かって右側に立ち、ユーザU2がカメラ31Aに向かって左側に立って撮影を行っている場合、写真シール作成装置1のゲーム制御部61は、情報処理サーバ2から送信されてきたゲーム情報に含まれる立ち位置の情報に基づいて、ユーザU1とユーザU2の立ち位置が前回の立ち位置と反対であることを特定する。ゲーム制御部61は、ユーザU1とユーザU2の立ち位置が前回の立ち位置と反対であることを特定した場合、そのことを表すメッセージをユーザU1とユーザU2に向けて提示する。
【0214】
これにより、ユーザU1とユーザU2は、前回のゲームの撮影時の立ち位置と反対であることに気付き、立ち位置を入れ替えることができる。同じ友達同士で撮影する場合、それぞれの立ち位置が決まっていることが多い。立ち位置に関する情報が提示されることにより、前回のゲーム時に撮影した画像の構図と同じ構図の画像を撮影することができる。
【0215】
前回の立ち位置と反対である場合ではなく、立ち位置に関する情報が、ユーザU1とユーザU2が一緒に利用している場合に常に提示されるようにしてもよい。この場合、「前回は左側に立っていたよ」などのメッセージがユーザU1に向けて提示され、「前回は右側に立っていたよ」などのメッセージがユーザU2に向けて提示される。
【0216】
立ち位置に関する情報の提示は、例えば、ユーザU1とユーザU2が一緒に利用している場合に行われる。ユーザU1がユーザU2とは異なる友達と一緒に利用している場合や、ユーザU2がユーザU1とは異なる友達と一緒に利用している場合には、立ち位置に関する情報の提示は行われない。ユーザU1がユーザU2とは異なる友達と一緒に利用している場合や、ユーザU2がユーザU1とは異なる友達と一緒に利用している場合においても、立ち位置に関する情報の提示が行わるようにしてもよい。
【0217】
・その他
ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合、ゲームの進め方に関するガイダンスが省略されたり、簡略化されたりするようにしてもよい。通常、ゲーム中の各タイミングで、そのときの作業の内容などを案内するガイダンスが提示される。
【0218】
ゲームを一緒に利用しているユーザの全員がリピートユーザである場合と、リピートユーザではないユーザが含まれる場合とで、ガイダンスの提示が変更されることになる。これにより、ゲーム時間を短縮することが可能となる。
【0219】
ユーザの認証が顔に基づいて行われるものとしたが、虹彩、指紋などの他の生体情報に基づいて行われるようにしてもよい。ユーザによって入力されたIDなどの情報に基づいてユーザの認証が行われるようにしてもよい。
【0220】
・プログラムについて
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0221】
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図11に示されるリムーバブルメディア111に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0222】
コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0223】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0224】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0225】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0226】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0227】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0228】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0229】
1 写真シール作成装置, 2 情報処理サーバ, 11 顔認証エンジン, 12 ゲーム管理情報DB, 13 店舗設置情報DB, 51 制御部, 61 ゲーム制御部, 62 認証結果取得部, 121 情報処理部, 131 画像取得部, 132 顔認証部, 133 判定部, 134 ゲーム情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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