(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040791
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】操舵装置
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20230315BHJP
H02K 5/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B62D5/04
H02K5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147952
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春永 政宏
【テーマコード(参考)】
3D333
5H605
【Fターム(参考)】
3D333CB02
3D333CB19
3D333CB21
3D333CC14
3D333CC47
3D333CD04
3D333CD05
3D333CD06
3D333CD07
3D333CD09
3D333CD21
3D333CD23
3D333CE03
3D333CE06
3D333CE09
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC03
5H605DD05
5H605DD09
5H605EA19
5H605GG06
(57)【要約】
【課題】より簡単な構造の操舵装置を提供すること。
【解決手段】操舵装置は、第1ハウジングおよび第2ハウジングを有するラックハウジングと、軸方向の一方側の第1部位および軸方向の他方側の第2部位がラックハウジングに固定されるモータと、を備える。第1ハウジングは、第1フランジを有し、第2ハウジングは、第1フランジに固定される第2フランジを有する。モータの第2部位は、第1フランジおよび第2フランジに固定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1ハウジングおよび第2ハウジングを有するラックハウジングと、
軸方向の一方側の第1部位および軸方向の他方側の第2部位が前記ラックハウジングに固定されるモータと、を備え、
前記第1ハウジングは、
前記ラックハウジングにおける前記第1方向の一方側に配置され、且つ、前記第1方向の他方側の端部に第1フランジが設けられ、
前記第2ハウジングは、
前記第1ハウジングに対して前記第1方向の他方側に隣接して配置され、且つ、前記第1方向の一方側の端部に設けられて前記第1フランジに固定される第2フランジを有し、
前記モータの前記第2部位は、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される、
操舵装置。
【請求項2】
前記モータの前記第2部位は、
1つの固定部材を介して、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される、
請求項1に記載の操舵装置。
【請求項3】
前記モータの前記第2部位は、当該モータから突出する一対の第3フランジおよび第4フランジであり、
前記第3フランジおよび前記第4フランジは、前記第1フランジの前記第1方向の一方側に配置される、
請求項1または2に記載の操舵装置。
【請求項4】
前記第1フランジと前記第4フランジとの隙間にシムプレートが配置される、
請求項3に記載の操舵装置。
【請求項5】
前記モータの前記第2部位は、当該モータから突出する一対の第3フランジおよび第4フランジであり、
前記第3フランジおよび前記第4フランジは、前記第2フランジの前記第1方向の他方側に配置される、
請求項1または2に記載の操舵装置。
【請求項6】
前記第2フランジと前記第3フランジとの隙間にシムプレートが配置される、
請求項5に記載の操舵装置。
【請求項7】
前記モータは、
固定子および回転子を有するモータ本体と、
前記固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給するコントローラと、を備え、
前記第3フランジおよび前記第4フランジは、ブラケットを介して、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定され、
前記ブラケットの一端は、第1締結部材を介して前記第3フランジおよび前記第4フランジに締結され、
前記ブラケットの他端は、第2締結部材を介して前記第1フランジおよび前記第2フランジに締結される、
請求項3から6のいずれか1項に記載の操舵装置。
【請求項8】
前記モータは、
固定子および回転子を有するモータ本体と、
前記固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給するコントローラと、
前記コントローラに設けられる開口部を塞ぐカバーと、を備え、
前記第2部位は、
前記コントローラに設けられる第5フランジと、
前記カバーに設けられる第6フランジと、を有し、
前記第5フランジおよび前記第6フランジは、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される、
請求項3から6のいずれか1項に記載の操舵装置。
【請求項9】
前記モータの前記第2部位は、当該モータから突出し、且つ、貫通孔を有する一対の第3フランジおよび第4フランジであり、
前記第1フランジおよび前記第2フランジには、貫通孔が設けられ、
前記第3フランジおよび前記第4フランジの前記貫通孔には、筒状のスリーブが嵌合され、
前記第1フランジおよび前記第2フランジの前記貫通孔には、ピンが挿入され、
当該ピンの先端部が前記スリーブの内周に圧入される、
請求項1に記載の操舵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操舵装置が開示される。当該操舵装置は、ラックハウジングと、モータと、取付ブラケットと、を備える。ラックハウジングは、車幅方向に延び、端部にはフランジが設けられる。モータは、ラックハウジングに沿って延びる。つまり、モータの軸方向は、車幅方向に沿っている。モータは稼働時に振動するため、モータの軸方向の一端および他端を固定する場合がある。特許文献1では、モータにおける軸方向の一端は、ラックハウジングのフランジに固定され、モータにおける軸方向の他端は、取付ブラケットを介して、ラックハウジングの側面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013112776号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、前述のように、モータにおける軸方向の他端は、取付ブラケットを介してラックハウジングの側面に固定される。このように、特許文献1では、モータにおける軸方向の他端をラックハウジングに固定するために別途の取付部材が必要となり、操舵装置の構造が複雑になる可能性がある。
【0005】
本開示は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、より簡単な構造の操舵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、一態様に係る操舵装置は、第1方向に延びる第1ハウジングおよび第2ハウジングを有するラックハウジングと、軸方向の一方側の第1部位および軸方向の他方側の第2部位が前記ラックハウジングに固定されるモータと、を備え、前記第1ハウジングは、前記ラックハウジングにおける前記第1方向の一方側に配置され、且つ、前記第1方向の他方側の端部に第1フランジが設けられ、前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングに対して前記第1方向の他方側に隣接して配置され、且つ、前記第1方向の一方側の端部に設けられて前記第1フランジに固定される第2フランジを有し、前記モータの前記第2部位は、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される。
【0007】
前述したように、特許文献1の操舵装置では、モータにおける軸方向の他端は、取付ブラケットを介してラックハウジングの側面に固定されるため、操舵装置の構造が複雑になる。
【0008】
本開示に係るラックハウジングは、2つの第1ハウジングおよび第2ハウジングを有し、第1フランジと第2フランジとが固定される。そして、モータの第2部位は、第1フランジおよび第2フランジに固定される。
【0009】
このように、本開示によれば、すでに設置されている第1フランジおよび第2フランジを有効利用して、モータの軸方向の他方側を固定する。即ち、特許文献1では、モータを固定するための別途の取付ブラケットが必要となるが、本開示では、別途の部品が不要であるため、本開示によれば、より簡単な構造の操舵装置を提供することができる。
【0010】
望ましい態様として、前記モータの前記第2部位は、1つの固定部材を介して、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される。
【0011】
このように、本開示では、第2部位を固定する固定部材と、第1フランジおよび第2フランジを固定する固定部材と、を共通にしている。従って、本開示によれば、さらに簡単な構造の操舵装置を提供することができる。
【0012】
望ましい態様として、前記モータの前記第2部位は、当該モータから突出する一対の第3フランジおよび第4フランジであり、前記第3フランジおよび前記第4フランジは、前記第1フランジの前記第1方向の一方側に配置される。前記第1フランジと前記第4フランジとの隙間にシムプレートが配置される。
【0013】
また、前記モータの前記第2部位は、当該モータから突出する一対の第3フランジおよび第4フランジであり、前記第3フランジおよび前記第4フランジは、前記第2フランジの前記第1方向の他方側に配置されている。前記第2フランジと前記第3フランジとの隙間にシムプレートが配置される。
【0014】
これらによれば、前記第1フランジと前記第4フランジとの間または前記第2フランジと前記第3フランジとの間に隙間がある場合でも、当該隙間にシムプレートを挿入することにより、当該隙間を低減することが可能となる。
【0015】
モータフランジと、第1フランジまたは第2フランジと、の間に隙間があると、モータフランジと第1フランジまたは第2フランジとが固定部材を介して固定される力が低下する可能性がある。しかし、シムプレートを隙間に挿入することによって当該隙間が小さくなるため、固定部材で固定される力の低下が抑制される。
【0016】
望ましい態様として、前記モータは、固定子および回転子を有するモータ本体と、前記固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給するコントローラと、を備え、前記モータフランジは、前記モータ本体に設けられる第3フランジと、前記コントローラに設けられる第4フランジと、を有し、前記第3フランジおよび前記第4フランジは、ブラケットを介して、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定され、前記ブラケットの一端は、第1締結部材を介して前記第3フランジおよび前記第4フランジに締結され、前記ブラケットの他端は、第2締結部材を介して前記第1フランジおよび前記第2フランジに締結される。
【0017】
このように、ブラケットを用いた場合でも、すでに設置されている第1フランジおよび第2フランジを有効利用して、モータの軸方向の他方側をラックハウジングに固定することができる。なお、第1締結部材は、第3フランジおよび第4フランジ同士を締結する際に用いており、第2締結部材は、第1フランジおよび第2フランジ同士を締結する際に用いている。このため、新たな締結部材を追加する必要がない。
【0018】
望ましい態様として、前記モータは、固定子および回転子を有するモータ本体と、前記固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給するコントローラと、前記コントローラに設けられる開口部を塞ぐカバーと、を備え、前記モータフランジは、前記コントローラに設けられる第5フランジと、前記カバーに設けられる第6フランジと、を有し、前記第5フランジおよび前記第6フランジは、前記第1フランジおよび前記第2フランジに固定される。これによれば、すでに設置されている第1フランジおよび第2フランジを有効利用して、モータの軸方向の他方側をラックハウジングに固定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、より簡単な構造の操舵装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る操舵装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3の一部を側方から見た模式図であり、フランジ間の隙間にシムプレートを挿入した図である。
【
図7】
図7は、モータをラックハウジングに取り付ける第1ステップを示す模式図である。
【
図8】
図8は、モータをラックハウジングに取り付ける第2ステップを示す模式図である。
【
図9】
図9は、モータをラックハウジングに取り付ける第3ステップを示す模式図である。
【
図10】
図10は、変形例に係る操舵装置の一部を示す模式図であり、
図4に対応する図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係る操舵装置の一部を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、同一構造の部位には同一符号を付けて、説明を省略する。以下、XYZ直交座標を説明する。X軸に沿う方向をX方向とする。X方向は、例えば車両の車幅方向である。X1側は、X2側の反対である。X1側は例えば車幅方向の左側であり、X2側は例えば車幅方向の右側である。Y軸は、X軸に直交する。Y軸に沿う方向をY方向とする。Y方向は、例えば車両の前後方向である。Y1側は、Y2側の反対である。Y1側は例えば車両の後側であり、Y2側は例えば車両の前側である。Z軸は、X軸およびY軸に直交する。Z軸に沿う方向をZ方向とする。Z方向は、例えば車両の上下方向である。Z1側は、Z2側の反対である。Z1側は例えば上下方向の上側であり、Z2側は例えば上下方向の下側である。なお、X方向を第1方向、X1側を第1方向の一方側、X2側を第1方向の他方側とも呼ぶ。
【0022】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。
図2は、第1実施形態に係る操舵装置を示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、電動パワーステアリング装置80は、ステアリングホイール81と、第1ステアリングシャフト82と、第2ステアリングシャフト83と、操舵装置100と、タイロッド86と、を備える。本実施形態の電動パワーステアリング装置80は、例えばいわゆるデュアルピニオンタイプのステアリング装置である。また、
図1および
図2に示すように、操舵装置100は、操舵ピニオン軸84と、ラック軸85と、アシストピニオン軸1と、ウォームホイール2と、ウォームシャフト3と、モータ110と、ラックハウジング4と、を備える。
【0024】
図1に示すように、ステアリングホイール81は、第1ステアリングシャフト82に連結され、第1ステアリングシャフト82は、ユニバーサルジョイント821を介して第2ステアリングシャフト83に連結される。第2ステアリングシャフト83は、ユニバーサルジョイント831を介して操舵ピニオン軸84に連結される。操舵ピニオン軸84の下端部の外周には、ピニオン歯841が形成される。
【0025】
図1および
図2に示すように、ラック軸85は、X方向に延びる。換言すると、ラック軸85の中心軸AX1は、X方向に延びる。つまり、ラック軸85は、中心軸AX1の軸方向に延び、且つ、中心軸AXに沿う方向に並進可能である。X方向は、例えば車両の車幅方向である。ラック軸85の部位のうちX2側の外周には、ラック歯851が設けられ、ラック軸85の部位のうちX1側の外周には、ラック歯852が設けられる。ラック歯851は、操舵ピニオン軸84のピニオン歯841と噛み合う。ラック歯852は、アシストピニオン軸1のピニオン歯1aと噛み合う。ラック軸85のX1側およびX2側の両端部は、タイロッド86を介して車輪101に連結される。
【0026】
また、
図2に示すように、第1ハウジング41のX1側の端部には、マウント部材103が設けられ、第2ハウジング42のX2側の端部には、マウント部材105が設けられる。マウント部材103、105は、車体に取り付けられる。マウント部材103は、上側(Z1側)および下側(Z2側)に上下一対に設けられる。マウント部材103には、貫通孔が設けられ、当該貫通孔の内方には円筒状のラバーブッシュ103bが嵌合され、ラバーブッシュ103bの径方向中央部には挿通孔103aが貫通する。マウント部材105は、上側(Z1側)および下側(Z2側)に上下一対に設けられる。マウント部材105には、貫通孔が設けられ、当該貫通孔の内方には円筒状のラバーブッシュ105bが嵌合され、ラバーブッシュ105bの径方向中央部には挿通孔105aが貫通する。挿通孔103a、105aにそれぞれ締結部材(例えばボルト)を挿入して当該締結部材を車体に締結することにより、第1ハウジング41および第2ハウジング42が車体に取り付けられる。
【0027】
図1および
図2に示すように、ラックハウジング4は、X方向(第1方向)に延びる。ラックハウジング4は、第1ハウジング41と、第2ハウジング42と、に分割されている。つまり、第1ハウジング41はX1側に位置し、第2ハウジング42はX2側に位置し、互いに連結されることによってラックハウジング4が構成される。
【0028】
第2ハウジング42は、第2ラック軸収容部422と、第2フランジ421と、操舵ピニオン軸収容部5と、マウント部材105と、が一体成形されたハウジングである。以下、具体的に説明する。
【0029】
図2に示すように、第2ラック軸収容部422は、ラック軸85におけるX2側の部位85bを収容する。マウント部材105は、第2ラック軸収容部422におけるX2側の端部に設けられる。第2フランジ421は、第2ラック軸収容部422におけるX1側の端部に設けられる。第2フランジ421は、中心軸AX1の径方向外側に延びるフランジである。操舵ピニオン軸収容部5は、操舵ピニオン軸84を収容する。操舵ピニオン軸84の中心軸AX2は、ラック軸85の中心軸AX1と交差して上方に向けて延びている。
【0030】
図2に示すように、操舵ピニオン軸収容部5は、第2ラック軸収容部422と一体成型される。操舵ピニオン軸収容部5の上側(Z1側)には、トルク検出装置ハウジング54が取り付けられる。トルク検出装置ハウジング54の内部には、トルク検出装置が収容される。トルク検出装置は、例えば、磁気式トルクセンサまたは光学式トルクセンサ等の種々のセンサが適用可能である。操舵ピニオン軸84は、トルク検出装置ハウジング54の上面よりも上側(Z1側)に突出している。操舵ピニオン軸84は、中心軸AX2の軸方向に延びる。以上説明した第2ラック軸収容部422と、第2フランジ421と、操舵ピニオン軸収容部5と、マウント部材105と、が一体成形されて第2ハウジング42となる。
【0031】
図2に示すように、第1ハウジング41の第1フランジ411と、第2ハウジング42の第2フランジ421とは、ボルトを介して固定される。これにより、第1ハウジング41と第2ハウジング42とが連結される。これについては、詳細に後述する。
【0032】
図1および
図2に示すように、第1ハウジング41は、第1ラック軸収容部412と、アシストピニオン軸収容部440と、ウォームホイール収容部413と、ウォームシャフト収容部419と、マウント部材103と、が一体成形されたハウジングである。以下、具体的に説明する。
【0033】
第1ラック軸収容部412は、ラック軸85におけるX1側の部位85aを収容する。マウント部材103は、第1ラック軸収容部412におけるX1側の端部に設けられる。第1フランジ411は、第1ラック軸収容部412におけるX2側の端部に設けられる。第1フランジ411は、中心軸AX1の径方向外側に延びるフランジである。アシストピニオン軸収容部440は、アシストピニオン軸1を収容する。アシストピニオン軸1は、
図1に示すように、Z2側の端部にピニオン歯1aを有し、Z1側の端部にウォームホイール2を有する。ウォームホイール収容部413には、ウォームホイール2が収容される。ウォームホイール収容部413は、開口部を有し、当該開口部は、蓋部材414で封止される。ウォームシャフト収容部419は、ウォームシャフト3を収容する。ウォームシャフト収容部419は、本体部430と、モータ取付フランジ45と、を有する。なお、ウォームシャフト3の中心軸は、中心軸AX3である。
【0034】
次に、モータ110について説明する。
図2および
図3に示すように、モータ110は、モータ本体120と、コントローラ130と、カバー140と、を備える。
図2に示すように、モータ110における軸方向の一方側には、フランジ111(第1部位)が設けられる。フランジ111(第1部位)は、モータ取付フランジ45にボルトを介して締結される。なお、後述するように、モータ110における軸方向の他方側には、取付フランジ122、132(第2部位)が設けられる。取付フランジ122、132(第2部位)は、第1フランジ411および第2フランジ421にボルトを介して締結される。
【0035】
モータ本体120は、後述する
図7に示す固定子125および回転子126を有し、固定子125に対して回転子126が回転する。出力軸(モータシャフト)127は、回転子126に接続され、回転子126と共に回転可能である。出力軸127の先端には、
図1に示すウォームシャフト3が嵌合する。コントローラ130は、モータ本体120の動作を制御し、前記固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給する。即ち、例えば、コントローラ130は、操舵トルク及び車速に基づいて補助操舵指令値を算出し、補助操舵指令値に基づいてモータ本体120へ供給する電力値を調節する。コントローラ130のX2側には、開口部が設けられ、当該開口部は、カバー140で封止される。次に、モータ本体120、コントローラ130およびカバー140の固定構造について説明する。
【0036】
図3および
図6に示すように、円筒状のモータ本体120におけるX2側の端部には、3つの取付フランジ(第3フランジ、モータフランジ)121、122、123が設けられる。なお、
図6に示すように、取付フランジ(第3フランジ、モータフランジ)121、122、123は、モータ本体120の円筒状の側面に、周方向に等間隔をおいて3つ配置される。取付フランジ121、122、123は、モータ本体120の側面から径方向外側に突出する。取付フランジ121、122、123は、中心軸AX3の軸方向から見て略三角形状である。
【0037】
図3および
図6に示すように、コントローラ130におけるX1側の端部には、3つの取付フランジ(第4フランジ、モータフランジ)131、132、133が設けられる。具体的には、
図6に示すように、取付フランジ(第4フランジ、モータフランジ)131、132、133は、コントローラ130の円筒状の側面に、周方向に等間隔をおいて3つ配置される。取付フランジ131、132、133は、コントローラ130の側面から径方向外側に突出する。取付フランジ131、132、133は、中心軸AX3の軸方向から見て略三角形状である。取付フランジ131、132、133は、中心軸AX3の軸方向から見て取付フランジ121、122、123と重なる。具体的には、取付フランジ131と取付フランジ121とが重なり、取付フランジ132と取付フランジ122とが重なり、取付フランジ133と取付フランジ123とが重なる。そして、取付フランジ131と取付フランジ121とは、ボルトBL1で締結される。具体的には、取付フランジ131には、ボルトBL1が貫通する貫通孔(図示せず)が設けられ、取付フランジ121には、ボルトBL1の先端の雄ねじに噛み合う雌ねじが設けられる。これにより、ボルトBL1を取付フランジ131の貫通孔に挿入したのち、取付フランジ121の雌ねじにボルトBL1の雄ねじを噛み合わせることによって、取付フランジ131と取付フランジ121とは、ボルトBL1で締結される。なお、取付フランジ133および取付フランジ123も、同様にボルトBL1で締結される。
【0038】
図3および
図6に示すように、コントローラ130におけるX2側の端部には、3つの取付フランジ(第5フランジ)134、135、136が設けられる。具体的には、
図6に示すように、取付フランジ(第5フランジ)134、135、136は、コントローラ130の円筒状の側面に、周方向に等間隔をおいて3つ配置される。取付フランジ134、135、136は、コントローラ130の側面から径方向外側に突出する。取付フランジ134、135、136は、中心軸AX3の軸方向から見て略三角形状である。
【0039】
図3および
図6に示すように、カバー140には、3つの取付フランジ(第6フランジ、モータフランジ)141、142、143が設けられる。具体的には、
図6に示すように、取付フランジ(第6フランジ、モータフランジ)141、142、143は、カバー140の側面に、周方向に等間隔をおいて3つ配置される。取付フランジ141、142、143は、カバー140の側面から径方向外側に突出する。取付フランジ141、142、143は、中心軸AX3の軸方向から見て略三角形状である。取付フランジ141、142、143は、中心軸AX3の軸方向から見て取付フランジ134、135、136と重なる。具体的には、取付フランジ141と取付フランジ134とが重なり、取付フランジ142と取付フランジ135とが重なり、取付フランジ143と取付フランジ136とが重なる。そして、取付フランジ141と取付フランジ134とは、ボルトBL2で締結される。具体的には、取付フランジ141には、ボルトBL2が貫通する貫通孔(図示せず)が設けられ、取付フランジ134には、ボルトBL2の先端の雄ねじに噛み合う雌ねじが設けられる。これにより、ボルトBL2を取付フランジ141の貫通孔に挿入したのち、取付フランジ134の雌ねじにボルトBL2の雄ねじを噛み合わせることによって、取付フランジ141と取付フランジ134とは、ボルトBL2で締結される。なお、取付フランジ142と取付フランジ135、取付フランジ143と取付フランジ136も、同様にボルトBL2で締結される。
【0040】
次に、
図3を参照して、第1ハウジング41と第2ハウジング42との連結について説明する。
図3に示すように、第1ハウジング41の第1フランジ411と、第2ハウジング42の第2フランジ421とは、ボルトBL3、BL4を介して固定されることにより、第1ハウジング41と第2ハウジング42とが連結される。
【0041】
図3および
図6に示すように、第1フランジ411と第2フランジ421とは、中心軸AX3の軸方向から見て重なる。第1フランジ411および第2フランジ421は、径方向外側に突出する突出部が3つずつ設けられる。具体的には、第1フランジ411は、第1突出部411a、第2突出部411bおよび第3突出部411cを有する。第1突出部411a、第2突出部411bおよび第3突出部411cは、周方向に沿って等間隔に配置される。第2フランジ421は、第1突出部421a、第2突出部421bおよび第3突出部421cを有する。第1突出部421a、第2突出部421bおよび第3突出部421cは、周方向に沿って等間隔に配置される。第2突出部411bと第2突出部421b、および、第3突出部411cと第3突出部421cは、ボルトBL3を介して締結される。具体的には、第2突出部421bには、ボルトBL3が貫通する貫通孔(図示せず)が設けられ、第2突出部411bには、ボルトBL3の先端の雄ねじに噛み合う雌ねじが設けられる。これにより、ボルトBL3を第2突出部421bの貫通孔に挿入したのち、第2突出部411bの雌ねじにボルトBL3の雄ねじを噛み合わせることによって、第2突出部421bと第2突出部411bとは、ボルトBL3で締結される。なお、第3突出部411cと第3突出部421cも、同様にボルトBL3で締結される。
【0042】
次に、モータ本体120の取付フランジ122と、コントローラ130の取付フランジ132と、第1ハウジング41の第1突出部411aと、第2ハウジング42の第1突出部421aの締結について説明する。
図4に示すように、第1突出部421aには、ボルトBL4が貫通する貫通孔421dが設けられ、第1突出部411aには、ボルトBL4が貫通する貫通孔411dが設けられる。また、取付フランジ132には、ボルトBL4が貫通する貫通孔132aが設けられる。そして、取付フランジ122には、ボルトBL4の先端の雄ねじに噛み合う雌ねじが設けられる。これにより、ボルトBL4を、貫通孔421d、貫通孔411d、貫通孔132aに挿入したのち、取付フランジ122の雌ねじ122AaにボルトBL4の雄ねじを噛み合わせることによって、モータ本体120の取付フランジ122と、コントローラ130の取付フランジ132と、第1ハウジング41の第1突出部411aと、第2ハウジング42の第1突出部421aとは、1つのボルト(固定部材)BL4で締結される。なお、
図5に示すように、第1フランジ411と取付フランジ132(第4フランジ)との隙間にシムプレート300を挿入して当該隙間を低減させてもよい。シムプレート300には、貫通孔300aが設けられ、貫通孔300aには、ボルトBL4が挿入されている。
【0043】
次に、モータ110を組み付ける手順を
図7から
図9を参照して説明する。
図7は、モータをラックハウジングに取り付ける第1ステップを示す模式図である。
図8は、モータをラックハウジングに取り付ける第2ステップを示す模式図である。
図9は、モータをラックハウジングに取り付ける第3ステップを示す模式図である。
【0044】
まず、
図7に示すように、モータ110を矢印に示すX1側に向けて移動する。このとき、取付フランジ122、132は、Y2側(
図7の紙面の手前側)に位置しているため、取付フランジ122、132は、第1突出部411aおよび第1突出部421aと干渉しないで移動できる。次いで、
図8の矢印に示すように、モータ110を回転させ、
図9に示すように、取付フランジ122、132を第1突出部411aおよび第1突出部421aと対向させる。その後、前述したように、ボルトBL4を用いて、取付フランジ122、132と第1突出部411aおよび第1突出部421aとを締結する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る操舵装置100は、X方向(第1方向)に延びる第1ハウジング41および第2ハウジング42を有するラックハウジング4と、X1側(軸方向の一方側)のフランジ111(第1部位)およびX2側(軸方向の他方側)の取付フランジ(第2部位)122、132がラックハウジング4に固定されるモータ110と、を備える。第1ハウジング41は、ラックハウジング4におけるX1側(第1方向の一方側)に配置され、且つ、X2側(第1方向の他方側)の端部に第1フランジ411が設けられる。第2ハウジング42は、第1ハウジング41に対してX2側(第1方向の他方側)に隣接して配置され、且つ、X1側(第1方向の一方側)の端部に設けられて第1フランジ411に固定される第2フランジ421を有する。モータ110の取付フランジ(第2部位)122、132は、第1フランジ411および第2フランジ421に固定される。
【0046】
前述したように、特許文献1の操舵装置では、モータにおける軸方向の他端は、取付ブラケットを介してラックハウジングの側面に固定されるため、操舵装置の構造が複雑になる。
【0047】
本実施形態に係るラックハウジング4は、2つの第1ハウジング41および第2ハウジング42を有し、第1フランジ411と第2フランジ421とが固定される。そして、モータ110の取付フランジ(第2部位)122、132は、第1フランジ411および第2フランジ421に固定される。
【0048】
このように、本実施形態によれば、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定する。即ち、特許文献1では、モータを固定するための別途の取付ブラケットが必要となるが、本実施形態では、別途の部品が不要であるため、本実施形態によれば、より簡単な構造の操舵装置を提供することができる。
【0049】
また、モータ110の取付フランジ(第2部位)122、132は、ボルトBL4(1つの固定部材)を介して、第1フランジ411および第2フランジ421に固定される。
【0050】
このように、取付フランジ(第2部位)122、132同士を固定するボルト(固定部材)と、第1フランジ411および第2フランジ421を固定するボルト(固定部材)と、を共通にしている。従って、本実施形態によれば、さらに簡単な構造の操舵装置を提供することができる。
【0051】
第1フランジ411と取付フランジ132(第4フランジ)との隙間にシムプレートを挿入して当該隙間を低減させてもよい。
【0052】
フランジ同士の間に隙間があると、ボルト(固定部材)を締め付けた後の締結力が低下する可能性がある。しかし、シムプレートを隙間に挿入することによって当該隙間が低減され、ボルト(固定部材)による締結力が向上する。
【0053】
なお、図示していないが、コントローラ130に設けられる取付フランジ(第5フランジ)134、135、136と、カバーに設けられる取付フランジ141、142、143(第6フランジ)と、を第1フランジ411および第2フランジ421に固定してもよい。これによれば、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定することができる。
【0054】
[変形例]
次に、変形例について説明する。
図10は、変形例に係る操舵装置の一部を示す模式図であり、
図4に対応する図である。変形例においては、第1実施形態に対して、取付フランジ122、132と第1突出部411a、421aとの軸方向の位置が異なる。具体的には、第1実施形態においては、
図4に示すように、取付フランジ122、132は、第1突出部411a、421aのX1側に配置している。しかし、変形例では、
図10に示すように、取付フランジ122、132は、第1突出部411a、421aのX2側に配置している。取付フランジ132には、ボルトBL4が貫通する貫通孔132aが設けられる。取付フランジ122には、ボルトBL4が貫通する貫通孔122aが設けられる。第1突出部421aには、ボルトBL4が貫通する貫通孔421dが設けられる。そして、第1突出部411aには、ボルトBL4の先端の雄ねじに噛み合う雌ねじ411Adが設けられる。これにより、ボルトBL4を、貫通孔132a、貫通孔122a、貫通孔421dに挿入したのち、雌ねじ411AdにボルトBL4の雄ねじを噛み合わせることによって、モータ本体120の取付フランジ122と、コントローラ130の取付フランジ132と、第1ハウジング41の第1突出部411aと、第2ハウジング42の第1突出部421aとは、1つのボルト(固定部材)BL4で締結される。
【0055】
以上説明したように、取付フランジ122、132は、第1突出部411a、421aのX2側に配置している場合であっても、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定することができる。なお、
図10に示す第1突出部421aと取付フランジ122との間に隙間がある場合は、シムプレート300(
図5参照)を当該隙間に挿入して隙間を低減してもよい。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態に係る操舵装置の一部を示す模式図であり、
図4および
図10に対応する図である。第2実施形態においては、取付フランジ122(第3フランジ、モータフランジ)、取付フランジ(第4フランジ、モータフランジ)132は、ブラケット200を介して、第1突出部411a、421aに固定される。ブラケット200は、モータ固定部202と、連結部201と、ラック固定部203と、を有する。モータ固定部202は、Z方向に延び、貫通孔204を有する。モータ固定部202は、取付フランジ132のX2側に配置される。ラック固定部203は、Z方向に延び、貫通孔205を有する。ラック固定部203は、第1突出部421aのX2側に配置される。連結部201は、X方向に延びて、モータ固定部202とラック固定部203とを連結する。ボルトBL5(第1締結部材)を貫通孔204、貫通孔132aに挿入し、雌ねじ122AdにボルトBL5の雄ねじを噛み合わせる。また、ボルトBL6(第2締結部材)を貫通孔205、貫通孔421dに挿入し、雌ねじ411AdにボルトBL6の雄ねじを噛み合わせる。これにより、ブラケット200の一端202aは、ボルトBL5(第1締結部材)を介して取付フランジ122、132に締結され、ブラケット200の他端203aは、ボルトBL6(第2締結部材)を介して、第1フランジ411および第2フランジ421に締結される。
【0057】
以上説明したように、モータ110は、固定子および回転子を有するモータ本体120と、固定子および回転子の少なくとも一方に電力を供給するコントローラ130と、を備える。モータフランジは、モータ本体120に設けられる取付フランジ122(第3フランジ)と、コントローラ130に設けられる取付フランジ132(第4フランジ)と、を有する。取付フランジ122(第3フランジ)および取付フランジ132(第4フランジ)は、ブラケット200を介して、第1フランジ411および第2フランジ421に固定される。ブラケット200の一端202aは、ボルトBL5(第1締結部材)を介して取付フランジ122(第3フランジ)および取付フランジ132(第4フランジ)に締結され、ブラケット200の他端203aは、ボルトBL6(第2締結部材)を介して第1フランジ411および第2フランジ421に締結される。
【0058】
このように、本実施形態では、ブラケット200を用いた場合でも、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定することができる。なお、ボルトBL5(第1締結部材)は、取付フランジ122(第3フランジ)および取付フランジ132(第4フランジ)同士を締結する際に用いており、ボルトBL6(第2締結部材)は、第1フランジ411および第2フランジ421同士を締結する際に用いている。このため、新たなボルト(締結部材)を追加する必要がない。
【0059】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図12は、第3実施形態に係る操舵装置の一部を示す模式図であり、
図4、
図10および
図11に対応する図である。第3実施形態は、第2実施形態に対して、ブラケット210が相違する。以下、簡単に説明する。第3実施形態においては、取付フランジ122(第3フランジ、モータフランジ)、取付フランジ(第4フランジ、モータフランジ)132は、ブラケット210を介して、第1突出部411a、421aに固定される。ブラケット210は、モータ固定部212と、連結部211と、ラック固定部213と、を有する。モータ固定部212は、Z方向に延び、貫通孔214を有する。モータ固定部212は、取付フランジ132のX2側に配置される。ラック固定部213は、Z方向に延び、貫通孔215を有する。ラック固定部213は、第1突出部421aのX1側に配置される。連結部211は、X方向に延びて、モータ固定部212とラック固定部213とを連結する。ボルトBL5(第1締結部材)を貫通孔214、貫通孔132aに挿入し、雌ねじ122AdにボルトBL5の雄ねじを噛み合わせる。また、ボルトBL7(第2締結部材)を貫通孔215、貫通孔411dに挿入し、雌ねじ421AdにボルトBL7の雄ねじを噛み合わせる。これにより、ブラケット210の一端212aは、ボルトBL5(第1締結部材)を介して取付フランジ122、132に締結され、ブラケット210の他端213aは、ボルトBL7(第2締結部材)を介して、第1フランジ411および第2フランジ421に締結される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、ブラケット210を用いた場合でも、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定することができる。なお、ボルトBL5(第1締結部材)は、取付フランジ122(第3フランジ)および取付フランジ132(第4フランジ)同士を締結する際に用いており、ボルトBL7(第2締結部材)は、第1フランジ411および第2フランジ421同士を締結する際に用いている。このため、新たなボルト(締結部材)を追加する必要がない。
【0061】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図13は、第4実施形態に係る操舵装置の一部を示す模式的な断面図である。第4実施形態においては、ピン220と、弾性を有するスリーブ230と、を用いて、取付フランジ122、132を第1突出部411a、421aに固定する。以下に説明する。ピン220は、頭部224と、拡径フランジ部223と、大径部222と、小径部221と、を有する。小径部221は、先端部とも称する。拡径フランジ部223の径は、頭部224、大径部222および小径部221よりも大きい。大径部222は、小径部221よりも径が大きい。大径部222におけるX1側の外周は雄ねじ部222aに形成される。スリーブ230は、例えば樹脂であり、弾性を有する。スリーブ230は、筒部231と、フランジ部232と、を有する。フランジ部232は、筒部231におけるX2側の端から径方向外側に延びる。取付フランジ122には貫通孔122aが設けられ、取付フランジ132には貫通孔132Aaが設けられる。スリーブ230は、貫通孔132Aaおよび貫通孔122aに嵌まっている。また、ピン220の小径部221は、スリーブ230の内周230aに嵌まっている。具体的には、スリーブ230が、貫通孔132Aaおよび貫通孔122aに嵌まっている状態では、スリーブ230の内周230aの内径は、小径部221の外径よりも小さい。従って、スリーブ230の内周230aに、X1側に向けて小径部221を押し込むと、小径部221はスリーブ230の内周230aから径方向内側に向けて圧力が掛かった状態で、小径部221(先端部)がスリーブ230の内周230aに圧入される。なお、ピン220の大径部222は、第1突出部421aの貫通孔421dに挿入され、また、雄ねじ部222aは、第1突出部411aの雌ねじ411Adに噛み合っている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態では、ピン220およびスリーブ230を用いて、取付フランジ122および取付フランジ132を、第1フランジ411および第2フランジ421に固定する。従って、本実施形態によっても、すでに設置されている第1フランジ411および第2フランジ421を有効利用して、モータ110の軸方向の他方側を固定することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 アシストピニオン軸
1a ピニオン歯
2 ウォームホイール
3 ウォームシャフト
4 ラックハウジング
5 操舵ピニオン軸収容部
41 第1ハウジング
42 第2ハウジング
45 モータ取付フランジ
54 トルク検出装置ハウジング
80 電動パワーステアリング装置
81 ステアリングホイール
82 第1ステアリングシャフト
83 第2ステアリングシャフト
84 操舵ピニオン軸
85 ラック軸
85a、85b 部位
86 タイロッド
100 操舵装置
101 車輪
103、105 マウント部材
103a、105a 挿通孔
103b、105b ラバーブッシュ
110 モータ
111 フランジ(第1部位)
120 モータ本体
121、123 取付フランジ
122 取付フランジ(第2部位、第3フランジ、モータフランジ)
122Aa 雌ねじ
122Ad 雌ねじ
130 コントローラ
131、133 取付フランジ
132 取付フランジ(第2部位、第4フランジ、モータフランジ)
132a 貫通孔
132Aa 貫通孔
134、135、136 取付フランジ(第2部位、第5フランジ、モータフランジ)
140 カバー
141、142、143 取付フランジ(第2部位、第6フランジ、モータフランジ)
200 ブラケット
201 連結部
202 モータ固定部
202a 一端
203 ラック固定部
203a 他端
204 貫通孔
205 貫通孔
210 ブラケット
211 連結部
212 モータ固定部
212a 一端
213 ラック固定部
213a 他端
220 ピン
221 小径部(先端部)
222 大径部
222a 雄ねじ部
223 拡径フランジ部
224 頭部
230 スリーブ
231 筒部
230a 内周
232 フランジ部
300 シムプレート
300a 貫通孔
411 第1フランジ
411a 第1突出部
411Ad 雌ねじ
411b 第2突出部
411c 第3突出部
411d 貫通孔
412 第1ラック軸収容部
413 ウォームホイール収容部
414 蓋部材
419 ウォームシャフト収容部
421 第2フランジ
421a 第1突出部
421Ad 雌ねじ
421b 第2突出部
421c 第3突出部
421d 貫通孔
422 第2ラック軸収容部
430 本体部
440 アシストピニオン軸収容部
821 ユニバーサルジョイント
831 ユニバーサルジョイント
841 ピニオン歯
851、852 ラック歯
AX1、AX2、AX3 中心軸
BL1、BL2、BL3 ボルト
BL4 ボルト(固定部材)
BL5 ボルト(第1締結部材)
BL6 ボルト(第2締結部材)
BL7 ボルト(第2締結部材)