(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000408
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】キーボード装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20221222BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
G06F1/16 312U
G06F1/16 312Q
G06F1/16 313C
G06F1/16 312E
G06F1/16 312G
H05K5/02 V
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101191
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 康史
(72)【発明者】
【氏名】大西 益生
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB16
4E360AB42
4E360AB62
4E360BA02
4E360BB02
4E360BB12
4E360BB22
4E360CA02
4E360EA14
4E360ED04
4E360GA46
4E360GB46
4E360GC02
(57)【要約】
【課題】デバイスの転倒を防止できるキーボード装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】キーボード装置は、第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する中間部と、前記第1の端部に設けられた第1のヒンジと、前記第2の端部に設けられた第2のヒンジと、前記第1のヒンジに回転可能に取り付けられ、画像を表示可能なデバイスに取り付けられることが可能なドッキング部と、第1の面と、前記第1の面に設けられた複数のキーと、を有し、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた、キーボード部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する中間部と、
前記第1の端部に設けられた第1のヒンジと、
前記第2の端部に設けられた第2のヒンジと、
前記第1のヒンジに回転可能に取り付けられ、画像を表示可能なデバイスに取り付けられることが可能なドッキング部と、
第1の面と、前記第1の面に設けられた複数のキーと、を有し、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた、キーボード部と、
を備えるキーボード装置。
【請求項2】
前記ドッキング部は、前記デバイスの第3の端部に取り付けられることが可能であり、
前記キーボード部は、前記第3の端部の反対側に位置する前記デバイスの第4の端部が嵌合可能な第1の溝が前記第1の面に設けられ、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた第5の端部と、前記第5の端部の反対側に位置する第6の端部と、を有し、
前記第1の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち一方に設けられる、
請求項1に記載のキーボード装置。
【請求項3】
前記キーボード部は、前記デバイスの前記第4の端部が嵌合可能な第2の溝が前記第1の面に設けられ、
前記第2の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち他方に設けられる、
請求項2に記載のキーボード装置。
【請求項4】
前記中間部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置し、前記第1の面に向くことが可能な第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第2の面及び前記第3の面に開口する貫通口が設けられた、請求項1~3のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項5】
前記ドッキング部に設けられるとともに前記デバイスに電気的に接続可能なコネクタと、前記コネクタと前記キーボード部とを電気的に接続する配線部と、を有する電気接続部、
をさらに備える、請求項1~4のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項6】
前記ドッキング部は、前記デバイスと接続可能な第1の端子と、外部接続機器と接続可能な第2の端子と、を有し、前記第1の端子に接続された前記デバイスと前記第2の端子に接続された前記外部接続機器とを電気的に接続可能である、請求項1~5のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項に記載のキーボード装置と、前記デバイスと、を備える電子機器。
【請求項8】
前記第1のヒンジは、前記ドッキング部と当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記中間部に対する前記ドッキング部のトルクに対し、前記中間部と前記ドッキング部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有し、
前記第2のヒンジは、前記中間部、前記ドッキング部、及び当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記キーボード部に対する前記中間部のトルクに対し、前記キーボード部と前記中間部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有する、
請求項7に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボード装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タブレットのようなデバイスと、当該デバイスに着脱可能なキーボード装置と、を備えるタブレットパーソナルコンピューター(タブレットPC)が知られている。タブレットは、指や専用ペンによる入力が可能である。一方、タブレットPCのキーボード装置は、タブレットを保護するためのカバーとなるとともに、キーボードによるタブレットへの入力が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のタブレットPCのキーボード装置は、タブレットのようなデバイスを90°より大きく開いた時に、デバイスの重心がキーボードの後方にある。そのため、デバイスが後方に転倒することがある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、デバイスの転倒を防止できるキーボード装置及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るキーボード装置は、第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する中間部と、前記第1の端部に設けられた第1のヒンジと、前記第2の端部に設けられた第2のヒンジと、前記第1のヒンジに回転可能に取り付けられ、画像を表示可能なデバイスに取り付けられることが可能なドッキング部と、第1の面と、前記第1の面に設けられた複数のキーと、を有し、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた、キーボード部と、を備える。
【0007】
前記キーボード装置では、前記ドッキング部は、前記デバイスの第3の端部に取り付けられることが可能であり、前記キーボード部は、前記第3の端部の反対側に位置する前記デバイスの第4の端部が嵌合可能な第1の溝が前記第1の面に設けられ、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた第5の端部と、前記第5の端部の反対側に位置する第6の端部と、を有し、前記第1の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち一方に設けられる。
【0008】
前記キーボード装置では、前記キーボード部は、前記デバイスの前記第4の端部が嵌合可能な第2の溝が前記第1の面に設けられ、前記第2の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち他方に設けられる。
【0009】
前記キーボード装置では、前記中間部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置し、前記第1の面に向くことが可能な第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第2の面及び前記第3の面に開口する貫通口が設けられる。
【0010】
前記キーボード装置は、前記ドッキング部に設けられるとともに前記デバイスに電気的に接続可能なコネクタと、前記コネクタと前記キーボード部とを電気的に接続する配線部と、を有する電気接続部、をさらに備える。
【0011】
前記キーボード装置では、前記ドッキング部は、前記デバイスと接続可能な第1の端子と、外部接続機器と接続可能な第2の端子と、を有し、前記第1の端子に接続された前記デバイスと前記第2の端子に接続された前記外部接続機器とを電気的に接続可能である。
【0012】
本発明の第2態様に係る電子機器は、前記キーボード装置と、前記デバイスと、を備える。
【0013】
前記キーボード装置では、前記第1のヒンジは、前記ドッキング部と当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記中間部に対する前記ドッキング部のトルクに対し、前記中間部と前記ドッキング部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有し、前記第2のヒンジは、前記中間部、前記ドッキング部、及び当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記キーボード部に対する前記中間部のトルクに対し、前記キーボード部と前記中間部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、デバイスの転倒を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態の電子機器の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の電子機器の側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のキーボード装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の前溝にタブレットが嵌合した電子機器の斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の前溝にタブレットが嵌合した電子機器の断面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の後溝にタブレットが嵌合した電子機器の斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態の後溝にタブレットが嵌合した電子機器の断面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態のキーボード装置のドッキング部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
以下、実施形態に係るキーボード装置及び電子機器を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電子機器1の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る電子機器1の側面図である。本実施形態の電子機器1は、タブレットPCであり、キーボード装置2と、タブレット3とを備える。なお、電子機器1は、この例に限られない。タブレット3は、デバイスの一例である。しかしながら、デバイスは、これに限定されず、例えばスマートフォン又は電子ノートであっても良い。
【0018】
キーボード装置2は、例えば、タブレット3への入力が可能なキーボード21と、タブレット3を保護するカバー22と、第1のヒンジ23と、第2のヒンジ24と、ドッキング部25と、電気接続部26と、を有する装置である。キーボード21は、キーボード部の一例であり、カバー22は、中間部の一例である。
【0019】
タブレット3は、例えば、情報処理、画像の表示、音声の入出力、通信、その他種々の機能を実現可能なデバイスである。タブレット3は、キーボード装置2に着脱可能に取り付けられる。
【0020】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、キーボード21の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、キーボード21の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、キーボード21の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。
【0021】
図1、2に示すように、タブレット3は、当該タブレット3の長手方向がY方向と略一致するように、キーボード装置2に取り付けられる。このため、以下の記載は、タブレット3の長手方向がY方向と一致するものとして説明される。なお、タブレット3は、キーボード装置2から取り外されることで、他の向きに配置されることができる。
【0022】
各図では、便宜上、タブレット3の短手方向がDw、タブレット3の厚さ方向がDtとして定義される。短手方向Dw及び厚さ方向Dtは、キーボード装置2に対するタブレット3の傾き(開き角度)によって変わる。
図1の例では、短手方向DwがZ方向に対して斜めに傾いており、厚さ方向DtがX方向に対して斜めに傾いている。なお、短手方向Dw及び厚さ方向Dtは、この例に限られない。
【0023】
タブレット3は、筐体31と、表示装置32と、を有する。タブレット3は、例えば、筐体31に収容される基板、CPU、メモリ、及び他の部品をさらに有する。
【0024】
筐体31は、例えば、金属製であり、略矩形(四角形)の薄い箱状に形成される。筐体31は、上端部311と、下端部312と、右端部313と、左端部314と、前面315と、背面316とを有する。上端部311は、第3の端部の一例であり、下端部312は、第4の端部の一例である。
【0025】
上端部311は、短手方向Dwにおける筐体31の一方の端部である。
図1の例では、上端部311は、筐体31の上方向(+Z方向)における端部である。下端部312は、短手方向Dwにおける筐体31の他方の端部である。すなわち、下端部312は、上端部311の反対側に位置する。
【0026】
右端部313は、Y方向における筐体31の一方の端部である。左端部314は、Y方向における筐体31の他方の端部である。なお、上端部311、下端部312、右端部313、及び左端部314は、筐体31の端部であるとともに、タブレット3の端部でもある。前面315は、厚さ方向Dtの一方向に向く。背面316は、前面315の反対側に位置し、厚さ方向Dtの他方向に向く。
【0027】
表示装置32は、前面315から筐体31の外部へ向く表示画面321を有する。タブレット3の表示装置32は、表示画面321に画像を表示可能である。また、表示装置32は、タッチパネルを有する。このため、ユーザーは、表示画面321へのタッチ操作によりタブレット3を操作することができる。
【0028】
図3は、本実施形態に係るキーボード装置2の斜視図である。
図3に示すように、キーボード21は、上面211と、上面211の反対側に位置する底面212と、を有する。上面211及び底面212は、いずれもZ方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。上面211は、第1の面の一例である。
【0029】
上面211は、上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面211には、タブレット3への入力手段である複数のキー213と、前溝214と、後溝215と、が設けられている。なお、上面211には、タッチパネル式のディスプレイに表示されるキー、いわゆるオンスクリーンキーボード(On Screen Keyboard)が設けられても良い。前溝214は、第2の溝の一例であり、後溝215は、第1の溝の一例である。
【0030】
キーボード21は、前方向(+X方向)における当該キーボード21の端部である前端部21aと、前端部21aの反対側に位置する後端部21bと、を有する。前端部21aは、第6の端部の一例であり、後端部21bは、第5の端部の一例である。
【0031】
図3に示すキーボード21には、前端部21aと複数のキー213との間の位置と、後端部21bと複数のキー213との間の位置とに、前溝214と後溝215が設けられる。
【0032】
本実施形態では、一例として、上面211の前端部21aと複数のキー213との間の位置に前溝214が設けられ、上面211の複数のキー213と後端部21bとの間の位置に後溝215が設けられている。前溝214及び後溝215は、上面211から下方向(-Z方向)に凹んでおり、左右方向(Y方向)に延びている。
【0033】
図4は、本実施形態に係る前溝214にタブレット3が嵌合した電子機器1の斜視図である。
図5は、本実施形態に係る前溝214にタブレット3が嵌合した電子機器1の断面図である。
図4、5に示すように、前溝214は、キーボード装置2にタブレット3が接続された状態において、タブレット3の下端部312と嵌合可能である。
【0034】
図6は、本実施形態に係る後溝215にタブレット3が嵌合した電子機器1の斜視図である。
図7は、本実施形態に係る後溝215にタブレット3が嵌合した電子機器1の断面図である。
【0035】
図6、7に示すように、後溝215は、キーボード装置2にタブレット3が接続された状態において、タブレット3の下端部312と嵌合可能である。後溝215にタブレット3が嵌合した状態では、タブレット3による操作とキーボード21による操作の両方が可能である。
【0036】
なお、本実施形態では、前溝214及び後溝215が一つずつ設けられているが、複数の前溝214及び後溝215が上面211の前端部21aと複数のキー213との間の位置及び上面211の複数のキー213と後端部21bとの間の位置に設けられても良い。
【0037】
図3に示すように、カバー22は、第1支持部221と、第2支持部222と、内面223と、外面224とを有する。第1支持部221は、第1の端部の一例である。第2支持部222は、第2の端部の一例である。内面223は、第2の面の一例である。外面224は、第3の面の一例である。カバー22は、キーボード装置2に接続されたタブレット3が閉じられた場合、タブレット3を覆い、保護カバーとしても機能する。
【0038】
第1支持部221は、例えばカバー22がZY平面に沿って延びるように配置される場合、上方向(+Z方向)におけるカバー22の端部である。第1支持部221には、第1のヒンジ23が設けられている。
【0039】
第2支持部222は、第1支持部221の反対側に位置する。第2支持部222は、例えばカバー22がZY平面に沿って延びるように配置される場合、下方向(-Z方向)におけるカバー22の端部である。第2支持部222には、第2のヒンジ24が設けられている。第2のヒンジ24に、キーボード21の後端部21bが回転可能に取り付けられている。本実施形態では、キーボード21は、カバー22の左右方向(Y方向)に延びる回転軸まわりに回転可能に、第2のヒンジ24に結合されている。
【0040】
内面223は、第1支持部221と第2支持部222との間に位置する。内面223は、例えばカバー22がZY平面に沿って延びるように配置される場合、前方向(+X方向)に向く。内面223は、タブレット3がカバー22に沿って配置される場合、タブレット3の背面316を支持可能である。内面223は、カバー22が閉じられた場合、キーボード21の上面211に向くことが可能である。
【0041】
カバー22は、内面223の左右方向(Y方向)の端部と第1支持部221とから突出する複数の突出部223aを有する。突出部223aは、キーボード装置2にタブレット3が接続される場合、内面223に支持されるタブレット3と嵌合し、タブレット3を保持する。例えば、複数の突出部223aの内側にタブレット3が配置され、突出部223aがタブレット3の上端部311、右端部313、及び左端部314を保持する。
【0042】
外面224は、内面223の反対側に位置する。外面224は、例えばカバー22がZY平面に沿って延びるように配置される場合、後方向(-X方向)に向く。
【0043】
カバー22に、複数の貫通口225が設けられる。貫通口225は、内面223及び外面224に開口している。本実施形態では、三つの多角形状の貫通口225がカバー22に設けられる。二つの貫通口225は、左右方向(Y方向)におけるカバー22の端部226から窪む略台形状の切り欠きである。また、一つの貫通口225は、第1支持部221の突出部223a近傍に設けられる。なお、貫通口225の数、形状、及び開口位置は適宜変更されても良い。
【0044】
図8は、本実施形態に係るキーボード装置2のドッキング部25の斜視図である。
図1、3、8に示すように、ドッキング部25は、タブレット3の上端部311に取り付けられることが可能であり、キーボード装置2とタブレット3を連結するものである。ドッキング部25は、カバー22の第1支持部221に設けられた第1のヒンジ23に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、ドッキング部25は、カバー22の左右方向(Y方向)に延びる回転軸まわりに回転可能に、第1のヒンジ23に結合されている。
【0045】
ドッキング部25は、支持面251と、複数の支持突起252と、タブレット3と接続可能な第1の端子253と、外部接続機器4と接続可能な第2の端子254と、
図1に示す磁石255と、を有する。支持面251は、キーボード装置2にタブレット3が接続される場合、タブレット3の筐体31の上端部311を支持する。
【0046】
支持突起252は、タブレット3を支持するためのものである。例えば、支持突起25252は、支持面251から突出し、タブレット3の上端部311に設けられた溝と嵌合することによってタブレット3を支持する。なお、本実施形態では、二つの支持突起252が設けられているが、支持突起252の数や形状は適宜変更されても良い。もしくは、支持突起252が設けられなくても良い。
【0047】
第1の端子253は、キーボード装置2とタブレット3をUSB接続するための端子(プラグ)である。第1の端子253は、支持面251から突出している。第1の端子253は、キーボード装置2にタブレット3が接続されると、タブレット3の上端部311に設けられた端子317に接続され、タブレット3と接続される。
【0048】
第2の端子254は、タブレット3と外部接続機器4とをUSB接続するための端子(ソケット)である。外部接続機器4は、例えばUSBメモリのようなUSB接続可能な機器である。
【0049】
第2の端子254の近傍は、カバー22に覆われておらず、外部に露出している。また、第2の端子254は、カバー22の左右方向(Y方向)において、第1の端子253と若干ずれた位置に設けられる。
【0050】
第1の端子253と第2の端子254とは、例えば、互いに電気的に接続される。このため、第2の端子254に接続された外部接続機器4は、第1の端子253及び第2の端子254を介して、タブレット3に電気的に接続される。
【0051】
図1に示すように、磁石255は、ドッキング部25に内在している。すなわち、磁石255は、ドッキング部25に設けられている。磁石255は、例えば、タブレット3に設けられた磁石319と、磁力によって引き合い、ドッキング部25とタブレット3とを固定する。これにより、磁石255は、キーボード装置2にタブレット3が接続された時に、ドッキング部25からタブレット3が外れることを防ぐ。なお、磁石255がドッキング部25に設けられなくても良いし、爪のような形状の突起が磁石255の代わりにドッキング部25に設けられても良い。
【0052】
電気接続部26は、キーボード装置2とタブレット3を電気的に接続可能とするためのものである。
図3に示すように、電気接続部26は、コネクタ261と、配線部262と、を有する。
【0053】
コネクタ261は、ドッキング部25に設けられ、タブレット3をキーボード21に電気的に接続可能である。例えば、コネクタ261は、支持面251から突出する複数の端子である。コネクタ261が、タブレット3の上端部311に設けられた端子318に接触することで、コネクタ261は、タブレット3に電気的に接続される。
【0054】
配線部262は、キーボード21とコネクタ261を電気的に接続するためのものである。配線部262は、キーボード21、カバー22及びドッキング部25の内部に配線された回路を有し、キーボード21とコネクタ261を接続する。コネクタ261がタブレット3に電気的に接続されると、配線部262は、タブレット3をキーボード21に電気的に接続する。
【0055】
コネクタ261がキーボード装置2にタブレット3を接続している場合、キーボード21を介してタブレット3への文字入力やタブレット3からキーボード21への給電が可能である。なお、キーボード21とタブレット3との接続は、無線接続でも良い。
【0056】
以上のように、キーボード装置2は、キーボード21と、カバー22と、第1支持部221に設けられた第1のヒンジ23と、第2支持部222に設けられた第2のヒンジ24と、第1のヒンジ23に回転可能に取り付けられ、タブレット3に取り付けられることが可能なドッキング部25と、を有する。
【0057】
本実施形態のキーボード装置2にタブレット3が接続される場合、例えば、タブレット3は、ドッキング部25とともに第1のヒンジ23まわりに回転する。また、タブレット3は、カバー22及びドッキング部25とともに第2のヒンジ24まわりに回転する。
【0058】
図2に示すように、タブレット3の回転により、当該タブレット3の重心Gは、キーボード21の前後方向(X方向)において、キーボード21の内側に配置されることが可能である。言い換えると、タブレット3の重心Gは、X方向において、キーボード21の前端部21aと後端部21bとの間に配置されることが可能である。これにより、本実施形態のキーボード装置2は、タブレット3の重心Gがキーボード21からはみ出さず、タブレット3が後方に転倒することを防止できる。
【0059】
第1のヒンジ23は、ドッキング部25と当該ドッキング部25に取り付けられたタブレット3との自重によるカバー22に対するドッキング部25のトルクに対し、カバー22とドッキング部25との相対的な位置を保持可能な抵抗を有する。また、第2のヒンジ24は、カバー22、ドッキング部25、当該ドッキング部25に取り付けられたタブレット3との自重によるキーボード21に対するカバー22のトルクに対し、キーボード21とカバー22との相対的な位置を保持可能な抵抗を有する。
【0060】
第1のヒンジ23及び第2のヒンジ24の上記トルクにより、キーボード装置2は、タブレット3の重心Gを、X方向におけるキーボード21の内側に保持することが可能である。また、キーボード装置2は、上記トルクにより、キーボード21に対するカバー22の角度と、カバー22に対するタブレット3の角度と、を維持することが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、キーボード21は、タブレット3の下端部312が嵌合可能な後溝215が、上面211の複数のキー213と後端部21bとの間の位置に設けられている。後溝215にタブレット3の下端部312を嵌合させることで、タブレット3は、キー213による文字入力が可能な状態で、通常よりも強い力での指やペンの操作を受けることが可能となる。
【0062】
例えば、
図7に示すように、キーボード21は、後溝215の側面215aを有する。側面215aは、後溝215に嵌合したタブレット3の背面316に向く。指やペンの操作を受けたタブレット3は、後方向(-X方向)に押される。しかし、側面215aは、タブレット3の背面316を支持することで、タブレット3の移動及び回動を抑制できる。
【0063】
また、本実施形態では、キーボード21は、タブレット3の下端部312が嵌合可能な前溝214が、上面211の前端部21aと複数のキー213との間の位置に設けられている。これにより、タブレット3及びカバー22は、キーボード21の前後方向において互いに離間した位置でキーボード21に支持される。従って、タブレット3は、通常よりも強い力での指やペンの操作を受けることが可能となる。
【0064】
例えば、
図5に示すように、キーボード21は、前溝214の側面214aを有する。側面214aは、前溝214に嵌合したタブレット3の背面316に向く。指やペンの操作を受けたタブレット3は、後方向(-X方向)に押される。しかし、側面214aは、タブレット3の背面316を支持することで、タブレット3の移動及び回動を抑制できる。
【0065】
また、例えば、
図4に示すように、前溝214に嵌合したタブレット3とカバー22との間の角度は比較的大きくなる。さらに、例えば
図1及び
図6の例に比べ、タブレット3の重心Gは、キーボード21の前後方向(X方向)においてキーボード21の中央近傍に配置されることが可能である。これにより、電子機器1が安定する。
【0066】
また、本実施形態では、前端部21aと複数のキー213との間の位置に前溝214が設けられ、後端部21bと複数のキー213との間の位置に後溝215が設けられる。これにより、キーボード装置2は、前溝214と後溝215とに、タブレット3の下端部312を選択的に嵌合させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、カバー22には、内面223及び外面224に開口する貫通口225が設けられている。これにより、タブレット3は、カバー22に部分的に覆われる一方で、貫通口225により露出される。このため、タブレット3は、カバー22に接触していたとしても、貫通口225を通じて押されることでカバー22から簡単に離れることができる。
【0068】
従って、キーボード装置2は、タブレット3が第1のヒンジ23まわりに回転することを容易にすることができる。また、カバー22は、貫通口225が設けられることにより、軽量化される。
【0069】
また、本実施形態では、ドッキング部25に設けられるとともにタブレット3に電気的に接続可能なコネクタ261と、キーボード21とコネクタ261とを電気的に接続する配線部262と、を有する電気接続部26をさらに備える。
【0070】
これにより、キーボード装置2にタブレット3が接続された際に、キーボード21とタブレット3との電気的な接続が可能になる。
【0071】
また、本実施形態では、ドッキング部25は、タブレット3と接続可能な第1の端子253と、外部接続機器4と接続可能な第2の端子254と、を有する。第1の端子253に接続されたタブレット3と第2の端子254に接続された外部接続機器4とは、電気的に接続可能である。
【0072】
これにより、キーボード装置2は、タブレット3をカバー22に設けられたドッキング部25に接続させた状態で、タブレット3と外部接続機器4とを電気的に接続させることができる。すなわち、キーボード装置2は、タブレット3に外部接続機器4が電気的に接続されることを妨げることを抑制できる。
【0073】
また、ドッキング部25がキーボード21の反対側であるカバー22の上方にあることにより、ユーザーは、キーボード21に端子がある場合と比べ、外部機器を接続し易い。
【0074】
また、本実施形態では、電子機器1はキーボード装置2と、タブレット3と、を備える。キーボード装置2に設けられた第1のヒンジ23は、ドッキング部25とドッキング部25に取り付けられたタブレット3との自重によるカバー22に対するドッキング部25のトルクに対し、カバー22とドッキング部25との相対的な位置を保持可能な抵抗を有する。
【0075】
キーボード装置2に設けられた第2のヒンジ24は、カバー22、ドッキング部25、及びドッキング部25に取り付けられたタブレット3との自重によるキーボード21に対するカバー22のトルクに対し、キーボード21とカバー22との相対的な位置を保持可能な抵抗を有する。
【0076】
これにより、カバー22に対するキーボード21の開き角度及びカバー22に対するタブレット3の開き角度は、保持される。従って、キーボード装置2は、カバー22に対するキーボード21の開き角度及びカバー22に対するタブレット3の開き角度を調整することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 電子機器
2 キーボード装置
21 キーボード(キーボード部)
211 上面(第1の面)
21a 前端部(第6の端部)
21b 後端部(第5の端部)
213 キー
214 前溝(第2の溝)
215 後溝(第1の溝)
22 カバー
221 第1支持部(第1の端部)
222 第2支持部(第2の端部)
223 内面(第2の面)
224 外面(第3の面)
225 貫通口
23 第1のヒンジ
24 第2のヒンジ
25 ドッキング部
26 電気接続部
261 コネクタ
262 配線部
3 タブレット(デバイス)
311 上端部(第3の端部)
312 下端部(第4の端部)
4 外部接続機器
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する中間部と、
前記第1の端部に設けられた第1のヒンジと、
前記第2の端部に設けられた第2のヒンジと、
前記第1のヒンジに回転可能に取り付けられ、画像を表示可能なデバイスに取り付けられることが可能なドッキング部と、
第1の面と、前記第1の面に設けられた複数のキーと、を有し、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた、キーボード部と、
を備え、
前記ドッキング部は、前記デバイスと接続可能な第1の端子と、外部接続機器と接続可能な第2の端子と、を有し、前記第1の端子に接続された前記デバイスと前記第2の端子に接続された前記外部接続機器とを電気的に接続可能であるキーボード装置。
【請求項2】
前記ドッキング部は、前記デバイスの第3の端部に取り付けられることが可能であり、
前記キーボード部は、前記第3の端部の反対側に位置する前記デバイスの第4の端部が嵌合可能な第1の溝が前記第1の面に設けられ、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた第5の端部と、前記第5の端部の反対側に位置する第6の端部と、を有し、
前記第1の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち一方に設けられる、
請求項1に記載のキーボード装置。
【請求項3】
前記キーボード部は、前記デバイスの前記第4の端部が嵌合可能な第2の溝が前記第1の面に設けられ、
前記第2の溝は、前記第5の端部と前記複数のキーとの間の位置と、前記第6の端部と前記複数のキーとの間の位置と、のうち他方に設けられる、
請求項2に記載のキーボード装置。
【請求項4】
前記中間部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置し、前記第1の面に向くことが可能な第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第2の面及び前記第3の面に開口する貫通口が設けられた、請求項1~3のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項5】
前記ドッキング部に設けられるとともに前記デバイスに電気的に接続可能なコネクタと、前記コネクタと前記キーボード部とを電気的に接続する配線部と、を有する電気接続部、
をさらに備える、請求項1~4のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項6】
前記デバイスは、第1の磁石を有し、
前記ドッキング部は、前記第1の磁石と引き合う第2の磁石を有する、請求項1~5のうちいずれか1項に記載のキーボード装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項に記載のキーボード装置と、前記デバイスと、を備える電子機器。
【請求項8】
前記第1のヒンジは、前記ドッキング部と当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記中間部に対する前記ドッキング部のトルクに対し、前記中間部と前記ドッキング部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有し、
前記第2のヒンジは、前記中間部、前記ドッキング部、及び当該ドッキング部に取り付けられた前記デバイスとの自重による前記キーボード部に対する前記中間部のトルクに対し、前記キーボード部と前記中間部との相対的な位置を保持可能な、抵抗を有する、
請求項7に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1態様に係るキーボード装置は、第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する中間部と、前記第1の端部に設けられた第1のヒンジと、前記第2の端部に設けられた第2のヒンジと、前記第1のヒンジに回転可能に取り付けられ、画像を表示可能なデバイスに取り付けられることが可能なドッキング部と、第1の面と、前記第1の面に設けられた複数のキーと、を有し、前記第2のヒンジに回転可能に取り付けられた、キーボード部と、を備え、前記ドッキング部は、前記デバイスと接続可能な第1の端子と、外部接続機器と接続可能な第2の端子と、を有し、前記第1の端子に接続された前記デバイスと前記第2の端子に接続された前記外部接続機器とを電気的に接続可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記キーボード装置では、前記デバイスは、第1の磁石を有し、前記ドッキング部は、前記第1の磁石と引き合う第2の磁石を有する。