(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040833
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】レンズ制御装置、眼用レンズ装置、眼鏡、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G02C 7/08 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
G02C7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148011
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】521079488
【氏名又は名称】ViXion株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100134728
【弁理士】
【氏名又は名称】奥川 勝利
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 茂
(72)【発明者】
【氏名】内海 俊晴
(57)【要約】
【課題】照度が低い暗所での視力低下を改善する。
【解決手段】眼用の可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御するレンズ制御装置10であって、前記可変焦点レンズ3,3を介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部21の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御する制御部を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御するレンズ制御装置であって、
前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御部を有することを特徴とするレンズ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ制御装置において、
前記制御部は、前記照度が低いほど前記焦点距離が長くなるように、前記可変焦点レンズを制御することを特徴とするレンズ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズ制御装置において、
前記制御部は、前記照度が基準値以上であるときには、前記可変焦点レンズの焦点距離を所定の基本焦点距離に固定し、前記照度が該基準値未満であるときには、該所定の基本焦点距離に所定値を加算した焦点距離となるように、前記可変焦点レンズを制御することを特徴とするレンズ制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ制御装置において、
互いに異なる複数の照度下で装用者が前記可変焦点レンズを介して視認対象物をそれぞれ視認するときの該装用者に適合する該可変焦点レンズの焦点距離の各測定情報を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記照度検出部の検出結果に基づいて前記記憶部内の測定情報から特定される特定焦点距離となるように、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御することを特徴とするレンズ制御装置。
【請求項5】
眼用の可変焦点レンズと、
前記可変焦点レンズを制御するレンズ制御装置とを備えた眼用レンズ装置であって、
前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部を備え、
前記レンズ制御装置として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ制御装置を用いることを特徴とする眼用レンズ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の眼用レンズ装置を備え、
前記可変焦点レンズが眼鏡フレームに保持されていることを特徴とする眼鏡。
【請求項7】
眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御方法であって、
前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御するレンズ制御装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ制御装置、眼用レンズ装置、眼鏡、制御方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、夜間などの照度が低い暗所で被写界深度が浅く(短く)なることに鑑み、被写界深度を延長させるための眼用レンズが開示されている。この眼用レンズは、度数がレンズの径方向に所定の度数変化量に従って変化するように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、人間の視力は、照度が低い暗所で低下することが多い。しかしながら、従来の眼用レンズでは、暗所での視力低下の抑制については改善の余地が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御するレンズ制御装置であって、前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御部を有することを特徴とするものである。
照度が低い暗所で視力が低下する要因は、種々考えられるが、その一因として、装用者の眼の瞳孔が広がることによる眼の屈折力の変化が考えられる。詳しくは、暗所において装用者の眼の瞳孔が広がると、眼の水晶体における光が入る領域が広がって、水晶体での光の屈折領域が広がることから、眼の屈折力に変化を来たす(例えば、装用者が近視の場合には近視の度合いが強まる。)。その結果、明所ではピントが合っていた視認対象物が、暗所ではピントが合わなくなり、視力の低下を引き起こすことが考えられる。
本レンズ制御装置においては、装用者が可変焦点レンズを介して視認する視認エリアの照度に応じて、当該可変焦点レンズの焦点距離を制御することができる。これにより、視認エリアの照度に応じて装用者の眼の屈折力が変化しても、可変焦点レンズの焦点距離を変更することで、変化した分の眼の屈折力を可変焦点レンズによって矯正することができる。よって、照度が低い暗所で視力が低下した場合でも、視力低下を改善することができる。
【0006】
前記レンズ制御装置において、前記制御部は、前記照度が低いほど前記焦点距離が長くなるように、前記可変焦点レンズを制御してもよい。
装用者が近視である場合、通常、視認エリアの照度が低いほど、近視の度合いが強まる。よって、本レンズ制御装置のように、視認エリアの照度が低いほど焦点距離が長くなるように可変焦点レンズを制御することで、可変焦点レンズによって近視の度合いが強まった分だけ矯正することが可能となり、暗所での視力低下を改善することができる。
【0007】
また、前記レンズ制御装置において、前記制御部は、前記照度が基準値以上であるときには、前記可変焦点レンズの焦点距離を所定の基本焦点距離に固定し、前記照度が該基準値未満であるときには、該所定の基本焦点距離に所定値を加算した焦点距離となるように、前記可変焦点レンズを制御するようにしてもよい。
本レンズ制御装置によれば、照度が基準値以上であるときには、可変焦点レンズの焦点距離を、装用者の通常の屈折力(明所での屈折力)に対応する基本焦点距離に固定しておく。そして、照度が基準値未満であるときには、この基本焦点距離に所定値を加算した焦点距離となるように可変焦点レンズを制御する。これにより、簡易な制御によって、所での視力低下を改善することができる。
【0008】
また、前記レンズ制御装置において、互いに異なる複数の照度下で装用者が前記可変焦点レンズを介して視認対象物をそれぞれ視認するときの該装用者に適合する該可変焦点レンズの焦点距離の各測定情報を記憶する記憶部を有してもよく、前記制御部は、前記照度検出部の検出結果に基づいて前記記憶部内の測定情報から特定される特定焦点距離となるように、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御してもよい。
本レンズ制御装置では、照度検出部の検出結果に基づいて制御する可変焦点レンズの焦点距離を、互いに異なる複数の照度下で装用者が可変焦点レンズを介して視認対象物をそれぞれ視認するときの当該装用者に適合する可変焦点レンズの焦点距離の各測定情報から特定される特定焦点距離に制御する。これによれば、装用者ごとに適した制御が可能となるので、暗所での装用者の視力低下をより適切に改善することができる。
【0009】
本発明の他の態様は、眼用の可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを制御するレンズ制御装置とを備えた眼用レンズ装置であって、前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部を備え、前記レンズ制御装置として、上述したレンズ制御装置を用いることを特徴とするものである。
本眼用レンズ装置としては、例えば、眼鏡やコンタクトレンズなどの装用者に装着されて使用される物品として使用するものが挙げられる。このように本眼用レンズ装置が装用者に装用される物品として使用されることで、装用者が当該物品を装用する日常生活の中で(例えば、テレビを見たり、ゲーム機で遊んだり、パソコンやタブレットを使用したり、本を読んだりする間など)、照度が低い暗所での視力低下を改善することができる。
【0010】
本発明の更に他の態様は、眼鏡であって、上述した眼用レンズ装置を備え、前記可変焦点レンズが眼鏡フレームに保持されていることを特徴とするものである。
眼用レンズ装置の使用態様が眼鏡であれば、上述したように、ユーザーが当該眼鏡を装用する日常生活の中で、照度が低い暗所での視力低下を改善することができる。また、眼鏡であれば、レンズ制御装置の構成を、可変焦点レンズが保持された眼鏡フレームに配置することが可能となり、可変焦点レンズと可変焦点レンズ制御装置との間の接続構成が簡易となるため、低コスト化が可能である。
【0011】
本発明の更に他の態様は、眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御方法であって、前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御工程を有することを特徴とするものである。
本制御方法によれば、上述した制御装置の場合と同様、視認エリアの照度に応じて装用者の眼の屈折力が変化しても、可変焦点レンズの焦点距離を変更することで、変化した分の眼の屈折力を可変焦点レンズによって矯正することができる。よって、照度が低い暗所で視力が低下した場合でも、視力低下を改善することができる。
【0012】
本発明の更に他の態様は、眼用の可変焦点レンズの焦点距離を制御するレンズ制御装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記可変焦点レンズを介して視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部の検出結果に基づいて、前記可変焦点レンズの焦点距離を制御する制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
本プログラムによれば、上述した制御装置の場合と同様、視認エリアの照度に応じて装用者の眼の屈折力が変化しても、可変焦点レンズの焦点距離を変更することで、変化した分の眼の屈折力を可変焦点レンズによって矯正することができる。よって、照度が低い暗所で視力が低下した場合でも、視力低下を改善することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照度が低い暗所での視力低下を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る眼鏡の構成を模式的に示す正面図。
【
図3】同眼鏡における可変焦点レンズの概略構成を示す断面図。
【
図4】同眼鏡における可変焦点レンズの概略構成を示す平面図。
【
図5】同眼鏡における制御装置の構成を示すブロック図。
【
図6】本実施形態における焦点距離制御の一例を示すフローチャート。
【
図7】本実施形態における焦点距離制御の他の例を示すフローチャート。
【
図8】実施形態に係る眼鏡の他の構成を模式的に示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、レンズ制御装置を備えた眼用レンズ装置としての眼鏡に適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明を適用可能な眼用レンズ装置は、眼鏡に限らず、装用者(以下「ユーザー」という。)に装用される他の物品であってもよい。
【0016】
図1は、本実施形態に係る眼鏡1の構成を模式的に示す正面図であり、
図2は、本実施形態に係る眼鏡1の構成を模式的に示す平面図である。
本実施形態における眼鏡1は、眼鏡フレーム2と、左右一対の可変焦点レンズ3,3と、可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御するレンズ制御装置としての制御装置10と、を備えている。
【0017】
眼鏡フレーム2は、ブリッジ部4と、左右一対のレンズ保持部6,6と、鼻当部7と、左右一対のヨロイ部8,8と、左右一対のテンプル部9,9と、を備えている。
【0018】
ブリッジ部4は、装用時に装用者の視界から上方へ外れる位置に配置され、可変焦点レンズ3,3を保持する左右のレンズ保持部6,6を支持する部材である。ブリッジ部4は、左右のヨロイ部8,8間にわたって左右方向に延在し、ブリッジ部4の左右方向両端部にヨロイ部8,8が取り付けられる。ブリッジ部4は、レンズ保持部6が左右方向に移動可能にレンズ保持部6を連結して、レンズ保持部6に保持される左右一対の可変焦点レンズ3,3の左右方向のレンズ間距離Dを調整できるレンズ間距離調節部を備えるのが好ましい。なお、レンズ間距離Dは、例えば、可変焦点レンズ3,3上の基準位置(例えば可変焦点レンズ3,3の中心位置)間の距離によって規定することができる。ここで、可変焦点レンズ3,3の基準位置は、例えば可変焦点レンズ3,3の光学中心位置と等しく、レンズ間距離Dは各可変焦点レンズ3,3の光学中心がなす距離と等しくなる。
【0019】
レンズ保持部6,6は、可変焦点レンズ3,3を保持する部材であり、その形状は、細長い形状(線状)である。具体的には、本実施形態のレンズ保持部6,6は、塑性変形可能なワイヤー部材によって形成されている。本実施形態におけるレンズ保持部6は、眼鏡フレーム2におけるブリッジ部4から延び、その先端が可変焦点レンズ3の外縁部分の被連結位置3aに連結することで、可変焦点レンズ3を保持する。レンズ保持部6は、ブリッジ部4に対してスライド部4aを介して支持されており、スライド部4aによってレンズ間距離調節部が構成される。具体的には、スライド部4aは、ブリッジ部4に対してレンズ保持部6を左右方向にスライド可能に保持する部材である。本実施形態におけるスライド部4aは、中空状部材であり、その中空部にブリッジ部4が挿入されて、ブリッジ部4の長手方向に沿って摺動可能なようにブリッジ部4に取り付けられる。
【0020】
レンズ間距離調節部を備えることで、正視状態におけるユーザーの瞳孔間距離PDに合わせて、可変焦点レンズ3,3のレンズ間距離Dを調整することができる。本実施形態のように可変焦点レンズ3,3が通常の眼用レンズと比べて小型である場合、ユーザーの瞳孔間距離PDに合わせて可変焦点レンズ3,3のレンズ間距離Dをユーザーごとに調整できるようにすることは有益である。
【0021】
なお、本実施形態において、レンズ保持部6,6が連結される可変焦点レンズ3,3の被連結位置3aは、それぞれ、
図1に示すように、可変焦点レンズ3,3の光軸を通る鉛直仮想線よりも外側(鼻から遠い側、すなわち、耳側)に位置し、かつ、可変焦点レンズ3,3の光軸を通る水平仮想線よりも上側に位置している。この位置にレンズ保持部6,6が連結されるように構成することで、装用者の視界にレンズ保持部6,6が入っていても、レンズ保持部6,6を邪魔に感じさせにくい。
【0022】
ただし、レンズ保持部6,6が連結される可変焦点レンズ3,3の被連結位置3aは、本実施形態の位置に限らず、例えば、
図8に示すように、可変焦点レンズ3,3の光軸を通る鉛直仮想線よりも内側(鼻側)に配置してもよい。
【0023】
鼻当部7は、ブリッジ部4に保持され、ユーザーが眼鏡1を装着した際にユーザーの鼻に当接して眼鏡1の位置を位置決めする部材である。
【0024】
ヨロイ部8,8は、ブリッジ部4とテンプル部9,9とを連結する部材である。本実施形態におけるヨロイ部8,8は、ブリッジ部4の端部に取り付けられる取付部8aと、テンプル部9を回動可能に支持するヒンジ部8bとを備えている。
【0025】
テンプル部9,9は、ユーザーが眼鏡1を装着した際にユーザーの耳に掛けられる部材である。本実施形態における左右のテンプル部9,9は、ヨロイ部8,8が備えるヒンジ部8bにより眼鏡1の左右方向中央側に向かってそれぞれ折りたたむことができるように構成されている。
【0026】
本実施形態における可変焦点レンズ3,3は、電気的に制御可能な焦点距離の変更機能を有するものであれば、その構成に限定されない。ただし、可変焦点レンズ3,3は、屈折面の形状が変化することにより焦点距離が変化する形状可変レンズであるのが好ましい。形状可変レンズの中でも、2種類の液体の界面を屈折面とし、液体の濡れ性を電気的に制御して当該界面の形状を変更することで焦点距離を変更可能な液体レンズ(エレクトロウェッティングデバイスなどとも言う。)が好ましい。液体レンズであれば、焦点距離について高速で自由度の高い制御が可能である。
【0027】
本実施形態の可変焦点レンズ3,3は、例えばレンズ部分の直径が5mm~12mm程度の液体レンズを採用している。なお、より大型の可変焦点レンズを用いることで、可変焦点レンズがカバーできるユーザーの視線方向範囲が広がり、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0028】
図3は、本実施形態における可変焦点レンズ3の概略構成を示す断面図である。
図4は、本実施形態における可変焦点レンズ3の概略構成を示す平面図である。
本実施形態の可変焦点レンズ3は、
図3に示すように、界面Iで非混合状態で接触している絶縁液311と導電液312とが、環状の第一電極301と、第一電極301の上端と下端を閉じる2つの透明な窓部材303,304とによって封入された構成を有する。絶縁液311は例えば油性液体であり、導電液312は例えば比較的導電率の低い水性液体である。第一電極301には電圧V0が印加されるが、本実施形態では環状の第一電極301を接地しているため、V0=0Vである。また、第一電極301は、封入されている絶縁液311及び導電液312に対し、絶縁層301aによって絶縁されている。
【0029】
また、本実施形態の可変焦点レンズ3は、第一電極301の軸Oに対する対称位置に複数対の第二電極302A,302B,・・・が配置されている。本実施形態では、
図4に示すように、4対の第二電極302A~302Hが軸Oを中心とした円周上に配置されており、合計8つの第二電極302A~302Hを備えている。
【0030】
第二電極302A~302Hは、
図3に示すように、導電液312に接触する位置に配置されている。各第二電極302A~302Hに電圧VA~VHを印加すると、各第二電極302A~302Hと第一電極301との間に電位差が生じ、エレクトロウェッティング効果によって絶縁液311の端部Ia(界面Iの端部Ia)を第一電極301上の絶縁層部分301bに沿って変位させることができる。このように絶縁液311の端部Iaが変位することにより、絶縁液311の形状が変化して界面Iの曲率が変更される。したがって、第二電極302A~302Hに印加する電圧VA~VHを制御することにより、界面Iを屈折面とする可変焦点レンズ3の焦点距離を変化させることができる。
【0031】
特に、本実施形態の可変焦点レンズ3は、第二電極302A~302Hに印加する電圧VA~VHを制御することにより、屈折面である界面Iを、拡散レンズ(凹レンズ)、平面レンズ、集光レンズ(凸レンズ)に変形させることができる。したがって、本実施形態の眼鏡1は、可変焦点レンズ3を拡散レンズ(凹レンズ)とすることで近視ユーザー用の眼鏡として使用でき、また、可変焦点レンズ3を集光レンズ(凸レンズ)とすることで遠視ユーザー用の眼鏡として使用できる。
【0032】
本実施形態の可変焦点レンズ3は、ジオプター換算(焦点距離の逆数)で-15D以上+15D以下の範囲で、焦点距離を変化させることができる。このように焦点距離の変化範囲が広い可変焦点レンズ3を用いることで、例えば、弱視のような低視力のユーザーに対応することも可能である。
【0033】
本実施形態において、第一電極301の軸Oの対称位置に配置されるすべての第二電極302A~302Hに同じ電圧を印加することで、可変焦点レンズ3の光軸を第一電極301の軸Oに一致させたまま、焦点距離を変化させることができる。一方で、各第二電極302A~302Hに対して異なる電圧を印加すれば、焦点距離を変化させるだけでなく、可変焦点レンズ3の光軸をずらしたり傾けたりすることも可能である。すなわち、本実施形態の可変焦点レンズ3は、印加電圧VA~VHを制御することによって、光軸の位置と方向のいずれか一方及び両方を変化させることができる。
【0034】
制御装置10は、
図1に示すように、バッテリー20とともに、左右のヨロイ部8,8のうちの一方(図中左側のヨロイ部8)に設けられている。制御装置10は、バッテリー20から可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hへ印加する電圧を制御することにより、可変焦点レンズ3の焦点距離を制御することができる。
【0035】
図5は、本実施形態における制御装置10の構成を示すブロック図である。
本実施形態における制御装置10は、主制御部11と、電圧変更部12と、操作部13と、記憶部14と、を備えている。制御装置10は、可変焦点レンズ3の第二電極302A~302Hと、電圧を供給する電源としてのバッテリー20と、可変焦点レンズ3,3を介してユーザーに視認される視認エリアの照度を検出する照度検出部21とが接続されている。
【0036】
主制御部11は、例えば、CPU、RAM、ROMなどが実装された制御基板(コンピュータ)によって構成され、ROMに記憶されている所定の制御プログラムを実行することにより、眼用レンズ装置である眼鏡1の全体的な制御を行う。特に、本実施形態では、主制御部11は、照度検出部21によって検出される照度(検出結果)に基づいて、可変焦点レンズ3,3の焦点距離が変化するように、可変焦点レンズ3を制御する制御部(制御手段)として機能する。
【0037】
電圧変更部12は、主制御部11の制御の下、バッテリー20から可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hへ印加する電圧を変更する。電圧変更部12は、各第二電極302A~302Hへ印加する電圧を、第二電極302A~302Hごとに個別に変更することができる。ただし、電圧変更部12は、第二電極302A~302Hの一部だけ(例えば1対の第二電極だけ)を部分的に変更可能なものであってもよい。
【0038】
操作部13は、ユーザーによって操作されることで、ユーザーの操作内容を示す操作信号を主制御部11に出力する。操作部13が受け付けるユーザー操作としては、例えば、電源のオンオフ操作、主制御部11の実行指示、主制御部11の制御内容の変更などが挙げられる。操作部13は、受け付けるユーザー操作の内容に適した種類の操作器(機械式や静電タッチ式などのボタン、ダイヤルなどの回転型操作部など)によって構成される。なお、これらのユーザー操作を不要とする構成とすることも可能であり、その場合には操作部13を省略することが可能である。
【0039】
記憶部14は、制御装置10で使用されるプログラムやデータを記憶する。特に、本実施形態では、後述する可変焦点レンズ3,3の焦点距離制御に使用されるデータとして、ユーザーに適合する可変焦点レンズの焦点距離の測定情報を記憶する。
【0040】
バッテリー20は、制御装置10の電源として機能し、可変焦点レンズ3の第二電極302A~302Hに供給する電圧を出力する。バッテリー20は、一次電池であってもよいし、二次電池であってもよい。また、太陽光パネルなどの発電機能を備えたものであってもよい。
【0041】
照度検出部21は、可変焦点レンズ3,3の前方のエリア(視認エリア)の照度を検出できるものであれば、その構成は限定されないが、眼鏡フレーム2上に配置できる構成であるのが好ましい。本実施形態の照度検出部21は、
図1に示すように、鼻当部7に配置されているが、ブリッジ部4やヨロイ部8,8などに配置してもよい。ただし、ユーザーが眼鏡1を装着したときに頭髪(前髪)によって照度検出部21が覆われることが少ない位置であるのが好ましいので、本実施形態のように、眼鏡1の前面におけるできるだけ下方の位置(鼻当部7)にするのが好ましい。
【0042】
次に、本実施形態における可変焦点レンズ3,3の焦点距離の制御の一例について説明する。
図6は、本実施形態における焦点距離制御の流れを示すフローチャートである。
本実施形態における焦点距離制御では、所定の制御プログラムを実行する主制御部11が電圧変更部12を制御することにより、照度検出部21の検出結果(視認エリアの照度の検出結果)に基づいて、焦点距離が変化するように、左右の可変焦点レンズ3,3を制御する。なお、ユーザーの右眼と左眼にそれぞれ対応する2つの可変焦点レンズ3,3の制御は独立して行われるが、その制御内容は同様であるため、以下、左右の可変焦点レンズ3,3を区別することなく説明する。
【0043】
本実施形態では、操作部13がユーザーによる電源オンの操作を受け付けると(S1)、まず、可変焦点レンズ3の基本焦点距離の設定が完了していない場合には、基本焦点距離の設定を行う(S2)。なお、ここでは、電源オンになることで焦点距離制御が開始される例であるが、これに限らず、例えば、眼鏡1がユーザーに装着されたことを検知する装着検知部を設け、ユーザーが眼鏡1を装着したことを検知することで焦点距離制御が開始されるように構成してもよい。
【0044】
基本焦点距離は、眼鏡1を利用するユーザーの利用用途(ユーザーが視認対象物を視認する距離)に応じて、任意に設定することができる。例えば、ユーザーが近くの視認対象物(スマートフォン、タブレット、ゲーム機、書籍など)を視認する用途に眼鏡1を利用するときには、この近くの視認対象物にピントが合う焦点距離に基本焦点距離を設定し、逆に、ユーザーが離れた視認対象物(離れた場所の映像(映画など)、美術品などの鑑賞物、景色など)を視認する用途に眼鏡1を利用するときには、この遠くの視認対象物にピントが合う焦点距離に基本焦点距離を設定する。
【0045】
また、基本焦点距離は、眼鏡1を利用するユーザーの利用用途に関係なく、ユーザーごとに固定の焦点距離に設定してもよい。例えば、近視、遠視、乱視などの屈折異常を含む眼の異常をもつユーザーであれば、ユーザーの処方屈折力(基本屈折力)に対応する焦点距離に基本焦点距離を設定する。この場合、例えば、近視ユーザーであれば、マイナス屈折力に対応する焦点距離が基本焦点距離として設定される。
【0046】
なお、基本焦点距離の設定作業は、専門の作業者あるいはユーザー自身が操作部13を操作することにより行うことができる。例えば、操作部13に屈折力が表記されたダイヤルが設けられている場合、ユーザーの処方屈折力に一致するようにダイヤルを回すことで、基本焦点距離の設定を行うことができる。この場合、ダイヤルの回転位置に応じた電気信号(操作信号)が主制御部11に送られ、主制御部11は、この信号に対応する電圧が可変焦点レンズ3の第二電極302A~302Hに印加されるように、電圧変更部12を制御する。これにより、可変焦点レンズ3における絶縁液311と導電液312との界面Iの形状変化により界面Iの曲率が変更され、可変焦点レンズ3の焦点距離が、設定された基本焦点距離に変更される。この基本焦点距離の情報は、通常照度下(明所下)におけるユーザーに適合する可変焦点レンズ3,3の焦点距離の測定情報として、記憶部14に保存される。
【0047】
可変焦点レンズ3の基本焦点距離の設定が完了したら、主制御部11は、照度検出部21による検出動作を開始させる(S3)。これにより、眼鏡1の可変焦点レンズ3,3を介してユーザーが視認する視認エリアの照度が照度検出部21によって検出される。この検出動作は、所定のサンプリング間隔で繰り返し実行される。
【0048】
照度検出部21で検出された照度の検出結果は主制御部11に送られる。主制御部11は、照度の検出結果に基づいて、可変焦点レンズ3,3の焦点距離を制御する。具体的には、主制御部11は、電圧変更部12を制御し、可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hに、照度の検出結果に対応する電圧を印加させる制御を実行する。
【0049】
本実施形態の一例としては、検出された照度が基準値以上である場合(S4のYes)、主制御部11は、可変焦点レンズ3,3の焦点距離が記憶部14に記憶されている基本焦点距離となるように、可変焦点レンズ3,3を制御する(S5)。これにより、視認エリアの照度が基準値以上である明所下においては、可変焦点レンズ3,3の焦点距離がユーザーの処方屈折力に適合した基本焦点距離に調整され、ユーザーは視認対象物をピントの合った状態で視認することができる。
【0050】
一方、検出された照度が基準値未満である場合(S4のNo)、主制御部11は、可変焦点レンズ3,3の焦点距離が記憶部14に記憶されている基本焦点距離に所定値を加算した焦点距離となるように、可変焦点レンズ3,3を制御する(S6)。これにより、視認エリアの照度が基準値未満である暗所下においては、可変焦点レンズ3,3の焦点距離がユーザーの処方屈折力に適合した基本焦点距離よりも長くなるように調整される。その結果、ユーザーは、暗所下における視力が改善され、暗所下であっても視認対象物をピントの合った状態で視認することが可能となる。
【0051】
照度が低い暗所で視力が低下する要因は、種々考えられるが、その一因として、装用者の眼の瞳孔が広がることによる眼の屈折力の変化が考えられる。すなわち、暗所においてユーザーの眼の瞳孔が広がると、眼の水晶体における光が入る領域が広がって、水晶体での光の屈折領域が広がることから、眼の屈折力に変化を来たす(例えば、近視ユーザーの場合には近視の度合いが強まる。)。その結果、明所ではピントが合っていた視認対象物が、暗所ではピントが合わなくなり、視力の低下を引き起こすことが考えられる。
【0052】
本実施形態のように、視認エリアの照度が低いほど焦点距離が長くなるように可変焦点レンズ3,3を制御することで、暗所によってピントがずれた分だけ可変焦点レンズ3,3の焦点距離が変更され、暗所での視力低下を改善することができる。
【0053】
なお、検出された照度が基準値未満である場合(暗所の場合)において、基本焦点距離に加算される所定値は、適宜設定される。したがって、この所定値は、例えば、予め決められた固定値であってもよいが、暗所によりピントがずれる度合いがユーザーごとに大きく異なる場合があれば、ユーザーごとに所定値を設定するようにしてもよい。また、左右の各可変焦点レンズ3,3についての所定値は、同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。所定値は、基本焦点距離(明所においてユーザーの屈折力に適合する焦点距離)に応じて異なる値をとってもよい。
【0054】
ユーザーごとに所定値を設定する場合、例えば、照度が基準値以上であるとき(明所であるとき)にユーザーに適合する焦点距離(基本焦点距離)を設定する場合と同様、照度が基準値未満であるとき(暗所であるとき)にユーザーに適合する焦点距離(基本焦点距離+所定値)を設定してもよい。
【0055】
具体的には、
図7に示すように、視認エリアの照度が基準値未満であるとき(暗所であるとき)にユーザーの屈折力に一致するようにダイヤルを回すことで、ピントの合うように可変焦点レンズ3,3の焦点距離を調整する。そして、主制御部11は、調整された焦点距離の情報を、暗所下におけるユーザーに適合する可変焦点レンズ3,3の焦点距離の測定情報として、記憶部14に保存する(S11)。この場合、検出された照度が基準値未満である場合(S4のNo)、主制御部11は、処理ステップS6の代わりに、可変焦点レンズ3,3の焦点距離が記憶部14に記憶されている暗所下の焦点距離となるように、可変焦点レンズ3,3を制御する(S12)。
【0056】
なお、検出された照度が基準値未満である場合(暗所の場合)における暗所での焦点距離は、左右の各可変焦点レンズ3,3について同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
【0057】
本実施形態において、操作部13がユーザーによる電源オフの操作を受け付けると(S5のYes)、主制御部11は、焦点距離制御を終了する。このとき、可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hへの電圧供給はオフにしてもよいし、オンにしてもよい。可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hへの電圧供給はオフにすれば、バッテリー20の電力消費を節約することができる。
【0058】
一方、可変焦点レンズ3の各第二電極302A~302Hへの電圧供給はオンにすれば、本眼鏡1を通常の眼鏡としてそのまま利用することが可能となる。この場合、例えば、操作部13がユーザーによる電源オフの操作を受け付けたときに、可変焦点レンズ3の焦点距離が基本焦点距離に固定されるように、各第二電極302A~302Hへ電圧を印加し続ける。
【0059】
本実施形態によれば、視認エリアの照度に応じてユーザーの眼の屈折力が変化しても、可変焦点レンズ3,3の焦点距離を変更することで、変化した分の眼の屈折力を可変焦点レンズによって矯正することができる。よって、照度が低い暗所で視力が低下した場合でも、視力低下を改善することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、ユーザーが近視である場合について説明しているが、遠視や乱視などの他の屈折異常のユーザーについても、暗所での視力低下を改善することが期待できる。視認エリアの照度に応じてユーザーの眼の屈折力がどのように変化するかは、必ずしも明らかではないため、屈折異常の種類やユーザーごとの特性などによっては、例えば、視認エリアの照度が低いほど焦点距離が短くなるように可変焦点レンズ3,3を制御することで、暗所での視力低下を改善することが可能となる場合もあり得る。
【0061】
また、本実施形態は、検出された照度が基準値以上であるか否かによって、可変焦点レンズ3,3の焦点距離が基本焦点距離と基本焦点距離+所定値又は暗所での焦点距離との2段階で変更される例であるが、3段階以上で変更される例であってもよい。
【0062】
また、例えば、検出される照度に応じて変更される可変焦点レンズ3,3の焦点距離は、検出された照度から所定の演算式を用いて算出される例であってもよい。また、例えば、視認エリアの照度と可変焦点レンズ3,3の焦点距離との対応関係を記述したテーブルデータなどを記憶部14に記憶しておき、主制御部11が、検出された照度に対応する焦点距離を記憶部14から読み出して可変焦点レンズ3,3を制御する例であってもよい。
【0063】
また、本明細書で説明された処理工程並びに眼鏡1等の眼用レンズ装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0064】
ハードウェア実装については、上述した工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0065】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0066】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 :眼鏡
2 :眼鏡フレーム
3 :可変焦点レンズ
4 :ブリッジ部
4a :スライド部
6 :レンズ保持部
7 :鼻当部
8 :ヨロイ部
8a :取付部
8b :ヒンジ部
9 :テンプル部
10 :制御装置
11 :主制御部
12 :電圧変更部
13 :操作部
14 :記憶部
20 :バッテリー
21 :照度検出部
301 :第一電極
301a,301b:絶縁層
302A~302H:第二電極
303,304:窓部材
311 :絶縁液
312 :導電液
D :レンズ間距離
I :界面
Ia :端部
O :軸
PD :瞳孔間距離