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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040865
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】手すり
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
E04F11/18
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148049
(22)【出願日】2021-09-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000112185
【氏名又は名称】ビニフレーム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002712
【氏名又は名称】弁理士法人みなみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹休 将樹
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301HH18
2E301JJ21
2E301LL02
2E301LL13
2E301LL22
2E301NN01
(57)【要約】
【課題】支柱を保持するための芯材を有するものであって、製造が容易であり、芯材の強度が高く、芯材が確実に躯体に固定される手すりを提供する。
【解決手段】中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、
前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、
前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、
前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、
前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする手すり。
【請求項2】
前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、
前記ネジは、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材に螺合していることを特徴とする請求項1記載の手すり。
【請求項3】
前記芯材は、断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しており、
前記ネジが前記膨大部に螺合していることを特徴とする請求項2記載の手すり。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅のベランダなどに設置される手すりに関する。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの集合住宅のベランダや通路などに設置される手すりにおいて、支柱の立設構造として、特許文献1に示すように、中空の支柱を下端部が躯体に埋め込まれた芯材によって内側から保持するものが知られている。この特許文献1の手すりにおける芯材は、中空の上部芯材と中実断面の下部芯材からなるものであって、上部芯材の内側下部に下部芯材が挿入されていて、両者はエポキシ樹脂などからなる充填剤により一体化されている。このような構造により、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材の脚部が効率的に強化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5134305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手すりの芯材は、下部芯材の上側位置に充填剤の漏れ出しを防止する端部材を挿入して、上部芯材の下端を上に向けた状態で充填剤を充填するものであった。しかしながら、上部芯材の内部を完全に塞ぐような端部材を、上部芯材の上下方向中間部の下部芯材の長さに合わせた所定位置に挿入することは困難であり、製造に手間がかかるものであった。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、支柱を保持するための芯材を有するものであって、製造が容易であり、芯材の強度が高く、芯材が確実に躯体に固定される手すりを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする。なお、補強材の下端が座面板に当接しているとは、補強材が座面板に直接的に接している場合と、補強材が座面板の表面を覆う別部材を介して座面板に間接的に接している場合の両方を含む。
【0007】
また、本発明は、前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、前記ネジが、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材に螺合しているものであってもよい。
【0008】
また、本発明は、前記芯材が、断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しており、前記ネジが前記膨大部に螺合しているものであってもよい。なお、膨大部は、中空の芯材の少なくとも外周面が外周側に膨らんだ部分であり、内周面の形状は限定されない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中空の芯材の下端に座面板が取り付けられていて開口部が塞がれているので、芯材の内部に挿入された補強材の下端が座面板に当接して容易かつ確実に位置決めされる。また、樹脂部を形成する際に、芯材の上端の開口部から樹脂を投入することで座面板により樹脂の漏れ出しが防がれ、芯材内に樹脂が充填されて芯材と補強材が一体化されるので、芯材の中間部を塞ぐ必要がなく、製造が容易である。このようにして、芯材の下部に補強材が挿入されるので、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材の脚部が効率的かつ確実に強化される。そして、座面板が芯材よりも大きいものであるから、芯材の下端部および座面板が躯体に埋め込まれた際に、座面板が引っ掛かりとなって浮き上がりを防ぎ、躯体に対して芯材が確実に固定される。
【0010】
また、支柱と芯材がネジにより固定されておりネジが支柱の見込面を貫通して芯材に螺合しているものであれば、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱や芯材の見付面に孔がないものとすることができる。
【0011】
また、芯材が断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しておりネジが膨大部に螺合しているものであれば、芯材に螺合するネジの先端を膨大部の内側に納めて、補強材と干渉しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の手すりの芯材部分を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図2】芯材部分の拡大平面図である。
図3】手すりの正面図である。
図4】(a)~(c)は芯材の施工手順の説明図である。
図5】(a)、(b)は手すりの施工手順の説明図である。
図6】別実施形態の芯材部分の拡大平面図である。
図7】(a)、(b)は芯材が異なる形状の支柱に対応することについての説明図である。
図8】(a)、(b)は支柱の見付面にネジを貫通させる場合についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の手すりの具体的な内容について説明する。この手すりは、種々の場所に設置して用いられるものであるが、ここでは転落防止を目的として集合住宅のベランダに設置される実施形態を示す。なお、以下において、前後方向とは手すりの見込方向であり、左右方向とは手すりの笠木が延びる方向である。
【0014】
図3に示すように、この手すり100は、躯体Sに立設されたものであって、左右に間隔を空けて並ぶ4本の支柱1と、各支柱1の上端に横架された左右に延びる笠木101と、各支柱1の下部の躯体Sよりやや上側部分に横架された桟102と、支柱1、笠木101および桟102に囲まれた空間に嵌め込まれたパネル103を備えるものである。
【0015】
支柱1は、図1および図2に示すように、アルミニウム製の中空形材からなり上下に延びるものである。ただし、後述のように、支柱1は芯材2によって保持されており、支柱1は躯体Sに接しておらず、支柱1の下端は躯体Sの上面よりわずかに上側に位置する。支柱1の断面形状は、前後および左右に対称で、前後の支柱見付面11と左右の支柱見込面12を有する略長方形であり、前後の長さが左右の長さの略2倍であって、支柱見付面11が支柱見込面12よりも厚く形成されている。また、左右の支柱見込面12の内周側には、それぞれ2つのタッピングホール13が内周側に突出するようにして形成されている。タッピングホール13は、支柱1の前端から全長の約30%後側の位置と、後端から全長の約30%前側の位置に形成されている。
【0016】
そしてこの支柱1は、芯材2によって内側から保持されている。すなわち、芯材2は支柱1の中空部に挿入されており、芯材2の上端は支柱1の上端よりも下側に位置しており(支柱1の上端から全長の約25%下側の位置)、芯材2の下端は支柱1の下端よりも下側に突出している。そして、芯材2の支柱1から突出した部分の略全長が、躯体Sに埋め込まれている。この芯材2は、図1および図2に示すように、アルミニウム製の中空形材からなり上下に延びるものである。芯材2の断面形状は、前後および左右に対称で、前後の芯材見付面21と左右の芯材見込面22を有する略長方形である。ただし、芯材見込面22は、前後方向中央に位置する膨大部23と、膨大部23の前後に位置する見込面本体部26からなる。前側の見込面本体部26は、前側の芯材見付面21の端部から後側に向けて延び、後側の見込面本体部26は、後側の芯材見付面21の端部から前側に向けて延びるものである。また、膨大部23は、前後の見込面本体部26よりも外周側に膨らんだ形状のものであり、詳細は後述する。芯材2の前後の長さは左右の見込面本体部26の間の長さの略3倍であって、芯材見付面21が芯材見込面22よりも厚く形成されている。芯材見付面21の内周面の左右方向中央には、内周側に向けて開口する凹部211が形成されている。芯材2の前後の長さは、支柱1の内寸の前後の長さよりもわずかに短くなっており、左右の膨大部23を含めた芯材2の左右の長さは、支柱1の内寸の左右の長さよりもわずかに短くなっている。
【0017】
膨大部23は、左右の芯材見込面22の前後方向中央の全長の略1/3の範囲に形成されており、断面形状において外周面と内周面がともに外周側に膨らんだ形状である。すなわち膨大部23は、芯材2の前後方向中央に位置していて、芯材2の2つの長辺である左右の芯材見込面22に対向して形成されている。その断面形状についてより詳しくは、見込面本体部26と平行で見込面本体部26よりも外周側に位置する底辺部231と、底辺部231の前後両側に形成された斜辺部232からなり、前側の斜辺部232は底辺部231の前端から前方かつ内周側に向けて前側の見込面本体部26の後端まで延びており、後側の斜辺部232は底辺部231の後端から後方かつ内周側に向けて後側の見込面本体部26の前端まで延びていて、底辺部231と前後の斜辺部232とで略台形状のものとなっている。底辺部231の外周面には、外周側に向けて開口する凹部233が形成されている。なお、各斜辺部232は、見込面本体部26に対して略45度傾斜しており、2つの膨大部23の合わせて4つの斜辺部232が、その断面形状において略正方形の一部をなすように配置されている。図2において二点鎖線で示すのが仮想的な正方形であり、各斜辺部232が、この正方形の各辺上に位置している。また、外周側に膨らんだ左右の膨大部23の内側には、それぞれ突起部24が形成されている。この突起部24はタッピングホールを形成するものであって、底辺部231の内周面から内周側に向けて突出している。突起部24の先端は、見込面本体部26の内周面と面一になっており、突起部24の全体が膨大部23の内側に納まっている。
【0018】
このように構成された支柱1と芯材2とは、ネジ6により固定されている。ネジ6は、上下の2箇所に取り付けられるものであって、支柱1の一方の支柱見込面12(図2では左側の面)の前後方向中央に開けられた孔を貫通して、芯材2の膨大部23の底辺部231および突起部24(タッピングホール)に螺合している。ネジ6の先端は、膨大部23の内側、すなわち見込面本体部26の内周面よりも外周側に納まっている。なお、支柱1と芯材2が固定された状態において、芯材2の膨大部23は支柱1の前後のタッピングホール13の間に納まっており、すなわち、支柱1のタッピングホール13は支柱見込面12と芯材見込面22の見込面本体部26の間に納まっている。
【0019】
さらに、芯材2の内側の中空部には、板状の補強材3が挿入されている。補強材3は、鋼鉄製のものであって、断面形状は前後に長い長方形状であり、前後の長さは前後の芯材見付面21同士の内寸よりもわずかに短く、左右の長さは左右の見込面本体部26同士の内寸よりもわずかに短い。そして上下の長さは芯材2の長さの略1/2である。芯材2の突起部24(タッピングホール)は、芯材2の内周面から、対向する補強材3の外周面に向けて突出しているが、突起部24は膨大部23の内側に納まっているので、補強材3とは干渉しない。
【0020】
また、芯材2の下端には、座面板4が取り付けられている。座面板4は、ステンレス製のものであって、平面視して八角形の板状のものであり、前後の長さが芯材2と同じであり、左右の長さが芯材2よりも長い。すなわち、座面板4は平面視して芯材2よりも大きいものである。座面板4の上面には、ブチルテープからなるシール材41が貼り付けられている。シール材41は、芯材2の下端面の全体を覆うだけの大きさのものである。そして、芯材2の下端と座面板4とでシール材41を挟むようにして、芯材2の下端に座面板4が取り付けられており、座面板4に形成された孔にネジを通して芯材2の突起部24(タッピングホール)にネジ止めしてある。このように取り付けられた座面板4により、芯材2の下端の開口部が塞がれており、補強材3は、下端がシール材41を介して座面板4に当接している。
【0021】
そして、芯材2と補強材3とは、樹脂部5により一体化されている。樹脂部5は硬化したエポキシ樹脂からなるものであり、芯材2の内側の下端から補強材3の上端よりも高い位置までを埋めるものであって、芯材2の内周面と補強材3の外周面の間の隙間を埋めている。
【0022】
ここで、図4に基づき、芯材2、補強材3および座面板4の施工手順を説明する。まず(a)に示すように、芯材2の下端に座面板4をネジ止めし、芯材2の上端から補強材3を挿入する。補強材3は、芯材2の下端部に位置する。次に、(b)に示すように、芯材2の上端の開口部から液状のエポキシ樹脂を充填する。エポキシ樹脂は、芯材2と補強材3の間の隙間に浸入していくが、芯材2の下端の開口部は座面板4により塞がれている(シール材41によりシールされている)ので、エポキシ樹脂が漏れることはない。エポキシ樹脂は、補強材3の上端よりも高い位置まで充填する。そして、(c)に示すように、エポキシ樹脂が硬化して樹脂部5となることで、芯材2と補強材3が一体化される。その後、芯材2の芯材見込面22の樹脂部5の上側の部分に、貫通孔を形成して水抜き孔25とする。水抜き孔25は、一方の芯材見込面22の、膨大部23の底辺部231に形成される。すなわち、水抜き孔25は、芯材2の前後方向の中央に位置する。このように補強材3より上側に水抜き孔25が形成されることにより、補強材3が水に接触することがなく、補強材3の腐食が防がれる。
【0023】
続いて、図1および図5に基づき、手すり100自体の施工手順を説明する。上記のようにして補強材3および座面板4を取り付けた芯材2と支柱1とをネジ6により固定し、さらに支柱1と、笠木101、桟102およびパネル103を組んで手すり100を形成する。また、図5(a)に示すように、躯体Sの表面の各支柱1に対応する位置に下穴Hを形成する。下穴Hは断面矩形で、座面板4よりも大きい穴である。次に、図5(b)に示すように、手すり100の各支柱1の下端部の芯材2を、それぞれの下穴Hに挿入する。この際、躯体Sの表面と桟102の間にスペーサ200を挟み、図1(b)、(c)に示すように、支柱1の下端が躯体Sの表面より上側に位置しかつ座面板4が下穴Hの底面よりも上側に位置するようにする。そして、下穴Hに無収縮モルタルまたはエポキシ樹脂からなるグラウト材Gを充填して硬化させる。こうして芯材2の下端部および座面板4が躯体Sに埋め込まれ、手すり100が躯体Sに立設される。
【0024】
このように構成された本発明の手すりによれば、中空の芯材2の下端に座面板4が取り付けられていて開口部が塞がれているので、芯材2の内部に挿入された補強材3の下端が座面板4に当接して容易かつ確実に位置決めされる。また、樹脂部5を形成する際に、芯材2の上端の開口部からエポキシ樹脂を投入することで座面板4によりエポキシ樹脂の漏れ出しが防がれ、芯材2内にエポキシ樹脂が充填されて硬化することで樹脂部5となって芯材2と補強材3が一体化されるので、芯材2の中間部を塞ぐ必要がなく、製造が容易である。このようにして、芯材2の下部に補強材3が挿入されるので、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材2の脚部が効率的かつ確実に強化される。そして、座面板4が芯材2よりも大きいものであるから、芯材2の下端部および座面板4が躯体Sに埋め込まれた際に、座面板4が引っ掛かりとなって浮き上がりを防ぎ、躯体Sに対して芯材2が確実に固定される。また、支柱1と芯材2がネジ6により固定されておりネジ6が支柱1の支柱見込面12を貫通して芯材2に螺合しているので、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱見付面11や芯材見付面21に孔がないものとなっている。通常、手すりには人が寄り掛かるなどして見込方向に荷重が作用するので、このような構成とすることで実質的により強度の高い手すりとなる。また、芯材2が断面形状において外周側に膨らむ膨大部23を有しておりネジ6が膨大部23に螺合していて、芯材2に螺合するネジ6の先端が膨大部の内側に納まっているので、ネジ6が補強材3と干渉することがなく、板状の補強材3の断面積を芯材見付面21と芯材見込面22の見込面本体部26の内寸に対して最大限大きくしてより強度の高いものとなっている。
【0025】
また、芯材2は、内周面から対向する補強材3の外周面に向けて突出する突起部24を有するものである。これにより、芯材2の樹脂部5に対する接触面積が大きくなるので、芯材2が補強材3とより強固に一体化される。
【0026】
また、支柱1は、断面形状が見込方向に長い略長方形であり、芯材2は、断面形状が見込方向に長い略長方形である。これにより、手すりは見込方向に荷重が作用するものであるから、その荷重に対してより強度が高いものとなる。
【0027】
また、膨大部23は、芯材2の2つの長辺(芯材見込面22)の両方に対向して形成されており、その断面形状が、芯材2の長辺と平行な底辺部231と底辺部231の見込方向両側に形成された斜辺部232からなる略台形状のものであって、2つの膨大部23の合わせて4つの斜辺部232が、その断面形状において略正方形の一部をなすように配置されているものである。これにより、芯材2の長手方向軸周りのねじりに対してもより強度が高いものとなる。
【0028】
また、膨大部23は、芯材2の前後方向(見込方向)の中央に位置しているものである。これにより、支柱1と芯材2を固定するネジ6のネジ孔が、見込方向に荷重が作用した際の中立軸(応力が生じない位置)上に形成されているので、より強度が高いものとなる。
【0029】
また、突起部24が、タッピングホールを形成するものであって、座面板4が、タッピングホールにネジ止めして芯材2に取り付けられているものである。これにより、座面板4の取付作業が非常に容易である。
【0030】
また、水抜き孔25は、支柱見込面12の前後方向(見込方向)の中央に位置している。これにより、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱見付面11に孔がないものとなっており、かつ水抜き孔25が見込方向に荷重が作用した際の中立軸(応力が生じない位置)上に形成されているので、より強度が高いものとなる。
【0031】
次に、この手すりの別実施形態について説明する。ここで示す別実施形態は、先の実施形態と比べて、芯材2の断面形状が異なるものであり、ここでは芯材2についてのみ説明する。図6に示すように、別実施形態の芯材2は、先の実施形態の芯材2と同様に、芯材見付面21と芯材見込面22(見込面本体部26および膨大部23)を有しており、外周面の形状は同じである。そして、膨大部23の内側が中実であって、膨大部23の内周面とその前後の見込面本体部26の内周面が面一であり、すなわち膨大部23が見込面本体部26よりも肉厚に形成されている。そして、膨大部23および見込面本体部26の内周面の全域に波状の突起部24が形成されている。この突起部24は、同じ形状の突起を前後方向に複数個並べたものであり、突起の高さは見込面本体部26の厚さよりも低いものである。
【0032】
このように構成された別実施形態においても、波状の突起部24により、芯材2の樹脂部5に対する接触面積が大きくなるので、芯材2が補強材3とより強固に一体化される。
【0033】
また、上記の実施形態のような外形を有する芯材2は、内周面の形状が異なる支柱1に対応するものである。すなわち、この芯材2は、前後方向の中央に膨大部23が形成されており、膨大部23の前後においては見込面本体部26と支柱見込面12の間に隙間が形成されるので、この隙間に納まる範囲内で、支柱1の内周面はどのようなものであってもよい。例として、図7(a)、(b)に示すように、支柱見込面12の内周面に形成されたタッピングホール13の位置が異なる場合が挙げられ、図7(a)の場合、タッピングホール13が中央の膨大部23から離れた位置に形成されており、図7(b)の場合、タッピングホール13が中央の膨大部23に近い位置に形成されている。なお、図7(a)の場合において、略L字形のブラケット7aが支柱見付面11にネジ止めして固定されている。また、図7(b)の場合において、支柱1を左右から挟み込むブラケット7bが、タッピングホール13の位置で左右から支柱見込面12にネジ止めして固定されている。
【0034】
さらに、支柱1と芯材2をネジ6により固定する場合においては、上記のとおり、ネジ6を支柱1および芯材2の見込面に貫通・螺合させることが望ましいが、それができない場合には、ネジ6を支柱1および芯材2の見付面に貫通・螺合させてもよい。そのような場合とは、たとえば、図8(a)に示すように、支柱見込面12に胴縁を取り付けるための金具8aを取り付ける場合や、図8(b)に示すように、支柱見込面12に縦枠8bを取り付ける場合である。なお、図8(a)の場合において、金具8aを取り付けるためのネジ81aが、芯材2の膨大部23の前側と後側に位置しており、ネジ81aの先端が支柱見込面12と見込面本体部26の間に位置することで、ネジ81aが芯材2と干渉しないようにされている。また、図8(b)の場合において、縦枠8bを取り付けるためのネジ81bが、芯材2の膨大部23と同じ前後位置に位置しているが、ネジ81bの先端が膨大部23の凹部233内に位置することで、ネジ81bが芯材2と干渉しないようにされている。
【0035】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で、設置箇所の状況や意匠性などを考慮して、各部の形状・構造を適宜変更できる。
【符号の説明】
【0036】
1 支柱
2 芯材
3 補強材
4 座面板
5 樹脂部
6 ネジ
23 膨大部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、
前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、
前記芯材は、断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しており、
前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、
前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、
前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする手すり。
【請求項2】
前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、
前記ネジは、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合していることを特徴とする請求項1記載の手すり。
【請求項3】
前記芯材は、内周面から内周側に向けて突出する突起部を有しており、
前記突起部は、前記膨大部の内側に納まっているものであることを特徴とする請求項1または2記載の手すり。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、前記芯材は、断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しており、前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする。なお、膨大部は、中空の芯材の少なくとも外周面が外周側に膨らんだ部分であり、内周面の形状は限定されない。また、補強材の下端が座面板に当接しているとは、補強材が座面板に直接的に接している場合と、補強材が座面板の表面を覆う別部材を介して座面板に間接的に接している場合の両方を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、前記ネジが、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合しているものであってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明は、前記芯材が、内周面から内周側に向けて突出する突起部を有しており、前記突起部は、前記膨大部の内側に納まっているものであってもよい
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明によれば、中空の芯材の下端に座面板が取り付けられていて開口部が塞がれているので、芯材の内部に挿入された補強材の下端が座面板に当接して容易かつ確実に位置決めされる。また、樹脂部を形成する際に、芯材の上端の開口部から樹脂を投入することで座面板により樹脂の漏れ出しが防がれ、芯材内に樹脂が充填されて芯材と補強材が一体化されるので、芯材の中間部を塞ぐ必要がなく、製造が容易である。このようにして、芯材の下部に補強材が挿入されるので、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材の脚部が効率的かつ確実に強化される。そして、座面板が芯材よりも大きいものであるから、芯材の下端部および座面板が躯体に埋め込まれた際に、座面板が引っ掛かりとなって浮き上がりを防ぎ、躯体に対して芯材が確実に固定される。さらに、芯材が断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しているので、断面積が大きくなり強度が高いものとなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、支柱と芯材がネジにより固定されておりネジが支柱の見込面を貫通して芯材に螺合しているものであれば、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱や芯材の見付面に孔がないものとすることができる。さらに、ネジが膨大部に螺合しているものであれば、芯材に螺合するネジの先端を膨大部の内側に納めて、補強材と干渉しないようにすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、芯材が内周面から内周側に向けて突出する突起部を有するものであれば、芯材の樹脂部に対する接触面積が大きくなるので、芯材が補強材とより強固に一体化される。さらに、突起部が膨大部の内側に納まっていれば、補強材とは干渉しない
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、
前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、
前記芯材の見込面が、見込方向中央に位置する膨大部と、前記膨大部の見込方向の両側に位置する見込面本体部からなるものであって、前記膨大部は、断面形状において前記見込面本体部よりも外周側に膨らんだ形状のものであり、
前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、
前記ネジは、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合するか、前記支柱の見付面を貫通して前記芯材の見付面に螺合するかを選択可能であり、
前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、
前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、
前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする手すり。
【請求項2】
中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、
前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、
前記芯材の見込面が、見込方向中央に位置する膨大部と、前記膨大部の見込方向の両側に位置する見込面本体部からなるものであって、前記膨大部は、断面形状において前記見込面本体部よりも外周側に膨らんだ形状のものであり、
前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、
前記ネジは、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合しており、
前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、
前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、
前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする手すり。
【請求項3】
前記芯材は、内周面から内周側に向けて突出する突起部を有しており、
前記突起部は、前記膨大部の内側に納まっているものであることを特徴とする請求項1または2記載の手すり。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、前記芯材の見込面が、見込方向中央に位置する膨大部と、前記膨大部の見込方向の両側に位置する見込面本体部からなるものであって、前記膨大部は、断面形状において前記見込面本体部よりも外周側に膨らんだ形状のものであり、前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、前記ネジは、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合するか、前記支柱の見付面を貫通して前記芯材の見付面に螺合するかを選択可能であり、前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする。なお、膨大部は、中空の芯材の少なくとも外周面が外周側に膨らんだ部分であり、内周面の形状は限定されない。また、補強材の下端が座面板に当接しているとは、補強材が座面板に直接的に接している場合と、補強材が座面板の表面を覆う別部材を介して座面板に間接的に接している場合の両方を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
発明のうち請求項2の発明は、中空形材からなる上下に延びる支柱と、中空形材からなり前記支柱を内側から保持する芯材と、前記芯材の内側に挿入された板状の補強材と、前記芯材の下端に取り付けられた座面板を備え、前記座面板は、平面視して前記芯材より大きいものであって前記芯材の下端の開口部を塞いでおり、前記芯材の見込面が、見込方向中央に位置する膨大部と、前記膨大部の見込方向の両側に位置する見込面本体部からなるものであって、前記膨大部は、断面形状において前記見込面本体部よりも外周側に膨らんだ形状のものであり、前記支柱と前記芯材がネジにより固定されており、前記ネジ、前記支柱の見込面を貫通して前記芯材の前記膨大部に螺合しており、前記補強材は、下端が前記座面板に当接しており、前記芯材の下端部および前記座面板が躯体に埋め込まれており、前記芯材の内側の下端から前記補強材の上端よりも高い位置までを埋めるものであって前記芯材の内周面と前記補強材の外周面の間の隙間を埋めて前記芯材と前記補強材を一体化する樹脂部を有することを特徴とする。なお、膨大部は、中空の芯材の少なくとも外周面が外周側に膨らんだ部分であり、内周面の形状は限定されない。また、補強材の下端が座面板に当接しているとは、補強材が座面板に直接的に接している場合と、補強材が座面板の表面を覆う別部材を介して座面板に間接的に接している場合の両方を含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明のうち請求項1の発明によれば、中空の芯材の下端に座面板が取り付けられていて開口部が塞がれているので、芯材の内部に挿入された補強材の下端が座面板に当接して容易かつ確実に位置決めされる。また、樹脂部を形成する際に、芯材の上端の開口部から樹脂を投入することで座面板により樹脂の漏れ出しが防がれ、芯材内に樹脂が充填されて芯材と補強材が一体化されるので、芯材の中間部を塞ぐ必要がなく、製造が容易である。このようにして、芯材の下部に補強材が挿入されるので、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材の脚部が効率的かつ確実に強化される。そして、座面板が芯材よりも大きいものであるから、芯材の下端部および座面板が躯体に埋め込まれた際に、座面板が引っ掛かりとなって浮き上がりを防ぎ、躯体に対して芯材が確実に固定される。さらに、芯材が断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しているので、断面積が大きくなり強度が高いものとなる。また、支柱と芯材がネジにより固定されており、ネジを支柱および芯材の見込面に貫通・螺合させることが望ましいが、それができない場合には、ネジを支柱および芯材の見付面に貫通・螺合させることもできる。なお、支柱と芯材がネジにより固定されておりネジが支柱の見込面を貫通して芯材に螺合しているものであれば、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱や芯材の見付面に孔がないものとすることができる。さらに、ネジが膨大部に螺合しているものであれば、芯材に螺合するネジの先端を膨大部の内側に納めて、補強材と干渉しないようにすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明のうち請求項2の発明によれば、中空の芯材の下端に座面板が取り付けられていて開口部が塞がれているので、芯材の内部に挿入された補強材の下端が座面板に当接して容易かつ確実に位置決めされる。また、樹脂部を形成する際に、芯材の上端の開口部から樹脂を投入することで座面板により樹脂の漏れ出しが防がれ、芯材内に樹脂が充填されて芯材と補強材が一体化されるので、芯材の中間部を塞ぐ必要がなく、製造が容易である。このようにして、芯材の下部に補強材が挿入されるので、手すりに水平力が加わった際に最大の曲げモーメントが発生する芯材の脚部が効率的かつ確実に強化される。そして、座面板が芯材よりも大きいものであるから、芯材の下端部および座面板が躯体に埋め込まれた際に、座面板が引っ掛かりとなって浮き上がりを防ぎ、躯体に対して芯材が確実に固定される。さらに、芯材が断面形状において外周側に膨らむ膨大部を有しているので、断面積が大きくなり強度が高いものとなる。また、支柱と芯材がネジにより固定されておりネジが支柱の見込面を貫通して芯材に螺合しているので、見込方向に荷重が作用した際に応力が最大となる支柱や芯材の見付面に孔がないものとすることができる。さらに、ネジが膨大部に螺合しているので、芯材に螺合するネジの先端を膨大部の内側に納めて、補強材と干渉しないようにすることができる。