IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スターテング工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-遮蔽材開閉装置 図1
  • 特開-遮蔽材開閉装置 図2
  • 特開-遮蔽材開閉装置 図3
  • 特開-遮蔽材開閉装置 図4
  • 特開-遮蔽材開閉装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040877
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】遮蔽材開閉装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 5/03 20060101AFI20230315BHJP
   E05F 1/16 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A47H5/03
E05F1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148068
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】391014000
【氏名又は名称】スターテング工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】松井 聡
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB01
2E182AC01
2E182DE01
2E182DE37
2E182EE01
2E182EF02
2E182EF17
2E182EF25
2E182EG11
(57)【要約】
【課題】 建物と遮蔽材との間に架設した遮蔽材操作用長尺体を、ゼンマイの復元力を利用して巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに任意の位置に止めることができる遮蔽材開閉装置の提供。
【解決手段】
ゼンマイの復元力を利用して紐、ロープ等の長尺体を巻き取る方式の遮蔽材開閉装置に、遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに当該遮蔽材レールの任意の位置に止めることができるフリーストップ機構を備える。そのフリーストップ機構は、遮蔽材レールに移動可能に吊架された可動体を、摩擦方式により遮蔽材レールの任意の位置に停止させたり、その制動を解除して移動させることができる仕組みとなすともに、その操作を短尺の操作バトンにより手動で行う方式となす。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物と遮蔽材との間に架設した遮蔽材操作用長尺体を、ゼンマイの復元力を利用してリールに巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、前記遮蔽材操作用長尺体が遮蔽材レールの遮蔽材閉位置側に設けた折り返しリールと、前記折り返しリールと反対側の遮蔽材レールの遮蔽材開位置側に設けた遮蔽材操作用長尺体巻取リール間に配置され、前記遮蔽材レールには遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールの任意の位置に止めることができるフリーストップ機構を備え、前記フリーストップ機構は、遮蔽材操作用長尺体に接続されて遮蔽材先頭部にローラーを介して遮蔽材レールに移動可能に吊架された可動体と、前記可動体を任意の位置に移動、停止させる手動式可動体位置制御装置とで構成され、前記手動式可動体位置制御装置は、常時上方向の力を付与された弾性係止部材の上部が、斜めに傾いた状態で遮蔽材レールに接触するごとく、当該遮蔽材レールの長さ方向に傾動可能に当該係止部材下部を軸支され、さらに前記弾性係止部材の下端に吊り下げた短尺の遮蔽材操作バトンの重さで当該弾性係止部材の上面が遮蔽材レールの下面に常時接触し、その摩擦力で前記可動体が制動状態を保持され、この状態で前記遮蔽材操作バトンを下方に引くと前記弾性係止部材の傾き方向が反転し、前記遮蔽材レールに対する弾性係止部材の摩擦力が弱まり前記可動体の制動が解除される仕組みとなしたことを特徴とする遮蔽材開閉装置。
【請求項2】
前記弾性係止部材は、内部に組み込まれた押圧バネにて常時上方向に押圧された筒形バネケースとからなり、この筒形バネケースの上部が、斜めに傾いた状態で遮蔽材レールに接触するごとく当該遮蔽材レールの長さ方向に傾動可能に当該ケース下部を軸支され、さらに前記筒形バネケース下端に吊り下げた短尺の遮蔽材操作バトンの重さで前記筒形バネケースの上面が遮蔽材レールの下面に常時接触し、その摩擦力で前記可動体が制動状態を保持され、この状態で前記遮蔽材操作バトンを下方に引くと前記筒形バネケース内の押圧バネに抗して当該ケースの傾き方向が反転し、前記遮蔽材レールに対する前記筒形バネケースの摩擦力が弱まり前記可動体の制動が解除される仕組みとなしたことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽材開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横開きカーテン、パーティションや縦型ブラインド、アコーディオンカーテン等の遮蔽材の開閉装置に係り、より詳しくは例えば建物の窓枠やカーテンレール等と遮蔽材との間に架設した紐、ロープ、ベルト等の長尺体を、ゼンマイバネを利用して巻き取る方式の遮蔽材開閉装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物の窓枠やカーテンレール等と横開きカーテンとの間に架設したワイヤを、ゼンマイバネを利用して巻き取る方式のカーテン開閉装置としては、ゼンマイバネを用いたリールによってカーテンの開閉を半自動で行う方式のものが特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載のカーテン開閉装置は、一つのカーテン開閉装置により一つのカーテンを開閉する方式のもので、紐、ロープ、ベルト等の長尺体をゼンマイバネの作用で巻き取る開閉リール装置を備え、一つのカーテンと長尺体とを連動させる連結部(吊り具)を前記カーテンに取付けて、一つのカーテンを半自動で開閉する装置である。このカーテン開閉装置は、一つのカーテンを閉じる際には、長尺体の自由端を引き下げることによって前記連結部が移動してカーテンが閉じられる仕組みとなし、同カーテンを開く際には、蓄えられたゼンマイバネの力によって長尺体が巻き取られることによって前記連結部がカーテンを移動させることによりカーテンが開く仕組みとなっている。
【0003】
又、この特許文献1に開示されているカーテンの開閉装置は、例えば左右一対のカーテンを一つのカーテン開閉装置で左右同時に開閉することも可能である。即ち、カーテンレールのほぼ全長にわたってカーテン開閉装置が配置され、例えば左端に配置したゼンマイバネを用いた開閉リール装置によって左右一対のカーテンの開閉を半自動で行う方式となしたもので、紐、ロープ、ベルト等の長尺体はカーテンレールの他端の折り返し部により折り返してガイド部から垂下されており、長尺体の先端側を引っ張ると当該長尺体が繰り出されてカーテンが閉まり、開閉リール装置のゼンマイバネに蓄えられた力により長尺体が巻き取られることによりカーテンが自動的に開く仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6463164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載されている従来のカーテン開閉装置には、以下に記載する問題がある。
特許文献1に記載のカーテン開閉装置は、図5に示すように左右方向に伸びるカーテンレール24の一端側(本例では左端側)に、紐、ワイヤロープ等の長尺体22を、内蔵されたゼンマイバネの作用でリールに巻き取る開閉リール装置21を備え、カーテンレール24の他端側には長尺体22の折り返し部25が配置され、長尺体22に設けられた連結部26にカーテン20が取付けられ、かつ長尺体22の自由端側はカーテンレール24の他端側に配置された折り返し部25にて折り返し、カーテンレール24の左端に設けられたガイド部28を介して水平状態から垂直状態となって垂下している。27は前記ガイド部28から常に垂下している長尺体22の把持部である。
【0006】
かかる構成のカーテン開閉装置の場合、前記ガイド部25から常に垂下している長尺体22を、把持部27を掴んで開閉リール装置21のゼンマイバネに抗して引っ張ると、長尺体22が繰り出されてカーテン20が閉まり、開閉リール装置21のゼンマイバネの作用で長尺体22が当該開閉リール装置に巻き取られるとカーテン20が開く仕組みとなっているため、カーテン20の開閉を操作する長尺体22が常にカーテン20の一端側に露出して垂れ下がった状態となり、室内のカーテン設置場所の美観を損ねるのみならず、垂下している長尺体に身体等が触れたりすると、長尺体が揺動して怪我等を負う危険性やガラス戸や室内の内壁を損傷するなどの問題があった。
【0007】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解消するためになされたもので、建物(例えば、窓枠、カーテンレール等)と遮蔽材(カーテン等)との間に架設した操作用の長尺体を、ゼンマイの復元力を利用して巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに任意の位置に止めることができる機構を採用することにより、室内の遮蔽材設置場所の美観を損ねることがなく、かつ安全性に富む遮蔽材開閉装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遮蔽材開閉装置は、遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに当該遮蔽材レールの任意の位置に止めることができるフリーストップ機構を採用することにより、遮蔽材操作用長尺体が外部に露出しない構造としたことを特徴とするものである。
即ち、本発明に係る遮蔽材開閉装置は、建物と遮蔽材との間に架設した遮蔽材操作用長尺体を、ゼンマイの復元力を利用してリールに巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、前記遮蔽材操作用長尺体が遮蔽材レールの一端側(遮蔽材の閉位置側)に設けた折り返しリールと、前記折り返しリールと反対側の遮蔽材レール他端側(遮蔽材の開位置側)に設けた開閉リール装置間に配置され、前記遮蔽材レールには遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールの任意の位置に止めることができるフリーストップ機構を備え、前記フリーストップ機構は、遮蔽材操作用長尺体に接続されて遮蔽材先頭部にローラーを介して遮蔽材レールに移動可能に吊架された可動体と、前記可動体を任意の位置に移動、停止させる手動式可動体位置制御装置とで構成され、前記手動式可動体位置制御装置は、常時上方向の力を付与された弾性係止部材が斜めに傾いた状態で当該係止部材の上部が遮蔽材レールに接触するごとく、遮蔽材レールの長さ方向に傾動可能に当該係止部材下部を前記可動体に軸支され、さらに前記弾性係止部材の下端に吊り下げた短尺の遮蔽材操作バトンの重さで当該弾性係止部材の上面が遮蔽材レールの下面に常時接触し、その摩擦力で前記可動体が制動状態を保持され、この状態で前記遮蔽材操作バトンを下方に引くと前記弾性係止部材の傾き方向が反転し、前記遮蔽材レールに対する弾性係止部材の摩擦力が弱まり前記可動体の制動が解除される仕組みとなしたことを特徴とするものである。
【0009】
又、本発明に係る前記弾性係止部材は、内部に組み込まれた押圧バネにて常時上方向に押圧された筒形バネケースとからなり、この筒形バネケースの上部が、斜めに傾いた状態で遮蔽材レールに接触するごとく当該遮蔽材レールの長さ方向に傾動可能に当該ケース下部を軸支され、さらに前記筒形バネケース下端に吊り下げた短尺の遮蔽材操作バトンの重さで前記筒形バネケースの上面が遮蔽材レールの下面に常時接触し、その摩擦力で前記可動体が制動状態を保持され、この状態で前記遮蔽材操作バトンを下方に引くと前記筒形バネケース内の押圧バネに抗して当該ケースの傾き方向が反転し、前記遮蔽材レールに対する前記筒形バネケースの摩擦力が弱まり前記可動体の制動が解除される仕組みとなしたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記手動式可動体位置制御装置の筒形バネケースには、遮蔽材レールとの摩擦力を確保するために、ケース本体を硬質ゴム製や合成樹脂製としたり、あるいは金属製のケース本体の上面即ち遮蔽材レールとの接触面のみにゴム等の弾性体を貼付けたものを用いることができる。又、筒形バネケース下端に吊り下げる遮蔽材操作バトンとしては、材質や長さ等は特に限定するものではないが、長さ150mm程度、重量20g程度の棒状体を用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上記のごとく、建物と遮蔽材との間に架設した遮蔽材操作用長尺体を、ゼンマイの復元力を利用してリールに巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、紐、ワイヤロープ等の遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに遮蔽材レールの任意の位置に止めることができる前記構成のフリーストップ機構を採用したことにより、例えば遮蔽材閉方向(遮蔽材操作用長尺体引き方向)に手動式可動体位置制御装置の操作バトンを引くと、遮蔽材レールに移動可能に吊架された可動体に下端部を支点に傾動可能に軸支された前記弾性係止部材、又は筒形バネケース内の圧縮バネが縮み、当該弾性係止部材、又は筒形バネケースの傾き方向が反転して遮蔽材レールとの摩擦力が弱まることにより可動体の制動が解除され、操作バトンから手を離すとゼンマイによる遮蔽材操作用長尺体の引き力により遮蔽材が閉じられる。又、この遮蔽材閉じ動作中に遮蔽材を停止させたい場合は、操作バトンを遮蔽材操作用長尺体の移動方向と逆方向に引き、弾性係止部材あるいは筒形バネケースの傾き方向を変えるだけで任意の位置に遮蔽材を止めることができる。
【0012】
このように、本発明は前記したように遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに遮蔽材を任意の位置に止めることができるので、遮蔽材操作用長尺体が外部に露出することがなくなり、遮蔽材の開閉を操作する長尺体が常に遮蔽材の一端側に露出して遮蔽材の底部付近まで垂れ下がった状態になることによる前記従来の問題を解消することができる。又、本発明の弾性係止部材又は筒形バネケース下端に吊り下げる遮蔽材操作バトンには、長さが150mm程度、重量20g程度の棒状体を用いることができるので、前記した従来の遮蔽材の底部付近まで垂れ下がった遮蔽材操作用長尺体に比べはるかに短尺であり、かつ常に遮蔽材レール近傍に位置するので室内の遮蔽材設置場所の美観を損ねることが皆無であるのみならず、当該バトンが揺動して怪我等を負う危険性やガラス戸や室内の内壁を損傷するなどの問題も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一の実施の形態に係る遮蔽材開閉装置の構造の概要を示す図で、遮蔽材全閉状態の概略平面図である。
図2】同遮蔽材開閉装置の遮蔽材全閉状態の概略正面図である。
図3】同遮蔽材開閉装置の全体構造を一部破断して示す拡大正面図である。
図4】同遮蔽材開閉装置のフリーストップ機構の構造を一部破断して示す拡大図である。
図5】本発明の対象とする従来のカーテン開閉装置の構造の概要を示すカーテン半開状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図4に示す遮蔽材開閉装置において、1は遮蔽材レール、2は紐、ワイヤロープ等の遮蔽材操作用長尺体、3はゼンマイバネの作用で遮蔽材操作用長尺体2をリールに巻き取る方式の開閉リール装置、4は折返しリール、5はフリーストップ機構、6は遮蔽材、7は遮蔽材吊り具をそれぞれ示す。
【0015】
遮蔽材操作用長尺体2は遮蔽材レール1の一端側、すなわちゼンマイの作用で遮蔽材操作用長尺体2をリール3-1に巻き取る方式の開閉リール装置3と反対側の遮蔽材の閉位置側に水平に軸支した折返しリール4と、前記折り返しリールと反対側の遮蔽材レール他端側の遮蔽材開位置側に設けた前記開閉リール装置3との間に配置されている。ゼンマイバネの作用で遮蔽材操作用長尺体2をリールに巻き取る方式の開閉リール装置3は、遮蔽材操作用長尺体2を、内蔵されたゼンマイ(図示せず)の作用で巻き取るリール3-1を備え、遮蔽材操作用長尺体2に遮蔽材吊り具7を介して吊り下げられた遮蔽材6を半自動で開閉する仕組みとなっている。
【0016】
次に、遮蔽材6の開閉位置を任意に設定できる機能を有するフリーストップ機構5について、図3図4を参照しつつ具体的に説明する。
まず図3に示すように、遮蔽材6(図2参照)の先頭部が可動体5-1の後部に設けた係止孔5-5に接続されて、遮蔽材レール1の幅方向に配置した片側2個一対の2組のローラー5-3を介してレール長手方向に移動可能に吊架され、かつ遮蔽材操作用長尺体2の端部に接続具5-4を介して接続された可動体5-1と、この可動体5-1に装着されて当該可動体を任意の位置に移動、停止させる手動式可動体位置制御装置5-2とで構成されている。
【0017】
前記手動式可動体位置制御装置5-2は、その一例を図3図4に示すように、内部に組み込まれた押圧バネ5-2bにて常時上方向に押圧された矩形の筒形バネケース5-2aと、前記筒形バネケース下端に吊り下げた短尺の遮蔽材操作バトン5-2cとから構成されている。この手動式可動体位置制御装置5-2の筒形バネケース5-2aは、上面が閉鎖された断面U字形の筒体で、その上面には弾性部材5-2dが張り付けられ、筒体内部にスライド可能に内嵌された内部バネ受け部材5-2eと筒形バネケース5-2aの上部内面との間に組み込まれた押圧バネ5-2bにて常時上方向に押圧された筒形バネケース5-2aの上部の弾性部材5-2dが、斜めに傾いた状態で常時遮蔽材レール1に接触し摩擦力が発生して可動体5-1が停止するように、当該遮蔽材レール1の長さ方向に傾動可能に回転軸5-2fにより当該ケース下部を軸支されている。さらに、前記筒形バネケース5-2aの下端には、筒形バネケース5-2aの上面の弾性部材5-2dを遮蔽材レール1の下面に常時接触させてその摩擦力により可動体5-1の制動状態を保持するためと、前記可動体5-1の制動状態を解除するために筒形バネケース5-2aの傾き方向を反転させるための短尺の遮蔽材操作バトン5-2cを吊り下げている。この遮蔽材操作バトン5-2cは図4に拡大して示すように、矩形の筒形バネケース5-2aの下部に突設した突起部5-2hと、遮蔽材操作バトン5-2cの上端部間を連結部材5-2gを介して吊り下げている。
【0018】
すなわち、前記フリーストップ機構5は、筒形バネケース5-2aの下部に吊り下げた遮蔽材操作バトン5-2cの重さで、筒形バネケース5-2aが折返しリール4側に傾斜して当該ケースの上部の弾性部材5-2dが遮蔽材レール1に接触し、筒形バネケース5-2a内の押圧バネ5-2bによる摩擦力で可動体5-1が、開閉リール装置3による遮蔽材操作用長尺体2の引き力(遮蔽材閉じ方向に作用する力)に抗して停止することにより当該位置に遮蔽材6を止めることができ、又、この状態で遮蔽材操作バトン5-2cを把持して折返しリール4側に引くと、筒形バネケース5-2a内の押圧バネ5-2bが縮んで当該バネケースの傾き方向が反転し前記摩擦力が弱まることにより、可動体5-1の制動状態が解除され、開閉リール装置による遮蔽材操作用長尺体2の引き力により可動体5-1が折返しリール4側に移動して遮蔽材6が閉じられる仕組みとなしている。なお、フリーストップ機構5の可動体5-1の正面部は、筒形バネケース5-2aの部分が露出しないように、例えば板状のカバー(図面省略)等で覆っている。
【0019】
上記構成からなる遮蔽材開閉装置において、遮蔽材6が開閉リール装置3側(右端側)に寄せられて完全に全開した状態、すなわち筒形バネケース5-2a内の押圧バネ5-2bによる摩擦力で可動体5-1が停止している状態から、当該遮蔽材6を開く際には、遮蔽材操作バトン5-2cを把持して折返しリール4側に引くと、前記したごとく筒形バネケース5-2a内の押圧バネ5-2bが縮んで当該バネケースの傾き方向が反転し前記摩擦力が弱まることにより、可動体5-1の制動状態が解除され、開閉リール装置3による遮蔽材操作用長尺体2の引き力により、遮蔽材操作バトン5-2cから手を離すと可動体5-1が折返しリール4側に移動して遮蔽材6が閉じられる。遮蔽材6を好みの位置に閉じた状態にする場合は、遮蔽材操作バトン5-2cを把持して開閉リール装置3側に引くと同時に、遮蔽材操作バトン5-2cを離すことにより当該バトン5-2cの重さで、筒形バネケース5-2aが折返しリール4側に傾斜して弾性部材5-2dが遮蔽材レール1に圧接し、可動体5-1が開閉リール装置3による遮蔽材操作用長尺体2の引き力に抗して停止することにより当該位置に遮蔽材6を止めることができる。又、可動体5-1の制動を解除する場合は、遮蔽材閉方向(遮蔽材操作用長尺体2の引き方向)側に遮蔽材操作バトン5-2cを引くと、筒形バネケース5-2aの傾き方向が反転し前記摩擦力が弱まることにより、可動体5-1の制動状態が解除され、遮蔽材操作バトン5-2cから手を離すと遮蔽材6が閉じられる。
【0020】
本発明に係る遮蔽材開閉装置は、上記のように遮蔽材レールと遮蔽材との間に架設した遮蔽材操作用長尺体を、ゼンマイの復元力を利用して巻き取る方式の遮蔽材開閉装置において、遮蔽材操作用長尺体を遮蔽材レールから引き出さずに任意の位置に止めることができるフリーストップ機構を採用したことにより、遮蔽材開閉操作を簡易迅速に行うことができるのみならず、遮蔽材を操作する短尺の遮蔽材操作バトンのみが遮蔽材レール近傍に露出するだけのスッキリとした外観の遮蔽材開閉装置となる点でも優れている。
【符号の説明】
【0021】
1 遮蔽材レール
2 遮蔽材操作用長尺体
3 開閉リール装置
3-1 リール
4 折返しリール
5 フリーストップ機構
5-1 可動体
5-2 手動式可動体位置制御装置
5-2a 筒形バネケース
5-2b 押圧バネ
5-2c 遮蔽材操作バトン
5-2d 弾性部材
5-2e バネ受け部材
5-2f 回転軸
5-2g 連結部材
5-2h 突起部
5-3 ローラー
5-4 接続具
5-5 係止孔
6 遮蔽材
7 遮蔽材吊り具
図1
図2
図3
図4
図5