(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023040933
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】レーザブランキング装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20230315BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20230315BHJP
B23K 26/16 20060101ALI20230315BHJP
B23K 26/08 20140101ALI20230315BHJP
【FI】
B23K26/38 Z
B23K26/70
B23K26/16
B23K26/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148143
(22)【出願日】2021-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】394019082
【氏名又は名称】コマツ産機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】越後 雄斗
(72)【発明者】
【氏名】西川 輝
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CB03
4E168GA01
4E168GA02
4E168HA08
(57)【要約】
【課題】生産性を向上することが可能なレーザブランキング装置を提供する。
【解決手段】 レーザブランキング装置5では、第1レーザヘッド11とともにワークの搬送方向に沿って移動する第1下流側追従コンベアユニット23は、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1下流側追従コンベア34を有する。各々の第1下流側追従コンベア34は搬送方向に沿って配置されている。第2レーザヘッド13とともにワークの搬送方向に沿って移動する第2上流側追従コンベアユニット24は、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2上流側追従コンベア36を有する。各々の第2上流側追従コンベア36は搬送方向に沿って配置されている。幅方向において、第1下流側追従コンベア34は、隣り合う第2上流側追従コンベア36の間に配置され、もしくは第2上流側追従コンベア36は、隣り合う第1下流側追従コンベア34の間に配置される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザを射出する第1レーザヘッドと、
前記第1レーザヘッドとともにワークの搬送方向に沿って移動する第1追従コンベアユニットと、
レーザを射出する第2レーザヘッドと、
前記第2レーザヘッドとともに前記搬送方向に沿って移動する第2追従コンベアユニットと、を備え、
前記第1追従コンベアユニットは、前記第1レーザヘッドの下流側に配置される第1下流側追従コンベアユニットを備え、
前記第2追従コンベアユニットは、前記第2レーザヘッドの上流側に配置される第2上流側追従コンベアユニットを備え、
前記第1下流側追従コンベアユニットは、前記搬送方向に対して垂直な幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1下流側追従コンベアを有し、
各々の前記第1下流側追従コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記第2上流側追従コンベアユニットは、前記幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2上流側追従コンベアを有し、
各々の前記第2上流側追従コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記幅方向において、前記第1下流側追従コンベアは、隣り合う前記第2上流側追従コンベアの間に配置され、もしくは前記第2上流側追従コンベアは、隣り合う前記第1下流側追従コンベアの間に配置される、
レーザブランキング装置。
【請求項2】
前記第1追従コンベアユニットは、前記第1レーザヘッドの上流側に配置される第1上流側追従コンベアユニットを有し、
前記第1上流側追従コンベアユニットの上流側に配置される前記搬送方向における位置が固定された上流側固定コンベアユニットを更に備え、
前記第1上流側追従コンベアユニットは、前記幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1上流側追従コンベアを有し、
各々の前記第1上流側追従コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記上流側固定コンベアユニットは、前記幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の上流側固定コンベアを有し、
各々の前記上流側固定コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記幅方向において、前記第1上流側追従コンベアは、隣り合う前記上流側固定コンベアの間に配置され、もしくは、前記上流側固定コンベアは、隣り合う前記第1上流側追従コンベアの間に配置される、
請求項1に記載のレーザブランキング装置。
【請求項3】
前記第2追従コンベアユニットは、前記第2レーザヘッドの下流側に配置される第2下流側追従コンベアユニットを有し、
前記第2下流側追従コンベアユニットの下流側に配置され前記搬送方向における位置が固定された下流側固定コンベアユニットを更に備え、
前記第2下流側追従コンベアユニットは、前記幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2下流側追従コンベアを有し、
各々の前記第2下流側追従コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記下流側固定コンベアユニットは、前記幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の下流側固定コンベアを有し、
各々の前記下流側固定コンベアは、前記搬送方向に沿って配置されており、
前記幅方向において、前記第2下流側追従コンベアは、隣り合う前記下流側固定コンベアの間に配置され、もしくは、前記下流側固定コンベアは、隣り合う前記第2下流側追従コンベアの間に配置される、
請求項1または2に記載のレーザブランキング装置。
【請求項4】
所望形状を切断する際の停止時における前記第1レーザヘッドの前記搬送方向に対する速度変化をV(t)とし、前記ワークの搬送速度をV0とすると、前記第1下流側追従コンベアを-(V(t)+V0)+V0で回転駆動させ、
所望形状を切断する際の停止時における前記第2レーザヘッドの前記搬送方向に対する速度変化をV(t)´とすると、前記第2上流側追従コンベアを-(V(t)´+V0)+V0で回転駆動させる制御部を更に備えた、
請求項1に記載のレーザブランキング装置。
【請求項5】
前記第1レーザヘッドは、下方に向かって前記レーザを射出し、
前記第2レーザヘッドは、下方に向かって前記レーザを射出し、
前記第1レーザヘッドの下方に配置され、前記第1レーザヘッドとともに前記搬送方向に沿って移動する第1集塵ボックスと、
前記第2レーザヘッドの下方に配置され、前記第2レーザヘッドとともに前記搬送方向に沿って移動する第2集塵ボックスと、
を更に備えた、
請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザブランキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザブランキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プレスラインにおいて、プレス機によるブランキングに代えて、レーザ切断機によるブランキングを行うレーザブランキング装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、レーザヘッドと、レーザヘッドの下方に配置され、端材を回収するベルトコンベアと、レーザヘッドの下方に隙間を形成するとともに、ベルトコンベアを取り囲むように配置され、ワークを搬送するベルトとを備えたレーザブランキング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザブランキング装置は、一般的にプレス機よりも生産性が劣るため、処理の高速化を図るためにレーザレッドを2つ配置することが提案されている。
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1に示すようにレーザヘッドに付随する機構があるため、2つのレーザヘッドの寄り付き性が悪くなり、ワークの切断形状によっては生産性が向上し難かった。
【0007】
本開示は、生産性を向上することが可能なレーザブランキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様にかかるレーザブランキング装置は、第1レーザヘッドと、第1追従コンベアユニットと、第2レーザヘッドと、第2追従コンベアユニットと、を備える。第1レーザヘッドは、レーザを射出する。第1追従コンベアユニットは、第1レーザヘッドとともにワークの搬送方向に沿って移動する。第2レーザヘッドは、レーザを射出する。第2追従コンベアユニットは、第2レーザヘッドとともに搬送方向に沿って移動する。第1追従コンベアユニットは、第1レーザヘッドの下流側に配置される第1下流側追従コンベアユニットを備える。第2追従コンベアユニットは、第2レーザヘッドの上流側に配置される第2上流側追従コンベアユニットを備える。第1下流側追従コンベアユニットは、搬送方向に対して垂直な幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1下流側追従コンベアを有する。各々の第1下流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。第2上流側追従コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2上流側追従コンベアを有する。各々の第2上流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。幅方向において、第1下流側追従コンベアは、隣り合う第2上流側追従コンベアの間に配置され、もしくは第2上流側追従コンベアは、隣り合う第1下流側追従コンベアの間に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の態様によれば、生産性を向上することが可能なレーザブランキング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示にかかる実施の形態1のレーザブランキング装置を用いたレーザブランキングラインを示す模式図。
【
図2A】本開示にかかる実施の形態1のレーザブランキング装置を示す斜視図。
【
図3】(a)
図2Aのレーザブランキング装置の平面図、(b)
図2Aのレーザブランキング装置の側面図。
【
図4】本開示にかかる実施の形態1の第1追従コンベアユニットを上流側から視た斜視図。
【
図5】本開示にかかる実施の形態1の第1レーザヘッド11の駆動機構を説明するための図であり、第1追従コンベアユニットを下流側から視た斜視図。
【
図6】本開示にかかる実施の形態1のレーザブランキング装置において第1追従コンベアユニットを第1方向の上流側に移動させた状態を示す斜視図。
【
図7】(a)
図6のレーザブランキング装置の平面図、(b)
図6のレーザブランキング装置の側面図。
【
図8】搬送方向におけるレーザヘッドの速度変化のグラフの一例を示す図。
【
図9】
図8におけるレーザヘッドの速度変化に対応するベルトの周速の変化を示す図。
【
図10】(a)コイル材を切断した形状の一例を示す図、(b)コイル材が停止している状態において、コイル材から
図10(a)に示す部材を切断する際の第1レーザヘッドと第2レーザヘッドの移動経路を示す図。
【
図11】(a)第1レーザヘッドの駆動範囲と第2レーザヘッドの駆動範囲が重ならない場合の各々のレーザヘッドの移動経路を示す図、(b)第1レーザヘッドの駆動範囲と第2レーザヘッドの駆動範囲が重なる場合の各々のレーザヘッドの移動経路を示す図。
【
図12】本開示に係る実施の形態2のレーザブランキング装置の部分斜視図。
【
図14】
図13のレーザブランキング装置において第1追従コンベアユニットと第2追従コンベアユニットが近づいた状態を示す部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示にかかるレーザブランキング装置について図面を参照しながら以下に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
(レーザブランキングライン1の概要)
図1は、本実施の形態のレーザブランキング装置を用いたレーザブランキングライン1を示す模式図である。
【0013】
レーザブランキングライン1は、コイル材Wから所望の形状を切断する。レーザブランキングライン1は、アンコイラ2と、レベラ3と、フィーダ4と、レーザブランキング装置5と、洗浄装置6と、パイラ7と、を備える。
【0014】
アンコイラ2は、回転してコイル材を巻きほぐす。レベラ3は、複数のローラを有しており、コイル材Wを複数のローラの間に通過させて送り出しながら、コイル材Wの巻き癖を修正する。フィーダ4は、例えば一対のローラを有し、ローラを回転させてコイル材Wをレーザブランキング装置5に搬送する。レーザブランキング装置5は、コイル材を所望形状の部材に切断する。洗浄装置6は、所望形状の部材の洗浄を行う。パイラ7は、吸着装置等を用いて所望形状の部材を積み重ねる。
【0015】
(レーザブランキング装置5)
図2Aは、本実施の形態のレーザブランキング装置5を示す斜視図である。
図2B、
図2C、および
図2Dは、
図2Aの部分拡大図である。
図3(a)は、レーザブランキング装置5の平面図である。
図3(b)は、レーザブランキング装置5の側面図である。レーザブランキング装置5は、
図2Aに示すように、ワーク搬送装置10と、第1レーザヘッド11と、第1集塵ボックス12と、第2レーザヘッド13と、第2集塵ボックス14と、を備える。
【0016】
ワーク搬送装置10は、フィーダ4によってレーザブランキング装置5に送り込まれるコイル材を下流に搬送する。第1レーザヘッド11は、下方に向けてレーザを照射し、コイル材を所望の形状に切断する。第1集塵ボックス12は、第1レーザヘッド11の下方に配置されている。第1集塵ボックス12は、第1レーザヘッド11によるレーザ切断によって発生する粉塵、ヒューム、または端材等のダストを捕集する。第1集塵ボックス12は、第1レーザヘッド11とともに搬送方向に沿って移動可能である。第2レーザヘッド13は、第1レーザヘッド11の下流側に配置されている。第2集塵ボックス14は、第2レーザヘッド13の下方に配置されている。第2集塵ボックス14は、第2レーザヘッド13とともに搬送方向に沿って移動可能である。第2集塵ボックス14は、第2レーザヘッド13によるレーザ切断によって発生する粉塵、ヒューム、または端材等のダストを捕集する。
【0017】
なお、コイル材Wの搬送方向X1が示されており、搬送方向X1の上流方向および下流方向を含む方向が第1方向Xとして示されており、第1方向Xに対して垂直且つ水平な幅方向が第2方向Yとして示されている。また、第1方向Xと第2方向Yに対して垂直な上下方向が第3方向Zとして示されている。
【0018】
(ワーク搬送装置10)
ワーク搬送装置10は、レーザで所望の形状に切断された部材を下流側へと搬送する。
【0019】
ワーク搬送装置10は、第1方向Xにおいて上流側から下流側に向かって順に、上流側固定コンベアユニット21と、第1追従コンベアユニット8と、第2追従コンベアユニット9と、下流側固定コンベアユニット26と、制御部27と、を備える。第1追従コンベアユニット8は、第1レーザヘッド11の第1方向Xの移動に追従するように、第1方向Xに沿って移動可能である。また、第2追従コンベアユニット9は、第2レーザヘッド13の第1方向Xの移動に追従するように、第1方向Xに沿って移動可能である。
【0020】
第1追従コンベアユニット8は、第1上流側追従コンベアユニット22、第1集塵ボックス12、および第1下流側追従コンベアユニット23を有する。第1上流側追従コンベアユニット22、第1集塵ボックス12、および第1下流側追従コンベアユニット23は、第1レーザヘッド11の第1方向Xの移動に追従するように、一体として第1方向Xに沿って移動可能である。
【0021】
第2追従コンベアユニット9は、第2上流側追従コンベアユニット24、第2集塵ボックス14、および第2下流側追従コンベアユニット25を有する。第2上流側追従コンベアユニット24、第2集塵ボックス14、および第2下流側追従コンベアユニット25は、第2レーザヘッド13の第1方向Xの移動に追従するように、一体として第1方向Xに沿って移動可能である。
【0022】
(上流側固定コンベアユニット21)
上流側固定コンベアユニット21は、フロアに固定されている。上流側固定コンベアユニット21は、第1方向Xに対して位置が固定されている。上流側固定コンベアユニット21は、
図2Aおよび
図2Bに示すように、複数の上流側固定コンベア30と、モータ31(
図3(b)参照)と、を有している。本実施の形態では、
図2Bに示すように、上流側固定コンベアユニット21は、6条の上流側固定コンベア30を有している。各々の上流側固定コンベア30は、第1方向Xに沿って配置されている。複数の上流側固定コンベア30は、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。
【0023】
上流側固定コンベア30は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。上流側固定コンベア30は、第1プーリ30aと、第2プーリ30bと、ベルト30cと、を有する。
【0024】
第1プーリ30aは、複数の上流側固定コンベア30に共通で配置されている。第1プーリ30aは、上流側固定コンベア30ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ30aは、
図2B、
図3(a)および
図3(b)に示すように、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ30aは、上流側固定コンベアユニット21の上流側の端にフレーム21aによって回転可能に支持されている。
【0025】
第2プーリ30bは、各々の上流側固定コンベア30ごとに配置されている。第2プーリ30bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ30bは、第1プーリ30aよりも下流側に配置されている。第2プーリ30bは、上流側固定コンベア30の下流側の端にフレーム21aによって回転可能に支持されている。
【0026】
ベルト30cは、第1プーリ30aと第2プーリ30bに巻き掛けられている。ベルト30cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト30cは、第1プーリ30aと第2プーリ30bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0027】
モータ31は、第1プーリ30aを回転させる。モータ31は、フレーム21aに配置されている。例えば、モータ31の出力軸と第1プーリ30aの間にベルトが巻き替えられており、このベルトによってモータ31の回転が第1プーリ30aに伝達される。
【0028】
上述の構成により、隣り合う上流側固定コンベア30の間の空間の上流端はフレーム21aおよび第1プーリ30aによって閉じられているが、下流端は下流側に向かって開口されている。この開口に後述する第1上流側追従コンベアユニット22の第1上流側追従コンベア32が挿入される。なお、隣り合う上流側固定コンベア30の第2方向Yにおける間隔は、後述する第1上流側追従コンベア32の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う上流側固定コンベア30と第1上流側追従コンベア32との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0029】
(第1追従コンベアユニット8)
前述したとおり、第1追従コンベアユニット8は、第1上流側追従コンベアユニット22、第1集塵ボックス12、および第1下流側追従コンベアユニット23を含み、第1レーザヘッド11の第1方向Xの移動に追従するように、一体として第1方向Xに沿って移動可能である。
【0030】
図4は、第1追従コンベアユニット8を上流側から視た模式的な斜視図である。
図5は、第1レーザヘッド11の駆動機構を説明するための図であり、第1追従コンベアユニット8を下流側から視た斜視図である。
【0031】
第1追従コンベアユニット8は、第1上流側追従コンベアユニット22と、第1下流側追従コンベアユニット23と、第1集塵ボックス12に加えて、
図5に示すように、第1キャリッジ50と、第2キャリッジ51と、キャリッジ支持部52と、接続フレーム53と、を備える。
【0032】
(第1上流側追従コンベアユニット22)
【0033】
第1上流側追従コンベアユニット22は、第1レーザヘッド11の上流側に配置されている。
図4に示すように、第1上流側追従コンベアユニット22は、複数の第1上流側追従コンベア32と、モータ33と、を有している。
【0034】
第1上流側追従コンベア32は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。本実施の形態では、第1上流側追従コンベアユニット22は、7条の第1上流側追従コンベア32を有している。第1上流側追従コンベア32は、
図3(a)および
図4に示すように、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。
【0035】
第1上流側追従コンベア32は、第1プーリ32aと、第2プーリ32bと、ベルト32cと、を有する。
【0036】
第1プーリ32aは、複数の第1上流側追従コンベア32に共通で配置されている。第1プーリ32aは、第1上流側追従コンベア32ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ32aは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ32aは、第1上流側追従コンベアユニット22の下流側の端にフレーム22aによって回転可能に支持されている。第1プーリ32aは、第1集塵ボックス12の上流側近傍に配置されている。
【0037】
第2プーリ32bは、各々の第1上流側追従コンベア32ごとに配置されている。第2プーリ32bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ32bは、第1プーリ32aよりも上流側に配置されている。第2プーリ32bは、第1上流側追従コンベア32の上流側の端にフレーム22aによって回転可能に支持されている。
【0038】
ベルト32cは、第1プーリ32aと第2プーリ32bに巻き掛けられている。ベルト32cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト32cは、第1プーリ32aと第2プーリ32bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0039】
モータ33は、第1プーリ32aを回転させる。モータ33は、フレーム22aに配置されている。例えば、モータ33の出力軸と第1プーリ32aの間にベルトが巻き掛けられており、このベルトによってモータ33の回転が第1プーリ32aに伝達される。
【0040】
上記構成によって、隣り合う第1上流側追従コンベア32の間の空間の下流端はフレーム22a、第1プーリ32aおよび第1集塵ボックス12によって閉じられているが、上流端は上流側に向かって開口されている。この開口に上述した上流側固定コンベアユニット21の上流側固定コンベア30が挿入される。
【0041】
図3(a)に示すように、第2方向Yにおいて、隣り合う上流側固定コンベア30の間に第1上流側追従コンベア32が配置される。あるいは、隣り合う第1上流側追従コンベア32の間に上流側固定コンベア30が配置されているとも言える。
【0042】
図6は、第1追従コンベアユニット8を第1方向Xの上流側に移動させた状態を示す図である。
図7(a)は、
図6の平面図であり、
図7(b)は、
図6の側面図である。
【0043】
図に示すように、隣り合う上流側固定コンベア30の間隔の各々に、第1上流側追従コンベア32が下流側から嵌まり込む。
【0044】
このように、第1追従コンベアユニット8が上流側に移動すると、複数の上流側固定コンベア30の間に、複数の第1上流側追従コンベア32がはまり込むため、第1レーザヘッド11を上流側に大きく移動させることができる。なお、隣り合う第1上流側追従コンベア32の第2方向Yにおける間隔は、上述した上流側固定コンベア30の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う第1上流側追従コンベア32と上流側固定コンベア30との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0045】
また、第2方向Yにおいて互い違いに上流側固定コンベア30と第1上流側追従コンベア32が配置されているため、
図2Aや、
図3(a)および
図3(b)に示すように、上流側固定コンベア30の下流側の端と、第1上流側追従コンベア32の上流側の端が、第1方向Xにおいて離間してもコイル材の撓みが許容可能な範囲であれば、コイル材を搬送することができる。
【0046】
(第1下流側追従コンベアユニット23)
【0047】
第1下流側追従コンベアユニット23は、
図4に示すように、第1レーザヘッド11の下流側に配置されている。
図5に示すように、第1下流側追従コンベアユニット23は、複数の第1下流側追従コンベア34と、モータ35と、を有している。
【0048】
第1下流側追従コンベア34は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。本実施の形態では、第1下流側追従コンベアユニット23は、7条の第1下流側追従コンベア34を有している。第1下流側追従コンベア34は、第1プーリ34aと、第2プーリ34bと、ベルト34cと、を有する。
【0049】
第1プーリ34aは、複数の第1下流側追従コンベア34に共通で配置されている。第1プーリ34aは、第1下流側追従コンベア34ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ34aは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ34aは、第1下流側追従コンベアユニット23の上流側の端にフレーム22aによって回転可能に支持されている。第1プーリ34aは、第1集塵ボックス12の下流側近傍に配置されている。
【0050】
第2プーリ34bは、各々の第1下流側追従コンベア34ごとに配置されている。第2プーリ34bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ34bは、第1プーリ34aよりも下流側に配置されている。第2プーリ34bは、第1下流側追従コンベア34の下流側の端にフレーム22aによって回転可能に支持されている。
【0051】
ベルト34cは、第1プーリ34aと第2プーリ34bに巻き掛けられている。ベルト34cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト34cは、第1プーリ34aと第2プーリ34bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0052】
モータ35は、第1プーリ34aを回転させる。モータ35は、フレーム23aに配置されている。例えば、モータ35の出力軸と第1プーリ34aの間にベルトが巻き替えられており、このベルトによってモータ35の回転が第1プーリ34aに伝達される。
【0053】
上述の構成によって、第1下流側追従コンベア34は、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。隣り合う第1下流側追従コンベア34の間の空間の上流端はフレーム23a、第1プーリ34aおよび第1集塵ボックス12によって閉じられているが、下流端は下流側に向かって開口されている。この開口に後述する第2上流側追従コンベアユニット24の第2上流側追従コンベア36が挿入される。なお、隣り合う第1下流側追従コンベア34の第2方向Yにおける間隔は、後述する第2上流側追従コンベア36の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う第1下流側追従コンベア34と第2上流側追従コンベア36との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0054】
なお、
図3(a)に示すように、第2方向Yにおける複数条の第1上流側追従コンベア32と複数条の第1下流側追従コンベア34の位置とは一致している。
【0055】
また、第1上流側追従コンベア32の方が、第1下流側追従コンベア34よりも第1方向Xにおける長さは長く構成されているが、これに限られるものではない。
【0056】
(第1レーザヘッド11、第1キャリッジ50、第2キャリッジ51、キャリッジ支持部52)
図5に示すように、第1レーザヘッド11は、下方に向かってレーザを照射するように、第1キャリッジ50に配置されている。第1レーザヘッド11は、第1キャリッジ50を介して第2キャリッジ51に配置されている。第1キャリッジ50は、略板状であり、上流側の面にガイド溝を有する。
【0057】
第2キャリッジ51は、第1キャリッジ50のガイド溝に嵌るガイド51aと、第1方向Xに対して垂直な板状のキャリッジ本体51bと、キャリッジ本体51bの上流側の面に配置された複数のスライダ(図示せず)と、を有する。ガイド51aは、第3方向Zに沿ってキャリッジ本体51bの下流側の面に配置されている。第1キャリッジ50は、ガイド51aに沿って第3方向Zにスライド可能である。第1キャリッジ50を第2キャリッジ51に対して移動させる構成としては、リニアモータを用いることができる。例えば、ガイド51aに沿って複数の磁石を並べて配置し、第1キャリッジ50にコイルを設け、コイルに流す電流を制御することによって、第1キャリッジ50を第2キャリッジ51に対して第3方向Zに沿って移動することができる。
【0058】
キャリッジ支持部52は、第2キャリッジ51を第2方向Yに沿って移動可能に支持する。キャリッジ支持部52の下流側の面には、第2方向Yに沿って一対のガイドレール52aが配置されている。一対のガイドレール52aに第2キャリッジ51のスライダが嵌合している。このような構成によって、第2キャリッジ51は、ガイドレール52aに沿って第2方向Yにスライド移動する。第2キャリッジ51は、リニアモータを駆動源としてキャリッジ支持部52に対して移動する。例えば、ガイドレール52aに沿って複数の磁石52bを並べて配置し、第2キャリッジ51にコイルを設け、コイルに流す電気を制御することによって、第2キャリッジ51をキャリッジ支持部52に対して第2方向Yに沿って移動することができる。
【0059】
(接続フレーム53)
接続フレーム53は、第1上流側追従コンベアユニット22のフレーム22aと、第1下流側追従コンベアユニット23のフレーム23aと、キャリッジ支持部52と、第1集塵ボックス12と、を接続する。
【0060】
また、接続フレーム53の左側面(第1方向Xの下流側を向いて左方向の側面)には、複数のスライダが配置されている。
【0061】
レーザブランキング装置5のマシンルームの左内側面(第1方向Xの下流側を向いて左方向の側面)には、第1方向Xに沿った一対のガイドレール56が配置されている。一対のガイドレール56は上下方向に並んで配置されている。接続フレーム53の側面に設けられたスライダは、ガイドレール56にスライド可能に嵌合している。スライダがガイドレール56に沿ってスライドすることによって、第1追従コンベアユニット8が、第1方向Xに沿って移動することができる。なお、スライダは、リニアモータを駆動源としてガイドレール56に対して移動する。例えば、ガイドレール56に沿って複数の磁石56bを並べて配置し、スライダにコイルを設け、コイルに流す電気を制御することによって、スライダがガイドレール56に沿って第1方向Xに移動することができる。
【0062】
なお、マシンルームの左内側面だけでなく右内側面にもガイドレールが設けられており、接続フレーム53の右側面に配置されたスライダとスライド可能に嵌合している。これによって、ガントリ構造が形成されている。
以上の構成により、第1上流側追従コンベアユニット22と、第1下流側追従コンベアユニット23と、第1集塵ボックス12とは、第1レーザヘッド11の第1方向Xの移動に追従するように、一体として第1方向Xに沿って移動可能である。
【0063】
(第2追従コンベアユニット9)
【0064】
第2追従コンベアユニット9は、
図2Aに示すように、第1追従コンベアユニット8の下流側に配置される。第2追従コンベアユニット9は、第1追従コンベアユニット8と同様に、第1方向Xに沿って移動可能である。
【0065】
第2追従コンベアユニット9は、第2上流側追従コンベアユニット24と、第2下流側追従コンベアユニット25と、第2集塵ボックス14を備える。
【0066】
(第2上流側追従コンベアユニット24)
第2上流側追従コンベアユニット24は、第2レーザヘッド13および第2集塵ボックス14とともに第1方向Xに沿って移動可能である。
【0067】
第2上流側追従コンベアユニット24は、第2レーザヘッド13の上流側に配置されている。
図6に示すように、第2上流側追従コンベアユニット24は、複数の第2上流側追従コンベア36と、モータ37と、を有している。
【0068】
第2上流側追従コンベア36は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。本実施の形態では、第2上流側追従コンベアユニット24は、第2上流側追従コンベア36を6条有している。第2上流側追従コンベア36は、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。
【0069】
第2上流側追従コンベア36は、
図6、
図7(a)および
図7(b)に示すように、第1プーリ36aと、第2プーリ36bと、ベルト36cと、を有する。
【0070】
第1プーリ36aは、複数の第2上流側追従コンベア36に共通で配置されている。第1プーリ36aは、第2上流側追従コンベア36ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ36aは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ36aは、第2上流側追従コンベアユニット24の下流側の端にフレーム24aによって回転可能に支持されている。第1プーリ36aは、第2集塵ボックス14の上流側近傍に配置されている。
【0071】
第2プーリ36bは、各々の第2上流側追従コンベア36ごとに配置されている。第2プーリ36bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ36bは、第1プーリ36aよりも上流側に配置されている。第2プーリ36bは、第2上流側追従コンベア36の上流側の端にフレーム24aによって回転可能に支持されている。
【0072】
ベルト36cは、第1プーリ36aと第2プーリ36bに巻き掛けられている。ベルト36cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト36cは、第1プーリ36aと第2プーリ36bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0073】
モータ37は、第1プーリ36aを回転させる。モータ37は、フレーム24aに配置されている。例えば、モータ37の出力軸と第1プーリ36aの間にベルトが巻き掛けられており、このベルトによってモータ37の回転が第1プーリ36aに伝達される。
【0074】
上述の構成によって、隣り合う第2上流側追従コンベア36の間の空間の下流端はフレーム23a、第2集塵ボックス14および第1プーリ36aによって閉じられているが、上流端は上流側に向かって開口されている。この開口に上述した第1下流側追従コンベアユニット23の第1下流側追従コンベア34が挿入される。
【0075】
図3(a)に示すように、第2方向Yにおいて、隣り合う第1下流側追従コンベア34の間に、第2上流側追従コンベア36が配置される。あるいは、隣り合う第2上流側追従コンベア36の間に、第1下流側追従コンベア34が配置されていると言うこともできる。
【0076】
図に示すように、隣り合う第1下流側追従コンベア34の間隔の各々に第2上流側追従コンベア36が下流側からはまりこみ、隣り合う第2上流側追従コンベア36の間隔の各々に第1下流側追従コンベア34が上流側からはまりこむことができる。
【0077】
このため、第1下流側追従コンベア34または第2上流側追従コンベア36の長さまで第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13を近づけることができる。
【0078】
また、第2方向Yにおいて互い違いに第1下流側追従コンベア34と第2上流側追従コンベア36が配置されているため、
図6や
図7((a)および(b))に示すように、第1下流側追従コンベア34の下流側の端と、第2上流側追従コンベア36の上流側の端が、第1方向Xにおいて離間していても、コイル材Wの撓みが許容範囲内であれば、コイル材Wを搬送することが可能となる。なお、隣り合う第2上流側追従コンベア36の第2方向Yにおける間隔は、上述した第1下流側追従コンベア34の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う第1下流側追従コンベア34と第2上流側追従コンベア36との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0079】
(第2下流側追従コンベアユニット25)
【0080】
第2下流側追従コンベアユニット25は、第2レーザヘッド13の下流側に配置されている。
図6に示すように、第2下流側追従コンベアユニット25は、複数の第2下流側追従コンベア38と、モータ39と、を有している。
【0081】
第2下流側追従コンベア38は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。本実施の形態では、第2下流側追従コンベアユニット25は、7条の第2下流側追従コンベア38を有している。第2下流側追従コンベア38は、
図7(a)に示すように、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。
【0082】
第2下流側追従コンベア38は、
図2C、
図2Dおよび
図6に示すように、第1プーリ38aと、第2プーリ38bと、ベルト38cと、を有する。
【0083】
第1プーリ38aは、複数の第2下流側追従コンベア38に共通で配置されている。第1プーリ38aは、第2下流側追従コンベア38ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ38aは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ38aは、第2下流側追従コンベアユニット25の上流側の端にフレーム25aによって回転可能に支持されている。第1プーリ38aは、第2集塵ボックス14の下流側近傍に配置されている。
【0084】
第2プーリ38bは、各々の第2下流側追従コンベア38ごとに配置されている。第2プーリ38bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ38bは、第1プーリ38aよりも下流側に配置されている。第2プーリ38bは、第2下流側追従コンベア38の下流側の端にフレーム25aによって回転可能に支持されている。
【0085】
ベルト38cは、第1プーリ38aと第2プーリ38bに巻き掛けられている。ベルト38cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト38cは、第1プーリ38aと第2プーリ38bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0086】
モータ39は、第1プーリ38aを回転させる。モータ39は、フレーム25aに配置されている。例えば、モータ39の出力軸と第1プーリ38aの間にベルトが巻き替えられており、このベルトによってモータ39の回転が第1プーリ38aに伝達される。
【0087】
上述の構成によって、隣り合う第2下流側追従コンベア38の間の空間の上流端はフレーム25a、第2集塵ボックス14および第1プーリ38aによって閉じられているが、下流端は下流側に向かって開口されている。この開口に後述する下流側固定コンベアユニット26の下流側固定コンベア40が挿入される。なお、隣り合う第2下流側追従コンベア38の第2方向Yにおける間隔は、後述する下流側固定コンベア40の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う第2下流側追従コンベア38と下流側固定コンベア40との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0088】
なお、第2方向Yにおいて、
図3(a)に示すように、複数の第2下流側追従コンベア38の間に、複数の第2上流側追従コンベア36が配置されている。いいかえると、第2下流側追従コンベア38は第2上流側追従コンベア36と直線上に配置されていない。また、第2下流側追従コンベア38の方が、第2上流側追従コンベア36よりも第1方向Xにおける長さは長く構成されているが、これに限られるものではない。
第2追従コンベアユニット9は、第2レーザヘッド13の第1方向Xの移動に追従して、第2上流側追従コンベアユニット24、第2下流側追従コンベアユニット25、第2集塵ボックス14とが一体として第1方向Xに沿って移動可能とするために、第1追従コンベアユニット8と同様の構造(第1キャリッジ、第2キャリッジ、キャリッジ支持部、接続フレーム)を有するが、詳細については第1追従コンベアユニット8と同様のため説明を省略する。
【0089】
(下流側固定コンベアユニット26)
下流側固定コンベアユニット26は、フロアに固定されている。下流側固定コンベアユニット26は、第1方向Xに対して位置が固定されている。下流側固定コンベアユニット26は、複数の下流側固定コンベア40と、モータ41と、を有している。本実施の形態では、下流側固定コンベアユニット26は、6条の下流側固定コンベア40を有している。下流側固定コンベア40は、第2方向Yにおいて所定間隔を空けて配置されている。
【0090】
下流側固定コンベア40は、第1方向Xに沿ってコイル材を搬送する。下流側固定コンベア40は、
図2A、
図2C、および
図2Dに示すように、第1プーリ40aと、第2プーリ40bと、ベルト40cと、を有する。
【0091】
第1プーリ40aは、複数の下流側固定コンベア40に共通で配置されている。第1プーリ40aは、下流側固定コンベア40ごとに配置されたプーリが繋がったものともいえる。第1プーリ40aは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第1プーリ40aは、下流側固定コンベアユニット26の上流側の端にフレーム26aによって回転可能に支持されている。
【0092】
第2プーリ40bは、各々の下流側固定コンベア40ごとに配置されている。第2プーリ40bは、第2方向Yに沿って配置されており、第2方向Yに沿った回転軸を有する。第2プーリ40bは、第1プーリ40aよりも上流側に配置されている。第2プーリ40bは、下流側固定コンベア40の上流側の端にフレーム26aによって回転可能に支持されている。
【0093】
ベルト40cは、第1プーリ40aと第2プーリ40bに巻き掛けられている。ベルト40cは、例えばタイミングベルトを用いることができる。ベルト40cは、第1プーリ40aと第2プーリ40bの回転によって、表面が第1方向Xに沿って回転する。この回転によってコイル材が下流側に搬送される。
【0094】
モータ41は、第1プーリ40aを回転させる。モータ41は、フレーム26aに配置されている。例えば、モータ41の出力軸と第1プーリ40aの間にベルトが巻き替えられており、このベルトによってモータ41の回転が第1プーリ40aに伝達される。
【0095】
このような構成によって、隣り合う下流側固定コンベア40の間の空間の下流端はフレーム26aおよび第1プーリ31aによって閉じられているが、上流端は上流側に向かって開口されている。この開口に上述した第2下流側追従コンベアユニット25の第2下流側追従コンベア38が挿入される。
【0096】
図3(a)に示すように、第2方向Yにおいて、隣り合う下流側固定コンベア40の間に、第2下流側追従コンベア38が配置される。あるいは、隣り合う第2下流側追従コンベア38の間に、下流側固定コンベア40が配置されていると言うこともできる。
【0097】
図に示すように、隣り合う下流側固定コンベア40の間隔の各々に、第2下流側追従コンベア38が上流側からはまりこむことができる。
【0098】
このように、第2追従コンベアユニット9が下流側に移動すると、複数の下流側固定コンベア40の間に、複数の第2下流側追従コンベア38がはまり込むため、第2レーザヘッド13を下流側に大きく移動させることができる。なお、隣り合う下流側固定コンベア40の第2方向Yにおける間隔は、上述した第2下流側追従コンベア38の第2方向Yにおける幅よりも大きいが、隣り合う第2下流側追従コンベア38と下流側固定コンベア40との隙間がコイル材の搬送に影響を与えない程度の大きさに抑えられる。
【0099】
また、第2方向Yにおいて互い違いに下流側固定コンベア40と第2下流側追従コンベア38が配置されているため、下流側固定コンベア40の下流側の端と、第2下流側追従コンベア38の上流側の端が、第1方向Xにおいて離間していても、コイル材の撓みが許容可能な範囲であれば、コイル材を搬送することができる。
【0100】
(制御部27)
制御部27は、プロセッサおよび記憶部を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従ってワーク搬送装置10の制御のための処理を実行する。記憶部は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよび/またはRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶部は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶部は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶部は、ワーク搬送装置10を制御するプログラムおよびデータを記憶している。
【0101】
制御部27は、モータ31、モータ33、モータ35、モータ37、モータ39およびモータ41を駆動制御する。ここで、フィーダ4からの搬送速度をV
0とし、所望形状を切断する際の停止時における第1レーザヘッド11の搬送方向に対する速度変化をV(t)とする。
図8は、搬送方向におけるレーザヘッドの速度変化のグラフの一例を示す図である。点線がV(t)のグラフを示す図である。
図8では、縦軸が搬送方向における速度を示し、横軸が時間を示す。この場合、搬送速度V
0を加味した第1レーザヘッド11の速度は、実線で示すV(t)+V
0となる。
【0102】
図9は、
図8における第1レーザヘッド11の速度変化に対応するベルトの周速の変化を示す図である。
図9では、縦軸がベルトの周速度を示し、横軸が時間を示す。第1上流側追従コンベアユニット22と第1下流側追従コンベアユニット23は、第1方向Xについては第1レーザヘッド11に追従して(同期して)動くため、コイル材を搬送速度V
0で搬送しようとすると、Vc=-(V(t)+V
0)+V
0で第1上流側追従コンベアユニット22のモータ33と、第1下流側追従コンベアユニット23のモータ35を駆動する。
図9における点線が、-(V(t)+V
0)を示し、実線がVcを示す。
【0103】
なお、第2上流側追従コンベアユニット24と第2下流側追従コンベアユニット25の周速度も同様である。フィーダ4からの搬送速度をV0とし、停止時における第2レーザヘッド13の搬送方向に対する速度変化をV(t)´とすると、Vc´=-(V(t)´+V0)+V0で第2上流側追従コンベア36と第2下流側追従コンベア38を回転させることによって、コイル材の搬送速度をV0にすることができる。
【0104】
(駆動範囲)
次に、第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13の駆動範囲について説明する。
図3(a)には、第1方向Xにおける第1レーザヘッド11の駆動範囲R1が示され、第2レーザヘッド13の駆動範囲R2が示されている。本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レーザヘッド11の下流側の第1下流側追従コンベア34と、第2レーザヘッド13の上流側の第2上流側追従コンベア36が互いに嵌まり込むように構成されているため、第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13の寄り付き性が向上する。そのため、駆動範囲R1と駆動範囲R2を、第1方向Xにおいてオーバーラップさせることができる。
【0105】
図10(a)に示すような、湾曲した形状の部材W1にコイル材を切断する場合について説明する。
図10(b)は、コイル材に対する第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13の移動を示す図である。上流側の第1レーザヘッド11の移動が実線の矢印A(1)、A(2)、A(3)、A(4)で示されている。下流側の第2レーザヘッド13の移動が点線の矢印B(1)、B(2)、B(3)、B(4)で示されている。部材W1の第1方向Xにおける長さをD1とする。
【0106】
第1レーザヘッド11は、矢印A(1)に示すように、第1方向Xの下流側を向いて左端を出発点として左側から右側に移動しながらコイル材の切断を行い、その後矢印A(2)に示すように、第1方向Xの上流側に向かって移動する。さらに矢印A(3)に示すように、右側から左側に移動しながらコイル材の切断を行い、矢印A(4)に示すように、第1方向Xの上流側に向かって移動する。第2レーザヘッド13も同様に、矢印B(1)に示すように、第1方向Xの下流側を向いて左端を出発点として左側から右側に移動しながらコイル材の切断を行い、その後矢印B(2)に示すように、第1方向Xの上流側に向かって移動する。さらに矢印B(3)に示すように、右側から左側に移動しながらコイル材の切断を行い、矢印B(4)に示すように、第1方向Xの上流側に向かって移動する。
【0107】
図10(b)では、切断後の形状がイメージしやすいように静止状態にあるコイル材に対する各レーザヘッドの移動を示したが、実際には、コイル材を搬送しながら各レーザヘッドによる切断が行われる。
【0108】
図11(a)は、コイル材を所定の搬送速度で搬送しながら切断を行う場合の第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13の移動を示す図であり、静止状態にあるレーザブランキング装置5に対する各レーザヘッドの移動を示している。
図10(a)で示した移動と同じ符号が示されている。第1レーザヘッド11の開始点がA(s)で示され、矢印A(4)に沿って移動した後の終了点がA(e)で示されている。開始点A(s)と終了点A(e)とは一致するよう設定される。第2レーザヘッド13の開始点がB(s)で示され、矢印B(4)に沿って移動した後の終了点がB(e)で示されている。開始点A(s)と終了点A(e)とは一致するよう設定される。
図11(a)に示す状態では、部材W1を切断する場合の第1レーザヘッド11の駆動範囲R1´と第2レーザヘッド13の駆動範囲R2´が重なっていない。
【0109】
一方、コイル材から切断される部材の第1方向Xにおける長さが短い場合、
図11(b)に示すように、第1レーザヘッド11の駆動範囲R1´´と第2レーザヘッド13の駆動範囲R2´´とを重ならせざるを得ない傾向がある。
【0110】
本実施の形態のレーザブランキング装置5およびワーク搬送装置10では、
図3を用いて説明した通り第1レーザヘッド11の駆動範囲R1と第2レーザヘッド13の駆動範囲R2が第1方向Xにおいて重なっているため、
図11(b)のように2つのレーザヘッドの駆動範囲が重なる場合でも対応できる。
【0111】
(実施の形態2)
次に、本開示にかかる実施の形態2のレーザブランキング装置5´およびレーザブランキング装置5´に用いるワーク搬送装置10´について説明する。ワーク搬送装置10´では、上述したワーク搬送装置10と異なり、複数の追従コンベアを駆動するモータが追従コンベアユニットとともに移動せずに固定されている。
詳細には、実施の形態1では、モータ33あるいはモータ39は、第1追従コンベアユニット8とともに第1方向Xに沿って移動し、モータ35あるいはモータ37は第2追従コンベアユニット9とともに第1方向Xに沿って移動しているが、本実施の形態2では、モータはこれらの追従コンベアユニットとともに移動しない。
【0112】
図12は、本実施の形態2のレーザブランキング装置5´の第1追従コンベアユニット8´および第2追従コンベアユニット9´を示す斜視図である。
図12では、上流側固定コンベアユニットと下流側固定コンベアユニットが省略されている。また、
図12では、第1追従コンベアユニット8´の第1集塵ボックス12および第1下流側追従コンベアユニット23´は示されているが、第1上流側追従コンベアユニットは省略されており、第1レーザヘッドも省略されている。また、第2追従コンベアユニット9´の第2集塵ボックス14および第2上流側追従コンベアユニット24は図示されているが、第2下流側追従コンベアユニットは省略されており、第2レーザヘッドも省略されている。
【0113】
図13は、
図12に示す第1追従コンベアユニット8´および第2追従コンベアユニット9の側面図である。
図14は、
図13の状態から第1追従コンベアユニット8´と第2追従コンベアユニット9´が互いに近づいた状態を示す側面図である。
図14では、第1追従コンベアユニット8´の複数の第1下流側追従コンベア34´が第2追従コンベアユニット9の複数の第2上流側追従コンベア36´の間に挿入されている。
【0114】
図12に示す第1下流側追従コンベアユニット23´の複数の第1下流側追従コンベア34´には、
図13に示すように、第1プーリ34aと第2プーリ34bの間に第3プーリ34dおよび第4プーリ34eが配置されている。なお、本実施の形態2では、第1プーリ34aは、第1下流側追従コンベア34´毎に配置されており、実施の形態1のように互いに繋がっていなくてもよい。
【0115】
第3プーリ34dは、第1プーリ34aの近傍に配置されている。第3プーリ34dは、第1プーリ34aの下流側であって、第1プーリ34aよりも下側に配置されている。第3プーリ34dは、ベルト34cの内側に配置されている。第3プーリ34dは、複数の第1下流側追従コンベア34´に共通で配置されており、第1下流側追従コンベア34´毎に配置されたプーリがつながったものである。
【0116】
第4プーリ34eは、第2プーリ34bと第3プーリ34dの間に配置されている。第4プーリ34eは、ベルト34cの外側に配置されている。
【0117】
ベルト34cは、第1プーリ34a、第2プーリ34b、第3プーリ34d、および第4プーリ34eに巻き掛けられている。
【0118】
同様に、第2上流側追従コンベアユニット24´の複数の第2上流側追従コンベア36´には、
図13に示すように、第1プーリ36aと第2プーリ36bの間に第3プーリ36dおよび第4プーリ36eが配置されている。なお、本実施の形態2では、第1プーリ36aは、第2上流側追従コンベア36´毎に配置されており、実施の形態1のように互いに繋がっていなくてもよい。
【0119】
第3プーリ36dは、第1プーリ36aの近傍に配置されている。第3プーリ36dは、第1プーリ36aの上流側であって、第1プーリ36aよりも下側に配置されている。第3プーリ36dは、ベルト36cの内側に配置されている。第3プーリ36dは、複数の第2上流側追従コンベア36´に共通で配置されており、第2上流側追従コンベア36´毎に配置されたプーリがつながったものである。
【0120】
第4プーリ36eは、第2プーリ36bと第3プーリ36dの間に配置されている。第4プーリ36eは、ベルト36cの外側に配置されている。
【0121】
ベルト36cは、第1プーリ36a、第2プーリ36b、第3プーリ36d、および第4プーリ36eに巻き掛けられている。
【0122】
図12に示すように、複数の第1下流側追従コンベア34´および複数の第2上流側追従コンベア36´を回転するモータ60およびモータ70が配置されている。モータ60は、第1追従コンベアユニット8´の第1方向Xの上流側に配置されている。モータ60は、フロアまたは上流側固定コンベアユニット21等に固定されており、第1方向Xに移動しない。モータ70は、第2追従コンベアユニット9´の第1方向Xの下流側に配置されている。モータ70は、フロアまたは下流側固定コンベアユニット26等に固定されており、第1方向Xに移動しない。なお、
図13および
図14では。モータ60.70は省略している。
【0123】
モータ60の近傍には、駆動プーリ61およびプーリ62、63が配置されている。モータ60の出力軸と駆動プーリ61の軸の間にはベルトが巻き掛けられており、モータ60の回転に伴って駆動プーリ61は回転する。プーリ62は、駆動プーリ61の第1方向Xにおける下流側であって下方に配置されている。プーリ63は、プーリ62の第1方向Xにおける下流側であって下方に配置されている。駆動プーリ61、プーリ62、およびプーリ63に駆動ベルト80が巻き掛けられている。駆動ベルト80は、駆動プーリ61の上流側、プーリ62の下流側、およびプーリ63の上流側を通るように配置されている。
【0124】
モータ70の近傍には、駆動プーリ71およびプーリ72、73が配置されている。モータ70の出力軸と駆動プーリ71の軸の間にはベルトが巻き掛けられており、モータ70の回転に伴って駆動プーリ71は回転する。プーリ72は、駆動プーリ71の第1方向Xにおける上流側であって下方に配置されている。プーリ73は、プーリ72の第1方向Xにおける上流側であって下方に配置されている。上述した駆動ベルト80が、駆動プーリ71、プーリ72、およびプーリ73に巻き掛けられている。駆動ベルト80は、駆動プーリ71の下流側、プーリ72の上流側、およびプーリ73の下流側を通るように配置されている。
【0125】
第1追従コンベアユニット8´の第1下流側追従コンベアユニット23´は、プーリ64と、プーリ65と、プーリ66を更に有している。プーリ64、65、66は、第1下流側追従コンベア34´、第1集塵ボックス12および第1レーザヘッド11とともに第1方向Xに移動可能に構成されている。プーリ64、65、66は、上述した接続フレーム53に固定されている。プーリ64は、第3プーリ34dと同軸上に配置されており、第3プーリ34dに繋がっている。プーリ65はプーリ64の上流側に配置され、プーリ66はプーリ64の下流側に配置されている。駆動ベルト80は、プーリ64、65、66に巻き掛けられている。駆動ベルト80は、プーリ65の上側、プーリ64の下側、およびプーリ66の上側を順に通るように配置されている。
【0126】
第2追従コンベアユニット9´は、プーリ74と、プーリ75と、プーリ76を更に有している。プーリ74、75、76は、第2上流側追従コンベア36´、第2集塵ボックス14および第2レーザヘッド13とともに第1方向Xに移動可能に構成されている。プーリ74、75、76は、上述した接続フレーム53に固定されている。プーリ74は、第3プーリ36dと同軸上に配置されており、第3プーリ36dに繋がっている。プーリ75はプーリ74の下流側に配置され、プーリ76はプーリ74の上流側に配置されている。駆動ベルト80は、プーリ74、75、76に巻き掛けられている。駆動ベルト80は、プーリ75の上側、プーリ74の下側、およびプーリ76の上側を順に通るように配置されている。
【0127】
このような構成によって、モータ60とモータ70を駆動すると、駆動プーリ61、71が回転し、駆動ベルト80が回転する。駆動ベルト80の回転に伴ってプーリ64とともに第3プーリ34dが回転し、プーリ74とともに第3プーリ36dが回転する。第3プーリ34dの回転によって複数のベルト34cが回転し、第1下流側追従コンベア34´が回転駆動する、また、第3プーリ36dの回転によって複数のベルト36cが回転し、第2上流側追従コンベア36´が回転駆動する。また、
図13および
図14に示すように、第1追従コンベアユニット8´および第2追従コンベアユニット9´が第1方向Xに沿って移動した場合であっても、プーリ64,65、66、74、75、76は駆動ベルト80に巻き掛けられた状態を保っているため、コンベアを駆動することができる。
【0128】
なお、上記では、第1下流側追従コンベアユニット23´において第3プーリ34dおよび第4プーリ34eが設けられているが、第3プーリ34dおよび第4プーリ34eが設けられておらず、プーリ64が第1プーリ34aまたは第2プーリ34bと繋がっていてもよい。同様に、第2上流側追従コンベアユニット24´において、第3プーリ36dおよび第4プーリ36eが設けられておらず、プーリ64が第1プーリ36aまたは第2プーリ36bと繋がっていてもよい。
【0129】
なお、省略されている第1上流側追従コンベアユニット22についても、上記と同様に、ベルト32cの内側に配置されたプーリのいずれかに繋がったプーリが配置され、そのプーリに駆動ベルト80が巻き掛けられていればよい。また、省略されている第2下流側追従コンベアユニット25についても、上記と同様に、ベルト38cの内側に配置されたプーリのいずれかに繋がったプーリが配置され、そのプーリに駆動ベルト80が巻き掛けられていればよい。
【0130】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に比べて第1追従コンベアユニットや第2追従コンベアユニットの重量を軽くすることができるため、第1方向Xの移動をより高速化することができ、より高速に切断することが可能となる。
【0131】
(特徴)
(1)
本実施の形態のレーザブランキング装置は、第1レーザヘッドと、第1追従コンベアユニットと、第2レーザヘッドと、第2追従コンベアユニットを備える。第1レーザヘッドは、レーザを射出する。第1追従コンベアユニットは、第1レーザヘッドとともにワークの搬送方向に沿って移動する。第2レーザヘッドは、レーザを射出する。第2追従コンベアユニットは、第2レーザヘッドとともに搬送方向に沿って移動する。第1追従コンベアユニットは、第1レーザヘッドの下流側に配置される第1下流側追従コンベアユニットを備える。第2追従コンベアユニットは、第2レーザヘッドの上流側には位置される第2上流側追従コンベアユニットを備える。第1下流側追従コンベアユニットは、搬送方向に対して垂直な幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1下流側追従コンベアを有する。各々の第1下流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。第2上流側追従コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2上流側追従コンベアを有する。各々の第2上流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。さらに、幅方向において、第1下流側追従コンベアは、隣り合う第2上流側追従コンベアの間に配置され、もしくは第2上流側追従コンベアは、隣り合う第1下流側追従コンベアの間に配置される。
【0132】
これにより、第1下流側追従コンベアが隣り合う第2上流側追従コンベアの間に入り、もしくは第2上流側追従コンベアが隣り合う第1下流側追従コンベアの間に入り込むことができるため、第1レーザヘッド11と第2レーザヘッド13が近づけるので、寄り付き性を向上することが可能となる。レーザヘッドの寄り付き性の向上により、切断形状に関わらず生産性を向上することができる。
【0133】
(2)
本実施の形態のレーザブランキング装置では、第1追従コンベアユニットが、第1レーザヘッドの上流側に配置される第1上流側追従コンベアユニットを有する。レーザブランキング装置は、第1上流側追従コンベアユニットの上流側に配置される搬送方向における位置が固定された上流側固定コンベアユニットを更に備える。第1上流側追従コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第1上流側追従コンベアを有する。各々の第1上流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。上流側固定コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の上流側固定コンベアを有する。各々の上流側固定コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。幅方向において、第1上流側追従コンベアは、隣り合う上流側固定コンベアの間に配置され、もしくは、上流側固定コンベアは、隣り合う第1上流側追従コンベアの間に配置される。
【0134】
このように、上流側固定コンベアユニットの上流側固定コンベアと第1上流側追従コンベアユニットの第1上流側追従コンベアが第2方向Yにおいて隣り合って配置されているため、コイル材をスムーズに上流側固定コンベアユニットから第1上流側追従コンベアユニットへと搬送することができる。
【0135】
(3)
本実施の形態のレーザブランキング装置では、第2追従コンベアユニットが、第2レーザヘッドの下流側に配置される第2下流側追従コンベアユニットを有する。レーザブランキング装置は、第2下流側追従コンベアユニットの下流側に配置され搬送方向における位置が固定された下流側固定コンベアユニットを更に備える。第2下流側追従コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第2下流側追従コンベアを有する。各々の第2下流側追従コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。下流側固定コンベアユニットは、幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数の下流側固定コンベアを有する。各々の下流側固定コンベアは、搬送方向に沿って配置されている。幅方向において、第2下流側追従コンベアは、隣り合う下流側固定コンベアの間に配置され、もしくは、下流側固定コンベアは、隣り合う第2下流側追従コンベアの間に配置される。
【0136】
このように第2下流側追従コンベアユニットの第2下流側追従コンベアと下流側固定コンベアユニットの下流側固定コンベアが第2方向Yにおいて隣り合って配置されているため、コイル材をスムーズに第2下流側追従コンベアユニッから下流側固定コンベアユニットへと受け渡すことができる。
【0137】
(4)
本実施の形態のレーザブランキング装置は、制御部を更に備える。制御部は、所望形状を切断する際の停止時における第1レーザヘッドの搬送方向に対する速度変化をV(t)とし、ワークの搬送速度をV0とすると、第1下流側追従コンベアを-(V(t)+V0)+V0で回転駆動させ、所望形状を切断する際の停止時における第2レーザヘッド13の搬送方向に対する速度変化をV(t)´とし、ワークの搬送速度をV0´とすると、第2上流側追従コンベアを-(V(t)´+V0´)+V0´で回転駆動させる。
【0138】
これによって、ワークを搬送しながら、レーザによってワークを所望の形状に切断することができる。
【0139】
(5)
本実施の形態のレーザブランキング装置は、第1集塵ボックスと、第2集塵ボックスと、を備える。第1レーザヘッドは、下方に向かってレーザを射出する。第2レーザヘッドは、下方に向かってレーザを射出する。第1集塵ボックスは、第1レーザヘッドの下方に配置され、第1レーザヘッドとともに搬送方向に沿って移動する。第2集塵ボックスは、第2レーザヘッドの下方に配置され、第2レーザヘッドとともに搬送方向に沿って移動する。
【0140】
これによって、ワークを搬送しながらレーザを用いてワークを切断し、切断によって発生したダストを集めることができる。
【0141】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0142】
(A)
上記実施の形態では、2つのレーザヘッドを備えるレーザブランキング装置について例示したが、これに限られない。3つ以上のレーザヘッドを備えるレーザブランキング装置に対しては、追従コンベアユニットの数はレーザヘッドの数に応じたものとすることができる。
【0143】
また、上記実施の形態では、上流側固定コンベアユニットと下流側固定コンベアユニットの両方を備えるレーザブランキング装置について例示したが、これに限られない。上流側固定コンベアユニットと下流側固定コンベアユニットのいずれか1つだけを備えるものについても本発明の適用範囲に含まれる。
【0144】
さらに、上記実施の形態では、追従コンベアユニットが、レーザヘッドの上流側に上流側追従コンベアユニットを備えるとともに、レーザヘッドの下流側に下流側追従コンベアユニットを備えるレーザブランキング装置について例示したが、これに限られない。追従コンベアユニットが上流側追従コンベアユニットまたは下流側追従コンベアユニットのいずれか一方だけを備えるものについても本発明の適用範囲に含まれる。
【0145】
(B)
上記実施の形態では、固定コンベアユニットのコンベアや追従コンベアユニットのコンベアはモータの駆動力によって回転しているが、モータを省略できる場合がある。例えば、上流側固定コンベアユニット21の上流側固定コンベア30や、第1上流側追従コンベアユニット22の第1上流側追従コンベア32はモータによる能動的な回転は行わず、フィーダ4によるコイル材の搬送に伴って受動的に回転するものであっても良い。
レーザ加工によってコイル材が完全に分断される前であれば、フィーダ4によってコイル材が搬送されるため、駆動力を用いて能動的に搬送を行う必要がなく、受動的に回転するコンベアとすることができる。
【0146】
また、コンベアを受動的に回転するものとする場合には、プールにベルトを巻きかけた構造とする必要はなく、コイル材を下方から支持するローラ等を用いることができる。この場合、第1方向Xに沿って形成される支持部材に複数のローラを配置するとともに、この支持部材を、第2方向Yに複数条並べて配置すればよい。
【0147】
(C)
上記実施の形態のワーク搬送装置10、10´では、コンベアとしてベルトコンベアを用いているが、ベルトに限らなくてもよくチェーンコンベアなどであってもよい。
【0148】
(D)
上記実施の形態1では、固定コンベアユニットや追従コンベアユニットにおけるいずれの複数条のコンベアも1つのモータによって駆動されているが、これに限らなくてもよい。例えば、1つのコンベアまたは複数個のコンベアごとにモータが設けられていてもよい。
【0149】
(E)
上記実施の形態では、上流側固定コンベア30と、第1上流側追従コンベア32と、第1下流側追従コンベア34、34´と、第2上流側追従コンベア36、36´と、第2下流側追従コンベア38と、下流側固定コンベア40の第2方向Yにおける幅は、全て同じであるが、全部または一部が異なっていてもよい。
【0150】
また、上流側固定コンベア30と、第1上流側追従コンベア32と、第1下流側追従コンベア34、34´と、第2上流側追従コンベア36、36´と、第2下流側追従コンベア38と、下流側固定コンベア40の第1方向Xにおける長さは、上記実施の形態に限られるものではない。
【0151】
(F)
上記実施の形態2のワーク搬送装置10´では、2つのモータ60、70が設けられているが、これに限られるものではなく、モータが1つのみ設けられていてもよく、また3つ以上のモータが設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本開示のレーザブランキング装置は、生産性を向上することが可能な効果を有し、レーザブランキングライン等に有用である。
【符号の説明】
【0153】
5 :レーザブランキング装置
8 :第1追従コンベアユニット
9 :第2追従コンベアユニット
10 :ワーク搬送装置
11 :第1レーザヘッド
13 :第2レーザヘッド
23 :第1下流側追従コンベアユニット
24 :第2上流側追従コンベアユニット
34 :第1下流側追従コンベア
36 :第2上流側追従コンベア