(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000041
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】スプリンクラーヘッド
(51)【国際特許分類】
A62C 37/12 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A62C37/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100623
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000199186
【氏名又は名称】千住スプリンクラー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸喜
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189CC02
2E189CD01
(57)【要約】
【課題】 ボディの小型軽量化を図るとともに、長期間において性能を維持可能なスプリンクラーヘッドを提供する。
【解決手段】 消火液を放出するノズル11を有するボディ1と、ノズル11の出口端を閉鎖する閉止部材4と、ノズル11に対する閉止部材4の閉止状態を保持し、分解作動時に前記閉止状態を開放する感熱作動部5と、ノズル11から放出される消火液をノズルの軸との交差方向で外向きに飛散させる板状のデフレクター3と、該デフレクター3を支持するピン31と、を備えており、ボディ1にはコ字型に屈曲した形状のフレーム2が設置され、フレーム2の両端はノズルの軸と平行に延出された一対の第1アーム22となっており、第1アーム22に対してピン33が摺動可能に接続され、一対の第1アーム22の間にボディ1との接続部23が設置されており、第1アーム22と接する環状のリング27を設置した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火液を放出するノズルを有するボディと、
前記ノズルの出口端を閉鎖する閉止部材と、
前記ノズルに対する前記閉止部材の閉止状態を保持し、分解作動時に前記閉止状態を開放する感熱作動部と、
前記ノズルから放出される前記消火液を前記ノズルの軸との交差方向で外向きに飛散させる板状のデフレクターと、
前記デフレクターを支持するピンと、を備えるスプリンクラーヘッドであり、
前記ボディにはコ字型に屈曲した形状のフレームが設置されており、前記フレームの両端は前記ノズルの軸と平行に延出された一対の第1アームとなっており、前記第1アームに対して前記ピンが摺動可能に接続しており、
前記フレームには前記一対の第1アームの間に前記ボディとの接続部が設置されており、
さらに前記第1アームと接する環状のリングが設置されていることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【請求項2】
前記第1アームの内側に前記感熱作動部が係止される段を設置した請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項3】
前記フレームには前記ボディとの接続部を有するベースと、前記ベースの周縁に設置された前記第1アームを備える請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項4】
前記ベースに第2アームが設置され、第2アームに前記感熱作動部が係止される段を設置した請求項3記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項5】
前記第1アームまたは第2アームには前記リングと係合する溝が設置されている請求項1~請求項4の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項6】
前記溝は、前記ピンの接続部と前記段との間に設置されている請求項5記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項7】
前記ベースから前記ノズルの軸と交差する方向に延出されたレンチ係合部を設置した請求項1から請求項6の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項8】
前記リングは開放端を有するC字形状であり、溝と係合された状態において前記開放端が閉じる構成である請求項1~請求項7の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項9】
前記リングは複数の円弧片から構成され、溝と係合された状態において円形に結合する請求項1~請求項7の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項10】
前記リングはコイル状に積層されており、径方向に拡張・収縮可能である請求項1~請求項7の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項11】
前記スプリンクラーヘッドにおいて、前記ボディと接続された筒状のサポートカップを備えており、前記サポートカップの下端開口に、筒状のリテーナーを介してプレートが設置され、前記リテーナーと前記プレートは前記感熱作動部が作動に至る温度よりも低い融点の合金で接合されている請求項1~請求項10の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火用のスプリンクラーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラーヘッドは火災時に自動的に作動して水を散布する。常時においてノズルは弁により閉止されており、弁は感熱作動部によりボディ下端に支持されている。感熱作動部に組み込まれた感熱要素が火災の熱により作用することで感熱作動部が分解作動する。弁は感熱作動部によりノズル側に押圧されていたが、感熱作動部の分解作動により弁がノズルから離れてノズルが開放される。ノズルから放出された水はノズルの軸の延長方向に設置された板状のデフレクターに衝突して四方に飛散され火災を消し止める。
【0003】
上記のスプリンクラーヘッドの一例としてコンシールド型スプリンクラーヘッドがある(例えば特許文献1参照)。
図10に示すコンシールド型スプリンクラーヘッド100は、構成部品の略全てが天井裏に配置され、室内側には円板状のプレート101のみが設置されている。火災時においてプレート101が脱落した後にデフレクター102が室内側に一定距離移動して天井Cから突き出た状態となり、この後に感熱作動部103が分解作動してノズル104が開放され水が散布される(
図11参照)。
【0004】
このようにコンシールド型ヘッドは、プレート101に載置されていたデフレクター102が火災時においては室内側に移動するのでデフレクター102の移動距離が長い。そのためデフレクター102に設置されたピン105が長く、さらにピン105の係止位置が天井近くに配置され、ノズル104から離間している。
【0005】
一方、ボディ106の材料として銅合金が用いられている。これはノズル104内が常時水に接しているので耐腐食性能が要求されるためである。一般的に銅合金は鉄鋼と比較すると材料費が高価である。
図10のスプリンクラーヘッド100はボディ106上にノズル104と、感熱作動部103の係止部107、ピン105の係合部108の3つの構造・機能が設置されており、またノズル104と係合部108の間の距離が長いことから、ボディ106の体積及び重量が嵩み材料費が高いものとなっている。
【0006】
またボディ106において、感熱作動部103の係止部107には閉止部材109をノズル104の出口端に押圧保持する力が常時印加されている。さらにスプリンクラーヘッド100の作動時においてピン105の係合部108にはノズル104から放出される水の放水圧が印加される。そのため長期間に渡ってスプリンクラーヘッドの性能が維持できるように、感熱作動部103の係止部107及びピン105の係合部108は前述の負荷に耐える強度を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明では、ボディの小型軽量化を図るとともに、長期間において性能を維持可能なスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
これによれば、消火液を放出するノズルを有するボディと、前記ノズルの出口端を閉鎖する閉止部材と、前記ノズルに対する前記閉止部材の閉止状態を保持し、分解作動時に前記閉止状態を開放する感熱作動部と、前記ノズルから放出される前記消火液を前記ノズルの軸との交差方向で外向きに飛散させる板状のデフレクターと、前記デフレクターを支持するピンと、を備えるスプリンクラーヘッドであり、前記ボディにはコ字型に屈曲した形状のフレームが設置されており、前記フレームの両端は前記ノズルの軸と平行に延出された一対の第1アームとなっており、前記第1アームに対して前記ピンが摺動可能に接続され、前記フレームには前記一対の第1アームの間に前記ボディとの接続部が設置されており、さらに前記第1アームと接する環状のリングが設置されているものである。
【0010】
上記のスプリンクラーヘッドにおいて、第1アームに感熱作動部の係止部、ピンの係合部を設置した。これによりボディの構造・機能がノズルのみとなり、ボディが軽量小型化できる。またアームにリングを設置したことでアームの変形が防止され、強度を補うことができる。アームは金属製であり銅合金より安価な鉄鋼で構成するのが好ましい。
【0011】
また前記スプリンクラーヘッドにおいて、前記ボディと接続された筒状のサポートカップを備えており、前記サポートカップの下端開口に、筒状のリテーナーを介してプレートが設置され、前記リテーナーと前記プレートは前記感熱作動部が作動に至る温度よりも低い融点の合金で接合した構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記に説明したように、本発明のスプリンクラーヘッドによれば、ボディを小型軽量化可能であり、さらにアームにリングを設置して強度を補うことにより長期間において性能を維持可能なスプリンクラーヘッドを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のスプリンクラーヘッドの一実施形態における断面図。
【
図2】
図1のスプリンクラーヘッドのボディとフレームとを組合せた状態の平面図。
【
図3】
図1のスプリンクラーヘッドにおいてカバーが脱落した状態。
【
図4】
図1のスプリンクラーヘッドの作動時の状態。
【
図6】
図5のスプリンクラーヘッドのVI-VI線における断面図。
【
図7】
図5のスプリンクラーヘッドのボディとフレームとを組合せた状態の平面図。
【
図9】
図8のスプリンクラーヘッドのIX-IX線における断面図。
【
図11】従来のスプリンクラーヘッドの作動時の状態。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のスプリンクラーヘッドの実施形態について
図1~
図4を参照して説明する。スプリンクラーヘッドS1は、ボディ1と、フレーム2と、デフレクター3と、閉止部材4と、感熱作動部5と、カバープレートユニット6とを有している。
【0015】
ボディ1は中空筒状であり、その内部がノズル11となっている。ノズル11は、ボディ1の一端側と他端側との間を筒軸方向(高さ方向、上下方向)として伸長している。ボディ1の一端側には、給水配管Pと接続する牡ねじ12が設置されている。ボディ1の他端側にはフランジ13が設置されており、牡ねじ12とフランジ13との間には断面が多角形をした係合部14が設置されている。本実施形態において係合部14の断面は六角形となっている。
【0016】
フレーム2は板材をコ字型に屈曲した形状をしており、ベース21と一対のアーム22、22とを有する。
図1に示すように1対のアーム22、22はノズル11の軸Aに対して対称に構成されている。フレーム2は金属製の板を折り曲げて構成してもよいし、鍛造や鋳造により構成してもよい。ベース21には係合部14の外形と同じ形状の係合穴23が形成されている。係合穴23はボディ11の係合部14との接続部であり、係合部14と係合穴23とを組合せると、ボディ1とフレーム2が供回り可能に接続される。
【0017】
アーム22はベース21からノズル11の軸Aと平行に図中下方へ伸延している。それぞれのアーム22の端は、デフレクター3と接続されたピン31の接続部であり、ベース21と平行に形成された平面24がアーム22から外側に向けて形成される。該平面24にはピン31が挿通される穴25が設置されている。
【0018】
アーム22の中間部の内側には、感熱作動部5を係止する段26が形成されている。平面24(ピン31の接続部)と段26との間にはリング27が係合される溝28が設置されており、本実施形態では溝28はアーム22の外側に設置されている。リング27は径方向に拡張および収縮可能である。
【0019】
リング27は、具体的にはC字形状をした開放端を有している。さらに溝28と係合した状態においては開放端が閉じられて円形となることが好ましい。リング27によってアーム22の外側への変形が防止され、これにより段26と感熱作動部5との係合状態を長期間に渡って安定して維持できる。
【0020】
リング27の他の構成例として、複数の円弧片から構成され、溝28と係合した状態においては円形に結合するものや、あるいは金属製のワイヤー等をコイル状に積層して形成すると径方向に拡張・収縮可能である。また、リング27は円形だけに限定されず、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形として構成してもよい。
【0021】
デフレクター3は、板状をしており周縁に複数のスリットを有している。デフレクター3には前述のピン31が接続されている。ピン31は穴25に挿通されており、アーム22に沿って図中上下方向に移動可能である。ピン31は一端がデフレクター3と接続されており、他端は拡径部32となっている。拡径部32は端に向かって外径が大きくなるテーパー状であり、端部の外径は穴25の内径よりも大きく、デフレクター3が図中下方に移動したとき拡径部32は穴25の縁と係合される(
図3、
図4参照)。
【0022】
閉止部材4は、円盤状でありノズル11側の面にはシール部材41が設置され、ノズル11内に充填された水が漏れないように構成されている。ノズル11側の面と反対側の面の中心部には先端が球状の突起42が設置されている。突起42はコンプレッションスクリュー43によりノズル11側に押圧されている。コンプレッションスクリュー43には牡ねじが設置されており、該牡ねじはサドル44の牝ねじと螺合している。
【0023】
サドル44は板状であり、閉止部材4とレバー51との間に設けられている。レバー51は段26と係合されており、コンプレッションスクリュー43の上端をノズル11の方向に移動させると閉止部材4がノズル11の側に押圧される。これにより閉止部材4がノズル11の出口端を閉塞している。
【0024】
図1及び
図3に示す感熱作動部5は、一対のレバー51と、サポートプレート52と、バランサー53と、セットスクリュー54と、シリンダー55と、プランジャー56と、可溶合金57とを有して構成される。感熱作動部5は公知であり、例えば特開2005-27929号公報等に記載されている。感熱作動部5は前述のようにサドル44及びコンプレッションスクリュー43を介して閉止部材4をノズル11の出口端に支持している。感熱作動部5は火災の熱によって可溶合金57が溶融すると構成部品が移動してレバー51が段26から外れる。これにより閉止部材4の支持が解除され、ノズル11が開放される。
【0025】
感熱作動部5の下方(天井C側)にはカバープレートユニット6が設置される。カバープレートユニット6はプレート61と、リテーナー62、サポートカップ63を有している。プレート61は円盤状であり天井Cの表面付近に設置される。プレート61は室内側からスプリンクラーヘッドS1の他の構成部材を覆い隠しており、筒状のリテーナー62と接続している。
【0026】
リテーナー62は一方の端にプレート61と対向する接続面64を有している。接続面64はリテーナー62に複数設置されており、筒62Aの端よりも図中下方に延出して形成され、筒62Aの端から離間して設けられている。筒62Aと接続面64の間には、鍔26Bが複数箇所に形成されている。鍔62Bはリテーナー62をサポートカップ63と接続する際に、天井Cに対してストッパーの作用を有する。
【0027】
プレート61と接続面64とは可溶合金65にて接続される。可溶合金65は、感熱作動部5が作動に至る温度よりも低い融点の合金により構成される。より具体的には可溶合金57よりも融点が低い合金が用いられる。
【0028】
筒62Aには接続面64が設置された側と反対の端にサポートカップ63と係合する突起66が設置されている。突起66は周面上に複数設置されている。本実施形態において突起66は筒62Aの外周側に突出して設置されている。
【0029】
サポートカップ63は筒状であり、周面には螺旋状の溝67が形成されている。溝67は前述の突起66と着脱可能に係合できる。より詳しくは、サポートカップ63の内部にリテーナー62を挿通すると突起66が溝67に係合してサポートカップ63とリテーナー62が接続する。リテーナー62を接続する前の状態でサポートカップ63の内部にはホディ1、フレーム2、感熱作動部5が配置される。サポートカップ63において感熱作動部5が配置された側の開口にリテーナー62を接続すると、デフレクター3がプレート61の上に載置される(
図1参照)。
【0030】
サポートカップ63においてボディ1が配置された側の端には平面68が形成されている。平面68の中心にはボディ1の係合部14の外形と同じ形状の係合穴69が形成されており、フレーム2、サポートカップ63の順に係合部14へ挿通される。係合穴69の周縁には牡ねじ12に向かって立設された周壁69Aを有しており、係合部14に挿通された後、周壁69Aの先端部をノズル11の軸Aに向かって変形させることでフレーム2及びサポートカップ63がボディ1に固定設置される。
【0031】
続いて本発明の一実施形態によるスプリンクラーヘッドS1の設置過程を説明する。
【0032】
先ず、スプリンクラーヘッドS1を給水配管Pに接続する。その際、プレート61と接合しているリテーナー62はサポートカップ63から取り外した状態で給水配管Pに接続する。給水配管PにスプリンクラーヘッドS1を接続した後、天井Cが設置される。天井Cにはサポートカップ63の設置位置に貫通穴Hが穿設されており、室内側からサポートカップ63に対してリテーナー62を接続可能となっている。
【0033】
次にリテーナー62の上端をサポートカップ63の下端開口に挿通させる。その際、デフレクター3はプレート61の上に載置される。プレート61を天井Cの方向に押し込むと突起66が溝67と係合する。鍔部62Bが天井Cと接触するまでプレート61を天井Cの方向に押し込んだら設置が完了する。設置が完了した状態において、プレート61と天井Cとの間には僅かな隙間を有しており、この隙間から貫通穴Hの内部に気流が通過可能となっている。
【0034】
続いて火災時における本発明の一実施形態によるスプリンクラーヘッドS1の作動過程を説明する。
【0035】
図1に示すようにスプリンクラーヘッドS1は、ボディ1が給水配管Pとねじ接続されており、天井Cに対してプレート61のみが室内側から見える状態で設置されている。火災が発生すると、火災の熱で室内の空気が暖められ、上昇気流が生じて暖められた空気が天井Cの下にたまる。この上昇気流を原動力とする空気は、天井Cとプレート61との隙間から貫通穴Hへと流れ込み、サポートカップ63内の感熱作動部5に到達するとともに、プレート61と接続面64とを接合している可溶合金65の溶融を促す。
【0036】
可溶合金65が溶融するとプレート61が脱落する。続いてデフレクター3が室内側に移動して拡径部32が平面24に係合され、デフレクター3が天井Cから室内に突出した状態となる。プレート61の脱落により感熱作動部5が露出され、火災による上昇気流の熱が感熱作動部5に伝播して可溶合金57が溶融して感熱作動部5の構成部品が分解・脱落する。これにより感熱作動部5により支持されていた閉止部材4がノズル11の出口端から離脱してノズル11が開放する。
【0037】
ノズル11が開放すると給水配管P内の水がノズル11から放出されてデフレクター3に衝突する。デフレクター3に衝突した水は四方に飛散して火災を抑制、鎮圧する。
【0038】
次に、上記に説明した実施形態における変形例1について
図5~
図7を参照して説明する。尚、構造及び機能が同様な箇所については同符号を付して説明は省略する。
【0039】
図5~
図7に示す変形例1のスプリンクラーヘッドS2では、ベース21に感熱作動部5と係合される段26を有する一対のアーム22A、22Aと、ピン31を支持する一対のアーム22B、22Bが設置されている。
図7において、アーム22Aに対するアーム22Bの配置は、ノズル11の軸Aを起点としてアーム22Aから90度回転した位置に設置されている。このような構成にすることで用途に応じてアームの構成を変えることができる。例えば
図5、
図6のアーム22Aはアーム22Bよりも長さが短く構成されている。
【0040】
またアーム22A、22Bの他に、
図7に破線で示すアーム22Cを設置することもできる。アーム22Cはボディ1を給水配管Pに締結する際のレンチ係合部として用いることが可能である。アーム22Cはベース21の外縁からノズル11の軸Aに対して直交する方向に拡張して設置されている。また
図7において、アームCの先端は二点鎖線で示すサポートカップ63の内側に収まるように配置されている。尚、アームの組合せは適宜選択できるものとし、例えば
図1のスプリンクラーヘッドS1にアーム22Cを追加して構成可能である。またアーム22Cの数についても図面に示すような4か所のみでなく、2~6箇所として構成可能である。
【0041】
上記の変形例1において溝28はアーム22Bに設置されている。一方アーム22Aの下端には段28Aが形成されており、この段28Aにリング27が係合される。このときリング27は溝28において平面24と接しており、段28Aにより図中上方への移動が阻まれている。
【0042】
また
図8、
図9に示す変形例2のスプリンクラーヘッドS3では、感熱作動部5の代わりにリンク7を設置して構成することも可能である。リンク7については公知であり、例えば米国特許明細書第6152236号や特開2008-154697号公報に記載されている。この場合、アーム22にはピン31の接続部である平面24とリング27を設置して、レバー51が係合される段26はボディ1上のノズル11の下方に配置して構成可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 ボディ
2 フレーム
3 デフレクター
4 閉止部材
5 感熱作動部
6 カバープレートユニット
7 リンク
11 ノズル
21 ベース
22 アーム
23 係合穴(ボディとの接続部)
24 平面(ピンの接続部)
26 段
27 リング
28 溝
31 ピン
51 レバー