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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041007
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】絶縁型コンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02M3/28 R
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129120
(22)【出願日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】63/261,102
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202210233288.1
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼文育
(72)【発明者】
【氏名】王世勳
(72)【発明者】
【氏名】林鴻銓
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730BB25
5H730BB35
5H730BB44
5H730CC01
5H730DD04
5H730DD41
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE08
5H730EE10
(57)【要約】
【課題】絶縁型コンバータを提供する。
【解決手段】
少なくとも2つの入力コンデンサを含み、入力電圧を提供することに用いられ、少なくとも2つの入力コンデンサの間に分圧ノードを有する入力回路と、一次巻線及び二次巻線を含み、入力電圧に基づいて、二次巻線に出力電圧を発生するトランスと、トランスの一次巻線が間に電気的に接続される第1のスイッチ及び第2のスイッチと、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に電気的に接続され、一次巻線に合わせて放電経路を形成し、二次巻線から一次巻線に反射した反射電圧を受けることに用いられ、且つ分圧ノードが放電経路に接続されるスナバ回路と、を含む絶縁型コンバータ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの入力コンデンサを含み、入力電圧を提供することに用いられ、前記少なくとも2つの入力コンデンサの間に分圧ノードを有する入力回路と、
一次巻線及び二次巻線を含み、前記入力電圧に基づいて、前記二次巻線に出力電圧を発生するトランスと、
前記トランスの前記一次巻線が間に電気的に接続される第1のスイッチ及び第2のスイッチと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に電気的に接続され、前記一次巻線に合わせて放電経路を形成し、前記二次巻線から前記一次巻線に反射した反射電圧を受けることに用いられ、且つ前記分圧ノードが前記放電経路に接続されるスナバ回路と、
を含む絶縁型コンバータ。
【請求項2】
前記分圧ノードは、前記スナバ回路における複数のスナバコンデンサの間に接続される請求項1に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項3】
前記複数のスナバコンデンサは、
前記第1のスイッチ及び前記分圧ノードに電気的に接続される第1のスナバコンデンサと、
前記第2のスイッチ及び前記分圧ノードに電気的に接続される第2のスナバコンデンサと、
を含み、
前記スナバ回路は、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に電気的に接続される少なくとも1つのインピーダンス素子を更に含む請求項2に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのインピーダンス素子は、
前記第1のスナバコンデンサに並列接続される第1のインピーダンス素子と、
前記第2のスナバコンデンサに並列接続される第2のインピーダンス素子と、
を含む請求項3に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項5】
前記分圧ノードは、前記一次巻線のセンタータップに接続される請求項1に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項6】
前記スナバ回路は、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に電気的に接続されるスナバコンデンサと、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に電気的に接続されるインピーダンス素子と、
を含む請求項5に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項7】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記二次巻線に前記出力電圧が発生するように交替にオンされる請求項5に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項8】
前記一次巻線に電気的に接続され、前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチがオフにされる場合、電流が前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチに流れることを防止するための少なくとも1つの片切スイッチを更に含む請求項7に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項9】
前記スナバ回路は、
導通方向が前記少なくとも1つの片切スイッチの導通方向と逆である少なくとも1つのダイオードを更に含む請求項8に記載の絶縁型コンバータ。
【請求項10】
前記分圧ノードは、複数のスナバコンデンサの間、及び、前記一次巻線のセンタータップに接続される請求項1に記載の絶縁型コンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、絶縁型コンバータに関し、特に、入力電圧を出力電圧に変換することのできる回路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、電圧コンバータは、様々な電子製品に広く使用されている。電圧コンバータは、入力端における電圧レベルを有する入力電圧を、出力端における別の電圧レベルを有する出力電圧に変換することができる。しかしながら、運転中に、出力電圧を安定して提供できるように、電圧コンバータ内の各電子素子は、回路中の電圧変化に耐えることができなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示内容の一態様は、少なくとも2つの入力コンデンサを含み、入力電圧を提供することに用いられ、少なくとも2つの入力コンデンサの間に分圧ノードを有する入力回路と、一次巻線及び二次巻線を含み、入力電圧に基づいて、二次巻線に出力電圧を発生するためのトランスと、トランスの一次巻線が間に電気的に接続される第1のスイッチ及び第2のスイッチと、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に電気的に接続され、一次巻線に合わせて放電経路を形成し、二次巻線から一次巻線に反射した反射電圧を受けることに用いられ、且つ分圧ノードが放電経路に接続されるスナバ回路と、を含む絶縁型コンバータである。
【0004】
本開示内容の別の態様は、少なくとも2つの入力コンデンサを含み、入力電圧を提供することに用いられ、複数の入力コンデンサの間に分圧ノードを有する入力回路と、一次巻線及び二次巻線を含み、入力電圧に基づいて、二次巻線に出力電圧を発生するためのトランスと、トランスの一次巻線が間に電気的に接続される第1のスイッチ及び第2のスイッチと、一次巻線に合わせて放電経路を形成するように、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に電気的に接続され、二次巻線から一次巻線に反射した反射電圧を受けることに用いられ、且つ放電経路上のノードが分圧電圧に固定されるスナバ回路と、を含む絶縁型コンバータである。
【発明の効果】
【0005】
本開示内容は、分圧ノードを放電経路に接続することで、第1のスイッチ及び第2のスイッチのステップ電圧が分圧ノードにおける電圧及び二次巻線から一次巻線に反射する一部の反射電圧によって決定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図2A】本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータの動作形態の模式図である。
図2B】本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータの動作形態の模式図である。
図2C】本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータの動作形態の模式図である。
図3】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図4】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5A】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5B】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5C】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5D】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5E】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図5F】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図6】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
図7】本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態を説明し、明らかに説明するために、多くの実際の細部を下記の叙述で合わせて説明する。しかしながら、読者は、これらの実際の細部が、本発明を制限するためのものではないことを理解すべきである。つまり、本発明の一部の実施例においては、これらの実際の細部は、必要なものではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0008】
本明細書において、ある素子が「接続」又は「結合」されると言われる場合、「電気的接続」又は「電気的結合」を指すことができる。「接続」又は「結合」は、2つ又は複数の素子同士の互いの組み合わせた操作や対話を表示することに用いられてもよい。また、本明細書において、「第1の」、「第2の」等の用語によって異なる素子を説明するが、この用語は、単に同じ技術用語で説明された素子又は操作を区別することに用いられるだけである。文脈が明らかに明記されない限り、この用語は、特に順序や順位を意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するためのものでもない。
【0009】
図1は、本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータ100の模式図である。絶縁型コンバータ100は、入力回路110と、トランス120と、第1のスイッチS1と、第2のスイッチS2と、出力回路140と、スナバ回路130と、を含む。入力回路110は、少なくとも2つの入力コンデンサC1、C2を介して入力電源Vinからの入力電圧を受けることに用いられる。説明の便宜上、ここで、第1のコンデンサC1及び前記第2のコンデンサC2を接続するノードを「分圧ノードNa」と称する。
【0010】
一実施例において、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の容量の大きさが同じであるので、入力回路110が入力電圧を蓄積する時、分圧ノードの電圧は、「入力電圧の半分」となる。しかしながら、本開示内容はこれに限定されなく、他の実施例において、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の容量値は互いに異なってもよい。
【0011】
一実施例において、入力回路110は、直流の入力電源Vinに接続される。一部の実施例において、入力回路110は、交流電源を受け、整流された入力電圧を入力コンデンサC1、C2に蓄積するための整流回路(例えば、ブリッジ整流回路)を含んでもよい。
【0012】
トランス120は、一次巻線Np及び二次巻線Nsを含む。一実施例において、一次巻線Npと次巻線Nsは、極性位置が互いに逆である。一次巻線Npは入力回路110に電気的に接続され、入力回路110からの入力電圧を受けることに用いられ、且つ二次巻線Nsは入力電圧に基づいて、誘導して出力電圧を発生する。また、トランス120は、励磁インダクタンスLm及び漏れインダクタンスLkを更に含む。一部の実施例において、絶縁型コンバータ100は、昇圧コンバータ又は降圧コンバータであってもよい。
【0013】
第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2は、それぞれ一次巻線Npの両端に電気的に接続される。つまり、トランス120の一次巻線Npは、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2との間に電気的に接続される。説明の便宜上、ここで一次巻線Npの両端を第1ノードN1及び第2ノードN2と称する。
【0014】
図1の実施例において、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2は、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(N-Type Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor;N-Type MOSFET)で実現されるが、本開示内容はこれに限定されない。他の部分の実施例において、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(P-Type Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor;P-Type MOSFET)又は他のタイプのスイッチ素子によって実現されてもよい。
【0015】
出力回路140は、二次巻線Nsに電気的に接続され、ダイオードDo及び出力コンデンサCoを含む。出力回路140は、一次巻線Npが入力電圧を受けなくなる場合(即ち、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2がオフにされる場合)に、二次巻線Nsから出力電源を受けて負荷RLに出力することに用いられる。つまり、絶縁型コンバータ100は、フライバックコンバータ(Flyback)である。他の実施例において、絶縁型コンバータは、フォワードコンバータ(Forward)に設計されてもよく、構造について後段で説明する。
【0016】
スナバ回路130は、第1のスイッチS1と第2スイッチS2との間に電気的に接続される(即ち、第1のノードN1と第2のノードN2との間にあり、且つ一次巻線Npに並列接続される)。スナバ回路130とトランス120の一次巻線Npは、漏れインダクタンス(Lk)及び/又は二次巻線(Ns)から一次巻線Npに反射したエネルギーを吸収するための放電経路を形成することができる。つまり、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2がオフにされると、漏れインダクタンスLk及び/又は二次巻線Nsから一次巻線Npに反射したエネルギーは、スナバ回路130に放電されることができる。また、分圧ノードNaは、放電経路における一方のノードの電圧が分圧ノードNaの分圧電圧に固定されるように、放電経路に電気的に接続される。
【0017】
一部の実施例において、スナバ回路130は、複数のスナバコンデンサCa、Cb(snubber capacitor)及び少なくとも1つのインピーダンス素子Raを含む。分圧ノードNaは、スナバコンデンサCaとスナバコンデンサCbとの間の一方のノードNbに電気的に接続される。具体的には、第1のスナバコンデンサCaは第1のスイッチS1及び分圧ノードNaに電気的に接続されるが、第2のスナバコンデンサCbは第2のスイッチS2及び分圧ノードNaに電気的に接続される。インピーダンス素子Raは、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2との間に電気的に接続される。しかしながら、分圧ノードNaが放電経路に接続される位置は、図1に示す構造に限定されなく、他の接続形態について後段で説明する。
【0018】
本開示内容において、絶縁型コンバータ100が分圧ノードNaの分圧電圧と一部の放電エネルギーとに基づいて第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2のステップ電圧を決定するように、分圧ノードNaは、放電経路に接続される。例としては、入力コンデンサC1、C2の容量値が等しく、スナバコンデンサCa、Cbの容量値が等しく、且つ漏れインダクタンスエネルギーを無視すれば、各入力コンデンサC1、C2に蓄積されたエネルギーは入力電圧の半分であり、且つ各スナバコンデンサCa、Cbに蓄積されたエネルギーは反射電圧の半分である。これにより、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2が耐えなければならないステップ電圧を小さく制御することができる。
【0019】
図2A図2Cは、本開示内容の一部の実施例による絶縁型コンバータ100の動作形態の模式図である。図2Aに示すように、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2がオンにされると、一次巻線Npは、入力電圧を受ける。この場合、出力回路140のダイオードが導通していないため、二次巻線Nsに出力電圧又は電流が発生しない。
【0020】
図2B及び図2Cは、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2がオフにされた後の電流変化を示す(図面の煩雑化を避けるため、2つの図に分けて説明する)。第1スイッチS1及び第2スイッチS2がオフにされた後に、二次巻線Nsは、出力電圧を負荷RLに提供する。その同時に、一次巻線Npの漏れインダクタンスLk及び二次巻線Nsから一次巻線Npに反射した反射電圧は、放電経路(図2Bに示す矢印)によってエネルギーをスナバ回路130に放出して、スナバコンデンサCa、Cbにエネルギーを吸収させる。次に、図2Cに示すように、スナバコンデンサCa、Cbは、吸収したエネルギーをインピーダンス素子Raに放出する。
【0021】
図に示すように、スナバコンデンサCa、Cbは、漏れインダクタンスLk及び反射電圧を受けることに用いられる。従って、第1のスイッチS1のステップ電圧は、第1の入力コンデンサC1及びスナバコンデンサCaに蓄積された電圧の総和にほぼ等しい。同様に、第2のスイッチS2のステップ電圧は、第2の入力コンデンサC2及びスナバコンデンサCbに蓄積された電圧の総和にほぼ等しい。
【0022】
例としては、入力電源から提供される入力電圧が1500Vであれば、各入力コンデンサC1、C2にはそれぞれ750Vが蓄積され、且つ分圧ノードNaの分圧電圧は750Vである。また、二次巻線Nsから一次巻線Npに反射した反射電圧が120Vであれば、スナバコンデンサCa、Cbのそれぞれに蓄積される電圧は60Vとなる。従って、第1のスイッチS1のステップ電圧は、「750V+60V」となる。同様に、第2のスイッチS2のステップ電圧も「750V+60V」である。スナバコンデンサCa、Cbにそれぞれ蓄積されるエネルギーが一般的に入力コンデンサC1、C2に蓄積されるエネルギーよりも大きくないため、分圧ノードNaを放電経路に接続することで、第1のスイッチS1又は第2のスイッチS2のステップ電圧は、入力電圧よりも小さく制御される。つまり、第1のスイッチS1又は第2のスイッチS2に必要な耐電圧値を低くすることができる。
【0023】
また、一部の実施例において、スナバ回路130は、導通方向が放電経路の電流方向と同じである少なくとも1つのダイオードD1、D2を更に含む。
【0024】
図3は、本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータ300の模式図である。この実施例において、スナバ回路130は、複数のインピーダンス素子R1、R2を含む。具体的には、第1のインピーダンス素子R1は第1のスナバコンデンサCaに並列接続され、第2のインピーダンス素子R2は第2のスナバコンデンサCbに並列接続される。これにより、スナバ回路130が放電する時、第1のスナバコンデンサCaは第1のインピーダンス素子R1に放電し、第2のスナバコンデンサCbは第2のインピーダンス素子R2に放電する。
【0025】
図4は、本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータ400の模式図である。図4において、理解を容易にするために、図1の実施例に関連する類似な素子は、同一の参照符号で示され、且つ類似な素子の具体的な原理は前段に詳しく説明されており、図4の素子と協調動作関係を有して説明する必要がない場合、ここで繰り返して説明しない。
【0026】
この実施例では、分圧ノードNaは、一次巻線NpのセンタータップCt(center tap)に接続される。センタータップCtは、一次巻線Npを2つの巻線Np1、Np2に分け、巻線Np1、Np2の巻数は同じであるが、本開示内容はこれに限定されない。分圧ノードNaはセンタータップCtに電気的に接続される。図4に示す実施例において、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2は、二次巻線Nsに出力電圧が発生するように、交替にオン、オフにされる。二次巻線Nsが出力電圧を出力すると、二次巻線Nsから一次巻線Npに反射した反射電圧が巻線Np1、Np2に分配される。そのため、第1のスイッチS1のステップ電圧は、第1の入力コンデンサC1及び巻線Np1に蓄積されたエネルギーによって決定される。第2のスイッチS2のステップ電圧は、第2の入力コンデンサC2及び巻線Np2に蓄積されたエネルギーによって決定される。これにより、同様に第1のスイッチS1及び第2スイッチS2のステップ電圧を制御することができる。
【0027】
以上、この実施例において、スナバ回路140は、1つのスナバコンデンサCc及びインピーダンス素子R3を含む。スナバコンデンサCc及びインピーダンス素子R3は、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2との間に電気的に接続され、且つ互いに並列接続される。
【0028】
前記実施例において、分圧ノードNaは、ノードNb又はセンタータップCtに接続されるが、他の実施例において、ノードNb及びセンタータップCtに同時に接続されてもよい。図5A図5Fは、本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータ500の模式図である。図5A図5Fにおいて、図1の実施例に関連する類似な素子は、理解を容易にするために同一の参照符号で示され、且つ類似な素子の具体的な原理は前段に詳しく説明されており、図5A図5Fの素子と協調動作関係を有して説明する必要がない場合、ここで繰り返して説明しない。
【0029】
この実施例において、分圧ノードNaがノードNb及びセンタータップCtに同時に接続され、また、二次巻線に出力電圧を発生するように、第1のスイッチS1及び第2のスイッチS2が交替にオン、オフにされる。つまり、絶縁型コンバータ500は、インターレース(interleaving)コンバータである。
【0030】
図5Aに示すように、第1のスイッチS1がオンにされ、第2のスイッチS2がオフにされると、第1の入力コンデンサC1は、一部の入力電圧を巻線Np1に提供する。図5B及び図5Cに示すように(図面の煩雑化を避けるため、ここでスイッチS1、S2をオフにした状態を2つの図に分けて示す)、第1のスイッチS1をオフにすると、巻線Np1と第1のスナバコンデンサCaとの間に第1の放電経路(図5Bに示す矢印)が形成される。この場合、第1のスナバコンデンサCaは、漏れインダクタンスLk及び二次巻線Nsから巻線Np1に反射した反射電圧を受ける。次に、第1のスナバコンデンサCaは、受けたエネルギーをスナバ回路130内のインピーダンス素子Raに放出する。
【0031】
同様に、図5Dに示すように、第1のスイッチS1がオフにされ、第2のスイッチS2がオンすると、第2の入力コンデンサC2は、一部の入力電圧を巻線Np2に提供する。図5B及び図5Cに示すように、第2のスイッチS2がオフにされると、巻線Np2と第2のスナバコンデンサCbとの間に第2の放電経路(図5Eに示す矢印)が形成される。この場合、第2のスナバコンデンサCbは、二次巻線Nsから巻線Np2に反射した反射電圧を受ける。次に、第2のスナバコンデンサCbは、受けたエネルギーをスナバ回路130内のインピーダンス素子Raに放出する。
【0032】
前述したように、一部の実施例において、絶縁型コンバータは、フォワードコンバータ(Forward)に設計されてもよい。図6は、本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータ600の模式図である。図6において、図1の実施例に関連する類似な素子は、理解を容易にするために同一の参照符号で示され、且つ類似な素子の具体的な原理は前段に詳しく説明されており、図6の素子と協調動作関係を有して説明する必要がない場合、ここで繰り返して説明しない。この実施例において、出力回路640は二次巻線Nsに電気的に接続される。出力回路640は、出力インダクタLo、ダイオードDo1、Do2及び出力コンデンサCoを含み、且つ、巻線Np1、Np2が入力電圧を受け、二次巻線Nsに出力電圧が発生する場合に出力電源を負荷に提供することに用いられる。
【0033】
図7は、本開示内容の別の実施例による絶縁型コンバータ700の模式図である。図7において、図1及び図6の実施例に関連する類似な素子は、理解を容易にするために同一の参照符号で示され、且つ類似な素子の具体的な原理は前段に詳しく説明されており、図7の素子と協調動作関係を有して説明する必要がない場合、ここで繰り返して説明しない。
【0034】
この実施例において、絶縁型コンバータ700は、少なくとも1つの片切スイッチを更に含む(例えば、片切スイッチ701、702は、ダイオードで実現されてもよい)。片切スイッチ701、702は、一次巻線Npに電気的に接続される。片切スイッチ701、702の導通方向は、スナバ回路130におけるダイオードの導通方向と逆である。第1のスイッチS1又は第2のスイッチS2がオフにされる場合、片切スイッチ701、702は、電流が第1のスイッチS1又は第2のスイッチS2に流れることを防止することに用いられる。例としては、第1のスイッチS1がオンにされ、第2のスイッチS2がオフにされる場合、巻線Np1、Np2の巻数が等しくないと(例えば、巻線Np1の巻数が巻線Np2の巻数よりも少ない)、誘導変圧の違いにより電流が発生し第2のスイッチS2の寄生ダイオードを流れるおそれがある。片切スイッチ702によって、この場合の異常電流経路を防止することができる。
【0035】
前述した各実施例における各素子、方法ステップ又は技術的特徴は、互いに結合することができ、本開示内容における文字の記述順序又は図面の表現順序に限定されない。
【0036】
本開示内容を実施形態で上述のように開示するが、本開示内容を限定するためのものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、様々な変更及び修飾を行ってもよく、従って、本開示内容の保護範囲は、後に添付する特許請求の範囲で定義したものを基準とすべきである。
【符号の説明】
【0037】
100 絶縁型コンバータ
110 入力回路
120 トランス
130 スナバ回路
140 出力回路
300 絶縁型コンバータ
400 絶縁型コンバータ
500 絶縁型コンバータ
600 絶縁型コンバータ
640 出力回路
700 絶縁型コンバータ
701-702 片切スイッチ
S1 第1のスイッチ
S2 第2のスイッチ
C1-C2 入力コンデンサ
Ca-Cc スナバコンデンサ
Co 出力コンデンサ
Ct センタータップ
Ra インピーダンス素子
R1-R3 インピーダンス素子
N1 第1のノード
N2 第2のノード
Na 分圧ノード
Nb ノード
RL 負荷
Lk 漏れインダクタンス
Lm 励磁インダクタンス
Np1-Np2 巻線
Np 一次巻線
Ns 二次巻線
D1-D2 ダイオード
Do ダイオード
Do1-Do2 ダイオード
Vin 入力電源
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7