(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041021
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】IP69保護のための新シール設計
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20230315BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230315BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20230315BHJP
H02G 15/013 20060101ALI20230315BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20230315BHJP
F16J 15/06 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H05K5/02 L
H05K7/00 A
H02G3/16
H02G15/013
F16J15/10 N
F16J15/06 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139143
(22)【出願日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202111063563.1
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521126966
【氏名又は名称】スージョウ リテルヒューズ オーブイエス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レナン リウ
(72)【発明者】
【氏名】サニー パン
(72)【発明者】
【氏名】ユアンシュエ リ
【テーマコード(参考)】
3J040
4E352
4E360
5G361
5G375
【Fターム(参考)】
3J040AA13
3J040EA02
3J040EA15
3J040EA22
3J040EA25
3J040FA05
3J040HA30
4E352AA01
4E352AA15
4E352AA18
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4E352DD03
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4E360AB33
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4E360BD05
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4E360EC04
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4E360ED02
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4E360EE03
4E360GA01
4E360GA22
4E360GA23
4E360GA29
4E360GA53
4E360GB99
4E360GC08
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
5G375BA02
5G375BB11
5G375DA16
5G375DA36
5G375DB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】IP67(埃からの完全保護、一時的な液体浸入からの保護)およびIP69K(高温および高圧洗浄の侵入に耐えることが証明されている)の両方の侵入保護等級を満足するヒューズボックスアセンブリ、ゴムインサート及びシールを提供する。
【解決手段】ケーブルをプラスチック本体102とゴムインサート104とを含むヒューズボックスに固定するためのシール100であって、プラスチック本体は、内側表面112に沿って受入キャビティ114a~dを有する。ゴムインサートは、プラスチック本体の内側表面に結合する外部構造120と、ケーブルを取り囲む内部構造118と、外部構造の外側表面に沿った嵌合リブ116a~dと、を備え、嵌合リブが受入キャビティを占有する。ケーブルの移動に応じて、ゴムインサートの内部構造は移動するが、外部構造は移動しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルをヒューズボックスに連結するシールであって、前記シールは、
内側表面に沿って配置された受入キャビティを有するプラスチック本体と、
ゴムインサートであって、
前記内側表面に結合される外部構造と、
前記ケーブルを取り囲む内部構造と、
前記外部構造の外側表面に沿って配置された嵌合リブであって、前記嵌合リブは前記受入キャビティを占有する、嵌合リブと
を含む、ゴムインサートと
を備え、
前記ケーブルの移動に応じて、前記ゴムインサートの前記内部構造は移動するが、前記外部構造は移動しない、シール。
【請求項2】
前記プラスチック本体と前記ゴムインサートとはオーバモールドされて一体的構造を形成する、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記ゴムインサートは、前記外部構造の周囲を周方向に配置され、前記嵌合リブに連結されるリングをさらに含む、請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記リングは1つまたは複数のリングリブをさらに含み、前記1つまたは複数のリングリブは前記ヒューズボックスの表面に対してきつく嵌め合う、請求項3に記載のシール。
【請求項5】
前記プラスチック本体は、周縁に沿って配置されたロック機構をさらに有する、請求項1に記載のシール。
【請求項6】
第2の受入キャビティ、第3の受入キャビティおよび第4の受入キャビティと、
第2の嵌合リブ、第3の嵌合リブおよび第4の嵌合リブと
をさらに備え、
前記第2の嵌合リブは前記第2の受入キャビティを占有し、前記第3の嵌合リブは前記第3の受入キャビティを占有し、前記第4の嵌合リブは前記第4の受入キャビティを占有する、請求項1に記載のシール。
【請求項7】
前記ゴムインサートは、
前記内部構造の挿入側に周方向に配置されたリブであって、前記リブは前記ケーブルと重なる、リブと、
前記内部構造の末端側に周方向に配置されたグリッパ部であって、前記グリッパ部は前記ケーブルと重なる、グリッパ部と
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシール。
【請求項8】
前記グリッパ部は、第1のグリッパ、第2のグリッパ、および第3のグリッパをさらに有し、前記リブ、前記第1のグリッパ、前記第2のグリッパおよび前記第3のグリッパが前記ヒューズボックスのIP69保護を提供する勾配を形成する、請求項7に記載のシール。
【請求項9】
前記グリッパ部は、前記ケーブルの移動に応じて、前記ケーブルの一方の側が伸長し、前記ケーブルの反対側が同時に圧縮されるが、前記外部構造が移動しない、請求項7に記載のシール。
【請求項10】
ケーブルを受け入れる開口を有するハウジングと、
前記ケーブルの端子に連結されるヒューズと、
前記ハウジング内において前記ヒューズを封止するために、前記ハウジング上に嵌め合うカバーと、
前記開口に嵌め合うシールであって、前記シールは前記ケーブルを前記ハウジングに対して保持し、前記シールはさらに前記ハウジングへの水および/または埃の侵入を防止し、前記シールは、
前記シールを前記ハウジングに結合するロック機構を含むプラスチック本体と、
ゴムインサートであって、
前記プラスチック本体に連結された外部構造であって、前記外部構造は静止している、外部構造と、
前記ケーブルを取り囲む内部構造であって、前記内部構造は前記外部構造内で移動可能である、内部構造と
を含むゴムインサートと
を含むオーバモールド組み合わせを有する、シールと
を備え、
前記内部構造は、前記ケーブルの移動に応じて伸長するおよび圧縮される、ヒューズボックスアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングと前記カバーとの間に周方向に配置されたカバーガスケットをさらに備える、請求項10に記載のヒューズボックスアセンブリ。
【請求項12】
前記ヒューズは、ねじボルトとナットとによって前記端子に連結される、請求項10に記載のヒューズボックスアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記ロック機構がラッチされる係合機構をさらに含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のヒューズボックスアセンブリ。
【請求項14】
前記ゴムインサートは、
前記ロック機構がラッチされた後、前記ハウジングに対して同一平面上に収まるリング
をさらに含む、請求項13に記載のヒューズボックスアセンブリ。
【請求項15】
プラスチック本体でオーバモールドされて水密シールを形成するゴムインサートであって、前記ゴムインサートは、
前記プラスチック本体の内側表面に結合される外部構造であって、前記外部構造は静止している、外部構造と、
ケーブルの周囲を周方向に把持する内部構造であって、前記ケーブルは円筒状であり、前記内部構造は、
前記内部構造の挿入側に周方向に配置されたリブのペアであって、前記リブのペアは、前記ケーブルの挿入に応じて圧縮される、リブのペアと、
前記内部構造の末端側に周方向に配置された複数のグリッパであって、前記複数のグリッパは、前記内部構造と前記外部構造との間の空間において移動可能である、複数のグリッパと
をさらに含む、内部構造と
を備える、ゴムインサート。
【請求項16】
前記複数のグリッパは、前記ケーブルの移動に応じて、前記ケーブルの第1の側に伸長し、前記ケーブルの第2の側に圧縮され、前記第2の側は前記第1の側とは反対である、請求項15に記載のゴムインサート。
【請求項17】
前記外部構造に沿って配置された複数の嵌合リブをさらに備え、前記複数の嵌合リブは前記挿入側から前記末端側までに延在し、前記複数の嵌合リブは前記プラスチック本体のそれぞれの受入キャビティに嵌め合う、請求項15または16に記載のゴムインサート。
【請求項18】
前記複数の嵌合リブに連結されたリングをさらに備える、請求項17に記載のゴムインサート。
【請求項19】
前記リングは前記外部構造の前記末端側に沿って周方向に配置されている、請求項18に記載のゴムインサート。
【請求項20】
前記リングは前記複数の嵌合リブと直交している、請求項18に記載のゴムインサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ヒューズボックスに関し、より具体的には、侵入保護等級IP67/IP69を満足するヒューズボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には様々な電動機器が搭載されており、それらは1つまたは複数のヒューズで保護されてよい。ヒューズはグループで集められ、ヒューズボックスに収容されてよい。
【0003】
ヒューズは、ケーブルによって車両内において他の回路に接続される。したがって、ケーブルはヒューズボックス内に挿入され、ヒューズに接続される。IP67(埃からの完全保護、一時的な液体浸入からの保護)およびIP69K(高温および高圧洗浄の侵入に耐えることが証明されている)の両方の侵入保護等級を満足するヒューズボックスの製造は、ヒューズがメンテナンス時にアクセスされるためにヒューズボックス内に永久的に封止されることができないので、困難な作業である。
【0004】
本改善が有用になり得るのは、これらおよび他の考慮事項に対してである。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定するように意図されるわけでも、特許請求される主題の範囲の決定を助けるものとして意図されるわけでもない。
【0006】
本開示に係るシールの例示的な実施形態は、プラスチック本体とゴムインサートとを備えてよい。プラスチック本体は内側表面に沿って受入キャビティを有する。ゴムインサートは、プラスチック本体の内側表面に結合される外部構造と、ケーブルを取り囲む内部構造と、外部構造の外側表面に沿った嵌合リブとを有することを特徴としており、嵌合リブが受入キャビティを占有する。ケーブルの移動に応じて、ゴムインサートの内部構造は移動するが、外部構造は移動しない。
【0007】
本開示に係るヒューズボックスアセンブリの例示的な実施形態は、ハウジング、ヒューズ、カバーおよびシールを備えてよい。ハウジングはケーブルを受け入れるための開口を有する。ヒューズはケーブルの端子に接続される。カバーはハウジング上に嵌め合い、ハウジング内にヒューズを封止する。シールは開口に嵌め合い、ケーブルをハウジングに対して保持し、ハウジングへの水または埃の侵入を防止する。シールはプラスチック本体とゴムインサートとのオーバモールド組み合わせからなる。プラスチック本体はシールをハウジングに結合するロック機構を特徴としている。ゴムインサートは外部構造および内部構造を特徴としており、外部構造がプラスチック本体に接続され、静止しており、内部構造がケーブルを取り囲み、外部構造内に移動可能である。内部構造はケーブルの移動に応じて同時に伸長するおよび圧縮される。
【0008】
ゴムインサートの例示的な実施形態はプラスチック本体でオーバモールドされて本開示に係る水密シールを形成し、外部構造と内部構造とを含んでよい。外部構造はプラスチック本体の内側表面に結合されるべき、静止している。内部構造は円筒状ケーブルの周囲を周方向に把持する。内部構造は、内部構造の挿入側に周方向に配置されたリブのペアを含む。リブのペアは円筒状ケーブルの挿入に応じて圧縮される。内部構造は、内部構造の末端側に周方向に配置された複数のグリッパをさらに含む。複数のグリッパは、内部構造と外部構造との間の空間において移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態に係る、ヒューズボックスとともに使用するためのシールを示す図である。
【0010】
【
図2A】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを示す図である。
【
図2B】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを示す図である。
【
図2C】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを示す図である。
【
図2D】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを示す図である。
【0011】
【
図3A】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図3B】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図3C】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図3D】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図3E】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図3F】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用するヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【0012】
【
図4A】従来技術に係るヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図4B】従来技術に係るヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図4C】従来技術に係るヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【
図4D】従来技術に係るヒューズボックスアセンブリを示す図である。
【0013】
【
図5】例示的な実施形態に係る、
図1のシールによって使用されるロックされたシールアセンブリを示す図である。
【0014】
【
図6A】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用して固定された2つのケーブルを示す図である。
【
図6B】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用して固定された2つのケーブルを示す図である。
【0015】
【
図7】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用して小型端子を有するケーブルをヒューズボックスに取り付けるための工程段階を示す図である。
【0016】
【
図8】例示的な実施形態に係る、
図1のシールを使用して大型端子を有するケーブルをヒューズボックスに取り付けるための工程段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書では、ケーブルがヒューズボックスアセンブリに挿入される箇所でIP69を提供するための新規シールは開示されている。シールは、硬質プラスチック本体および柔軟なゴムインサートからなるオーバモールド部品である。ゴムインサートは、その内部構造に表面積を増やし、さらに柔軟性を高めるいくつかの特徴を備える。ケーブルの移動に応じてゴムインサートの一部が同時に伸び縮みすることができるため、高圧および/または高温の水しぶきが係ってもIP69保護を確保することが維持される。
【0018】
利便性および明瞭性のために、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「鉛直」、「水平」、「横方向」、「横断方向」、「半径方向」、「内側」、「外側」、「左」および「右」などの用語が、本明細書に提供される透視図、分解透視図、および断面図に現れる電気ボックスの他の特徴および構成要素の幾何学的形状および方向に対して、それぞれ、電気ボックスの特徴および構成要素の相対的な配置および方向を説明するために本明細書に使用されてもよい。係る用語は、限定することを意図したものではなく、具体的に言及された語句、その派生語句、および類似の意味合いを持つ語句を含む。
【0019】
図1は、例示的な実施形態に係る、ヒューズボックスとともに使用するためのシール100を表す図である。シール100は、プラスチック材料およびゴム材料で作られたオーバモールド構成要素である。オーバモールド成形は、複数の材料を一体的構造に組み合わせることを可能にする技法である。したがって、シール100はプラスチック本体102とゴムインサート104とのオーバモールド組み合わせである。例示的な実施形態において、プラスチック本体102はPA66などの熱可塑性プラスチックであり、ゴムインサート104はシリコンゴムである。プラスチック本体102およびゴムインサート104は両方とも開口108を含み、その開口108を介して、後述の
図3A~
図3Bにおけるヒューズボックスアセンブリ300などのヒューズボックスにケーブルを接続および固定させるように、ケーブル(図示せず)が配置される。
【0020】
例示的な実施形態において、プラスチック本体102はゴムインサート104を受け入れるための内側表面112を備えながら、ゴムインサートが内部構造118および外部構造120を有する。内側表面112、内部構造118および外部構造120は実質的に円筒状の形状である。例示的な実施形態において、内側表面112はさらに、ゴムインサート104の外部構造120がプラスチック本体102の内側表面にぴったり嵌め合うための形状である。
【0021】
プラスチック本体102は、シール100をヒューズボックスのハウジングに対して固定するための2つのロック機構110aおよび110b(以下、総称して「ロック機構110」という)を特徴としている。ロック機構110aが開口122aを有し、ロック機構110bが開口122bを有する(以下、総称して「開口122」という)。2つのロック機構は示されているが、一実施形態において、プラスチック本体102は単一のロック機構を備える。ロック機構110aに対してのみ見えるように、コーナー片は、いくつかの実施形態において、開口122に直交して配置され、開口を安定させる。開口122は、ヒューズボックスアセンブリのそれぞれの係合機構を把持するように設計されている。ロック機構110については、後述の
図5と結合してより詳細に説明する。
【0022】
また、プラスチック本体102は内側表面112に沿って配置された受入キャビティ114a~d(以下、総称して「受入キャビティ114」という)を備え、一方、ゴムインサート104が外部構造120の外側表面に配置された嵌合リブ116a~d(以下、総称して「嵌合リブ116」という)を有する。プラスチック本体102が4つの受入キャビティ114を特徴とし、ゴムインサート104が4つの嵌合リブ116を特徴としているが、シール100はより多くのまたはより少ない受入キャビティとそれぞれの嵌合リブを含んでよい。シール100はオーバモールド部品であるため、ゴムインサート104の嵌合リブ116はプラスチック本体102のそれぞれの受入キャビティ114を占有する。ゴムインサート104は、ゴムインサートをプラスチック本体102と嵌合させるためのリング106をさらに含む。例示的な実施形態において、リング106はそれぞれの嵌合リブ116に接続される。リング106は、
図2A~
図2Dにより詳細に議論される。
【0023】
国際電気標準会議は、水および埃などの異物に対して電気容器の密封性を分類するために侵入保護(IP:Ingress Protection)等級を公布する。IP等級は2桁の数字で、1桁目が固形物の侵入に関係し、2桁目が水の侵入に関係する。IP等級の1桁目が「6」であることは、容器が、埃が容器に入らない「防塵」構造であることを示す。IP等級の2桁目が「9」であることは、近距離の水圧だけでなく、高温の水に対する保護を示す。例示的な実施形態において、ケーブルを電気ボックスに接続または連結するために使用されるシール100は、埃および水の両方、さらには高圧および高温水の侵入からのボックスのIP69保護を提供する。したがって、シール100は、自動車産業における用途に有用であり得る。
【0024】
図2A~
図2Dは、例示的な実施形態に係る、ゴムインサート104についてのさらなる詳細とともに、
図1のシール100を表す図である。
図2Aは、シール100の透視切断図であり、
図2Bは、ゴムインサート104の透視切断図であり、
図2Cは、ゴムインサート104の側面切断図であり、
図2Dは、内部構造118の一部の詳細図である。オーバモールドシール100の構成要素、特にプラスチック本体102およびゴムインサート104の構成要素について説明する際に、挿入側234および末端側236を参照する。挿入側234は、シール100のうち、ケーブルがシールを介して挿入される側である。末端側236は、シール100のうち、ケーブルの端子により近い側である(例えば、
図3Aを参照)。挿入側234および末端側236の両方は
図2A~
図2Dに示されている。
【0025】
図2Aにおいて、シール100のプラスチック本体102がロック機構110とともに示されており、ロック機構110aについては、コーナー片124の別の図が見えるようになっている。例示的な実施形態において、ロック機構110はプラスチック本体102の末端側236に位置する。例示的な実施形態において、コーナー片124はプラスチック本体102の周縁に垂直であり、一方、ロック機構110はコーナー片と直交する。プラスチック本体102内において、ゴムインサート104のリング106、内部構造118および外部構造120が見え、ここで、リング106はゴムインサートの末端側236にある。また、例示的な実施形態において、末端側236で、プラスチック本体102はゴムインサート104のリング106がそこに嵌め合うような形状の受け溝126をさらに含む。
【0026】
例示的な実施形態において、ゴムインサート104は、ケーブルとの良好なシーリングを確保するために、ワイヤ(図示せず)で固定される。それにもかかわらず、ゴムインサート104は、シール100に一旦挿入されたケーブルの移動に応じて移動するのに十分である弾性および柔軟性を有している。
図2Bおよび
図2Cにおいて、ゴムインサート104の内部構造118は破線の長方形で輪郭が描かれている。外部構造120はリング106に接続される。また、
図2Aで見えるように、ゴムインサート104の内部構造118と外部構造120との間にある空間が存在する。例示的な実施形態において、この空間により、外部構造がプラスチック本体102内で静止している一方で、内部構造118が外部構造120内である程度で移動することが可能である。したがって、内部構造118の柔軟性が、シール100を介して一旦挿入されたケーブルの移動を可能にする一方で、外部構造の剛性が、ヒューズボックスの開口内でシールの完全性を維持するのに役立つ。従来技術のシール機構とは対照的に、シール100とともにケーブルが移動しても、ケーブルが接続されるヒューズボックスへ埃および水などの物質が侵入しない。
【0027】
例示的な実施形態において、ゴムインサート104の内部構造118は、挿入側234に位置するリブ222aおよび222b(以下、総称して「リブ222」という)だけでなく、末端側236に位置する、追加の面のグリッパ部226も含む。グリッパ部226は、
図2Cの下部に概略的に示されており、グリッパ部226およびリブ222は、ゴムインサート104の内部構造118の周囲を円周方向に配置されているので、両方の特徴は、内部構造の上部にも示されている。グリッパ部226は、
図2Dにより詳細に示されている。リブ222とグリッパ部226との両方は、表面積を増やし、ゴムインサート104の内部構造118に柔軟性を高めるものである。例示的な実施形態において、ゴムインサート104の内部構造118のグリッパ部226は、シール100によって接続されているケーブルの移動に応じて伸長するか、または圧縮されるように設計されている。
【0028】
グリッパ部226は、内部構造118の内側表面に沿って形成されたグリッパ228a~e(以下、総称して「グリッパ228」という)を特徴としている。リブ222とグリッパ228との両方は、内部構造118の内側表面全体の周囲を周方向に配置されているため、シール100に挿入されたケーブルに対して周方向にきつく嵌め合う。いくつかの実施形態において、後述の
図3Bに示されているように、リブ222およびグリッパ228がケーブルと重なり、リブ222が挿入側234でケーブルと接続され、グリッパが末端側236でケーブルと接続される。したがって、ゴムインサート104の内部構造118は、いくつかの実施形態において、ケーブルに対して堅いシールを作り、埃または水がヒューズボックスに入り込めないことを確実にする。
【0029】
例示的な実施形態において、内部構造118のグリッパ部226は弾性的であり、したがって、外部構造120内で移動することができ、一方、外部構造は静止したままである。これは、シール100に保持されているケーブルが移動する場合に有用である。内部構造118と外部構造120との間の空間である空間232aおよび232bが示されている(以下、総称して「空間232」という)。空間232により、シール100内のケーブルの移動に応じて、内部構造118が伸長するまたは圧縮されることが可能である。空間232aは特に、いくつかの実施形態において、ゴムインサート104の外部構造120との接触が回避されるように、内部構造118内でかなりの移動が利用可能であることを示す。これにより、例示的な実施形態において、内部構造118がケーブルの移動に応じて圧縮されるおよび伸長することができる一方で、外部構造120が静止したままであることを確保することになる。
【0030】
図3A~
図3Fは、例示的な実施形態に係る、
図1のシール100有するヒューズボックスアセンブリを表す図である。
図3Aはシール100を有するヒューズボックスアセンブリ300の側面切断図であり、
図3Bはヒューズボックスアセンブリ300の透視分解図であり、
図3Cは
図3Aのヒューズボックスの挿入図の側面切断図であり、
図3D~
図3Fはケーブルの移動に対するシールの反応を示す側面図である。
【0031】
ヒューズボックスアセンブリ300は、ねじボルト312およびナット310を使用してヒューズ308に接続されるケーブル302および端子304を特徴としている。この構成により、ヒューズ308とケーブル302が取り付けられた回路との間の電気的接続を確立することが可能になる。ヒューズボックスアセンブリ300は、ハウジング306と、ガスケット316によってハウジングに接続されるカバー314をさらに有する。
図3Bの分解図は、ゴムまたは他のエラストマ材料で作られたガスケットが、両方ともがより硬いプラスチック材料で作られたハウジング306とカバー314との間に周方向に配置されることを示す。ハウジング306は開口324を含み、ケーブル302は開口324を介して挿入されてそれぞれのヒューズ308に接続される。
【0032】
図3Aの側面切断図に示されるように、プラスチック本体102およびゴムインサート104を含むシール100はケーブル302を取り囲んで、ケーブルをヒューズボックスアセンブリ300内のハウジング306に対して所定の位置に保持する。ケーブル302の端子304はねじボルト312およびナット310を使用してヒューズ308に接続されるが、シール100はケーブル302がヒューズボックスアセンブリ300内に所定の位置に維持されることを追加的に保証する。さらに、例示的な実施形態において、シール100もハウジング306への水または埃の侵入を防止するので、ヒューズ308を保護する。
【0033】
シール100の挿入
図320は、破線の長方形で表記され、
図3Cにさらに示される。ゴムインサート104の内部構造118の勾配326は、リブ222が挿入側234に配置されており、グリッパ228が末端側236に配置された状態で示される。リブ222aおよび222bだけでなく、グリッパ228c、228dおよび228eもある程度でケーブル302と重なり、いくつかの実施形態において、ケーブルが挿入された場合に、ゴムインサート104の内部構造118がケーブルをきつく把持することを示す。さらに、いくつかの実施形態において、シール100のゴムインサート104はハウジング306の開口の後方にあり、ヒューズボックスアセンブリ300への高圧水の侵入も防止する。
【0034】
ヒューズボックスアセンブリ300は車両のフードの下方にある構成要素であり得ることを考慮して、一例として、ケーブル302がアセンブリにおいて曲がった状態になり、または中心から外れた状態になると、内部構造118のグリッパ部226を移動させることがある。組立後の移動および通常の車両使用(例えば、運転)などの事象により、ケーブル302が移動することがある。ケーブル302が曲がった状態になり、または中心から外れた位置になった場合、グリッパ228aおよび228bがケーブルに接触することもある。したがって、挿入
図320は、内部構造118が、ケーブル302の任意の位置が与えられると、交互に伸長してまたは圧縮されてケーブルとの接触を維持し、したがってヒューズボックスアセンブリ300の内部を埃、水、グリース、または他の異物の侵入に対して保護するいくつかの構造を特徴としていることを示す。別の言い方をすれば、シール100のゴムインサート104の設計は、いくつかの実施形態において、シールとケーブル302との間の隙間が生じないことを確保する。
【0035】
図3C~
図3Fにおいて、保護位置は、それぞれF1、F2、F3と表記する。例示的な実施形態において、ゴムインサート104の内部構造118は、ケーブル302の移動に応じて、伸長および圧縮の両方が可能なバネのように設計されている。ケーブル302は、円筒状の形状を持ちながら、単に上向きまたは下向きの位置ではなく、元の挿入位置から最大360°の移動があるため、あらゆる方向に移動することができる。同様に、シール100も円筒状の形状を持ち、ケーブル302のあらゆる方向への移動に反応することができる。それにもかかわらず、
図3D~
図3Fは、シール100がケーブルの移動にどのように反応するかを示すために提供される。ケーブル302は、挿入時のケーブルの位置に対して、移動しない状態(
図3D)、上向き方向に移動した状態(
図3E)、下向き方向に移動した状態(
図3F)の3つの位置で示される。これらの位置から、ケーブル302の任意の方向への移動に対して、シール100の反応を想像することが可能である。
【0036】
図3Cの図示はケーブル302の上部だけを示す側面切断図であるので、勾配326の単一の「スライス」が示される。追加的に、勾配326のグリッパ部226は、例示的な実施形態において、ケーブルの移動に応じて伸び縮みするシールの部分であるため、丸で囲んである。シール100がケーブル302を取り囲むので、勾配326もケーブル302を取り囲む。
図3D、
図3Eおよび
図3Fにおいて、勾配326の「2つのスライス」が示され、勾配326aおよびグリッパ部226a(ケーブル302の上部)、勾配326bおよびグリッパ部226b(ケーブルの下部)として示される。
【0037】
図3Dにおいて、ケーブル302はその挿入位置にあり、移動しない状態にある。勾配326のリブ222(F1位置)は上部(勾配326a)および下部(勾配326b)の両方でケーブル302に接触しているが、グリッパ部226a(ケーブル302の上部)およびグリッパ部226b(F2位置)のいずれも、ケーブルの上部または下部のいずれかでケーブルに接触しない。さらに、いくつかの実施形態において、グリッパ部226aおよび226bは、ケーブルがその挿入位置から移動しない状態にある場合に移動しない。
【0038】
図3Eにおいて、ケーブル302は上方に移動し、これにより、勾配326aのリブ222に対して押すことと、勾配326bのリブの間に空間328a(F1位置)を形成することとの両方を行う。空間328aは、ケーブル302の下方で、水、埃およびその他の異物がヒューズボックスアセンブリ300に侵入する危険性を生じさせる。例示的な実施形態において、ケーブル302の上方にあるグリッパ部226aが伸長する一方、ケーブルの下方にあるグリッパ部226bが圧縮される(F2位置)。
図2Dから、ゴムインサート104の内部構造118と外部構造120との間に空間232が存在することを想起する。グリッパ部226bの圧縮は、いくつかの実施形態において、ケーブル302の下への汚染物質の侵入を防止する。さらに、グリッパ部226aおよび226bは内部構造118の反対側であるため、グリッパ部226aの伸長部は、いくつかの実施形態において、グリッパ部226bの圧縮能力を助長する。
【0039】
図3Fにおいて、ケーブル302は下向き方向に移動し、これにより、勾配326bのリブ222に対して押すことと、勾配326aのリブの間に空間328b(F1位置)を形成することとの両方を行うことが示される。例示的な実施形態において、ケーブル302の下方にあるグリッパ部226bが伸長する一方、ケーブルの上方にあるグリッパ部226aが圧縮される(F2位置)。ゴムインサート104の同一円筒状片の両側として、グリッパ部226aおよび226bは、ケーブル302の移動に応じて異物の侵入を防止するために協働する。したがって、位置F1および位置F2は協働して、ヒューズボックスアセンブリ300内にケーブル302を封止するために重なり設計を提供する。ゴムインサート104の設計により、いくつかの実施形態において、グリッパ部226の一方の側での伸長および反対側での圧縮は同時に可能である。
【0040】
例示的な実施形態において、ゴムインサート104はさらに、ヒューズボックスアセンブリ300とともに使用される異なるサイズのケーブルを可能にする。リブ222は、ケーブルとある程度で重なることができるように十分な柔軟性を持っている。したがって、一旦挿入されると、リブ222とケーブルとの間に堅いシールが形成される。さらに、
図3Cに示されるように、内部構造118とケーブル302との間に距離dがある。既に
図2Dに示されたように、勾配326のグリッパ部226が移動するのに十分な空間232がある。より大きなケーブルはより剛性のある材料で作られる傾向があるため、より小さなケーブルに比べて柔軟性に欠ける傾向がある。それにもかかわらず、オーバモールドシール100は、例示的な実施形態において、比較的柔軟性のない、より大きなケーブルで動作可能であり、IP69保護は、どのようなケーブルサイズであっても維持される。
【0041】
例示的な実施形態において、ゴムインサート104のリング106は、リングリブ322aおよびリングリブ322b(以下、総称して「リングリブ322」という)を特徴としている。いくつかの実施形態において、リングリブ322は、リング106に表面積および柔軟性の両方を増やす。シール100がハウジング306の開口324に挿入される場合、リングリブ322はハウジングに対して同一平面上になるように押される。ハウジング306がより硬いプラスチック材料で作られており、ゴムインサート104がより柔らかいゴム材料で作られている場合、リングリブ322はシール100とハウジング306との間の固い接続を容易にする。したがって、リブ222およびグリッパ228のように、リングリブ322は、ヒューズボックスアセンブリ300のハウジング306に対して不可侵のシールを維持するように設計されている(
図3Aも参照)。シール100とハウジングとの間の隙間に沿ってハウジング306への水の侵入を防止することによって、位置F3は、例示的な実施形態において、ヒューズボックスアセンブリ300のために、位置F1および位置F2の保護を補足するIP69保護を提供する。
【0042】
図4A~
図4Dは、従来技術に係る、従来のシール設計を有するヒューズボックスアセンブリを表す図である。
図4Aは従来技術のキャップアセンブリ402およびキャップシール404を有するヒューズボックスアセンブリ400の分解斜視図であり、
図4Bは従来技術のキャップシール404の斜視図であり、
図4Cはキャップシール404の側面切断図であり、
図4Dは従来技術のヒューズボックスアセンブリ400の側面切断図である。
【0043】
ヒューズボックスアセンブリ400は3つのケーブル408を受け入れることができ、3つのケーブル408のそれぞれがハウジング406の左側から入る専用端子410を有する。ケーブル408は、各ケーブルに一々対応する3つのキャップ、および3つの別々のキャップシール404からなるキャップアセンブリ402を使用してハウジング406に接続される。ヒューズボックスアセンブリ300のように、ヒューズボックスアセンブリ400は、カバーガスケット414によってハウジング406に固定されるカバー412も含む。ゴムまたは他のエラストマ材料で作られたカバーガスケット414が、両方ともがより硬いプラスチック材料で作られたハウジング406とカバー412との間に周方向に配置される。
【0044】
キャップシール404は、ケーブル408とキャップシールとの間に重なりがある締まり嵌めに基づいて設計されている。この設計は、ケーブル408とキャップシール404との間に隙間がなく、シールが柔らかいため、小さなサイズのケーブルに使用される。残念ながら、より大きなケーブルはより小さなケーブルほど柔軟性がないため、より大きなケーブルを使用した場合、ヒューズボックスアセンブリ400への水、埃およびその他の異物の侵入が発生する可能性がある。また、より大きなケーブルはより小さなケーブルより硬い傾向がある。また、従来技術のキャップシール404を使用して、一旦ケーブルが中心から外れると、ヒューズボックスアセンブリ400への異物の侵入が発生する可能性がある。例えば、ケーブルが組立中または車両の走行時などの使用中に曲がった状態になると、従来技術のキャップシール404は異物の侵入に対してヒューズボックスアセンブリ400を保護しない。
【0045】
斜視図(
図4B)および側面切断図(
図4C)に示されるように、キャップシール404は、キャップシールの外部416を形成する3つの同心リング420a~c(以下、総称して「同心リング420」という)を含む、内部部分424がケーブル408のための受入チャンバである。内部424には、新規シール100のゴムインサート104に見られるリブ222またはグリッパ228などの表面構造が一切ない。さらに、従来技術のキャップシール404の構造は、ケーブルの移動に応じて新規シール100で起こるように、一方の側で構造を伸長させながら反対側のシールで同時に圧縮することを可能にしない。
【0046】
図4Aに示されるように、各ケーブル408は、キャップシール404、次に、ハウジング406のそれぞれの開口を介して挿入される前のキャップアセンブリ402と嵌め合わされる。
図4Bの側面切断図において、キャップアセンブリ402およびキャップシール404は示され、キャップシールはハウジング406の内部に部分的にあり、ケーブル408を取り囲んでいる。キャップアセンブリ402は、ハウジング406上に部分的に配置される。キャップシール404の内部418がケーブル408を取り囲んでいる間、同心リング420はハウジング406に対して押し付けられる。端子410から最も遠い端部422では、キャップシール404はケーブル408にさえ接触していない。
【0047】
ケーブル408が破線の点線で示されるように曲がった状態になると、キャップシール404は、シール100で発生するようなケーブルの移動を補償することができない。代わりに、埃、塵および水はヒューズアセンブリ400のチャンバに入ることができ、内部のヒューズの動作に影響を与える可能性がある。自動車用途では、高速かつ高温であっても埃および水が存在するため、従来技術のキャップシール404は、ヒューズボックスアセンブリ400内の構成要素のIP69保護を提供しない。
【0048】
図5は、例示的な実施形態に係る、シール100をヒューズボックスアセンブリ300に固定することに使用されるロックされたシールアセンブリ500を表す図である。
シール100およびケーブル302は、上記のように示され、ハウジング306の一部が見える。ハウジング306は、係合機構502とリップ504とを含み、これらは、ハウジング306に取り付けられるまたは固着されるか、または、射出成形などによってハウジングの一体の部分として形成される。シール100の描写(
図1および
図2A)から、ロック機構110がプラスチック本体102の外周面から半径方向外側に延在し、ロック機構片に直交するコーナー片124を含むことが想起される。
【0049】
一旦ケーブルはヒューズボックスのハウジング306に挿入されると、ロック機構110が係合機構502の側になるように注意しながら、シール100はハウジングに対して同一平面に配置されることになる。
図5の図示において、例えば、ロック機構110は係合機構502の左側にあることになる。プラスチック本体102は、ロック機構110が係合機構502と係合し、ラッチされるまで、ハウジング306に対して回転される。
【0050】
図6A~
図6Bは、例示的な実施形態に係る、新規シール100によって支持されるケーブルアセンブリを表す図である。
図6Aはケーブルアセンブリ600を有する小型端子の斜視図であり、
図6Bは大型端子を有するケーブルアセンブリ610の斜視図である。例示的な実施形態において、新規シール100は、2つの異なるサイズの端子を有するケーブルとともに使用されてよい。
【0051】
図6Aにおけるケーブルアセンブリ600はケーブル602に接続される小型端子604を含む。
図6Bにおけるケーブルアセンブリ610はケーブル612に接続される大型端子614を含む。いくつかの実施形態において、ケーブル602および612は同じサイズである。大型端子614は、ケーブル612の遠位端部でわずかに広くなっているのに対し、小型端子604の遠位端部は、端子の残りの部分とほぼ同じ幅である。シール100は、ケーブルアセンブリ600またはケーブルアセンブリ610のいずれにも使用することができる。しかしながら、各ケーブルへのシール100の付加は、
図7および
図8に示されるように、各ケーブルへのシール100の付加は若干異なる。
【0052】
図7は、例示的な実施形態に係る、ケーブルアセンブリ600(
図6A)にシール100(
図1)を付加するための工程段階を表す図を含む。
図7の左側において、シール100およびヒューズボックスアセンブリ300(
図3B)のハウジングが示される。シール100はハウジング306の開口に挿入され、結果として、シールが取り付けられたハウジング702が得られる。ケーブルアセンブリ600が小型端子を有するため、端子がシール100の開口を介して嵌め合うことができる。したがって、小型端子を有するケーブルアセンブリ600はシール100を介してハウジング306に挿入され、結果として、シールとともに取り付けられた小型端子を有するハウジング704が得られる。
【0053】
図8は、例示的な実施形態に係る、ケーブルアセンブリ610(
図6B)にシール100(
図1)を付加するための工程段階を表す図を含む。
図7の左側において、シール100およびケーブル612(
図6B)が示され、ここで、ケーブルはまだ大型端子614に取り付けられていない。ケーブル612はシール100の開口を介して挿入され、結果としてシールが取り付られたケーブル802が得られる。次に、大型端子614はシールが取り付られたケーブル802の一端に取り付けられ、結果としてシールおよび大型端子を有するケーブル804が得られる。次に、シールおよび大型端子を有するケーブル804はハウジング306の開口に送り込まれ、大型端子614が開口を介して嵌合している。次に、シール100はハウジング306に固定され、結果として、シールとともに取り付けられた大型端子を有するハウジング806が得られる。したがって、ケーブルが使用する端子が小型でも大型でも、ヒューズボックスのハウジングへのケーブルの組立は顧客にとって容易である。
【0054】
開示されたシール100は、ゴムインサートを有するオーバモールドプラスチック本体を使用して、ヒューズボックスアセンブリにIP69保護を提供し、高圧および高温であっても、埃、塵および水の侵入を防止する水密シールを形成する。シール100の弾性設計は、ケーブルが中心から外れた位置にある場合でもIP69保護を維持する。さらに、例示的な実施形態において、プラスチック本体は、ゴムインサートが異物への暴露に対して保護され、特に高圧および/または高温の水への暴露に対して保護されるので、より長持ちであり、亀裂を回避するように、ゴムインサートを保護する。オーバモールドシール100は、顧客にとって使いやすく、ヒューズボックスアセンブリへのケーブルの付加およびヒューズボックスアセンブリからのケーブルの取り外しを容易にする。本明細書に示され説明されたヒューズボックスアセンブリに加えて、オーバモールドシール100は、配電モジュールなどの電子機器を収容する他の電気ボックスに適合されることができる。
【0055】
本明細書において使用するとき、単数形で記載されていて、「a」または「an」という語の後にある要素または段階は、複数の要素または段階を除外しないものとして理解されるべきであるが、ただしそのような除外が明示的に記載されている場合を除く。さらに、本開示の「1つの実施形態」に対する言及は、記載された同じ特徴を組み込んださらなる実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していない。
【0056】
本開示は特定の実施形態に言及しているが、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の領域および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対して多数の修正、改変、および変更を行うことが可能である。したがって、本開示は、記載されている実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の文言およびその均等物により定義される完全な範囲を有することが意図されている。
【外国語明細書】