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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041029
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】計時器のための時間帯修正機構
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/25 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
G04B19/25 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141195
(22)【出願日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】21196128.9
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594082512
【氏名又は名称】ブランパン・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・レスケルピ
(72)【発明者】
【氏名】ベルナト・モンフェレール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計時器のための時間帯修正機構を提供する。
【解決手段】手動制御デバイス100を備える計時器の時間帯修正機構に関し、手動制御デバイスは、反対に作用する2つの手動修正器作動器30、50を備え、手動修正器作動器は、ビーク29、49を備える時間帯修正器20、40を運動状態にし、ビークは、時間帯修正車組立体10の起伏部11を圧迫し、時間帯修正車組立体を移動させるように構成され、時間帯修正車組立体は、等間隔に離間する歯部を備える歯付き車組立体であり、歯部は、複数の連続する歯がなく、第1の隙間19に取り替えられた1つの第1の駆動段と、第1の駆動段に平行であり、複数の連続する歯がなく、第2の隙間に取り替えられた1つの第2の駆動段とを備え、第1の隙間及び第2の隙間は、互いに重ならず、各時間帯修正器は、時間帯修正車組立体の第1の駆動段及び第2の駆動駆動段の中から、単一の駆動段と協働するように構成する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動制御デバイス(100)を備える計時器(1000)のための時間帯修正機構(500)であって、前記手動制御デバイス(100)は、反対に作用する2つの手動修正器作動器(30、50)を備え、前記2つの手動修正器作動器(30、50)は、ユーザによって操作され、1つの同じ時間帯修正車組立体(10)を両反対方向の移動で制御するように構成され、前記2つの手動修正器作動器(30、50)のそれぞれは、ビーク(29、49)を備える、前記2つの手動修正器作動器(30、50)と連結された時間帯修正器(20、40)を運動状態にし、前記ビーク(29、49)は、前記時間帯修正車組立体(10)の起伏部(11)を圧迫し、ユーザの操作下、前記時間帯修正車組立体(10)を前記手動修正器作動器(30、50)の全移動経路を越えて移動させるように構成し、前記時間帯修正車組立体(10)は、等間隔に離間する歯部を備える歯付き車組立体であり、前記歯部は、複数の連続する歯がなく、第1の隙間(19)に取り替えられた1つの第1の駆動段と、前記第1の駆動段に平行であり、複数の連続する歯がなく、第2の隙間(18)に取り替えられた1つの第2の駆動段とを備え、前記第1の隙間(19)及び前記第2の隙間(18)は、互いに重ならず、各前記時間帯修正器(20、40)は、前記時間帯修正車組立体(10)の前記第1の駆動段及び前記第2の駆動段の中から、単一の駆動段と協働するように構成することを特徴とする、時間帯修正機構(500)。
【請求項2】
前記第1の隙間(19)及び前記第2の隙間(18)は、板上に突出する際、前記第1の駆動段及び前記第2の駆動段の両方にわたり延在する前記時間帯修正車組立体(10)の複数の完全な歯によって隔てられることを特徴とする、請求項1に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項3】
第1の手動修正器作動器(30、50)と連結された第1の時間帯修正器(20、40)は、前記第1の駆動段で前記時間帯修正車組立体(10)と協働するように構成し、第2の手動修正器作動器(30、50)と連結された第2の時間帯修正器(20、40)は、前記第2の駆動段で前記時間帯修正車組立体(10)と協働するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項4】
前記時間帯修正車組立体(10)の前記第1の駆動段及び前記第2の駆動段はそれぞれ、前記時間帯修正機構(500)を備える前記計時器(1000)によって管理される時間帯の数よりも少なくとも1つ少ない歯を備えることを特徴とする、請求項1に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項5】
前記時間帯修正車組立体(10)の前記第1の駆動段及び前記第2の駆動段はそれぞれ、前記時間帯修正機構(500)を備える前記計時器(1000)によって管理される時間帯の数が24である場合、23個の歯を備えることを特徴とする、請求項4に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項6】
前記時間帯修正車組立体(10)は、一体に作製されることを特徴とする、請求項1に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項7】
前記手動制御デバイス(100)は、係止レバー機構を備え、前記係止レバー機構は、前記2つの手動修正器作動器(30、50)の一方が前記時間帯修正車組立体(10)と係合し、相互作用する際に前記時間帯修正車組立体(10)上で前記2つの手動修正器作動器(30、50)のもう一方による動作を禁止するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項8】
前記係止レバー機構は、係止レバー(70)を備え、前記係止レバー(70)は、前記2つの手動修正器作動器(30、50)の一方が係合する間に回転駆動するように構成され、前記2つの手動修正器作動器(50、30)のもう一方の移動を制限し、前記2つの手動修正器作動器(50、30)に連結された前記時間帯修正器(40、20)が前記時間帯修正車組立体(10)にアクセスしないようにすることを特徴とする、請求項7に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項9】
前記係止レバー(70)は、安全レバーを構成し、前記係止レバー(70)は、第1の停止フィンガ(71)を有する第1の端部と、前記第1の端部とは反対の、第2の停止フィンガ(72)を有する第2の端部とを備え、前記第1の停止フィンガ(71)及び前記第2の停止フィンガ(72)は、それぞれ、前記2つの手動修正器作動器(30、50)のうち一方の手動修正器作動器(30、50)と当接状態で協働するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項10】
前記第1の停止フィンガ(71)及び前記第2の停止フィンガ(72)は、同一の形状を有する及び/又は同一の機能を実行することを特徴とする、請求項9に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項11】
前記2つの手動修正器作動器(30、50)のそれぞれは、
-前記第1の停止フィンガ(71)又は前記第2の停止フィンガ(72)と協働して停止外形部を形成し、考慮される前記手動修正器作動器(30、50)の回転を防止するように構成された第1の支承外形部(37、57)と、
-考慮される前記手動修正器作動器(30、50)が部分的に回転することを可能にするため、前記第1の停止フィンガ(71)又は前記第2の停止フィンガ(72)が摺動する脱進外形部を形成するように構成された第2の支承外形部(36、56)と
を備えることを特徴とする、請求項9に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項12】
前記2つの手動修正器作動器(30、50)の前記第1の支承外形部(37、57)は、実質的に整列するように互いに対して配置され、前記第1の停止フィンガ(71)及び前記第2の停止フィンガ(72)はそれぞれ、前記2つの手動修正器作動器(30、50)のそれぞれがユーザによって同時に作動された際、前記2つの手動修正器作動器(30、50)のそれぞれの前記第1の支承外形部(37、57)を圧迫することを特徴とする、請求項11に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項13】
前記2つの手動修正器作動器(30、50)の前記第2の支承外形部(36、56)は、鋭角を形成するように、互いに対向して配置され、前記鋭角の頂点は、前記時間帯修正機構(500)の方に向けられることを特徴とする、請求項11に記載の時間帯修正機構(500)。
【請求項14】
請求項1に記載の時間帯修正機構(500)を有する少なくとも1つの時間帯機構を備える計時器(1000)。
【請求項15】
前記計時器は、日車組立体を備える日付機構と、時間情報を表示する機構とを備えることを特徴とする、請求項14に記載の計時器(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動制御デバイスを備える計時器のための時間帯修正機構に関し、手動制御デバイスは、手動修正器作動器を備え、手動修正器作動器は、ユーザによって操作され、両反対方向に移動する状態の1つの同じ修正車組立体を制御するように構成される。
【0002】
本発明は、更に、そのような時間帯修正機構を有する少なくとも1つの時間帯機構を備える計時器に関する。
【0003】
本発明は、測時器機構、特に、暦機構又は時間帯機構等の複雑機構、並びにユーザによる計時器の時間帯及び/又は日付の調節を可能にする、これらに連結された設定機構の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
測時器の分野において、暦機構、又は時間帯を表示するいわゆるGMT機構等の複雑機構を有する時計が提案されることは、まれではなく、こうした複雑機構は、ユーザが、例えば、押しボタン等の手動修正器作動器を使用して容易に修正し得る。
【0005】
この特定の例の時間帯機構において、(時間帯を前進及び後退させるように)両方向で時間帯を修正する2つの個別の押しボタンを有する時計が存在する。例えば、1つの解決策は、反対に作用するように1つの同じ時間帯修正車に作用する、2つの修正作動器を使用することである。
【0006】
この時間帯修正機構が暦と結合される場合、着用者が(太平洋に延びる)日付変更線を越える間に時間帯修正を実行すると、表示される日付は不正確である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、時計の着用者が、日付変更線を通過する際に、信頼できない時間帯又は日付の修正を行うことを防止することである。
【0008】
本発明は、あらゆる時間帯構成で、特に、日付変更線の近傍で時間帯修正の実行を可能にすることを目的とする。
【0009】
時間帯修正機構が、手動修正器作動器、例えば2つの押しボタンを備える場合の非限定的な適用例を介して、本発明を以下で例示、説明する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的で、本発明は、請求項1に記載の手動制御デバイスを備える計時器のための時間帯修正機構に関し、手動制御デバイスは、手動修正器作動器を備え、手動修正器作動器は、ユーザによって操作され、両反対方向で移動する状態の1つの同じ修正車組立体を制御するように構成される。
【0011】
上記の段落で述べた特徴に加えて、本発明による計時器のための時間帯修正機構は、個々の基準を考慮して、又は技術的に可能なあらゆる組合せに従って、以下の中から1つ又は複数の相補的な特徴を有し得る:
-前記第1の隙間及び前記第2の隙間は、板上に突出する際、前記第1の駆動段及び前記第2の駆動段にわたり延在する前記時間帯修正車組立体の複数の完全な歯によって隔てられる、
-第1の手動修正器作動器と連結された第1の時間帯修正器は、第1の駆動段で前記時間帯修正車組立体と協働するように構成され、第2の手動修正器作動器と連結された第2の時間帯修正器は、第2の駆動段で前記時間帯修正車組立体と協働するように構成される、
-時間帯修正車組立体の第1の駆動段及び第2の駆動段はそれぞれ、前記時間帯修正機構を備える計時器によって管理される時間帯の数よりも少なくとも1つ少ない歯を備える、
-時間帯修正車組立体の第1の駆動段及び第2の駆動段はそれぞれ、前記時間帯修正機構を備える計時器によって管理される時間帯の数が24である場合、23個の歯を備える、
-前記時間帯修正車組立体は、一体に作製される、
-手動制御デバイスは、係止レバー機構を備え、係止レバー機構は、2つの手動修正器作動器の一方が前記時間帯修正車組立体と係合、相互作用する場合、前記時間帯修正車組立体に対する2つの手動修正器作動器のもう一方による動作を禁止するように構成される、
-係止レバー機構は、係止レバーを備え、係止レバーは、2つの手動修正器作動器の一方と係合する間、回転駆動され、2つの手動修正器作動器のもう一方の移動を制限し、2つの手動修正器作動器のもう一方と連結された時間帯修正器が前記時間帯修正車組立体にアクセスしないように構成される、
-係止レバーは、安全レバーを構成し、前記係止レバーは、第1の停止フィンガを有する第1の端部と、第1の端部とは反対の、第2の停止フィンガを有する第2の端部とを備え、第1の停止フィンガ及び第2の停止フィンガは、それぞれ、2つの手動修正器作動器のうち一方の手動修正器作動器と当接状態で協働するように構成される、
-第1の停止フィンガ及び第2の停止フィンガは、同一の形状を有する及び/又は同一の機能を実行する、
-2つの手動修正器作動器のそれぞれは、
-第1の停止フィンガ又は第2の停止フィンガと協働して停止外形部を形成し、考慮される前記手動修正器作動器の回転を防止するように構成された第1の支承外形部と、
-考慮される前記手動修正器作動器が部分的に回転することを可能にするため、第1の停止フィンガ又は前記第2の停止フィンガが摺動する脱進外形部を形成するように構成された第2の支承外形部と
を備える、
-2つの手動修正器作動器の第1の支承外形部は、実質的に整列するように互いに対して配置され、第1の停止フィンガ及び第2の停止フィンガはそれぞれ、前記2つの手動修正器作動器のそれぞれがユーザによって同時に作動された際、前記2つの手動修正器作動器のそれぞれの前記第1の支承外形部を圧迫する、
-前記2つの手動修正器作動器の第2の支承外形部は、鋭角を形成するように、互いに対向して配置され、鋭角の頂点は、時間帯修正機構の方に向けられる。
【0012】
本発明は、更に、そのような時間帯修正機構を有する少なくとも1つの機構を備える計時器に関する。
【0013】
本発明は、更に、計時器に関し、計時器は、日車組立体を備える日付機構と、時間情報を表示し、日付機構及び時間帯機構と協働する機構とを備える。
【0014】
本発明の目的、利点及び特徴は、添付の図面を参照しながら示す以下の詳細な説明を読めばより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】静止位置における時間帯修正機構の1つの例示的実施形態の概略平面図であり、時間帯修正機構は、修正車組立体を備え、修正車組立体は、反対に作用する修正器によって2つの反対方向に駆動でき、修正器は、個別の手動修正器作動器によって操作される。
図2図1の機構の特徴の概略平面図であり、ユーザによって第1の手動修正器作動器上に付与される押す力に対応する第1のステップを示し、第1の手動修正器作動器は、第1の修正器を第1の方向(例えば、時計回り方向)に駆動し、修正車組立体上の歯部の底部を圧迫するようにする。
図3図2と同様の、第2のステップを示す図であり、押す力は、第1の手動修正器作動器が当接位置に到達するまで、第1の手動修正器作動器上に加えられ、押す間、修正車組立体は第1の方向(時計回り方向)に枢動する。
図4図2と同様の、ユーザによって第1の手動修正器作動器を解放する図であり、第1の手動修正器作動器は、ばねによって構成される第1の弾性戻し手段の作用下、第1の修正器と共に、第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、反時計回り方向)で枢動し、ビークを修正車組立体の歯部の外に移動させる。
図5図2と同様の、第1の手動修正器作動器の完全な解放の図であり、第1の手動修正器作動器は、図1の静止位置で当接に戻る。
図6図1と同様の、本発明による修正機構の概略平面図であり、修正機構は、安全レバーである係止レバーを備え、修正器が修正車組立体を同時に駆動しないことの保証を可能にする。この安全レバーは、この場合、環状扇形体であり、安全レバーの遠位端は、手動修正器作動器と協働するように構成されるが、このことに限定されない。
図7図6の修正機構の概略部分平面図であり、修正機構の機能を示す。図7は、修正器が同時に作動される第1のケースを示す。手動修正器作動器が同時に作動されると、手動修正器作動器は、安全レバーと接触する。各手動修正器作動器は、安全レバー上で他方に対して反対の作用を加えるため、手動修正器作動器の回転が阻止される。修正を実行する唯一の方法は、手動修正器作動器の1つを解放することである。そのような場合、2つの修正器ビークは、2つの修正器ビークが同時に作動された際に修正車組立体と相互作用できない。
図8図6の修正機構の概略部分平面図であり、修正機構の機能を示す。図8は、修正器が次々に作動される第2のケースを示す。図8は、第1の段階を示し、増大修正方向で作用する図の左手側の第1の修正器は、修正器ビークが修正車組立体の歯部の歯と接触するまで、第1の手動修正器作動器によって作動される。この位置において、第1の修正器は、安全レバーの最大移動を越えて安全レバーを駆動している。安全レバーと第2の手動修正器作動器との間の距離は、かなりわずかであり、手動修正器作動器の回転を防止する。
図9図6の修正機構の概略部分平面図であり、修正機構の機能を示す。図9は、修正器が次々に作動される第2のケースを示す。図9は、ユーザが、修正車組立体を駆動するまで第1の手動修正器作動器を押し続けた場合の連続移動を示す。安全レバーは、依然として同じ位置にあり、第2の手動修正器作動器の回転を防止する。2つの修正器ビークは、修正車組立体と同時に相互作用できない。
図10図1と同様の、静止位置における、本発明による修正機構の概略平面図であり、手動修正器作動器をより詳細に見せるため、修正器を伴わない。
図11】本発明による安全レバーの一例示的実施形態の概略平面図であり、ピン及び楕円形溝による案内部を伴う。
図12】本発明による、枢動する安全レバーの一例示的実施形態の概略平面図である。
図13】機構を備える計時器を示すブロック図であり、機構の修正車組立体は、2つの手動修正器作動器を備えるそのような手動制御デバイスによって制御されるように構成される。
図14】本発明による時間帯修正機構の第1の概略部分斜視図であり、時間帯修正機構は、2つの駆動段を有する修正車組立体を備え、2つの駆動段は、個別の手動修正器作動器によって操作される、反対に作用する修正器によって2つの反対方向で駆動し得る。
図15】本発明による時間帯修正機構の第2の概略部分斜視図であり、時間帯修正機構は、2つの駆動段を有する修正車組立体を備え、2つの駆動段は、個別の手動修正器作動器によって操作される、反対に作用する修正器によって2つの反対方向で駆動し得る。
図16】日付変更線を示す概略平面球形図の例であり、日付変更線は、いくつかの時間帯に及び、本初子午線の反対の180°子午線に追従しないが、国々の地政学的な選択によって案内される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面の全てにおいて、共通の要素は、別段に示されない限り、同じ参照番号が記載される。
【0017】
図13に概略的に示すように、本発明は、手動制御デバイス100を備える計時器1000のための時間帯修正機構500に関し、手動制御デバイス100は、手動修正器作動器30、50を備え、手動修正器作動器30、50は、ユーザによって操作され、両反対方向に移動する1つの同じ修正車組立体10を制御するように構成される。
【0018】
本発明は、ここでは、図1に示す時間帯修正機構の場合の非限定的な適用例において説明し、時間帯修正機構は、反対に作用する2つの手動修正器作動器30、50を備え、2つの手動修正器作動器30、50は、この場合、より詳細には、制御押しボタンであり、この場合は時間帯修正車である修正車組立体10を2つの反対方向(時計回り及び反時計回り)で回転させる性質がある。
【0019】
第1の手動修正器作動器30は、第1の方向Aで押す押し動作を介してユーザによって直接操作し得る。第1の手動修正器作動器30は、第1の手動修正器作動器30が第1のヒンジ・ピン31回りに枢動するように組み付けられ、第1のヒンジ・ピン31は、ユーザの動作下、第1の手動修正器作動器30が第1のヒンジ・ピン31回りに枢動するように、時間帯修正機構500の板1内で駆動される。
【0020】
時間帯修正機構500は、第1の手動修正器作動器30に対してヒンジで留められる第1の修正器20を更に備える。この目的で、第1の修正器20は、第1の楕円形案内溝23を備え、第1の楕円形案内溝23は、第1のヒンジ・ピン31と協働し、第1の修正器20が第1の手動修正器作動器30に対してヒンジ留め可能であるように構成される。
【0021】
第1の楕円形溝23は、第1の手動修正器作動器30が枢動する際、第1の修正器の移動を回転並進移動状態で案内するように構成される。
【0022】
第1の手動修正器作動器30は、例えば、第1の手動修正器作動器30の本体内で駆動される第1の作動スタッド32を備える。第1の作動スタッド32は、ユーザによって第1の手動修正器作動器30に加えられる押し動作が第1の修正器20に伝達されることを可能にする。
【0023】
第1の楕円形溝23と第1のヒンジ・ピン31との間の協働により、第1の手動修正器作動器30と第1の修正器20との間の相対的な移動を制限する。
【0024】
第1の手動修正器作動器30は、直接又は間接的に、第1の弾性戻し手段22によって第1の方向Aとは反対である第2の方向Bで押し戻され、非活動静止位置になる性質がある。第1の弾性戻し手段22は、この場合、ばねによって構成されるが、ばねに限定されない。
【0025】
図示の例示的な実施形態では、第1の弾性戻し手段22は、第1の修正器20、より詳細には、第1の修正器20の本体内で駆動される第1のばねピン21を圧迫する。したがって、この構成のおかげで、第1の弾性戻し手段22は、第1の方向Aとは反対の第2の方向Bで第1の修正器20及び第1の手動修正器作動器30の両方を押し戻し、非活動静止位置にすることが可能である。
【0026】
代替実施形態によれば、第1の弾性戻し手段22は、2つの独立戻しばねによって形成してもよく、第1のばねは、第1の修正器20に作用し、第2のばねは、第1の手動修正器作動器30に作用する。
【0027】
第1の修正器20は、第1の修正器ビーク29を備え、第1の修正器ビーク29は、修正車組立体10の起伏部と協働するように構成され、修正車組立体10は、この場合、時間帯修正車によって形成される。修正車組立体10の起伏部は、例えば、修正車組立体10の歯部の歯11である。有利には、第1の作動スタッド32は、第1の修正器20の角度移動を制限する当接部を構成するようにも構成し得る。
【0028】
代替実施形態によれば、修正車組立体10は、修正星形車又は他の要素によって構成し得る。したがって、そのような場合、第1のビーク29は、枝状のもの、アーム、キャッチ、又は考慮される修正車組立体10内に含まれる他の要素と協働するように構成される。修正車組立体10は、従来のように、修正車組立体・ジャンパ60によって所定の位置に保持され、修正車組立体・ジャンパ60は、ジャンパ・ピン62を圧迫するジャンパばね63の作用を受ける。
【0029】
同様に、第2の手動修正器作動器50は、第3の方向Cで押す押し動作を介してユーザによって直接操作し得る。第2の手動修正器作動器50は、第2の手動修正器作動器50が第2のヒンジ・ピン51回りに枢動するように組み付けられ、第2のヒンジ・ピン51は、ユーザの操作下、第2の手動修正器作動器50が第2のヒンジ・ピン51回りに枢動するように、時間帯修正機構500の板1内で駆動される。
【0030】
時間帯修正機構500は、第2の手動修正器作動器50に対してヒンジで留められる第2の修正器40を更に備える。この目的で、第2の修正器40は、第2の楕円形案内溝43を備え、第2の楕円形案内溝43は、第2のヒンジ・ピン51と協働し、第2の修正器40が第2の手動修正器作動器50に対してヒンジ留め可能であるように構成される。
【0031】
第2の楕円形溝43は、第2の手動修正器作動器50が枢動する際、第2の修正器40の移動を回転並進移動する状態で案内するように構成される。
【0032】
第2の手動修正器作動器50は、例えば、第2の手動修正器作動器50の本体内で駆動される第2の作動スタッド52を備える。第2の作動スタッド52は、ユーザによって第2の手動修正器作動器50に加えられる押し動作が第2の修正器40に伝達されることを可能にする。
【0033】
第2の楕円形溝43と第2のヒンジ・ピン51との間の協働により、第2の手動修正器作動器50と第2の修正器40との間の相対的な移動を制限する。第2の手動修正器作動器50は、直接又は間接的に、第2の弾性戻し手段42によって第3の方向Cとは反対である第4の方向Dで押し戻され、非活動静止位置になる性質がある。第2の弾性戻し手段42は、この場合、ばねによって構成されるが、ばねに限定されない。
【0034】
図示の例示的な実施形態では、第2の弾性戻し手段42は、第2の修正器40、より詳細には、第2の修正器40の本体内で駆動される第2のばねピン41を圧迫する。したがって、この構成のおかげで、第2の弾性戻し手段42は、第3の方向Cとは反対の第4の方向Dで第2の修正器40及び第2の手動修正器作動器50の両方を押し戻し、非活動静止位置にすることが可能である。
【0035】
代替実施形態によれば、第2の弾性戻し手段42は、2つの独立戻しばねによって形成してもよく、第1のばねは、第2の修正器40に作用し、第2のばねは、第2の手動修正器作動器50に作用する。
【0036】
この第2の修正器40は、第2の修正器ビーク49を備え、第2の修正器ビーク49は、修正車組立体10の起伏部と協働するように構成され、起伏部は、例えば、修正車組立体10の歯部の歯11である。有利には、第2の作動スタッド52は、第2の修正器40の角度移動を制限する当接部を構成するようにも構成し得る。
【0037】
図2は、ユーザによって、第1の方向Aで第1の手動修正器作動器30上に付与される押す力に対応する第1のステップをより詳細に示す。この押す力により、第1の修正器20を回転させ、これにより、第1の修正器20は方向SHで枢動し、修正車組立体10上の歯部の底部を圧迫する。図2に示す図では、方向SHは、時計回り方向に対応する。
【0038】
図3は、第1の修正器20が修正車組立体10上の歯部の底部を圧迫した際に生じる第2のステップをより詳細に示す。この第2のステップにおいて、押す力が加えられると、第1の修正器20を実質的に直線に変位させ、第1の手動修正器作動器30の停止位置に入れ、停止位置の間、第1の修正器20の変位により、図示の例示的な実施形態では時計回り方向である方向SHで、修正車組立体10の枢動が開始される。
【0039】
非限定的な例示的実施形態では、第1の修正器20の回転方向は、修正車組立体10の回転方向に対応し、第1の修正器20は、中間要素又は歯車列を介さずに、修正車組立体10に直接作用することに留意されたい。
【0040】
しかし、中間要素は、任意で、第1の修正器20の回転が修正車組立体10を第1の修正器20の回転とは反対の方向で駆動させるように、修正器20と修正車組立体10との間で使用し得る。
【0041】
図4は、ユーザによる、第1の手動修正器作動器30の解放から構成される第3のステップを示し、第1の手動修正器作動器30は、第1の弾性戻し手段22の作用下、第1の修正器20と共に、この例示的な実施形態では反時計回り方向に対応する第2の方向SAHで枢動し、第1のビーク29を修正車組立体10の歯部の外に移動させる。
【0042】
図5は、第1の手動修正器作動器30の完全な解放、及び第1の手動修正器作動器30の再配置に対応する第4のステップを示し、第1の手動修正器作動器30は、静止位置での当接に戻る。
【0043】
第2の手動修正器作動器50、及び第2の手動修正器作動器50の第2の修正器40の機能は、図2から図5を参照しながら説明した第1の手動修正器作動器30、及び第1の手動修正器作動器30に連結された第1の修正器20の機能と同様のものである。第1の手動修正器作動器30及びその第1の修正器20に対して提案する代替実施形態は、第2の手動修正器作動器50及びその第2の修正器40にも適用可能である。
【0044】
有利には、2つの修正器20、50は、反対に作用する修正器であり、同様に働き、同じ修正車組立体10に作用する。
【0045】
有利には、2つの修正器20、50は、同じ修正車組立体10に対称的に作用する。
【0046】
計時器1000が、時間情報表示列に連結された日付機構を備える場合、表示される日付は、着用者が、図16に示すようにいくつかの時間帯にわたり広がる(太平洋に延びる)日付変更線を越える間に時間帯修正を行うと、不正確になる可能性がある。
【0047】
図16は、日付変更線を示す概略平面球形図の例であり、日付変更線は、いくつかの時間帯に及び、本初子午線の反対側の180°子午線に追従しないが、国々の地政学的な選択によって案内されることに留意されたい。
【0048】
日付を依然として正確にするために、本発明は、着用者が日付変更線を越える際に不正確な時間帯又は日付修正を行うのを防止することを伴う。
【0049】
図14及び図15に示すように、本発明は、修正車組立体10を有する時間帯修正機構500の使用から構成される解決策を提案し、修正車組立体10は、2つの駆動段を有する歯部によって構成され、歯部の第1の部分は、第1の隙間19をもたらすように第1の上側駆動段上にギザギザが付けられ、歯部の第2の部分は、第2の隙間18をもたらすように第2の下側駆動段上にギザギザが付けられ、駆動段のそれぞれの上の歯11の数は、管理される時間帯の数よりも少ない。例えば、図14及び図15の場合では、24個の歯である時間帯に対して、各駆動段上の歯は23個の歯である。
【0050】
より詳細には、修正車組立体10は、等間隔に離間する歯部を備える歯付き車組立体であり、歯部は、複数の連続する歯がなく、第1の隙間19に取り替えられた少なくとも1つの第1の段と、第1の段に平行であり、複数の連続する歯がなく、第2の隙間18に取り替えられた少なくとも1つの第2の段とを備える。
【0051】
好ましくは、第1の隙間19及び第2の隙間18は、これらが修正車組立体10の外周上で角度的にずれて配置されるように、重なっていない。したがって、第1の隙間19及び第2の隙間18は、平面上に突出する場合、修正車組立体10の複数の完全な歯によって隔てられる(即ち、歯は、第1の段及び第2の段の両方にわたり延在する)。
【0052】
より詳細には、少なくとも1つの修正器20、40は、修正車組立体10の歯部の単一の上側駆動段又は下側駆動段のみに作用する。
【0053】
より詳細には、修正器20、40のそれぞれは、1つの段のみで修正車組立体10と協働するように構成され、修正器20、40のもう一方は、この段と協働しない。
【0054】
図14及び図15に示す例示的な実施形態では、第1の修正器20は、修正車組立体10の上側駆動段のみと協働する一方で、第2の修正器40は、修正車組立体10の下側駆動段のみと協働する。したがって、修正器20、40のそれぞれは、修正車組立体10の1つの段のみに作用し、修正車組立体10の第2の段と嵌合することはできない。言うまでもないが、異なる配置が可能である。
【0055】
図14及び図15に示す特定の非限定的なケースでは、各段の23個の歯は、日付変更線に先行する(日付変更線の上流又は下流の)時間帯が表示される場合、プラス又はマイナスの時間帯変更が可能である修正器20、40は、修正車組立体10と相互作用できず、日付変更線を越えることができないように割り送られる。したがって、唯一可能な修正は、日付変更線を越える方向と反対方向での時間帯の修正である。このことにより、正確な日付情報を保つことが可能である。
【0056】
したがって、図14及び図15は、時間帯が、日付変更線に到達するまで、第2の修正器40及びそのビーク49によりマイナスの方向で既に修正してある構成を示す。修正車10の下側段に修正器40のビーク49に面する歯がないため、マイナスの修正はもはや可能ではない。反対に、プラスの修正をもたらすように作用する第1の修正器20は、図15の右手側に示すように、上側駆動段の第1の歯11を押すことができる。
【0057】
より詳細には、第1の段及び第2の段はそれぞれ、時間帯修正機構500を備える計時器1000によって管理される時間帯の数よりも少なくとも1つ少ない歯を備える。
【0058】
より詳細には、第1の段及び第2の段はそれぞれ、時間帯修正機構500を備える計時器1000によって管理される時間帯の数が24である場合、23個の歯を備える。
【0059】
好ましくは、時間帯修正車組立体10は、一体に作製される。
【0060】
しかし、時間帯修正車組立体10は、それぞれが駆動段を形成する2つの個別要素を組み立て、2つの要素を堅く接続することによって作製し得る。
【0061】
2つの反対に作用する修正器20及び40は、同様に働き、同じ修正車組立体10に作用する。
【0062】
本出願で述べた修正車組立体10の歯の割送り、修正車組立体10の外周への第1の隙間19及び第2の隙間18の配置、並びに2つの隙間19と18との間の角度のずれは、例として示され、図示の時間帯修正機構500の非限定的な構成に関連することに留意されたい。より詳細には、修正車組立体の歯の割送り、修正車組立体10の外周への第1の隙間19及び第2の隙間18の配置、並びに2つの隙間19と18との間の角度のずれは、修正車組立体10に対する修正器40、20の位置、及び修正器40、20の形状によって変わるものとして修正し得る。
【0063】
有利には、本発明によれば、2つの修正器20、50は、同じ修正車組立体10上で対称に作用する。
【0064】
時間帯修正機構500は、手動制御デバイス100と相互作用する係止レバーを更に備えることができ、手動制御デバイス100は、2つの同時の反対に作用する修正を無効にするように構成される。
【0065】
したがって、係止レバー機構は、手動修正器作動器30、50の一方が修正車組立体10と相互作用する際、修正車組立体10に対する手動修正器作動器30、50のもう一方による動作を禁止するように構成される。
【0066】
この目的で、係止レバー機構は、係止レバー70を備え、係止レバー70は、手動修正器作動器30、50の一方の移動の間に駆動され、手動修正器作動器50、30のもう一方の移動を制限し、これにより、手動修正器作動器30、50に連結された修正器40、20が修正車組立体10にアクセスしないように構成される。
【0067】
有利には、係止レバー70は、手動修正器作動器30、50の一方の移動の間、係止レバー70が回転するように駆動される。
【0068】
そのような係止レバー70は、係止レバー70が板1に直交する軸回りに回転移動し得るように組み付けられ、修正器20、40が修正車組立体10、例えば、非限定的な例示的適用例では時間帯修正車を同時に駆動しないことを保証する安全レバーを形成する。
【0069】
そのような係止レバー70は、係止レバー70が、従来技術の修正機構のケースのように特定の手動修正器作動器30、50を優先させないように構成される。したがって、本発明による時間帯修正機構500は、設計段階の間に予め定義された手動修正器作動器ではなく、ユーザによって最初に作動された手動修正器作動器を優先可能にする。したがって、本発明による手動制御デバイスは、設計段階の間、前進修正器又は後退修正器のいずれかに優先順位を与えないことを可能にする。
【0070】
係止レバー70は、図6に完全により詳細に示される。
【0071】
図6は、図1の場合と同じ点で、ユーザによる作用の不在下、静止位置における手動制御デバイス100及び係止レバー機構を詳細に示す。
【0072】
より詳細には、係止レバー70は、両反対端部に、停止フィンガ71、72を有するレバーを形成し、停止フィンガ71、72のそれぞれは、手動修正器作動器30、50の一部分を圧迫する間、協働するように構成される。
【0073】
係止レバー70の2つの反対端部は、同一の形状を有し、同じ機能を実行する。
【0074】
各手動修正器作動器30、50は、複数の支承外形部を更に備え、複数の支承外形部は、ユーザの操作に応じて、係止レバー70、より詳細には停止フィンガ71、72と相互作用することを可能にする。
【0075】
図7から図9に示すように、各手動修正器作動器30、50は、第1の支承外形部37、57を備え、第1の支承外形部37、57は、手動修正器作動器30、50の停止外形部を形成するように構成され、第1の支承外形部37、57は、係止レバー70の停止フィンガ71、72とそれぞれ協働するように構成される。
【0076】
各手動修正器作動器30、50は、第2の支承外形部36、56を備え、第2の支承外形部36、56は、脱進外形部又は摺動外形部を形成するように構成され、脱進外形部又は摺動外形部上で、係止レバー70の停止フィンガ71、72が摺動し、図8から図9により詳細に示すように、反対に作用する手動修正器作動器30、50が同時に作動されない場合に手動修正器作動器30、50を少なくとも部分的に回転可能にするようにする。
【0077】
ユーザが手動修正器作動器30、50を操作すると、2つのケースが生じ得る。
【0078】
第1のケースでは、図7に示すように、手動修正器作動器30、50は、ユーザによって同時に作動される。手動修正器作動器30及び50が同時に作動されると、手動修正器作動器30及び50は、第1の支承外形部37、57で係止レバー70の停止フィンガ71、72と同時に接触する。したがって、第1の支承外形部37、57は、係止レバー70の停止フィンガ71、72を同時に圧迫する。各手動修正器作動器30、50は、回転移動可能な係止レバー70上で反対で同一の作用を他方に及ぼすため、係止レバー70は回転できない。
【0079】
2つの手動修正器作動器30、50に対するこの同時の作用の結果、修正を達成する唯一の方法は、手動修正器作動器30、50の一方を解放し、係止レバー70を傾けることを可能にすることである。
【0080】
このようにして、係止レバー機構は、2つの修正器ビーク29及び49がユーザによって手動修正器作動器30、50を介して同時に起動された際、2つの修正器ビーク29及び49が修正車組立体10と相互作用しないようにする。
【0081】
有利には、手動修正器作動器30、50を介して係止レバー70に加えられる力が実質的に等価であるように、停止フィンガ71、72は、同一の第1の形状を有し、第1の支承外形部37、57は、同一の第2の形状を有する。
【0082】
図8に示す第2のケースにおいて、ユーザは、一度に手動修正器作動器30、50の一方のみを作動する。
【0083】
図8に示す例示的な実施形態では、第1の手動修正器作動器30が作動される。上記からわかるように、この第1の手動修正器作動器30は、修正器20を作動し、修正器20は、修正器ビーク29が修正車組立体10の歯部の歯11と接触するまで、時計回り修正方向で作用する。
【0084】
手動修正器作動器30の回転により、第1の支承外形部37を係止レバーの第1のフィンガ71と接触させ、次に、係止レバー70の最大移動を越えて係止レバー70を回転させる。
【0085】
有利には、手動修正器作動器30の支承外形部37、36は、修正器ビーク29が修正車組立体10の歯部と接触する前に、係止レバー70の最大移動に達するように構成される。
【0086】
係止レバー70は、傾斜すると、第2の支承外形部36によって傾斜位置で保持される。傾斜位置において、レバー70と第2の手動修正器作動器50との間の距離は、かなりわずかであり、これにより、第1の手動修正器作動器30が係合された後、係止レバー70及び第2の修正器40の回転、したがって、第2の手動修正器作動器50の作動を防止する。少量の遊びを可能とし得る。
【0087】
図9に示すように、ユーザが、第1の手動修正器作動器30が当接するまで第1の手動修正器作動器30を押し続けると、この動作により、修正車組立体を時計回り方向に駆動させる。安全レバー70は、依然として同じ傾斜位置にある一方で、第2の支承外形部36に沿って摺動し、第2の手動修正器作動器50の回転を防止する。したがって、安全レバーとして作用する係止レバー70を介して、2つの修正器ビーク29及び49が同時に修正車組立体10と相互作用できず、設計段階の間に優先される修正器はない。
【0088】
機構の形状及び複雑さに応じて、手動修正器作動器30、50は、係止レバー70のフィンガ71、72の反対側の空間を空ける隙間38、58を有することができ、したがって、係止レバー70が傾斜し、最大移動に到達することを可能にする。
【0089】
時間帯修正機構500が、上記で提示し、図示するように押しボタンにより修正を実行するケースでは、安全レバーであるそのような係止レバー70が追加され、修正器が、このケースでは時間帯修正車である車組立体10を同時に駆動しないことを保証する。
【0090】
代替実施形態では、係止レバー70は、一体型である。
【0091】
代替実施形態では、係止レバー70は、互いにヒンジで留められる複数の部品から作製される。
【0092】
また別の代替実施形態では、係止レバー70は、複数の部品から作製され、複数の部品は、手動修正器作動器30、50の一方をユーザが操作した際、互いに圧迫するように構成される。
【0093】
図11に示す代替実施形態では、係止レバー70は、レバー案内ピン173と協働するレバー案内溝73を備え、レバー案内ピン173は、手動制御デバイス100を支持する板1によって支持される。
【0094】
別の代替実施形態によれば、係止レバーは、レバー・ピン案内溝と協働するレバー・ピンを備え、レバー・ピン案内溝は、手動制御デバイス100を支持する板1内に作製される。
【0095】
図12に示す別の代替実施形態によれば、係止レバー70は、係止レバー70がシャフト174回りに枢動するように組み付けられ、シャフト174は、手動制御デバイス100を支持する板1上に組み付けられる。
【0096】
係止レバー70は、係止レバー70が傾斜する間、1つ又は複数の更なる機能を開始するようにも使用し得る。特に、図1及び図6に示すように、係止レバー70は、係止レバー70の移動と一体である結合ピン74を備え得る。この結合ピン74は、修正中に開始された係止レバー70の移動の間、特に、更なる車組立体、例えば、結合車組立体、を移動させるか、中間歯車を備えるレバーを移動させるか、計時器の針と修正機構を結合するか、又は修正機構を分離するように構成される。
【0097】
各手動修正器作動器30、50は、角度移動を制限する制限部材を備える。本発明による手動制御デバイス100は、図10を参照して示してあり、より良好に見せるため、既に説明した修正器20、40を伴わない。より詳細には、角度移動を制限する部材は、手動修正器作動器30、50の本体内に作製される制限溝39、59、及び手動制御デバイス100を支持する板1によって支持される制限ピン208、408によって形成される。制限溝39、59は、制限ピン208、408と以下のように協働する。静止位置において、第1の弾性戻し手段22又は第2の弾性戻し手段42の影響下、制限溝39、59は、制限溝39、59の第1の端部で制限ピン208、408を圧迫する。手動修正器作動器30、50の最大回転移動は、ユーザによって開始される押す力の下、制限ピン208、408に当接する制限溝39、59の第2の端部によって規定される。
【0098】
手動修正器作動器30、50のそれぞれの非活動静止位置は、計時器1000の外側にある。したがって、これら手動修正器作動器30、50は、ユーザの手の届く範囲内に留まる。
【0099】
より詳細には、手動修正器作動器30、50は、計時器1000の中板(図示せず)内に設けられる押しボタンにより作動される。
【0100】
本発明を時間帯修正のために説明してきたが、本発明は、調節を行わなければならない、又は有利には、ユーザによって調節が行われる多数の他の測時器機構、例えば、非限定的に、月相又は月齢、潮の干満の状態、うるう年、昼/夜の位置、朝/晩の位置、手動計数器の設定、時打ちモードの選択、又はアラーム時間の調節等にも適用可能である。
【0101】
時間帯修正機構500が計時器1000内で日付機構と連結される有利な代替実施形態では、時間帯の時列の位置を修正する時間帯修正機構が、日付機構の配置にも作用し、したがって、必要な場合、日付変更線を越えることを可能にせずに、時間帯設定の機能として日付の変更をもたらし、日付設定が不正確にならないようにすることは明らかである。
【0102】
更に、特に時計が停止した際に、時間帯時列又は時歯車列とは無関係に日付を設定するには、当業者に周知の独立した日付設定機構を設置しなければならない。そのような日付設定機構の設置は、当業者の一般的な知識の範囲内にあり、本明細書でより詳細に説明する必要はない。
【0103】
提示した解決策は、24個の時間帯に特に良好に適合する。しかし、本発明は、この特定の適用例に限定されない。というのは、日付変更線は直線ではなく、+13(トンガ/サモア)、+14(キリバスクリスマス島)及び-12(ベーカー島)の時間帯も考慮し得るためである。
【0104】
本発明の代替実施形態は、インド、パキスタン又はネパール等の半時間帯が関係する州も考慮でき、例えば、機構は、48の半時間帯を有する。言うまでもないが、時計上の表示は、例えば、360°にわたる30分の表示、及び360°にわたる24半時間の表示によって、それに応じて適合させなければならない。本出願を読む際、そのような実装は、当業者の一般的な知識の範囲内にあり、進歩性を一切必要としない。
【0105】
係止レバー機構の使用により、時間帯修正押しボタンを同時に作動した際に機構が破損する危険性がない。
【0106】
本発明により、日付が時間帯修正機構に関連付けられている場合、着用者が修正器に実行した操作に関わらず、日付の正確さが保証される。
【符号の説明】
【0107】
10 時間帯修正車組立体
11 起伏部
20 修正器
40 修正器
29 ビーク
30 手動修正器作動器
49 ビーク
50 手動修正器作動器
70 係止レバー
100 手動制御デバイス
500 時間帯修正機構
1000 計時器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】