(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041037
(43)【公開日】2023-03-23
(54)【発明の名称】炊飯器用ダブルチェックバルブ
(51)【国際特許分類】
A47J 27/08 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
A47J27/08 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143113
(22)【出願日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120988
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518096010
【氏名又は名称】クク エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ソク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウォンジュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ユジン・シン
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA10
4B055BA52
4B055CC30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動で給水及び圧力炊飯が行われる自動給水型圧力炊飯器において、炊飯中に発生し得るご飯の水や穀物のカスを含む蒸気が、チェックバルブの内部に流入するのを防止し、気密を保持する炊飯器用ダブルチェックバルブを提供する。
【解決手段】本発明は、炊飯器の蓋に装着され、炊飯中に発生し得る蒸気の漏れを防止する炊飯器用ダブルチェックバルブにおいて、板状であり、給水部を備える上部パートと、上下移動により上部パートの給水部を開放及び閉鎖するチェックバルブと、上部パートに結合され、内部にチェックバルブが上下移動可能に設置され、給水部を介して流入した水が排出されるように、流路及び排水部を備える下部パートと、下部パート及びチェックバルブに両端が固定され、チェックバルブが給水部を閉鎖する方向にチェックバルブを加圧する弾性部材とを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器の蓋体に装着され、炊飯中に発生し得る蒸気の漏れを防止する炊飯器用ダブルチェックバルブにおいて、
板状であり、給水部を備える上部パートと、
上下移動により前記上部パートの給水部を開放及び閉鎖するチェックバルブと、
前記上部パートに結合され、内部に前記チェックバルブが上下移動可能に設置され、前記給水部を介して流入した水が排出されるように、流路及び排水部を備える下部パートと、
前記下部パート及び前記チェックバルブに両端が固定され、前記チェックバルブが前記給水部を閉鎖する方向に前記チェックバルブを加圧する弾性部材とを含み、
前記チェックバルブは、前記上部パートの給水部を開放及び閉鎖する第1のパートと、前記下部パートの排水部を開放及び閉鎖する第2のパートとを備えることを特徴とする、炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項2】
前記チェックバルブは、前記第1のパートの上面に前記給水部内に突出されるガイド突起を備え、
前記上部パートは、前記チェックバルブの前記ガイド突起をガイドするガイド孔を備えることを特徴とする、請求項1に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項3】
前記上部パートは、前記ガイド孔の外側の周囲に形成される一つ以上の給水口を備え、前記給水口は、前記給水部の下端に備えられることを特徴とする、請求項2に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項4】
前記下部パートの排水部の上端は、下部に行くほど直径が大きくなる漏斗状であり、
前記チェックバルブの第2のパートは、前記排水部に対応する漏斗状であることを特徴とする、請求項1に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項5】
前記第2のパートは、前記排水部と接触する面に一つ以上の環状突出リブを備えることを特徴とする、請求項1に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項6】
前記チェックバルブは、前記第1のパート及び前記第2のパートを連結する軸部を備え、
前記下部パートは、前記軸部が貫通する軸孔を備えることを特徴とする、請求項1に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項7】
前記下部パートは、前記軸孔の外側に配置される一つ以上の排水口を備え、前記排水口は、前記排水部と連結されることを特徴とする、請求項6に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項8】
前記下部パートは、前記軸孔を取り囲みながら上部に突出される複数個のガイドリブ及び前記ガイドリブ間の間隔部を備え、
前記間隔部を介して前記排水部に水が流入することを特徴とする、請求項6に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項9】
前記下部パート及び前記上部パートの接触面に介在される封止用○-リングをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【請求項10】
前記下部パートは、蓋体に前記チェックバルブを固定する固定プレートと一体型であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の炊飯器用ダブルチェックバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器用ダブルチェックバルブ(double check valve)に関し、より詳しくは、自動で給水及び圧力炊飯が行われる自動給水型圧力炊飯器において、炊飯中に発生し得るご飯の水や穀物のカスを含む蒸気が、チェックバルブの内部に流入するのを防止し、気密を保持する炊飯器用ダブルチェックバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、給水が自動で行われたり、米供給及び給水が自動で行われたり、米供給、米洗浄、給水及び排水が自動で行われたりすることで、炊飯過程の自動化度を高め、ユーザの便益を提供する自動電気炊飯器が多数開発されている。
【0003】
図1及び
図2は、従来技術に係る全自動炊飯器用蓋装置のバルブモジュールを示す図である。バルブ本体1は、一側面に並列に並べて3つのポートが突設される。具体的に、バルブ本体1の一側面には、第1の流路2と連結されるように水入力ポート2aが突設される。この水入力ポート2aは、水栓などの水供給手段及びホースなどにより連結できる。また、バルブ本体1の一側面には、水入力ポート2aの両側に外気流入ポート4a及びスチーム排出ポート10aが突設される。外気流入ポート4aは第2の流路4と連結されるように構成され、スチーム排出ポート10aは第5の流路10と連結されるように構成される。
【0004】
第1の流路2は、バルブ本体1内に形成され、水入力ポート2aと連結されるように構成される。第1の流路2内には、摺動管24が設置され、この摺動管24に挿入されてガイドされる稼動バー26が設置され、この稼動バー26の一端にチェックバルブ20が設置され、チェックバルブ20及び摺動管24を連結するようにバネ22が構成され、チェックバルブ20が第1の流路2に水が流入する方向と反対に弾性力が提供されるように設置される。よって、第1の流路2に水が流入する場合、チェックバルブ20は、水の流動の流れがバネ22の弾性力を上回りながら後退してチェックバルブ20が開放され、水の流入が停止する場合、バネ22の弾性力によりチェックバルブ20が元の位置に復帰して、チェックバルブが流路を閉鎖するように構成される。
【0005】
一方、第3の流路6は、一端が第1の流路2の内側端及び第2の流路4の内側端を連結するように形成され、炊飯器の蓋体を貫通して下部に突設された流出入ポートと連結され、バルブ本体1の内部に垂直方向に形成される。
【0006】
水の流動の流れにより、チェックバルブ20が水入力ポート2aだけ開閉するため、炊飯過程で発生し得るご飯の水や穀物のカスを含む蒸気が、流出入ポートを介して第3の流路6に流入する。この流出入ポートは、炊飯釜に炊飯用水を排出し、炊飯釜から残圧スチームが流入し、洗浄水が排出され、外気が流入するポートとしての役割を果たす。
【0007】
このとき、第1の流路2及びチェックバルブ20間には、何の閉鎖バルブも形成されていないため、第3の流路6に流入したご飯の水や穀物のカスを含む蒸気の流入により、チェックバルブ20の後面、バネ22、摺動管24及び稼動バー26に積載される恐れがある。これにより、チェックバルブ20の後面、バネ22、摺動管24及び稼動バー26が汚染されて衛生上の問題を発生させることができる。また、バネ22が高温高圧のスチームにより変形されたり、ご飯の水や穀物のカスにより移動が拘束されたり邪魔されたりして、チェックバルブ20が正常的に動作しないという問題を発生させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1809188号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、給水用チェックバルブを用いて、炊飯中に発生し得る蒸気を自体的に遮断できる炊飯器用ダブルチェックバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、 炊飯器の蓋体に装着され、炊飯中に発生し得る蒸気の漏れを防止する炊飯器用ダブルチェックバルブにおいて、板状であり、給水部を備える上部パートと、上下移動により上部パートの給水部を開放及び閉鎖するチェックバルブと、上部パートに結合され、内部にチェックバルブが上下移動可能に設置され、給水部を介して流入した水が排出されるように、流路及び排水部を備える下部パートと、下部パート及びチェックバルブに両端が固定され、チェックバルブが給水部を閉鎖する方向にチェックバルブを加圧する弾性部材とを含み、チェックバルブは、上部パートの給水部を開放及び閉鎖する第1のパートと、下部パートの排水部を開放及び閉鎖する第2のパートとを備えることを特徴とする、炊飯器用ダブルチェックバルブを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供する炊飯器用ダブルチェックバルブは、給水口から炊飯釜までの流路を閉鎖するだけでなく、炊飯釜から蒸気がチェックバルブ側に流れるのを遮断することで、チェックバルブの部品等の錆や腐食により機能が低下し、穀物のカスがチェックバルブの部品間に挟まってチェックバルブの動きが拘束されたり邪魔されたりして、正常的に動作しないのを防止できる。
【0012】
また、本発明が提供する炊飯器用ダブルチェックバルブは、ご飯の水や穀物のカスを含む蒸気が、給水流路側に流入して流路を汚染させるのを防止できる。よって、衛生的な給水が可能である。
【0013】
また、本発明が提供する炊飯器用ダブルチェックバルブは、内部圧力の密閉性を高めて、高圧を保持させることで、食感が良くておいしいご飯を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来技術に係る全自動炊飯器用蓋装置のバルブモジュールを示す平面図である。
【
図2】従来技術に係る全自動炊飯器用蓋装置のバルブモジュールを示す平断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブを示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの上部パートを下方から見た斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの下部パートを上方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブのチェックバルブを示す斜視図である。
【
図10】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの開放時の様態を示す断面図である。
【
図11】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に開放される様態を示す断面図である。
【
図12】本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に蒸気を遮断する様態を示す断面図である。
【
図13】本発明の第2の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブを示す分解斜視図である。
【
図14】本発明の第2の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に開放される様態を示す断面図である。
【
図15】本発明の第2の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に蒸気を遮断する様態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0016】
図3は、本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブを示す斜視図であり、
図4は、
図3のb-b線に沿った断面図である。
【0017】
本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブ400は、板状であり、中央に給水のための給水部410bを備える上部パート410と、上部パート410に結合されて所定の空間421を形成し、給水部410bを介して流入した水の排水のための排水部422を備える下部パート420とを含む。
【0018】
上部パート410及び下部パート420により定義される空間421内にチェックバルブ430が設置され、チェックバルブ430は、空間421内において上下移動して、給水部410b及び排水部422を開放又は閉鎖する。チェックバルブ430は、弾性部材440により上方に力を受けており、従って、チェックバルブ430は、 弾性部材440により常に給水部410b及び排水部422を閉鎖している。給水部410bに形成された給水流路412bを介して水が流入する際に、水圧が弾性部材440によりチェックバルブ430に加えられる圧力よりも大きい場合、チェックバルブ430は下方に移動し、給水部410b及び排水部422が開放され、水が炊飯釜の内部に流入する。また、水の供給が中断される場合、弾性部材440の復元力により、チェックバルブ430が上方に移動し、これにより給水部410b及び排水部422が全部閉鎖される。
【0019】
一方、炊飯中に、炊飯釜の加熱により蒸気が発生しながら内部圧力が増加する場合、チェックバルブ430が蒸気の圧力により上方に加圧され、チェックバルブ430が排水部422に密着して封止(sealing)する。したがって、炊飯中に発生し得るご飯の水や穀物のカスを含む蒸気が、チェックバルブ430の内部に流入するのを遮断し、内部圧力を高圧で保持できる。
【0020】
図5は、本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの上部パートを下方から見た斜視図である。
図4及び
図5を参照すれば、上部パート410は、プレート部410aの中央に給水部410bが形成される。給水部410bは、プレート部410aの上方に突出されたパイプ形状であり、水が流れる給水流路412bを形成する。給水部410bの上端は給水源(図示せず)と連結され、給水部410bの下端は下部パート420の空間421と連通する。給水部410bの下端には、後述するチェックバルブ430のガイド突起431aをガイドするガイド孔412aと、ガイド孔412aの外側の周囲に形成される一つ以上の給水口414aとを備える。ガイド孔412aは、円筒状のガイド本体411aにより形成され、ガイド本体411aは、支持体413aにより給水部410bの下端に支持される。支持体413aの存在により、給水口414aが複数個に区画形成される。
【0021】
プレート部410aは、給水部410bの下端部の周囲に下方に突出された第1のリブ415aを備え、第1のリブ415aは、チェックバルブ430との接触圧力を高めて水密性を向上させる。また、下部パート420との結合面に介在される○-リング450の水密性を向上させるために、○-リング450を加圧する第2のリブ416aが、第1のリブ415aと間隔をおいて同心をなして下方に突設される。
【0022】
また、プレート部410aには、下部パート(
図4を参照)420との締結のための第1の締結孔417aと、後述する固定プレート(
図11を参照)460との締結のための第2の締結孔418aとが形成される。固定プレート460及び下部パート420も、各々第1の締結孔417a及び第2の締結孔418aと対応する位置に締結孔を備え、締結孔を貫通するネジにより螺合される。
【0023】
図6は、本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの下部パートを上方から見た斜視図であり、
図7は、
図6のc-c線に沿った断面図であり、
図8は、
図6のd-d線に沿った断面図である。
【0024】
下部パート420は、上部パート410に結合され、内部にチェックバルブ430を設置できる空間421が形成される。空間421は、チェックバルブ430よりも大きく形成され、空間421及びチェックバルブ430間に給水した水が流れる流路を形成できる。
【0025】
上部パート410と結合する際に、封止のために上部パート410と当接する面に○-リング450を介在するための○-リング収容部424を備える。○-リング収容部424は、内側壁424a及び外側壁424b間に凹状の空間からなり、○-リング収容部424内に○-リング450が挿入される。
【0026】
また、○-リング収容部424の外側に突設された延長部に締結孔425が形成される。締結孔425は、前述した上部パート410の第1の締結孔417aと整列され、締結孔425及び第1の締結孔417aの全部に結合されるネジにより、下部パート420及び上部パート410が結合される。
【0027】
空間421は、上部パートの給水口414aと連通し、下部パート420の下端には排水部422が形成される。
【0028】
空間421及び排水部422間には、直径が狭くなって傾斜面を形成する小径部423が存在する。ここで、小径部423は、空間421の下端の直径が狭くなる部分と、排水部422の上端の直径が益々大きくなる部分とを共に称するものと定義する。すなわち、小径部423の上部は空間421の一部であり、小径部423の下部は排水部422の一部である。小径部423は、中央の直径が一番狭くて、上下端に行くほど直径が益々大きくなるように、傾斜するように形成される。すなわち、空間421から下部に行くほど直径が狭くなっていって、排水部422から更に直径が益々大きくなる。
【0029】
小径部423の中央には、後述するチェックバルブ430の軸部433が貫通する軸孔423bが形成される。軸孔423bは、チェックバルブ430の軸部433が貫通し、軸部433の動きにより、排水部422に位置したチェックバルブ430の第2のパート432が上下移動して、排水部422を開閉する。小径部423の軸孔423bの周囲から上部に突設されたガイドリブ423aを備える。
図4を参照すれば、ガイドリブ423aの外周には弾性部材440の下端が固定支持される。また、ガイドリブ423aは、複数個備えられ、ガイドリブ423a間には間隔部423cが形成されるが、間隔部423cが空間421に流入した水を排水部422に移送する排水口の役割を果たす。
【0030】
チェックバルブ430が後退する際に、ガイドリブ423aの上端は、後述する弾性部材支持リブ(
図9を参照)431cの下端と当接することになる。すなわち、ガイドリブ423aは、チェックバルブ430の後退時に後退位置を決定することになる。
【0031】
図9は、本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブのチェックバルブを示す斜視図である。
【0032】
チェックバルブ430は、大別すれば三つに分けられるが、円板状であり、上部パート(
図4を参照)410の給水口(
図5を参照)414aを開閉する第1のパート431と、下部に行くほど直径が大きくなる漏斗状であり、下部パート420の排水部422を開閉する第2のパート432と、第1のパート431及び第2のパート432を連結する軸部433とを備える。
【0033】
第1のパート431の上面には、上部に突出されたガイド突起431aを備え、ガイド突起431aは、前述した上部パート(
図5を参照)410の給水部(
図5を参照)410b内に形成されるガイド孔(
図5を参照)412a内に挿入される。ガイド突起431aがガイド孔412a内に挿入されてチェックバルブ430の上下移動をガイドし、チェックバルブ430の第1のパート431が斜めになるのを防止して水密性を向上させることができる。
【0034】
第2のパート432は、前述したように、下部に行くほど直径が大きくなる漏斗状である。排水部422の上端、すなわち小径部(
図8を参照)423は、下部に行くほど直径が大きくなる漏斗状であり、第2のパート432及び小径部423が密着することで、炊飯釜から蒸気や穀物のカス、ご飯の水などが空間(
図4を参照)421に流入するのを防止する。
【0035】
このとき、第2のパート432は、小径部423と当接する外周面に環状突出リブ432aを備える。環状突出リブ432aは、チェックバルブ430の動作時、小径部423と当接して圧縮されることで、密閉力を向上させることができる。
【0036】
軸部433は、前述したように、小径部423に形成される軸孔423bに挿入され、チェックバルブ430の上下運動をガイドする。一方、軸部433の上端には、円板状であり、弾性部材を固定するための固定端431bと、固定端431bから延長された+字形の弾性部材支持リブ431cとが形成される。
【0037】
図10は、本発明の第1の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブの開放時の様態を示す断面図である。
【0038】
水が給水部410bの給水流路412bを介して流入する場合、水圧がチェックバルブ430の第1のパート(
図9を参照)431に作用する。水圧が弾性部材440の加圧力よりも大きく作用する場合、チェックバルブ430の全体が下降しながら、第1のパートは給水口414aを開放し、第2のパートは軸孔423bを開放する。よって、水が給水流路412bを介して流入して、給水口414a、下部パート420内の空間421、軸孔423b及び排水部422を経て焼飯釜内に流入する。
【0039】
図11は、本発明の第1の実施例に係る炊飯釜用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に開放される様態を示す断面図であり、
図12は、本発明の第1の実施例に係る炊飯釜用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に蒸気を遮断する様態を示す断面図である。
【0040】
炊飯器用ダブルチェックバルブは、固定プレート460により蓋体30に固定される。このとき、下部パート420及び固定プレート460、蓋体30が互いに当接する地点に封止材480が設置されて水の流出を防止する。蓋体30には、下部パート420を介して排出された水が、炊飯釜の内部に流入するように、水取出口32が複数個備えられる。このとき、蓋体30は、排水部422を介して排出された水が、水取出口32に容易に排出されるように、下方に凸に突出された突出部31を形成し、突出部31に水取出口32を形成する。
【0041】
図13は、本発明の第2の実施例に係る炊飯釜用ダブルチェックバルブを示す分解斜視図であり、
図14は、本発明の第2の実施例に係る炊飯釜用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に開放される様態を示す断面図であり、
図15は、本発明の第2の実施例に係る炊飯釜用ダブルチェックバルブが蓋体に結合された後に蒸気を遮断する様態を示す断面図である。
【0042】
本発明の第2の実施例に係る炊飯器用ダブルチェックバルブは、第1の実施例とほぼ同様であるが、下部パートが別途に形成されず、固定プレートと一体として形成される。
【0043】
上部パート410、チェックバルブ430、弾性部材440及び○-リング450は、第1の実施例と同様であり、固定プレート460’に形成されたバルブ設置空間421’内にチェックバルブ430、弾性部材440及び○-リング450を配置し、上部パート410を締結する。固定プレート460’及び下部パートが一体として形成されることで、排水部420’も固定プレート460’に形成される。
【0044】
バルブ設置空間421’は、上部パート410と結合され、バルブ設置空間421’の下部には排水部420’が形成される。バルブ設置空間421’及び排水部420’間には、直径が狭くなって傾斜面を形成する小径部423’が存在する。
【0045】
小径部423’の中央には、後述するチェックバルブ430が貫通する軸孔423b’が形成される。小径部423’の軸孔423b’の周囲に、上部に突設されたガイドリブ423a’を備える。
図14を参照すれば、ガイドリブ423a’の外周には弾性部材440の下端が固定支持される。また、ガイドリブ423a’は二つ以上に分割されて間隔部423c’を有するが、間隔部423c’がバルブ設置空間421’に流入した水を排水部420’に移送する排水口の役割を果たす。
【0046】
給水時に、水圧によりチェックバルブ430が弾性部材440の弾性力を上回って下方に移動し、上部パート410の給水部及び固定プレート460’の排水部420’を開放する。よって、水は、給水流路、上部パート410の給水部、バルブ設置空間421’、排水部420’を経て、蓋体30に形成された突出部31に流出した後、突出部31に形成された水取出口32を介して炊飯釜の内部に流入する。
【0047】
炊飯時に、チェックバルブ430は、弾性部材440により上部パート410の給水部及び固定プレート460’の排水部420’を閉鎖している状態であり、炊飯釜の内部の蒸気圧が高くなることにより、チェックバルブ430の第2のパート432及び小径部423’の密着力が高くなる。したがって、ご飯の水や穀物のカスなどを含む蒸気が、バルブ内に流入しなくて遮断されることで、衛生的な給水が可能であり、弾性部材440の動きに邪魔されたり、性能を低下させたりするのを防止できる。また、密閉性を高めて高圧を保持させることで、食感が良くておいしいご飯を提供できる。