(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041105
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】磁選機
(51)【国際特許分類】
B03C 1/22 20060101AFI20230316BHJP
B65G 15/64 20060101ALI20230316BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B03C1/22
B65G15/64
B03C1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148279
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】310009650
【氏名又は名称】井上 博
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 博
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA10
3F023AB03
3F023BA02
3F023GA03
(57)【要約】
【課題】より安価で且つ簡単な構成によって、コンベアベルトの内側面に磁性体が巻き込まれることを防止できる磁選機を提供する。
【解決手段】磁選機1は、コンベアベルト2と、コンベアベルト2の内側に配置される磁石3と、コンベアベルト2と磁石3との間に配置される、非磁性体からなるカバー部材4とを備えている。カバー部材4は、磁石3がコンベアベルト2に対向している面と同等の形状を有する平坦部41と、コンベアベルト2の長手方向に対応する両端部に設けられた、磁石3側に傾斜している長手方向傾斜部43と、コンベアベルト2の幅方向に対応する両端部に設けられた、コンベアベルト2側に傾斜している幅方向傾斜部42とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別対象物中の磁性体の小片をベルトに巻き込むことが防止されている磁選機であって、
環状に形成されており、選別対象物を外面で搬送するコンベアベルトと、
前記コンベアベルトの内側に配置される磁石と、
前記コンベアベルトと前記磁石との間に配置される、非磁性体からなるカバー部材と、
を備えており、
前記カバー部材は、
前記磁石が前記コンベアベルトに対向している面と同等の形状を有する平坦部と、
前記コンベアベルトの長手方向に対応する両端部に設けられた、磁石側に傾斜している長手方向傾斜部と、
前記コンベアベルトの幅方向に対応する両端部に設けられた、コンベアベルト側に傾斜している幅方向傾斜部と、
を備えていることを特徴とする磁選機。
【請求項2】
前記コンベアベルトは、駆動手段を備えた円筒状のヘッドプーリーと、前記ヘッドプーリーと同一の形状を有するテールプーリーと、前記ヘッドプーリー及び前記テールプーリーよりも上方に配置される補助プーリーとの間に架け渡されており、
前記補助プーリーにクラウン加工がなされていることを特徴とする請求項1記載の磁選機。
【請求項3】
前記補助プーリーは、テーパー幅が1.0mm以上5.0mm以下のクラウン加工がなされていることを特徴とする請求項2に記載の磁選機。
【請求項4】
前記カバー部材の前記幅方向傾斜部は、幅50mm以上であり、且つ前記平坦部から幅方向傾斜部の端部までの高さが10mm以上となるようにコンベアベルト側に折り曲げられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁選機。
【請求項5】
前記カバー部材の前記長手方向傾斜部は、長さ50mm以上であり、且つ前記平坦部から長手方向傾斜部の端部までの高さが10mm以上となるように磁石側に折り曲げられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁選機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁選機に関する。特に、選別対象物の上方に吊り下げ、選別対象物に混じっている磁性体を磁石で吸着して選別し、得られた磁性体をコンベアで搬送する、吊下コンベア式の磁選機に関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物などの選別対象物から、有用金属を選別して回収することが広く行われている。特に、選別対象物から鉄等の磁性体を効率よく回収するために、磁力を利用した磁選機が利用されている。磁選機の一つの形態として、選別対象物の上方に吊り下げて、磁石で吸着した磁性体をコンベアで搬送する吊下コンベア式の磁選機が知られている。
【0003】
通常の吊下コンベア式の磁選機は、駆動プーリーと従動プーリーとの間に架け渡されたコンベアベルトと、コンベアベルトで囲まれた内部空間に配置された磁石を備えている。磁選機は、選別対象物が磁石の磁界内に入る位置に吊り下げられた状態で、コンベアベルトを回転させる。選別対象物に混在している鉄等の磁性体が、磁石の磁力によってコンベアベルトの外表面に吸着され、コンベアベルトの回転動作によって搬送されることで、選別が行われる。
【0004】
吊下コンベア式の磁選機のコンベアベルトにおいては、通常、平ベルトが用いられている。このため、比較的小さな鉄片等の磁性体が、磁石に吸着された時の勢いによって、コンベアベルトの縁部に挟まり、一部はコンベアベルトの内側面まで移動する。さらに、コンベアベルトの内側面に移動した小さな磁性体の中には、コンベアベルトと駆動プーリーや従動プーリーとの間に挟まれた時に、コンベアベルトに突き刺さった状態で固定されてしまうことがある。磁選機を長期間稼働させていると、コンベアベルトに突き刺さって固定された磁性体の数が増え、コンベアベルトの破損や動作異常を引き起こす。
【0005】
磁選機のコンベアベルトの内側面に磁性体が巻き込まれることを防ぐ技術として、発明者は、平坦なベルトの両側に波状の桟部を設けたコンベアベルトを発明し、特許文献1に開示した。
【0006】
また、特許文献2には、磁石の側面と磁選機のコンベアベルトの端縁部の両方を覆うカバーを設けた磁選機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-111053号公報
【特許文献2】特開2001-62335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
平坦なコンベアベルトの両側に波状の桟部を設けることで、小さな磁性体がコンベアベルトに巻き込まれることを低減することができる。しかし、波状の桟部に鉄の小片が衝突し、はねかってベルト内部に入ることがある。吊下コンベア式磁選機の場合、波状の桟部は、鉄片の混入を防止することは困難である。また、波状の桟部に大きな鉄片が吸着された場合、衝撃で破損する場合がある。さらに、波状の桟部を設けたコンベアベルトは、通常のコンベアベルトよりも加工に手間がかかり、高価なものとなる。そのため、より安価で且つ簡単な構成によって、磁選機のコンベアベルトの内側面に磁性体が巻き込まれることを防止できる技術が求められている。
【0009】
さらに、通常の吊下コンベア式の磁選機においては、磁性体が偏って吸着されたことなどの様々な理由で、コンベアベルトの蛇行が発生することがある。そこで、コンベアベルトの蛇行をできる限り抑制し、万一コンベアベルトが蛇行してもコンベアベルトの損傷を防ぐことができ、同時に、小さな磁性体がコンベアベルトに巻き込まれることを防止する技術が求められている。
【0010】
本発明は、このような現状を鑑みてなされたものであって、より安価で且つ簡単な構成によって、磁選機のコンベアベルトの内側面に磁性体が巻き込まれることを防止できる技術を提供することを解決すべき課題としている。さらに、コンベアベルトの蛇行を抑制しつつ、磁選機のコンベアベルトの内側面に磁性体が巻き込まれることを防止できる技術を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、選別対象物中の磁性体の小片をベルトに巻き込むことが防止されている磁選機に関する。本発明の磁選機は、環状に形成されており、選別対象物を外面で搬送するコンベアベルトと、コンベアベルトの内側に配置される磁石と、コンベアベルトと磁石との間に配置される、非磁性体からなるカバー部材と、を備えている。磁選機のカバー部材は、磁石がコンベアベルトに対向している面と同等の形状を有する平坦部と、コンベアベルトの長手方向に対応する両端部に設けられた、磁石側に傾斜している長手方向傾斜部と、コンベアベルトの幅方向に対応する両端部に設けられた、コンベアベルト側に傾斜している幅方向傾斜部と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明の磁選機のコンベアベルトは、駆動手段を備えた円筒状のヘッドプーリーと、ヘッドプーリーと同一の形状を有するテールプーリーと、ヘッドプーリー及びテールプーリーよりも上方に配置される補助プーリーとの間に架け渡されている。本発明の磁選機の補助プーリーには、クラウン加工がなされていることが好ましい。
【0013】
補助プーリーのクラウン加工は、テーパー幅、すなわち、中央部の径と端部の径との差が1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の磁選機のカバー部材は、幅方向傾斜部が幅50mm以上であり、且つ平坦部から幅方向傾斜部の端部までの高さが10mm以上となるようにコンベアベルト側に折り曲げられていることが好ましい。
【0015】
本発明の磁選機のカバー部材は、長手方向傾斜部が長さ50mm以上であり、且つ平坦部から長手方向傾斜部の端部までの高さが10mm以上となるように磁石側に折り曲げられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の磁選機は、カバー部材の幅方向傾斜部によって、選別対象物中の磁性体の小片がコンベアベルトの両側から巻き込まれることが防止される。コンベアベルトに小さな磁性体が突き刺さることを防止できるので、コンベアベルトの劣化を防ぎ、従来よりも長期間使用することができる。
【0017】
本発明の磁選機は、ヘッドプーリー及びテールプーリーよりも上方に配置される補助プーリーを備えており、補助プーリーに、クラウン加工がなされていることで、コンベアベルトの蛇行を好適に抑制することができる。
【0018】
本発明の磁選機は、カバー部材の幅方向傾斜部の長さと高さを最適化することによって、万一コンベアベルトが蛇行した場合であっても、ベルトとカバー部材の両方の損傷を防止することができる。本発明のカバー部材の幅方向傾斜部の長さと高さは、コンベアベルトの回転運動と連動して、一旦コンベアベルトの端部に入り込みかけた磁性体の小片を、外側に弾き飛ばせる最適な角度を形成する。
【0019】
本発明の磁選機のカバー部材は、非磁性体を折り曲げ加工したり、射出成型したりすることで容易且つ安価に得ることができ、磁選機自体をより低価格で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図2は、本発明の磁選機のカバー部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の磁選機を吊下コンベア式の磁選機によって具現化した好適な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の磁選機1の縦断面図である。磁選機1は、コンベアベルト2と、磁石3と、カバー部材4を備えている。磁選機1はさらに、ヘッドプーリー5と、テールプーリー6と、補助プーリー7を備えている。
【0023】
磁選機1は、2本一組の支持部材と、吊り下げ具とを備えた、図示されていないフレームを有している。支持部材は、間隔を空けて平行に配置されており、支持部材の間の一方の端部にヘッドプーリー5が中心軸8を介して回転可能に取り付けられている。また、支持部材の間の他方の端部にテールプーリー6が同様に取り付けられている。支持部材の間のヘッドプーリー5とテールプーリー6の略中間の位置に磁石3が固定されている。さらに、ヘッドプーリー5とテールプーリー6の上方に、補助プーリー7が回転可能に取り付けられている。
【0024】
磁選機1は、フレームの吊り下げ具によって選別対象物の上方に吊り下げることができる。磁選機1の配置は、選別対象物に磁石の磁力が届く範囲で、選別対象物の配置に合わせて様々に変更することができる。たとえば、選別対象物が傾斜したコンベアによって搬送されている場合、磁選機1は、選別対象物が搬送される経路と平行に、傾斜した状態で選別対象物の上方に配置することができる。
【0025】
コンベアベルト2は、均一な厚さの非磁性体を用いて、環状に形成されている。コンベアベルト2の好適な素材は、ゴムまたは樹脂である。コンベアベルト2は、ヘッドプーリー5と、テールプーリー6と、補助プーリー7の間に架け渡される。ヘッドプーリー5が、モーター等の駆動手段によって駆動されることで、コンベアベルトは、ヘッドプーリー5と、テールプーリー6と、補助プーリー7の間を回転移動する。
【0026】
コンベアベルト2の内側に、略直方体形状の磁石3が配置されている。磁石3の幅は、コンベアベルト2の幅と同等か、それよりも小さくなっている。磁石3としては、永久磁石や電磁石を利用することができる。特に好適な磁石3の素材は、フェライト磁石である。磁石3の磁力によって、選別対象物の磁性体は、コンベアベルト2の外面に引き寄せられ、コンベアベルト2の回転移動とともに、搬出される。
【0027】
カバー部材4は、磁石3の下面を覆うようにコンベアベルト2と磁石3との間に配置される、非磁性体からなる板状の部材である。カバー部材4に適用される好適な素材は、耐久性に優れたステンレスであるが、木材、硬質の樹脂等も適用が可能である。カバー部材4は、磁石3に、ボルト等の固定手段を用いて取り付けられている。磁石3にカバー部材4を取り付ける方法としては、磁石3にボルト穴を設けてカバー部材4を固定する方法か、または取付具を介して磁石3にカバー部材4を固定する方法を適用することができる。
【0028】
カバー部材4の形状について、さらに詳細に説明する。
図2は、カバー部材4の斜視図である。カバー部材4は、磁石3がコンベアベルト2に対向している面とほぼ同等の、略長方形の平坦部41を有している。カバー部材4は、さらに、長手方向傾斜部43と、幅方向傾斜部42とを備えている。
【0029】
尚、ここでいう「長手方向」とは、コンベアベルト2の長さ方向、すなわちコンベアベルト2が稼働時に移動する方向を意味する。長手方向傾斜部43とは、カバー部材4の平坦部41の四つの辺のうち長手方向側に位置する一対の辺の外側に配置されており、平坦部41と同じ幅を有する長方形の傾斜部である。また、ここでいう「幅方向」とは、コンベアベルト2の幅方向、すなわちコンベアベルト2の長手方向に対して直交する方向を意味する。幅方向傾斜部42とは、カバー部材4の平坦部41の四つの辺のうち、幅方向側に位置する一対の辺の外側に配置された、平坦部41と同じ長さを有する長方形の傾斜部である。
【0030】
本実施形態では、カバー部材4の平坦部41の下面、すなわち磁石3と接していない側の面と、ヘッドプーリー5の下端部と、テールプーリー6の下端部とが、同一平面上に配置される。稼働時に、コンベアベルト2の内面は、カバー部材4の下面との間に、3mm~10mmのわずかな隙間があいた状態で移動する。
【0031】
具体的には、カバー部材4の平坦部41の幅は磁石3とほぼ同一であり、且つコンベアベルト2の幅よりも小さくなっている。このため、コンベアベルト2の両端部は、平坦部41または幅方向傾斜部42の外側の位置を、わずかな隙間をあけた状態で移動する。
【0032】
カバー部材4の長手方向傾斜部43は、平坦部41の端からの長さが50mm以上であり、且つ平坦部41から長手方向傾斜部43の端部までの高さが10mm以上となるようにコンベアベルト側に折り曲げられていることが好ましい。この長手方向傾斜部43の幅と高さによって、カバー部材4の周縁がコンベアベルト2に接触するのを防止する。
【0033】
カバー部材4の幅方向傾斜部42は、平坦部41の端からの幅が50mm以上であり、且つ平坦部41から幅方向傾斜部42の端部までの高さが10mm以上となるようにコンベアベルト2側に折り曲げられていることが好ましい。コンベアベルト2側に折り曲げられていることによって、幅方向傾斜部42の幅と高さは、コンベアベルト2とカバー部材4との間の隙間をできるだけ小さくして磁性体の小片がコンベアベルト2の内側に入り込むことを防止すると同時に、万一コンベアベルト2が蛇行した場合であっても、カバー部材4とコンベアベルト2が接触しないための最適な幅と高さになっている。
【0034】
すなわち、本実施形態において、幅方向傾斜部42の高さは10mm以上あれば良く、さらに高く形成することも可能である。しかしながら、幅に対する高さの割合を1/2以上にした場合、言い換えると、平坦部41に対する幅方向傾斜部42の角度を45度以上にした場合には、コンベアベルト2が蛇行した場合に、コンベアベルト2の端部がカバー部材に接触することによって幅方向傾斜部42が切断される可能性がある。このため、幅方向傾斜部42の平坦部41に対する角度は、45度未満であることが好ましい。
【0035】
本実施形態の磁選機1の補助プーリー7にはクラウン加工を施されており、両端部の径が中央部分の径よりも小さくなっている。クラウン加工は補助プーリー7のみであり、ヘッドプーリー5とテールプーリー6は円筒状に形成されている。補助プーリー7にクラウン加工を施すことで、張力をかけて稼働させた時のコンベアベルト2の蛇行を著しく低減することができる。
【0036】
回転運動中のコンベアベルト2は、自重があり、ベルト自体の延びもあるので、補助プーリー7の中央部分によって張力がかけられても、カバー部材4との間には隙間が生じる。さらに、コンベアベルト2の幅方向端部では、補助プーリー7のクラウン加工のテーパー幅に対応して「あそび」が生じる。この結果、コンベアベルト2は、中央部分では平坦部41との間にほとんど空間が生じない一方で、平坦部41の幅方向側の端部との間には、より広い空間が生じる。しかしながら、コンベアベルト2の幅は平坦部41の幅よりも広く、結果として、コンベアベルト2の両端は、傾斜のある幅方向傾斜部42の外側に位置するため、カバー部材4とコンベアベルト2の端部との間には、空間がほとんど生じない。
【0037】
本実施形態では、補助プーリー7のクラウン加工のテーパー幅を最適化することで、コンベアベルト2の蛇行を著しく減少させる。最も好適な補助プーリー7のクラウン加工のテーパー幅の範囲は、1.0mm以上5.0mm以下である。クラウン加工のテーパー幅が大きすぎると、ベルト両側の隙間が多くなりすぎる。
【実施例0038】
本発明を一層具現化した実施例を、以下に示す。なお、以下に挙げた寸法や角度は一例であり、特許請求の範囲の限定を意図したものではない。
【0039】
本実施例の磁選機1は、幅600mmのコンベアベルト2と、長さ700mm、幅500mmのフェライト磁石3を備えている。ヘッドプーリー5とテールプーリー6の間の回転軸の軸間距離は1900mmである。
【0040】
カバー部材4はステンレスで形成された板材である。平坦部41の寸法は、長さ700mm、幅500mmである。長手方向傾斜部43の寸法は、長手方向(コンベアベルトの移動方向)の長さが80mmであり、幅が平坦部41と同じ500mmであり、平坦部41からの高さが20mmに形成されている。幅方向傾斜部42は、長手方向の長さ700mm、幅100mm、平坦部41からの高さが15mmに形成されている。
【0041】
補助プーリー7は、テーパー幅が2mmに形成されている。
【0042】
本実施例の磁選機1を、選別対象物の上方約300mmの位置に配置して稼働させた。その結果、コンベアベルト2の内部に磁性体の小片が巻き込まれることがほとんどなく、またコンベアベルト2の蛇行は観察されなかった。
【0043】
以上、実施形態に基づいて、本発明の具体的な例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。それぞれの部品の寸法と配置は、本来の機能を損なわない範囲で選別対象物の搬送形態、大きさ、物性に対応するように、自由に変更が可能である。