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特開2023-41114システム、情報処理サーバ、および宅配ボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041114
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】システム、情報処理サーバ、および宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230316BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148292
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】清水 一樹
(72)【発明者】
【氏名】三村 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】宅配ボックスのシェアにおいて配送業者の業務を効率化する。
【解決手段】配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックス、前記配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末、および情報処理サーバを備えるシステムであって、前記宅配ボックスは、前記配送物を収納可能な収納部と、前記収納部の施解錠を制御する施解錠制御部と、を備え、前記情報処理サーバは、前記配送者端末への情報の配信を制御する配信制御部、を備え、前記配信制御部は、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とが対応付けられて前記配送者端末に配信されるよう制御し、前記配送者端末は、前記情報処理サーバから配信される情報を受信する端末通信部と、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とを表示する表示部と、を備える、システムが提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックス、前記配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末、および情報処理サーバを備えるシステムであって、
前記宅配ボックスは、
前記配送物を収納可能な収納部と、
前記収納部の施解錠を制御する施解錠制御部と、
を備え、
前記情報処理サーバは、
前記配送者端末への情報の配信を制御する配信制御部、
を備え、
前記配信制御部は、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とが対応付けられて前記配送者端末に配信されるよう制御し、
前記配送者端末は、
前記情報処理サーバから配信される情報を受信する端末通信部と、
前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とを表示する表示部と、
を備える、
システム。
【請求項2】
前記宅配ボックスは、
前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とを前記情報処理サーバに送信する装置通信部、
をさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記配信制御部は、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とが含まれる地図情報を生成し、前記地図情報が前記配送者端末に配信されるよう制御する、
請求項1または請求項2のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記端末通信部は、前記配送者端末の位置情報を前記情報処理サーバに送信する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記配信制御部は、前記配送者端末の位置情報を含む前記地図情報を生成する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記配送物の受取人により利用される受取人端末、をさらに備える、
請求項1から請求項5までのうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記配信制御部は、前記配送者端末および前記受取人端末に対する前記収納部の解錠に用いられるデジタルキーの配付を制御する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記施解錠制御部は、前記配送者端末または前記受取人端末から送信された前記デジタルキーが前記宅配ボックスの固有情報に基づく場合、前記収納部を解錠する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末への情報の配信を制御する配信制御部、
を備え、
前記配信制御部は、前記配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックスの位置情報と利用状況に係る情報とが対応付けられて前記配送者端末に配信されるよう制御する、
情報処理サーバ。
【請求項10】
複数のユーザにより共用される宅配ボックスであって、
配送物を収納可能な収納部と、
前記収納部の施解錠を制御する制御部と、
前記収納部の利用状況と前記宅配ボックスの位置情報とを情報処理サーバに送信する通信部と、
を備える、
宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、情報処理サーバ、および宅配ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配送業者により配送される物品を一時的に収納する装置が開発されている。例えば、特許文献1には、住居に配置可能な宅配ボックスが開示されている。特許文献1に開示されるような装置によれば、ユーザは不在時であっても配送される物品を受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-112436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される宅配ボックスは、一ユーザまたは一家庭での利用を想定して構成されている。一方、特許文献1に開示されるような装置の利用を複数ユーザまたは複数家庭でシェアする場合、配送業者の業務が煩雑となる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、宅配ボックスのシェアにおいて配送業者の業務を効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックス、前記配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末、および情報処理サーバを備えるシステムであって、前記宅配ボックスは、前記配送物を収納可能な収納部と、前記収納部の施解錠を制御する施解錠制御部と、を備え、前記情報処理サーバは、前記配送者端末への情報の配信を制御する配信制御部、を備え、前記配信制御部は、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とが対応付けられて前記配送者端末に配信されるよう制御し、前記配送者端末は、前記情報処理サーバから配信される情報を受信する端末通信部と、前記宅配ボックスの位置情報と前記収納部の利用状況に係る情報とを表示する表示部と、を備える、システムが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末への情報の配信を制御する配信制御部、を備え、前記配信制御部は、前記配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックスの位置情報と利用状況に係る情報とが対応付けられて前記配送者端末に配信されるよう制御する、情報処理サーバが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のユーザにより共用される宅配ボックスであって、配送物を収納可能な収納部と、前記収納部の施解錠を制御する制御部と、前記収納部の利用状況と前記宅配ボックスの位置情報とを情報処理サーバに送信する通信部と、を備える、宅配ボックスが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、宅配ボックスのシェアにおいて配送業者の業務を効率化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係る宅配ボックス10の利用イメージの概要を説明するための図である。
図3】同実施形態に係る地図情報の一例を示す図である。
図4】同実施形態に係るシステム1の動作の流れ一例を示すシーケンス図である。
図5】同実施形態に係るシステム1の動作の流れ一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す一例の場合、システム1は、宅配ボックス10、情報処理サーバ20、受取人端末30、および配送者端末40を備える。
【0015】
なお、システム1は、宅配ボックス10、受取人端末30、および配送者端末40をそれぞれ複数備えてもよい。
【0016】
(宅配ボックス10)
本発明の一実施形態に係る宅配ボックス10は、配送者により配送される配送物を一時的に収納可能な装置である。
【0017】
また、本発明の一実施形態に係る宅配ボックス10は、複数のユーザにより共用されてもよい。
【0018】
図1に示す一例の場合、宅配ボックス10は、収納部110、制御部120、および通信部130を備える。
【0019】
((収納部110))
収納部110は、配送物を一時的に収納するための構成である。
【0020】
このために、収納部110は、想定される配送物の大きさに応じて収納空間を有する。
【0021】
また、収納部110は、第三者による配送物の持ち出しを防止するために、上記収納空間の施解錠に用いられる錠部を備える。
【0022】
上記錠部は、情報処理サーバ20から配付されるデジタルキーにより解錠が可能な電子錠であってもよい。
【0023】
また、収納部110は、収納された配送物を検知するセンサ(例えば、赤外線センサ、荷重センサなど)を備える。
【0024】
((制御部120))
制御部120は、宅配ボックス10に備えられる各構成の動作を制御する。
【0025】
例えば、制御部120は、収納部110の施解錠を制御する施解錠制御部として動作する。
【0026】
制御部120は、受取人端末30または配送者端末40から受信したデジタルキーの真正性を判定し、当該デジタルキーが正規のデジタルキーであると判定した場合、収納部110の錠部に解錠をしてもよい。
【0027】
上記正規のデジタルキーは、例えば、宅配ボックス10に固有に割り当てられた固有情報(例えば、IDなど)を用いて生成されたデジタルキーであってもよい。
【0028】
制御部120による上記のような制御によれば、情報処理サーバ20から配付された正規のデジタルキーを保持する配送者端末40を携帯する配送者が収納部110を開扉し、配送物を収納することができる。
【0029】
すなわち、制御部120による上記のような制御によれば、第三者が収納部110を不正に利用することを防止することが可能となる。
【0030】
また、上記のような制御によれば、情報処理サーバ20から配付された正規のデジタルキーを保持する受取人端末30を携帯するユーザが収納部110を開扉し、配送物を回収することができる。
【0031】
すなわち、制御部120による上記のような制御によれば、第三者が配送物を不正に持ち出すことを防止することができる。
【0032】
また、制御部120は、通信部130による他の装置との通信を制御する。
【0033】
制御部120が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0034】
((通信部130))
通信部130は、制御部120による制御に従い、他の装置との情報通信を行う。
【0035】
通信部130は、受取人端末30および配送者端末40との間において規定の通信規格に準拠した無線通信を行ってもよい。
【0036】
例えば、通信部130は、上記規定の通信規格に準拠した無線通信において受取人端末30および配送者端末40から上述のデジタルキーを受信する。
【0037】
上記規定の通信規格としては、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)が挙げられる。
【0038】
また、通信部130は、インターネット等を介して情報処理サーバ20と情報通信を行ってもよい。
【0039】
通信部130は、例えば、宅配ボックス10の固有情報、宅配ボックス10の位置情報、収納部110の利用状況に係る情報等を情報処理サーバ20に送信する。
【0040】
宅配ボックス10の位置情報は、例えば、宅配ボックス10のオーナーにより登録された住所であってもよい。
【0041】
一方、上記位置情報は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて取得された緯度経度情報であってもよい。この場合、通信部130は、GNSSからの信号を受信する受信機等を備えてもよい。
【0042】
また、上記の収納部110の利用状況に係る情報は、収納部110に配送物が収納されているか否かを示す情報であり、収納部110が備えるセンサが収集した情報に基づいて生成される。
【0043】
なお、本開示では、通信部130を装置通信部と称する場合がある。
【0044】
(情報処理サーバ20)
情報処理サーバ20は、デジタルキーの生成、配付を行う装置である。
【0045】
また、情報処理サーバ20は、配送者端末40により表示される各種の情報の配信を行う。
【0046】
図1に示す一例の場合、情報処理サーバ20は、データ管理部210、制御部220、および通信部230を備える。
【0047】
((データ管理部210))
データ管理部210は、宅配ボックス10、宅配ボックス10のオーナー、受取人端末30、受取人端末30を利用するユーザ(受取人)、配送者端末40、配送者端末40を利用するユーザ(配送者)等に関する各種のデータを管理する。
【0048】
また、データ管理部210は、制御部220により生成されたデジタルキーに関する情報を管理する。
【0049】
データ管理部210は、例えば、制御部220により生成させたデジタルキーを宅配ボックス10の固有情報、受取人の固有情報(例えば、IDなど)などと対応付けて保存してもよい。
【0050】
((制御部220))
制御部220は、情報処理サーバ20に備えられる各構成の動作を制御する。
【0051】
例えば、制御部220は、宅配ボックス10に備えられる収納部110の解錠に用いられるデジタルキーの生成、配付を制御する。
【0052】
制御部220は、宅配ボックス10、または宅配ボックス10のオーナーが所有する受取人端末30から受信した宅配ボックス10の固有情報等に基づいて、宅配ボックス10に固有のデジタルキーを生成してもよい。
【0053】
また、制御部220は、生成したデジタルキーの受取人端末30および配送者端末40への配付を制御する。
【0054】
一例として、制御部220は、宅配ボックス10のオーナーが所有する受取人端末30と予め契約を交わした配送業者が所有する配送者端末40には、生成したデジタルキーを即時配付してもよい。
【0055】
一方、制御部220は、宅配ボックス10のオーナーではない受取人が所有する受取人端末30については、配送者が宅配ボックス10に配送物を収納する際に受取人を指定した場合に、指定された受取人が所有する受取人端末30にデジタルキーが配付されるよう制御を行ってもよい。
【0056】
上記のような配付制御によれば、宅配ボックス10のオーナーではない受取人が、他の受取人宛ての配送物が宅配ボックス10を解錠することを防止可能である。
【0057】
ただし、上記のような配付制御はあくまで一例であり、デジタルキーの配付タイミング等は、サービスの仕様に応じて適宜設計されればよい。
【0058】
また、制御部220は、配送者端末40への情報の配信を制御する。
【0059】
一例として、制御部220は、宅配ボックス10の位置情報と収納部110の利用状況に係る情報とが対応付けられて配送者端末40に配信されるよう制御する。
【0060】
制御部220による配送者端末40の情報配信の制御については別途詳細に説明する。
【0061】
なお、制御部220が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0062】
((通信部230))
通信部230は、制御部220による制御に従い、インターネット等を介して他の装置との情報通信を行う。
【0063】
例えば、通信部230は、宅配ボックス10から固有情報、位置情報、利用状況に係る情報などを受信する。
【0064】
また、例えば、通信部230は、配送者端末40から配送物の受取人等に関する情報を受信してもよい。
【0065】
また、通信部230は、受取人端末30および配送者端末40にデジタルキーを送信する。
【0066】
(受取人端末30)
受取人端末30は、配送物の受取人により利用される装置である。
【0067】
受取人端末30を利用するユーザは、宅配ボックス10を所有するオーナー、オーナー兼受取人、宅配ボックス10を所有せず他者が所有する宅配ボックス10を用いて配送物を受け取る受取人の3つの種別に大別される。
【0068】
上記種別は、システム1を用いたサービスの利用登録時に設定され、システム1は、上記種別に応じた動作を行ってよい。
【0069】
受取人端末30は、例えば、スマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【0070】
図1に示す一例の場合、受取人端末30は、操作表示部310、制御部320、および通信部330を備える。
【0071】
((操作表示部310))
操作表示部310は、ユーザによる操作を受け入れる操作部と、各種の情報を表示する表示部とが一体に形成された構成である。
【0072】
操作表示部310は、例えば、タッチパネルなどであってもよい。
【0073】
なお、受取人端末30は、操作表示部310を備えずに、上記操作部と上記表示部とを別々に備えてもよい。
【0074】
((制御部320))
制御部320は、受取人端末30が備える各構成の動作を制御する。
【0075】
一例として、制御部320は、サービスの利用において受取人または宅配ボックス10のオーナーが用いるユーザインタフェースの表示を制御する。
【0076】
なお、上記ユーザインタフェースの表示制御は、制御部320と情報処理サーバ20の制御部220との協働により行われてもよい。
【0077】
また、制御部320は、通信部330による他の装置との間の情報通信を制御する。
【0078】
制御部320が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0079】
((通信部330))
通信部330は、制御部320による制御に従い、他の装置との間において情報通信を行う。
【0080】
例えば、通信部330は、宅配ボックス10との間において規定の通信規格に準拠した無線通信を行う。
【0081】
通信部330は、上記規定の通信規格に準拠した無線通信において、宅配ボックス10から固有情報の受信等を行ってもよい。
【0082】
また、通信部330は、上記規定の通信規格に準拠した無線通信において、情報処理サーバ20から配布されたデジタルキーを宅配ボックス10に送信する。
【0083】
また、通信部330は、インターネット等を介して情報処理サーバ20との情報通信を行う。
【0084】
例えば、通信部330は、情報処理サーバ20からデジタルキーを受信する。
【0085】
(配送者端末40)
配送者端末40は、配送物を配送する配送者により利用される装置である。
【0086】
配送者端末40は、例えば、スマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【0087】
図1に示す一例の場合、配送者端末40は、操作表示部410、制御部420、および通信部430を備える。
【0088】
((操作表示部410))
操作表示部410は、配送者による操作を受け入れる操作部と、各種の情報を表示する表示部とが一体に形成された構成である。
【0089】
操作表示部410は、例えば、タッチパネルなどであってもよい。
【0090】
なお、配送者端末40は、操作表示部410を備えずに、上記操作部と上記表示部とを別々に備えてもよい。
【0091】
((制御部420))
制御部420は、配送者端末40が備える各構成の動作を制御する。
【0092】
例えば、制御部420は、配送者が用いるユーザインタフェースの表示を制御する。
【0093】
上記ユーザインタフェースの表示制御は、制御部420と情報処理サーバ20の制御部220との協働により行われてもよい。
【0094】
また、制御部420は、通信部430による他の装置との間の情報通信を制御する。
【0095】
制御部420が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0096】
((通信部430))
通信部430は、制御部420による制御に従い、他の装置との間において情報通信を行う。
【0097】
例えば、通信部430は、インターネット等を介して情報処理サーバ20との情報通信を行う。
【0098】
通信部430は、情報処理サーバ20からデジタルキー、宅配ボックス10の位置情報、利用状況に係る情報等を受信する。
【0099】
また、通信部430は、配送物の受取人に関する情報、配送者端末40の位置情報等を情報処理サーバ20に送信してもよい。
【0100】
上記位置情報を取得するために、通信部430は、GNSSからの信号を受信する受信機等を備えてもよい。
【0101】
また、通信部430は、宅配ボックス10との間において規定の通信規格に準拠した無線通信を行う。
【0102】
通信部430は、上記規定の通信規格に準拠した無線通信において、情報処理サーバ20から配布されたデジタルキーを宅配ボックス10に送信する。
【0103】
なお、本開示では、通信部430を端末通信部と称する場合がある。
【0104】
以上、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べた。なお、図1を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成はかかる例に限定されない。
【0105】
本発明の一実施形態に係るシステム1の構成は、システム1を用いて実現されるサービスの仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0106】
<<1.2.宅配ボックス10の利用イメージ>>
次に、本発明の一実施形態に係る宅配ボックス10の利用イメージについて概要を述べる。
【0107】
図2は、本発明の一実施形態に係る宅配ボックス10の利用イメージの概要を説明するための図である。
【0108】
図2に示すように、宅配ボックス10は、例えば、宅配ボックス10を所有するユーザ(オーナー)の自宅等に設置されてもよい。
【0109】
配送物90を配送する配送者U40は、まず、一般的な配送と同様に配送物ごとに指定された配送先(受取人の自宅等)付近に移動する。
【0110】
そして配送者端末40を用いて配送先付近に設置される宅配ボックス10と無線通信を行うことで宅配ボックス10に備えられる収納部110を解錠し、配送物90を収納する。
【0111】
しかし、ここで、配送者が宅配ボックス10の設置場所を予め把握していない場合、宅配ボックス10を探す手間が発生する。
【0112】
また、配送者が宅配ボックス10の設置場所を予め把握している場合であっても、宅配ボックス10に既に他の配送物を収納されている場合には、空いている他の宅配ボックス10を探す手間が発生し、業務効率が低下する可能性がある。
【0113】
本発明の一実施形態に係る技術思想は上記のような点に着目して発想されたものであり、配送業務を効率化するものである。
【0114】
本発明の一実施形態に係るシステム1は、配送物を収納可能でありかつ複数のユーザにより共用される宅配ボックス10、配送物を配送する配送者により携帯される配送者端末40、および情報処理サーバ20を備えてよい。
【0115】
また、本発明の一実施形態に係る宅配ボックス10は、配送物を収納可能な収納部110と、収納部110の施解錠を制御する制御部120と、を備える。
【0116】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理サーバ20は、配送者端末40への情報の配信を制御する制御部220を備える。制御部220は、宅配ボックスの位置情報と収納部110の利用状況に係る情報とが対応付けられて配送者端末40に配信されるよう制御することを特徴の一つとする。
【0117】
また、本発明の一実施形態に係る配送者端末40は、情報処理サーバ20から配信される情報を受信する通信部430と、宅配ボックス10の位置情報と収納部110の利用状況に係る情報とを表示する操作表示部410と、を備える。
【0118】
以上説明した構成によれば、配送者が空いている宅配ボックス10を探す手間をなくし、配送業務を効率化することが可能となる。
【0119】
以下、本実施形態に係るシステム1の動作について詳細に説明する。
【0120】
<<1.3.動作の詳細>>
まず、本実施形態に係る配送者端末40の操作表示部410に表示される地図情報の一例について説明する。
【0121】
図3は、本実施形態に係る地図情報の一例を示す図である。
【0122】
図3に例示される地図情報M1には、配送者端末40の現在位置を示すアイコンI40、および配送者端末40の付近に設置される宅配ボックス10a~10dの位置をそれぞれ示すアイコンI10a~I10dが含まれる。
【0123】
また、地図情報M1には、宅配ボックス10a~10dに各々備えられる収納部110a~110dの利用状況に係る情報が含まれる。
【0124】
図3に示す一例の場合、上記利用状況に係る情報は、テキストおよびアイコンI10a~10dの表示態様の変化により表現される。
【0125】
配送者は、図3に示すような地図情報M1を確認することにより、自身の現在位置から近い距離に存在する宅配ボックス10の位置を把握することができる。
【0126】
また、配送者は、図3に示すような地図情報M1を確認することにより、宅配ボックス10の各々の利用状況を把握することができる。
【0127】
図3に示すような地図情報M1によれば、配送者が空いている宅配ボックス10を探す手間をなくし配送業務の効率を大幅に効率化することが可能となる。
【0128】
なお、図3に示すような地図情報M1は、情報処理サーバ20の制御部220により生成されてもよいし、配送者端末40の制御部420により生成されてもよい。
【0129】
情報処理サーバ20の制御部220は、宅配ボックス10から受信した位置情報および利用状況に係る情報、配送者端末40から受信した位置情報を用いて図3に示すような地図情報M1を生成することが可能である。
【0130】
一方、配送者端末40の制御部420は、情報処理サーバ20から宅配ボックス10の位置情報および利用状況に係る情報を取得することで、図3に示すような地図情報M1を生成することが可能である。
【0131】
以下においては、情報処理サーバ20の制御部220が地図情報M1を生成する場合を主な例として説明する。
【0132】
図4および図5は、本実施形態に係るシステム1の動作の流れ一例を示すシーケンス図である。
【0133】
まず、図4を参照して説明を行う。
【0134】
図4に示す一例の場合、まず、宅配ボックス10の通信部130が、宅配ボックス10の固有情報、位置情報、収納部110の利用状況に係る情報を情報処理サーバ20に送信する(S102)。
【0135】
上述したように、宅配ボックスの位置情報は、GNSSを用いて取得される緯度経度情報であってもよいし、ユーザにより登録される住所などであってもよい。
【0136】
また、収納部110の利用状況に係る情報は、収納部110が備えるセンサが収集したセンサ情報に基づいて生成される。
【0137】
なお、宅配ボックス10の固有情報、位置情報、収納部110の利用状況に係る情報は、受取人端末30を介して情報処理サーバ20に送信されてもよい。
【0138】
この場合、宅配ボックス10はインターネット等に接続されなくてもよい。
【0139】
次に、配送者端末40の通信部430が、配送者端末40の位置情報を情報処理サーバ20に送信する(S104)。
【0140】
配送者端末40の位置は大きく変動することが予想されるため、配送者端末40の位置情報としてはGNSSを用いて取得される緯度経度情報が採用されてもよい。
【0141】
次に、情報処理サーバ20の制御部220が、ステップS102およびS104において受信した各情報に基づいて、地図情報を生成する(S106)。
【0142】
図3に示したように、本実施形態に係る地図情報には、宅配ボックス10の位置情報と収納部110の利用状況に係る情報とが含まれる。
【0143】
また、図3に示したように、本実施形態に係る地図情報には、配送者端末40の位置情報がさらに含まれてもよい。
【0144】
上記のような地図情報によれば、配送者が現在位置付近に配置される利用可能な宅配ボックス10を明確に把握することができる。
【0145】
情報処理サーバ20の制御部220は、生成した地図情報が配送者端末40に配信されるよう通信部230を制御する(S108)。
【0146】
配送者は、ステップS108において配信された地図情報を配送者端末40の操作表示部410を用いて確認し、利用可能である宅配ボックス10付近へと移動する。
【0147】
また、配送者は操作表示部410を操作し、宅配ボックス10と接続するための操作を行う。
【0148】
配送者端末40の通信部430は、上記操作に基づいて、予め情報処理サーバ20から配付されたデジタルキーを宅配ボックス10に送信する(S110)。
【0149】
宅配ボックス10の制御部120は、ステップS110において受信したデジタルキーが自身の固有情報に基づくデジタルキーである場合、収納部110を解錠する(S112)。
【0150】
配送者は、解錠された収納部110に配送物を収納する。
【0151】
この際、収納部110に備えられるセンサは、収納された配送物の存在を検知する。
【0152】
次に、宅配ボックス10の通信部130は、宅配ボックス10の固有情報、センサによる配送物の検知により更新された利用状況に係る情報(利用中であることを示す情報)を情報処理サーバ20に送信する(S114)。
【0153】
なお、宅配ボックス10の固有情報、収納部110の利用状況に係る情報等は、配送者端末40を介して情報処理サーバ20に送信されてもよい。
【0154】
情報処理サーバ20の制御部220は、ステップS114において通信部230が受信した宅配ボックス10の固有情報、および利用状況に係る情報に基づいて地図情報を更新する(S116)。
【0155】
また、制御部220は、更新した地図情報が配送者端末40に配信されるよう通信部230を制御する(S118)。
【0156】
続いて、図5を参照して、本実施形態に係るシステム1の動作の流れの一例について説明する。
【0157】
図4に示すステップS112において収納部110が解錠され、収納部110に配送物を収納した後、配送者は、配送者端末40の操作表示部410を用いて配送物の受取人情報を入力する。
【0158】
上記受取人情報は、例えば、受取人に固有に割り当てられる固有情報(例えば、IDなど)、受取人の氏名などであってもよい。
【0159】
配送者端末40の通信部430は、配送者により入力された受取人情報を情報処理サーバ20に送信する(S120)。
【0160】
次に、情報処理サーバ20の通信部230は、ステップS120で受信した受取人情報から特定される受取人が所有する受取人端末30に配送完了通知を送信する。
【0161】
また、通信部230は、配送物が収納された宅配ボックス10に対応付けられたデジタルキー、宅配ボックス10の位置情報を受取人端末30に送信する(S124)。
【0162】
受取人は、ステップS124において情報処理サーバ20により送信された宅配ボックス10の位置情報を受取人端末30の操作表示部310を用いて確認し、利用可能である宅配ボックス10付近へと移動する。
【0163】
また、受取人は操作表示部310を操作し、宅配ボックス10と接続するための操作を行う。
【0164】
受取人端末30の通信部330は、上記操作に基づいて、ステップS124において情報処理サーバ20から配付されたデジタルキーを宅配ボックス10に送信する(S126)。
【0165】
宅配ボックス10の制御部120は、ステップS126において受信したデジタルキーが自身の固有情報に基づくデジタルキーである場合、収納部110を解錠する(S128)。
【0166】
配送者は、解錠された収納部110から配送物を回収する。
【0167】
この際、収納部110に備えられるセンサは、配送物の回収を検知する。
【0168】
次に、宅配ボックス10の通信部130は、宅配ボックス10の固有情報、センサによる配送物回収の検知により更新された利用状況に係る情報(利用されていないことを示す情報)を情報処理サーバ20に送信する(S130)。
【0169】
情報処理サーバ20の制御部220は、ステップS130において通信部230が受信した宅配ボックス10の固有情報、および利用状況に係る情報に基づいて地図情報を更新する(S132)。
【0170】
また、制御部220は、更新した地図情報が配送者端末40に配信されるよう通信部230を制御する(S134)。
【0171】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0172】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられ、コンピュータにより読み取り可能な非一過性の記憶媒体(non-transitory computer readable storage medium)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1:システム、10:宅配ボックス、110:収納部、120:制御部、130:通信部、20:情報処理サーバ、210:データ管理部、220:制御部、230:通信部、30:受取人端末、310:操作表示部、320:制御部、330:通信部、40:配送者端末、410:操作表示部、420:制御部、430:通信部
図1
図2
図3
図4
図5