IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品搭載装置 図1
  • 特開-部品搭載装置 図2
  • 特開-部品搭載装置 図3
  • 特開-部品搭載装置 図4
  • 特開-部品搭載装置 図5
  • 特開-部品搭載装置 図6
  • 特開-部品搭載装置 図7
  • 特開-部品搭載装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041131
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148316
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】岡村 浩志
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC03
5E353CC12
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK01
5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】従来に比してより一層の節電を図ることができる部品搭載装置を提供することを目的とする。
【解決手段】作業ヘッド23の吸引ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品搭載装置14Aが、直前の上流設備から基板を受け取って位置決めし、部品搭載作業によって部品が搭載された基板を下流設備へ搬出する基板搬送部21、部品を保持するための負圧を吸引ノズルに供給する真空ポンプ25および作業ヘッド23が部品搭載作業を行わないときに真空ポンプ25の運転を停止させ、部品搭載作業を再開する前に運転を再開させる真空ポンプ制御部32を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業ヘッドの吸引ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品搭載装置であって、
直前の上流設備から基板を受け取って位置決めし、部品搭載作業によって部品が搭載された基板を下流設備へ搬出する基板搬送部と、
部品を保持するための負圧を前記吸引ノズルに供給する真空ポンプと、
前記作業ヘッドが部品搭載作業を行わないときに前記真空ポンプの運転を停止させ、前記作業ヘッドが部品搭載作業を再開する前に前記真空ポンプの運転を再開させる真空ポンプ制御部と、
を備えた部品搭載装置。
【請求項2】
前記真空ポンプ制御部は、前記真空ポンプの運転を停止させる場合は、前記真空ポンプの運転開始からの継続時間である運転時間が所定の第1の時間に達した以降のタイミングで実行する、請求項1に記載の部品搭載装置。
【請求項3】
前記真空ポンプ制御部は、少なくとも前記基板搬送部と前記作業ヘッドの状態を判定する設備状態判定部と、前記運転時間を計測する第1タイマと、前記設備状態判定部における判定結果に基づいて前記真空ポンプの運転を停止させる要求を行い或いは停止している前記真空ポンプの運転を再開させる要求を行う要求部と、前記要求部が前記真空ポンプの運転の停止を要求した時点で前記第1タイマが計測する前記運転時間が前記第1の時間に達していれば前記真空ポンプの運転を停止させ、達していなければ前記要求部が前記真空ポンプの運転の停止を要求した時点では前記真空ポンプの運転を停止させない停止制御部と、を有する請求項2に記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記真空ポンプ制御部は、前記真空ポンプの運転を再開する場合は、前記真空ポンプの停止開始からの継続時間である停止時間が所定の第2の時間に達した以降のタイミングで実行する、請求項1に記載の部品搭載装置。
【請求項5】
前記真空ポンプ制御部は、少なくとも前記基板搬送部と前記作業ヘッドの状態を判定する設備状態判定部と、前記停止時間を計測する第2タイマと、前記設備状態判定部における判定結果に基づいて前記真空ポンプの運転を停止させ、或いは停止している前記真空ポンプの運転を再開させる要求を行う要求部と、前記要求部が前記真空ポンプの運転の再開を要求した時点で前記第2タイマが計測する前記停止時間が前記第2の時間に達していれば前記真空ポンプの運転を再開させ、達していなければ前記要求部が前記真空ポンプの運転の再開を要求した時点では前記真空ポンプの運転を再開させない再開制御部と、を有する請求項4に記載の部品搭載装置。
【請求項6】
前記作業ヘッドが1枚の基板に対する部品搭載作業を終えてからの経過時間を計測する停止要求タイマを有し、前記要求部は、前記真空ポンプの運転を停止させる要求を行う場合は前記経過時間が所定時間に達した後に行う、請求項3または請求項5に記載の部品搭載装置。
【請求項7】
前記要求部は、前記基板搬送部が前記直前の上流設備が基板の搬送を開始した時点で前記真空ポンプが停止している場合は前記真空ポンプの運転を再開させる要求を行う、請求項3または請求項5に記載の部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業ヘッドの吸引ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業ヘッドの吸引ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品搭載装置が知られている。このような部品搭載装置では、吸引ノズルは真空吸着により部品を保持するようになっている。このため部品搭載装置は負圧を発生させる真空ポンプを備えており、部品搭載装置は作業ヘッドにより部品搭載作業を行っている間は真空ポンプの電源をオンにして負圧を吸引ノズルに供給し続ける。真空ポンプの駆動には大きな電力が必要である。このため節電対策として、部品搭載作業が行われていない間は真空ポンプに供給する電力を低減するようにした技術が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/097880号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、真空ポンプに供給する電力を低減する手法では真空ポンプの運転自体は継続される。このため節電対策としてはまだ不十分であり、更なる改善が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、従来に比してより一層の節電を図ることができる部品搭載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品搭載装置は、作業ヘッドの吸引ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品搭載装置であって、直前の上流設備から基板を受け取って位置決めし、部品搭載作業によって部品が搭載された基板を下流設備へ搬出する基板搬送部と、部品を保持するための負圧を前記吸引ノズルに供給する真空ポンプと、前記作業ヘッドが部品搭載作業を行わないときに前記真空ポンプの運転を停止させ、前記作業ヘッドが部品搭載作業を再開する前に前記真空ポンプの運転を再開させる真空ポンプ制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来に比してより一層の節電を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態における実装基板製造システムの構成を示すブロック図
図2】本発明の一実施の形態における実装基板製造システムが備える部品搭載装置の模式的側面図
図3】本発明の一実施の形態における部品搭載装置の制御系統を示すブロック図
図4】本発明の一実施の形態における部品搭載装置が備える真空ポンプ制御部が実行するオン/オフ要求処理の流れを示すフローチャート
図5】本発明の一実施の形態における部品搭載装置が備える真空ポンプ制御部が実行する真空ポンプオフ制御の流れを示すフローチャート
図6】本発明の一実施の形態における部品搭載装置が備える真空ポンプ制御部が実行する真空ポンプオン制御の流れを示すフローチャート
図7】本発明の一実施の形態における部品搭載装置が実行する部品搭載作業のタイムテーブルの第1例を示す図
図8】本発明の一実施の形態における部品搭載装置が実行する部品搭載作業のタイムテーブルの第2例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における部品搭載装置を含む実装基板製造システム1の構成を示している。実装基板製造システム1は、図1に示すように、基板供給装置11、スクリーン印刷装置12、半田検査装置13、複数の部品搭載装置14Aから成る部品搭載ライン14、搭載状態検査装置15、リフロー装置16、実装基板検査装置17、基板収納装置18および情報管理部19を備えている。
【0010】
基板供給装置11は複数の基板をストックしており、下流側のスクリーン印刷装置12に基板を1枚ずつ送出する。スクリーン印刷装置12は基板供給装置11から送出された基板を受け取って搬入し、スクリーン印刷によってその基板に半田を塗布する。スクリーン印刷装置12は基板に半田を塗布したら、その基板を下流側の部品搭載ライン14に送出する。
【0011】
部品搭載ライン14は、複数の部品搭載装置14Aが直列に並べられた構成となっている。本実施の形態では、図1に示すように、番号#1,#2,#3,#4で示す4台の部品搭載装置14Aがこの順で上流側から並べられている。これら4台の部品搭載装置14Aはいずれも同じ構成であり、上流側の装置から基板を搬入して位置決めし、部品を搭載して下流側に搬出する。最も上流側に位置する番号#1の部品搭載装置14Aは半田検査装置13から基板を受け取り、最も下流側に位置する番号#4の部品搭載装置14Aは搭載状態検査装置15に基板を搬出する。部品搭載装置14Aの構成の詳細については後述する。
【0012】
搭載状態検査装置15は部品搭載ライン14の最も下流側に位置する番号#4の部品搭載装置14Aから基板を受け取って搬入し、その基板における部品の搭載状態の検査を行う。搭載状態検査装置15は図示しないカメラで基板を上方から撮像し、所定の位置に予め定められた部品が正常に搭載されているかどうかを視認して検査する。搭載状態検査装置15は、基板の検査を終えたらその基板を下流側のリフロー装置16に搬出する。
【0013】
リフロー装置16は、搭載状態検査装置15から受け取った基板を搬入し、下流側に向けて搬送しつつ、その基板にリフロー処理を施す。これによりスクリーン印刷装置によって基板に塗布された半田が溶融・固化され、部品搭載ライン14において搭載された部品がそれぞれ基板上に保持される。リフロー装置16はリフロー処理が施された基板を下流側の実装基板検査装置17に搬出する。
【0014】
実装基板検査装置17は、リフロー装置16から受け取った基板を搬入して位置決めし、リフロー処理が施された基板における部品の状態を検査する実装基板検査を実行する。実装基板検査装置17は、実装基板検査が終了した基板を下流側の基板収納装置18に搬出する。基板収納装置18は、実装基板検査装置17から受け取った基板を収納する。
【0015】
次に、部品搭載装置14Aについて説明する。部品搭載装置14Aは、図2および図3に示すように、基板搬送部21、部品供給部22、作業ヘッド23、バルブシステム24、真空ポンプ25、制御部26および操作・入力部27を備えている。
【0016】
基板搬送部21は例えばベルトコンベア機構から成り、直前の上流設備から基板KBを受け取って位置決めする。また、基板搬送部21は作業ヘッド23の部品搭載作業によって部品が搭載された基板KBを下流設備へ搬出する。ここで、部品搭載装置14Aにとっての「直前の上流設備」とは、その部品搭載装置14Aの上流側に隣接して設けられた設備であり、部品搭載ライン14を構成する4台の部品搭載装置14Aのうち、最も上流側に位置する番号#1の部品搭載装置14Aにとっては半田検査装置13であり、他の部品搭載装置14Aにとっては、その上流側に隣接して位置する他の部品搭載装置14A(例えば、番号#2の部品搭載装置14Aにとっては番号#1の部品搭載装置14A)である。
【0017】
部品供給部22は、例えばテープフィーダから構成される。テープフィーダは複数の部品が一列に並んで収納されたキャリアテープをスプロケットで送りながら所定の部品取り出し位置に部品を供給する構成を有する。部品供給部22はテープフィーダのほか、複数の部品が整列状態で配置されたトレイを所定の位置に移動させることで部品を供給するトレイフィーダ等であってもよい。
【0018】
作業ヘッド23は基板搬送部21によって位置決めされた基板KBに対して移動自在に設けられており、下方に延びる複数の吸引ノズル23Nを備えている。作業ヘッド23は内蔵したノズル駆動機構(図示せず)によって各吸引ノズル23Nを上下方向に移動(昇降)させ、また上下軸まわりに回転させる。
【0019】
図2において、バルブシステム24は作業ヘッド23に内蔵されており、複数の管路24Hを通じて各吸引ノズル23Nと繋がっている。バルブシステム24は作業ヘッド23内を延びて設けられた配管23Tを通じて真空ポンプ25に接続されている。真空ポンプ25は、部品を保持するための負圧を作業ヘッド23の吸引ノズル23Nに供給するようになっており、真空ポンプ25から負圧が供給されている状態でバルブシステム24を駆動することで、各吸引ノズル23Nに個別に吸引動作と吸引解除動作を行わせることができる。
【0020】
図3において、制御部26は、基板搬送処理部31、真空ポンプ制御部32、部品搭載作業処理部33および通信処理部34を備えている。制御部26は、基板搬送部21、部品供給部22、作業ヘッド23、バルブシステム24および真空ポンプ25を制御する。操作・入力部27は例えばタッチパネルから成り、制御部26に繋がっている。作業者は操作・入力部27から所要の操作を行うことで、必要な入力を制御部26に対して行うことができる。
【0021】
基板搬送処理部31は、上流設備(半田検査装置13または他の部品搭載装置14A)と連携して、基板搬送部21に基板KBの搬入動作を行わせる。基板搬送処理部31は、基板KBを搬入するときには先ず、基板搬送部21が停止している状態で、信号線LN(図2)を通じて上流設備に基板KBの搬入許可を求める搬入許可信号を送信する(図2中に示す矢印S1)。
【0022】
基板搬送処理部31は、上流設備に搬入許可信号を送信したら、信号線LNを通じて上流設備から基板KBの搬出を許可する基板搬出許可信号が送られてくるのを待つ。そして、上流設備から基板搬出許可が送られてきたことを検知したら、基板搬入待ち状態に入る。そして、その後(図2中に示す矢印S2)、上流設備から基板KBが搬出されたら、基板搬送部21を作動させてその基板KBを搬入し、所定の作業位置に到達したところで基板搬送部21を停止させて基板KBをその位置に保持する。
【0023】
また、基板搬送処理部31は、下流設備(他の部品搭載装置14Aまたは搭載状態検査装置15)と連携して、基板搬送部21に基板KBの搬出動作を行わせる。基板搬送処理部31は、基板KBを搬出するときには先ず、基板搬送部21が停止している状態で、信号線LNを通じて下流設備から搬入許可信号が送信されるかどうかを監視する。そして、下流設備から搬入許可信号が送信されたら(図2中に示す矢印S3)、基板KBを下流設備に搬出できるか否かを判断し、基板KBを下流設備に搬出できると判断したら、信号線LNを通じて下流設備に基板搬出許可を出力する(図2中に示す矢印S4)。基板搬送処理部31は、基板搬出許可を下流設備に送信したら、基板搬送部21を作動させて、基板KBを下流設備に搬出する。
【0024】
真空ポンプ制御部32は、部品搭載装置14Aの状態に応じて真空ポンプ25をオンにし、或いはオフにする。真空ポンプ25は真空ポンプ制御部32によってオンにされている状態では。配管23Tを通じてバルブシステム24に負圧を供給する。一方、真空ポンプ25は、真空ポンプ制御部32によってオフにされている状態では、バルブシステム24に負圧を供給しない。この真空ポンプ制御部32の動作の詳細については後述する。
【0025】
部品搭載作業処理部33は、部品供給部22、作業ヘッド23、バルブシステム24および真空ポンプ25の各作動を連動させ、基板KBに部品を搭載する部品搭載作業を実行する。部品搭載作業では、作業ヘッド23は、部品供給部22の上方位置と基板KBの上方位置の間を往復移動し、部品供給部22が供給する部品を吸引ノズル23Nで吸引(保持)する動作と、基板KB上の目標搭載位置で部品の保持(吸着)を解除する動作とを行う。ここで、作業ヘッド23による部品の保持とその解除との切り替えは、真空ポンプ25が配管23Tを通じてバルブシステム24に負圧を供給している状態で、部品搭載作業処理部33がバルブシステム24を作動させることによって行う。
【0026】
通信処理部34は、図2および図3に示すように、通信ネットワークNWを通じて他の設備と繋がるとともに、情報管理部19に繋がっている。このため部品搭載装置14Aの制御部26は、情報管理部19を通じて他の設備と情報のやり取りを行うことが可能である。
【0027】
次に、真空ポンプ制御部32について説明する。真空ポンプ制御部32は、図3に示すように、設備状態判定部41、停止要求タイマ42、第1タイマ43、第2タイマ44、オン/オフ要求部45、停止制御部46および再開制御部47を備えている。
【0028】
設備状態判定部41は、設備内部のセンサやプログラムを監視することにより、少なくとも基板搬送部21と作業ヘッド23の状態を判定する。例えば、基板搬送部21については、上流設備から基板KBが搬出されるのを待っている「基板搬入待ち状態」、上流設備から搬出される基板KBを受け取って搬入している「基板搬入状態」、基板KBを作業位置に保持している「基板保持状態」、下流設備に基板KBを搬出している「基板搬出状態」のいずれであるかを判定する。また、作業ヘッド23については、1枚の基板KBに対する部品搭載動作を行っている「作業状態」と、1枚の基板KBに対する部品搭載作業を終えた後、次の1枚の基板KBに対する部品搭載作業を行う前の間の「作業待ち状態」のいずれかであるかを判定する。
【0029】
停止要求タイマ42は、作業ヘッド23が1枚の基板KBに対する部品搭載作業を終えてからの経過時間を計測する。詳細には、設備状態判定部41の判定結果に基づいて、作業ヘッド23が「作業状態」から「作業待ち状態」になったことを検知した場合に起動し、時間の計測を開始する。また、停止要求タイマ42は、設備状態判定部41の判定結果に基づいて、作業ヘッド23が「作業待ち状態」から「作業状態」になったことを検知した場合に時間の計測を終了し、計測した時間をリセットする。
【0030】
第1タイマ43は真空ポンプ25の運転開始からの継続時間(以下、「運転時間」と称する)を計測する。第2タイマ44は真空ポンプ25の運転停止からの継続時間(以下、「停止時間」と称する)を計測する。
【0031】
オン/オフ要求部45は、設備状態判定部41における判定結果に基づいて,運転中の真空ポンプ25を停止させる要求(真空ポンプオフ要求)を行う。具体的には、オン/オフ要求部45は、設備状態判定部41の判定結果が基板搬送部21について「搬入待ち状態」にある場合には、真空ポンプオフ要求を行う。但し、基板搬送部21が「搬入待ち状態」にある場合であっても、停止要求タイマ42によって計測される時間(作業ヘッド23の1枚の基板KBに対する部品搭載作業を終えてからの経過時間)が所定時間に達していない場合や、真空ポンプ25が既に停止中である場合には、真空ポンプオフ要求は行わない。
【0032】
また、またオン/オフ要求部45は、設備状態判定部41における判定結果に基づいて、停止中の真空ポンプ25の運転を再開させる要求(真空ポンプオン要求)を行う。具体的には、オン/オフ要求部45は、設備状態判定部41の判定結果が基板搬送部21について「基板搬入待ち状態」以外の状態、すなわち「基板搬入状態」、「基板保持状態」および「基板搬出状態」のいずれかである場合には、真空ポンプオン要求を行う。但し、真空ポンプ25が既に運転中である場合には、真空ポンプオン要求は行わない。
【0033】
停止制御部46は、オン/オフ要求部45から真空ポンプオフ要求があった場合に、第1タイマ43によって計測される運転時間が所定の第1の時間に達しているか(第1タイマ43がタイムアップしているか)否かに応じて真空ポンプ25の運転制御を行う、具体的には、停止制御部46は、オン/オフ要求部45が真空ポンプオフ要求を行った時点において第1タイマ43によって計測されている時間が第1の時間に達していた(タイムアップしていた)場合には真空ポンプ25の運転を停止させたうえで、第1タイマ43による時間の計測を終了させ、第1タイマ43が計測した時間をリセットする。
【0034】
一方、停止制御部46は、第1タイマ43によって計測される時間が第1の時間に達していなかった(タイムアップしていなかった)場合には、その時点では真空ポンプ25の運転を停止させず、第1タイマ43がタイムアップする)のを待って、真空ポンプ25を停止させる。但し、第1タイマ43がタイムアップするまでの間に真空ポンプオン要求があった場合には、真空ポンプ25を停止させずに第1タイマ43による運転時間の計測を終了させ、第1タイマ43が計測した時間をリセットする。
【0035】
このように本実施の形態において、停止制御部46は、オン/オフ要求部45が真空ポンプ25の運転の停止を要求した時点で第1タイマ43が計測する真空ポンプ25の運転時間が第1の時間に達していれば真空ポンプ25の運転を停止させ、達していなければオン/オフ要求部45が真空ポンプ25の運転の停止を要求した時点では真空ポンプ25の運転を停止させないようになっている。
【0036】
再開制御部47は、オン/オフ要求部45から真空ポンプオン要求があった場合に、第2タイマ44によって計測される停止時間が所定の第2の時間に達しているか(第2タイマ44がタイムアップしているか)否かに応じて真空ポンプ25の運転制御を行う。具体的には、再開制御部47は、オン/オフ要求部45が真空ポンプオフ要求を行った時点において第2タイマ44によって計測されている時間が第2の時間に達していた(タイムアップしていた)場合には真空ポンプ25の運転を再開させたうえで、第2タイマ44による時間の計測を終了させ、第2タイマ44が計測した時間をリセットする。
【0037】
一方、再開制御部47は、第2タイマ44によって計測される時間が第2の時間に達していなかった(タイムアップしていなかった)場合には、その時点では運転を再開させず、第2タイマ44がタイムアップするのを待って、真空ポンプ25の運転を再開させる。但し、第2タイマ44がタイムアップするまでの間に真空ポンプオフ要求があった場合には、真空ポンプ25の運転を再開させずに第2タイマ44による停止時間の計測を終了させ、第2タイマ44が計測した時間をリセットする。
【0038】
このように本実施の形態において、再開制御部47は、オン/オフ要求部45が真空ポンプ25の運転の再開を要求した時点で第2タイマ44が計測する真空ポンプ25の停止時間が第2の時間に達していれば真空ポンプ25の運転を再開させ、達していなければオン/オフ要求部45が真空ポンプ25の運転の再開を要求した時点では真空ポンプ25の運転を再開させないようになっている。
【0039】
図4に示すフローチャートは、オン/オフ要求部45における制御の流れを示している。図4において、オン/オフ要求部45は、設備状態判定部41の判定結果に基づいて、基板搬送部21が「基板搬入待ち状態」であるかどうかを監視しており(ステップST1)、基板搬送部21が「基板搬入待ち状態」であった場合には、停止要求タイマ42によって計測される時間(作業ヘッド23が1枚の基板KBに対する部品搭載作業を終えてからの経過時間)が所定の時間に達しているか否か(停止要求タイマ42がタイムアップしているか否か)を判断する(ステップST2)。
【0040】
オン/オフ要求部45は、ステップST2において、停止要求タイマ42がタイムアップしていないと判断した場合にはステップST1に戻り、停止要求タイマ42がタイムアップしていると判断した場合には、真空ポンプ25が運転中であるか否かを判断する(ステップST3)。その結果、真空ポンプ25が運転中でなかった場合にはステップST1に戻り、真空ポンプ25が運転中であった場合には、停止制御部46に真空ポンプオフ要求を行ったうえで(ステップST4)、ステップST1に戻る。
【0041】
一方、オン/オフ要求部45は、ステップST1において、基板搬送部21が「基板搬入待ち状態」でないと判断した場合には、真空ポンプ25が運転中であるか否かを判断する(ステップST5)。その結果、真空ポンプ25が運転中であった場合にはステップST1に戻り、真空ポンプ25が運転中でなかった場合には、再開制御部47に真空ポンプオン要求を行ったうえで(ステップST6)、ステップST1に戻る。
【0042】
図5のフローチャートは、停止制御部46が行う真空ポンプオフ制御の流れを示している。図5に示すように、停止制御部46は、オン/オフ要求部45から真空ポンプオフ要求があるか否かを監視しており(ステップST11)、オン/オフ要求部45から真空ポンプオフ要求があった場合には、第1タイマ43によって計測される運転時間が第1の時間に達しているか否か(第1タイマ43がタイムアップしているか否か)を判断する(ステップST12)。
【0043】
停止制御部46は、ステップST12において、第1タイマ43がタイムアップしていると判断した場合には運転中の真空ポンプ25をオフにする(ステップST13)。そして、第2タイマ44を起動して真空ポンプ25の停止時間の計測を開始したうえで(ステップST14)、第1タイマ43を停止させ、かつ、第1タイマ43が計測した時間をリセットする(ステップST15)。
【0044】
一方、停止制御部46は、ステップST12において、第1タイマ43がタイムアップしていないと判断した場合には、真空ポンプオン要求がなされているか否かを判断する(ステップST16)。そして、真空ポンプオン要求がなされていないと判断した場合には、真空ポンプ25の運転を継続させたままステップST12に戻り、真空ポンプオン要求がなされている(すなわち第1タイマ43がタイムアップする前に真空ポンプオン要求がなされた)と判断した場合には、真空ポンプ25の運転を継続させたまま第1タイマ43を停止させ、かつ、第1タイマ43が計測した時間をリセットする(ステップST15)。
【0045】
ここで、上記のステップST14で第2タイマ44を起動させて真空ポンプ25の停止時間の計測を開始するのは、その後に起こり得る真空ポンプ25の運転開始(後述の再開制御部47による真空ポンプオン制御)に備えるためである。また、ステップST15で第1タイマ43を停止させてリセットするのは、第1タイマ43は既にタイムアップしており、真空ポンプ25の運転時間をそれ以上計測する必要がないからである。
【0046】
このように本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、基板搬送部21が「基板搬入待ち状態」になっており、かつ作業ヘッド23が「作業待ち状態」になってから一定時間経過した場合であって(ステップST1,ST2)、真空ポンプ25が運転中であるときには(ステップST3)、真空ポンプオフ要求がなされるようになっている(ステップST4)。そして、真空ポンプオフ要求がなされた場合には(ステップST11)、真空ポンプ25の運転時間が第1の時間に達しているか否かが判断され(ステップST12)、真空ポンプ25の運転時間が第1の時間に達していた場合にはすぐに、達していなかった場合には運転時間が第1の時間に達するのを待って、真空ポンプ25の運転が停止されるようになっている(ステップST13)。このように本実施の形態において、真空ポンプ制御部32は、真空ポンプ25の運転を停止させる場合には、その運転の停止を、真空ポンプ25の運転時間が第1の時間に達した以降のタイミングで実行するようになっている。
【0047】
本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、基板搬送部21が基板搬入待ちの状態(すなわち真空ポンプ25の運転が不要な状態)になった場合には、真空ポンプ25の運転時間が第1の時間に達した以降のタイミングで真空ポンプ25の運転を停止させるので、不使用状態の真空ポンプ25に給電する無駄を省いて節電を図ることができる。また、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、真空ポンプ25の運転を停止させる際には、真空ポンプ25の運転開始から一定時間(第1の時間)が経過するまでは真空ポンプ25の運転を継続させ、その一定時間が経過したタイミングで運転を停止させるようにしているので、真空ポンプ25の運転を頻繁に停止させることによって故障(例えば急激な温度変化によって生じる結露による故障)が発生する事態を防止することができる。
【0048】
図6のフローチャートは、再開制御部47が行う真空ポンプオン制御の流れを示している。図6に示すように、再開制御部47は、オン/オフ要求部45から真空ポンプオン要求があるか否かを監視しており(ステップST21)、オン/オフ要求部45から真空ポンプオン要求があった場合には、第2タイマ44によって計測される時間(真空ポンプ25の停止時間)が第2の時間に達しているか否か(第2タイマ44がタイムアップしているか否か)を判断する(ステップST22)。
【0049】
再開制御部47は、ステップST22において、第2タイマ44がタイムアップしていると判断した場合には運転停止中の真空ポンプ25をオンにする(ステップST23)。そして、第1タイマ43を起動して真空ポンプ25の運転時間の計測を開始したうえで(ステップST24)、第2タイマ44を停止させ、かつ第2タイマ44が計測した時間をリセットする(ステップST25)。
【0050】
一方、再開制御部47は、ステップST22において、第2タイマ44がタイムアップしていないと判断した場合には、真空ポンプオフ要求がなされているか否かを判断する(ステップST26)。そして、真空ポンプオフ要求がなされていないと判断した場合には、真空ポンプ25の運転停止を継続させたままステップST22に戻り、真空ポンプオフ要求がなされている(すなわち第2タイマ44がタイムアップする前に真空ポンプオフ要求がなされた)と判断した場合には、真空ポンプ25の運転停止を継続させたまま第2タイマ44を停止させ、かつ第2タイマ44が計測した時間をリセットする(ステップST25)。
【0051】
ここで、上記のステップST24で第2タイマ44を起動させて真空ポンプ25の運転時間の計測を開始するのは、その後に起こり得る真空ポンプ25の運転停止(前述の停止制御部46による真空ポンプオフ制御)に備えるためである。また、ステップST25で第2タイマ44を停止させてリセットするのは、第2タイマ44は既にタイムアップしており、真空ポンプ25の停止時間をそれ以上計測する必要がないからである。
【0052】
このように本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、基板搬送部21が「基板搬入待ち状態」以外の状態になっている場合であって(ステップST1)、真空ポンプ25が運転停止中であるときには(ステップST5)、真空ポンプオン要求がなされるようになっている(ステップST6)。そして、真空ポンプオン要求がなされた場合には(ステップST21)、真空ポンプ25の停止時間が第2の時間に達しているか否かが判断され(ステップST22)、真空ポンプ25の停止時間が第2の時間に達していた場合にはすぐに、達していなかった場合には停止時間が第2の時間に達するのを待って、真空ポンプ25の運転が再開されるようになっている(ステップST23)。このように本実施の形態において、真空ポンプ制御部32は、真空ポンプ25の運転を再開させる場合には、その運転の再開を、真空ポンプ25の停止時間が第2の時間に達した以降のタイミングで実行するようになっている。
【0053】
本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、停止している真空ポンプ25を再開させる際には、真空ポンプ25の運転停止から一定時間(第2の時間)が経過するまでは真空ポンプ25の停止を継続させ、その一定時間が経過したタイミングで運転を再開させるようにしているので、真空ポンプ25の運転を停止させた直後に真空ポンプ25の運転を再開させることによって故障(例えば真空ポンプ25を構成するファンブレードが逆回転して破損する故障)が発生する事態を防止することができる。
【0054】
このように、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、作業ヘッド23が部品搭載作業を行わないときには吸引ノズル23Nに負圧を供給する真空ポンプ25の運転を停止させ、作業ヘッド23が部品搭載作業を再開する前に真空ポンプ25の運転を再開させるようになっている。このように部品搭載装置14Aは、自動で真空ポンプ25を停止させる機能と停止した真空ポンプ25の運転を再開させる機能を有しており、真空ポンプ25を運転させる必要がない場合にはこれを停止させ、真空ポンプ25を運転させる必要があるときにはその運転を再開させることが可能である。
【0055】
次に、具体的なタイムテーブルを用いて真空ポンプ25のオンオフ制御の例を説明する。図7は部品搭載装置14Aが実行する部品搭載作業のタイムテーブルの第1例を示すものであり、図8は部品搭載装置14Aが実行する部品搭載作業のタイムテーブルの第2例を示すものである。
【0056】
図7および図8から分かるように、第1例および第2例では、基板搬送部21、作業ヘッド23および真空ポンプ25それぞれの状態の変化を経過時間(横軸)に対応させて示している。第1例および第2例とも、基板搬送部21は基板搬入待ち→基板搬入→基板保持→基板搬出→基板搬入待ち→・・・と進行し、作業ヘッド23は作業待ち→部品搭載作業→作業待ち→・・・と進行する。また、真空ポンプ25は、停止→運転→停止→・・・と進行する。
【0057】
図7および図8から分かるように、第1例および第2例とも、基板搬送部21の基板保持状態と作業ヘッド23の部品搭載作業はほぼ同時に終了し(図7における時間Ta、図8における時間Tg)、そこから基板搬送部21は基板搬出状態を経て基板搬入待ちに移行する。また、作業ヘッド23は作業待ち状態に移行し、移行と同時に停止要求タイマ42が時間計測を開始する。そして、所定の時間(停止要求待ち時間)が経過した時点でタイムアップとなって(図7における時間Tb、図8における時間Th)、オン/オフ要求部45から真空ポンプオフ要求が出される。また、第1例および第2例とも、基板搬送部21が基板搬入待ち状態からそれ以外の状態(基板搬入状態)に移行したときに(図7における時間Td、図8における時間Tk)、オン/オフ要求部45から真空ポンプオン要求が出される。
【0058】
図7に示す第1例では、停止要求タイマ42がタイムアップとなって真空ポンプオフ要求が出されたとき(図4におけるステップST1(Yes)→ステップST2(Yes)→ステップST3(Yes)→ステップST4。図7における時間Tb)、第1タイマ43はそれよりも前にタイムアップしている(図7における時間Tx。図5におけるステップST11(Yes)→ステップST12(Yes))。このため真空ポンプ25は真空ポンプオフ要求が出されると同時に運転が停止される(図7における時間Tb。図5におけるステップST13)。
【0059】
一方、図8に示す第2例では、停止要求タイマ42がタイムアップとなって真空ポンプオフ要求が出されたとき(図4におけるステップST1(Yes)→ステップST2(Yes)→ステップST3(Yes)→ステップST4。図8における時間Th)、第1タイマ43はまだタイムアップしていない。このため真空ポンプオフ要求が出されると同時には真空ポンプ25の運転は停止されず、その後、第1タイマ43がタイムアップするのを待って(図5におけるステップST11(Yes)→ステップST12(No)→ステップST16(No)→ステップST12(No)→ステップST16(No)→・・・→ステップST12(Yes))、真空ポンプ25の運転が停止される(図8における時間Tj。図5におけるステップST13)。
【0060】
また、図7に示す第1例では、基板搬送部21が基板搬入待ち状態から基板搬入状態に移行して真空ポンプオン要求が出されたとき(図4におけるステップST1(No)→ステップST5(No)→ステップST6。図7における時間Td)、第2タイマ44はそれよりも前にタイムアップしている(図7における時間Tc。図6におけるステップS21(Yes)→ステップST22(Yes))。このため真空ポンプ25は真空ポンプオン要求が出されると同時に運転が再開される(図7における時間Td。図6におけるステップST23)。
【0061】
一方、図8に示す第2例では、基板搬送部21が基板搬入待ち状態から基板搬入状態に移行して真空ポンプオン要求が出されたとき(図4におけるステップST1(No)→ステップST5(No)→ステップST6。図8における時間Tk)、第2タイマ44はまだタイムアップしていない。このため真空ポンプオン要求が出されると同時には真空ポンプ25の運転は再開されず、その後、第2タイマ44がタイムアップするのを待って(図6におけるステップST21(Yes)→ステップST22(No)→ステップST26(No)→ステップST22(No)→ステップST26(No)→・・・→ステップST22(Yes))、真空ポンプ25の運転が再開される(図8における時間Tm。図6におけるステップST23)。
【0062】
また、図8に示す第2例において、時間Tnで基板搬送部21が基板搬入待ち状態から基板搬入状態に移行しているが、このとき既に真空ポンプ25は運転中であるので(図4におけるステップST1(No)→ステップST5(Yes)→ステップST1)、真空ポンプオン要求は出されない(図4においてステップST6に進まない)。また、第2例において、時間Tpで停止要求タイマ42がタイムアップしているが、このとき基板搬送部21は基板搬入待ち状態ではなく(図4におけるステップST1(Yes))、真空ポンプ25は運転中であるので(図4におけるステップST5(Yes)→ステップST1)、真空ポンプオフ要求は出されない(図4においてステップST4に進まない)。
【0063】
これまで述べたように、本実施の形態における部品搭載装置14Aは真空ポンプ制御部32を備えており、真空ポンプ制御部32は、作業ヘッド23が部品搭載作業を行わないときには真空ポンプ25の運転を停止させ、部品搭載作業を行うときには真空ポンプ25の運転を再開させるようになっている。本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、真空ポンプ25を運転させる必要がない状況では真空ポンプ25の運転を完全に停止させるので、従来に比してより一層の節電を図ることができる。
【0064】
また、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、真空ポンプ制御部32は停止制御部46を備えており、停止制御部46は、真空ポンプ25の運転を停止させる場合には、真空ポンプ25の運転を停止させる要求がなされた時点において、真空ポンプ25の運転開始からの継続時間である運転時間が所定の時間(第1の時間)に達していれば真空ポンプの運転を停止させるが、達していなければその時点では真空ポンプ25の運転を停止させない(運転時間が第1の時間に達した以降のタイミングで実行する)ようになっている。このため、真空ポンプ25が頻繁に停止される場合に生じる故障の発生を少なくすることができる。
【0065】
また、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、真空ポンプ制御部32は再開制御部47を備えており、再開制御部47は、停止した真空ポンプ25の運転を再開する場合には、真空ポンプ25の運転を再開させる要求がなされた時点において、真空ポンプ25の運転停止からの継続時間である停止時間が所定の時間(第2の時間)に達していれば前記真空ポンプ25の運転を再開させるが、達していなければその時点では真空ポンプ25の運転を再開させない(停止時間が第2の時間に達した以降のタイミングで実行する)ようになっている。このため、真空ポンプ25の運転を再開させる場合に生じる故障の発生を少なくすることができる。
【0066】
また、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、オン/オフ要求部45は、真空ポンプ25の運転を停止させる要求または真空ポンプ25の運転を再開させる要求を、作業ヘッド23が1枚の基板KBに対する部品搭載作業を終えてからの経過時間が所定時間に達した後に行うようになっている。このため、停止頻度の調整をきめ細かく行うことが可能であり、例えば、生産性を確保したい場合には時間を長めに設定して真空ポンプ25の停止頻度を少なくし、こまめに真空ポンプ25を停止させて大きな節電効果を得たい場合には、時間を短く(或いは零に)すればよい。
【0067】
また、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、オン/オフ要求部45は、基板搬送部21が直前の上流設備が基板KBの搬送を開始した時点(直前の上流設備から基板搬出許可信号が出された時点)で真空ポンプ25が停止している場合は真空ポンプ25の運転を再開させる要求を行うようになっている(ステップST1→ステップST5→ステップST6)ので、作業ヘッド23による部品搭載作業を開始する前に真空ポンプ25を起動させることができる(但し、この効果は停止制御部46によって真空ポンプ25の運転再開が制限されていない場合に限る)。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態における部品搭載装置14Aでは、作業ヘッド23が部品搭載作業を行わないときには真空ポンプ25の運転を停止させ、部品搭載作業を行うときには真空ポンプ25の運転を再開させるようになっている。真空ポンプ25を運転させる必要がない状況では真空ポンプ25の運転を完全に停止させるので、従来に比してより一層の節電を図ることができる。
【0069】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、真空ポンプ制御部32は、作業ヘッド23が部品搭載作業を行わないときに真空ポンプ25の運転を停止させ、作業ヘッド23が部品搭載作業を再開する前に真空ポンプ25の運転を再開させるようになっていればよい。従って、必ずしも上述の実施の形態に示したように、真空ポンプ25の運転を停止させる場合に真空ポンプ25の運転時間が所定の時間(第1の時間)に達した以降のタイミングで実行するようになっていなくてもよく、真空ポンプ25の運転を再開する場合に真空ポンプ25の停止時間が所定の時間(第2の時間)に達した以降のタイミングで実行するようになっていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
従来に比してより一層の節電を図ることができる部品搭載装置を提供する。
【符号の説明】
【0071】
1 実装基板製造システム
14A 部品搭載装置
21 基板搬送部
23 作業ヘッド
23N 吸引ノズル
25 真空ポンプ
32 真空ポンプ制御部
41 設備状態判定部
42 停止要求タイマ
43 第1タイマ
44 第2タイマ
45 オン/オフ要求部(要求部)
46 停止制御部
47 再開制御部
KB 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8