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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041138
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230316BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20230316BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20230316BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230316BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230316BHJP
   B65G 61/00 20060101ALN20230316BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
A47G29/122 Z
E05B65/00 D
E05B49/00 J
G06Q30/06
B65G61/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148324
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】清水 一樹
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
【テーマコード(参考)】
2E250
3K100
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA18
2E250BB08
2E250BB30
2E250BB49
2E250BB65
2E250CC17
2E250DD06
2E250FF27
2E250FF36
2E250GG06
2E250GG13
3K100CA47
3K100CD03
5L049AA16
5L049BB65
(57)【要約】
【課題】荷物の受け取り期限を設定することで、当該荷物による収納部の長期的な占有を防ぐことが可能な制御装置および制御方法を提供する。
【解決手段】荷物を収納する1以上の収納部に設けられる各扉の施解錠の制御を行う制御部を備え、前記制御部は、前記荷物が収納された前記収納部の扉が施錠されたことに応じてカウントされる、前記荷物の受取人が解錠操作できる期限である受け取り期限の終了に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収納する1以上の収納部に設けられる各扉の施解錠の制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記荷物が収納された前記収納部の扉が施錠されたことに応じてカウントされる、前記荷物の受取人が解錠操作できる期限である受け取り期限の終了に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記受取人による荷物の取り出しが行われずに前記受け取り期限が終了した場合、前記受取人と、前記収納部を1以上有する宅配ボックスのオーナーに、前記解錠操作権限を与えるモードに遷移させる制御を行う、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記オーナーの情報処理端末との無線通信により得られた情報に基づいて認証処理を行い、認証が成功した際に、前記扉の解錠制御を行う、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記オーナーの情報処理端末との無線通信により得られる情報には、前記受け取り期限の終了に応じてサーバから配布された認証情報が含まれる、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記収納部に荷物が収納された状態で施錠した際、動作モードを、通常モードから受取人に解錠操作権限が与えられる第1のセキュリティモードに遷移させ、
前記受け取り期限が終了した場合、前記動作モードを、前記受取人と前記オーナーに解錠操作権限を与える第2のセキュリティモードに遷移する制御を行う、請求項2~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1のセキュリティモードに遷移したことを、サーバに送信する制御を行う、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記受け取り期限は、前記オーナーにより予め設定される、請求項2~6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記受け取り期限のカウントを行う、請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記受け取り期限のカウントを行うサーバから受信した、前記受け取り期限の終了通知に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
プロセッサが、
荷物を収納する1以上の収納部に設けられる各扉の施解錠の制御を行うことを含み、
さらに、前記荷物が収納された前記収納部の扉が施錠されたことに応じてカウントされる、前記荷物の受取人が解錠操作できる期限である受け取り期限の終了に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、物流の発展と共にインターネットを通じて物を購入するネットショッピングが普及し、不在時や対面を避けて物品を収受するための物品収受装置の利用が活発になっている。物品収受装置は、マンションやアパート等の集合住宅に設置される共有の物品収受装置の他、近年は、個人宅等に設置する個人向けの物品収受装置も提供されている。物品収受装置は、宅配ボックスや宅配ロッカー等とも称される。以下、単に宅配ボックスとも称する。
【0003】
宅配ボックスから荷物を出し入れする際の施解錠は、電気的に制御され得る。宅配ボックスの電源に関し、例えば下記特許文献1では、商用交流電源からバッテリーの充電を行い、停電時にはバッテリーから供給される電力により電気錠等を駆動する旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-165925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、宅配ボックスから荷物を取り出すことが可能な受取人が長期不在等の場合、宅配ボックスが利用できなくなり、不便であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、荷物の受け取り期限を設定することで、当該荷物による収納部の長期的な占有を防ぐことが可能な、新規かつ改良された制御装置および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、荷物を収納する1以上の収納部に設けられる各扉の施解錠の制御を行う制御部を備え、前記制御部は、前記荷物が収納された前記収納部の扉が施錠されたことに応じてカウントされる、前記荷物の受取人が解錠操作できる期限である受け取り期限の終了に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、制御装置が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、プロセッサが、荷物を収納する1以上の収納部に設けられる各扉の施解錠の制御を行うことを含み、さらに、前記荷物が収納された前記収納部の扉が施錠されたことに応じてカウントされる、前記荷物の受取人が解錠操作できる期限である受け取り期限の終了に応じて、前記受取人以外にも解錠操作権限を与える制御を行う、制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、荷物の受け取り期限を設定することで、当該荷物による収納部の長期的な占有を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるシステムの概要について説明する図である。
図2】本実施形態によるサーバおよび宅配ボックスの構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による制御装置における動作モードの遷移について説明する図である。
図4】本実施形態による動作モードに対応する解錠操作権限の一例を示す図である。
図5】本実施形態による解錠システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】本実施形態による解錠システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.概要>
図1は、本発明の一実施形態によるシステムの概要について説明する図である。図1に示すように、本実施形態による解錠システムは、宅配ボックス2から荷物を取り出すことができる受取人により利用される受取人端末10(情報処理端末の一例)と、宅配ボックス2を制御する制御装置20と、サーバ30(情報処理装置の一例)と、荷物を配達し、宅配ボックス2に収納する配達員により利用される配達員端末40(情報処理端末の一例)と、宅配ボックス2の所有者により利用されるオーナー端末50(情報処理端末の一例)と、を含む。受取人端末10、制御装置20、配達員端末40、およびオーナー端末50は、ネットワーク32を介してサーバ30と通信接続し、データの送受信を行い得る。
【0013】
(課題の整理)
上述したように、昨今、宅配ボックスの利用が活発になっているが、宅配ボックスに収納された荷物は、受取人しか取り出すことが出来ないため、例えば受取人が旅行等により長期不在の場合、荷物により宅配ボックスが長期的に占有され、不便であった。
【0014】
そこで、本実施形態では、荷物の受け取り期限を設定することで、当該荷物による収納部の長期的な占有を防ぐことを可能とする。
【0015】
より具体的には、予め宅配ボックス2に対して荷物の受け取り期限を設定することで、荷物が収納されてから受け取り期限内は受取人が解錠操作でき、期限外は受取人とオーナー(宅配ボックス2の所有者)が解錠操作できるようにする。これにより、受取人が長期不在等により受け取り期限内に荷物を受け取れない(すなわち宅配ボックス2の収納部から取り出せない)場合でも、期限経過後はオーナーが荷物を取り出すことが可能となり、宅配ボックスの長期的な占有を防ぐことができる。オーナーは、例えばマンションの管理室等で取り出した荷物を預かり、後日受取人に渡すようにしてもよい。また、ここでは一例として「オーナー」と記載したが、解錠操作を行う操作者の一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、マンションの管理者や、荷物の受け取り代行を行う業者等であってもよい。
【0016】
受け取り期限は、予め制御装置20またはサーバ30において初期設定されていてもよいし、オーナーが任意に設定してもよい。受け取り期限は、例えば1日、2日、または3日等と設定されてもよい。オーナーは、オーナー端末50を用いて、宅配ボックス2の制御装置20、または、ネットワーク32を介してサーバ30に対して、受け取り期限の設定情報を送信し得る。また、オーナー端末50では、宅配ボックス2を利用するための専用アプリケーションが動作していてもよい。オーナー端末50では、かかる専用アプリケーションにより、受け取り期限の設定画面が表示され、オーナーに受け取り期限の入力を促し、入力された受け取り期限の設定情報を制御装置20またはサーバ30に送信する。
【0017】
受け取り期限のカウントは、制御装置20で行ってもよいし、サーバ30で行ってもよい。予め設定される受け取り期限の情報は、制御装置20に格納されていてもよいし、サーバ30に格納されていてもよい。また、サーバ30は、制御装置20から、荷物の収納に関する情報を受信し、カウントを開始してもよい。荷物の収納に関する情報とは、例えば、宅配ボックス2に設けられるどの収納部に誰宛の荷物がいつ収納されたかを示す情報である。なお、宅配ボックス2は、1または複数の収納部を有する。宅配ボックス2は、個人宅に設置される個人向けの宅配ボックスであってもよいし、集合住宅に設置される共有宅配ボックスであってもよい。
【0018】
また、サーバ30は、制御装置20から、カウント情報(例えば受け取り期限の残り日数等)を受信してもよい。
【0019】
また、制御装置20またはサーバ30は、受取人端末10や、オーナー端末50に対して、宅配ボックス2に荷物が収納されたこと、受け取り期限、および受け取り期限のカウント情報等を通知してもよい。また、制御装置20またはサーバ30は、受け取り期限が終了(カウントが終了)した場合、受取人端末10およびオーナー端末50に、受け取り期限が過ぎたことを通知してもよい。オーナーは、かかる通知に応じて宅配ボックス2に出向き、宅配ボックス2を解錠して荷物を取り出すことが可能となる。
【0020】
なお、宅配ボックス2の解錠は、操作者(オーナー、受取人、配達員等)が所持するスマートフォン等の情報処理端末(オーナー端末50、受取人端末10、配達員端末40等)を用いて行われる。具体的には、宅配ボックス2を制御する制御装置20と情報処理端末との間で行われる通信に基づいて、情報処理端末を認証する認証処理が行われ、認証が成功した場合に、制御装置20が宅配ボックス2の扉を解錠する制御を行う。かかる認証処理で用いられる認証情報は、デジタルキーとも称する。デジタルキーは、例えば所定の情報を暗号化または復号化する際に用いられるアルゴリズムを示す情報から成る暗号鍵であってもよい。暗号鍵は、共通鍵暗号方式を使用する場合の共通鍵であってもよいし、公開鍵暗号方式を使用する場合の秘密鍵であってもよい。また、暗号化する所定の情報は、乱数、パスワード、ID、数値等であってもよい。ID(識別情報)は、情報処理端末を識別するデバイスID、操作者を識別する操作者ID(例えばオーナーID、受取人ID、配達員ID)等が挙げられる。これらのIDは、例えばオーナーや受取人、配達員(または配達会社)が、予め専用アプリケーション等により宅配ボックス2の利用登録(アカウント登録)を行った際に、サーバ30等により配布され得る。
【0021】
また、本実施形態によるサーバ30は、受け取り期限が過ぎたことをオーナー端末50に通知する際、宅配ボックス2を解錠する際に用いられるデジタルキーを併せてオーナー端末50に送信してもよい。オーナー端末50は、宅配ボックス2の制御装置20と通信して解除要求を行う際、かかるデジタルキーを制御装置20に送信する。
【0022】
以上、本実施形態によるシステムの概要について説明した。続いて、本システムに含まれるサーバ30および宅配ボックス2の各構成について図面を用いて順次説明する。
【0023】
<2.構成例>
図2は、本実施形態によるサーバ30および宅配ボックス2の構成例を示すブロック図である。
【0024】
<2-1.サーバ30>
図2に示すように、サーバ30は、通信部310と、制御部320と、記憶部330と、を有する。
【0025】
通信部310は、他の装置とデータの送受信を行う機能を有する。例えば通信部310は、宅配ボックス2を制御する制御装置20や、受取人端末10、オーナー端末50等との間で、所定の無線通信規格に準拠した通信を行う。例えば通信部310は、インターネットに通信接続し、インターネットを介して制御装置20や、受取人端末10、オーナー端末50等、とデータの送受信を行ってもよい。通信部310は、例えば有線/無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)等によりインターネットに接続し得る。
【0026】
制御部320は、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、または記憶部330等に記録された各種プログラムに基づいて、サーバ30の各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、MCU(Micro Controller Unit)等のプロセッサによって実現され得る。
【0027】
本実施形態による制御部320は、例えば制御装置20から受信した荷物の収納に関する情報に基づいて、当該荷物の受け取り期限のカウントを行ってもよい。すなわち、制御部320は、荷物が収納された日時から、受け取り期限までのカウントを行い得る。受け取り期限の情報は、制御装置20から受信してもよいし、記憶部330に格納されていてもよい。また、制御部320は、制御装置20から受信した収納に関する情報に基づいて、受取人端末10およびオーナー端末50に、収納に関する情報を送信してもよい。具体的には、制御部320は、宅配ボックス2に設けられるどの収納部に誰宛の荷物がいつ収納されたか、および当該荷物の受け取り期限を示す情報を通知する。
【0028】
また、制御部320は、受取人端末10およびオーナー端末50に、定期的に、カウント情報(例えば、受け取り期限の残り日数等)を通知してもよい。
【0029】
また、制御部320は、受け取り期限が終了した場合、受取人端末10およびオーナー端末50に、受け取り期限が終了し、オーナーに解錠操作権限が与えられる旨を通知してもよい(解錠許可通知)。この際、制御部320は、宅配ボックス2を解錠する際に用いられるデジタルキー(例えば暗号鍵)を、併せてオーナー端末50に送信してもよい。デジタルキーには、時間制限または使用制限が設けられていてもよい。また、制御部320は、かかるデジタルキーを照合に用いる情報を、制御装置20に送信してもよい。
【0030】
なお、受け取り期限が終了したことは、制御部320におけるカウントにより判断してもよいし、制御装置20からの通知(受け取り期限が終了した旨の通知)により判断されてもよい。
【0031】
また、受取人やオーナーの情報(氏名、連絡先等)は、宅配ボックス2の識別情報と対応付けて予め記憶部330に記憶されていてもよい。これらの情報は、初めに受取人やオーナーが、情報処理端末で動作する専用アプリケーション等により、宅配ボックス2の利用者登録を行った際に取得される。
【0032】
記憶部330は、サーバ30の動作のための各種情報を記憶する機能を有する。また、記憶部330は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等によって実現され得る。また、記憶部330は、サーバ30の動作のためのプログラム、並びに、制御装置20から得られた宅配ボックス2における荷物の収納に関する情報や、宅配ボックス2と受取人情報等とを対応付けた情報、認証処理に用いられるデジタルキー等を記憶する。
【0033】
以上、本実施形態によるサーバ30の構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、サーバ30は、複数の装置により構成されてもよい。
【0034】
<2-2.制御装置20>
続いて、宅配ボックス2を制御する制御装置20の構成について説明する。制御装置20は、宅配ボックス2に内蔵されていてもよいし、宅配ボックス2の収納部を開閉する扉の施解錠機構である施錠装置22と有線または無線で通信接続する外部装置であってもよい。
【0035】
図2に示すように、制御装置20は、通信部210、制御部220、および記憶部230を有する。
【0036】
通信部210は、他の装置とデータの送受信を行う機能を有する。例えば通信部210は、オーナー端末50との間で、所定の無線通信規格に準拠した通信を行う。例えば通信部210は、短い通信距離でオーナー端末50とデータの送受信を行う通信デバイスであってもよい。短い通信距離とは、例えば、5cm、10cm、1m、または10m程度内であってもよい。例えば、BLE、NFC、Bluetooth、UWB、Wi-Fi、またはTransferJet等が挙げられる。これらは近距離無線通信とも称される。また、通信部210は、例えばインターネットに通信接続し、インターネットを介してサーバ30とデータの送受信を行ってもよい。例えば通信部210は、有線/無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等によりインターネットに接続してもよい。
【0037】
制御部220は、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、または記憶部230等に記録された各種プログラムに基づいて、制御装置20の各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。制御部220は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、MCU(Micro Controller Unit)等のプロセッサによって実現され得る。
【0038】
また、本実施形態による制御部220は、宅配ボックス2の収納部に荷物が収納された状態で施錠した際、収納に関する情報を記憶部230に記憶する。また、制御部220は、収納に関する情報を、通信部210からサーバ30に送信してもよい。サーバ30への送信は、ネットワーク32を介して直接送信してもよいし、ネットワーク32に通信接続する配達員端末40を介して送信してもよい。収納に関する情報は、宅配ボックス2に設けられるどの収納部に誰宛の荷物がいつ収納されたかを示す情報が含まれる。また、制御部220は、収納に関する情報として、併せて、当該荷物の受け取り期限を示す情報をサーバ30に送信してもよい。
【0039】
また、制御部220は、宅配ボックス2の収納部に荷物が収納された状態で施錠した後、予め設定されている受け取り期限のカウントを開始する。そして、カウント終了までに受取人により荷物が取り出されなかった場合、制御部220は、受け取り期限が終了したことをサーバ30に通知してもよい。また、制御部220は、カウント終了までに受取人により荷物が取り出されなかった場合、受取人の他、オーナーにも解錠操作権限を与えるモード(後述するセキュリティモード2)に遷移するよう制御してもよい。
【0040】
また本実施形態による制御部220は、解錠操作を行う操作者の情報処理端末との間で無線通信を行い、通信により得られた情報を用いて認証処理を実行し、認証が成功した場合、施錠装置22に対して解錠の制御を行い得る。施錠装置22は、宅配ボックス2の収納部を開閉する扉の施解錠機構である。
【0041】
情報処理端末と制御装置20の間の無線通信は、BLE、NFC、Bluetooth、UWB、Wi-Fi等により、短い距離にて行われ得る。例えばオーナー(操作者の一例)は、オーナー端末50(情報処理端末の一例)を所持して宅配ボックス2の近くに位置し、オーナー端末50で専用アプリケーションを起動し、専用アプリケーションにより表示される画面に含まれる宅配ボックス2の解除を要求するボタンをタップする。これに応じて、オーナー端末50は、制御装置20との間で無線通信接続し、宅配ボックス2の解除要求を制御装置20に送信する。無線通信の接続方法については特に限定しない。制御装置20の制御部220は、通信部210によりオーナー端末50から受信した情報に基づいて、宅配ボックス2解錠のための認証処理を行う。
【0042】
認証処理の方法は特に限定しないが、例えばオーナー端末50から送信される情報に含まれるデジタルキーを照合してもよい。照合に用いられる情報は、サーバ30から受信してもよいし、予め記憶部230に格納されていてもよい。また、さらに、制御部220は、オーナー端末50から送信されるオーナーIDの照合を行ってもよい。また、制御部220は、異なる複数の認証処理を行ってもよい。例えば認証処理の第一段階として、オーナー端末50が制御装置20から規定の距離内に位置するか否かを認証してもよい。その後、デジタルキーやオーナーIDの照合を、第二段階の認証処理として行ってもよい。
【0043】
また、制御部220は、オーナー端末50から送信された情報をサーバ30に送信し、サーバ30に認証依頼を行ってもよい。
【0044】
このように、認証結果に応じて宅配ボックス2の解錠を行うことで、宅配ボックス2のセキュリティを高めることができる。
【0045】
また、制御部220は、施錠状態における動作モードが所定のモードの場合に、解錠要求してきた操作者がオーナーであることをオーナーIDの照合等により確認し、解錠操作権限を与える、すなわち、オーナーを正当な操作者と判断する(認証成功と判断する)ようにしてもよい(認証処理の一例)。ここで、本実施形態による「動作モード」について説明する。
【0046】
本実施形態では、宅配ボックス2に設けられる収納部の扉を施錠装置22により施錠した施錠状態において、動作モードを所定のモードに遷移する制御を行ってもよい。具体的には、制御部220は、施錠状態において、動作モードを通常モードまたはセキュリティモードに遷移する制御を行い得る。通常モードとセキュリティモードでは、解錠操作権限が与えられる者が少なくとも一部異なる。また、セキュリティモードには、荷物受け取り期限内の状態であるセキュリティモード1と、受け取り期限が終了した後(荷物受け取り期限外)の状態であるセキュリティモード2がある。セキュリティモード2では、受取人の他、オーナーにも解錠操作権限が与えられる。ここで、「解錠操作権限が与えられる」とは、制御部220が操作者(の情報処理端末)からの解錠要求に応じて認証処理を行う際に、正当な操作者と確認する(認証成功と判断する)ことを意味する。
【0047】
図3は、本実施形態による制御装置20における動作モードの遷移について説明する図である。図3に示すように、初期状態や荷物が入っていない状態では通常モードに制御され、配達員による解錠が行われ、荷物が収納された状態で施錠されると、受取人に解錠操作権限が与えられるセキュリティモード1に制御される。そして、受取人により荷物が取り出されると、通常モードに遷移する。
【0048】
また、図3に示すように、セキュリティモード1の際に、荷物の受け取り期限が終了すると、受取人とオーナーに解錠操作権限が与えられるセキュリティモード2に遷移する。受け取り期限の終了は、制御部220におけるカウントにより判断してもよいし、サーバ30からの通知(受け取り期限が終了した旨の通知)により判断されてもよい。そして、受取人またはオーナーにより荷物が取り出されると、通常モードに遷移する。
【0049】
図4は、本実施形態による動作モードに対応する解錠操作権限の一例を示す図である。図4に示すように、宅配ボックス2に荷物が入っていない通常モードの場合は、オーナーと配達員(各社配達員)に解錠操作権限が与えられる。解錠操作権限が与えられる配達員は、事前に宅配ボックス2の利用登録を行っている者であってもよい。利用登録の情報は、サーバ30から取得されてもよい。なお、配達会社が代表して利用登録を行う場合も想定される。この場合、制御部220は、各社配達員の所属会社を、荷物収納のために解錠要求を行う配達員端末から受信した配達員IDから判断し、解錠操作権限を与える。
【0050】
また、配達員が解錠した場合に遷移するセキュリティモード1の場合、図4に示すように、受取人に解錠操作権限が与えられる。さらに、受け取り期限終了に応じて遷移するセキュリティモード2の場合、図4に示すように、受取人とオーナーに解錠操作権限が与えられる。なお、ここでは一例としてセキュリティモード2の場合に「オーナー」に解錠操作権限が与えられる旨を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。上述したように、管理者や代行者等であってもよい。セキュリティモード2の際に誰に解錠操作権限が与えられるかは、予め設定され、または、サーバ30から指示されてもよい。
【0051】
記憶部230は、各種情報を記憶する構成である。例えば、記憶部230は、制御部220によって使用されるプログラムやパラメータ等を記憶する。また、記憶部230は、制御部220による処理結果等を記憶してもよい。また、記憶部230は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等によって実現され得る。
【0052】
また、記憶部230は、認証処理に用いられる情報を記憶してもよい。また、記憶部230は、収納に関する情報(どの収納部にいつ誰宛の荷物が収納されたか等)を記憶してもよい。
【0053】
以上、本実施形態による制御装置20の構成例について説明した。なお、本実施形態による制御装置20の構成は図2に示す例に限定されない。例えば、制御装置20は、複数の装置により構成されてもよい。また、制御装置20は、宅配ボックス2に設けられる通知部(表示部や発光部)(不図示)から、現在どのような動作モードであるかを示す通知を行ってもよい。
【0054】
<3.動作処理>
図5および図6は、本実施形態による解錠システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
【0055】
まず、図5に示すように、制御装置20の制御部220は、荷物が入れられていない場合には、オーナーと配達員に解錠操作権限が与えられる通常モードでの施錠状態に制御する(ステップS103)。具体的には、制御部220は、施錠装置22による施錠を行った上で、解錠に関する動作モードを通常モードに遷移させる。宅配ボックス2(より具体的には、収納部)に荷物が入っているか否かは、収納部に設けられるセンサ(不図示)により検知され得る。
【0056】
一方、オーナー端末50は、受け取り期限の設定情報をサーバ30に送信する(ステップS106)。サーバ30は、受信した受け取り期限の設定情報を記憶し、また、当該受け取り期限の設定情報を制御装置20に送信する(ステップS109)。制御装置20においても、受信した受け取り期限の設定情報が記憶される。なお、ここでは一例としてオーナーが任意で受け取り期限を設定する場合を想定したが、本実施形態はこれに限定されず、受け取り期限の設定情報が予め制御装置20に設定されていてもよい。また、ここではオーナー端末50からサーバ30を介して制御装置20に受け取り期限の設定情報を送信しているが、本実施形態はこれに限定されず、オーナー端末50と制御装置20とが直接通信し、受け取り期限の設定情報をオーナー端末50から制御装置20に送信してもよい。この際、制御装置20からサーバ30に受け取り期限の設定情報が送信され得る。なお、送信されるタイミングは特に限定しない。また、オーナー端末50では、宅配ボックス2を利用するための専用アプリケーションが起動し、かかる専用アプリケーションにより受け取り期限の設定画面が表示され、当該設定画面において入力された情報が制御装置20やサーバ30に送信されてもよい。
【0057】
次に、制御装置20は、荷物の配達に訪れた配達員に利用される配達員端末から送信される解除要求に応じて、宅配ボックス2に設けられる収納部の扉の解錠制御を行う(ステップS115)。具体的には、制御装置20は、配達員端末との通信に基づいて認証処理を行い、認証が成功した際に、収納部の扉を解錠するよう施錠装置22に対して解錠制御を行う。配達員端末との通信は、近距離無線通信(Wi-Fi、Bluetooth等)により行われ得る。認証処理では、例えば配達員端末から送信されたデジタルキー(例えば配達員IDや、暗号化された所定の情報)の照合が行われる。また、制御装置20は、サーバ30に対して認証依頼を行ってもよい。サーバ30への依頼は、通信部210からネットワーク32を介してサーバ30に行ってもよいし、無線通信接続する配達員端末を介してサーバ30に対して行ってもよい。配達員端末では、例えば宅配ボックス2利用のための専用アプリケーションが動作し、かかる専用アプリケーションにより、制御装置20からの指示に従ってサーバ30への依頼が行われ得る。配達員は、解錠された収納部に荷物を入れ、扉を閉める。
【0058】
次いで、制御装置20は、宅配ボックス2を施錠する制御を行い、動作モードをセキュリティモード1に遷移する(ステップS118)。宅配ボックス2の施錠制御は、宅配ボックス2に設けられた施錠ボタン(不図示)の押下に応じて行われてもよいし、配達員端末からの信号に基づいて行われてもよい。若しくは、制御装置20は、扉が閉まってから所定時間経過後に自動的に施錠するようにしてもよい。制御装置20は、収納に関する情報を記憶部230に記憶してもよい。
【0059】
次に、制御装置20は、予め設定された受け取り期限のカウントを開始する(ステップS121)。
【0060】
次いで、制御装置20は、セキュリティモード1に遷移したことをサーバ30に通知する(ステップS124)。より具体的には、制御装置20は、セキュリティモード1に遷移した日時をサーバ30に送信する。なお、この際、制御装置20から、受け取り期限の設定情報をサーバ30に送信してもよい。また、制御装置20は、収納に関する情報も併せて送信する。また、セキュリティモード1に遷移したことや、収納に関する情報は、制御装置20から配達員端末を介してサーバ30に送信されてもよい。
【0061】
続いて、サーバ30は、受取人の受け取り期限を受取人端末10およびオーナー端末50にそれぞれ通知する(ステップS127、ステップS130)。具体的には、宅配ボックス2に荷物が収納されたこと、および受け取り期限の日にちが通知され得る。宅配ボックス2に複数の収納部がある場合は、収納部の番号等も通知され得る。通知は、各端末において例えばポップアップ表示されてもよい。また、各端末で専用アプリケーションが起動された際や更新時にサーバ30と接続し、通知が行われてもよい。また、各端末がサーバ30と接続する度に、受け取り期限の残り日数が通知されてもよい。サーバ30でも、受け取り期限のカウントが行われてもよい。
【0062】
続いて、図6に示すように、制御装置20は、受取人による荷物の取り出しがなされないまま受け取り期限が経過した場合(ステップS143)、動作モードをセキュリティモード1からセキュリティモード2に遷移する(ステップS146)。セキュリティモード2に遷移することで、受取人とオーナーによる解除が可能となる。
【0063】
次に、制御装置20は、受取人による荷物の取り出しがなされないまま受け取り期限が終了したことをサーバ30に通知する(ステップS149)。
【0064】
次いで、サーバ30は、解錠許可をオーナー端末50に通知する(ステップS152)。解錠許可通知は、受取人による受け取り期限が終了したためオーナーにも解錠操作権限が与えられる旨が通知される。これにより、オーナーは、宅配ボックス2から荷物を取り出し、荷物による宅配ボックス2の占有を解消することができる。なおサーバ30は、時間制限または回数制限のあるデジタルキーを併せてオーナー端末50に送信してもよい。
【0065】
続いて、制御装置20は、オーナー端末50から解錠要求が送信されると(ステップS155)、オーナー端末50との通信に基づいて認証処理を行い、認証が成功した際に、収納部の扉を解錠するよう施錠装置22に対して解錠制御を行う(ステップS158)。オーナー端末50から送信される解錠要求には、オーナーIDが含まれていてもよいし、デジタルキーが含まれていてもよい。
【0066】
そして、制御装置20は、オーナーにより荷物が取り出された後、宅配ボックス2を施錠する制御を行い、動作モードを通常モードに遷移する(ステップS161)。荷物が取り出されたことは、収納部に設けられたセンサにより検知してもよい。また、制御装置20は、オーナーにより解錠されたことを、解錠操作でオーナー端末50から受信した情報(オーナーID等のアカウント情報)から把握し、荷物が取り出されたと判断してもよい。
【0067】
以上、本実施形態に係る解錠処理の流れの一例について説明した。なお、本発明による動作処理は図5および図6に示す例に限定されない。例えば、サーバ30でカウントを行い、サーバ30から制御装置20に受け取り期限終了の通知を行ってもよい。また、サーバ30は、受け取り期限が終了したためオーナーによる受け取りが可能になったことを受取人端末10にも通知してもよい。また、制御装置20は、オーナーによる荷物の取り出しが行われたことをサーバ30に通知してもよい。サーバ30は、オーナーによる荷物の取り出しが行われたことを受取人端末10に通知してもよい。
【0068】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
上述した実施形態では、サーバ30を含むシステム構成を挙げたが、本発明はこれに限定されず、サーバ30を含まない構成であってもよい。この場合、制御装置20が、設定された受け取り期限が終了したことを、ネットワーク32を介してオーナー端末50や受取人端末10に通知してもよい。
【0070】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0071】
また、コンピュータに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、サーバ30、または制御装置20が有する構成と同等の機能を発揮させるための1以上のプログラムも作成可能であり、当該1以上のプログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。
【符号の説明】
【0072】
10:受取人端末、2:宅配ボックス、20:制御装置、210:通信部、220:制御部、230:記憶部、22:施錠装置、30:サーバ、310:通信部、320:制御部、330:記憶部、32:ネットワーク、40:配達員端末、50:オーナー端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6