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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004117
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】スマートフォン用除菌器
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20230110BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20230110BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20230110BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/20 100
A61L101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105625
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】502333725
【氏名又は名称】太洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 丈太郎
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA26
4C058AA30
4C058BB06
4C058BB07
4C058BB09
4C058CC02
4C058CC08
4C058EE26
4C058JJ14
4C058JJ22
4C058JJ26
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】スマートフォンを除菌等することができるスマートフォン用除菌器を提供すること
【構成】 一面が開口するケース本体11と、そのケース本体に対しスライド移動して収納可能な引き出し部12と、ケース本体内の上方所定位置に取付けた下方に向けて紫外線を出射する第1紫外線照射ユニット13と、ケース本体の内底面側に取り付けた上方に向けて紫外線を出射する第2紫外線照射ユニット14と、引き出し部内に着脱自在に装着するスマホ台15を備える。スマホ台は、紫外線を透過する部材で構成し、スマホ台に置かれたスマートフォン1の上下の両表面は、第1紫外線照射ユニット並びに第2紫外線照射ユニットの各出射部から適宜の距離がおかれ、両表面に適切に紫外線が照射され、広範囲に除菌等される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口するケース本体と、
そのケース本体に対しスライド移動して収納可能な引き出し部と、
前記引き出し部内に着脱自在に装着するスマホ台を備え、
前記ケース本体内の上方所定位置に取り付けた下方に向けて紫外線を出射する第1紫外線照射ユニットと、
前記ケース本体の内底面側に取り付けた上方に向けて紫外線を出射する第2紫外線照射ユニットと、を備え、
前記スマホ台は、紫外線を透過する材質で形成され、
前記スマホ台は、その上面にスマートフォンを支持する部位を有し、
前記部位は、前記スマホ台を前記引き出し部にセットするとともに、その引き出し部を前記ケース本体内に収納した状態で、前記第2紫外線照射ユニットにおける紫外線の照射位置から所定距離離れ、
前記スマホ台の上にせた前記スマートフォンの上面と前記第1紫外線照射ユニットにおける紫外線の照射位置との間に所定の空間が確保されるように構成したスマートフォン用除菌器。
【請求項2】
前記スマホ台には、前記第2紫外線照射ユニットから出射された前記紫外線が通過するための貫通孔を有するようにした請求項1に記載のスマートフォン用除菌器。
【請求項3】
前記スマホ台の上面の中央を含む領域には、外周囲より一段低い凹部を備え、
その凹部の底面がサイズの小さいスマートフォン用の前記部位とし、前記外周囲がサイズの大きいスマートフォン用の前記部位とした請求項1または2に記載のスマートフォン用除菌器。
【請求項4】
前記スマホ台の高さは、前記第1紫外線照射ユニットから出射された紫外線と、前記第2紫外線照射ユニットから出射された紫外線が、前記スマホ台においた前記スマートフォンの上面及び下面の広範囲に照射されるようにする請求項1から3のいずれか1項に記載のスマートフォン用除菌器。
【請求項5】
前記第1紫外線照射ユニットと前記第2紫外線照射ユニットのいずれか一方は、オゾンを発生させる機能を備える請求項1から4のいずれか1項に記載のスマートフォン用除菌器。
【請求項6】
前記第1紫外線照射ユニットと前記第2紫外線照射ユニットは、同じ波長の紫外線を出射するものである請求項1から5のいずれか1項に記載のスマートフォン用除菌器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン用除菌器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンの普及率は拡大し、また、一日における使用率も拡大している。スマートフォンは、使用時に画面を指等でタッチすることから、使用に伴い画面に指紋等が付着し、汚れる。そこで、適宜のタイミングでクリーニングクロス等を用いて表面を拭くことで指紋等を除去することが行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、スマートフォンの表面には、色々な細菌やウイルスが付着していることが報告されている。また、コロナ禍でアルコール消毒等を定期的に行うことが習慣化され、アルコール液を噴霧し、またアルコール性のウエットティッシュなどを用いて、手指を直接消毒したり、日用品の表面を拭いて除菌などしたりすることが行われる。
【0004】
そこで、スマートフォンの表面も、習慣化された日用品の清掃のついでに、或いはスマートフォンの表面の除菌を目的器として例えばアルコール液が浸潤されたウエットティッシュを用いて拭くことができるとよいが、モニター画面をアルコールで拭くと画面のコーティングを劣化させる原因となるため好ましくない。また、スマートフォンのモニター画面に液晶保護フィルムなどを貼っている場合やコーティングをしている場合は、アルコール液を用いた除菌を行っても液晶画面の劣化は生じないものの、液晶保護フィルムやコーティングの劣化を招き、それらの交換サイクルが短くなる。よって、そのような事態を生じることなく、スマートフォンの表面の除菌を行いたいという要求がある。
【0005】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のスマートフォン用除菌器は、(1)一面が開口するケース本体と、そのケース本体に対しスライド移動して収納可能な引き出し部と、前記引き出し部内に着脱自在に装着するスマホ台を備え、前記ケース本体内の上方所定位置に取り付けた下方に向けて紫外線を出射する第1紫外線照射ユニットと、前記ケース本体の内底面側に取り付けた上方に向けて紫外線を出射する第2紫外線照射ユニットと、を備え、前記スマホ台は、紫外線を透過する材質で形成され、前記スマホ台は、その上面にスマートフォンを支持する部位を有し、前記部位は、前記スマホ台を前記引き出し部にセットするとともに、その引き出し部を前記ケース本体内に収納した状態で、前記第2紫外線照射ユニットにおける紫外線の照射位置から所定距離離れ、前記スマホ台の上にせた前記スマートフォンの上面と前記第1紫外線照射ユニットにおける紫外線の照射位置との間に所定の空間が確保されるように構成する。
【0007】
スマホ台の上面に、スマートフォンを上下任意の向きでおき、その状態で引き出し式の引き出し部を押し込んでケース本体に収納する。すると、スマートフォンの上面が第1紫外線照射ユニットに対向する。これにより、スマホ台にセットされたスマートフォンの上面側の表面に対して第1紫外線照射ユニットから出射された紫外線が照射され、除菌・殺菌等が行われる。
【0008】
また、スマホ台に置かれたスマートフォンの下面側の表面は、スマホ台に対向し、引き出し部をケース本体内に収納した状態では、スマホ台の下方に第2紫外線照射ユニットに対向する。そして、スマホ台は紫外線を透過する部材で形成されているため、第2紫外線照射ユニットから出射された紫外線がスマホ台を透過してスマートフォンの下面側の表面に照射され、除菌・殺菌等が行われる。このように、アルコールなど使用することになくスマートフォンの両面が同時に除菌等できる。
【0009】
(2)前記スマホ台には、前記第2紫外線照射ユニットから出射された前記紫外線が通過するための貫通孔を有するように構成するとよい。このようにすると、第2紫外線照射ユニットから出射された紫外線の一部は、貫通孔を通過して直接スマートフォンに照射されて除菌等できる。さらに、貫通孔が空いていると、紫外線がよく通る感じがしてユーザに安心を与える。
【0010】
(3)前記スマホ台の上面の中央を含む領域には、外周囲より一段低い凹部を備え、その凹部の底面がサイズの小さいスマートフォン用の前記部位とし、前記外周囲がサイズの大きいスマートフォン用の前記部位とするとよい。このようにすると、小さいサイズのスマートフォンが、位置決めされて横ずれを可及的に抑制しつつ除菌等できる。
【0011】
(4)前記スマホ台の高さは、前記第1紫外線照射ユニットから出射された紫外線と、前記第2紫外線照射ユニットから出射された紫外線が、前記スマホ台においた前記スマートフォンの上面及び下面の広範囲に照射されるようにするとよい。このようにすると、スマートフォンの表面全体を効率よく除菌等できる。
【0012】
(5)前記第1紫外線照射ユニットと前記第2紫外線照射ユニットのいずれか一方は、オゾンを発生させる機能を備えるとよい
【0013】
(6)前記第1紫外線照射ユニットと前記第2紫外線照射ユニットは、同じ波長の紫外線を出射するものとするとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アルコール消毒することなく、スマートフォンのモニター画面を有する表面と、その反対側の表面のいずれも除菌等することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るスマートフォン用除菌器の好適な一実施形態を示す斜視図である。
図2】その分解斜視図である。
図3】(a)はその平面図、(b)は(a)図中のb-b線矢視断面図、(c)は(a)図中のc-c線矢視断面図である。
図4】(a)は引き出し部の斜視図(その1)、(b)はその斜視図(その2)、(c)はその平面図、(d)は(c)図中のd-d線矢視断面図である。
図5】スマートフォン台を示す図である。
図6】(a)はスマホ台にスマートフォンをセットした状態を示す平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0017】
図1から図6は、本発明に係るスマートフォン用除菌器の好適な一実施形態を示している。本実施形態のスマートフォン用除菌器は、略矩形状で一面が開口するケース本体11と、そのケース本体11の開口部11aからケース本体11内に着脱自在に装着可能な引き出し部12と、ケース本体11の内面の所定位置に取付けた第1紫外線照射ユニット13及び第2紫外線照射ユニット14を備え、引き出し部12内に着脱自在に装着するスマホ台15等を備える。
【0018】
ケース本体11は、上下で2分割された第1ケース21と第2ケース22とを突き合わせることで構成される。上側に位置する第1ケース21は、下面と、一方の短辺側の側面が開口した中空の矩形箱状からなる。下側に位置する第2ケース22は、上面と、一方の短辺側の側面が開口した中空の矩形箱状からなる。そして、第1ケース21と第2ケース22は、上下の開口した端面同士を突き合わせた状態で、ねじ等で固定し、一方の短辺側の側面に開口部11aを有する中空のケース本体11が形成される。
【0019】
引き出し部12は、上部開口したトレー状の略矩形箱体からなり、長手方向の両端すなわち短辺側の一方の面が前面12aとなり、他方の面が奥面12bとなる。この引き出し部12は、その奥面12bをケース本体11の開口部11a内に挿入し、そのまま奥に押し込むことで、引き出し部12はケース本体11内に収納される。また、このように奥まで押し込んで引き出し部12を収納した際には、引き出し部12の前面12aが、ケース本体11の開口部11a内に入り込み、開口部11aを閉塞する。
【0020】
第1ケース21の内周面の天面21aの所定位置に、第1紫外線照射ユニット13を取り付ける。第1紫外線照射ユニット13は、扁平矩形状の基板25の一方の第1面25aに、操作ボタン26や、報知LED27等を配置し、反対側の第2面25bに第1紫外線発光部29を配置し、それら第1面25aと第2面25bの一方或いは両方に、報知LED27や第1紫外線発光部29の発光を制御する制御回路や電源回路などの所定の回路を設ける。
【0021】
報知LED27は、発光色や点滅状態を変えることで、スマートフォン用除菌器の動作状態等を報知するもので、本形態では複数(例えば3個)を一直線上に等ピッチで配置する。この報知LED27の発光の制御は、例えば、3個の内の1個(この例では、開口部11a側)を第1紫外線発光部29の発光状態を報知するLEDに割り当て、例えば第1紫外線発光部29の点灯/消灯に応じて発光色を変えたり、例えば第1紫外線発光部29が点灯しているときは報知LED27も点灯させ、第1紫外線発光部29が消灯しているときは報知LED27も消灯するようにしたりするとよい。また、3つの報知LED27の残りの2つは、例えば、後述する乾燥用のファン28の動作状況(例えばON/OFF)や、充電状態を示すようにするとよい。また、これらに限ることなく例えばスマートフォン用除菌器に実装される装置・機器等の動作状況等を示すものに用いるとよい。
【0022】
一方、ケース本体11の内周面の下方、すなわち第2ケース22の内底面に、第2紫外線照射ユニット14を設ける。第2紫外線照射ユニット14は、第1紫外線照射ユニット13と同様に、基板41の一方の面に第2紫外線発光部42を長手方向に沿って所定の距離を置いて2箇所に設ける。この2つの第2紫外線発光部42の設置位置は、第1紫外線発光部29の設置位置に対向する位置としている。さらにこの第2紫外線発光部42は、第1紫外線発光部29と同様に所定波長の紫外線を出射するもので、同じ定格の紫外線LEDを用いるとよい。これにより同じ波長の紫外線を出射する。この第2紫外線照射ユニット14を駆動するための電源電圧は、例えば、第1紫外線照射ユニット13と同様に内臓バッテリーから受けるとよい。
【0023】
3つの報知LED27の延長線上に操作ボタン26を配置する。操作ボタン26は、例えばプッシュ式のボタンスイッチである。この操作ボタン26は、例えば電源スイッチとして機能し、電源オンに伴いスマートフォン用除菌器が動作開始する。例えば、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42の点灯を制御する制御回路は、例えば、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が消灯時にこの操作ボタン26を押下すると第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が発光し、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が発光時にこの操作ボタン26を押下すると第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が消灯する。
【0024】
また、このように操作ボタン26を押下する毎に、点灯状態と消灯状態とを繰り返すのでは無く、例えば、操作ボタン26を短押しした場合に第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が発光し、操作ボタン26を長押しした場合に第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が消灯するように制御するとよい。このようにするとユーザが、操作ボタン26を2度押ししたり、動作中に誤って操作ボタン26を押したりしたとしても、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が消灯せず発光を継続できるのでよい。そして、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42の発光中に、意図的に消灯したい場合には、ユーザは意識して長押しすることでOFFにできる。
【0025】
また、本実施形態では、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42は、操作ボタン26の操作に基づき一体にON/OFFするようにしたが、それぞれを独立して別々にON/OFFするようにしてもよい。但し、本実施形態のように両者を一体にON/OFFするように構成すると、一方の紫外線発光部の点灯し忘れにより片側が未照射の事態の発生を可及的に抑制できるのでよい。
【0026】
さらに、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42を点灯した後、所定時間経過すると消灯する機能を備えるとよい。所定時間は、例えばスマートフォンに対して除菌或いは殺菌等するのに十分な時間とするとよい。このようにすると、スマートフォンの除菌等が終了しても継続して点灯し、内蔵バッテリーの電池容量が無駄に消費されるのを抑制できるのでよい。
【0027】
さらにまた、報知LED27の制御回路は、バッテリーの残容量に応じて報知LED27の点灯状態を異ならせるとよく、例えば、発光色や点滅の有無、点滅時間などを変えるようにしてもよい。なお、複数の報知LED27を用いてバッテリーの残容量を報知する場合、残容量に応じて報知LED27の数を増減するとよい。また、充電中の場合には、それを知らせるために適宜のパターンで点灯し、現在のバッテリー容量がわかるように点灯させるとよい。
【0028】
上述したように、第1紫外線照射ユニット13は、第1ケース21の内周面の天面21aに固定するが、このとき第1紫外線照射ユニット13の基板25の第1面25aを天面21aに対向するように装着し、操作ボタン26並び報知LED27に対向する天面21aの部位には貫通孔21bを設け、操作ボタン26並び報知LED27が外部に露出するように構成する。
【0029】
一方、第1紫外線発光部29は、基板25の第2面25bに対し、1個或いは複数個を所定パターンで配置する。第1紫外線発光部29は、除菌や殺菌ができる紫外線を発光するランプやLED等からなり、例えば、100~280nmのUV-Cの波長領域の発光体を用いると良く、本実施形態では、260nmの紫外線LEDを用いた。この第1紫外線発光部29から出射された紫外線の照射領域は、ケース本体11の内部空間のほぼ全域に行き渡るように、設置位置・配置パターンを設定するとよい。本形態では、長手方向に沿って所定の間隔をおいて2箇所に配置する。なお、1箇所に配置するLEDの個数は任意である。
【0030】
また、第1ケース21の長辺側の一方の側面21cには、充電用の電源供給口30を備え、この電源供給口30の裏面側にUSB雌型コネクタを配置する。そしてこのUSB雌型コネクタは、充電回路を介して内蔵するバッテリーに接続する。この電源供給口30に配置したUSB雌型コネクタに所定の充電ケーブルの雄型コネクタを装着することで、バッテリーを充電可能とする。
【0031】
また、第1ケース21の長辺側の一方の側面21cには、通気口部21dを設け、その通気口部21dを設けたケース内面側に、乾燥用のファン28を備える。このファン28が動作すると、ケース本体11の内部空間の空気を外部に放出する。後述するように内部にスマートフォンをセットした際、当該スマートフォンの乾燥を図る。また、このファン28の動作は、例えば第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42の動作と連動し、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が点灯しているときはファン28も動作し、消灯するとファン28も停止するようにするとよい。このようにすると、ファン28用の独立したスイッチが不要となり、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42が発光して除菌・殺菌処理中は、ファン28も動作して乾燥を図ることができる。
【0032】
ケース本体11内に収納される引き出し部12の横幅は、ケース本体11の内部空間の横幅よりも所定長さ短くし、引き出し部12の側面12cの外側と、ケース本体11の側面(第1ケース21の側面21c)の内側との間には、所定の空間が確保される。そして、引き出し部12をケース本体11内に収納し、ロック状態になった際には、この空間内にファン28等が入り込み収まる。引き出し部12をケース本体11内に収納し、除菌処理等をする際に、引き出し部12の内部空間内の空気は、ケース本体11の内周面との間に形成される隙間を介して外部に排気し、スマートフォン1の乾燥を効率よくはかることができる。また、引き出し部12の側面12cの所定位置に開口部を設け、その開口部を介して引き出し部12内の空気を外部に排気するようにしてもよい。開口部を設ける場合、その設置位置は、引き出し部12を収納した際に、ファン28に対向する位置とするとよい。
【0033】
第2ケース22の内底面22aには、長手方向に沿って延びる2本のレール部23を備える。2本のレール部23の高さは等しくし、そのレール部23の上に引き出し部12が載るように構成される。すなわち、引き出し部12は、レール部23に支えられた状態でケース本体11内を移動する。引き出し部12と、第2ケース22の内底面との接触抵抗を減らし、小さい力で引き出し部12をケース本体11内に挿入セットしたり、引き出したりすることができる。また、第2ケース22の内底面22aと、引き出し部12の下面との間には、レール部23の高さ分だけ空間が空く。
【0034】
第2ケース22の内周側の奥面22bには係止突起部24を設ける。一方、引き出し部12の奥面12bの、係止突起部24に対向する位置には、ロック機構部20が設けられる。ロック機構部20は、係止突起部24と連結・離脱可能な機構であり、引き出し部12の挿入に伴いロック機構部20が係止突起部24に接触し、その状態のままさらに押し込むと係止突起部24に連結し、ロックされる。ロック機構部20は、スプリングが内蔵されていて、引き出し部12を押し込んで係止突起部24と連結した状態で当該引き出し部12を少し前方に押し返す。このロック状態では、引き出し部12は、係る押し返された状態でケース本体11内に留まる。そして、このロック状態にある引き出し部12は、その前面12aが開口部11aを閉塞した状態を保持する。一方、ロック状態のときに前面12aをケース本体11内に押すと、スプリングの弾性変形により引き出し部12は所定量だけ押し込まれ、ロック機構部20の係止突起部24のロックが解除され、その後は、そのまま引き出し部12を手前側に移動することで、ケース本体11の外部に突出させ、さらには引き出し部12の全体をケース本体11の外に取り出すことができるように構成する。
【0035】
上述した第2紫外線照射ユニット14は、第2紫外線発光部42を設けた面を上にした状態で一対のレール部23に挟まれた領域に設置する。この一対のレール部23に挟まれた領域は、そのレール部23の高さ分だけ空間が確保されており、その空間内に第2紫外線照射ユニット14が配置されることで、引き出し部12は、第2紫外線照射ユニット14に干渉することなく往復移動できる。
【0036】
スマホ台15は、略偏平な矩形状からなり平面視の外周縁の寸法形状は、引き出し部12の内周面の底面と略同一か小さくする。本形態では、若干小さくしている。またスマホ台15は、略矩形状の台座部15aと、その台座部15aの外周縁に下方に向けて伸びる周壁部15bを備える。そして、スマホ台15は、両方の短辺の中央にはそれぞれ凹状切り欠き部15cが形成されている。この凹状切り欠き部15cは、スマホ台15を引き出し部12にセットした際に、ロック機構部20の凸部に干渉しないレイアウトにしている。さらに台座部15aの上面には、一回り小さい矩形状の底浅の凹部15dを備える。よって、台座部15aの上面は、その多くの領域が凹部15dの部位となり、その凹部15dの周縁の外側に一段高くなった部位が存在する外形状となる。凹部15dの平面視の寸法形状は、例えば比較的小さいサイズのスマートフォンの外形寸法と等しいかやや大きくするとよい。このようにすると、係る比較的小さいサイズのスマートフォンは、凹部15d内に収まり、概略位置決めがされる。一方、それよりも大きいサイズのスマートフォン1は、凹部15dより一段高くなった部位で支持される。また、この一段高くなった部位には、両方の短辺近くに突部15eが設けられており、台座部15aの上面の一段高くなった部位で支持されるスマートフォン1の移動が抑制されるようにしている。また、凹部15dには、短手方向の中心をとおる線上に、所定の間隔をおいて2個の貫通孔34を形成する。
【0037】
そして、引き出し部12の内底面12fには、引き出し部12を押し込んでケース本体11内に収納した状態で、第2紫外線発光部42に対向する部位に、上下に貫通する貫通孔35を形成する。同様に、引き出し部12内にスマホ台15を装着した状態で、スマホ台15の引き出し部12に設けた貫通孔35に対向する位置に、貫通孔34をそれぞれ形成する。
【0038】
また、スマホ台15は、紫外線を透過する材料で構成する。例えば、透明な部材、例えばアクリル板などを用いて形成するとよい。よって、第2紫外線発光部42から出射した紫外線は、貫通孔34を通過するものはそのままスマホ台15の上方に至る。また、貫通孔34の周囲等のスマホ台15の部材が存在する部位に照射された紫外線は、スマホ台15の内部を透過してスマホ台15の上方に至る。
【0039】
実際の使用に際しては、例えば図1(a)に示すように、スマホ台15の台座部15aを上にした状態で当該スマホ台15を引き出し部12に装着する。その状態で、スマートフォン1をスマホ台15の台座部15a上にセットし、そのまま引き出し部12をケース本体11内に収納する。
【0040】
すると、図3に示すように、スマートフォン1の一方の面、例えば画面を有する表面側が第1紫外線発光部29に対向する。このときの第1紫外線発光部29の照射領域は、図3中二点鎖線で示すように放射状に広がるように進み、スマホ台15にセットされたスマートフォン1の表面に対してもその全域に対して第1紫外線発光部29から出射された紫外線が照射され、除菌・殺菌等が行われるように構成する。すなわち、スマートフォン1の標準的な厚さを考慮し、スマホ台15の台座部15a上にスマートフォン1を置いた状態のスマートフォン1の表面のおおよその全域に第1紫外線発光部29からの紫外線が照射されるように、ケース本体11の内部の高さ、スマホ台15の高さ等の寸法を決定している。
【0041】
そして、第2紫外線発光部42から出射された紫外線は、スマホ台15の貫通孔34内を通過し、スマートフォン1の内面の所定領域に照射される。よってその照射された部位は、第1実施形態と同様の作用で除菌等される。そして、本実施形態では、スマホ台15の上方とスマートフォン1の間に空間が形成されているため、紫外線が照射される範囲は貫通孔34よりも広い。さらに本実施形態では、スマホ台15を、紫外線を透過する部材で形成したため、スマートフォン1の内面側もその全体に紫外線が照射される。よって、スマホ台15を透過する際に紫外線の一部が吸収されたとしても、吸収されずに透過された多くの紫外線により一定の除菌・殺菌効果が発揮する。
【0042】
さらに本実施形態では、スマホ台15の高さを、図3中二点鎖線で示すように、放射状に広がる第2紫外線発光部42から出射された紫外線が、スマホ台15にセットされたスマートフォン1の他方の面、例えば画面を有さない裏面のほぼ全域に対して照射され、除菌・殺菌等が行われるように構成する。
【0043】
また、スマホ台15を、紫外線が透過する部材で形成することで、例えば貫通孔34の径が小さくするなど、紫外線が直接通過する開口部の面積を小さくしてもスマートフォン1の裏面側の全体に紫外線を照射でき、除菌・殺菌等を行うことができる。そして、スマホ台15の強度を強くすることができ、例えば重量があるスマートフォンであっても、スマホ台15がしっかり支えることができる。
【0044】
このようにして、第1紫外線発光部29と第2紫外線発光部42の両方から出射される紫外線により、スマートフォン1の両面が一度に紫外線が照射され、除菌・殺菌灯が行われる。そして、所定時間点灯して紫外線を照射し、除菌処理が行われたならば、引き出し部12をケース本体11から取り出し、スマートフォン1を露出させる。ユーザは、例えば引き出し部12の手前側に位置するスマホ台15の凹状切り欠き部15cに指を入れることで、スマートフォン1を容易に持ち上げ、引き出し部12から取り出すことができる。
【0045】
上述した実施形態では、第2紫外線発光部42は、第1紫外線発光部29と同じ定格のものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、165nmの波長の紫外線を用いることで、オゾンを発生させることができる。このオゾンを利用することで、スマートフォン1に対する消臭等することができるのでよい。或いは、それとは逆に第1紫外線発光部29から出射する紫外線にオゾンを発生するようにしてもよい。また、そのように置き換えるのではなく、例えば上述した実施形態の第1紫外線発光部29及び第2紫外線発光部42に加えて、例えば中間位置など適宜な箇所にオゾンを発生用の紫外線発光用のLEDを設置するとよい。
【0046】
また、上述した各実施形態では、ファン28をケース本体11の側面に取り付けたが、例えばケース本体11の底面など各種の場所に取り付けるとよい。ファン28は、スマートフォン1を乾燥させるためのもので、特に、ユーザの呼吸などにともないスマートフォン1の内面の方が湿気ることがある。そこで、スマホ台15を上に凸の状態で、スマートフォン1の外面を上にした姿勢で除菌等した場合に、底面側にファン28を配置すると、効率よくスマートフォン1の内面側を乾燥させることができるのでよい。
【0047】
引き出し部12は、ケース本体11から取り外し離脱できるようにするとよい。このようにすると、引き出し部12の全体が外部に露出するので、スマートフォン1をケース本体11から取り外しやすくなるのでよい。
【0048】
また、上述したように、スマホ台15は、引き出し部12に対して着脱可能にしているため、例えば、スマートフォン以外の物品を置くために適した形状の台部材を用意し、スマホ台15に変えてその台部材をケース本体11に装着できるようにするとよい。この引き出し部12内に装着された台分材は、所定の物品を置いた状態で引き出し部12をケース本体11に収納すると、当該物品の全面に上下両側から紫外線が照射されるような寸法形状とすると良い。このようにすると、スマートフォン以外の物品に対しても除菌等することができる。
【0049】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0050】
1 :スマートフォン
11 :ケース本体
11a :開口部
12 :引き出し部
13 :第1紫外線照射ユニット
15 :スマホ台
21 :第1ケース
22 :第2ケース
26 :操作ボタン
27 :報知LED
28 :ファン
29 :第1紫外線発光部
34 :貫通孔
35 :貫通孔
40 :第2紫外線照射ユニット
42 :第2紫外線発光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6