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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041174
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20230316BHJP
   E01F 15/04 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
E04F11/18
E01F15/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148383
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000115360
【氏名又は名称】ヨシモトポール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122183
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】北村 仁司
(72)【発明者】
【氏名】大坂 将人
(72)【発明者】
【氏名】須賀 周平
【テーマコード(参考)】
2D101
2E301
【Fターム(参考)】
2D101EA02
2D101FA23
2D101FB12
2E301FF09
2E301HH01
2E301HH03
2E301HH09
2E301HH16
2E301JJ02
2E301KK08
2E301MM02
2E301MM08
(57)【要約】
【課題】支柱やブラケットと梁材とを複数の姿勢で取り付けることが可能な新たな取付構造を提供する。
【解決手段】取付構造16は、支柱又はブラケットに対して梁材を取り付ける取付構造であって、梁材を保持する保持部材18と、保持部材18を複数の姿勢で支持できるように構成されている支持部材20と、を備える。支持部材20は、保持部材18を介さずに支柱又はブラケットに対して複数の姿勢で固定できるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱又はブラケットに対して梁材を取り付ける取付構造であって、
梁材を保持する保持部材と、
前記保持部材を複数の姿勢で支持できるように構成されている支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記保持部材を介さずに支柱又はブラケットに対して複数の姿勢で固定できるように構成されていることを特徴とする取付構造。
【請求項2】
前記支持部材を挟んで前記保持部材が一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記保持部材及び前記支持部材は、外周の形状が共に円形であり、円筒状の前記梁材と直線状に連なることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付構造。
【請求項4】
前記保持部材、前記支持部材及び前記梁材は、前記支柱に対して交差しないように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項5】
前記保持部材及び前記支持部材は、鋳型で製造された鋳物部品であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項6】
前記保持部材は、
球状の凸部と、
一方の端面がすり鉢状に設けられており、該端面に前記凸部が設けられている円板部と、
前記円板部を挟んで前記凸部と反対側に設けられ、円筒状の前記梁材が外挿される半円筒部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項7】
前記支持部材は、相似形の2つの半円柱部品を嵌め合わせたものであり、
前記半円柱部品は、両端に前記凸部がはまる半球状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梁材を支柱に対して取り付ける取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩道や道路に防止柵を設ける際には、一端が地面に埋設された支柱に対して梁材を取り付ける部材が必要である。防止柵の設置は、平らである場所だけでなく傾斜地や階段といった勾配のある場所やカーブした道路にも行われるため、支柱と梁材とを取り付ける部材の姿勢は様々である。防止柵の設置形態によって異なる種類の部材を用意することも可能であるが、部品点数の増大や部品管理が煩雑になることでコストの増大を招くおそれがある。そこで、互いに姿勢が調整可能な複数の取付金具を用いて、支柱に対する梁材の取付角度を調整できる取付金具が考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-60174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、支柱やブラケットと梁材とを複数の姿勢で取り付けることが可能な新たな取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の取付構造は、支柱又はブラケットに対して梁材を取り付ける取付構造であって、梁材を保持する保持部材と、保持部材を複数の姿勢で支持できるように構成されている支持部材と、を備える。支持部材は、保持部材を介さずに支柱又はブラケットに対して複数の姿勢で固定できるように構成されている。
【0006】
この態様によると、支柱又はブラケットと梁材とを複数の姿勢で取り付けることができるので、防止柵や手摺りの姿勢にかかわらず同じ取付構造を用いて様々な場所に設置できる。
【0007】
支持部材を挟んで保持部材が一対設けられていてもよい。これにより、支柱やブラケットから両側に向かって梁材を設置できる。
【0008】
保持部材及び支持部材は、外周の形状が共に円形であり、円筒状の梁材と直線状に連なってもよい。これにより、梁材及び取付構造の断面形状がほぼ一定で表面の凹凸が少ない一体感のある意匠が実現できる。
【0009】
保持部材、支持部材及び梁材は、支柱に対して交差しないように配置されていてもよい。これにより、梁材を手摺りとして利用した場合に、手で手摺りを持ちながら移動しても手が支柱と干渉しにくくなる。
【0010】
保持部材及び支持部材は、鋳型で製造された鋳物部品であってもよい。これにより、錆びにくく複雑な形状の部材を低コストで実現できる。
【0011】
保持部材は、球状の凸部と、一方の端面がすり鉢状に設けられており、該端面に凸部が設けられている円板部と、円板部を挟んで凸部と反対側に設けられ、円筒状の梁材が外挿される半円筒部と、を有してもよい。これにより、円筒状の梁材の一端が円板部で閉塞されるため、梁材の内部に水や塵といったものが入りにくくなる。
【0012】
支持部材は、相似形の2つの半円柱部品を嵌め合わせたものであり、半円柱部品は、両端に保持部材の凸部がはまる半球状の凹部が形成されていてもよい。これにより、保持部材が支持部材に対して様々な姿勢を取りやすくなる。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、支柱やブラケットと梁材とを複数の姿勢で取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。
図2】第1の実施の形態に係る取付構造が梁材を保持した状態を示す斜視図である。
図3図2に示す取付構造から保持部材の一部の部品の図示を省略した斜視図である。
図4図4(a)は、第1の半円柱部品の斜視図、図4(b)は、図4(a)とは異なる方向から見た第1の半円柱部品の斜視図である。
図5】第1の半円柱部品の上面図である。
図6】第2の半円柱部品の上面図である。
図7図7(a)は、本実施の形態に係る保持部材の側面図、図7(b)は、図7(a)に示す保持部材をA方向から見た図、図7(c)は、図7(a)に示す保持部材をB方向から見た図、図7(d)は、図7(a)に示す保持部材をC方向から見た図である。
図8図8(a)は、本実施の形態に係る端部金具の正面図、図8(b)は、図8(a)に示す端部金具のD-D断面図である。
図9】第2の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。
図10】第3の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。
図11】第4の実施の形態に係る手摺りの概略構成を示す正面図である。
図12図12(a)は、壁に固定するブラケットの側面図、図12(b)は、壁に固定するブラケットの正面図である。
図13】第5の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。本実施の形態に係る取付構造は、地面に固定する支柱や壁に固定するブラケットに対して梁材を取り付け、固定するためのものであり、例えば、道路や歩道の防止柵に利用できる。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。図1に示す防止柵10は、地面Gに一端が固定された複数の支柱12と、支柱と支柱との間に横向きに渡される複数の梁材14と、支柱12に対して梁材14を取り付ける複数の取付構造16と、を備える。
【0018】
図2は、第1の実施の形態に係る取付構造16が梁材14を保持した状態を示す斜視図である。図3は、図2に示す取付構造16から保持部材の一部の部品の図示を省略した斜視図である。取付構造16は、梁材14を保持する保持部材18と、保持部材18を複数の姿勢で支持できるように構成されている支持部材20と、を備える。支持部材20は、保持部材18を介さずに支柱12に対して複数の姿勢で固定できるように構成されている。本実施の形態に係る支持部材20は、実質的にほぼ同じ相似形状の一対の半円柱部品が嵌め合わされたものである。
【0019】
図4(a)は、第1の半円柱部品の斜視図、図4(b)は、図4(a)とは異なる方向から見た第1の半円柱部品の斜視図である。図5は、第1の半円柱部品の上面図である。図6は、第2の半円柱部品の上面図である。第1の半円柱部品20aと第2の半円柱部品20bは、互いを嵌め合わせて締結するためのボルト用の穴の形状が異なる点が主な相違であり、その他の形状はほぼ同じである。
【0020】
第1の半円柱部品20aは、胴部21の外周から中央に向かって貫通しているボルト孔22が形成されている。ボルト孔22は、ボルトの頭部が第1の半円柱部品20aから突出しないように、ボルトの頭部が収まる大きさの大径部22aと、ボルトのネジ部が通る小径部22bとを有する。小径部22bは、大径部22aより径が小さく、内周に雌ネジが形成されていても形成されていなくてもよい。
【0021】
第1の半円柱部品20aの胴部21の両側にはハーフドーム形状の接続部24が胴部21と一体的に設けられている。接続部24の内側には、後述の保持部材18の凸部がはまる半球状の凹部24aが形成されている。胴部21の、第2の半円柱部品20bと対向する側には、支持部材20の中心断面となる基準面25aと、基準面25aに対して突き出した凸面25bと、基準面25aに対して凹んでいる凹面25cと、凹面25cより更に凹んでいる凹面25dと、が形成されている。
【0022】
同様に、図6に示す第2の半円柱部品20bは、胴部26の外周から中央に向かって貫通しているボルト孔28が形成されている。ボルト孔28は、ボルトのネジ部が通る場所であり、内周に雌ネジが形成されていても形成されていなくてよい。ボルト孔28に雌ネジが形成されていない場合は、支柱12の一部に雌ネジが形成された孔を形成してもよい。
【0023】
第2の半円柱部品20bの胴部26の両側にはハーフドーム形状の接続部30が胴部26と一体的に設けられている。接続部30の内側には、後述の保持部材18の凸部がはまる半球状の凹部30aが形成されている。胴部26の、第1の半円柱部品20aと対向する側には、支持部材20の中心断面となる基準面32aと、基準面32aに対して突き出した凸面32bと、基準面32aに対して凹んでいる凹面32cと、凹面32cより更に凹んでいる凹面32dと、が形成されている。
【0024】
本実施の形態に係る支持部材20は、第1の半円柱部品20aと第2の半円柱部品20bとを組み合わせ際に、第1の半円柱部品20aの凸面25bが第2の半円柱部品20bの凹面32cに入り込み、第2の半円柱部品20bの凸面32bが第1の半円柱部品20aの凹面25cに入り込むことで、互いが所定の位置で一体化される。その結果、支持部材20は外周が円形の部材となる。また、支持部材20は、第1の半円柱部品20aの凹面25dと第2の半円柱部品20bの凹面32dとが対向することで、三角形状のスリット34が形成される(図2参照)。支持部材20は、支柱やブラケットの一部がスリット34に入り込むことで、支柱やブラケットに取り付けられる構成であってもよい。
【0025】
次に、保持部材について詳述する。図7(a)は、本実施の形態に係る保持部材の側面図、図7(b)は、図7(a)に示す保持部材をA方向から見た図、図7(c)は、図7(a)に示す保持部材をB方向から見た図、図7(d)は、図7(a)に示す保持部材をC方向から見た図である。
【0026】
図3図7に示すように、本実施の形態に係る保持部材18は、球状の凸部36と、一方の端面38aがすり鉢状に設けられており、その端面38aに凸部36が設けられている円板部38と、円板部38を挟んで凸部36と反対側に設けられ、円筒状の梁材14が外挿される半円筒部40と、を有している。半円筒部40には、梁材14と保持部材18とを互いに締結するためのネジが通るネジ穴42が形成されている。
【0027】
円板部38の外径と円筒状の梁材14の内径はほぼ同じであり、図2に示すように、保持部材18の円板部38と梁材14の端部とを合わせて互いにネジ止めすることで、円筒状の梁材14の一端が円板部38で閉塞されるため、梁材14の内部に水や塵といったものが入りにくくなる。
【0028】
保持部材18は、図3に示すように、球状の凸部36が第1の半円柱部品20aや第2の半円柱部品20bの凹部24aに填まることで、支持部材20に支持される。支持部材20の接続部24がドーム形状であり、保持部材18の端面38aがすり鉢状であることで、保持部材18は凸部36を中心として支持部材20に対して様々な姿勢を取ることができる。
【0029】
なお、本実施の形態に係る保持部材18及び支持部材20は、鋳型で製造された鋳物部品から構成されている。鋳物の材料としてはステンレスが挙げられる。これにより、錆びにくく複雑な形状の部材を低コストで実現できる。換言すれば、保持部材及び支持部材は、鋳型で製造できる形状が好ましい。また、このような保持部材18と支持部材20とを組み合わせた取付構造16は、支持部材20に対して保持部材18の姿勢をある程度自由に変化させることができ、支柱12と梁材14とを複数の姿勢で取り付けることができる。その結果、防止柵や手摺りの姿勢にかかわらず同じ取付構造を用いて様々な場所に設置できる。
【0030】
例えば、図1に示す防止柵10では、支柱12に対して梁材14を取り付ける取付構造16を6つ用いている。図1の中央や右側の支柱と梁材14とを取り付ける取付構造16は、支持部材20を挟んで保持部材18が一対設けられており、支柱12から両側に向かって梁材14を設置できる。
【0031】
一方、図1の一番左側の支柱12と梁材14とを取り付ける取付構造16は、梁材14が片側にしかないため、支持部材20が支持する保持部材18は一つでよい。しかしながら、支持部材20の一方の接続部24に保持部材18を設けない場合、凹部24aが露出してしまうため、意匠的な観点で改善の余地がある。そこで、保持部材18の代わりに支持部材20の接続部24に装着する端部金具を考案した。
【0032】
図8(a)は、本実施の形態に係る端部金具44の正面図、図8(b)は、図8(a)に示す端部金具のD-D断面図である。端部金具44は、外形が円筒状の部材であり、底面44aに半球状の凸部44bが設けられている。凸部44bは、支持部材20の凹部24aに填まる形状であり、端部金具44を支持部材20に装着することで、支持部材20の凹部24aが露出することを防止できる。
【0033】
また、端部金具44、支持部材20、保持部材18といった複数の部材の外周の形状は共に円形であり、円筒状の梁材14と直線状に連なっている。これにより、梁材14及び取付構造16の断面形状がほぼ一定で表面の凹凸が少ない一体感のある意匠が実現できる。また、本実施の形態に係る保持部材18、支持部材20及び梁材14は、支柱12に対して交差しないように、支柱12より手前側(あるいは奥側)に配置されている。これにより、梁材14を手摺りとして利用した場合に、手で手摺りを持ちながら移動しても手が支柱12と干渉しにくくなる。
【0034】
次に、設置場所の相違による取付構造の姿勢の変化について以下の各実施の形態で説明する。
【0035】
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。図2に示す防止柵10は、階段Sに一端が固定された複数の支柱12と、支柱と支柱との間に横向きに渡される複数の梁材14と、支柱12に対して梁材14を取り付ける複数の取付構造52と、を備える。第2の実施の形態に係る取付構造52は、第1の実施の形態の取付構造16と同じ構成であり、支柱12に対する取付姿勢のみが異なる。つまり、階段Sに沿って梁材14を設けるために、取付構造52を支柱12に取り付ける際に支持部材20の姿勢を斜めにしてボルト等で固定する。これにより、図1の防止柵10であっても図9の防止柵50であっても、同じ取付構造を利用できる。
【0036】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す正面図である。図10に示す防止柵54は、地面Gに一端が固定された複数の支柱12と、階段Sに一端が固定された複数の支柱12と、支柱と支柱との間に横向きに渡される複数の梁材14と、支柱12に対して梁材14を取り付ける複数の取付構造16,52,56と、を備える。取付構造16,52,56は、それぞれ構成は同じであり、支柱に対して取り付ける際の姿勢が異なるだけである。
【0037】
前述の取付構造16で説明したように、支持部材20は、両側の保持部材18をそれぞれ異なる姿勢で支持できる。そこで、本実施の形態に係る取付構造56は、一方の保持部材18は、梁材14を地面Gに対して平行に保持し、他方の保持部材18は、梁材14を階段Sの斜面に対して平行に保持している。このように、梁材14が途中で傾斜するような防止柵であっても、一種類の取付構造を用いて支柱に対して梁材を取り付けることができる。
【0038】
(第4の実施の形態)
図11は、第4の実施の形態に係る手摺りの概略構成を示す正面図である。図12(a)は、壁に固定するブラケットの側面図、図12(b)は、壁に固定するブラケットの正面図である。
【0039】
図11に示す手摺り58は、壁Wに固定された複数のブラケット60と、ブラケットとブラケットとの間に横向きに渡される複数の梁材14と、ブラケット60に対して梁材14を取り付ける複数の取付構造52と、を備える。ブラケット60は、壁Wにネジ止めするためのネジが通る複数のネジ穴62が形成された平板部64と、平板部64から突き出すように設けられたフック66と、を有する。フック66の先端側にはボルト穴68が形成されている。
【0040】
フック66は、取付構造52の支持部材20の三角形状のスリット34に入り込み、ネジによって取付構造52に固定される。この際、フック66に対する取付構造52の姿勢を調整することで、ブラケット60と梁材14とを複数の姿勢で取り付けることができる。その結果、手摺り58の姿勢にかかわらず同じ取付構造を用いて様々な場所に手摺り58を設置できる。
【0041】
(第5の実施の形態)
図13は、第5の実施の形態に係る防止柵の概略構成を示す上面図である。図13に示す防止柵70は、カーブした道路と歩道の間の地面に一端が固定された複数の支柱12と、支柱と支柱との間に横向きに渡される複数の梁材14と、支柱12に対して梁材14を取り付ける複数の取付構造16,56と、を備える。取付構造16,56は、それぞれ構成は同じであり、支柱に対して取り付ける際の姿勢が異なるだけである。
【0042】
前述の取付構造56で説明したように、支持部材20は、両側の保持部材18をそれぞれ異なる姿勢で支持できる。そこで、本実施の形態に係る取付構造56は、一方の保持部材18は、梁材14を道路の形状(直線路や曲路)に沿った方向に保持し、他方の保持部材18も、梁材14を道路の形状に沿った方向に保持している。このように、複数の梁材14が道路形状に沿って途中で折れ曲がるように連なっている防止柵であっても、一種類の取付構造を用いて支柱に対して梁材を取り付けることができる。
【0043】
(取付構造の諸元)
上述の各実施の形態に係る取付構造は、梁材の長手方向に対して垂直な断面の直径が全体に亘って20~50mmの範囲である。また、支柱の直径は20~50mm、梁材の直径は20~50mmの範囲である。また、支持部材の接続部24の球状の凹部24aの直径は10~20mmの範囲であり、保持部材18の球状の凸部36の直径は10~20mmの範囲である。また、支持部材は、支柱やブラケットに対して0±α°(αは例えば20°以上40°以下の所定の値)回動可能な構成である。また、保持部材は、支持部材に対して0±β°(βは例えば10°以上30°以下の所定の値)回動可能な構成である。また、保持部材の支持部材に対する回動は水平方向と鉛直方向とを組み合わせた方向にも可能な構成である。
【0044】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0045】
10 防護柵、 12 支柱、 14 梁材、 16 取付構造、 18 保持部材、 20 支持部材、 20a 第1の半円柱部品、 20b 第2の半円柱部品、 21 胴部、 22 ボルト孔、 22a 大径部、 22b 小径部、 24 接続部、 24a 凹部、 25a 基準面、 25b 凸面、 25c,25d 凹面、 26 胴部、 28 ボルト孔、 30 接続部、 30a 凹部、 32a 基準面、 32b 凸面、 32c,32d 凹面、 34 スリット、 36 凸部、 38 円板部、 38a 端面、 40 半円筒部、 44 端部金具、 44b 凸部、 58 手摺り、 60 ブラケット、 64 平板部、 66 フック、 G 地面、 W 壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13