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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041230
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】発光装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/11 20210101AFI20230316BHJP
【FI】
H01S5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148471
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502350504
【氏名又は名称】学校法人上智学院
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】石沢 峻介
(72)【発明者】
【氏名】岸野 克巳
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AB52
5F173AB90
5F173AC03
5F173AC70
5F173AF12
5F173AH22
5F173AK22
5F173AP05
5F173AP09
5F173AP13
5F173AR23
5F173AR62
(57)【要約】
【課題】第2電極側に漏れて第2電極で吸収される光を低減しつつ、低抵抗化を図ることができる発光装置を提供する。
【解決手段】基板に設けられた積層体と、前記積層体の前記基板とは反対側に設けられた第1電極と、前記第1電極の前記基板とは反対側に設けられた第2電極と、を有し、前記積層体は、第1導電型の第1半導体層と、前記第1導電型と異なる第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を有し、前記第1半導体層は、前記基板と前記発光層との間に設けられ、前記第1電極は、複数の柱状部を構成し、前記第2電極は、前記複数の柱状部に接続され、前記第1電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である、発光装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設けられた積層体と、
前記積層体の前記基板とは反対側に設けられた第1電極と、
前記第1電極の前記基板とは反対側に設けられた第2電極と、
を有し、
前記積層体は、
第1導電型の第1半導体層と、
前記第1導電型と異なる第2導電型の第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基板と前記発光層との間に設けられ、
前記第1電極は、複数の柱状部を構成し、
前記第2電極は、前記複数の柱状部に接続され、
前記第1電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記積層体の積層方向と直交する方向における平均屈折率は、前記第1電極が設けられた部分の方が、前記第2半導体層が設けられた部分よりも低い、発光装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1半導体層、前記第2半導体層、および前記発光層は、前記複数の柱状部を構成する、発光装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記第2半導体層と前記第1電極との間に設けられ、前記発光層で発生した光を透過させる第1金属層を有し、
前記第1金属層の抵抗率は、前記第1電極の抵抗率よりも低い、発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記発光層で発生した光を透過させる第2金属層を有し、
前記第2金属層の抵抗率は、前記第2電極の抵抗率よりも低い、発光装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記第2電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である、発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第2電極の抵抗率は、前記第1電極の抵抗率よりも低い、発光装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光装置を有する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザーは、高輝度の次世代光源として期待されている。特に、ナノコラムを適用した半導体レーザーは、ナノコラムによるフォトニック結晶の効果によって、狭放射角で高出力の発光が実現できると期待されている。
【0003】
例えば特許文献1には、n型クラッド層を含む微細柱状結晶、活性層、およびp型クラッド層を含むp型半導体層からなるナノコラムと、p型半導体層に電気的に接続されたITOなどのp側電極と、を含む半導体発光素子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/023921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
p側電極と活性層との間の距離が小さいと、活性層で発生した光がp側電極側に漏れてp側電極で吸収され易い。p側電極と活性層との間の距離を大きくすることによってp側電極における光の吸収を低減することができるが、p型半導体層を厚くすることによってp側電極と活性層と間の距離を大きくすると、抵抗が高くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置の一態様は、
基板と、
前記基板に設けられた積層体と、
前記積層体の前記基板とは反対側に設けられた第1電極と、
前記第1電極の前記基板とは反対側に設けられた第2電極と、
を有し、
前記積層体は、
第1導電型の第1半導体層と、
前記第1導電型と異なる第2導電型の第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基板と前記発光層との間に設けられ、
前記第1電極は、複数の柱状部を構成し、
前記第2電極は、前記複数の柱状部に接続され、
前記第1電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。
【0007】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図2】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図3】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図4】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
図6】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図7】本実施形態の第5変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
図8】本実施形態の第5変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図9】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. 発光装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0011】
発光装置100は、図1に示すように、例えば、基板10と、積層体20と、第1電極40と、第2電極42と、第3電極44と、を有している。発光装置100は、例えば、半導体レーザーである。
【0012】
基板10は、例えば、Si基板、GaN基板、サファイア基板、SiC基板などである。
【0013】
積層体20は、基板10に設けられている。図示の例では、積層体20は、基板10上に設けられている。積層体20は、例えば、バッファー層22を有している。さらに、積層体20は、柱状部30を構成している。
【0014】
本明細書では、積層体20の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、発光層34を基準とした場合、発光層34から第2半導体層36に向かう方向を「上」とし、発光層34から第1半導体層32に向かう方向を「下」として説明する。また、積層方向と直交する方向を「面内方向」ともいう。また、「積層体20の積層方向」とは、柱状部30の第1半導体層32と発光層34との積層方向のことである。
【0015】
バッファー層22は、基板10上に設けられている。バッファー層22は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。バッファー層22上には、柱状部30を成長させるためのマスク層24が設けられている。マスク層24は、例えば、酸化シリコン層、チタン層、酸化チタン層、酸化アルミニウム層などである。
【0016】
柱状部30は、バッファー層22上に設けられている。柱状部30は、バッファー層22から上方に突出した柱状の形状を有している。言い換えれば、柱状部30は、バッファー層22を介して基板10から上方に突出している。柱状部30は、例えば、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部30の平面形状は、例えば、六角形などの多角形、円である。
【0017】
柱状部30の径は、例えば、50nm以上500nm以下である。柱状部30の径を500nm以下とすることによって、高品質な結晶の発光層34を得ることができ、かつ、発光層34に内在する歪を低減することができる。これにより、発光層34で発生する光
を高い効率で増幅することができる。
【0018】
なお、「柱状部の径」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、直径であり、柱状部30の平面形状が円ではない形状の場合は、最小包含円の直径である。例えば、柱状部30の径は、柱状部30の平面形状が多角形の場合、該多角形を内部に含む最小の円の直径であり、柱状部30の平面形状が楕円の場合、該楕円を内部に含む最小の円の直径である。
【0019】
柱状部30は、複数設けられている。隣り合う柱状部30の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の柱状部30は、積層方向からみて、所定の方向に所定のピッチで配列されている。複数の柱状部30は、例えば、三角格子状、正方格子状に配置されている。複数の柱状部30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0020】
なお、「柱状部のピッチ」とは、所定の方向に沿って隣り合う柱状部30の中心間の距離である。「柱状部の中心」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、該円の中心であり、柱状部30の平面形状が円ではない形状の場合は、最小包含円の中心である。例えば、柱状部30の中心は、柱状部30の平面形状が多角形の場合、該多角形を内部に含む最小の円の中心であり、柱状部30の平面形状が楕円の場合、該楕円を内部に含む最小の円の中心である。
【0021】
柱状部30は、第1半導体層32と、発光層34と、第2半導体層36と、第1電極40と、を有している。
【0022】
第1半導体層32は、バッファー層22上に設けられている。第1半導体層32は、基板10と発光層34との間に設けられている。第1半導体層32は、第1導電型の半導体層である。第1半導体層32は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。
【0023】
発光層34は、第1半導体層32と第2半導体層36との間に設けられている。発光層34は、電流が注入されることで光を発生させる。発光層34は、例えば、ウェル層と、バリア層と、を有している。ウェル層およびバリア層は、不純物が意図的にドープされていないi型の半導体層である。ウェル層は、例えば、InGaN層である。バリア層は、例えば、GaN層である。発光層34は、ウェル層とバリア層とから構成されたMQW(Multiple Quantum Well)構造を有している。
【0024】
なお、発光層34を構成するウェル層およびバリア層の数は、特に限定されない。例えば、ウェル層は、1層だけ設けられていてもよく、この場合、発光層34は、SQW(Single Quantum Well)構造を有している。
【0025】
第2半導体層36は、発光層34上に設けられている。第2半導体層36は、発光層34と第1電極40との間に設けられている。第2半導体層36は、第1導電型と異なる第2導電型の半導体層である。第2半導体層36は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層である。第1半導体層32および第2半導体層36は、発光層34に光を閉じ込める機能を有するクラッド層である。
【0026】
なお、図示はしないが、第1半導体層32と発光層34との間、および発光層34と第2半導体層36との間の少なくとも一方に、i型のInGaN層およびGaN層からなるOCL(Optical Confinement Layer)が設けられていてもよい。また、第2半導体層36は、p型のAlGaN層からなるEBL(Electron Blocking Layer)を有してもよい。
【0027】
発光装置100では、p型の第2半導体層36、不純物が意図的にドープされていないi型の発光層34、およびn型の第1半導体層32により、pinダイオードが構成される。発光装置100では、第2電極42と第3電極44との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層34に電流が注入されて発光層34において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層34で発生した光は、面内方向に伝搬し、複数の柱状部30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成して、発光層34で利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および-1次回折光をレーザー光として、積層方向に出射する。
【0028】
なお、図示はしないが、基板10とバッファー層22との間、または基板10の下に反射層が設けられていてもよい。該反射層は、例えば、DBR(Distributed Bragg Reflector)層である。該反射層によって、発光層34において発生した光を反射させることができ、発光装置100は、第2電極42側からのみ光を出射することができる。
【0029】
また、上記では、InGaN系の発光層34について説明したが、発光層34としては、出射される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能な様々な材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。
【0030】
1.2. 電極
第1電極40は、積層体20の基板10とは反対側に設けられている。図示の例では、第1電極40は、第2半導体層36上に設けられている。第1電極40は、第2半導体層36に接している。第1電極40は、第2半導体層36と第2電極42との間に設けられている。第1半導体層32、発光層34、第2半導体層36、および第1電極40は、複数の柱状部30を構成している。図示の例では、隣り合う柱状部30の間は、空隙である。
【0031】
第1電極40が設けられている部分の面内方向における平均屈折率は、第2半導体層36が設けられている部分の面内方向における平均屈折率よりも低い。ここで、第1電極40が設けられている部分の面内方向の平均屈折率nAVEは、下記式(1)として表される。
【0032】
【数1】
【0033】
ただし、式(1)において、εは、第1電極40を構成する材料の誘電率である。εは、隣り合う柱状部30の間の材料の誘電率であり、隣り合う柱状部30が空隙である場合、「1」である。φは、第1電極40が設けられている部分の面内方向における第1電極40の充填率(面内方向と平行な平面で発光装置100を切断した場合に、第1電極40の断面積S1と、空隙の断面積S2と、の比(S1/(S1+S2)))である。第2半導体層36が設けられている部分における面内方向の平均屈折率、および第2電極42が設けられている部分における面内方向の平均屈折率についても、式(1)と同様に求めることができる。
【0034】
第1電極40の屈折率は、例えば、第2半導体層36の屈折率よりも低い。第1電極40の抵抗率は、第2半導体層36の抵抗率よりも低い。第1電極40は、発光層34で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。第1電極40の材質は、例え
ば、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnOである。第1電極40の材質は、In、Ga、Zn、およびOからなるIGZOであってもよい。図示の例では、第1電極40の厚さは、発光層34の厚さよりも大きく、第2半導体層36の厚さよりも小さい。
【0035】
第2電極42は、第1電極40の基板10とは反対側に設けられている。図示の例では、第2電極42は、第1電極40上に設けられている。第2電極42は、複数の柱状部30に接続されている。第2電極42は、複数の柱状部30にわたって設けられている。図示の例では、第2電極42は、複数の柱状部30に接している。第2電極42は、面内方向に連続した連続膜の形状を有している。第2電極42が設けられた部分における面内方向の平均屈折率は、第1電極40が設けられた部分における面内方向の平均屈折率よりも高い。第2電極42は、発光層34で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。第2電極42の材質は、例えば、第1電極40と同じである。第1電極40および第2電極42は、発光層34に電流を注入するための一方の電極である。
【0036】
第3電極44は、バッファー層22上に設けられている。バッファー層22は、第3電極44とオーミックコンタクトしていてもよい。第3電極44は、第1半導体層32と電気的に接続されている。図示の例では、第3電極44は、バッファー層22を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第3電極44としては、例えば、バッファー層22側から、Cr層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。第3電極44は、発光層34に電流を注入するための他方の電極である。
【0037】
1.3. 作用効果
発光装置100は、積層体20の基板10とは反対側に設けられた第1電極40と、第1電極40の基板10とは反対側に設けられた第2電極42と、を有する。第1電極40は、複数の柱状部30を構成し、第2電極42は、複数の柱状部30に接続されている。そのため、発光装置100は、第1電極40が設けられていない場合に比べて、発光層34と第2電極42との距離を大きくすることができる。そのため、発光層34で発生した光が第2電極42側に漏れたとしても、第2電極42で吸収される光を低減することができる。さらに、仮に、第2電極42側に光が漏れたとしても、第1電極40は複数の柱状部30を構成しているため、第1電極が複数の柱状部を構成せず面内方向に連続した連続膜である場合に比べて、第1電極40における光の吸収を低減することができる。
【0038】
さらに、発光装置100では、第1電極40は、発光層34で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。そのため、発光装置100では、第1電極40が第2半導体層で構成されている場合に比べて、第1電極40の抵抗を小さくすることができる。
【0039】
したがって、発光装置100では、第2電極42側に漏れて第2電極42で吸収される光を低減しつつ、低抵抗化を図ることができる。第2電極42側に漏れて第2電極42で吸収される光を低減することによって、発振閾値を下げることができる。低抵抗化によって、発光装置100の動作電圧を下げ、低消費電力化を図ることができる。
【0040】
発光装置100では、図1に示すように、面内方向における平均屈折率は、第1電極40が設けられた部分の方が、第2半導体層36が設けられた部分よりも低い。そのため、発光装置100では、第2半導体層が設けられた部分の面内方向における平均屈折率が、第1電極が設けられた部分の面内方向に平均屈折率以上である場合に比べて、光閉じ込め係数を大きくすることができる。
【0041】
なお、図1では、積層方向の位置に対する、面内方向における平均屈折率および光強度を示すグラフを記載している。図1のグラフにおいて、破線は、第1電極が複数の柱状部
を構成せず面内方向に連続した連続膜である場合における平均屈折率および光強度を示している。
【0042】
発光装置100では、第1半導体層32、第2半導体層36、および発光層34は、複数の柱状部30を構成する。そのため、発光装置100では、第1半導体層、第2半導体層、および発光層が複数の柱状部を構成しない場合に比べて、高品質な結晶の発光層34を得ることができ、かつ、発光層34に内在する歪を低減することができる。
【0043】
発光装置100では、第2電極42は、発光層34で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。そのため、発光装置100では、第2電極42を透過して光を出射することができる。
【0044】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0045】
図2に示すように、基板10上に、バッファー層22をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0046】
次に、バッファー層22上に、マスク層24を形成する。マスク層24は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などによる成膜、およびパターニングによって形成される。パターニングは、例えば、電子線リソグラフィーおよびドライエッチングによって行われる。
【0047】
次に、マスク層24をマスクとしてバッファー層22上に、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。MBE法を用いる場合は、高周波プラズマ励起の窒素源を利用したRF-MBE法を用いてもよい。本工程により、積層体20を形成することができる。
【0048】
図1に示すように、第2半導体層36上に、第1電極40を形成する。第1電極40は、例えば、スパッタ法によって形成される。スパッタ法における温度や圧力、成膜速度を制御することにより、独立した柱状の形状を維持する第1電極40を形成することができる。本工程により、複数の柱状部30を形成することができる。
【0049】
次に、第1電極40上に第2電極42を形成する。第2電極42は、例えば、電子線蒸着法によって形成される。第2電極42を電子線蒸着法によって形成することにより、複数の柱状部30に接続される第2電極42を形成することができる。
【0050】
なお、第2電極42は、スパッタ法によって形成されてもよい。第2電極42をスパッタ法で形成する場合、当該スパッタ法の条件は、第1電極40を形成する工程におけるスパッタ法の条件と異なり、第2電極42が複数の柱状部30に接続されるような条件である。
【0051】
次に、バッファー層22上に、第3電極44を形成する。第3電極44は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法によって形成される。なお、第1電極40を形成する工程と、第3電極44を形成する工程と、の順序は、特に限定されない。また、第2電極42を形成する工程と、第3電極44を形成する工程と、の順序は、特に限定されない。
【0052】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0053】
3. 発光装置の変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200を模式的に示す断面図である。
【0054】
以下、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200において、上述した本実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に説明する本実施形態の第2~第5変形例について同様である。
【0055】
発光装置200では、図3に示すように、第1金属層50を有している点において、上述した発光装置100と異なる。
【0056】
第1金属層50は、第2半導体層36と第1電極40との間に設けられている。図示の例では、第1金属層50は、複数の柱状部30を構成している。第1金属層50は、発光層34で発生した光を透過させる。第1金属層50の厚さは、例えば、数十nm以下である。第1金属層50の厚さが数十nm以下であれば、第1金属層50は、発光層34で発生した光を透過させることができる。第2半導体層36は、第1金属層50とオーミックコンタクトしていてもよい。
【0057】
第1金属層50の抵抗率は、第1電極40の抵抗率および第2電極42の抵抗率よりも低い。第1金属層50としては、例えば、第2半導体層36側から、Ti層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。第2半導体層36と接するTi層を設けることにより、Ti層を設けない場合に比べて、第2半導体層36と第1金属層50との密着性を向上させることができる。第1金属層50は、例えば、電子線蒸着法などによって形成される。
【0058】
発光装置200では、第2半導体層36と第1電極40との間に設けられ、発光層34で発生した光を透過させる第1金属層50を有し、第1金属層50の抵抗率は、第1電極40の抵抗率よりも低い。そのため、発光装置200では、第1金属層の抵抗率が第1電極の抵抗率以上の場合に比べて、第1金属層50と第2半導体層36との接触抵抗を下げることができる。これにより、面内方向において、均一性の高い発光を得られることができる。
【0059】
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す断面図である。
【0060】
発光装置300では、図4に示すように、第2金属層52を有している点において、上述した発光装置100と異なる。
【0061】
第2金属層52は、第1電極40と第2電極42との間に設けられている。第2電極42は、第2金属層52を介して、複数の柱状部30に接続されている。第2金属層52は、発光層34で発生した光を透過させる。第2金属層52の厚さは、例えば、数十nm以下である。第2金属層52厚さが数十nm以下であれば、第2金属層52は、発光層34で発生した光を透過させることができる。
【0062】
第2金属層52の抵抗率は、第1電極40の抵抗率および第2電極42の抵抗率よりも低い。第2金属層52としては、例えば、第1電極40側から、Ti層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。第1電極40と接するTi層を設けることにより、Ti層を設けない場合に比べて、第1電極40と第2金属層52との密着性を向上させることができる。第2金属層52は、例えば、電子線蒸着法などによって形成される。
【0063】
発光装置300では、第1電極40と第2電極42との間に設けられ、発光層34で発生した光を透過させる第2金属層52を有し、第2金属層52の抵抗率は、第2電極42の抵抗率よりも低い。そのため、発光装置200では、第2金属層の抵抗率が第2電極の抵抗率以上の場合に比べて、第1電極40と第2金属層52との接触抵抗を下げることができる。これにより、面内方向において、均一性の高い発光を得られることができる。
【0064】
3.3. 第3変形例
次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置について説明する。
【0065】
上述した本実施形態に係る発光装置100では、第2電極42は、発光層34で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極であった。
【0066】
これに対し、本実施形態の第3変形例に係る発光装置(以下、単に「第3変形例に係る発光装置」ともいう)では、第2電極42は、金属からなる金属電極である。第2電極42の抵抗率は、第1電極40の抵抗率よりも低い。第2電極42としては、例えば、第1電極40側から、Ti層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。第1電極40と接するTi層を設けることにより、Ti層を設けない場合に比べて、第1電極40と第2電極42との密着性を向上させることができる。
【0067】
第2電極42は、発光層34で発生した光を透過させない。第3変形例に係る発光装置は、例えば、発光層34で発生した光を基板10側から出射させるフリップチップ型の発光装置である。第3変形例に係る発光装置では、基板10とバッファー層22との間、および基板10の下に、反射層は設けられていない。
【0068】
第3変形例に係る発光装置では、第2電極42の抵抗率は、第1電極40の抵抗率よりも低い。そのため、第3変形例に係る発光装置では、第2電極の抵抗率が第1電極の抵抗率以上の場合に比べて、第2電極42の抵抗を下げることができる。これにより、面内方向において、均一性の高い発光を得られることができる。
【0069】
3.4. 第4変形例
次に、本実施形態の第4変形例に係る発光装置400について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の第4変形例に係る発光装置400を模式的に示す平面図である。図6は、本実施形態の第4変形例に係る発光装置400を模式的に示す図5のVI
-VI線断面図である。なお、便宜上、図5では、発光装置400の柱状部集合体430およびスペーサー電極46以外の部材の図示を省略している。
【0070】
発光装置400は、図5および図6に示すように、複数の柱状部30が柱状部集合体430を構成している点において、上述した発光装置100と異なる。
【0071】
柱状部集合体430は、複数設けられている。柱状部集合体430は、図5に示すように、積層方向からみて、所定の方向に所定のピッチで配列されている。図示の例では、複数の柱状部30は、三角格子状に配置されている。1つの柱状部集合体430は、例えば、4つの柱状部30で構成されている。
【0072】
発光装置400では、複数の柱状部30によって柱状部集合体430を構成することにより、柱状部30の径が小さくても、フォトニック結晶効果を発現させるための周期構造のピッチを大きくすることができる。
【0073】
発光装置400では、図6に示すように、第1電極40と第2電極42との間に設けられたスペーサー電極46を有している。発光装置400では、第1電極40は、徐々に幅が大きくなる条件で成膜され、1つの柱状部集合体430を構成する複数の柱状部30にわたってスペーサー電極46が形成される。スペーサー電極46は、1つの柱状部集合体430に対して、1つ設けられている。スペーサー電極46は、複数の柱状部30に接している。スペーサー電極46は、第1電極40と同じ条件で形成された電極である。スペーサー電極46の材質は、第1電極40と同じである。第2電極42は、複数のスペーサー電極46にわたって設けられている。第2電極42は、スペーサー電極46を介して、複数の柱状部30に接続されている。第2電極42は、複数の柱状部集合体430において、共通の電極である。
【0074】
3.5. 第5変形例
次に、本実施形態の第5変形例に係る発光装置500について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第5変形例に係る発光装置500を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態の第5変形例に係る発光装置500を模式的に示す図7のVIII-VIII線断面図である。なお、便宜上、図7では、第2電極42の図示を省略している。
【0075】
上述した発光装置100では、図1に示すように、第1半導体層32、発光層34、第2半導体層36、および第1電極40は、複数の柱状部30を構成していた。
【0076】
これに対し、発光装置500では、図7および図8に示すように、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36は、複数の柱状部30を構成していない。複数の柱状部30は、第1電極40によって構成されている。第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36は、厚さ方向に比べて面内方向の大きさが大きい膜状を有している。
【0077】
発光層34は、図7に示すように、第1側面34aと、第2側面34bと、を有している。第1側面34aと第2側面34bとは、互いに反対方向を向いている。図示の例では、第1側面34aおよび第2側面34bは、互いに平行である。複数の柱状部30は、例えば、三角格子状に配置されている。柱状部30の平面形状は、例えば、円である。
【0078】
発光層34の一部は、光導波路534を構成している。光導波路534は、光を導波させることができる。積層方向からみて、第1電極40は、光導波路534と重なっている。光導波路534には、第1電極40から電流が注入される。図8に示す例では、複数の柱状部30は、列を構成している。複数の柱状部30によって構成される列の一方の端に第1柱状部30aが位置し、他方の端に第2柱状部30bが位置している。図示の例では、積層方向からみて、第1柱状部30aの中心と光導波路534の一方の端とが重なり、第2柱状部30bの中心と光導波路534の他方の端とが重なっている。
【0079】
第3電極44は、基板10の下に設けられている。基板10は、導電性を有している。基板10は、第3電極44とオーミックコンタクトしていてもよい。第3電極44は、例えば、基板10側から、Cr層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。
【0080】
発光装置500では、第2電極42と第3電極44との間に、pinダイオードの順バ
イアス電圧を印加すると、発光層34に光導波路534を生じ、光導波路534において発光層34において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この発生した光を起点として、連続的に誘導放出が起こり、光導波路534で光強度が増幅される。光は、第1側面34aと第2側面34bとの間の光導波路534を往復する間に、利得を受けてレーザー発振し、第1側面34aおよび第2側面34bの少なくとも一方からレーザー光として出射される。
【0081】
複数の柱状部30のピッチは、発光層34で発生した光の波長よりも小さい。そのため、光導波路534を進行する光が複数の柱状部30によって散乱されることを抑制することができる。
【0082】
なお、図示はしないが、第1側面34aに反射防止膜が設けられ、第2側面34bに反射膜が設けられていてもよい。これにより、第1側面34aのみから光を出射することができる。
【0083】
また、上記の例では、光導波路534は、第1電極40からの電流注入によって形状が規定される利得導波型の光導波路について説明したが、光導波路534は、図示はしないが、第2半導体層36に設けられたリッジによって形状が規定される屈折率導波型の光導波路であってもよい。
【0084】
また、複数の柱状部30は、周期的に配列されていてもよいし、周期的に配列されていなくてもよい。複数の柱状部30は、フォトニック結晶効果を発現するように配列されていてもよい。
【0085】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係るプロジェクター800を模式的に示す図である。
【0086】
プロジェクター800は、例えば、光源として、発光装置100を有している。
【0087】
プロジェクター800は、図示しない筐体と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。なお、便宜上、図9では、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bを簡略化している。
【0088】
プロジェクター800は、さらに、筐体内に備えられている、第1光学素子802Rと、第2光学素子802Gと、第3光学素子802Bと、第1光変調装置804Rと、第2光変調装置804Gと、第3光変調装置804Bと、投射装置808と、を有している。第1光変調装置804R、第2光変調装置804G、および第3光変調装置804Bは、例えば、透過型の液晶ライトバルブである。投射装置808は、例えば、投射レンズである。
【0089】
赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子802Rに入射する。赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子802Rによって集光される。なお、第1光学素子802Rは、集光以外の機能を有していてもよい。後述する第2光学素子802Gおよび第3光学素子802Bについても同様である。
【0090】
第1光学素子802Rによって集光された光は、第1光変調装置804Rに入射する。第1光変調装置804Rは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置808は、第1光変調装置804Rによって形成された像を拡大してスクリーン810
に投射する。
【0091】
緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子802Gに入射する。緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子802Gによって集光される。
【0092】
第2光学素子802Gによって集光された光は、第2光変調装置804Gに入射する。第2光変調装置804Gは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置808は、第2光変調装置804Gによって形成された像を拡大してスクリーン810に投射する。
【0093】
青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子802Bに入射する。青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子802Bによって集光される。
【0094】
第3光学素子802Bによって集光された光は、第3光変調装置804Bに入射する。第3光変調装置804Bは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置808は、第3光変調装置804Bによって形成された像を拡大してスクリーン810に投射する。
【0095】
また、プロジェクター800は、第1光変調装置804R、第2光変調装置804G、および第3光変調装置804Bから出射された光を合成して投射装置808に導くクロスダイクロイックプリズム806を有することができる。
【0096】
第1光変調装置804R、第2光変調装置804G、および第3光変調装置804Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム806に入射する。クロスダイクロイックプリズム806は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射装置808によりスクリーン810上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0097】
なお、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bは、発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御することで、第1光変調装置804R、第2光変調装置804G、および第3光変調装置804Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射装置808は、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン810に投射してもよい。
【0098】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。また、投射装置の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0099】
また、光源を、光源からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置の光源装置にも適用することが可能である。
【0100】
上述した実施形態に係る発光装置は、プロジェクター以外にも用いることが可能である。プロジェクター以外の用途には、例えば、屋内外の照明、ディスプレイ、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源、ヘ
ッドマウントディスプレイの表示装置、がある。また、上述した実施形態に係る発光装置は、微小な発光素子をアレイ状に配置して画像表示させるLEDディスプレイの発光素子にも適用することができる。
【0101】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0102】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0103】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0104】
発光装置の一態様は、
基板と、
前記基板に設けられた積層体と、
前記積層体の前記基板とは反対側に設けられた第1電極と、
前記第1電極の前記基板とは反対側に設けられた第2電極と、
を有し、
前記積層体は、
第1導電型の第1半導体層と、
前記第1導電型と異なる第2導電型の第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基板と前記発光層との間に設けられ、
前記第1電極は、複数の柱状部を構成し、
前記第2電極は、前記複数の柱状部に接続され、
前記第1電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極である。
【0105】
この発光装置によれば、第2電極側に漏れて第2電極で吸収される光を低減しつつ、低抵抗化を図ることができる。
【0106】
発光装置の一態様において、
前記積層体の積層方向と直交する方向における平均屈折率は、前記第1電極が設けられた部分の方が、前記第2半導体層が設けられた部分よりも低くてもよい。
【0107】
この発光装置によれば、光閉じ込め係数を大きくすることができる。
【0108】
発光装置の一態様において、
前記第1半導体層、前記第2半導体層、および前記発光層は、前記複数の柱状部を構成してもよい。
【0109】
この発光装置によれば、高品質な結晶の発光層を得ることができ、かつ、発光層に内在する歪を低減することができる。
【0110】
発光装置の一態様において、
前記第2半導体層と前記第1電極との間に設けられ、前記発光層で発生した光を透過させる第1金属層を有し、
前記第1金属層の抵抗率は、前記第1電極の抵抗率よりも低くてもよい。
【0111】
この発光装置によれば、第1金属層と第2半導体層との接触抵抗を下げることができる。
【0112】
発光装置の一態様において、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記発光層で発生した光を透過させる第2金属層を有し、
前記第2金属層の抵抗率は、前記第2電極の抵抗率よりも低くてもよい。
【0113】
この発光装置によれば、第1電極と第2金属層との接触抵抗を下げることができる。
【0114】
発光装置の一態様において、
前記第2電極は、前記発光層で発生した光を透過させる金属酸化物からなる透明電極であってもよい。
【0115】
この発光装置によれば、第2電極を透過して光を出射することができる。
【0116】
発光装置の一態様において、
前記第2電極の抵抗率は、前記第1電極の抵抗率よりも低くてもよい。
【0117】
この発光装置によれば、第2電極の抵抗を下げることができる。
【0118】
プロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0119】
10…基板、20…積層体、22…バッファー層、24…マスク層、30…柱状部、30a…第1柱状部、30b…第2柱状部、32…第1半導体層、34…発光層、34a…第1側面、34b…第2側面、36…第2半導体層、40…第1電極、42…第2電極、44…第3電極、46…スペーサー電極、50…第1金属層、52…第2金属層、100,200,300,400…発光装置、430…柱状部集合体、500…発光装置、534…光導波路、800…プロジェクター、802R…第1光学素子、802G…第2光学素子、802B…第3光学素子、804R…第1光変調装置、804G…第2光変調装置、804B…第3光変調装置、806…クロスダイクロイックプリズム、808…投射装置、810…スクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9