IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハイアールアジアインターナショナル株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041301
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/25 20180101AFI20230316BHJP
【FI】
F25C1/25 305D
F25C1/25 305P
F25C1/25 305Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148593
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 昌志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小松 肇
(72)【発明者】
【氏名】増田 英夫
【テーマコード(参考)】
3L110
【Fターム(参考)】
3L110AA07
(57)【要約】
【課題】 製氷装置を備えながらも、収納領域を有効活用できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】 本体4と本体4に開閉可能な状態で取り付けられた回転扉6Aとを有する冷蔵庫2であって、回転扉6Aに配置され、液体出口が下向きになるように配置された液体容器Pの首部が挿入されるディスペンサ受部12と、ディスペンサ受部12に取り付けられ、液体容器Pの液体出口と連通する給液側流路14と、を有する給液部10と、本体4に配置され、製氷皿22と、製氷皿22の上方に位置する給液口24Bを有する製氷側流路24と、を有する製氷部20と、を備え、少なくとも回転扉6Aが閉じている状態で給液側流路14と製氷側流路24とが連通し、重力で液体容器P内の液体が、給液側流路14及び製氷側流路24を流れて製氷皿22へ供給される冷蔵庫2を提供する。
冷蔵庫1を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と前記本体に開閉可能な状態で取り付けられた回転扉とを有する冷蔵庫であって、
前記回転扉に配置され、液体出口が下向きになるように配置された液体容器の首部が挿入されるディスペンサ受部と、前記ディスペンサ受部に取り付けられ、前記液体容器の液体出口と連通する給液側流路と、を有する給液部と、
前記本体に配置され、製氷皿と、前記製氷皿の上方に位置する給液口を有する製氷側流路と、を有する製氷部と、
を備え、
少なくとも前記回転扉が閉じている状態で前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通し、重力で前記液体容器内の液体が、前記給液側流路及び前記製氷側流路を流れて前記製氷皿へ供給されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記給液側流路及び前記製氷側流路が配管で構成され、一方の流路の先端領域が他方の流路の先端領域内に差し込まれ、差し込まれた状態で前記一方の流路の先端領域の外面と前記他方の流路の先端領域の内面との間が液密状態となるように形成され、
前記回転扉が閉じられた状態では、前記一方の流路の先端領域が前記他方の流路の先端領域に差し込まれて、前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通しており、
前記回転扉が開いた状態では、前記一方の流路の先端領域が前記他方の流路の先端領域に差し込まれておらず、前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通していないことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記一方の流路の先端領域及び前記他方の流路の先端領域の少なくとも一方が、弾性部材により移動可能な状態で支持されていることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記ディスペンサ受部にアクチュエータにより開閉される開閉弁が備えられ、
前記開閉弁が開の状態では、前記液体容器の液体出口と前記給液側流路とが連通し、前記開閉弁が閉の状態では、前記液体容器の液体出口と前記給液側流路との間が遮断され、
前記アクチュエータが前記本体に配置され、前記回転扉が閉じられた状態では、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置にあって、前記開閉弁が開閉可能であり、前記回転扉が開かれた状態では、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置になく、前記開閉弁が閉の状態で維持されることを特徴とする請求項2または3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記回転扉が閉の位置に対して第1の角度以上開いた場合には、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置になく、前記開閉弁が閉の状態で維持されるようになり、前記回転扉が閉の位置に対して前記第1の角度より大きな角度である第2の角度以上開いた場合には、前記給液側流路と製氷側流路とが連通しないようになることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ディスペンサ受部に、前記首部が挿入された前記液体容器の重量を計測するセンサを備え、前記センサの測定値に応じて、前記開閉弁を開にする時間を定めることを特徴とする請求項4または5に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷装置を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
製氷装置を備えた冷蔵庫が広く普及している。製氷装置を備えた冷蔵庫では、多くの場合、給水タンクと、給水タンク内の水を吸い上げて製氷皿に供給する給水ポンプとを備える。そのような冷蔵庫の中には、給水ポンプに対して給水タンクを着脱する際の操作性を向上させた冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-25712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の冷蔵庫では、給水タンクや給水ポンプが冷蔵庫本体の高さ方向で中央部に位置しており、最も収納に適した領域が給水タンクや給水ポンプに占有され、収納領域を有効活用できていない。
【0005】
そこで、本発明は、製氷装置を備えながらも、収納領域を有効活用できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る冷蔵庫は、
本体と前記本体に開閉可能な状態で取り付けられた回転扉とを有する冷蔵庫であって、
前記回転扉に配置され、液体出口が下向きになるように配置された液体容器の首部が挿入されるディスペンサ受部と、前記ディスペンサ受部に取り付けられ、前記液体容器の液体出口と連通する給液側流路と、を有する給液部と、
前記本体に配置され、製氷皿と、前記製氷皿の上方に位置する給液口を有する製氷側流路と、を有する製氷部と、
を備え、
少なくとも前記回転扉が閉じている状態で前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通し、重力で前記液体容器内の液体が、前記給液側流路及び前記製氷側流路を流れて前記製氷皿へ供給されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、液体容器が冷蔵庫の本体でなく回転扉に配置され、重力で液体が流れて製氷皿へ供給されるので、給液ポンプが存在しない。よって、冷蔵庫の本体の製氷皿周辺の収納に適した領域が、液体容器や給液ポンプに占有されることがない。これにより、製氷装置を備えながらも、収納領域を有効活用できる冷蔵庫を提供することができる。
【0008】
また、本発明に係る冷蔵庫は、
前記給液側流路及び前記製氷側流路が配管で構成され、一方の流路の先端領域が他方の流路の先端領域内に差し込まれ、差し込まれた状態で前記一方の流路の先端領域の外面と前記他方の流路の先端領域の内面との間が液密状態となるように形成され、
前記回転扉が閉じられた状態では、前記一方の流路の先端領域が前記他方の流路の先端領域に差し込まれて、前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通しており、
前記回転扉が開いた状態では、前記一方の流路の先端領域が前記他方の流路の先端領域に差し込まれておらず、前記給液側流路と前記製氷側流路とが連通していないことを特徴とする。
【0009】
本発明では、給液側流路及び製氷側流路が配管で構成されており、給液ポンプも存在しないので、回転扉または冷蔵庫本体から配管を取り外して、配管の洗浄やメンテナンスを容易に確実に行うことができる。また、一方の流路の先端領域と他方の流路の先端領域とが、回転扉の開閉に合わせて接続・非接続となるので、回転扉の開閉時に、一方の流路及び他方の流路の間で干渉が生じずスムーズな開閉が実現できる。
【0010】
また、本発明に係る冷蔵庫は、
前記一方の流路の先端領域及び前記他方の流路の先端領域の少なくとも一方が、弾性部材により移動可能な状態で支持されていることを特徴とする。
【0011】
本発明では、一方の流路の先端領域及び他方の流路の先端領域の少なくとも一方が、弾性部材により移動可能な状態で支持されているので、一方の流路の先端領域及び他方の流路の先端領域の位置が少しずれた場合でも、確実に一方の流路の先端領域が他方の流路の先端領域に差し込まれて、確実に給液側流路及び製氷側流路を連通させることができる。
【0012】
また、本発明に係る冷蔵庫は、
前記ディスペンサ受部にアクチュエータにより開閉される開閉弁が備えられ、
前記開閉弁が開の状態では、前記液体容器の液体出口と前記給液側流路とが連通し、前記開閉弁が閉の状態では、前記液体容器の液体出口と前記給液側流路との間が遮断され、
前記アクチュエータが前記本体に配置され、前記回転扉が閉じられた状態では、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置にあって、前記開閉弁が開閉可能であり、前記回転扉が開かれた状態では、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置になく、前記開閉弁が閉の状態で維持されることを特徴とする。
【0013】
本発明では、回転扉が閉の状態では、アクチュエータにより開閉弁を開閉させて、液体容器内の液体を所定の量だけ製氷皿に供給できるとともに、回転扉が開の状態では、常に開閉弁を閉に維持して、液体容器内の液体が外に漏れるのを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明に係る冷蔵庫は、
前記回転扉が閉の位置に対して第1の角度以上開いた場合には、前記アクチュエータの駆動面と前記開閉弁の被駆動面とが対向位置になく、前記開閉弁が閉の状態で維持されるようになり、前記回転扉が閉の位置に対して前記第1の角度より大きな角度である第2の角度以上開いた場合には、前記給液側流路と製氷側流路とが連通しないようになることを特徴とする。
【0015】
液体容器内の液体を製氷皿に供給しているときに回転扉を開いた場合、回転扉の回転角が第1の角度に達した時点で、開閉弁が閉となって液体容器からの液体の流出が止まる。仮に、第1の角度に達した時点で、給液側流路及び製氷側流路も連通しなくなるようにすると、給液側流路内に溜まった液体が給液側流路の液体の出口から外へ流出する虞がある。しかし、本発明では、第1の角度に達しても、給液側流路と製氷側流路とが連通した状態が維持されるので、給液側流路内に溜まった液体を製氷側流路側へ流して、第2の角度に達した時点で、給液側流路及び製氷側流路が連通しなくなったときには、給液側流路内に液体が溜まっていない状態を形成できる。これにより、液体容器内の液体を製氷皿に供給しているときに回転扉を開いても、水が外部に漏れることなくスムーズに回転扉を開くことができる。
【0016】
また、本発明に係る冷蔵庫は、
前記ディスペンサ受部に、前記首部が挿入された前記液体容器の重量を計測するセンサを備え、前記センサの測定値に応じて、前記開閉弁を開にする時間を定めることを特徴とする。
【0017】
液体出口が下向きになるように配置された液体容器内の液体を重力で製氷皿に供給する場合、液体容器から液体が流出するにつれて、液体容器内の液体の液面が下がり、液体出口での圧力が低下して液体の流速が低下する。本発明では、液体容器の重量を計測するセンサの測定値に応じて、開閉弁を開にする時間を定めるので、常に一定の量の液体を確実に製氷皿へ供給することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製氷装置を備えながらも、収納領域を有効活用できる冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫を前面側から見た斜視図である。
図1B図1Aの矢印Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。
図2A】本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫を後面側から見た斜視図であって、外箱の側面が取り除かれて内部が視認可能になった図である。
図2B図2Aの矢印Bで示す領域を拡大して示す斜視図である。
図3図1Aに示す冷蔵庫に備えられた本発明の1つの実施形態に係る製氷装置の構成を模式的に示す図である。
図4】本発明の1つの実施形態に係る製氷装置の製氷側流路を構成する配管を取り外すところを示す斜視図である。
図5A】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第1の例を示す平面図であって、回転扉が開いて、給液側流路と製氷側流路とが連通していない状態を示す図である。
図5B】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第1の例を示す平面図であって、回転扉が閉じて、給液側流路と製氷側流路とが連通している状態を示す図である。
図5C】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第1の例の接続凸部側を示す斜視図である。
図6A】ディスペンサ受部に装着された液体容器、及び液体容器の液体出口を開閉する開閉弁の開閉機構の第1の例を示す側面図である。
図6B図6Aの開閉機構を拡大して示す図であって、開閉弁が閉の状態の場合を示す図である。
図6C図6Aの開閉機構を拡大して示す図であって、開閉弁が開の状態の場合を示す図である。
図7】開閉機構のアクチュエータの第2の例を示す斜視図である。
図8A】回転扉を閉の状態から開いていくときの開閉機構の作動状態及び給液側流路及び製氷側流路の接続状態を示す図であって、回転扉が第1の角度だけ開いたときを示す図である。
図8B】回転扉を閉の状態から開いていくときの開閉機構の作動状態及び給液側流路及び製氷側流路の接続状態を示す図であって、回転扉が第2の角度だけ開いたときを示す図である。
図9A】給液側流路及び製氷側流路の接続領域における変形例を示す図であって、給液側流路及び製氷側流路が連通していない状態を示す図である。
図9B】給液側流路及び製氷側流路の接続領域における変形例を示す図であって、給液側流路及び製氷側流路が連通している状態を示す図である。
図10】液体容器の重量を計測する重量センサを備えたディスペンサ受部を示す図である。
図11】折り畳み可能なディスペンサ受部の変形例を示す斜視図である。
図12A】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第2の例を示す斜視図である。
図12B図12Aに示す接続機能を示す平面図であって、ホースが引き込まれた状態を示す図である。
図12C図12Aに示す接続機能を示す平面図であって、ホースが引き出された状態を示す図である。
図13A】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第3の例を示す斜視図であって、回転と扉が開いた状態を示す図である。
図13B】給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第3の例を示す斜視図であって、回転と扉が閉じた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態を説明する。以下に説明する冷蔵庫は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。下記の記載及び図面における上下方向は、三次元空間における鉛直方向を示す。
【0021】
(1つの実施形態に係る冷蔵庫)
図1Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を前面側から見た斜視図である。図1Bは、図1Aの矢印Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。図2Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を後面側から見た斜視図であって、外箱の側面が取り除かれて内部が視認可能になった図である。図2Bは、図2Aの矢印Bで示す領域を拡大して示す斜視図である。図3は、図1Aに示す冷蔵庫2に備えられた本発明の1つの実施形態に係る製氷装置8の構成を模式的に示す図である。
【0022】
本実施形態に係る冷蔵庫2は、本体4と、本体4の前面側に開閉可能な状態で取り付けられた回転扉6A,6Bとを備える。回転扉6A,6Bは、本体4の前面に左右に並び、互いに外側に開く観音開きの扉である。回転扉6A,6Bの下側にも、回転扉または引出式の収納室を備える。冷蔵庫2の全体構造については、更に詳細な説明は省略する。
【0023】
(製氷装置)
本実施形態に係る冷蔵庫2は、製氷装置8を備える。この製氷装置8は、下記に詳細を示すように、給液部10と製氷部20とで構成される。
【0024】
<製氷部>
図3に模式的に示すように、本実施形態に係る製氷装置8を構成する製氷皿22が、冷蔵庫2の本体4の高さ方向で中央の領域に配置されている。更に詳細に述べれば、製氷皿22が、前面側から見て左側の回転扉6Aの下端より少し下側に配置されている。製氷皿22は、上面が開口し、仕切壁により複数の製氷領域が形成されている。製氷皿22として、任意の大きさの任意の数の製氷領域を有するものを用いることができる。
【0025】
冷蔵庫2の本体4には、製氷皿22に液体を供給する製氷側流路24が配置され、製氷側流路24の液体の出口である給液口24Bが、製氷皿22の上方に配置されている。製氷側流路24の給液口24Bと反対側の端部である液体の入口24Aが、閉じた状態の回転扉6Aの回転軸側の端部近傍に配置されている(図1B参照)。
【0026】
このように、本実施形態に係る製氷装置8の製氷部20は、冷蔵庫2の本体4側に配置され、製氷皿22と、製氷皿22の上方に位置する給液口24Bを有する製氷側流路24とを有する。
【0027】
<給液部>
一方、本実施形態に係る製氷装置8では、製氷皿22に供給する液体を貯蔵する液体容器Pが、冷蔵庫2の本体4ではなく、回転扉6Aに配置されている。液体容器Pとして、例えば、飲料水が入った市販のペットボトルを用いることができる。ただし、これに限られるものではなく、樹脂製、ガラス性、金属製の瓶状の任意の液体容器を用いることができる。
【0028】
回転扉6Aのポケット部分に、ディスペンサ受部12が配置されている。本実施形態では、液体容器Pは、液体出口が下向きになるように、上下が逆さまな状態でディスペンサ受部12に装着される。液体出口が下向きになった状態で、瓶状の液体容器Pの首部がディスペンサ受部12に挿入され保持される。更に詳細に述べれば、ディスペンサ受部12の挿入穴部の内面が、上下が逆さまになった液体容器Pの首部の外面と接触して、液体容器Pを保持するようになっている。
【0029】
液体容器Pの首部の形状、大きさによって、ディスペンサ受部12の挿入穴部へ挿入される深さが異なるので、液体容器Pの液体出口の高さ位置は若干異なる。しかし、本実施形態に係るディスペンサ受部12の挿入穴部は、任意の形状、大きさの首部に対応するのに十分な深さ(高さ寸法)を有している。更に、液体容器Pの胴部分を支えるサポートを備えることもできる。
【0030】
ディスペンサ受部12の挿入穴部の下側に給液側流路14が取り付けられている。これにより、液体容器Pの液体出口と給液側流路14とが連通するようになっている。後述するように、液体容器Pの液体出口と給液側流路14との間には、流路の開閉を行う開閉弁32が取り付けられている。
【0031】
給液側流路14は、ディスペンサ受部12から回転扉6Aの回転軸側の端部まで延びている。そして、回転扉6Aが閉じている状態では、給液側流路14の液体の出口14Aが、上記の製氷側流路24の液体の入口24Aと繋がって、給液側流路14と製氷側流路24とが連通するようになっている。これにより、液体容器P内の液体が、重力で液体出口から流出して、給液側流路14内を出口14A側に流れ、更に、入口24Aから製氷側流路24内を流れて、給液口24Bから製氷皿22へ供給される。液体容器Pの液体出口は、製氷側流路24の給液口24Bよりも高い位置に配置されている。
【0032】
このように、本実施形態に係る製氷装置8の給液部10は、回転扉6A側に配置され、液体出口が下向きになるように配置された液体容器Pの首部が挿入されるディスペンサ受部12と、ディスペンサ受部12に取り付けられ、液体容器Pの液体出口と連通する給液側流路14とを有する。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る冷蔵庫2は、本体4と本体4に開閉可能な状態で取り付けられた回転扉6Aとを有し、回転扉6Aに配置され、液体出口が下向きになるように配置された液体容器Pの首部が挿入されるディスペンサ受部12と、ディスペンサ受部12に取り付けられ、液体容器Pの液体出口と連通する給液側流路14と、を有する給液部10と、本体4に配置され、製氷皿22と、製氷皿22の上方に位置する給液口24Bを有する製氷側流路24と、を有する製氷部20と、を備え、少なくとも回転扉6Aが閉じている状態で給液側流路14と製氷側流路24とが連通し、重力で液体容器P内の液体が、給液側流路14及び製氷側流路24を流れて製氷皿22へ供給される。
【0034】
このように、本実施形態に係る冷蔵庫2では、液体容器Pが冷蔵庫2の本体4でなく回転扉6Aに配置され、重力で液体が流れて製氷皿22へ供給されるので、給液ポンプが存在しない。よって、冷蔵庫2の本体4の製氷皿22周辺の収納に適した領域が、液体容器や給液ポンプに占有されることがない。これにより、製氷装置8を備えながらも、収納領域を有効活用できる冷蔵庫2を提供することができる。
【0035】
<配管の着脱構造>
図4は、本実施形態に係る製氷装置8の製氷側流路24を構成する配管を取り外すところを示す斜視図である。本実施形態に係る製氷装置8では、給液側流路14及び製氷側流路24が配管で構成されている。例えば、図4に示すように、製氷側流路24は、本体4の内箱と外箱との間の領域に、着脱可能なカバー4Aに覆われて配置されている。カバー4Aを外して、製氷側流路24を構成する配管を容易に取り外すことができる。これにより、製氷側流路24の配管の洗浄やメンテナンスを容易に確実に行うことができる。給液側流路14に関しても、同様に、配管を回転扉6Aから取り外して、配管の洗浄やメンテナンスを容易に確実に行うことができる。
【0036】
<給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第1の例>
図5A図5Bは、給液側流路14及び製氷側流路24の接続機構の第1の例を示す平面図であって、図5Aは、回転扉6Aが開いて、給液側流路14と製氷側流路24とが連通していない状態を示す図であり、図5Bは、回転扉6Aが閉じて、給液側流路14と製氷側流路24とが連通している状態を示す図である。図5Cは、給液側流路14及び製氷側流路24の接続機構の第1の例の接続凸部16側を示す斜視図である。図5Cでは、図5A,5Bに示されたケース16Aが除かれた状態を示している。
【0037】
この接続機構の第1の例では、給液側流路14の出側の先端領域に接続凸部16が設けられ、接続凸部16の先端の開口が給液側流路14の液体の出口14Aとなっている。一方、製氷側流路24の入側の先端領域に接続凹部26が設けられ、接続凹部26の先端の開口が製氷側流路24の液体の入口24Aとなっている。
【0038】
図5Aに示すように、回転扉6Aが開いた状態では、給液側流路14の先端領域の接続凸部16が製氷側流路24の先端領域の接続凹部26に差し込まれておらず、給液側流路14と製氷側流路24とが連通していない状態になっている。一方、図5Bに示すように、回転扉6Aが閉じた状態では、給液側流路14の先端領域の接続凸部16が製氷側流路24の先端領域の接続凹部26に差し込まれて、給液側流路14と製氷側流路24とが連通した状態となる。給液側流路14の接続凸部16が製氷側流路24の接続凹部26に差し込まれた状態では、接続凸部16の外面と接続凹部26の内面との間が液密状態となるようになっている。具体的には、接続凸部16に設けられたシール部材(例えばOリング)で液密な状態を形成している。
【0039】
上記のように、給液側流路14に接続凸部16が設けられ、製氷側流路24に接続凹部26が設けられる場合に限られず、逆に、給液側流路14に接続凹部が設けられ、製氷側流路24に接続凸部が設けられる場合もあり得る。また、回転扉6Aが閉じた状態で、給液側流路14及び製氷側流路24の先端領域のうち一方が、他方に液密な状態で差し込まれ、回転扉6Aが開いた状態で、この差し込み状態が解消される構造であれば、その他の任意の構造の接続機構を採用することができる。
【0040】
以上のように、給液側流路14及び製氷側流路24の接続機構の第1の例においては、給液側流路14及び製氷側流路24が配管で構成され、一方の流路14(24)の先端領域が他方の流路24(14)の先端領域内に差し込まれ、差し込まれた状態で一方の流路14(24)の先端領域の外面と他方の流路24(14)の先端領域の内面との間が液密状態となるように形成され、回転扉6Aが閉じられた状態では、一方の流路14(24)の先端領域が他方の流路24(14)の先端領域に差し込まれて、給液側流路14と製氷側流路24とが連通しており、回転扉6Aが開いた状態では、一方の流路14(24)の先端領域が他方の流路24(14)の先端領域に差し込まれておらず、給液側流路14と製氷側流路24とが連通していないようになっている。
【0041】
接続機構の第1の例では、一方の流路14(24)の先端領域と他方の流路24(14)の先端領域とが、回転扉6Aの開閉に合わせて接続・非接続となるので、回転扉6Aの開閉時に、一方の流路14(24)及び他方の流路24(14)の間で干渉が生じずスムーズな開閉が実現できる。
【0042】
図5Cでは、ケース16Bが取り除かれた状態を示すが、接続機構の第1の例では、接続凸部16がバネ16Bを介して、ケース16Aの内壁に取り付けられている。これにより、接続凸部16は、平面視で上下左右に移動可能(図5Cの点線矢印参照)な状態で、ケース16Aに取り付けられている。つまり、接続凸部16がバネ16Bにより移動可能な状態で支持されている。このため、給液側流路14の出口14A位置と製氷側流路24の入口24Aの位置とが少しずれても、確実に接続凸部16が接続凹部26に挿入され、確実に給液側流路14及び製氷側流路24を接続することができる。
【0043】
上記では、接続凸部16がバネ16Bにより移動可能な状態で支持されているが、これに限られるものではない。逆に、接続凹部26がバネにより移動可能な状態で支持されている場合もあり得る。更に、接続凸部16及び続凹部26の両方がバネにより移動可能な状態で支持されている場合もあり得る。バネ16Bは、金属材料で形成することもできるし、樹脂材料で形成することもできる。また、バネ16Bの代わりに、ゴムのような弾性部材で接続凸部16を支持することもできる。
【0044】
以上のように接続機構の第1の例では、一方の流路14(24)の先端領域及び他方の流路24(14)の先端領域の少なくとも一方が、弾性部材16Bにより移動可能な状態で支持されている。このため、一方の流路14(24)の先端領域及び他方の流路24(14)の先端領域の位置が少しずれた場合でも、確実に一方の流路14(24)の先端領域が他方の流路24(14)の先端領域に差し込まれて、確実に給液側流路14及び製氷側流路24を連通させることができる。
【0045】
(開閉弁の開閉機構)
<開閉機構の第1の例>
図6Aは、ディスペンサ受部12に装着された液体容器P、及び液体容器Pの液体出口を開閉する開閉弁32の開閉機構30の第1の例を示す側面図である。図6B図6Cは、図6Aの開閉機構30を拡大して示す図であって、図6Bは、開閉弁32が閉の状態の場合を示す図であり、図6Cは、開閉弁32が開の状態の場合を示す図である。何れの図も、回転扉6Aが閉の状態の場合を示す。
【0046】
本実施形態に係る製氷装置8のディスペンサ受部12は、アクチュエータ34により開閉される開閉弁32を備える。アクチュエータ34は、冷蔵庫の2の本体4に配置されている。開閉弁32及びアクチュエータ34により、開閉機構30が構成される。開閉弁32は、ノズル部32A及びノズル部32Aに取り付けられたレバー部32Bを備える。ノズル部32Aは、液体容器Pの液体出口と給液側流路14との間に配置され、両者を連通状態及び遮断状態に切り替えることができる。
【0047】
図6Bに示すように、レバー部32Bが下側の位置にある場合には、ノズル部32Aが閉の状態になっている。この場合、液体容器P内の液体が外へ流出する。一方、図6Cに示すように、レバー部32Bが上側の位置にある場合には、ノズル部32Aが開の状態になっている。この場合、液体容器P内の液体が外へ流出することはない。
【0048】
本実施形態では、アクチュエータ34が冷蔵庫2の本体4側に配置されており、図6Aから図6Cでは、回転扉6Aが閉じられて、アクチュエータ34がレバー部32Bの下側に位置する場合を示す。アクチュエータ34として、先端にヘッド部34Aを有するシャフトが伸縮するシリンダが採用されている。シリンダのシャフトは、内蔵されたソレノイドや電動モータ等により伸縮する。
【0049】
回転扉6Aが閉の状態では、アクチュエータ34の駆動面34A1と開閉弁32の被駆動面32B1が対向位置にある。図6Bに示すような、シャフトが縮んだ(引き込まれた)状態では、ヘッド部34Aの駆動面34A1と開閉弁32のレバー部32Bの被駆動面32B1とが離間した状態にある。この状態では、ノズル部32Aに内蔵されたバネの付勢力により、ノズル部32Aは閉の状態で維持される。
【0050】
シャフトが外側へ伸びると、ヘッド部34Aの駆動面34A1と開閉弁32のレバー部32Bの被駆動面32B1とが当接し、レバー部32Bが上方へ移動する。そして、図6Cに示すように、レバー部32Bが上側の位置に達した場合には、ノズル部32Aが開の状態となる、このとき、液体容器P内の液体が給液側流路14側へ流出する。再びアクチュエータ34のシャフトが縮む(引き込まれる)と、ノズル部32Aに内蔵されたバネの付勢力により、ノズル部32Aは再び閉の状態に戻り、液体容器Pの液体出口が閉鎖される。
【0051】
一方、回転扉6Aが開の状態では、アクチュエータ34がレバー部32Bの下側には位置してない。よって、アクチュエータ34の駆動面34A1と開閉弁32の被駆動面32B1とが対向位置になく、ノズル部32Aに内蔵されたバネの付勢力により、ノズル部32Aは閉の状態を維持する。つまり、回転扉6Aが開の状態では、液体容器P内の液体が外に流出するのを防ぐことができる。
【0052】
<開閉機構の第2の例>
図7は、開閉機構30のアクチュエータ36の第2の例を示す斜視図である。本例のアクチュエータ36は、駆動軸にピニオンギアが取り付けられた電動モータ36Aと、ピニオンギアと噛み合うラックギア36Bとから構成される。電動モータ36Aの回転により、ラックギア36Bが上方へ移動すると、ノズル部32Aが開となって、液体容器P内の液体が給液側流路14側へ流出する。そして、電動モータ36Aが逆に回転して、ラックギア36Bが下方へ移動すると、ノズル部32Aに内蔵されたバネの付勢力により、ノズル部32Aは再び閉の状態に戻り、液体容器Pの液体出口が閉鎖される。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る製氷装置8では、ディスペンサ受部12にアクチュエータ34(36)により開閉される開閉弁32が備えられ、開閉弁32が開の状態では、液体容器Pの液体出口と給液側流路14とが連通し、開閉弁32が閉の状態では、液体容器Pの液体出口と給液側流路14との間が遮断され、アクチュエータ34(36)が本体4に配置され、回転扉6Aが閉じられた状態では、アクチュエータ34(36)の駆動面(例えば34A1)と開閉弁32の被駆動面(例えば32B1)とが対向位置にあって、開閉弁32が開閉可能であり、回転扉6Aが開かれた状態では、アクチュエータ34(36)の駆動面(例えば34A1)と開閉弁32の被駆動面(例えば32B1)とが対向位置になく、開閉弁32が閉の状態で維持されるようになっている。
【0054】
これにより、回転扉6Aが閉の状態では、アクチュエータ34(36)により開閉弁32を開閉させて、液体容器P内の液体を所定の量だけ製氷皿22に供給できるとともに、回転扉6Aが開の状態では、常に開閉弁32を閉に維持して、液体容器P内の液体が外に漏れるのを防ぐことができる。
【0055】
<回転扉を開くときの状況>
図8A及び図8Bは、回転扉6Aを閉の状態から開いていくときの開閉機構の作動状態及び給液側流路14及び製氷側流路24の接続状態を示す図であって、図8Aは回転扉6Aが第1の角度θ1だけ開いたときを示し、図8Bは回転扉6Aが第2の角度θ2だけ開いたときを示す。以下では、回転扉6Aが閉の状態において、開閉弁32を開にして、液体容器P内の液体が給液側流路14及び製氷側流路24を介して製氷皿22へ供給されている間に、回転扉6Aが開けられた場合を例にとって説明する。ここでは、第1の例のアクチュエータ34を用いた場合を示す。
【0056】
回転扉6Aを閉の状態から開いていくと、回転角度が第1の角度θ1に達したところで、図8Aに示すように、アクチュエータ34の駆動面34A1と開閉弁32の被駆動面32B1とが対向位置から外れて、バネの付勢力により、開閉弁32が開から閉になって、閉の状態で維持されるようになる。更に、回転扉6Aを開いて、回転角度が第1の角度θ1より大きな角度である第2の角度θ2に達したところで、図8Bに示すように、給液側流路14と製氷側流路24とが連通しないようになる。
【0057】
開閉弁32を開にして液体容器P内の液体を製氷皿22に供給しているときに回転扉6Aを開いていくと、回転角度が第1の角度θ1に到達した時点で、液体容器Pからの液体の流出が止まる。しかし、給液側流路14内には液体が溜まっているので、仮に、回転角度が第1の角度θ1に到達した時点で、給液側流路14及び製氷側流路24も連通しなくなると、溜まっていた給液側流路14内の液体の出口14Aから外へ流出する虞がある。
【0058】
しかし、本実施形態では、回転扉6Aの回転角度が第1の角度θ1に達しても、給液側流路14と製氷側流路24とが連通した状態が維持されるので、給液側流路14内に溜まった液体が製氷側流路24へ流れる。その後、回転扉6Aの回転角度が第2の角度に達した時点で、給液側流路14と製氷側流路24とが連通しなくなるが、給液側流路14内に基本的に液体が残存していないので、給液側流路14から液体が外部に流出するのを防ぐことができる。仮に、給液側流路14に少量の液体が残存していても、液体容器Pの液体出口が閉鎖されているので、液体容器P内の液体のヘッドがかかることがなく、表面張力により液体が外へ流出することを防ぐことができる。
【0059】
これにより、液体容器P内の液体を製氷皿22に供給しているときに回転扉6Aを開いても、水が外部に漏れることなく、スムーズに回転扉6Aを開くことができる。
本実施形態では、液体容器P内の液体を製氷皿22に供給しているときに回転扉6Aを開けた場合、アクチュエータ34(36)を閉の状態に戻す制御処理を行う。これにより、開いていた回転扉6Aを閉じた場合でも、アクチュエータ34(36)と開閉弁32とが干渉するのを防ぐことができる。
【0060】
<接続領域における変形例>
図9A図9Bは、給液側流路14及び製氷側流路24の接続領域における変形例を示す図であって、図9Aは、給液側流路14及び製氷側流路24が連通していない状態を示す図であり、図9Bは、給液側流路14及び製氷側流路24が連通している状態を示す図である。
【0061】
この変形例では、給液側流路14の出側の先端領域に第1シール部材18が設けられ、第1シール部材18の先端の開口が給液側流路14の出口14Aとなっている。一方、製氷側流路24の入側の先端領域に第2シール部材28が設けられ、第2シール部材28の先端の開口(突起部28Aは除く)が製氷側流路24の入口24Aとなっている。
【0062】
第1シール部材18は、バネ18Bで付勢されたシール座18Aを備える。通常は、バネ18Bの付勢力でシール座18Aが第1シール部材18の内側壁部に当接しており、給液側流路14が閉の状態になっている。第2シール部材28には、先端に飛び出した突起部28Aを備える。回転扉6Aが開の状態では、バネ18Bの付勢力で給液側流路14の出口14Aが閉の状態になっている。一方、回転扉6Aが閉の状態では、第2シール部材28の突起部28Aが、第1シール部材18の開口部に差し込まれ、シール座18Aを押して、シール座18Aと第1シール部材18の内側壁部との間に隙間を形成する。これにより、給液側流路14の出口14Aが開の状態になる。
【0063】
接続領域における変形例では、回転扉6Aが閉の状態では、第2シール部材28の突起部28Aが第1シール部材18の開口部に差し込まれて、給液側流路14の出口14Aが開の状態となっている。よって、任意のタイミングで、液体容器P内の液体を製氷皿22に供給できる。一方、回転扉6Aが開の状態では、給液側流路14の出口14Aが常に閉の状態となるので、給液側流路14から液体が外部に流出するのを防ぐことができる。
【0064】
(重量センサを備えたディスペンサ受部)
図10は、液体容器Pの重量を計測する重量センサ40を備えたディスペンサ受部12を示す図である。このディスペンサ受部12には、下側に重量センサ40が取り付けられている。重量センサ40により、液体出口が下向きになるように配置された状態で首部が挿入された液体容器Pの重量を計測することができる。
【0065】
液体出口が下向きになるように配置された液体容器P内の液体が、重力で液体出口から流出するとき、液体容器Pから液体が流出するにつれて、液体容器内の液体のヘッドが下がって、流出する液体の流速が低下する。しかし、本実施形態では、液体容器Pの重量を計測するセンサ40の測定値に応じて、開閉弁32を開にする時間を定めるように制御される。これにより、常に一定の量の液体を確実に製氷皿22へ供給することができる。
【0066】
(折り畳み可能なディスペンサ受部)
図11は、折り畳み可能なディスペンサ受部12の変形例を示す斜視図である。このディスペンサ受部12は、図11の(a)の矢印に示すように、上側及び下側の部材を折り畳みできるようになっている。夏場のような製氷が必要な時期には、図11の(a)のような展開状態で、液体容器Pを受けて、液体容器P内の液体を製氷皿22へ供給することができる。一方、冬場のような製氷が必要でない時期には、図11の(b)のような折り畳み状態にして、回転扉6Aの収納領域を増やすことができる。ディスペンサ受部12を折り畳むことにより、ペットボトル等の飲料容器を液体出口が上側を向いた通常の置き方で、回転扉6Aのポケットに収納することができる。
【0067】
<給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第2の例>
図12Aは、給液側流路14及び製氷側流路24の接続機構の第2の例を示す斜視図である。図12B図12Cは、図12Aに示す接続機能を示す平面図であって、図12Bは、ホースが引き込まれた状態を示す図であり、図12Cは、ホースが引き出された状態を示す図である。
【0068】
この接続機構の第2の例では、製氷側流路24の入側の領域がホース62で構成され、ホース62が伸縮式接続部60に取り付けられている。伸縮式接続部60は、冷蔵庫2の本体4側に取り付けられ、ホース62の固定側の端部が製氷皿22側の給液口24Bと連通している。ホース62の移動側の端部が、給液側流路14と繋がる入口24Aとなっている。上記の第1の例とは異なり、第2の例では、給液側流路14及び製氷側流路24は常に連通した状態になっている。
【0069】
伸縮式接続部60は、回転可能な状態で伸縮式接続部60の本体に取り付けられた2つのローラ64A,64Bに掛けられた形で配置されている。ローラ64Bは、バネ66により、ホース62の移動側の端部領域が伸縮式接続部60内に引き込まれる方向に付勢されている。
【0070】
これにより、閉じていた回転扉6Aを開くとき、ホース62が伸縮式接続部60から外側へ引き出されて、給液側流路14及び製氷側流路24が繋がったまま、回転扉6Aを開の状態にすることができる。一方、開いた回転扉6Aを閉じるときには、バネ66の付勢力でホース62が伸縮式接続部60内に引き込まれるようになっているので、ホース62と回転扉6Aとが干渉することはなく、回転扉6Aを閉の状態にすることができる。以上のような構造により、給液側流路14及び製氷側流路24が連通した状態を保ったまま、回転扉6Aをスムーズに開閉することができる。
【0071】
<給液側流路及び製氷側流路の接続機構の第3の例>
図13A図13Bは、給液側流路14及び製氷側流路24の接続機構の第3の例を示す斜視図であって、図13Aは、回転扉6Aが開いた状態を示す図であり、図13Bは、回転扉6Aが閉じた状態を示す図である。それぞれの図で、(a)は冷蔵庫全体を示し、(b)は(a)の図の丸で囲まれた領域を拡大して示す図である。
【0072】
この接続機構の第3の例では、給液側流路14及び製氷側流路24が回転扉6Aの回転軸の位置に配置されたロータリージョイント70で接続されている。ロータリージョイント70は、冷蔵庫2の本体4に取り付けられている。この第3の例でも、給液側流路14及び製氷側流路24が常に連通した状態を保っている。このようなロータリージョイント70により、給液側流路14及び製氷側流路24が連通した状態を保ったまま、回転扉6Aをスムーズに開閉することができる。
【0073】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【符号の説明】
【0074】
2 冷蔵庫
4 本体
4A カバー
6A,6B 回転扉
8 製氷装置
10 給液部
12 ディスペンサ受部
14 給液側流路
14A 出口
16 接続凸部
16A ケース
16B バネ
18 第1シール部材
18A シール座
18B バネ
20 製氷部
22 製氷皿
24 製氷側流路
24A 入口
24B 給液口
26 接続凹部
28 第2シール部材
28A 突起部
30 開閉機構
32 開閉弁
32A ノズル部
32B レバー部
32B1 被駆動面
34 アクチュエータ
34A ヘッド部
34A1 駆動面
36 アクチュエータ
36A 電動モータ
36B ラックギア
40 重量センサ
50 折り畳みフレーム
60 伸縮式接続部
62 ホース
64A,64B ローラ
66 バネ
70 ロータリージョイント
P 液体容器
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B