(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004134
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】モニタリング用デバイス
(51)【国際特許分類】
G08C 17/00 20060101AFI20230110BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20230110BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20230110BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20230110BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20230110BHJP
H04M 1/72412 20210101ALI20230110BHJP
H04M 1/73 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
G06K19/07 170
G06K19/07 040
G06K19/07 100
H04W4/38
H04W52/02 110
H04W64/00 160
H04M1/72412
H04M1/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105647
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 義浩
(72)【発明者】
【氏名】芝 健夫
(72)【発明者】
【氏名】時任 静士
【テーマコード(参考)】
2F073
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
2F073AA02
2F073AA23
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC09
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE12
2F073EE13
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
5K067AA43
5K067BB27
5K067BB43
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K127AA16
5K127AA36
5K127BA15
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA11
5K127DA13
5K127GA29
5K127GD17
5K127HA11
5K127JA04
5K127JA23
5K127KA01
(57)【要約】
【課題】従来の物流管理システムでは、長波送信を行うためにセンサタグは大きな容量の電池を備える必要がある。そのため、センサタグを小さくすることができない。また、貨物トラックに中継器や通信ターミナル等を設ける必要がある。さらに、積み替え時などの通信ターミナルがない場所での測定値は集中局へ送ることができない。
【解決手段】通信部と、計測部と、前記通信部及び前記計測部に電力を供給する電源電池と、前記電源電池から電力が供給されないウェイクアップ部を備える。そして、ウェイクアップ部は、電波から得た電波電力により無線基地局を識別して通信部へ割込信号を出力し、計測部は、センサにより計測を行うと共に計測データを記憶し、通信部は、割込信号によりディープスリープモードからウェイクアップして、計測部に記憶した計測データを前記無線基地局又は他の無線基地局へ無線により送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、計測部と、前記通信部及び前記計測部に電力を供給する電源電池と、前記電源電池から電力が供給されないウェイクアップ部を備え、
前記ウェイクアップ部は、電波から得た電波電力により無線基地局を識別して前記通信部へ割込信号を出力し、
前記計測部は、センサにより計測を行うと共に計測データを記憶し、
前記通信部は、前記割込信号によりディープスリープモードからウェイクアップして、前記計測部に記憶した計測データを前記無線基地局又は他の無線基地局へ無線により送信することを特徴とするモニタリング用デバイス。
【請求項2】
前記電源電池は、前記ウェイクアップ部の電波電力により充電されることを特徴とする請求項1に記載されたモニタリング用デバイス。
【請求項3】
前記通信部は、前記無線基地局又は前記他の無線基地局に接続ができなくなったときに、ディープスリープモードに切り換えることを特徴とする請求項1または2に記載されたモニタリング用デバイス。
【請求項4】
前記通信部は、ウェイクアップした後に所定時間間隔でディープスリープモードとウェイクアップモードを繰り返すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたモニタリング用デバイス。
【請求項5】
前記電波電力を前記電源電池とは異なる二次電池に充電して、前記二次電池から前記ウェイクアップ部に電力を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載されたモニタリング用デバイス。
【請求項6】
前記ウェイクアップ部は、前記無線基地局の基地局IDを記憶し、記憶した前記基地局IDにより前記無線基地局を識別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載されたモニタリング用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に取り付けて物流の際に物品のおかれた環境等を記憶する物流モニタリング用デバイスや、ウエアラブルモニタリング用デバイス等のモニタリング用デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
果実酒や日本酒等の醸造酒は温度で変質し易く、温度管理を行った上で輸送や保管が行われることが望ましい。輸送や保管の際に温度管理が行われていないと、品質低下を招く場合がある。このような品質低下が生じると、販売された後に飲食店や家庭で消費された際に、商品や店舗等の評価を下げることになる。温度異常による悪影響は醸造酒に限らず、他の食品や農産物、人の生体組織の輸送等においても生じる。また、温度異常以外にも、衝撃や振動等の加速度や、湿度などの異常は、物品の品質低下を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、物品ごとの状態に関する情報の記録が可能な物流管理システムが記載されている。この物流システムでは、貨物トラックの保冷庫に物品を収容して輸送するが、物品毎にセンサタグが同梱される。センサタグは温度の測定値を長波送信し、保冷庫に配置された中継器を介して、貨物トラックにおける保冷庫の外に設けた通信ターミナルへ測定値が送られる。通信ターミナルでは、温度の測定値と測定時刻が記憶され、測定値等を無線通信で集中局へ送って管理する。
【0005】
しかし、一般的に無線で送信するためには大きな電力を要する。特許文献1の物流管理システムでは、長波送信を行うためにセンサタグは大きな容量の電池を備える必要がある。そのため、センサタグを小さくすることができない。また、特許文献1の物流管理システムでは、貨物トラックに中継器や通信ターミナル等を設ける必要がある。さらに、通信ターミナルのメモリには温度の測定値を記憶するが、センサタグは温度の測定値を記憶せず、積み替え時などの通信ターミナルがない場所での測定値は集中局へ送ることができない。このセンサタグは物流を用途とするものであるが、物流以外のモニタリング用デバイスについても同様のことが言える。本発明は、上記の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるモニタリング用デバイスは、通信部と、計測部と、前記通信部及び前記計測部に電力を供給する電源電池と、前記電源電池から電力が供給されないウェイクアップ部を備え、前記ウェイクアップ部は、電波から得た電波電力により無線基地局を識別して前記通信部へ割込信号を出力し、前記計測部は、センサにより計測を行うと共に計測データを記憶し、前記通信部は、前記割込信号によりディープスリープモードからウェイクアップして、前記計測部に記憶した計測データを前記無線基地局又は他の無線基地局へ無線により送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】モニタリング用デバイスの一実施形態を示す図。
【
図3】一実施形態におけるセンサタグのブロック構成を示す図。
【
図7】他の実施形態におけるセンサタグのブロック構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態に係るモニタリング用デバイスは物流を用途とし、流通や保管する物品に取り付けて用いられる。モニタリング用デバイスの一実施形態として、
図1に柔軟性を有するセンサタグ1を示す。センサタグ1はシート状であって、曲面を有する瓶等にも貼付することができる。そして、
図1に示すように、流通や保管を開始した日時と送り先、二次元バーコード等が表示される電子ペーパを具備する。また、電子ペーパの裏側には、後述する通信回路ブロック11、センサを含む計測回路ブロック12、第1CPUを含む第1制御回路ブロック13、薄型の電源電池15、パッシブ型WUP回路ブロック16等が設けられている。これらの回路にはフレキシブル配線板等を用いており、全体的に柔軟性を有している。そのため、瓶等の曲面に貼付できる。
【0009】
センサタグ1は、
図2に示すように物品2に取り付けられて流通や保管が行われる。
図2では、センサタグ1を、瓶と箱の物品2に取り付けた様子を示す。流通や保管を開始する際に、センサタグ1には送り先と開始日時等が入力され、
図1に示した用に表示される。そして、センサタグ1は物品2に貼付により取り付けられる。センサタグ1が取り付けられた物品2は、輸送機器である冷蔵トラック3により冷蔵された状態で、各所の物流施設4に運ばれる。物流施設4には、無線基地局であるゲートウェイ41(G/W)が1乃至複数設けられる。各々のゲートウェイ41はルータ42を介してインターネット5に接続している。そして、サーバ6に繋がっている。
【0010】
物品2が物流施設4に入り、センサタグ1がゲートウェイ41の送受信範囲内に入ると、センサタグ1とゲートウェイ41の間で無線通信を行う。そして、ゲートウェイ41からルータ42、インターネット5を介してサーバ6へ情報を送信する。サーバ6は、センサタグ1から得られた温度等の情報を記憶し、外部からのアクセス等により送信することができる。物流施設4は、店舗等の物品2の受け取り施設でもよく、物流の中継施設やドライブイン、パーキングエリア等でもよい。
【0011】
本願の一実施形態であるセンサタグ1は、
図3に示すブロック構成を有する。通信回路ブロック11には、ゲートウェイ41との間で通信を行う送受信機とアンテナが設けられている。また、計測回路ブロック12には、物流において管理を必要とする情報を検出するセンサとして、例えば、温度センサや衝撃センサ、そして、これらセンサによって検出した信号に対して必要な処理を行うための増幅器、A/Dコンバータ等が設けられている。そして、通信回路ブロック11と計測回路ブロック12を制御するために、第1制御回路ブロック13が設けられている。第1制御回路ブロック13には、第1CPU、第1メモリ、カウンタが設けられている。通信回路ブロック11、計測回路ブロック12、第1制御回路ブロック13は、主要電源回路ブロック14からの電力により作動する。主要電源回路ブロック14には、昇圧/降圧回路、電源安定化回路が設けられている。主要電源回路ブロック14の電力は、電源電池15から供給される。電源電池15は、化学電池である。なお、
図3には記載していないが、第1制御回路ブロック13と主要電源回路ブロック14は、電子ペーパーデバイスに接続している。
【0012】
第1制御回路ブロック13は、パッシブ型WUP回路ブロック16の第2制御回路ブロック161に接続している。パッシブ型WUP回路ブロック16は、基本的に電源電池15から電力を得ず、電波から得られた電力により作動する。パッシブ型WUP回路ブロック16は、第2制御回路ブロック161と無線給電回路ブロック162を備える。第2制御回路ブロック161は復調/復号回路、第2CPU、第2メモリを備え、無線給電回路ブロック162はアンテナ、整流平滑回路、昇圧回路、電源安定化回路を備える。本実施形態では、無線給電回路ブロック162のアンテナと通信回路ブロック11のアンテナを別に設けているが、利用する周波数が近ければ、アンテナを共用して、スイッチで切り替えて用いることもできる。
【0013】
第1制御回路ブロック13の第1メモリと第2制御回路ブロック161の第2メモリには、センサタグ1が送受信を行うことが可能な複数のゲートウェイ41に対応する基地局IDが記憶されている。そして、ゲートウェイ41の接続要求信号(アドバタイジング信号)に含まれる基地局IDが第2メモリに記憶されていると、INT信号(割込信号)を第1制御回路ブロック13に送出する。無線給電回路ブロック162は、ゲートウェイ41が発生する電波の電波電力を変換して第2制御回路ブロック161に電力供給する。ゲートウェイ41の接続要求信号に含まれる基地局IDが第1メモリに記憶されていると、そのゲートウェイ41を介して計測データを送信することができる。
【実施例0014】
物品2に貼付されたセンサタグ1では、定期的な計測対象として温度センサによる温度計測と、イベント駆動的な計測対象として衝撃センサによる加速度計測が行われる。
図4に示す計測部のフローでは、計測回路ブロック12の温度センサ、衝撃センサ、増幅器、A/Dコンバータ等を第1制御回路ブロック13により制御して、計測値と計測日時からなる計測データを第1メモリに記憶する。また、センサタグ1は、通常はディープスリープモード(SLP)であり、電源電池15の電力消費量を抑えられている。
【0015】
ディープスリープモード(SLP)は、消費電力を小さくするモードであり、電源電池15を長持ちさせる。このモードでは、通信回路ブロック11は動作させない。そのため、消費電力の大きい送受信機は停止する。計測回路ブロック12は、最低限の電力のみ消費する。第1制御回路ブロック13には電力供給されるが、カウンタのような時間を計測する回路のみ動作させるため、最低消費電力となる。
【0016】
ウェイクアップモード(WUP)は、各ブロックが通常に作動するが、消費電力は大きい。このモードでは、通信回路ブロック11と計測回路ブロック12に電力供給され、送受信機と増幅器、A/Dコンバータ等が作動する。準ウェイクアップモード(SWUP)は、消費電力がやや小さいモードである。このモードでは、消費電力が大きい送受信機を備えた通信回路ブロック11を動作させない。しかし、計測回路ブロック12は動作させ、第1制御回路ブロック13の第1CPUは通常のクロック周波数で作動する。準ウェイクアップモード(SWUP)は、ウェイクアップモード(WUP)よりは消費電力が小さく、ディープスリープモード(SLP)よりは消費電力が大きい。
【0017】
実施例1において、温度計測の動作は次のように行われる。
図4の計測部のフローでは、ステップSM11において、ディープスリープモード(SLP)で第1制御回路ブロック13によりカウントを行う。カウンタはタイマーを形成する。このタイマーが所定時間経過を示す毎にステップSM12に進む。ステップSM12では、ディープスリープモード(SLP)から準ウェイクアップモード(SWUP)に切り換える。次に、電力が供給された計測回路ブロック12において、ステップSM13では温度センサの出力を増幅してA/D変換する。そして、第1制御回路ブロック13において、温度計測値を計測日時と共に第1メモリに記憶する。その後、ステップSM14で再びディープスリープモード(SLP)に戻る。
【0018】
また、衝撃計測の動作は次のように行われる。
図4の計測部のフローにおいて、ディープスリープモード(SLP)のステップSM11で衝撃センサが所定値以上の加速度を検出すると、イベントドリブンでステップSM12に進む。ステップSM12では、ディープスリープモード(SLP)から準ウェイクアップモード(SWUP)に切り換えられる。次に、ステップSM13において、第1制御回路ブロック13により衝撃(所定値以上の加速度)とその衝撃検出の日時を第1メモリに記憶する。そして、ステップSM14で再びディープスリープモード(SLP)に戻る。
【0019】
このようにして、第1制御回路ブロック13の第1メモリには、所定時間毎の温度が計測日時と共に記憶され、所定加速度以上の衝撃が有った場合には、その衝撃を担う加速度と衝撃検出の日時が共に記憶される。
【0020】
次に、実施例1において、第1メモリに記憶された計測データをサーバ6に送信する状況を説明する。
図2に示すセンサタグ1が流通や保管の過程で物流施設4に入り、パッシブ型WUP回路ブロック16がゲートウェイ41からの電波をうけると、
図4のウェイクアップ部に示すように、ステップSW11で無線給電の開始となる。そして、
図3に示す無線給電回路ブロック162で電波を電力に変換して、第2制御回路ブロック161に電力供給する。
【0021】
ステップSW12では、ゲートウェイ41が発する接続要求信号によりG/W信号(ゲートウェイ信号)を受信する。G/W信号には、無線基地局であるゲートウェイ41ごとに固有の基地局IDが含まれている。第2制御回路ブロック161では、ステップSW13で、第2メモリに記憶された基地局IDと照合する。そして、第2メモリに記憶されている基地局IDであると識別した場合には、ステップSW14でINT信号(割込信号)を通信部へ送信する。ステップSW12とステップSW13では、第2メモリに記憶されている基地局IDが識別されるまで、G/W信号受信とG/W信号識別を繰り返す。このようにして、センサタグ1は、電源電池15の電力を消費すること無く、計測データを送信できるゲートウェイ41の接近を検知する。
【0022】
通信部では、ウェイクアップ部からのINT信号を受けて、ステップSC11でディープスリープモード(SLP)から準ウェイクアップモード(SWUP)に移行する。したがって、ゲートウェイ41に送信できる状態になるまで、計測時以外はディープスリープモード(SLP)として消費電力を抑える。そして、ステップSC12で、第1制御回路ブロック13の第1メモリにおける計測データの有無が確認される。準ウェイクアップモード(SWUP)では、通信回路ブロック11は動作していないので電力を消費しないが、第1制御回路ブロック13は通常動作している。第1メモリに計測データが無い場合にはステップSC17でディープスリープモード(SLP)に戻る。一方、第1メモリに計測データが有る場合には、ステップSC13でウェイクアップモード(WUP)へ移行する。
【0023】
ウェイクアップモード(WUP)では、通信回路ブロック11に電力を供給し、無線通信が可能な状態となる。そして、ステップSC14で、受信したG/W信号の基地局IDが第1メモリに記憶されているか否かを識別する。受信した基地局IDが第1メモリに無い場合には、ステップSC17でディープスリープモード(SLP)に戻る。
【0024】
ステップSC14でG/W信号の基地局IDが第1メモリに有る場合には、ステップSC15で第1メモリの計測データを、センサタグ1に固有のコードであるタグIDと共にG/W(ゲートウェイ41)に無線送信する。そして、ステップSC16で、第1メモリに記憶された計測データを消去し、ステップSC17でディープスリープモード(SLP)に移行する。
【0025】
図2に示す物流施設4の中をセンサタグ1が移動すると、ウェイクアップの時に受信したゲートウェイ41と、通信の際のゲートウェイ41が異なることもあり得る。ウェイクアップ部のフローと通信部のフローでは、別々に基地局IDが識別される。そのため、上記のようにゲートウェイ41が異なる場合でも、計測データ等の無線送信は問題なく行われる。
【0026】
実施例1において、
図4における計測部のフローと通信部のフローは、共に第1制御回路ブロック13の第1CPUを用いている。計測部のフローを実行中にINT信号が送信されてきた場合には、計測部のフローがステップSM14となってディープスリープモード(SLP)になるまで通信部のフローは行われない。また、通信部のフローを実行中にタイマーやイベントドリブンにより計測部のフローが動き始めると、通信部のフローは中止されて計測部のフローを行う。ただし、ステップSC15とステップSC16の間では中止されない。計測部のフローがステップSM14になった際に通信部がINT信号を受ければ、ステップSC11から開始する。計測部のフローは通信部のフローに優先する。
【0027】
以上のようにして送信された計測データとタグIDは、ゲートウェイ41からインターネット5を介してサーバ6に送られて、蓄積される。センサタグ1のタグIDは、
図1に示すように二次元バーコードでセンサタグ1の電子ペーパに表示されている。したがって、表示された二次元バーコードを端末に取り込んでサーバ6にアクセスすることにより、温度と衝撃の履歴を見ることができる。そして、物品2に品質低下が生じた場合には、計測データの日時から、輸送や保管等のどの工程で温度や衝撃の異常が生じたのか評価して、工程を改善することができる。また、サーバ6に蓄積された複数のセンサタグ1の計測データから、物流全体の状況を把握して問題点を分析することができる。
【0028】
なお、ステップSC16の直後に、G/W信号を受信している場合には準ウェイクアップモード(SWUP)にしてからステップSC12に戻るステップを設けてもよい。このステップでは、G/W信号を受信していなかったり、受信した基地局IDが第1メモリに記憶されていなかったりした場合には、ステップSC17でディープスリープモード(SLP)に移行する。このようにすることによって、ディープスリープモード(SLP)になる頻度を減少させることができる。
【0029】
以上のように、CPUの動作を計測や通信が必要な時以外にディープスリープモード(SLP)モードにし、センサを間欠計測やイベントドリブン型で用い、さらに電子ペーパの駆動プロセッサの動作モードを、書き換え時以外にはディープスリープモード(SLP)とすることで、センサタグ1全体の消費電力を節減し、薄型である電源電池15の持続時間を大幅に延長することができる。
実施例2では、通信部において、ステップSC21で、ウェイクアップ部からのINT信号と計測部からのウェイクアップ要求(WUP要求)の両方が有の場合に、ディープスリープモード(SLP)からウェイクアップモード(WUP)に移行する。そして、実施例1のステップSC14~SC17と同様に、ステップSC22~SC25でG/W信号の基地局IDを識別し、メモリの計測データとタグIDをゲートウェイ41(G/W)へ送信した後に計測データを消去して、ディープスリープモード(SLP)に戻る。
実施例2では、ステップSM23で計測データを第1メモリに記憶した際にステップSM24でINT信号を識別し、INT信号があるとステップSM25でWUP要求を行う。これにより、計測したタイミングでウェイクアップモード(WUP)に移行して、計測データをゲートウェイ41へ送信することができる。そのため、送信できる状態であれば、計測データが速やかに送信される。その結果、例えば、物流施設4で物品2を保管中に温度上昇があった場合などには、速やかに温度上昇が送信され、早期に対応することが可能である。