(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041409
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】滴下センサ及び滴下モニタリング装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20230316BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20230316BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20230316BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
A61M5/168 532
G01H17/00 Z
G01M99/00 Z
A61M5/168 540
A61M5/172
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148772
(22)【出願日】2021-09-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開者名:岩瀬良範,石黒隆 刊行物名:第38回,日本麻酔・集中治療テクノロジー学会,プログラム・抄録集, 発行年月日:令和3年2月12日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504013775
【氏名又は名称】学校法人 埼玉医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】514107299
【氏名又は名称】株式会社 コスミック エム イー
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 良範
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
4C066
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024CA13
2G024FA01
2G024FA06
2G024FA11
2G064AA11
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC02
2G064DD02
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066QQ02
4C066QQ45
4C066QQ55
4C066QQ75
4C066QQ82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】滴下の様子を、いずれの方向からも確認できる視認性に優れた滴下センサ及び滴下モニタリング装置を提供する。
【解決手段】輸液バッグ10が接続チューブ12によって点滴筒14に接続されており、点滴筒14は搬送チューブ16に接続されている。滴下センサ100は、点滴筒14がよく見えるように、その直下の搬送チューブ16にクリップ120で取り付けられる。輸液が滴下すると、振動が生じ、これが点滴筒14や搬送チューブ16に伝わり、シールドキャップを介して圧電素子に伝わる。圧電素子では、振動が電気信号に変換され、計装アンプ、DCカットフィルタ、ローパスフィルタ、ゲイン調整可変オペアンプによる信号処理の後、CPUに入力される。CPUで得られた点滴のモニタリングデータは、スマートフォンに送信され、点滴の様子が画面上に表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液面に対する液体の滴下を検出する滴下センサであって、
前記滴下センサは、
前記滴下によって生ずる振動を検知する振動センサを備えており、
該振動センサを含むケースを、前記液面付近以外の位置に取り付けたことを特徴とする滴下センサ。
【請求項2】
前記振動センサとして圧電素子を使用し、この圧電素子をシールド手段で覆うとともに、前記圧電素子を取り付けた基板を、緩衝材を挟んで前記ケースに固定したことを特徴とする請求項1記載の滴下センサ。
【請求項3】
前記液面が点滴筒の液面であり、前記ケースを前記点滴筒直下の搬送チューブに取り付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の滴下センサ。
【請求項4】
前記ケースの取り付けによる前記搬送チューブの曲折を緩和するようにしたことを特徴とする請求項3記載の滴下センサ。
【請求項5】
前記滴下センサは、前記振動センサによって前記滴下を検出しなくなったときに、その旨の警告を行うことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の滴下センサ。
【請求項6】
前記滴下センサは、
前記振動センサによる検出結果に基づいて点滴のモニタリングデータを演算し、
得られたモニタリングデータを、外部の情報端末に対して無線で出力することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の滴下センサ。
【請求項7】
請求項6記載の滴下センサと情報端末を含んでおり、
前記滴下センサから出力されたモニタリングデータに基づいて、前記情報端末の画面上に滴下の様子を表示することを特徴とする滴下モニタリング装置。
【請求項8】
前記滴下センサが複数あり、
これら複数の滴下センサからそれぞれ出力されたモニタリングデータに基づいて、前記情報端末の画面上に滴下の様子を表示することを特徴とする請求項7記載の滴下モニタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば点滴装置における輸液の滴下のモニタリングないし監視に好適な滴下センサ及び滴下モニタリング装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
病院などで行われる点滴作業をモニタリングないし監視する背景技術としては、例えば、下記特許文献1記載の点滴監視装置がある。これは、点滴作業の進行状態を監視して医師や看護師等の医療従事者(以下「医療従事者」という)に対して報知し、必要があれば病院側にも通報するようにしたもので、点滴筒(点滴チャンバー)における輸液剤の滴下は、滴下検出手段によって検出され、検出信号が導出される。この検出信号の有無により、点滴開始状態,点滴継続状態,点滴終了状態が信号処理装置で判断され、報知手段にて医療従事者に報知される。これにより医療従事者は、点滴器具を常時注目し続ける必要がなくなり、長時間にわたる強制的な緊張から解放される。また信号処理装置によって、点滴開始状態からの経過時間が表示手段に表示されるので、患者の治療歴をカルテなどに記載するのに便利である。
【0003】
更に、点滴チェッカーとして市販されているものもある。これらは、フォトカプラー等の光学素子やマイクロ波ドップラーレーダーを使って点滴筒内の液滴落下を検出する。例えば、松吉医科器械株式会社の「テンテック」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した背景技術では、滴下センサが、枠体によって点滴筒に取り付けられており、点滴筒の様子を外部から視認し難い。また、光学素子やマイクロ波ドップラーレーダーを使用するものでも、液滴を光やマイクロ波で検出するために、点滴筒を挟むように光学素子やマイクロ波送受信素子を配置しなければならないため、同様に、点滴状態の視認性が悪くなってしまう。点滴筒の片面を開けることで、視認性を確保する試みもあるが、点滴筒が回転すると見えなくなってしまう恐れがある。
【0006】
点滴は、開始時に目視によって分あたりの点滴数を数えることで点滴速度の設定を行う必要があるため、視認性の確保は非常に重要な課題であり、点滴事故防止の観点から全方位からの点滴筒の視認性確保が求められている。
【0007】
本発明は、以上のような点に着目したもので、点滴筒における滴下の様子をいずれの方向からも確認することができる視認性に優れた滴下センサ及び滴下モニタリング装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の滴下センサは、液面に対する液体の滴下を検出する滴下センサであって、前記滴下センサは、前記滴下によって生ずる振動を検知する振動センサを備えており、該振動センサを含むケースを、前記液面付近以外の位置に取り付けたことを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記振動センサとして圧電素子を使用し、この圧電素子をシールド手段で覆うとともに、前記圧電素子を取り付けた基板を、緩衝材を挟んで前記ケースに固定したことを特徴とする。他の形態によれば、前記液面が点滴筒の液面であり、前記ケースを前記点滴筒直下の搬送チューブに取り付けたことを特徴とする。あるいは、前記ケースの取り付けによる前記搬送チューブの曲折を緩和するようにしたことを特徴とする。
【0009】
更に他の形態によれば、前記滴下センサは、前記振動センサによって前記滴下を検出しなくなったときに、その旨の警告を行うことを特徴とする。更には、前記滴下センサは、前記振動センサによる検出結果に基づいて点滴のモニタリングデータを演算し、得られたモニタリングデータを、外部の情報端末に対して無線で出力することを特徴とする。
【0010】
本発明の滴下モニタリング装置は、前記滴下センサと情報端末を含んでおり、前記滴下センサから出力されたモニタリングデータに基づいて、前記情報端末の画面上に滴下の様子を表示することを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記滴下センサが複数あり、これら複数の滴下センサからそれぞれ出力されたモニタリングデータに基づいて、前記情報端末の画面上に滴下の様子を表示することを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、滴下によって生ずる振動を検知する振動センサを含むケースを、滴下する液面付近以外の位置に取り付けることとしたので、滴下の様子をいずれの方向からも確認することができ、視認性に優れた滴下センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例1における滴下センサの取付位置を背景技術と比較して示す図である。(A)の#1-#1線に沿って矢印方向に見た図が(B)である。(C)は背景技術を示す図である。
【
図2】前記実施例における滴下センサの主要構成を示す図である。(A)は主要断面構成を示し、(B)は圧電素子の構成を示す図である。
【
図3】前記実施例における回路ブロックの構成を示す図である。
【
図4】前記実施例におけるモニタリングの様子を示す図である。
【
図5】本発明の実施例2を示す図である。(A)は病室におけるセンサ配置を示し、(B)はモニタリング画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0014】
次に、本発明の実施例1について説明する。
図1には本実施例にかかる滴下センサが示されている。同図(A)に示すように、輸液バッグ10は、接続チューブ12によって点滴筒14に接続されている。点滴筒14は、更に搬送チューブ16に接続されている。これらの構成は、一般的に知られている。本実施例の滴下センサ100は、点滴筒14の直下の搬送チューブ16に取り付けられている。同図(A)の#1-#1線に沿って矢印方向に見た様子が同図(B)に示されており、滴下センサ100のクリップ(後述)により、搬送チューブ16を挟むことで、滴下センサ100が搬送チューブ16に取り付けられている。
【0015】
このように、本実施例では、点滴センサ100が、点滴筒14の直下に設けられているため、点滴筒14における滴下の様子をいずれの方向からも確認することができる。同図(C)には、従来技術が示されており、従来の点滴センサ900は、点滴筒14を覆うように設置されている。このため、点滴筒14における滴下の様子を外部から目視で確認することは困難である。
【0016】
次に、本実施例における滴下センサ100について、
図2を参照しながら説明する。同図(A)は、滴下センサ100の主要断面構成が示されており、搬送チューブ16側のセンサ部200と、背面側のコントローラ部300とを備えている。また、センサ部200とコントローラ部300の間には、駆動用電源である充電池102が設けられている。充電池102としては、例えば、安全性に関するIEC62133規格対応の医療対応リチウムポリマー電池(3.7V)を用いる。
【0017】
滴下センサ100のケース110の下面側には、メンブレンフィルム112を介して洗濯ハサミ様のクリップ120が設けられており、このクリップ120に搬送チューブ16を挟むことで、搬送チューブ16に対する滴下センサ100の取り付けが行われるようになっている。なお、メンブレンフィルム112は、前記ケース110と、後述するシールドキャップ214との間の隙間から水分などが入り込まないようにするために、設けられている。
【0018】
なお、滴下センサ100を取り付けることによって搬送チューブ16が曲折し、輸液の搬送が妨げられる恐れがあるので、重量の大きい充電池102が搬送チューブ16に近い位置となるようにする,クリップ120の重量を調整する,などの方法で搬送チューブ16の曲折を緩和するとよい。
【0019】
以上のうち、センサ部200は、同図(B)に主要部である圧電振動センサ202の詳細を示すように、回路基板210に振動検出用圧電素子(以下単に「圧電素子」という)212が設けられており、その全体がシールドキャップ214で覆われた構成となっている。金属などによるシールドキャップ214は、搬送チューブ16に接する配置となっており、搬送チューブ16の振動をピックアップして圧電素子212に伝達するとともに、圧電素子212に対する外乱をシールドする機能を備えている。回路基板210は、圧電素子212からの信号を取り出す配線やアンプなどが設けられており、硬質スポンジ216を介して充電池102に重ねられている。
【0020】
硬質スポンジ216は、圧電振動センサ202を充電池102等の重量物と一体の振動体としないように、切り離すために設けられて緩衝体として機能し、適度の反発性ないし弾力性を有する樹脂素材、例えば、硬質ウレタン(硬質発泡ポリウレタン)や発泡ポリエチレンなどが好適な例である。
【0021】
一方、コントローラ部300は、回路基板310の一方の面にタクトスイッチ312が設けられており、他方の面に充電池102が設けられている。このタクトスイッチ312を操作するための造作である変形部114が、上述したケース110の上面に設けられており、その表面にはメンブレンフィルム114が設けられている。タクトスイッチ312は、電源のON/OFFや、後述するBLE接続時のアドバタイズ信号の出力に使用される。コントローラ部300の回路基板310には、センサ部200の回路基板210からのセンサ信号出力の配線が接続されている。また、外部接続用の防水仕様のUSB端子314も、ケース110の側面に露出するように設けられている。
【0022】
図3には、センサ部200の回路基板210,コントローラ部300の回路基板310に設けられている回路ブロックが示されている。同図において、上述した圧電素子212は、微小検出信号を増幅する計装アンプ220,直流成分をカットするDCカットフィルタ222,低周波成分(例えば200Hz以下)を通過するローパスフィルタ224,ゲイン調整用の可変オペアンプ226を介してCPU228に接続されている。CPU228は、低消費電力のものが使用され、計装アンプ220の増幅量を可変するための抵抗値を設定するアナログスイッチ230が接続されている。
【0023】
CPU228の出力側は、コントローラ部300のBLEモジュール320に接続されており、これにより、BLE(Bluetooth Low Energy)でモニタリング用のスマートフォン500と接続されて信号の送受信が行われるようになっている。スマートフォン500には、滴下モニタリングアプリ510がインストールされており、これによって動作制御が行われるようになっている。BLEモジュール320には、上述したタクトスイッチ312,外部接続用のUSB端子314,BLEの接続状態やエラー状態を表示するためのLED表示灯324がそれぞれ接続されている。USB端子314には、上述した充電池102が接続されており、充電制御IC332によってUSB端子314から充電池102が充電されるようになっている。充電池102の電力は、ボルテージレギュレータ等(図示せず)を経て、各部に供給されるようになっている。
【0024】
次に、
図3の回路ブロックの動作を説明する。タクトスイッチ154をONとするとともに、次に滴下を開始すると、滴下センサ100が動作を開始し、圧電素子212からは、輸液の滴下によって生ずる搬送チューブ16の振動が検知され、電気信号に変換されて出力される。このとき、外部からの電気ノイズは、シールドキャップ214によってシールドされる。圧電素子212から出力された振動検出信号は、計装アンプ220で増幅されるとともに、DCカットフィルタ222で直流分がカットされ、ローパスフィルタ224で低周波成分が取り出される。すなわち、輸液の滴下の周波数は極めて低いので、その成分が抽出される。取り出された信号は、CPU228に入力され、ここで、各種のモニタリングデータが演算されて、BLEモジュール320に出力される。BLEモジュール320は、BLEの接続状態やエラー状態に応じてLED表示灯324を点灯させるとともに、BLEで点滴のモニタリングデータがスマートフォン500に出力される。スマートフォン500では、入力されたモニタリングデータに基づいて、後述するように点滴波形の表示などが行われる。
【0025】
モニタリングデータとしては、例えば以下のデータがある。
a,点滴波形:圧電素子の出力である振動波形をを元にソフト的に外乱の影響を抑えた波形。これをもとに点滴数を数える。
b,点滴速度:一定時間当たりの点滴数と、1滴当たりの点滴量から演算する。
c,点滴数:点滴波形のピークをカウントする。
d,累積点滴量:点滴開始からの点滴数と、1滴下当たりの点滴量から演算する。
e,残時間:点滴終了までの残時間を予測する点滴終了時と残量が少なくなった時には、スマートフォン500の画面にアラートを出し、更に音とバイブで表示する(
図4参照)。
【0026】
次に、
図4を参照して、スタンドアローンモードでの動作を説明する。
図1に示したように、輸液バッグ10が接続チューブ12によって点滴筒14に接続されており、点滴筒14は搬送チューブ16に接続されている。そして、本実施例の滴下センサ100は、点滴筒14の直下の搬送チューブ16にクリップ120で取り付けられる。
【0027】
点滴筒14において輸液が滴下すると、振動が生じ、これが点滴筒14や搬送チューブ16に伝わり、シールドキャップ214を介して圧電素子212に伝わる。圧電素子212では、振動が電気信号に変換され、計装アンプ220,DCカットフィルタ222,ローパスフィルタ224,ゲイン調整可変オペアンプ226による上述した信号処理の後、CPU228に入力される。CPU228で得られたモニタリングデータは、スマートフォン500に送信される。スマートフォン500には、上述したように点滴モニタリングアプリ510が予めインストールされており、入力モニタリングデータに基づいて、所定の画面表示が行われる。図示の例では、DA~DCのように点滴の様子が画面上に表示される。
a,DA:点滴数,点滴速度,累積点滴量,残時間の表示
b,DB:時間経過に伴う点滴数の推移を示すグラフ
c,DC:点滴波形を示すグラフ
【0028】
以上のように、本実施例によれば、次のような効果が得られる。
a,滴下センサ100を、点滴筒14の液面付近以外の位置、すなわち滴下の視認を妨げない位置である搬送チューブ16に取り付けることとしたので、点滴筒14における滴下の様子をいずれの方向からも確認することができる。
b,滴下センサ100を、点滴筒14の直下に取り付けることとしたので、滴下による振動を良好に検出することができる。
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、滴下センサ100を点滴筒14直下に設けたが、滴下に伴って発生する振動を検出することができれば、いずれの位置に設けてもよい。点滴筒14の上側の接続チューブ12に設けてもよい。しかし、振動は、空気よりも液体の方が伝わりやすいので、点滴筒14の直下のほうが好都合である。また、点滴筒14に近いほうが、滴下による振動を検出しやすいといった利点がある。
(2)前記実施例は、滴下センサ100からの信号を無線でスマートフォン側で受信するようにしたが、有線で行うことを妨げるものではない。また、受信端末としては、スマートフォンの他、タブレット,パソコンなど、各種の端末を用いてよい。更に、それら端末から、モニタリング滴データをデータベースに送信し、患者の点滴記録として保存するようにしてもよい。
(3)前記実施例においては、スマートフォンにモニタリングデータを表示するようにしたが、例えば、
図4(B)の例において、表示画面が大きければ、滴下センサ100のすべてについてモニタリング表示を行うことができる。
(4)
図2,
図3に示したセンサ構成は一例であり、同様の機能を奏するように設計変更してよい。例えば、前記実施例では、BLEの接続状態やエラー状態の表示をLEDで行ったが、警告音を出力するようにしてもよい。
(5)圧電素子212では、各種の振動を検出することができ、上記実施例では、DCカットフィルタ222,ローパスフィルタ224によって滴下による振動成分を検出しているが、フィルタの特性を適宜設定することで、他の振動を検出するようにしてもよい。
(6)前記実施例は、本発明を静脈投与の点滴に適用した例であるが、
a,経管栄養を滴下させて投与する際の点滴モニタリングにおける空液警報
b,精密尿量測定における尿滴下のモニタリング(導管終端から蓄尿水面への滴下のモニタリング)
c,体内導管(尿量やドレーン類など)における液体の滴下モニタリング
などにも適用可能である。
(7)前記実施例では、滴下の振動を検出するセンサとして、異方性が少なく検出感度が高い圧電振動センサを使用したが、高感度の3軸加速度センサを使用し、3軸の加速度信号の合計値から滴下の振動を検出するようにしてもよい。
(8)前記実施例では、シールドキャップ214が搬送チューブ16に接する配置としたが、両者の間に隙間があって接触できないような場合は、エアーウィーヴ(登録商標)などの振動伝達材を介在させるようにする。
(9)前記実施例は、本発明をヒトへの点滴等に適用した例であるが、動物なども含めて、各種の滴下のモニタリングに適用可能である。