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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041411
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】取付装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20230316BHJP
【FI】
F01N13/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148775
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤川 典孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 謙一
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004DA01
3G004EA05
3G004FA04
3G004GA06
(57)【要約】
【課題】部品の共通化により製造コストを抑制する。
【解決手段】取付装置は、車両の排気部品の外周面に取り付けられるよう構成され、本体部と、少なくとも1つの陥没部と、複数の取付面とを備える。本体部は、外周面を覆うように構成される。陥没部は、外周面に向かって突出するように本体部に形成される。取付面は、陥没部に形成され、外周面に接合されるよう構成される。本体部は、異なる形状の外周面を覆うように構成され、複数の取付面は、複数の種類を有する。それぞれの種類の取付面は、異なる形状の外周面に接触する形状を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の排気が流下する排気部品の外周面に取り付けられるよう構成された取付装置であって、
前記取付装置が取り付けられた前記外周面を覆うように構成される本体部と、
前記外周面に向かって突出するように前記本体部に形成された少なくとも1つの陥没部と、
前記陥没部に形成され、前記外周面に接合されるよう構成された複数の取付面と、
を備え、
前記本体部は、同一又は異なる前記排気部品における異なる形状の前記外周面を覆うように構成されており、
複数の前記取付面は、複数の種類を有し、
それぞれの種類の前記取付面は、異なる形状の前記外周面に接触する形状を有する
取付装置。
【請求項2】
請求項1に記載の取付装置であって、
異なる形状の前記外周面は、異なる曲率で円弧状に湾曲した形状を有する
取付装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の取付装置であって、
前記陥没部を貫通する穴部をさらに備え、
前記取付面は、前記穴部に隣接して前記陥没部に形成される
取付装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の取付装置であって、
前記陥没部を貫通する穴部をさらに備え、
異なる種類の複数の前記取付面が、前記穴部に隣接し、且つ、前記穴部を挟んで対面するように設けられる
取付装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の取付装置であって、
前記穴部は、前記排気部品における排気の流れ方向に沿って延びる形状を有する
取付装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の取付装置であって、
異なる種類の複数の前記取付面が、前記排気部品における排気の流れ方向に延びる軸を中心に周回する方向に並ぶ
取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の排気部品の外周面に取り付けられるよう構成された取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の排気管の外周面に取り付けられ、排気管から放出される熱を遮蔽するヒートプロテクタが知られている。特許文献1のヒートプロテクタは、排気管に向かって突出する複数の陥没部が設けられていると共に、各陥没部の底部にスリットが形成されている。そして、スリットの周囲の部分が排気管の外周面に面接触し、該部分が排気管の外周面に溶接される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-167569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のヒートプロテクタは、当該ヒートプロテクタを取り付ける排気管の形状に変更が生じた場合には、該変更に応じてスリットの周囲の部分の形状を変更し、該部分が排気管の外周面に面接触するようにする必要があった。このため、複数の車両に共通のヒートプロテクタを搭載することが困難であり、コストが増加していた。
【0005】
本開示の一態様では、部品の共通化により製造コストを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両の排気が流下する排気部品の外周面に取り付けられるよう構成された取付装置であって、本体部と、少なくとも1つの陥没部と、複数の取付面と、を備える。本体部は、取付装置が取り付けられた外周面を覆うように構成される。陥没部は、外周面に向かって突出するように本体部に形成される。取付面は、陥没部に形成され、外周面に接合されるよう構成される。本体部は、同一又は異なる排気部品における異なる形状の外周面を覆うように構成されている。複数の取付面は、複数の種類を有する。それぞれの種類の取付面は、異なる形状の外周面に接触する形状を有する。
【0007】
上記構成によれば、複数の種類の排気部品の外周面に取付装置を取り付けたり、同一の排気部品の外周面における異なる位置に取付装置を取り付けたりすることが可能となる。このため、取付装置を共通化でき、排気部品の種類や排気部品への取付位置に応じて、異なる取付装置を製造する必要が無くなる。したがって、部品の共通化により製造コストを抑制することができる。
【0008】
本開示の一態様では、異なる形状の外周面は、異なる曲率で円弧状に湾曲した形状を有してもよい。
上記構成によれば、異なる曲率で湾曲する複数の種類の外周面に取付装置を取り付けることができる。このため、取付装置を共通化でき、車両の製造コストを抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様は、陥没部を貫通する穴部をさらに備えてもよい。取付面は、穴部に隣接して陥没部に形成されてもよい。
上記構成によれば、排気部品の外周面に対し取付面を良好に接合できる。
【0010】
本開示の一態様は、陥没部を貫通する穴部をさらに備えてもよい。異なる種類の複数の取付面が、穴部に隣接し、且つ、穴部を挟んで対面するように設けられてもよい。
上記構成によれば、排気部品の外周面に対し各種類の取付面を良好に接合できる。
【0011】
本開示の一態様では、穴部は、排気部品における排気の流れ方向に沿って延びる形状を有してもよい。
上記構成によれば、排気部品の外周面における排気の流れ方向に沿って延びる領域に対し、取付面を良好に接合できる。
【0012】
本開示の一態様では、異なる種類の複数の取付面が、排気部品における排気の流れ方向に延びる軸を中心に周回する方向に並んでいても良い。
上記構成によれば、各種類の外周面に対し、対応する取付面を容易に接触させることができる。このため、各種類の外周面に対し、好適に取付装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態のヒートプロテクタ及び排気管の側面図である。
図2図1におけるII-II断面図である。
図3】取付装置が第1排気管に取り付けられる場合の、図2の断面図におけるスリットの周辺部分の拡大図である。
図4】取付装置が第1排気管に取り付けられる場合の、図2の断面図におけるスリットの周辺部分の拡大図である。
図5】第2実施形態のヒートプロテクタ及び排気管における、軸線に直交する断面図である。
図6】第2実施形態のヒートプロテクタ及び排気管における、軸線に直交する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0015】
[第1実施形態]
[1.ヒートプロテクタの構成]
第1実施形態のヒートプロテクタ1は、車両のエンジンからの排気が流下する排気部品の外周面に取り付けられる取付装置であり、排気部品からの熱を遮蔽することで、排気部品の周辺の部品を保護する(図1、2参照)。一例として、ヒートプロテクタ1は、テールパイプとして構成された排気管2の外周面21に取り付けられ、排気管2の熱から主に車両のタイヤを保護する。しかし、これに限らず、ヒートプロテクタ1は、例えば、テールパイプ以外の排気管の外周面や、マフラの外周面に取り付けられても良い。
【0016】
排気管2は、円筒状の部材であり、直線部20と、図示しない湾曲部とを備える。直線部20は、直線状に延びる部位である。一方、湾曲部は、直線部20の下流側の端部から延びる湾曲した部分であり、排気の出口を有する。ここで、直線部20及び湾曲部における排気の流れ方向に直交する断面(以後、単に断面と記載)の中心を通過する線を、軸線22と記載する。軸線22は、排気の流れ方向に沿って伸びる。また、排気管2の断面は円形であり、外周面21の断面は、軸線22を中心に円弧状に湾曲する。
【0017】
また、詳細は後述するが、ヒートプロテクタ1は、一例として、径の異なる2種類の排気管2に取り付け可能となっている。ヒートプロテクタ1は、本体部10と、2つの陥没部11と、2つのスリット12と、2種類の取付面(以後、第1、第2取付面13、14)とを備える。
【0018】
[2.本体部]
本体部10は、ヒートプロテクタ1が取り付けられる各種類の排気管2の外周面21を覆うように構成された板状の部位である(図1、2参照)。本体部10は、隙間が形成された状態で外周面21に対面して配置される。具体的には、本体部10は、各種類の排気管2の直線部20の外周面21と、湾曲部の外側の外周面21とを覆うように配置され、湾曲部に沿って湾曲している。
【0019】
しかし、これに限らず、本体部10は、排気管2の直線部20の外周面21のみを覆うように配置されても良いし、湾曲部の外周面のみを覆うように配置されても良い。そして、本体部10の形状は、当該本体部10により覆われる外周面21の形状に応じて、適宜定められる。なお、本体部10と排気管2の外周面21との間に隙間を形成することで、遮熱効果が生じ得る。
【0020】
[3.陥没部]
陥没部11は、ヒートプロテクタ1が取り付けられる排気管2の外周面21に向かって突出するように、本体部10に形成された窪んだ部位である(図1、2参照)。第1実施形態では、一例として、本体部10には2つの陥没部11が設けられる。また、陥没部11は、排気管2の直線部20の外周面21に対面し、軸線22に沿って延びる略長方形状に形成されている。また、これらの陥没部11は、軸線22を中心に周回する方向(以後、周方向23と記載)に並ぶ。換言すれば、これらの陥没部11は、直線部20の断面に沿って並ぶ。
【0021】
しかし、これに限らず、本体部10には、1つ又は3つ以上の陥没部11が設けられても良い。また、陥没部11は、湾曲部の外周面21に対面するように設けられても良いし、直線部20及び湾曲部の外周面21に対面するように設けられても良い。また、各陥没部11の形状及び位置は、例えば本体部10の形状に応じて適宜定められ得る。
【0022】
[4.スリット]
スリット12は、各陥没部11の底部に位置し、該陥没部11を貫通する穴部として構成される(図1~4参照)。第1実施形態では、一例として、各陥没部11に1つのスリット12が設けられ、スリット12は、軸線22に沿って延びる細長い楕円形状に形成されており、各陥没部11のスリット12は、周方向23に並ぶ。
【0023】
しかし、これに限らず、各陥没部11には、複数のスリット12が設けられていても良い。また、スリット12が延びる向きは、適宜定められ得ると共に、スリット12の形状は、例えば、円形状又は多角形状であっても良い。また、スリット12は、本体部10の縁部に繋がっていても良い。すなわち、スリット12を構成する穴部に接する壁面は、本体部10の縁部を形成する端面に繋がっていても良い。
【0024】
[5.第1、第2取付面]
第1、第2取付面13、14は、本体部10により覆われる排気管2の直線部20の外周面21に面接触するよう構成された板状の部位であり、各陥没部11に形成される(図1~4参照)。第1、第2取付面13、14は、面接触する外周面21に溶接される。なお、これに限らず、第1、第2取付面13、14は、溶接以外の方法(例えば、かしめ等)で外周面21に接合されても良いし、例えば、排気管2の湾曲部の外周面21に面接触し、該外周面21に溶接されても良い。また、第1、第2取付面13、14の一部が外周面21に接触するようにし、第1、第2取付面13、14における外周面21に接触した部分が、外周面21に溶接されても良い。
【0025】
第1実施形態では、一例として、各陥没部11に、種類の異なる第1、第2取付面13、14が1つずつ設けられている。また、上述したように、ヒートプロテクタ1は、径の異なる2種類の第1、第2排気管2A、2Bの外周面21に取り付け可能となっている(図2~4参照)。なお、第1排気管2Aの断面の半径R1は、第2排気管2Bの断面の半径R2よりも大きい。
【0026】
そして、第1、第2取付面13、14は、それぞれ、第1、第2排気管2A、2Bの直線部20の外周面21に面接触するよう形成されている。つまり、各種類の取付面は、異なる形状の排気管の外周面に面接触する。第1実施形態では、一例として、第1、第2取付面13、14は、円弧状に湾曲しており、第1、第2取付面13、14における軸線24に直交する断面における円弧の曲率半径は、それぞれ、R1、R2となっている。
【0027】
また、第1、第2取付面13、14は、軸線22に沿って延びる細長い形状であり、周方向23に並ぶ。また、第1、第2取付面13、14は、スリット12に隣接しており、スリット12を間に挟んで対面しつつ、周方向23に並ぶ。
【0028】
また、上述したように、ヒートプロテクタ1は、周方向23に並ぶ2つの陥没部11が設けられるが、各陥没部11では、本体部10の端部側に第1取付面13が配置され、他方の陥没部11が位置する側に第2取付面14が配置される。つまり、本体部10における周方向23の中央部に2つの第2取付面14が配置され、本体部10における周方向23の両端の付近に、それぞれ、第1取付面13が配置される。
【0029】
そして、ヒートプロテクタ1が第1排気管2Aに取り付けられた際には、各陥没部11における本体部10の端部側の第1取付面13が外周面21に溶接される。しかし、各陥没部11における本体部10の中央側の第2取付面14と外周面21との間には、隙間が形成されるか、又は、第2取付面14の一部が外周面21に接触する。
【0030】
反対に、ヒートプロテクタ1が第2排気管2Bに取り付けられた際には、各陥没部11における本体部10の中央側の第2取付面14が外周面21に溶接される。しかし、各陥没部11における本体部10の縁部側の第1取付面13と外周面21との間には、隙間が形成されるか、又は、第1取付面13の一部が外周面21に接触する。
【0031】
[第2実施形態]
[6.全体の構成]
第2実施形態のヒートプロテクタ1は、第1実施形態と同様、本体部10と、少なくとも1つの陥没部11と、少なくとも1つのスリット12と、複数の第1、第2取付面13、14とを備える(図5、6参照)。しかし、第2実施形態のヒートプロテクタ1は、陥没部11の数等において第1実施形態と異なる。以下では、第2実施形態のヒートプロテクタ1について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0032】
第2実施形態のヒートプロテクタ1は、周方向23に並ぶ3つの陥没部(以後、第1~第3陥没部11A~11C)を備える。なお、第2陥没部11Bは、第1、第3陥没部11A、11Cの間に位置する。
【0033】
また、第1~第3陥没部11A~11Cは、それぞれ、第1実施形態の陥没部11と同様に構成されており、スリット12と、2つの取付面とを備える。しかし、第2実施形態では、第1、第3陥没部11A、11Cには、それぞれ、同じ種類の2つの取付面が設けられ、第2陥没部11Bには、種類の異なる2つの取付面が設けられる。
【0034】
具体的には、第1陥没部11Aには、2つの第1取付面13が設けられていると共に、第2陥没部11Bの第1陥没部11A側には、1つの第1取付面13が設けられている。そして、これらの第1取付面13は、第1排気管2Aの直線部20の外周面21に面接触するよう形成されている。
【0035】
また、第3陥没部11Cには、2つの第2取付面14が設けられていると共に、第2陥没部11Bの第3陥没部11C側には、1つの第2取付面14が設けられている。そして、これらの第2取付面14は、第2排気管2Bの直線部20の外周面21に面接触するよう形成されている。
【0036】
このため、ヒートプロテクタ1が第1排気管2Aに取り付けられた際には、第1陥没部11Aにおける2つの第1取付面13と、第2陥没部11Bにおける第1陥没部11A側の第1取付面13とが外周面21に溶接される(図5参照)。一方、第2陥没部11Bにおける第3陥没部11C側の第2取付面14、及び、第3陥没部11Cにおける2つの第2取付面14と、外周面21との間には、隙間が形成される。なお、この時、第2陥没部11Bの第2取付面14の一部は、外周面21に接触していても良い。
【0037】
これに対し、ヒートプロテクタ1が第2排気管2Bに取り付けられた際には、第3陥没部11Cにおける2つの第2取付面14と、第2陥没部11Bにおける第3陥没部11C側の第2取付面14とが、外周面21に溶接される(図6参照)。一方、第2陥没部11Bにおける第1陥没部11A側の第1取付面13、及び、第1陥没部11Aにおける2つの第1取付面13と、外周面21との間には、隙間が形成される。なお、この時、第2陥没部11Bの第1取付面13の一部は、外周面21に接触していても良い。
【0038】
[7.効果]
(1)第1、第2実施形態によれば、ヒートプロテクタ1は、第1及び第2排気管1A、1Bに取り付けることができる。このため、第1、第2排気管1A、1Bに取り付けられるヒートプロテクタ1を共通化でき、排気管の種類に応じて異なるヒートプロテクタ1を製造する必要が無くなる。したがって、部品の共通化により車両の製造コストを抑制することができる。
【0039】
(2)また、第1、第2取付面13、14は、スリット12に隣接し、且つ、スリット12を挟んで対面するように設けられる。このため、スリット12の縁部又はその付近を溶接することが可能となり、各種類の排気管に対し、第1、第2取付面13、14を良好に溶接できる。
【0040】
(3)また、スリット12は、軸線22に沿って延びる形状を有する。このため、ヒートプロテクタ1を排気管に取り付ける際の向きを把握し易くなり、排気管2の外周面21に対し、第1、第2取付面13、14を良好に溶接できる。
【0041】
(4)また、第1、第2取付面13、14は、周方向23に並ぶ。このため、外周面21にヒートプロテクタ1を取り付ける際には、まず、第1、第2取付面13、14が周方向23に並ぶようにヒートプロテクタ1が配置される。その後、軸線22に平行な軸を中心にヒートプロテクタ1を回転させ、外周面21に対するヒートプロテクタ1の向きを調整することで、対応する種類の取付面を外周面21に面接触させることができる。このため、各種類の排気管2の外周面21に対し、対応する取付面を容易に面接触させることができる。また、ヒートプロテクタ1の向きを大きく変更すること無く、各種類の排気管2に、ヒートプロテクタ1を溶接できる。
【0042】
[8.他の実施形態]
(1)第1、第2実施形態のヒートプロテクタ1における第1、第2取付面13、14は、異なる種類の排気管2における異なる形状の外周面21に面接触するよう形成されている。しかし、第1、第2取付面13、14は、同一の排気部品における異なる形状の外周面に面接触するよう形成されていても良い。また、ヒートプロテクタ1に3種類以上の取付面を設け、ヒートプロテクタ1を、同一又は異なる排気部品における3種類以上の異なる形状の外周面に取り付けられるよう構成しても良い。
【0043】
(2)また、第1、第2実施形態のヒートプロテクタ1は、2つ又は3つの陥没部11を備えると共に、各陥没部11には、1つのスリット12と、2つの取付面とが設けられている。また、陥没部11、スリット12、及び取付面13、14は、軸線22の方向に延びると共に、各陥没部11、各スリット12、及び各取付面13、14は、周方向23に並ぶ。しかし、これらの部位の数、位置、及び形状と、これらの部位が並ぶ方向とは、例えば、ヒートプロテクタ1が取り付けられる排気部品の外周面の形状に応じて、適宜定められ得る。
【0044】
具体的には、例えば、各陥没部11には、2以上のスリット12が設けられていても良いし、1つ又は3つ以上の取付面が設けられていても良いし、ヒートプロテクタ1に1つ又は4つ以上の陥没部11が設けられても良い。そして、排気部品の外周面の形状等に応じて、各陥没部11に設けられる取付面の形状が定められる。具体例を挙げると、陥没部11、スリット12、及び取付面は、周方向23に延びていても良いし、各陥没部11、各スリット12、及び各取付面は、軸線22の方向に並んでいても良い。
【0045】
(3)また、各陥没部11にはスリット12が設けられており、スリット12に隣接して各取付面が設けられる。しかし、これに限らず、陥没部11にスリット12を設けることなく、少なくとも1つの取付面を設けるようにしても良い。
【0046】
(4)また、第1、第2実施形態のヒートプロテクタ1と同様の構成を有する取付装置を、排気部品の外周面に取り付けられ、他の部品が接合されるブラケットとして構成しても良い。なお、他の部品とは、例えば、該排気部品を支持するための部品であっても良い。この他にも、第1、第2実施形態の取付装置を、ヒートプロテクタ1及びブラケット以外の他の用途に用いられる装置として構成しても良い。
【0047】
(5)また、第1、第2実施形態の上述したヒートプロテクタ1は、円弧状に湾曲した排気管2の外周面21に取り付けられるよう構成されている。しかし、これに限らず、ヒートプロテクタ1は、円弧状ではない別の形状を有する排気部品の外周面に取り付けられるよう構成されていても良い。この場合、取付面の形状は、該外周面に面接触するように適宜定められる。
【0048】
(6)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…ヒートプロテクタ、10…本体部、11…陥没部、12…スリット、13…第1取付面、14…第2取付面、2…排気管、20…直線部、21…外周面、22…軸線、23…周方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6