(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041449
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20230316BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230316BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230316BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230316BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230316BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230316BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 623A
G09G3/20 623R
G09G3/20 624B
G09G3/20 642A
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H01L29/78 618B
H01L29/78 614
H01L27/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148829
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】小原 将紀
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
5F110
【Fターム(参考)】
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5F110NN78
(57)【要約】
【課題】セレクタ回路におけるオフリーク電流を抑制することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、行列状に配置される複数の画素110と、複数の画素110における互いに異なる画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧Vdatを書き込むための複数のデータ電圧線Sigと、複数のデータ電圧線Sigにデータ電圧Vdatを供給するデータドライバ13と、複数のデータ電圧線Sigとデータドライバ13との間に接続され、データドライバ13からのデータ電圧Vdatを供給するデータ電圧線Sigを切り替える複数の選択トランジスタTSegを有するセレクタ回路120とを備える。そして、複数の選択トランジスタTSegのそれぞれは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置される複数の画素と、
前記複数の画素における互いに異なる画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込むための複数のデータ電圧線と、
前記複数のデータ電圧線に前記データ電圧を供給するデータドライバと、
前記複数のデータ電圧線と前記データドライバとの間に接続され、前記データドライバからの前記データ電圧を供給するデータ電圧線を切り替える複数の選択トランジスタを有するセレクタ回路とを備え、
前記複数の選択トランジスタのそれぞれは、チャネル層となる酸化物半導体層を有する
表示装置。
【請求項2】
前記複数の画素のそれぞれは、薄膜トランジスタを有し、
前記薄膜トランジスタは、チャネル層となるポリシリコン半導体層を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
データ電圧線を介して供給されたデータ電圧を保持する容量素子とを有し、
前記薄膜トランジスタは、当該データ電圧に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタ、及び、前記データ電圧線と前記駆動トランジスタのゲート電極との間に接続された書き込みトランジスタを有し、
前記駆動トランジスタ、及び、前記書き込みトランジスタの一方は、チャネル層となるポリシリコン半導体層を有し、前記駆動トランジスタ、及び、前記書き込みトランジスタの他方は、チャネル層となる酸化物半導体層を有する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の画素が形成される基板を備え、
前記複数の選択トランジスタの前記チャネル層は、前記基板上に形成される第1層に設けられ、
前記薄膜トランジスタの前記チャネル層は、前記基板上に形成される第2層であって前記第1層とは異なる第2層に設けられる
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の選択トランジスタは、前記複数のデータ電圧線と前記データドライバとの間のそれぞれに並列に接続された第1の選択トランジスタと第2の選択トランジスタとを有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
セレクタ制御信号に基づいて、前記第1の選択トランジスタと前記第2の選択トランジスタとを選択的にオンさせる制御部をさらに備える
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記セレクタ制御信号に基づいて、前記第1の選択トランジスタ、及び、前記第2の選択トランジスタのうちオンしていない選択トランジスタのゲート電極に0V以下のオフ電圧を供給する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記発光素子は、有機EL(Electro Luminescence)素子である
請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号出力回路(データドライバ)から出力される階調値に応じた信号電圧(データ電圧)を、複数の信号線(複数のデータ電圧線)に対して時間分割的に分配するセレクタ回路を備える表示装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。セレクタ回路は、複数の薄膜トランジスタ有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、セレクタ回路を備える表示装置では、データ電圧がデータ電圧線に充電された後、画素(画素回路)への当該データ電圧の充電が開始される(書き込みトランジスタがオンする)までの間、当該データ電圧線がフローティング状態となる。そのため、セレクタ回路が有する薄膜トランジスタにおいてオフリーク電流が発生する場合、フローティング状態のデータ電圧線の充電電荷がオフ状態の薄膜トランジスタを通してリークし、当該データ電圧線の電位が変動することが起こり得る。
【0005】
画素へのデータ電圧の充電が開始される前にデータ電圧線のデータ電圧が変動すると、画素に所望のデータ電圧を充電できず、データドライバが出力したデータ電圧に応じた表示輝度を実現できない問題が発生する。
【0006】
このように、フローティング状態のデータ電圧線におけるデータ電圧の保持、つまりオフリーク電流の抑制が表示輝度に対して重要である。特許文献1には、セレクタ回路のオフリーク電流を抑制することについては開示されていない。
【0007】
そこで、本開示は、セレクタ回路におけるオフリーク電流を抑制することができる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置は、行列状に配置される複数の画素と、前記複数の画素における互いに異なる画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込むための複数のデータ電圧線と、前記複数のデータ電圧線に前記データ電圧を供給するデータドライバと、前記複数のデータ電圧線と前記データドライバとの間に接続され、前記データドライバからの前記データ電圧を供給するデータ電圧線を切り替える複数の選択トランジスタを有するセレクタ回路とを備え、前記複数の選択トランジスタのそれぞれは、チャネル層となる酸化物半導体層を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る表示装置によれば、セレクタ回路におけるオフリーク電流を抑制することができる表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る表示装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る表示装置の画素回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る表示装置の画素回路の構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る表示装置の各種制御信号のタイミングチャートを示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る表示装置における、
図1の破線領域に対応する領域を拡大して示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係る表示装置の各種制御信号のタイミングチャートを示す図である。
【
図8】
図8は、各実施の形態に係る表示装置の外観を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示に至った経緯)
本開示の説明に先立ち、本開示に至った経緯について説明する。
【0012】
セレクタ回路を備える表示装置は、通常、1水平期間に時分割で各サブ画素(各サブ画素回路)のデータ電圧線にデータ電圧を充電する。複数のサブ画素により画素が構成される。次に、書き込み信号(例えば、
図1に示す制御信号WS)をオンすることで、データ電圧線のデータ電圧を画素(画素回路)の保持容量に充電する。充電は、各サブ画素で同時に行われる。
【0013】
「発明が解決する課題」でも説明したように、セレクタ回路を介してデータ電圧が充電されたデータ電圧線は、画素への充電が開始されるまでの間、フローティング状態になるため、当該データ電圧線に充電されたデータ電圧の保持が表示輝度に対して重要になる。なお、本明細書において、フローティング状態とは、データ電圧線が電気的に遮断された状態であることを意味する。
【0014】
高速動作を重視する観点から、セレクタ回路を構成する薄膜トランジスタには、ポリシリコン半導体TFT(Thin Film Transistor)が一般的に用いられる。しなしながら、ポリシリコン半導体TFTは、結晶欠陥起因等のリークにより、オフリーク電流が比較的大きく、フローティング状態のデータ電圧線の充電電荷がオフ状態のポリシリコン半導体TFTを通してリークし、データ電圧線の電位が変動することが起こり得る。
【0015】
これにより、画素の書き込みトランジスタがオンする前にデータ電圧線に充電されたデータ電圧が変動し、画素に所望のデータ電圧を充電できない問題が発生する。このようなセレクタ回路のオフリーク電流は、表示輝度ズレ(輝度ムラ)の要因なるので抑制することが望まれる。
【0016】
ここで、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流の温度依存性について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流を説明するための図である。
図9では、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流(SEL_Ioff)と、パネル温度(つまり、ポリシリコン半導体TFTの温度)との関係を示す。
図9に示す縦軸は、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流の比(SEL_Ioff比)を示し、横軸は、温度を示す。横軸のRT(Room Temperature)は、室温(例えば、20~30℃)を示しており、オフリーク電流の比は、室温におけるオフリーク電流を基準に、温度が室温+α(RT+α)となるときのオフリーク電流の比を示す。αは、正の数値である。
【0017】
図9に示すように、ポリシリコン半導体TFTでは、温度が上昇するにつれ、オフリーク電流が上昇する傾向がある。また、オフリーク電流の上昇は、R(Red)、G(Green)、及び、B(Blue)それぞれのデータ電圧線に接続されたポリシリコン半導体TFTにおいて、同程度生じ得る。
【0018】
このように、ポリシリコン半導体TFTは、セレクタ回路のオフリーク電流を抑制する観点から、高温域で使用され得る表示装置(例えば、車載用の表示装置)には適していないと考えられる。
【0019】
なお、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流は、製造時のプロセス制御(Si結晶性の制御)に依存する傾向が高く、既存技術では低減に限界がある。また、ポリシリコン半導体TFTのオフリーク電流を補正するための補正システム(外部IC)は、実装回路規模の増加、システムの複雑化等によりコストが上昇する。
【0020】
なお、オフリーク電流が発生する要因としては、サブスレッショルドリーク電流(ドレイン-ソース間リーク)、ゲートリーク電流(ゲート絶縁膜リーク)、GIDL(Gate-Induced-Drain-Leakage current)電流、又は、接合リーク電流(結晶性欠陥リーク電流)の発生が例示される。
【0021】
そこで、本願発明者は、セレクタ回路を備える表示装置において、当該セレクタ回路のオフリーク電流を抑制することができる表示装置について鋭意検討を行い、以下に説明する表示装置を創案した。
【0022】
以下、本開示の各実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、いずれも本開示における一具体例を示すものである。したがって、以下の各実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の各実施の形態における構成要素のうち、本開示における独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0023】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0024】
また、本明細書において、同一、平行などの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0025】
(実施の形態1)
[1-1.表示装置の構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置の構成について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示装置1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図2は、
図1の破線領域Rを含む領域を拡大して示す図である。
図2では、各サブ画素を便宜上「画素」と表記している。なお、以下の説明では、簡潔のため、信号と信号を伝達する配線とを、同一の符号で参照することがある。なお、以下の各トランジスタは、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される例について説明するが、p型の薄膜トランジスタ(p型TFT)で構成されてもよい。
【0026】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御部20と、電源30とを備える。また、表示パネル10は、表示部11と、第1のゲートドライバ12aと、第2のゲートドライバ12bと、データドライバ13と、セレクタ回路(データセレクタ回路)120とを有する。なお、
図1では、データ電圧線B_Sig、G_Sig及びR_Sigのうちデータ電圧線R_Sigに接続された画素110(
図2に示すサブ画素110Rに対応)のみを図示している。
【0027】
表示部11は、行列状に配置された、それぞれが発光素子EL
B、EL
G、EL
R(
図3を参照)を有する複数の画素110を有する。当該行列の各行には同じ行に配置される複数の画素110に共通に接続される制御信号線(ゲート制御線)が設けられ、当該行列の各列には同じ列に配置される複数の画素110に共通に接続されるデータ電圧線B_Sig、G_Sig及びR_Sigが設けられる。なお、以降において、データ電圧線B_Sig、G_Sig及びR_Sigを区別しない場合、又は、データ電圧線B_Sig、G_Sig及びR_Sigをまとめてデータ電圧線Sigとも記載する。
【0028】
データ電圧線B_Sigは、1以上のサブ画素110B(
図2を参照)を含む画素列に属する各サブ画素110Bと接続され、各サブ画素110Bにデータ電圧Vdat_b(
図3を参照)を供給する機能を有する。なお、サブ画素110Bは、例えば、青色を発するサブ画素である。1つのデータ電圧線B_Sigに接続された各サブ画素110Bにより1つのサブ画素列(第1のサブ画素列)が構成される。
【0029】
データ電圧線G_Sigは、1以上のサブ画素110G(
図2を参照)を含む画素列に属する各サブ画素110Gと接続され、各サブ画素110Gにデータ電圧Vdat_g(
図3を参照)を供給する機能を有する。なお、サブ画素110Gは、例えば、緑色を発するサブ画素である。1つのデータ電圧線G_Sigに接続された各サブ画素110Gにより1つのサブ画素列(第2のサブ画素列)が構成される。
【0030】
データ電圧線R_Sigは、1以上のサブ画素110Rを含む画素列に属する各サブ画素110Rと接続され、各サブ画素110Rにデータ電圧Vdat_r(
図3を参照)を供給する機能を有する。なお、サブ画素110Rは、例えば、赤色を発するサブ画素である。1つのデータ電圧線R_Sigに接続された各サブ画素110Rにより1つのサブ画素列(第3のサブ画素列)が構成される。
【0031】
1つの画素列は、第1のサブ画素列、第2のサブ画素列、及び、第3のサブ画素列を含む。
【0032】
このように、データ電圧線Sigは、複数の画素110における互いに異なるサブ画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧をサブ画素110B、110G及び110Rに充電するため(書き込むため)に設けられる。なお、以降において、充電することを書き込むとも記載する。
【0033】
図2に示すように、セレクタ回路120は、データ電圧線Sigとデータドライバ13との間に接続され、データドライバ13からのデータ電圧を供給するデータ電圧線Sigを時分割で切り替える。セレクタ回路120は、複数のスイッチ部120aを有する。例えば、スイッチ部120aは、データ電圧線Sigと、データIC(Integrated Circuit)13aとの間に接続され、選択したデータ電圧線Sigのいずれかにデータドライバ13を構成する1つのデータIC13aからのデータ電圧を選択的に供給する機能を有する。スイッチ部120aは、画素列ごとに配置され、サブ画素列ごとに配置された薄膜トランジスタである選択トランジスタTSeg
B、TSeg
G、及び、TSeg
Rを有する。選択トランジスタTSeg
B、TSeg
G、及び、TSeg
Rは、各データ電圧線Sigのそれぞれとデータドライバ13との接続を切り替えるスイッチトランジスタである。なお、以降において、選択トランジスタTSeg
B、TSeg
G、及び、TSeg
Rを区別しない場合、又は、選択トランジスタTSeg
B、TSeg
G、及び、TSeg
Rをまとめて選択トランジスタTSegとも記載する。
【0034】
選択トランジスタTSegBのソース電極及びドレイン電極の一方は、データ電圧線B_Sigに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方は、データIC13aに接続される。また、選択トランジスタTSegBのゲート電極は、セレクタ制御線SEL1に接続される。
【0035】
選択トランジスタTSegGのソース電極及びドレイン電極の一方は、データ電圧線G_Sigに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方は、データIC13aに接続される。また、選択トランジスタTSegGのゲート電極は、セレクタ制御線SEL2に接続される。
【0036】
選択トランジスタTSegRのソース電極及びドレイン電極の一方は、データ電圧線R_Sigに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方は、データIC13aに接続される。また、選択トランジスタTSegRのゲート電極は、セレクタ制御線SEL3に接続される。
【0037】
選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRのそれぞれには、酸化物半導体TFTが用いられる。言い換えると、選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRのそれぞれには、ポリシリコン半導体TFTは用いられない。酸化物半導体TFTは、ポリシリコン半導体TFTに比べてリーク電流(オフリーク電流)が低い特性を有する。酸化物半導体TFTのリーク電流は、一般的に、ポリシリコン半導体TFTのリーク電流より2桁程度低い。
【0038】
なお、酸化物半導体TFTを構成する酸化物半導体層の材料として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)のうち、少なくとも1種を含む酸化物半導体材料を用いることができる。例えば、酸化物半導体層は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び、酸素(O)の化合物(例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO:IGZO))、又は、In、Sn(又はTin)、Zn、及び、Oの化合物(例えば、(酸化インジウムスズ亜鉛(InSnZnO:ITZO))から構成されてもよいし、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム(InO)から構成されてもよい。なお、酸化物半導体層は、他の金属酸化物から構成されてもよく、材料は特に限定されない。
【0039】
セレクタ回路120が酸化物半導体TFTを含んで構成されることで、各データ電圧線Sigにデータ電圧Vdat_b、Vdat_g、Vdat_rを充電した後のフローティング状態において、各選択トランジスタTSegからのオフリーク電流を抑制し、各データ電圧線Sigの電位変動を抑制することができる。よって、表示装置1では、画素110への書き込み前に各データ電圧線Sigのデータ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rが変動しにくく、画素110に所望のデータ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rを充電することができる。なお、以降において、データ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rを区別しない場合、又は、データ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rをまとめてデータ電圧Vdatとも記載する。
【0040】
なお、高速動作を重視する観点から、セレクタ回路120の選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRにはポリシリコン半導体TFTが用いられており、酸化物半導体TFTを用いることは通常は行われない。本実施の形態では、発光素子ELB、ELG、ELRが有機EL(Electro Luminescence)発光素子であり、画素電流で輝度を制御するので、データ電圧Vdatの階調ズレ(データ電圧Vdatの電圧ズレ)に対する表示輝度への影響が大きい。例えば、有機EL発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)を備える表示パネル10は、電圧により表示輝度を調整する液晶パネルに比べてデータ電圧Vdatの階調ズレに対する表示輝度への影響が大きい。
【0041】
そこで、本実施の形態に係る表示装置1では、有機EL発光素子を備える表示パネル10におけるデータ電圧Vdatの階調ズレを抑制する観点から、セレクタ回路120の選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRにはポリシリコン半導体TFTではなく、酸化物半導体TFTを用いる。
【0042】
セレクタ回路120は、選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRのオン及びオフがセレクタ制御線SEL1、SEL2、及び、SEL3を介して制御部20により制御されることにより、データIC13a(データドライバ13)からのデータ電圧Vdatを、データ電圧線Sigに時分割で供給する。セレクタ回路120は、データIC13aとデータ電圧線Sigのいずれかとの電気的な接続を切り替える列切り替え回路(サブ画素列切り替え回路)である。なお、以降において、セレクタ制御線SEL1、SEL2、及び、SEL3を単にセレクタ制御線SELとも記載する。
【0043】
セレクタ制御線SELには、セレクタ回路120を制御する制御信号SELが制御部20から供給される。例えば、セレクタ制御線SEL1は、選択トランジスタTSegBのゲート電極に接続され、当該セレクタ制御線SEL1には、選択トランジスタTSegBのオン及びオフを制御する制御信号SEL1が制御部20から供給される。また、例えば、セレクタ制御線SEL2は、選択トランジスタTSegGのゲート電極に接続され、当該セレクタ制御線SEL2には、選択トランジスタTSegGのオン及びオフを制御する制御信号SEL2が制御部20から供給される。また、例えば、セレクタ制御線SEL3は、選択トランジスタTSegRのゲート電極に接続され、当該セレクタ制御線SEL3には、選択トランジスタTSegRのオン及びオフを制御する制御信号SEL3が制御部20から供給される。セレクタ制御線SELは、第1のセレクタ制御線の一例であり、制御信号SELは、セレクタ制御信号の一例である。
【0044】
例えば、セレクタ制御線SEL1に入力される制御信号SEL1が低レベル(ローレベル)から高レベル(ハイレベル)となると選択トランジスタTSegBがオンとなり、データ電圧線B_SigにデータIC13aからのデータ電圧Vdat_bが供給される。次に、セレクタ制御線SEL1に入力される制御信号SEL1が高レベルから低レベルとなった後にセレクタ制御線SEL2に入力される制御信号SEL2が低レベルから高レベルとなると、選択トランジスタTSegBがオフし、かつ、選択トランジスタTSegGがオンするので、データ電圧線G_SigにデータIC13aからのデータ電圧Vdat_gが供給される。次に、セレクタ制御線SEL2に入力される制御信号SEL2が高レベルから低レベルとなった後にセレクタ制御線SEL3に入力される制御信号SEL3が低レベルから高レベルとなると、選択トランジスタTSegGがオフし、かつ、選択トランジスタTSegRがオンするので、データ電圧線R_SigにデータIC13aからのデータ電圧Vdat_rが供給される。
【0045】
このように、スイッチ部120aは、当該スイッチ部120aに接続されるデータ電圧線Sigに、時分割でデータ電圧Vdatを保持させる動作を行う。これにより、1つのデータIC13aにより、データ電圧線Sigのそれぞれに、発光素子ELB、ELG、ELRのそれぞれに供給する画素電流に対応するデータ電圧Vdatを保持させることができる。
【0046】
なお、スイッチ部120aは、3つのデータ電圧線Sigを選択的に切り替えることに限定されず、2以上のデータ電圧線Sigを選択的に切り替えるように構成されていればよい。このようなスイッチ部120aは、切り替えるデータ電圧線Sigの数と同数の選択トランジスタTSegを有する。
【0047】
図1を再び参照して、制御部20は、表示パネル10を制御する回路であり、外部から映像信号を受信し、当該映像信号で表される画像が表示部11において表示されるように、第1のゲートドライバ12a、第2のゲートドライバ12b、データドライバ13、及び、セレクタ回路120を制御する。例えば、制御部20は、セレクタ制御線SELにセレクタ回路120を制御するための制御信号SELを供給する。制御部20は、セレクタ制御線SELと接続されている。
【0048】
電源30は、表示装置1の動作用の電力を、表示装置1の各部に供給する。電源30は、例えば、表示部11、第1のゲートドライバ12a、第2のゲートドライバ12b、データドライバ13、制御部20、及び、セレクタ回路120へ動作用の電力を供給する。また、電源30は、例えば、初期化電圧VINI、参照電圧(基準電圧)VREF、正電源電圧VCC、及び、負電源電圧VCATHを表示部11へ供給する。
【0049】
第1のゲートドライバ12a、及び、第2のゲートドライバ12bは、制御信号線を介して、画素110に対し、画素110の動作を制御するための各種制御信号を供給する。第1のゲートドライバ12a、及び、第2のゲートドライバ12bは、走査線駆動回路として機能する。
【0050】
なお、制御信号線は、書き込み信号線WS、初期化信号線INI、及び、参照信号線REFを含む。書き込み信号線WSは、ゲート制御線の一例であり、複数の画素110における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行(例えば、サブ画素行)を選択するための制御信号WSが供給される。書き込み信号線WSは、例えば、書き込み信号線WS1、WS2、WSn-1、及び、WSn(nは、行数であり、例えば2以上の整数)を含む。初期化信号線INIは、複数の画素110における互いに異なる画素行ごとに配置され、発光素子EL
B、EL
G、EL
Rの電位を初期化するための制御信号INIが供給される。参照信号線REFは、複数の画素110における互いに異なる画素行ごとに配置され、駆動トランジスタTD
R、TD
G、TD
B(
図3を参照)のゲート電極に参照電圧VREFを供給するための制御信号REFが供給される。
【0051】
第1のゲートドライバ12aは、INI信号用ゲートドライバ12a1、Ref信号用ゲートドライバ12a2、及び、WS信号用ゲートドライバ12a3を含んで構成される。INI信号用ゲートドライバ12a1、Ref信号用ゲートドライバ12a2、及び、WS信号用ゲートドライバ12a3のそれぞれは、複数のシフトレジスタを含んで構成される。シフトレジスタは、例えば、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)回路、又は、使われている薄膜トランジスタがNチャネル若しくはPチャネルの何れか一方のみのポリシリコン薄膜トランジスタを含んで構成されるが、これに限定されない。
【0052】
第2のゲートドライバ12bは、INI信号用ゲートドライバ12b1、Ref信号用ゲートドライバ12b2、及び、WS信号用ゲートドライバ12b3を含んで構成される。
【0053】
INI信号用ゲートドライバ12a1及び12b1は、初期化トランジスタT1
R、T1
G及びT1
B(
図3を参照)それぞれのゲート電極と初期化信号線INIを介して接続されており、画素110が有する発光素子EL
R、EL
G及びEL
Bそれぞれの電極(例えば、アノード)の電位を初期化する初期化動作を行うためのゲートドライバである。INI信号用ゲートドライバ12a1及び12b1は、初期化トランジスタT1
R、T1
G及びT1
Bのオン及びオフを制御信号INIにより制御する。INI信号用ゲートドライバ12a1及び12b1は、初期化信号線INIの両側から制御信号INIを入力する。なお、初期化動作は、閾値補償動作の前に行われる。
【0054】
Ref信号用ゲートドライバ12a2及び12b2は、補償トランジスタT2
R、T2
G及びT2
B(
図3を参照)それぞれのゲート電極と参照信号線REFを介して接続されており、駆動トランジスタTD
R、TD
G及びTD
Bの閾値電圧を補償する閾値補償動作を行うためのゲートドライバである。Ref信号用ゲートドライバ12a2及び12b2は、補償トランジスタT2
R、T2
G及びT2
Bのオン及びオフを制御信号REFにより制御する。Ref信号用ゲートドライバ12a2及び12b2はそれぞれ、参照信号線REFの両側から制御信号REFを入力する。
【0055】
なお、以降において、駆動トランジスタTDR、TDG及びTDBを区別しない場合、又は、駆動トランジスタTDR、TDG及びTDBをまとめて駆動トランジスタTDとも記載する。
【0056】
WS信号用ゲートドライバ12a3及び12b3は、書き込みトランジスタT3
R、T3
G及びT3
B(
図3を参照)それぞれのゲート電極と書き込み信号線WSを介して接続されており、データ電圧Vdat_r、Vdat_g、Vdat_bのそれぞれを保持容量CS
R、CS
G、CS
Bのそれぞれに保持させる。WS信号用ゲートドライバ12a3及び12b3は、書き込みトランジスタT3
R、T3
G及びT3
Bのオン及びオフのための制御信号WSを書き込み信号線WSに供給する。WS信号用ゲートドライバ12a3及び12b3は、書き込み信号線WSの両側から制御信号WSを入力する。
【0057】
なお、以降において、保持容量CSR、CSG、CSBを区別しない場合、又は、保持容量CSR、CSG、CSBをまとめて保持容量CSとも記載する。保持容量CSは、容量素子の一例である。
【0058】
なお、以降において、書き込みトランジスタT3R、T3G及びT3Bを区別しない場合、又は、書き込みトランジスタT3R、T3G及びT3Bをまとめて書き込みトランジスタT3とも記載する。
【0059】
図1を再び参照して、データドライバ13は、データ電圧線Sigを介して、画素110に対し、発光輝度に対応するデータ電圧を供給する。データ電圧は、画素110の表示階調に基づく電圧信号である。データドライバ13は、データ電圧線Sigへセレクタ回路120を介して時分割でデータ電圧を出力することにより、発光画素の有する回路素子を駆動する。データドライバ13は、信号線駆動回路として機能する。
【0060】
次に、複数の画素110について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施の形態に係る表示装置1の画素回路の構成の一例を示す回路図である。
【0061】
図3に示すように、画素(画素回路)100は、サブ画素(サブ画素回路)110R、110G、110Bを含んで構成される。サブ画素110R、110G及び110Bは、発光素子EL
B、EL
G、EL
R以外は互いに同一の構成を有している。以下、画素回路の構成について、サブ画素110Rに着目して説明する。なお、以降において、発光素子EL
B、EL
G、EL
Rを区別しない場合、又は、発光素子EL
B、EL
G、EL
Rをまとめて発光素子ELとも記載する。
【0062】
サブ画素110Rは、初期化トランジスタT1Rと、補償トランジスタT2Rと、書き込みトランジスタT3Rと、保持容量CSRと、駆動トランジスタTDRと、発光素子ELRとを有している。初期化トランジスタT1Rと、補償トランジスタT2Rと、書き込みトランジスタT3Rと、駆動トランジスタTDRとは、画素110を構成する薄膜トランジスタの一例である。また、サブ画素110Rは、制御信号線(初期化信号線INI、参照信号線REF、書き込み信号線WS)、データ電圧線R_Sig、正電源線VCC、及び、カソード電源線VCATHを有している。なお、初期化トランジスタT1R、及び、補償トランジスタT2Rは、必須の構成要素ではない。
【0063】
初期化トランジスタT1R、補償トランジスタT2R、書き込みトランジスタT3R、及び、駆動トランジスタTDRの少なくとも1つは、ポリシリコン、又は、アモルファスシリコンにより形成される半導体層(チャネル層)を有する。例えば、初期化トランジスタT1R、補償トランジスタT2R、書き込みトランジスタT3R、及び、駆動トランジスタTDRの全ては、ポリシリコン、又は、アモルファスシリコンにより形成される半導体層を有していてもよい。また、初期化トランジスタT1R、補償トランジスタT2R、書き込みトランジスタT3R、及び、駆動トランジスタTDRの少なくとも1つは、酸化物半導体により形成される半導体層(チャネル層)を有していてもよい。例えば、画素110は、ポリシリコン半導体TFT、及び、酸化物半導体TFTが混成して形成されてもよい。例えば、書き込みトランジスタT3R、及び、駆動トランジスタTDRの一方には、ポリシリコン半導体TFTが用いられ、書き込みトランジスタT3R、及び、駆動トランジスタTDRの他方には、酸化物半導体TFTが用いられてもよい。
【0064】
このように、複数の画素110のそれぞれは、複数の薄膜トランジスタを含み、少なくとも1つの薄膜トランジスタにはポリシリコン半導体TFTが用いられ、少なくとも1つの他の薄膜トランジスタには酸化物半導体TFTが用いられてもよい。また、このように、複数の画素110のそれぞれは、薄膜トランジスタを含み、薄膜トランジスタは、ポリシリコン、又は、アモルファスシリコンにより形成されるチャネル層を有する。
【0065】
初期化トランジスタT1Rは、制御信号INIに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDRのソース電極(ソースノード)に初期化電圧VINIを供給する。初期化トランジスタT1Rのゲート電極は、INI信号用ゲートドライバ12a1及び12b1のそれぞれに接続されている。
【0066】
補償トランジスタT2Rは、制御信号REFに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDRのゲート電極(ゲートノード)に参照電圧VREFを供給する。これは、発光素子ELRの電極(例えば、アノード)の電位を初期化することに相当する。補償トランジスタT2Rのゲート電極は、Ref信号用ゲートドライバ12a2及び12b2のそれぞれに接続されている。
【0067】
書き込みトランジスタT3Rは、制御信号WSに従ってオン状態となり、データ電圧Vdat_rを保持容量CSRに保持させる。書き込みトランジスタT3Rのゲート電極は、WS信号用ゲートドライバ12a3及び12a3に接続されている。
【0068】
書き込みトランジスタT3Rは、データ電圧線R_Sigと駆動トランジスタTDRのゲート電極との間に接続されている。具体的には、書き込みトランジスタT3Rは、ソース電極及びドレイン電極の一方がデータ電圧線R_Sigに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方が補償トランジスタT2Rのソース電極及びドレイン電極の一方、及び、駆動トランジスタTDRのゲート電極に接続されている。
【0069】
保持容量CSRは、データ電圧線R_Sigを介して供給されたデータ電圧Vdat_rを保持する。
【0070】
駆動トランジスタTDRは、ソース電極及びドレイン電極の一方が正電源線VCCに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方が発光素子ELRのアノードに接続され、保持容量CSRに保持されたデータ電圧Vdat_rに応じて、発光素子ELRに電流を供給する。これにより、発光素子ELRは、データ電圧Vdat_rに応じた輝度で発光する。
【0071】
発光素子ELRは、自発光型の発光素子であり、本実施の形態では、有機EL発光素子(有機EL素子)である。発光素子ELRのアノード電極は、駆動トランジスタTDRのソース電極及びドレイン電極の一方と接続される。発光素子ELRのカソード電極には、カソード電源線(負電源線)VCATHによってカソード電圧(負電源電圧)が印加されている。
【0072】
なお、
図3に示すゲート電位Vg
Rは、駆動トランジスタTD
Rのゲート電極の電位を示しており、ソース電位Vs
Rは、駆動トランジスタTD
Rのソース電極の電位を示している。
【0073】
ここで、表示装置1の画素回路の断面構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係る表示装置1の画素回路の構成の一例を模式的に示す断面図である。表示パネル10は、トップエミッション構造を有する有機ELパネルである。
【0074】
図4に示すように、表示パネル10では、基板211上にTFT層10aが形成され、TFT層10a上に層間絶縁層10bが形成され、層間絶縁層(平坦化層)10b上にEL層10cが形成される。なお、EL層10c上に、保護膜、封止樹脂、及び、封止基板がこの順で積層されてもよい(図示省略)。
【0075】
基板211は、例えば、ガラス基板又はガラスフィルムである。基板211上には、複数の画素(画素回路)110が形成される。
【0076】
TFT層10aは、チャネル層232及び242、絶縁層212、213、214及び215、ゲート電極231及び241、ドレイン電極233及び243、ソース電極234及び244bを有する。
【0077】
絶縁層212は、基板211の表面を覆うように設けられる。絶縁層212上には、チャネル層242、ドレイン電極243、及び、ソース電極244が設けられている。
【0078】
絶縁層213は、チャネル層242、ドレイン電極243、ソース電極244、及び、絶縁層212を覆うように設けられる。絶縁層213上には、ゲート電極231及び241が設けられている。
【0079】
絶縁層214は、ゲート電極231及び241と絶縁層213とを覆うように設けられる。絶縁層214は、ゲート絶縁層である。絶縁層214上には、チャネル層232、ドレイン電極233、及び、ソース電極234が設けられている。
【0080】
絶縁層215は、チャネル層232、ドレイン電極233、ソース電極234、及び、絶縁層214を覆うように設けられる。絶縁層215上には、層間絶縁層10bが設けられている。
【0081】
EL層10cは、陽極(アノード)である金属層216と、発光層217と、絶縁層218と、陰極(カソード)である金属層219とによって構成される。絶縁層218は、発光層217を形成されるために基板211上を区画するバンク(隔壁)である。絶縁層218は、例えば、有機材料により構成される。絶縁層218は、感光性の熱硬化性樹脂により形成される。また、絶縁層218の表面にはフッ素プラズマ等による撥液処理が行われていてもよい。
【0082】
選択トランジスタTSegは、ゲート電極231、チャネル層232、ドレイン電極233、ソース電極234、及び、絶縁層214の一部によって構成される。チャネル層232は、酸化物半導体層により構成される。選択トランジスタTSegは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するとも言える。また、画素110を構成する薄膜トランジスタは、例えば、ゲート電極241、チャネル層242、ドレイン電極243、ソース電極244、及び、絶縁層213の一部によって構成される。チャネル層242は、ポリシリコン半導体層により構成される。画素110を構成する薄膜トランジスタは、チャネル層242となるポリシリコン半導体層を有するとも言える。
【0083】
選択トランジスタTSegのチャネル層232は、基板211上に形成される絶縁層214(第1層の一例)に設けられ、薄膜トランジスタのチャネル層242は、基板211上に形成される絶縁層213(第2層の一例)であって絶縁層214とは異なる絶縁層213に設けられる。つまり、チャネル層232及び242は、表示パネル10の断面視において、互いに異なる層に形成される。
【0084】
[1-2.タイミングチャート]
図5は、本実施の形態に係る表示装置1の各種制御信号のタイミングチャートを示す図である。具体的には、
図5の(a)は、ゲート制御信号(制御信号INI、REF、WS)のタイミングチャートを示しており、
図5の(b)は、セレクタ制御信号(制御信号SEL1~SEL3)のタイミングチャートを示している。なお、
図5に示すタイミングチャートは、1画素行におけるタイミングチャートである。
【0085】
図5の(a)に示すように、時間t1~時間t4は、消灯期間である。時間t1において制御信号REFが低レベルから高レベルとなり補償トランジスタT2
R、T2
G及びT2
Bがオンすることで、消灯期間が開始される。時間t2~時間t3は、制御信号REFが低レベルであり、制御信号INIが高レベルであり、初期化動作が行われる初期化期間である。時間t3~時間t4は、制御信号REFが高レベルであり、制御信号INIが低レベルであり、閾値補償動作が行われる閾値補償期間(Vth補償期間)である。
【0086】
図5の(b)に示す時間t4~時間t5は、データ電圧線Sigのそれぞれに時系列でデータ電圧が供給される期間である。時間t4~時間t5では、データ書込み期間の前にセレクタ回路120によって選択的にデータ電圧線Sigにデータ電圧Vdatが充電される。例えば、時間t4~時間t5では、制御部20から供給される制御信号SELにより、データIC13aのデータ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rが順次出力するタイミングと同期してデータIC13aと接続されるデータ電圧線B-Sig、G-Sig、及び、R-Sigを選択的に切り替えることで、データ電圧線B-Sig、G-Sig、及び、R-Sigのそれぞれにデータ電圧Vdat_b、Vdat_g、及び、Vdat_rのそれぞれが充電される。
【0087】
時間t5~時間t6において、制御信号SELは低レベルであるので、データ電圧線Sigはフローティング状態である。また、時間t5~時間t6において、制御信号WSが高レベルであるので、書き込みトランジスタT3R、T3G及びT3Bがオンし、保持容量CSR、CSG及びCSBのそれぞれにデータ電圧線Sigのそれぞれに保持されているデータ電圧Vdatの書き込みが行われる。時間t5~時間t6の期間は、データ書き込み期間である。データ書込み期間は、階調表示を制御する画素電流(サブ画素電流)に直接影響を与える得る期間である。
【0088】
なお、消灯期間は、初期設定のための期間であり、具体的には当該サブ画素回路が点灯していない(つまり、黒表示である)期間である。画素行がn行であり、1水平期間を1Hとすると、消灯期間は、例えば、n×Hで規定される期間である。なお、「黒表示」は、完全な黒(非発光)であることに限定されず、実質的に黒であるものも含まれ、例えば、所定の輝度以下であることも含まれてもよい。
【0089】
ここで、時間t4~時間t5の間において、期間P1は、データ電圧線B_Sigにデータ電圧Vdat_bが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線B_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P1は、データ電圧線G_Sig及びR_Sigのそれぞれにデータ電圧Vdat_g及びVdat_bのそれぞれが充電される期間でもある。期間P1において、選択トランジスタTSegBにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線B_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_bが変動するので、当該選択トランジスタTSegBにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegBは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0090】
期間P2は、データ電圧線G_Sigにデータ電圧Vdat_gが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線G_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P2は、データ電圧線R_Sigにデータ電圧Vdat_rが充電される期間でもある。期間P2において、選択トランジスタTSegGにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線G_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_gが変動するので、当該選択トランジスタTSegGにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegGは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0091】
期間P3は、データ電圧線R_Sigにデータ電圧Vdat_rが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線R_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P3において、選択トランジスタTSegRにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線R_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_rが変動するので、当該選択トランジスタTSegRにオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegRは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0092】
上記のように、本実施の形態では、選択トランジスタTSegB、TSegG、及び、TSegRのそれぞれは、酸化物半導体TFTであるので、期間P1~P3のそれぞれにおけるオフリーク電流を抑制することができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る表示装置1は、セレクタ回路120が有する選択トランジスタTSegそれぞれのチャネル層232を、ポリシリコン半導体層から酸化物半導体層に変更するだけで、オフリーク電流を抑制することができる。つまり、表示装置1は、実装回路規模の増加、システムの複雑化等を行うことなく、低コストでオフリーク電流を抑制することができる。
【0094】
[1-3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る表示装置1は、行列状に配置される複数の画素110と、複数の画素110における互いに異なる画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧Vdatを書き込むための複数のデータ電圧線Sigと、複数のデータ電圧線Sigにデータ電圧Vdatを供給するデータドライバ13と、複数のデータ電圧線Sigとデータドライバ13との間に接続され、データドライバ13からのデータ電圧Vdatを供給するデータ電圧線Sigを切り替える複数の選択トランジスタTSegを有するセレクタ回路120とを備える。そして、複数の選択トランジスタTSegのそれぞれは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有する。
【0095】
これにより、表示装置1は、複数の選択トランジスタTSegがチャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、複数の選択トランジスタTSegがチャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することができる。よって、表示装置1は、セレクタ回路120のオフリーク電流を抑制することができる。
【0096】
また、複数の画素110のそれぞれは、薄膜トランジスタを有し、薄膜トランジスタは、チャネル層242となるポリシリコン半導体層を有する。
【0097】
これにより、画素110において高速駆動が可能となる。
【0098】
また、複数の画素110のそれぞれは、発光素子ELと、データ電圧線Sigを介して供給されたデータ電圧Vdatを保持する保持容量CSとを有する。薄膜トランジスタは、当該データ電圧Vdatに応じた電流を発光素子ELに供給する駆動トランジスタTD、及び、データ電圧線Sigと駆動トランジスタTDのゲート電極との間に接続された書き込みトランジスタT3を有する。そして、駆動トランジスタTD、及び、書き込みトランジスタT3の一方は、チャネル層242となるポリシリコン半導体層を有し、駆動トランジスタTD、及び、書き込みトランジスタT3の他方は、チャネル層242となる酸化物半導体層を有する。
【0099】
これにより、画素110において高速動作を維持しつつ、画素110内(画素回路内)でのオフリーク電流を抑制することができる。
【0100】
また、表示装置1は、複数の画素110が形成される基板211を備える。そして、複数の選択トランジスタTSegのチャネル層232は、基板211上に形成される絶縁層215に設けられ、薄膜トランジスタのチャネル層242は、基板211上に形成される絶縁層213であって絶縁層215とは異なる絶縁層213に設けられる。
【0101】
これにより、互いに異なる材料で形成された選択トランジスタTSegと、画素110が有する薄膜トランジスタとを容易に形成可能である。
【0102】
また、発光素子ELは、有機EL素子である。
【0103】
これにより、データ電圧Vdatに対する階調ズレ(データ電圧Vdatズレ)の影響が大きい有機EL素子を有する表示パネル10(有機ELパネル)において、セレクタ回路120のオフリーク電流を抑制することができる。よって、表示装置1は、セレクタ回路120のオフリーク電流に起因する表示輝度ズレを効果的に抑制することができる。
【0104】
(実施の形態2)
以下では、本実施の形態に係る表示装置について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0105】
[2-1.表示装置の構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置の構成について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係る表示装置における、
図1の破線領域Rに対応する領域を拡大して示す図である。本実施の形態に係るスイッチ部320aの構成が実施の形態1に係るスイッチ部120aと相違する。具体的には、実施の形態1に係るスイッチ部120aでは、1本のデータ電圧線(例えば、データ電圧線B_Sig)とデータIC13aとの間に1つの薄膜トランジスタ(例えば、選択トランジスタTSeg
B)が配置されていたが、本実施の形態に係るスイッチ部320aでは、1本のデータ電圧線とデータIC13aとの間に並列に接続された2つの薄膜トランジスタを有する。
【0106】
図6に示すように、スイッチ部320aは、6つの選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
BB、TSeg
GA、TSeg
GB、TSeg
RA、及び、TSeg
RBを有する。選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
BB、TSeg
GA、TSeg
GB、TSeg
RA、及び、TSeg
RBのそれぞれは、チャネル層232に酸化物半導体層を有する酸化物半導体TFTである。選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
GA、及び、TSeg
RAは、第1の選択トランジスタの一例であり、選択トランジスタTSeg
BB、TSeg
GB、及び、TSeg
RBは、第2の選択トランジスタの一例である。なお、以降において、選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
BB、TSeg
GA、TSeg
GB、TSeg
RA、及び、TSeg
RBを区別しない場合、又は、選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
BB、TSeg
GA、TSeg
GB、TSeg
RA、及び、TSeg
RBをまとめて選択トランジスタTSegとも記載する。
【0107】
選択トランジスタTSegBA、及び、TSegBBは、データ電圧線B_SigとデータIC13aとの間に、互いに並列に接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegBA、及び、TSegBBの入力側は、データIC13aと接続され、並列に接続された選択トランジスタTSegBA、及び、TSegBBの出力側は、データ電圧線B_Sigと接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegBA、及び、TSegBBのソース電極及びドレイン電極の一方は、データIC13aと接続され、当該ソース電極及びドレイン電極の他方は、データ電圧線B_Sigと接続されるとも言える。
【0108】
選択トランジスタTSegBAのゲート電極は、セレクタ制御線SEL1Aと接続されており、選択トランジスタTSegBBのゲート電極は、セレクタ制御線SEL1Bと接続されている。つまり、選択トランジスタTSegBA、及び、TSegBBのオン及びオフは、互いに独立して制御可能である。なお、セレクタ制御線SEL1A及びSEL1Bは、制御部20に接続される。
【0109】
選択トランジスタTSegGA、及び、TSegGBは、データ電圧線G_SigとデータIC13aとの間に、互いに並列に接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegGA、及び、TSegGBの入力側は、データIC13aと接続され、並列に接続された選択トランジスタTSegGA、及び、TSegGBの出力側は、データ電圧線G_Sigと接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegGA、及び、TSegGBのソース電極及びドレイン電極の一方は、データIC13aと接続され、当該ソース電極及びドレイン電極の他方は、データ電圧線G_Sigと接続されるとも言える。
【0110】
選択トランジスタTSegGAのゲート電極は、セレクタ制御線SEL2Aと接続されており、選択トランジスタTSegGBのゲート電極は、セレクタ制御線SEL2Bと接続されている。つまり、選択トランジスタTSegGA、及び、TSegGBのオン及びオフは、互いに独立して制御可能である。なお、セレクタ制御線SEL2A及びSEL2Bは、制御部20に接続される。
【0111】
選択トランジスタTSegRA、及び、TSegRBは、データ電圧線R_SigとデータIC13aとの間に、互いに並列に接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegRA、及び、TSegRBの入力側は、データIC13aと接続され、並列に接続された選択トランジスタTSegRA、及び、TSegRBの出力側は、データ電圧線R_Sigと接続される。並列に接続された選択トランジスタTSegRA、及び、TSegRBのソース電極及びドレイン電極の一方は、データIC13aと接続され、当該ソース電極及びドレイン電極の他方は、データ電圧線R_Sigと接続されるとも言える。
【0112】
選択トランジスタTSegRAのゲート電極は、セレクタ制御線SEL3Aと接続されており、選択トランジスタTSegRBのゲート電極は、セレクタ制御線SEL3Bと接続されている。つまり、選択トランジスタTSegRA、及び、TSegRBのオン及びオフは、互いに独立して制御可能である。なお、セレクタ制御線SEL3A及びSEL3Bは、制御部20に接続される。
【0113】
制御部20は、制御信号SEL1A、SEL1B、SEL2A、SEL2B、SEL3A及びSEL3Bにより、選択トランジスタTSegBA、TSegGA及びTSegRAと、選択トランジスタTSegBB、TSegGB及びTSegRBとを選択的にオンさせる。制御部20は、外部から受信した映像信号が示す映像の明るさ(階調値)に依存せずに、オンする選択トランジスタTSegを決定する。また、制御部20は、1つのフレーム内において、並列に接続された2つの選択トランジスタTSegのうち、1つの選択トランジスタTSegのみをオンさせる。言い換えると、制御部20は、1つのフレーム内において、並列に接続された2つの選択トランジスタTSegを同時又は時系列でオンさせない。制御部20は、予め設定されたルールに基づいて、選択トランジスタTSegBA、TSegGA及びTSegRAと、選択トランジスタTSegBB、TSegGB及びTSegRBとを選択的にオンさせる。制御部20の制御方法の詳細は、後述する。
【0114】
なお、以降において、制御信号SEL1A、SEL1B、SEL2A、SEL2B、SEL3A及びSEL3Bを区別しない場合、又は、制御信号SEL1A、SEL1B、SEL2A、SEL2B、SEL3A及びSEL3Bをまとめて制御信号SELとも記載する。
【0115】
[2-2.タイミングチャート]
上記のように構成されるスイッチ部320aを有するセレクタ回路を備える表示装置のタイミングチャートについて、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態に係る表示装置の各種制御信号のタイミングチャートを示す図である。具体的には、
図7の(a)は、ゲート制御信号(制御信号INI、REF、WS)のタイミングチャートを示しており、
図7の(b)は、セレクタ制御信号(制御信号SEL1A~SEL3B)のタイミングチャートを示している。また、
図7では、1つの画素行における、2フレーム分のタイミングチャートを示す。
【0116】
図7に示す時間t1~時間t7は、第1フレーム(第1フレーム期間)であり、時間t7~時間t8は、帰線期間であり、時間t8~時間t14は、第2フレーム(第2フレーム期間)である。第1フレームと第2フレームとは、連続するフレームである。なお、
図7の(a)に示すタイミングチャートは、
図5の(a)に示すタイミングチャートと実質的に同じであり、説明を省略する。
【0117】
図7の(b)に示すように、制御部20は、第1フレームの時間t4~時間t5において、選択トランジスタTSegのうち選択トランジスタTSeg
BA、TSeg
GA、及び、TSeg
RAを順次オンするように、制御信号SELのうち、制御信号SEL1A、SEL2A及びSEL3Aが順次高レベルとなる制御信号を出力する。
【0118】
制御部20は、第1フレームでは、並列に接続された2つの選択トランジスタのうち一方のトランジスタのみがオンとなるようにスイッチ部320aを制御する。このとき、制御部20は、第1フレームにおいてオフを維持する選択トランジスタTSegBB、TSegGB、及び、TSegRBのゲート電極に、0V以下のオフ電圧を供給する。制御部20は、制御信号SEL1B、SEL2B及びSEL3Bに基づいて、並列に接続された2つの選択トランジスタのうちオンしていない(駆動していない)選択トランジスタのゲート電極に0V以下のオフ電圧を供給するとも言える。
【0119】
ここで、時間t4~時間t5の間において、期間P1Aは、データ電圧線B_Sigにデータ電圧Vdat_bが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線B_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P1Aにおいて、選択トランジスタTSegBAにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線B_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_bが変動するので、当該選択トランジスタTSegBAにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegBAは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0120】
期間P2Aは、データ電圧線G_Sigにデータ電圧Vdat_gが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線G_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P2Aにおいて、選択トランジスタTSegGAにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線G_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_gが変動するので、当該選択トランジスタTSegGAにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegGAは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0121】
期間P3Aは、データ電圧線R_Sigにデータ電圧Vdat_rが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線R_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P3Aにおいて、選択トランジスタTSegRAにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線R_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_rが変動するので、当該選択トランジスタTSegRAにオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegRAは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0122】
次に、制御部20は、第2フレームの時間t11~時間t12において、選択トランジスタTSegのうち選択トランジスタTSegBB、TSegGB、及び、TSegRBを順次オンするように、制御信号SELのうち、制御信号SEL1B、SEL2B及びSEL3Bが順次高レベルとなる制御信号を出力する。
【0123】
制御部20は、第2フレームでは、並列に接続された2つの選択トランジスタのうち他方のトランジスタのみがオンとなるようにスイッチ部320aを制御する。このとき、制御部20は、第2フレームにおいてオフを維持する選択トランジスタTSegBA、TSegGA、及び、TSegRAのゲート電極に、0V以下のオフ電圧を供給する。制御部20は、制御信号SEL1A、SEL2A及びSEL3Aに基づいて、並列に接続された2つの選択トランジスタのうちオンしていない選択トランジスタのゲート電極に0V以下のオフ電圧を供給するとも言える。
【0124】
ここで、時間t11~時間t12の間において、期間P1Bは、データ電圧線B_Sigにデータ電圧Vdat_bが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線B_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P1Bにおいて、選択トランジスタTSegBBにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線B_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_bが変動するので、当該選択トランジスタTSegBBにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegBBは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0125】
期間P2Bは、データ電圧線G_Sigにデータ電圧Vdat_gが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線G_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P2Bにおいて、選択トランジスタTSegGBにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線G_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_gが変動するので、当該選択トランジスタTSegGBにおけるオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegGBは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0126】
期間P3Bは、データ電圧線R_Sigにデータ電圧Vdat_rが充電されてからデータ書き込み期間が開始されるまでの期間であり、データ電圧線R_Sigがフローティング状態となる期間である。期間P3Bにおいて、選択トランジスタTSegRBにオフリーク電流が発生すると、データ電圧線R_Sigに充電されたデータ電圧Vdat_rが変動するので、当該選択トランジスタTSegRBにオフリーク電流が抑制されることが望まれる。本実施の形態では、選択トランジスタTSegRBは、チャネル層232となる酸化物半導体層を有するので、チャネル層232となるポリシリコン半導体層を有する場合に比べて、オフリーク電流を抑制することが可能である。
【0127】
このように、制御部20は、第1フレームと第2フレームとにおいて、並列に接続された2つの選択トランジスタのうちの互いに異なる選択トランジスタがオンするようにセレクタ回路120を制御する。制御部20は、例えば、並列に接続された2つの選択トランジスタの一方と他方とを1フレームごとに交互の駆動させる(オンさせる)が、セレクタ回路120の制御方法はこれに限定されない。
【0128】
例えば、制御部20は、一方の選択トランジスタの累積駆動時間が特定の累積駆動時間(例えば、閾値)に達したか否かを判定し、当該累積駆動時間が特定の累積駆動時間に達した場合、駆動する選択トランジスタを並列に接続された2つの選択トランジスタのうちの当該一方から他方に切り替えてもよい。特定の累積駆動時間は、予め設定されている。例えば、特定の累積駆動時間は、選択トランジスタのVth(閾値電圧)のシフト限界に基づいて設定されてもよい。また、例えば、制御部20は、1水平期間(1H期間)ごとに、駆動する選択トランジスタを切り替えてもよい。また、例えば、制御部20は、複数フレーム、又は、複数水平期間ごとに、駆動する選択トランジスタを切り替えてもよい。
【0129】
なお、複数の選択トランジスタTSegそれぞれの累積駆動時間は、例えば、制御部20によりカウントされてもよい。また、制御部20は、累積駆動時間に替えて、累積駆動階数に基づいて、駆動する選択トランジスタを切り替えるか否かを判定してもよい。
【0130】
なお、制御部20は、時間t4~時間t5、及び、時間t11~時間t12以外の期間では、選択トランジスタTSegBA、TSegBB、TSegGA、TSegGB、TSegRA、及び、TSegRBのそれぞれをオフに制御する。制御部20は、当該期間において、選択トランジスタTSegBA、TSegBB、TSegGA、TSegGB、TSegRA、及び、TSegRBそれぞれのゲート電極に各選択トランジスタがオフするオフ電圧を印加する。オフ電圧は、0Vであってもよいし、0V以下の電圧であってもよい。また、選択トランジスタTSegBA、TSegBB、TSegGA、TSegGB、TSegRA、及び、TSegRBのそれぞれに印加されるオフ電圧は、互いに同じ電圧であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0131】
[2-3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る表示装置の複数の選択トランジスタTSegは、複数のデータ電圧線Sigとデータドライバ13との間のそれぞれに並列に接続された第1の選択トランジスタ(例えば、選択トランジスタTSegBA等)と第2の選択トランジスタ(例えば、選択トランジスタTSegBB等)とを有する。
【0132】
これにより、データ電圧線Sigとデータドライバ13とを接続する時に、第1の選択トランジスタ、及び、第2の選択トランジスタのいずれかのみを動作させる場合、第1の選択トランジスタ、及び、第2の選択トランジスタそれぞれの動作時間を減らすことができるので、複数の選択トランジスタTSegの寿命を延ばすことができる。なお、ここでの寿命とは、複数の選択トランジスタTSegのVthが所定電圧以上シフトすることを意味する。
【0133】
また、表示装置は、制御信号SELに基づいて、第1の選択トランジスタと第2の選択トランジスタとを選択的にオンさせる制御部20をさらに備える。
【0134】
これにより、データ電圧線Sigとデータドライバ13との間に設けられる選択トランジスタTSegが1つの場合に比べて、第1の選択トランジスタ、及び、第2の選択トランジスタそれぞれの動作時間を減らすことができるので、複数の選択トランジスタTSegの寿命を延ばすことができる。
【0135】
また、制御部20は、制御信号SELに基づいて、第1の選択トランジスタ、及び、第2の選択トランジスタのうちオンしていない選択トランジスタのゲート電極に0V以下のオフ電圧を供給する。
【0136】
これにより、ゲート電極にオフ電圧が供給されている間、当該オフ電圧が供給されている選択トランジスタTSegのVthを低電圧側へシフトさせることができる。選択トランジスタTSegのゲート電極に正電圧が供給され選択トランジスタTSegがオンしている間、Vthは高電圧側へシフトする。そのため、オンしていない選択トランジスタTSegにオフ電圧を印加することで、当該選択トランジスタTSegの高電圧側へシフトしたVthをもとのVthに近づけることができる。よって、複数の選択トランジスタTSegの寿命をさらに延ばすことができるので、表示装置の信頼性の向上につながる。
【0137】
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る表示装置等について、各実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示に係る表示装置は、上記各実施の形態に限定されるものではない。各実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、各実施の形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本実施の形態に係る表示装置を内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【0138】
例えば、本開示に係る表示装置1は、例えば、
図8に示すような薄型ディスプレイ装置として実現されてもよい。
図8は、実施の形態に係る表示装置1の外観を示す斜視図である。このような表示装置1は、オフリーク電流に起因する表示部11における表示輝度ズレの発生を抑制することが可能である。
【0139】
また、上記各実施の形態に係る表示装置の用途は、特に限定されない。表示装置は、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョンなどに使用されてもよいし、デジタルサイネージなどに使用されてもよい。表示装置は、例えば、高速駆動が不要な用途に用いられてもよい。ここで、高速駆動とは、例えば、フレームレートが60fps(frames per second)以上であることを意味する。また、表示装置は、例えば、高温域で使用される用途に用いられてもよい。酸化物半導体層は、一般的に、ポリシリコン半導体層に比べて、オフリーク電流の温度依存性が低い。つまり、酸化物半導体層は、ポリシリコン半導体層に比べて、室温~高温にわたってオフリーク電流が小さい。よって、そのような酸化物半導体層を有する表示装置では、表示装置が高温になってもオフリーク電流に起因する表示輝度ズレの発生を抑制することができる。なお、高温域で使用される用途とは、例えば、車載用の表示装置(インストルメントパネル又はナビゲーションシステムに搭載される表示装置)が例示されるが、これに限定されない。
【0140】
また、上記の本開示は、表示パネル単体として実現されてもよい。本開示は、電源及び制御部を備えていない構成で実現されてもよい。このような表示パネルは、行列状に配置される複数の画素と、複数の画素における互いに異なる画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込むための複数のデータ電圧線と、複数のデータ電圧線にデータ電圧を供給するデータドライバと、複数のデータ電圧線とデータドライバとの間に接続され、データドライバからのデータ電圧を供給するデータ電圧線を切り替える複数の選択トランジスタを有するセレクタ回路とを備え、複数の選択トランジスタのそれぞれは、チャネル層となる酸化物半導体層を有するように構成される。なお、制御部を構成するICは、表示パネルに実装されていてもよい。
【0141】
また、上記各実施の形態では、表示装置は第1のゲートドライバ、及び、第2のゲートドライバを備える例について説明したが、これに限定されず、第1のゲートドライバ、及び、第2のゲートドライバの少なくとも一方を備えていればよい。表示装置は、ゲート制御信号が片側から入力される構成であってもよい。
【0142】
また、上記各実施の形態では、表示装置が有する発光素子は、有機EL素子である例について説明したが、これに限定されない。発光素子は、他の自発光型の発光素子であってもよい。発光素子は、例えば、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)を用いた発光素子であってもよい。また、表示パネルは、非発光型のパネルであってもよく、例えば、液晶パネルであってもよい。
【0143】
また、上記各実施の形態では、表示パネルは、トップエミッション構造である例について説明したが、ボトムエミッション構造であってもよい。
【0144】
また、上記各実施の形態における第1のゲートドライバ、第2のゲートドライバ、データドライバ、及び、制御部等の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、プロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。また、ICは、COG(Chip On Glass)技術により、表示パネルのTFT基板に直接実装されていてもよいし、COF(Chip On Film)技術により、FFC(Flexible Flat Cable)又はFPC(Flexible Printed Cable)等のフレキシブル配線基板に実装されていてもよい。
【0145】
また、上記各実施の形態では、表示装置は第1のゲートドライバ、及び、第2のゲートドライバを備える例について説明したが、これに限定されず、第1のゲートドライバ、及び、第2のゲートドライバの少なくとも一方を備えていればよい。表示装置は、ゲート制御信号が片側から入力される構成であってもよい。
【0146】
また、上記各実施の形態における第1のゲートドライバ、及び、第2のゲートドライバはそれぞれ、1つのICで実現されてもよいし、WS信号用ゲートドライバ、Ref信号用ゲートドライバ、及び、INI信号用ゲートドライバが互いに異なるICにより実現されてもよい。
【0147】
また、上記各実施の形態における制御部及びデータドライバは、1つのICで実現されてもよいし、互いに異なるICにより実現されてもよい。
【0148】
また、上記各実施の形態における初期化トランジスタT1G及びT1Bの機能及び構成は、例えば、初期化トランジスタT1Rと同じであり、補償トランジスタT2G及びT2Bの機能及び構成は、例えば、補償トランジスタT2Rと同じであり、書き込みトランジスタT3G及びT3Bの機能及び構成は、例えば、書き込みトランジスタT3Rと同じであり、駆動トランジスタTDG及びTDBの機能及び構成は、例えば、駆動トランジスタTDRと同じであってもよい。
【0149】
また、上記各実施の形態における発光素子ELG及びELBの機能及び構成は、例えば、発光素子ELRと同じであってもよい。
【0150】
また、上記各実施の形態における保持容量CSG及びCSBの機能及び構成は、例えば、保持容量CSRと同じであってもよい。
【0151】
また、上記各実施の形態における表示装置は、カラー画像を表示する例について説明したが、これに限定されず、例えば、モノクロ画像を表示してもよい。
【0152】
また、上記各実施の形態における書き込み信号線、及び、セレクタ制御線は、例えば、画素行と互いに平行に設けられてもよい。
【0153】
また、上記実施の形態2において、1つのデータ電圧線とデータドライバとの間のそれぞれに並列に接続される選択トランジスタの数は2つである例について説明したが、並列に接続される選択トランジスタの数は特に限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本開示は、例えば、有機EL素子などを用いた表示装置に有用である。
【符号の説明】
【0155】
1 表示装置
10 表示パネル
10a TFT層
10b 層間絶縁層
10c EL層
11 表示部
12a 第1のゲートドライバ
12a1、12b1 INI信号用ゲートドライバ
12a2、12b2 Ref信号用ゲートドライバ
12a3、12b3 WS信号用ゲートドライバ
12b 第2のゲートドライバ
13 データドライバ
13a データIC
20 制御部
30 電源
110 画素
110B、110G、110R サブ画素
120 セレクタ回路
120a、320a スイッチ部
211 基板
212、213、214、215、218 絶縁層
216、219 金属層
217 発光層
231、241 ゲート電極
232、242 チャネル層
233、243 ドレイン電極
234、244 ソース電極
Sig、B_Sig、G_Sig、R_Sig データ電圧線
CS、CSR、CSG、CSB 保持容量
EL、ELR、ELG、ELB 発光素子
INI 初期化信号線、制御信号
P1、P1A、P1B、P2、P2A、P2B、P3、P3A、P3B 期間
R 破線領域
REF 参照信号線、制御信号
SEL、SEL1、SEL2、SEL3、SEL1A、SEL1B、SEL2A、SEL2B、SEL3A、SEL3B セレクタ制御線、制御信号
T1R、T1G、T1B 初期化トランジスタ
T2R、T2G、T2B 補償トランジスタ
T3、T3R、T3G、T3B 書き込みトランジスタ
TD、TDR、TDG、TDB 駆動トランジスタ
TSeg、TSegR、TSegRA、TSegRB、TSegG、TSegGA、TSegGB、TSegB、TSegBA、TSegBB 選択トランジスタ
Vdat、Vdat_r、Vdat_g、Vdat_b データ電圧
WS、WS1、TS2、TSn-1、TSn 書き込み信号線、制御信号