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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041465
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】光電変換モジュールの解体方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20230316BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20230316BHJP
   H02S 30/10 20140101ALI20230316BHJP
【FI】
B09B5/00 Z
H01L31/04 500
H02S30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148856
(22)【出願日】2021-09-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】石丸 寛典
(72)【発明者】
【氏名】榎田 清春
【テーマコード(参考)】
4D004
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
4D004AA23
4D004BA05
4D004BA07
4D004CA02
4D004CA12
4D004CA23
4D004CB32
4D004DA03
4D004DA06
5F151BA14
5F151JA09
5F251BA14
5F251JA09
(57)【要約】
【課題】パネル内の樹脂材料の変質をなるべく抑制しつつ、比較的小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供する。
【解決手段】光電変換モジュールは、パネル100と、パネルの側部に沿って設けられたフレーム220,230と、パネルとフレームとを互いに接着する接着材229,239と、を有する。光電変換モジュールの解体方法は、接着材の少なくとも一部を、100℃以下の温度に加熱する加熱ステップと、フレームに外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられたフレームと、前記パネルと前記フレームとを互いに接着する接着材と、を有する光電変換モジュールの解体方法であって、
前記接着材の少なくとも一部を、100℃以下の温度に加熱する加熱ステップと、
前記フレームに外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する、光電変換モジュールの解体方法。
【請求項2】
前記温度は、50℃以上、かつ90℃以下である、請求項1に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項3】
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、少なくとも前記加熱ステップで加熱された前記接着材に隣接する領域に加えられる、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項4】
前記接着材は、熱可塑性樹脂を含む接着材である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項5】
前記加熱ステップは、前記フレームの角部に対向する位置に局所的に配置されたヒータによって、前記フレームの前記角部に設けられた前記接着材を前記温度範囲に加熱することを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項6】
前記加熱ステップは、前記フレームの少なくとも一辺に沿って全体的に配置されたヒータによって、前記フレームの前記一辺に設けられた前記接着材を前記温度範囲に加熱することを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項7】
前記加熱ステップは、複数の前記光電変換モジュールを互いに高さ方向に重ねた状態で、複数の前記光電変換モジュールに設けられた前記接着材を同時に加熱することを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項8】
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記フレームの延在方向において、前記フレームの中心と前記フレームの端部との中間よりも、前記フレームの端部に近い位置に与えられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項9】
前記フレームは、前記パネルの端部を受け入れ可能に構成されたパネル受け入れ部と、前記パネルから離れる方に向かって延びる脚部と、を有し、
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記パネルに直交する方向において、前記パネルから最も遠い前記脚部の端部と前記脚部の前記パネル受け入れ部との中間よりも、前記パネル受け入れ部に近い位置に加えられる、請求項1から8のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項10】
前記フレームは、前記パネルの端部を受け入れ可能に構成されたパネル受け入れ部と、前記パネルから離れる方に向かって延びる脚部と、を有し、
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記脚部の外側面を背板で保持した状態で、前記脚部の内側面に加えられる、請求項1から9のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換モジュールの解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量の削減の施策に伴い、再生可能エネルギーの一つである、太陽電池モジュールのような光電変換モジュールの普及の増加が見込まれている。現在、太陽電池モジュールは、廃棄の際に解体されてリサイクルされることが検討されている。
【0003】
太陽電池モジュールは、一般的に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する平板状の太陽電池パネル(光電変換パネル)と、太陽電池パネルの外周端部に設けられたフレームと、を含む(下記の特許文献1も参照)。フレームは、太陽電池パネルの外周端部が嵌合される嵌合部を有する。太陽電池パネルの外周部が嵌め込まれたフレームの嵌合部内に熱可塑性樹脂系の接着材(シール材)が充填されることによって、太陽電池パネルは、フレームに強固に接着されている。
【0004】
特許文献1は、太陽電池モジュールの解体時に、太陽電池モジュールからフレームを取り外すことを開示している。特許文献1の「発明の概要」の欄には、フレームを取り外す際に、太陽電池パネルとフレームを互いに接着する接着材を加熱することによって接着材を半液状にすることが記載されている。接着材がブチルゴムの場合には、接着材は200℃に加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-116363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光電変換モジュールの解体時に光電変換パネルとフレームを互いに接着する接着材が半液状になるまで加熱されると、光電変換パネル内部の樹脂材料、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)やオレフィン系材料が変質する。光電変換パネル内部の樹脂材料の変質により、光電変換パネルをリサイクルする工程において熱が印加されていない部分と熱が印加された部分の回収性に差が生じ、リサイクル率の低下を招くことがある。
【0007】
したがって、光電変換パネル内部の樹脂材料の変質をなるべく抑制しつつ、フレームと光電変換パネルが接着されている部分の接着性を制御することにより比較的小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る光電変換モジュールの解体方法は、パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられたフレームと、前記パネルと前記フレームとを互いに接着する接着材と、を有する光電変換モジュールを解体する方法に関する。本方法は、前記接着材の少なくとも一部を、100℃以下の温度に加熱する加熱ステップと、前記フレームの、少なくとも加熱された前記接着材に隣接する領域に外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、光電変換パネル内部の樹脂材料の変質をなるべく抑制しつつ、比較的小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。
図2図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
図3】光電変換モジュールに含まれる第1フレームの斜視図である。
図4図1の4A-4A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
図5】光電変換モジュールに含まれる第2フレームの斜視図である。
図6図1の領域6Aの拡大図である。
図7】第1実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。
図8図7の矢印8A方向から見た模式図である。
図9】第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
図10図9に続く状態を説明するための模式図である。
図11】フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
図12】第2実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。
図13】第3実施形態に係る加熱ステップ及びフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
図14】第4実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
[光電変換モジュール]
図1は、一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。図2は、図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。図3は、光電変換モジュールに含まれる第1フレームの斜視図である。図4は、図1の4A-4A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。図5は、光電変換モジュールに含まれる第2フレームの斜視図である。図6は、図1の領域6Aの拡大図である。
【0013】
光電変換モジュール10は、例えば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールであってよい。このような太陽電池モジュールは、例えば、建造物の屋根や壁面のような屋外に設置されていてよい。
【0014】
光電変換モジュール10は、平板状のパネル100と、フレーム構造体200と、を有する。パネル100は、光エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する光電変換素子を含んでいてよい。本実施形態では、パネル100は、パネル100の表面に直交する方向(高さ方向)から見て、略四角形状である。なお、高さ方向は、図のZ方向に相当する。
【0015】
フレーム構造体200は、パネル100の周囲に取り付けられており、パネル100の側部に沿って設けられている。フレーム構造体200は、少なくとも、互いに連結された第1フレーム220と第2フレーム230を有していてよい。第1フレーム220及び第2フレーム230は、それぞれパネル100の縁辺に沿って設けられている。本実施形態では、第1フレーム220は、パネル100の第1縁辺に沿った第1方向(以下、「横方向」と称することもある。)に延びている。なお、横方向は、図のX方向に相当する。
【0016】
第2フレーム230は、パネル100の上記第1縁辺に隣接する第2縁辺に沿った第2方向(以下、「縦方向」と称することもある。)に延びていてよい。ここで、第1方向(横方向)と第2方向(縦方向)は、互いに交差する方向であればよく、好ましくは互いに直交する方向であってよい。なお、本実施形態において、縦方向は、図のY方向に相当する。
【0017】
パネル100は、図1に示す態様では略長方形状であり、一対の第1フレーム220がパネル100の一対の長辺に沿って設けられている。同様に、一対の第2フレーム230がパネル100の一対の短辺に沿って設けられている。
【0018】
第1フレーム220は、第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223、第1フランジ224及び第1パネル受け入れ部225を有していてよい(特に図3参照)。第1側壁部223は、パネル100の縁の外側に位置し、パネル100の表面に交差する方向(Z方向)と横方向(X方向)とによって張られる面において広がっている。第1側壁部223は、第1保持部221と第1フランジ224とを連結されており、これらと一体に成形されていてよい。
【0019】
第1フランジ224は、第1側壁部223の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面を覆っている。第1フランジ224は、パネル100の、横方向に沿って延びる縁に沿って延びていてよい。また、第1フランジ224は、横方向(X方向)において第1脚部222の壁部222aの縁まで達していなくてよい(図3参照)。
【0020】
第1保持部221は、第1側壁部223から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第1フランジ224と対向している。第1保持部221は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。第1保持部221は、横方向に沿って延びていてよい。
【0021】
第1パネル受け入れ部225は、第1保持部221と、第1側壁部223と、第1フランジ224とによって構成されていてよい。具体的には、第1パネル受け入れ部225は、第1フレーム220の延在方向(横方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(図2参照)。これにより、第1パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0022】
第1パネル受け入れ部225の内部には、第1接着材229が充填されていてよい。これにより、第1パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。言い換えると、第1保持部221は、パネル100に接着され、かつパネル100の端部を支えている。
【0023】
第1接着材229は、横方向において第1パネル受け入れ部225全体に設けられていてもよく、横方向における第1パネル受け入れ部225の一部の領域のみに設けられていてもよい。第1接着材229は、熱可塑性樹脂を含む接着材であってよい。このような接着材として、例えばシリコーン系の接着材やブチルゴム系の接着材などが挙げられる。
【0024】
パネル100は、縦方向において、第1パネル受け入れ部225の奥まで挿入されていなくてよい。具体的には、図2に示すように、縦方向(Y方向)において、第1接着材229がパネル100と第1側壁部223との間に設けられていてよい。
【0025】
第1脚部222は、第1保持部221から、パネル100から離れる方に向かって延びていてよい。本実施形態では、第1脚部222は、パネル100の表面に直交する方向に延びた壁部222aと、パネル100から最も遠いところでパネルの表面に沿った方に曲げられた端部222bと、を含んでいてよい。図2及び図3では、第1脚部222の壁部222aは、第1側壁部223と第1保持部221の交点から連続して延びた部分によって構成されている。また、第1脚部222の壁部222aの外面は、第1側壁部223の外面と面一になっている。この代わりに、第1脚部222の壁部222aは、第1保持部221の、第1側壁部223から離れた部分に連結されていてもよい。
【0026】
第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、それぞれ第1フレーム220の延在方向に延びていてよい。第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、一体に形成されていてよい。
【0027】
第1脚部222の壁部222aは、横方向における第1フレーム220の両端部のところで、第2フレーム230と当接する(図1及び図6参照)。第1脚部222の壁部222aは、横方向における両端部付近に、ボルトのような締結部材が挿通可能な第1孔部226を有していてよい。本実施形態では、第1孔部226は、高さ方向に2つ並んでいる。この代わりに、第1孔部226は、高さ方向に1つだけ設けられていても良い。第1孔部226は、第2フレーム230を第1フレーム220に連結する締結部材を挿通させるために設けられる。
【0028】
第1実施形態において、第1保持部221及び第1脚部222の端部222bは、横方向(X方向)において第1脚部222の壁部222aの縁まで達していない(図3参照)。言い換えると、第1側壁部223の壁部222aは、横方向において、第1保持部221及び第1脚部222の端部222bよりも外側に延出している。これにより、第1フレーム220の第1保持部221及び第1脚部222の端部222bは、後述する第2フレーム230の第2保持部231及び第2脚部232の端部232bと干渉しないよう構成されている。第1孔部226は、第1脚部222の壁部222aの、第1保持部221よりも外側に延出した部分に設けられていてよい。
【0029】
第2フレーム230は、第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233、第2フランジ234及び第2パネル受け入れ部235を有していてよい。第2側壁部233は、パネル100の外側で、パネル100の表面に交差する方向(Z方向)と横方向(Y方向)とによって張られる面において広がっている。第2側壁部233は、第2保持部231と第2フランジ234とを連結しており、これらと一体に成形されていてよい。
【0030】
第2フランジ234は、第2側壁部233の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面を覆っている。第2フランジ234は、パネル100の、縦方向に沿った縁に沿って延びていてよい。第2フランジ234は、縦方向(Y方向)において第2側壁部233の縁まで達していてよい(図5及び図6参照)。
【0031】
第2保持部231は、第2側壁部233から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第2フランジ234と対向している。第2保持部231は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。
【0032】
第2パネル受け入れ部235は、第2保持部231と、第2側壁部233と、第2フランジ234とによって構成されていてよい。具体的には、第2パネル受け入れ部235は、第2フレーム230の延在方向(縦方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(図4参照)。これにより、第2パネル受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0033】
第2パネル受け入れ部235の内部には、第2接着材239が充填されていてよい(図4参照)。これにより、第2パネル受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。言い換えると、第2保持部231は、パネル100に接着され、かつパネル100の端部を支えている。
【0034】
第2接着材239は、縦方向において第2パネル受け入れ部235全体に設けられていてもよく、縦方向における第2パネル受け入れ部235の一部の領域のみに設けられていてもよい。第2接着材239は、熱可塑性樹脂を含む接着材であってよい。このような接着材として、例えばシリコーン系の接着材やブチルゴム系の接着材などが挙げられる。
【0035】
パネル100は、横方向において、第2パネル受け入れ部235の奥まで挿入されていなくてよい。具体的には、図4に示すように、横方向(X方向)において、第2接着材239がパネル100と第2側壁部233との間に設けられていてよい。
【0036】
第2保持部231の上面は、複数の溝231bを有していてよい。複数の溝231bは、互いに略平行に配置されていてよい。それぞれの溝231bは、第2フレーム230の延在方向に沿って延びていてよい。
【0037】
第2脚部232は、第2保持部231から、パネル100から離れる方に向かって延びていてよい。本実施形態では、第2脚部232は、パネル100の表面に直交する方向に延びた壁部232aと、パネル100から最も遠いところでパネルの表面に沿った方に曲げられた端部232bと、を含んでいてよい。図4及び図5では、第2脚部232の壁部232aは、第2側壁部233と第2保持部231の交点から連続して延びた部分によって構成されている。また、第2脚部232の壁部232aの外面は、第2側壁部233の外面と面一になっている。この代わりに、第2脚部232の壁部232aは、第2保持部231の、第2側壁部233から離れた部分に連結されていてもよい。
【0038】
第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、それぞれ第2フレーム230の延在方向に延びていてよい。第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、一体に形成されていてよい。
【0039】
第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、縦方向(Y方向)において第2側壁部233の縁まで達していてよい(図5参照)。これにより、第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、第1フレーム220の第1脚部222又は第1側壁部223に当接する。
【0040】
第2脚部232の壁部232aは、縦方向における第2フレーム230の両端部のところで、第1フレーム220と当接していてよい(図1及び図6参照)。第2保持部231及び/又は第2脚部232には、ボルトのような締結部材が挿通可能な第2孔部236が形成されていてよい。第2孔部236は、断面視でC字型の壁部237によって囲まれている。本実施形態では、C字型の壁部237は、第2保持部231の下部と、第2脚部232の端部232bの上部とに設けられている。C字型の壁部237は、第2フレーム230の延在方向に沿って延びている。したがって、C字型の壁部237は、略円筒状の形状を有する。
【0041】
第2フレーム230の第2孔部236は、第1フレーム220の第1孔部226と位置合わせされている。ボルトのような締結部材は、第1フレーム220の第1孔部226と第2フレーム230の第2孔部236の両方を通る。これにより、第1フレーム220と第2フレーム230が、互いに締結される。したがって、第1フレーム220及び第2フレーム230は、第1孔部226から第2孔部236に向かって延びる締結部材によって互いに締結されている。
【0042】
光電変換パネル100は、一般に、光電変換を行う素子を封止する不図示の封止材を有する。このような封止材は、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)やオレフィン系材料のような樹脂材料によって構成されている。
【0043】
光電変換モジュールの構成について図面を参照しつつ説明した。光電変換モジュールの構成は、上述した構成に限らず、以下の解体方法が適用できる限り、種々変更可能であることに留意されたい。
【0044】
[光電変換モジュールの解体方法]
[第1実施形態]
次に、図7から図11を参照し、光電変換モジュールの解体方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。図7では、光電変換モジュールを構成するパネル100の表面に直交する方向から見たヒータの配置が示されている。図8は、図7の矢印8A方向から見た模式図である。図9は、第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。図10は、図9に続く状態を説明するための模式図である。図11は、フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
【0045】
光電変換モジュールの解体方法は、必要に応じて実行する前処理ステップと、加熱ステップと、フレーム分離ステップと、を有していてよい。光電変換モジュールの構成については前述したとおりである。
【0046】
(前処理ステップ)
まず、解体すべき光電変換モジュールを準備する。光電変換モジュールに備えられた端子ボックスのような付属品は、必要に応じて、予め取り外しておいてよい。また、第1フレーム220と第2フレーム230を互いに連結する締結部材は、予め取り外しておいてもよい。この代わりに、当該締結部材を取り外すことなく後述するステップを実行してもよい。
【0047】
(加熱ステップ)
加熱ステップでは、パネル100とフレーム220,230とを互いに接着する接着材229,239の少なくとも一部を100℃以下の温度に加熱する。好ましくは、接着材229,239の少なくとも一部は50℃以上、かつ90℃以下の温度に加熱される。
【0048】
接着材229,239を例えば50℃以上に加熱することによって、接着材229,239の接着力が低下する。したがって、後述するフレーム分離ステップにおいて、加熱しない場合と比較すると、小さい外力でフレーム220,230をパネル100から分離することができる。
【0049】
加熱ステップにおける接着材229,239の温度が100℃以下であることにより、接着されているパネル100が破損してしまったり、パネル100内の樹脂材料、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)やオレフィン系材料が変質することを抑止できる。パネル100内の樹脂材料の変質が抑制されることにより、フレーム220,230から分離されたパネル100をリサイクルする工程において、熱が印加されていない部分と熱が印加された部分の回収性に差が生じ難くなる。これにより、パネル100のリサイクル率の低下を抑止することができる。
【0050】
また、加熱ステップにおいて、接着材229,239の少なくとも一部は、接着材229,239の融解温度、軟化温度、又は耐熱限界温度よりも低い温度に加熱されてもよい。接着材229,239の温度がガラス転移温度より高ければ、融解温度、軟化温度、又は耐熱限界温度より低い温度であっても、接着材229,239の加熱により、パネル100からフレーム220,230を取り外す際に必要な力は低下することに留意されたい。また、接着材229,239が液状又は半液状になることを抑制でき、接着材229,239が解体中に、解体装置、例えば後述する押圧部に付着したりすることを防止することもできる。
【0051】
ここで、「ガラス転移温度」は、熱可塑性の接着材に関して定義される。本明細書において、「ガラス転移温度」は、示差走査熱量計(DSC)を用いて求められる。具体的には、硬化した熱可塑性の接着材からなる試料を、室温から5℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tg)により規定する。
【0052】
加熱ステップにおいて、接着材229,239の温度は、パネル100内部の樹脂材料、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)やオレフィン系材料の融解温度又は軟化温度よりも低くてよい。これにより、パネル100内部の樹脂材料の変質をより抑制することができる。ここで、「融解温度」は、JIS K 7121に規定の方法で示差走査熱量計(DSC)を用いて求められる。具体的には、融解温度は、硬化した樹脂材料からなる試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)により規定される。本明細書において、「軟化温度」は、ビカット軟化温度により規定することができる。ビカット軟化温度は、ISO306(JIS K7206)に規定するB50法により測定することができる。
【0053】
例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)は、105~145℃においてもゆるやかなアセトキシ基の脱離が起こることが知られている。また、EVAの酸素吸収速度が160℃から180℃の範囲で急激に上がることが知られており、EVAのアセトキシ基の脱離反応が180℃以上の温度で主として起こることが知られている。パネル100のリサイクルの際に、パネル100のEVAが過度に変性すると、EVAが、パネル100内の部材、例えば基板ガラスに付着し、パネル100のリサイクル率の低下を招くことがある。また、オレフィン系の樹脂材料でも、例えば100℃を超えるような高温で変性がすすみ易くなる。これらの観点から、パネル100がEVAやオレフィン系の樹脂材料を含む場合には、パネル100内のEVAやオレフィン系の樹脂材料が上記加熱ステップで過度に変性することを抑制するため、前述したように、接着材229,239の少なくとも一部を100℃以下、好ましくは90℃以下の温度に加熱することが好ましい。
【0054】
第1実施形態において、加熱ステップは、フレーム220,230の角部に対向する位置に局所的に配置されたヒータ300によって、フレーム220,230の角部に設けられた接着材229,239を、前述した温度に加熱することを含んでいてよい(図7参照)。後述するようにフレーム220,230の角部付近に外力を加えることによってフレーム220,230をパネル100から取り外す場合、外力を加える箇所に近いフレーム220,230の角部を局所的に加熱することができる。局所的な加熱で良いため、加熱に要するエネルギーを小さくすることができる。
【0055】
加熱ステップでは、熱伝導率の高いフレーム220,230、例えばアルミフレームを直接加熱し、フレーム220,230から接着材229,239に熱を伝導させることによって、接着材229,239を加熱してよい。これにより、フレーム220,230とパネル100の結合度が低下し、フレーム220,230とパネル100の結合が解放される。したがって、フレーム220,230自身の機械的接合強度のみの応力で分解することが可能となる。
【0056】
加熱ステップは、複数の光電変換モジュール10を互いに高さ方向に重ねた状態で、複数の光電変換モジュール10に設けられた接着材229,239を同時に加熱することを含むことが好ましい。図8に示す例では、複数の光電変換モジュール10は、互いに高さ方向に重ねた状態で積置されている。前述したヒータ300は、互いに重ねられた光電変換モジュール10からなる積層体全体の高さを超える高さを有していてよい。これにより、ヒータ300は、互いに高さ方向に重ねられた複数の光電変換モジュール10に設けられた接着材229,239を同時に加熱できる。これにより、ある光電変換モジュール10に対してフレーム分離ステップが適用されている間に、別の光電変換モジュール10に対して加熱ステップを適用し続けることができる。したがって、時間当たりの解体数量を向上させることができる。
【0057】
(フレーム分離ステップ)
フレーム分離ステップでは、フレーム220,230の、少なくとも加熱された接着材229,239に隣接する領域に外力Fを加えることを含む。具体的には、フレーム220,230の保持部221,231がパネル100から離れる方に向かう力を受けるように、パネル100から離れる方向にフレーム220,230に外力Fを加える。外力Fは、加熱ステップで加熱された接着材229,239に隣接する領域に加えられる。接着材229,239は、加熱によってある程度柔らかくなるため、フレーム220,230は、比較的小さい力でパネル100から外れる。
【0058】
ここで、第1フレーム220を取り外した後に第2フレーム230を取り外してもよく、第2フレーム230を取り外した後に第1フレーム220を取り外してもよい。第1フレーム220及び第2フレーム230の形状や構造等に応じて、どちらのフレーム220,230を先に取り外すかを決定すればよい。
【0059】
第1フレーム220をパネル100から取り外す方法と第2フレーム230をパネル100から取り外す方法は、互いに実質的に同様である。したがって、第1フレーム220をパネル100から取り外す方法と第2フレーム230をパネル100から取り外す方法は、以下では、一緒に説明されることに留意されたい。図9及び図10では、例示として第1フレームの形状が描かれている。しかしながら、図9及び図10に示す方法は第2フレームにも適用できるため、図9及び図10では、第1フレームに関する符号と第2フレームに関する符号の両方が示されていることに留意されたい。
【0060】
図9及び図10は、解体装置400を用いてフレーム220,230に外力Fを加える様子を示している。解体装置は、例えば、フレーム220,230を外側へ向けて押圧する押圧部410を有していてよい。
【0061】
図9及び図10に示すように、押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けて移動し、フレーム220,230の脚部222,232の内側に当接する。押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けてさらに移動し、フレーム220,230の脚部222,232を外側へ向けて押圧する。この外力Fにより、フレーム220,230が、パネル100から外れる(図10参照)。なお、押圧部410は、手動により稼働するものであってもよく、自動的に稼働するものであってもよい。
【0062】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222,232のうち、パネル100に直交する方向において、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232bと脚部222,232のパネル受け入れ部225,235との中間よりも、パネル受け入れ部225,235に近い位置に加えられることが好ましい。
【0063】
もし、外力が、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232b付近に加えられると、フレーム220,230はパネル受け入れ部225,235付近を中心として回転するような力を受ける。これにより、パネル受け入れ部225,235付近のパネル100は、フレーム220,230のフランジ224,234から折り曲げられる方向に力を受ける。そのため、パネル100が割れ、パネル100の一部が、パネル受け入れ部225,235に残存することがある。上記の態様では、外力Fは、脚部222,232のパネル受け入れ部225,235付近に加えられるため、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220,230から綺麗に分離され易い。このことは、光電変換モジュール10を構成する材料のリサイクルにとって有効である。
【0064】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、外力Fは、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232b付近に加えられてもよいし、高さ方向において脚部222,232の中央付近に加えられてもよい。
【0065】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222,232の外側面を背板480で保持した状態で、脚部222,232の内側面に加えられてもよい。背板480は、図9及び図10に示すように、少なくとも脚部222,232の外側面に当接していてもよい。背板480は、脚部222,232の端部222b,232b及びフランジ224,234に沿うように略U字形の形状であってもよい(図9及び図10参照)。
【0066】
背板480は、フレーム220,230を外側から支えることによって、外力Fによるフレーム220,230の回転を抑制するために用いられる。すなわち、背板480は、パネル受け入れ部225,235付近のパネル100が、フレーム220,230のフランジ224,234から折り曲げられる方向に力を受けることを抑制する。したがって、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220,230から綺麗に分離され易くなる。
【0067】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、フレーム分離ステップにおいて、背板480は不要である。
【0068】
次に、フレーム分離ステップにおいてフレーム220,230へ外力を加える位置の例を、図11を参照して説明する。フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、フレーム220,230の延在方向において、フレーム220,230の中心とフレームの端部との中間よりも、フレーム220,230の端部に近い位置に与えられることが好ましい。言い換えると、外力Fは、フレーム220,230の端部から、フレーム220,230の長さの1/4の長さの範囲(図の符号L1,L2の領域)に与えられることが好ましい。この場合、外力Fは、フレーム220,230の端部付近に作用する。
【0069】
外力Fは、フレーム220,230の一方の端部付近に加えられた後に、フレーム220,230のもう一方の端部付近に加えられてもよい。この場合、フレーム220,230の一方の端部付近がパネル100から外れた後に、フレーム220,230のもう一方の端部付近がパネル100から外れる。この代わりに、外力Fは、フレーム220,230の両端部付近に同時に加えられてもよい。
【0070】
もし、フレームの延在方向においてフレーム220,230の中央付近に外力Fが加えられた場合、フレーム220,230の中央付近がパネル100から外れるとともに外側に湾曲する。第1フレーム220と第2フレーム230が互いに強固に連結されている場合、例えば第1フレーム220の中央付近が湾曲すると、第1フレーム220の両端に連結された一対の第2フレーム230が内側へ引っ張られる。この影響によって、パネル100が湾曲し、パネル100が割れることがある。パネル100が割れると、割れたパネル100の一部が、第2フレーム230の第2パネル受け入れ部235に残存する可能性がある。
【0071】
このようなパネル100の割れを防ぐために、前述したように、フレームの延在方向においてフレーム220,230の端部付近に外力Fが加えられることが好ましい。特に、第1フレーム220と第2フレーム230のうちの先にパネル100から取り外すフレームでは、フレームの端部付近に外力Fが加えられることが好ましい。
【0072】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について図12を参照して説明する。図12は、第2実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。図12では、光電変換モジュールを構成するパネル100の表面に直交する方向から見たヒータの配置が示されている。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0073】
第2実施形態において、加熱ステップは、フレーム220,230の少なくとも一辺に沿って全体的に配置されたヒータ300によって、フレーム220,230の一辺に設けられた接着材229,239を加熱することを含む(図12参照)。加熱する温度範囲については、第1実施形態と同様である。
【0074】
第2実施形態では、フレーム220,230に設けられた接着材229,239全体が加熱されるため、フレーム220,230は、フレーム分離ステップにおいてより容易にパネル100から取り外される。
【0075】
第2実施形態では、接着材229,239全体が加熱されるため、外力Fは、フレーム分離ステップにおいて、フレーム220,230の延在方向における任意の位置に加えられてよい。したがって、外力Fは、フレームの延在方向におけるフレーム220,230の中央付近に加えられてもよい。もっとも、パネル100の割れを抑制するという観点では、第1実施形態と同様に、外力Fは、フレーム分離ステップにおいて、フレーム220,230の延在方向においてフレーム220,230の端部付近に加えられることが好ましい。
【0076】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について図13を参照して説明する。図13は、第3実施形態に係る加熱ステップ及びフレーム分離ステップを説明するための模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0077】
第3実施形態において、フレーム分離ステップは、加熱ステップと同時期に実施される。言い換えると、フレーム分離ステップにおけるフレーム220,230への外力Fの印加は、フレーム220,230を加熱しながら実施される。
【0078】
好ましい例では、接着材229,239を加熱するためのヒータ300は、解体装置400の押圧部410に設けられている。加熱ステップは、解体装置400の押圧部410に設けられたヒータ300を接着材229,239に近接させることによって実施できる。加熱温度については、第1実施形態で説明したとおりである。
【0079】
次に、フレーム分離ステップにおいて、押圧部410がフレーム220,230を外側へ向けて押圧し、フレーム220,230に外力Fを加える。外力Fを加える位置については、第1実施形態で説明したとおりである。
【0080】
第3実施形態では、加熱ステップからフレーム分離ステップへの移行にかかる時間が省略できるため、解体に要する時間が削減される。また、解体装置400の押圧部410にヒータ300が設けられていれば、解体装置400全体のサイズを小さくすることも可能になる。
【0081】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について図14を参照して説明する。図14は、第4実施形態に係る加熱ステップを説明するための模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0082】
第4実施形態において、加熱ステップは、フレーム220,230の内側に配置させたヒータ300によって実施される。ヒータ300は、熱風を吹き出すアウトレット310を有していてよい。ヒータ300は、1つ又は複数のアウトレット310を備えていてもよい。アウトレット310は、フレーム220,230全体に熱風を吹き付けられるよう、フレーム220,230の延在方向にわたって並んで設けられていてよい。また、アウトレット310は、フレーム220,230全体に熱風を吹き付けられるよう、フレーム220,230の延在方向にわたって延びた1つの開口であってもよい。
【0083】
第4実施形態では、熱風による加熱により、フレーム220,230全体を分布良く加熱することが可能となる。接着材229,239の加熱温度については、第1実施形態で説明したとおりである。
【0084】
第4実施形態において、フレーム分離ステップは、第1実施形態で説明した方法と同様に実施できる。
【0085】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0086】
10 光電変換モジュール
100 パネル
220 第1フレーム
229 第1接着材
230 第2フレーム
239 第2接着材
300 ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14