(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041466
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】光電変換モジュールの解体方法
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20230316BHJP
H01L 31/042 20140101ALI20230316BHJP
H02S 30/10 20140101ALI20230316BHJP
【FI】
B09B5/00 Z ZAB
H01L31/04 500
H02S30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148857
(22)【出願日】2021-09-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】石丸 寛典
(72)【発明者】
【氏名】酒井 紀行
【テーマコード(参考)】
4D004
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
4D004AA23
4D004BA05
4D004BA07
4D004CA02
4D004CA12
4D004CB12
5F151BA14
5F151JA09
5F251BA14
5F251JA09
(57)【要約】
【課題】フレームの取り外し中にパネルの割れを抑制することが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供する。
【解決手段】光電変換モジュールは、パネル100と、パネルの側部に沿って設けられたフレーム220,230と、パネルとフレームとを互いに接着する接着材229,239と、を有する。光電変換モジュールの解体方法は、接着材の少なくとも一部に切り込みを入れるカットステップと、フレームに外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられたフレームと、前記パネルと前記フレームとを互いに接着する接着材と、を有する光電変換モジュールの解体方法であって、
前記接着材の少なくとも一部に切り込みを入れるカットステップと、
前記フレームに外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する、光電変換モジュールの解体方法。
【請求項2】
前記カットステップは、少なくとも前記フレームの角部に位置する前記接着材に切り込みを入れることを含む、請求項1に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項3】
前記カットステップは、前記フレームの角部に位置する前記接着材のみに局所的に切り込みを入れることを含む、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項4】
前記カットステップは、前記フレームの延在方向の全体にわたって前記接着材に切り込みを入れることを含む、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項5】
前記カットステップは、前記フレームの角部に位置する前記接着材にカッターにより切り込みを入れた後に、前記カッターを前記接着材に差し込んだ状態で前記フレームの延在方法に沿って移動させることを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項6】
前記フレームは、前記パネルの端部を挟むフランジと保持部によって構成されたパネル受け入れ部を有し、
前記接着材は、少なくとも前記パネル受け入れ部内の前記パネルの端部の周りに設けられており、
前記カットステップは、前記フランジと前記パネルの端部との間の隙間と、前記保持部と前記パネルの端部との間の隙間の少なくとも一方に、カッターを挿入することを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項7】
前記フレームは、前記パネルの端部を受け入れるパネル受け入れ部を有し、
前記接着材は、前記パネル受け入れ部の外側であって前記パネルと前記フレームに跨る領域に設けられており、
前記カットステップは、少なくとも前記パネル受け入れ部の外側に設けられた前記接着材に切り込みを入れることを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項8】
前記フレーム分離ステップにおいて、前記フレームの、少なくとも切り込みを入れられた前記接着材の部分に隣接する領域に前記外力を加える、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項9】
前記フレーム分離ステップは、前記接着材の少なくとも一部に切り込みを入れるカッターが前記接着材に挿入されている状態で、前記フレームに外力を加えることを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換モジュールの解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量の削減の施策に伴い、再生可能エネルギーの一つである、太陽電池モジュールのような光電変換モジュールの普及の増加が見込まれている。現在、太陽電池モジュールは、廃棄の際に解体されてリサイクルされることが検討されている。
【0003】
太陽電池モジュールは、一般的に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する平板状の太陽電池パネル(光電変換パネル)と、太陽電池パネルの外周端部に設けられたフレームと、を含む(下記の特許文献1も参照)。フレームは、太陽電池パネルの外周端部が嵌合される嵌合部を有する。太陽電池パネルの外周部が嵌め込まれたフレームの嵌合部内に熱可塑性樹脂系の接着材(シール材)が充填されることによって、太陽電池パネルは、フレームに強固に接着されている。
【0004】
特許文献1は、太陽電池モジュールの解体時に、太陽電池モジュールからフレームを取り外すことを開示している。特許文献1では、解体装置のヘッド部によりフレームに強い押圧力を加えることにより、フレームは、接着材の接着力に抗ってパネルから引き剥がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、光電変換モジュールの解体時にフレームに強い押圧力が加えられ、これにより、フレームは、接着材の接着力に抗って無理矢理パネルから引き剥がされる。パネルは、接着材によって強固にフレームに固定されているため、フレームに固定されたパネルの端部にも強い力が加わる。したがって、パネルの端部が解体中に割れ、パネルの端部がフレームに固着したまま残存することがある。
【0007】
光電変換モジュールを構成する材料のリサイクルという観点では、互いに異なる材料によって構成されるパネルとフレームは、綺麗に分離されることが望ましい。したがって、フレームの取り外し中にパネルの割れを抑制することが可能な光電変換モジュールの解体方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る光電変換モジュールの解体方法は、パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられたフレームと、前記パネルと前記フレームとを互いに接着する接着材と、を有する光電変換モジュールの解体方法に関する。当該解体方法は、前記接着材の少なくとも一部に切り込みを入れるカットステップと、前記フレームに外力を加えるフレーム分離ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、フレームの取り外し中にパネルの割れを抑制することが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。
【
図2】
図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
【
図3】光電変換モジュールに含まれる第1フレームの斜視図である。
【
図4】
図1の4A-4A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
【
図5】光電変換モジュールに含まれる第2フレームの斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係るカットステップを説明するための模式図である。
【
図8】
図7に続く状態を説明するための模式図である。
【
図9】フレームに設けられた接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。
【
図10】
図8に続く状態を説明するための模式図である。
【
図11】フレームに設けられた接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。
【
図12】第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
【
図14】フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
【
図15】第2実施形態に係るカットステップにおける接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。
【
図16】第3実施形態に係るカットステップにおける接着材に切り込みを入れる位置を説明するための模式図である。
【
図17】第4実施形態に係るカットステップ及びフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
【
図18】
図17をパネルの表面に直交する方向から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
[光電変換モジュール]
図1は、一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。
図2は、
図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
図3は、光電変換モジュールに含まれる第1フレームの斜視図である。
図4は、
図1の4A-4A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
図5は、光電変換モジュールに含まれる第2フレームの斜視図である。
図6は、
図1の領域6Aの拡大図である。
【0013】
光電変換モジュール10は、例えば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールであってよい。このような太陽電池モジュールは、例えば、建造物の屋根や壁面のような屋外に設置されていてよい。
【0014】
光電変換モジュール10は、平板状のパネル100と、フレーム構造体200と、を有する。パネル100は、光エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する光電変換素子を含んでいてよい。本実施形態では、パネル100は、パネル100の表面に直交する方向(高さ方向)から見て、略四角形状である。なお、高さ方向は、図のZ方向に相当する。
【0015】
フレーム構造体200は、パネル100の周囲に取り付けられており、パネル100の側部に沿って設けられている。フレーム構造体200は、少なくとも、互いに連結された第1フレーム220と第2フレーム230を有していてよい。第1フレーム220及び第2フレーム230は、それぞれパネル100の縁辺に沿って設けられている。本実施形態では、第1フレーム220は、パネル100の第1縁辺に沿った第1方向(以下、「横方向」と称することもある。)に延びている。なお、横方向は、図のX方向に相当する。
【0016】
第2フレーム230は、パネル100の上記第1縁辺に隣接する第2縁辺に沿った第2方向(以下、「縦方向」と称することもある。)に延びていてよい。ここで、第1方向(横方向)と第2方向(縦方向)は、互いに交差する方向であればよく、好ましくは互いに直交する方向であってよい。なお、本実施形態において、縦方向は、図のY方向に相当する。
【0017】
パネル100は、
図1に示す態様では略長方形状であり、一対の第1フレーム220がパネル100の一対の長辺に沿って設けられている。同様に、一対の第2フレーム230がパネル100の一対の短辺に沿って設けられている。
【0018】
第1フレーム220は、第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223、第1フランジ224及び第1パネル受け入れ部225を有していてよい(特に
図3参照)。第1側壁部223は、パネル100の縁の外側に位置し、パネル100の表面に交差する方向(Z方向)と横方向(X方向)とによって張られる面において広がっている。第1側壁部223は、第1保持部221と第1フランジ224とを連結されており、これらと一体に成形されていてよい。
【0019】
第1フランジ224は、第1側壁部223の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面を覆っている。第1フランジ224は、パネル100の、横方向に沿って延びる縁に沿って延びていてよい。また、第1フランジ224は、横方向(X方向)において第1脚部222の壁部222aの縁まで達していなくてよい(
図3参照)。
【0020】
第1保持部221は、第1側壁部223から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第1フランジ224と対向している。第1保持部221は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。第1保持部221は、横方向に沿って延びていてよい。
【0021】
第1パネル受け入れ部225は、第1保持部221と、第1側壁部223と、第1フランジ224とによって構成されていてよい。具体的には、第1パネル受け入れ部225は、第1フレーム220の延在方向(横方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(
図2参照)。これにより、第1パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0022】
第1パネル受け入れ部225の内部には、第1接着材229が充填されていてよい。これにより、第1パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。言い換えると、第1保持部221は、パネル100に接着され、かつパネル100の端部を支えている。
【0023】
第1接着材229は、横方向において第1パネル受け入れ部225全体に設けられていてもよく、横方向における第1パネル受け入れ部225の一部の領域のみに設けられていてもよい。第1接着材229は、熱可塑性樹脂を含む接着材であってよい。このような接着材として、例えばシリコーン系の接着材やブチルゴム系の接着材などが挙げられる。
【0024】
パネル100は、縦方向において、第1パネル受け入れ部225の奥まで挿入されていなくてよい。具体的には、
図2に示すように、縦方向(Y方向)において、第1接着材229がパネル100と第1側壁部223との間に設けられていてよい。
【0025】
第1脚部222は、第1保持部221から、パネル100から離れる方に向かって延びていてよい。本実施形態では、第1脚部222は、パネル100の表面に直交する方向に延びた壁部222aと、パネル100から最も遠いところでパネルの表面に沿った方に曲げられた端部222bと、を含んでいてよい。
図2及び
図3では、第1脚部222の壁部222aは、第1側壁部223と第1保持部221の交点から連続して延びた部分によって構成されている。また、第1脚部222の壁部222aの外面は、第1側壁部223の外面と面一になっている。この代わりに、第1脚部222の壁部222aは、第1保持部221の、第1側壁部223から離れた部分に連結されていてもよい。
【0026】
第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、それぞれ第1フレーム220の延在方向に延びていてよい。第1保持部221、第1脚部222、第1側壁部223及び第1フランジ224は、一体に形成されていてよい。
【0027】
第1脚部222の壁部222aは、横方向における第1フレーム220の両端部のところで、第2フレーム230と当接する(
図1及び
図6参照)。第1脚部222の壁部222aは、横方向における両端部付近に、ボルトのような締結部材が挿通可能な第1孔部226を有していてよい。本実施形態では、第1孔部226は、高さ方向に2つ並んでいる。この代わりに、第1孔部226は、高さ方向に1つだけ設けられていても良い。第1孔部226は、第2フレーム230を第1フレーム220に連結する締結部材を挿通させるために設けられる。
【0028】
第1実施形態において、第1保持部221及び第1脚部222の端部222bは、横方向(X方向)において第1脚部222の壁部222aの縁まで達していない(
図3参照)。言い換えると、第1側壁部223の壁部222aは、横方向において、第1保持部221及び第1脚部222の端部222bよりも外側に延出している。これにより、第1フレーム220の第1保持部221及び第1脚部222の端部222bは、後述する第2フレーム230の第2保持部231及び第2脚部232の端部232bと干渉しないよう構成されている。第1孔部226は、第1脚部222の壁部222aの、第1保持部221よりも外側に延出した部分に設けられていてよい。
【0029】
第2フレーム230は、第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233、第2フランジ234及び第2パネル受け入れ部235を有していてよい。第2側壁部233は、パネル100の外側で、パネル100の表面に交差する方向(Z方向)と横方向(Y方向)とによって張られる面において広がっている。第2側壁部233は、第2保持部231と第2フランジ234とを連結しており、これらと一体に成形されていてよい。
【0030】
第2フランジ234は、第2側壁部233の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面を覆っている。第2フランジ234は、パネル100の、縦方向に沿った縁に沿って延びていてよい。第2フランジ234は、縦方向(Y方向)において第2側壁部233の縁まで達していてよい(
図5及び
図6参照)。
【0031】
第2保持部231は、第2側壁部233から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、第2フランジ234と対向している。第2保持部231は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。
【0032】
第2パネル受け入れ部235は、第2保持部231と、第2側壁部233と、第2フランジ234とによって構成されていてよい。具体的には、第2パネル受け入れ部235は、第2フレーム230の延在方向(縦方向)に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(
図4参照)。これにより、第2パネル受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0033】
第2パネル受け入れ部235の内部には、第2接着材239が充填されていてよい(
図4参照)。これにより、第2パネル受け入れ部235は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。言い換えると、第2保持部231は、パネル100に接着され、かつパネル100の端部を支えている。
【0034】
第2接着材239は、縦方向において第2パネル受け入れ部235全体に設けられていてもよく、縦方向における第2パネル受け入れ部235の一部の領域のみに設けられていてもよい。第2接着材239は、熱可塑性樹脂を含む接着材であってよい。このような接着材として、例えばシリコーン系の接着材やブチルゴム系の接着材などが挙げられる。
【0035】
パネル100は、横方向において、第2パネル受け入れ部235の奥まで挿入されていなくてよい。具体的には、
図4に示すように、横方向(X方向)において、第2接着材239がパネル100と第2側壁部233との間に設けられていてよい。
【0036】
第2保持部231の上面は、複数の溝231bを有していてよい。複数の溝231bは、互いに略平行に配置されていてよい。それぞれの溝231bは、第2フレーム230の延在方向に沿って延びていてよい。
【0037】
第2脚部232は、第2保持部231から、パネル100から離れる方に向かって延びていてよい。本実施形態では、第2脚部232は、パネル100の表面に直交する方向に延びた壁部232aと、パネル100から最も遠いところでパネルの表面に沿った方に曲げられた端部232bと、を含んでいてよい。
図4及び
図5では、第2脚部232の壁部232aは、第2側壁部233と第2保持部231の交点から連続して延びた部分によって構成されている。また、第2脚部232の壁部232aの外面は、第2側壁部233の外面と面一になっている。この代わりに、第2脚部232の壁部232aは、第2保持部231の、第2側壁部233から離れた部分に連結されていてもよい。
【0038】
第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、それぞれ第2フレーム230の延在方向に延びていてよい。第2保持部231、第2脚部232、第2側壁部233及び第2フランジ234は、一体に形成されていてよい。
【0039】
第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、縦方向(Y方向)において第2側壁部233の縁まで達していてよい(
図5参照)。これにより、第2保持部231、第2脚部232及び後述するC字型の壁部237は、第1フレーム220の第1脚部222又は第1側壁部223に当接する。
【0040】
第2脚部232の壁部232aは、縦方向における第2フレーム230の両端部のところで、第1フレーム220と当接していてよい(
図1及び
図6参照)。第2保持部231及び/又は第2脚部232には、ボルトのような締結部材が挿通可能な第2孔部236が形成されていてよい。第2孔部236は、断面視でC字型の壁部237によって囲まれている。本実施形態では、C字型の壁部237は、第2保持部231の下部と、第2脚部232の端部232bの上部とに設けられている。C字型の壁部237は、第2フレーム230の延在方向に沿って延びている。したがって、C字型の壁部237は、略円筒状の形状を有する。
【0041】
第2フレーム230の第2孔部236は、第1フレーム220の第1孔部226と位置合わせされている。ボルトのような締結部材は、第1フレーム220の第1孔部226と第2フレーム230の第2孔部236の両方を通る。これにより、第1フレーム220と第2フレーム230が、互いに締結される。したがって、第1フレーム220及び第2フレーム230は、第1孔部226から第2孔部236に向かって延びる締結部材によって互いに締結されている。
【0042】
光電変換モジュールの構成について図面を参照しつつ説明した。光電変換モジュールの構成は、上述した構成に限らず、以下の解体方法が適用できる限り、種々変更可能であることに留意されたい。
【0043】
[光電変換モジュールの解体方法]
[第1実施形態]
次に、
図7から
図14を参照し、光電変換モジュールの解体方法について説明する。
図7は、第1実施形態に係るカットステップを説明するための模式図である。
図8は、
図7に続く状態を説明するための模式図である。
図9は、フレームに設けられた接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。
図10は、
図8に続く状態を説明するための模式図である。
図11は、フレームに設けられた接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。
図12は、第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
図13は、
図12に続く状態を説明するための模式図である。
図14は、フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
【0044】
光電変換モジュールの解体方法は、必要に応じて実行する前処理ステップと、カットステップと、フレーム分離ステップと、を有していてよい。光電変換モジュールの構成については前述したとおりである。
【0045】
以下において、第1フレーム220と第2フレーム230を区別せず、単に「フレーム」と称することがあることに留意されたい。このように単に「フレーム」と称される場合、「フレーム」は、第1フレーム220と第2フレーム230のどちらか一方又は両方を意味することに留意されたい。このことは、第1フレーム220と第2フレーム230を構成する要素についても同様である。
図7,8,10,12,13,16,17では、例示として第1フレームの形状が描かれている。しかしながら、
図7,8,10,12,13,16,17に示す方法は第2フレームにも適用できるため、
図7,8,10,12,13,16,17では、第1フレームに関する符号と第2フレームに関する符号の両方が示されていることに留意されたい。
【0046】
(前処理ステップ)
まず、解体すべき光電変換モジュールを準備する。光電変換モジュールに備えられた端子ボックスのような付属品は、必要に応じて、予め取り外しておいてよい。また、第1フレーム220と第2フレーム230を互いに連結する締結部材は、予め取り外しておいてもよい。この代わりに、当該締結部材を取り外すことなく後述するステップを実行してもよい。
【0047】
(カットステップ)
カットステップでは、少なくともパネル受け入れ部225,235内のパネル100の端部の周りに設けられた接着材229,239の少なくとも一部に切り込みを入れる。接着材229,239への切り込みは、例えばカッターを用いて手動で実行することができる。この代わりに、接着材229,239への切り込みは、自動で可動するカッター500を用いて実行することもできる。
【0048】
本実施形態では、カットステップにおいて、まず、フレーム220,230のフランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間にカッターの刃先510を挿入する(
図7及び
図8)。
図7及び
図8に示すように、カッターの刃先510は、パネル100の表面に沿って移動することによって、フレーム220,230のフランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間に挿入される。これにより、フレーム220,230のフランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間に設けられた接着材229,239に切り込みが加えられる。
【0049】
本実施形態では、カッターの刃先510は、まず、フレーム220,230の角部に入れられることが好ましい(
図9も参照)。次に、フレーム220,230の角部に位置する接着材229,239にカッターの刃先510により切り込みを入れた後に、カッター500を接着材229,239に差し込んだ状態でフレーム220,230の延在方法に沿って移動させる。好ましくは、カッターの刃先510は、
図9の符号Мに示すように、フレーム220,230の一方の角部から、フレーム220,230のもう一方の角部まで移動することが好ましい。なお、フレーム220,230の「角部」は、フレーム220,230の延在方向におけるフレーム220,230の縁から、フレーム220,230の長さの例えば1/10までの範囲であってよい。
【0050】
これにより、フレーム220,230に設けられた接着材229,239に、フレーム220,230の延在方向において全体的に切り込みを入れることができる。
【0051】
フランジ224,234とパネル100の端部との間の接着材229,239への切り込みは、少なくとも1つのフレーム220,230に対して行われればよい。好ましくは、接着材229,239への切り込みは、すべてのフレーム220,230に対して行われる。この場合、それぞれのフレーム220,230に設けられた接着材229,239へ、任意の順番で、切り込みを入れればよい。
【0052】
次に、カッターの刃先510は、フレーム220,230の保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間に挿入される(
図10参照)。カッターの刃先510は、前述したようにパネル100の表面に沿って移動することによって、フレーム220,230の保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間に挿入される。これにより、フレーム220,230の保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間に設けられた接着材229,239に切り込みが加えられる。
【0053】
図11に示すように、フレーム220,230の角部に位置する接着材229,239にカッターの刃先510により切り込みを入れた後に、カッター500を接着材229,239に差し込んだ状態でフレーム220,230の延在方法に沿って移動させる。好ましくは、カッターの刃先510は、
図11の符号Мに示すように、フレーム220,230の一方の角部から、フレーム220,230のもう一方の角部まで移動することが好ましい。
【0054】
これにより、フレーム220,230に設けられた接着材229,239に、フレーム220,230の延在方向において全体的に切り込みを入れることができる。
【0055】
保持部221,231とパネル100の端部との間の接着材229,239への切り込みは、少なくとも1つのフレーム220,230に対して行われればよい。好ましくは、接着材229,239への切り込みは、すべてのフレーム220,230に対して行われる。この場合、それぞれのフレーム220,230に設けられた接着材229,239へ、任意の順番で、切り込みを入れればよい。
【0056】
前述したように、本実施形態では、カットステップは、フランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間と、保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間の両方に、カッターの刃先510を挿入することを含む。すなわち、パネル100の表面側に位置する接着材と裏面側に位置する接着材229,239の両方に切り込みが入れられている。この代わりに、カットステップは、フランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間と、保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間の少なくとも一方に、カッターの刃先510を挿入することを含んでいればよい。例えば、カットステップは、
図7~9に示すように、フランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間のみ、すなわちパネルの表面側のみに位置する接着材229,239に切り込みを入れても良い。また、カットステップは、
図10~11に示すように、保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間のみ、すなわちパネルの裏面側のみに位置する接着材229,239に切り込みを入れても良い。
【0057】
(フレーム分離ステップ)
フレーム分離ステップでは、フレーム220,230に外力を加えることを含む。具体的には、フレーム220,230がパネル100から外れる方向にフレーム220,230に外力Fを加える。
【0058】
接着材229,239は、カットステップにおいてカットされているため、フレーム220,230は、比較的小さい力でパネル100から外れる。フレーム220,230を介してパネル100に加わり得る力も低下するため、フレーム220,230の取り外し中にパネル100の割れを抑制することができる。好ましくは、フレーム220,230の、少なくとも切り込みを入れられた接着材229,239の部分に隣接する領域に外力Fが加えられる。接着材229,239の接着力が低下した領域付近に外力Fを加えることにより、より小さい力でフレーム220,230をパネル100から分離することができる。
【0059】
ここで、第1フレーム220を取り外した後に第2フレーム230を取り外してもよく、第2フレーム230を取り外した後に第1フレーム220を取り外してもよい。第1フレーム220及び第2フレーム230の形状や構造等に応じて、どちらのフレーム220,230を先に取り外すかを決定すればよい。
【0060】
第1フレーム220をパネル100から取り外す方法と第2フレーム230をパネル100から取り外す方法は、互いに実質的に同様である。したがって、第1フレーム220をパネル100から取り外す方法と第2フレーム230をパネル100から取り外す方法は、以下では、一緒に説明されることに留意されたい。
【0061】
図12及び
図13は、解体装置400を用いてフレーム220,230に外力Fを加える様子を示している。解体装置は、例えば、フレーム220,230を外側へ向けて押圧する押圧部410を有していてよい。
【0062】
図12及び
図13に示すように、押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けて移動し、フレーム220,230の脚部222,232の内側に当接する。押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けてさらに移動し、フレーム220,230の脚部222,232を外側へ向けて押圧する。この外力Fにより、フレーム220,230が、パネル100から外れる(
図13参照)。なお、押圧部410は、手動により稼働するものであってもよく、自動的に稼働するものであってもよい。
【0063】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222,232のうち、パネル100に直交する方向において、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232bと脚部222,232のパネル受け入れ部225,235との中間よりも、パネル受け入れ部225,235に近い位置に加えられることが好ましい。
【0064】
もし、外力が、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232b付近に加えられると、フレーム220,230はパネル受け入れ部225,235付近を中心として回転するような力を受ける。これにより、パネル受け入れ部225,235付近のパネル100は、フレーム220,230のフランジ224,234から折り曲げられる方向に力を受ける。そのため、パネル100が割れ、パネル100の一部が、パネル受け入れ部225,235に残存することがある。上記の態様では、外力Fは、脚部222,232のパネル受け入れ部225,235付近に加えられるため、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220,230から綺麗に分離され易い。このことは、光電変換モジュール10を構成する材料のリサイクルにとって有効である。
【0065】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、外力Fは、パネル100から最も遠い脚部222,232の端部222b,232b付近に加えられてもよいし、高さ方向において脚部222,232の中央付近に加えられてもよい。
【0066】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222,232の外側面を背板480で保持した状態で、脚部222,232の内側面に加えられてもよい。背板480は、
図12及び
図13に示すように、少なくとも脚部222,232の外側面に当接していてもよい。背板480は、脚部222,232の端部222b,232b及びフランジ224,234に沿うように略U字形の形状であってもよい(
図12及び
図13参照)。
【0067】
背板480は、フレーム220,230を外側から支えることによって、外力Fによるフレーム220,230の回転を抑制するために用いられる。すなわち、背板480は、パネル受け入れ部225,235付近のパネル100が、フレーム220,230のフランジ224,234から折り曲げられる方向に力を受けることを抑制する。したがって、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220,230から綺麗に分離され易くなる。
【0068】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、フレーム分離ステップにおいて、背板480は不要である。
【0069】
次に、フレーム分離ステップにおいてフレーム220,230へ外力を加える位置の例を、
図14を参照して説明する。フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、フレーム220,230の延在方向において、フレーム220,230の中心とフレームの端部との中間よりも、フレーム220,230の端部に近い位置に与えられることが好ましい。言い換えると、外力Fは、フレーム220,230の端部から、フレーム220,230の長さの1/4の長さの範囲(図の符号L1,L2の領域)に与えられることが好ましい。この場合、外力Fは、フレーム220,230の端部付近に作用する。
【0070】
外力Fは、フレーム220,230の一方の端部付近に加えられた後に、フレーム220,230のもう一方の端部付近に加えられてもよい。この場合、フレーム220,230の一方の端部付近がパネル100から外れた後に、フレーム220,230のもう一方の端部付近がパネル100から外れる。この代わりに、外力Fは、フレーム220,230の両端部付近に同時に加えられてもよい。
【0071】
もし、フレームの延在方向においてフレーム220,230の中央付近に外力Fが加えられた場合、フレーム220,230の中央付近がパネル100から外れるとともに外側に湾曲する。第1フレーム220と第2フレーム230が互いに強固に連結されている場合、例えば第1フレーム220の中央付近が湾曲すると、第1フレーム220の両端に連結された一対の第2フレーム230が内側へ引っ張られる。この影響によって、パネル100が湾曲し、パネル100が割れることがある。パネル100が割れると、割れたパネル100の一部が、第2フレーム230の第2パネル受け入れ部235に残存する可能性がある。
【0072】
このようなパネル100の割れを防ぐために、前述したように、フレームの延在方向においてフレーム220,230の端部付近に外力Fが加えられることが好ましい。特に、第1フレーム220と第2フレーム230のうちの先にパネル100から取り外すフレームでは、フレームの端部付近に外力Fが加えられることが好ましい。
【0073】
本実施形態では、少なくともフレーム220,230の角部に位置する接着材229,239に切り込みが入れられている。そのため、フレーム220,230を取り外すための外力Fが、フレーム220,230の端部付近に加えられたときに、小さい力でフレーム220,230がパネル100から取り外される。さらに、接着材229,239は、フレーム220,230の延在方向に沿って全体的にカットされているため、フレーム分離ステップにおいて、フレーム220,230は小さい力でパネル100から取り外される。
【0074】
上記のフレーム分離ステップでは、解体装置400の押圧部410によりフレーム220,230に外力Fを加えている。この代わりに、人の手によってフレーム220,230を取り外すことが可能であれば、上記のフレーム分離ステップにおいて、外力Fは人の手によって加えられてもよい。
【0075】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について
図15を参照して説明する。
図15は、第2実施形態に係るカットステップにおける接着材に切り込みを入れる範囲を説明するための模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。第2実施形態において、前処理ステップとフレーム分離ステップは、第1実施形態と同様に実施される。
【0076】
第2実施形態において、カットステップは、少なくともフレーム220,230の角部に位置する接着材229,239に切り込みを入れることを含む。第2実施形態においても、カッターの刃先510は、フランジ224,234とパネル100の端部との間の隙間と、保持部221,231とパネル100の端部との間の隙間の少なくとも一方に挿入されればよい。
【0077】
第2実施形態では、カットステップは、フレーム220,230の角部に位置する接着材229,239のみに局所的に切り込みを入れることを含む(
図15参照)。具体的には、カッターの刃先510は、フレーム220,230の縁から、フレーム220,230の長さの例えば1/10までの範囲(
図15の符号D1及びD2参照)だけ移動すればよい。この代わりに、カッターの刃先510を移動させる必要がなければ、カッターの刃先510は、接着材229,239に挿入された後、フレーム220,230の延在方向に移動しなくてもよい。
【0078】
第2実施形態においても、フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、フレーム220,230の、少なくとも切り込みを入れられた接着材229,239の部分に隣接する領域、すなわちフレーム220,230の角部付近に加えられる。この場合であっても、フレーム220,230を分離するために必要な外力Fが低下し、それに伴いパネル100の割れが抑制される。
【0079】
第2実施形態では、カットステップにおいて、カッター500の刃先510を移動させる距離が、第1実施形態と比較して小さい。そのため、カットステップに要する時間が削減される。
【0080】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について
図16を参照して説明する。
図16は、第3実施形態に係るカットステップにおける接着材に切り込みを入れる位置を説明するための模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0081】
第3実施形態において、接着材229,229a,239,239aは、フレーム220,230の受け入れ部225,235内だけでなく、受け入れ部225,235の外側にも設けられている。接着材229a,239aは、パネル受け入れ部225,235の外側であってパネル100とフレーム220,230の保持部221,231に跨る領域に設けられている(
図16参照)。
【0082】
第3実施形態においても、光電変換モジュールの解体方法は、第1実施形態及び/又は第2実施形態とほぼ同様に実施することができる。ただし、第3実施形態では、カットステップでカッターの刃先510が挿入される位置は、第1実施形態及び/又は第2実施形態と異なっていてもよい。
【0083】
具体的には、
図16に示すように、刃先510は、パネル受け入れ部225,235の外側に設けられた接着材229a,239aのところまで挿入されていてよい。すなわち、刃先510は、保持部221,231とパネル100の間の隙間に達していなくてもよい。なお、フレーム220,230の延在方向における刃先510の挿入位置及び/又は移動については、第1実施形態及び/又は第2実施形態と同じであってよい。
【0084】
第3実施形態においても、フレーム分離ステップでは、フレーム220,230の、少なくとも切り込みを入れられた接着材229a,239aの部分に隣接する領域に外力Fが加えられる。これにより、小さい外力Fでフレーム220,230を分離することができる。
【0085】
前述した態様の代わりに、刃先510は、パネル受け入れ部225,235の外側に設けられた接着材229a,239aを超えて、保持部221,231とパネル100の間の隙間に達していてもよい。
【0086】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について
図17及び
図18を参照して説明する。
図17は、第4実施形態に係るカットステップ及びフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
図18は、
図17をパネルの表面に直交する方向から見た模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0087】
第4実施形態では、フレーム分離ステップは、カットステップと同時期に実施される。すなわち、フレーム分離ステップは、接着材229,239の少なくとも一部に切り込みを入れるカッターの刃先510が接着材229,239に挿入されている状態で、フレーム220,230に外力Fを加えることを含む(
図17及び
図18参照)。
【0088】
図17及び
図18に示すように、解体装置は、フレーム220,230を押圧する押圧部410とカッターの刃先510の両方を備えていてよい。これにより、カッターの刃先510で接着材229,239の少なくとも一部に切り込みを入れつつ、押圧部410でフレーム220,230に外力Fを加えることができる。
【0089】
図18に示すように、カッターの刃先510をフレーム220,230の延在方向に移動させる場合、カッターの刃先510が押圧部410に先行するよう、カッターの刃先510が押圧部410よりも移動方向の下流側に位置していてもよい。
【0090】
第4実施形態では、フレーム分離ステップがカットステップと同時期に実施されるため、光電変換モジュールの全体の解体時間を削減することが可能になる。
【0091】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0092】
例えば、上記の複数の実施形態で説明した各特徴は、可能な限り、交換及び/又は置き換え可能である。例えば、1つ又は複数のフレーム220,230に対して上記のいずれかの実施形態で説明したカットステップ及びフレーム分離ステップを適用し、残りのフレーム220,230に対して上記の別のいずれかの実施形態で説明したカットステップ及びフレーム分離ステップを適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
10 光電変換モジュール
100 パネル
220 第1フレーム
229 第1接着材
230 第2フレーム
239 第2接着材
510 刃先