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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041468
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】光電変換モジュールの解体方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20230316BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20230316BHJP
   H02S 30/10 20140101ALI20230316BHJP
【FI】
B09B5/00 Z
H01L31/04 500
H02S30/10 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148859
(22)【出願日】2021-09-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】石丸 寛典
【テーマコード(参考)】
4D004
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
4D004AA23
4D004BA05
4D004BA07
4D004CA02
4D004CA12
4D004CA22
4D004CB12
5F151BA14
5F151JA09
5F251BA14
5F251JA09
(57)【要約】
【課題】より小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供する。
【解決手段】光電変換モジュール10は、パネル100と、パネルの側部に沿って設けられた複数のフレームであって中空部200hを有する複数のフレーム200と、フレームの中空部に挿入されて互いに隣接するフレームどうしを連結する連結具300と、を有する。当該光電変換モジュールの解体方法は、フレームの中空部を取り囲む壁部を破断することによって、連結具を取り出す破断ステップを有する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられた複数のフレームであって中空部を有する複数のフレームと、前記フレームの前記中空部に挿入されて互いに隣接する前記フレームどうしを連結する連結具と、を有する光電変換モジュールの解体方法であって、
前記フレームの前記中空部を取り囲む壁部を破断することによって、前記連結具を取り出す破断ステップを有する、光電変換モジュールの解体方法。
【請求項2】
前記破断ステップは、前記連結具が挿入されている領域と前記領域から5cm以内の距離の範囲内で、前記中空部を取り囲む前記壁部を破断することを含む、請求項1に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項3】
前記中空部を取り囲む前記壁部は、前記光電変換モジュールの外側に露出する外壁部と、前記光電変換モジュールの内側に向いた内壁部と、を有し、
前記破断ステップは、前記中空部に挿入された前記連結具のまわりの前記外壁部を破断することを含む、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項4】
前記破断ステップでは、前記フレームの、前記連結具が挿入されている領域全体を切り取ることによって、前記連結具を取り出す、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項5】
前記破断ステップの実施後に前記フレームに外力を加えることによって前記パネルから前記フレームを外すフレーム分離ステップを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項6】
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記フレームの延在方向において、前記フレームの中心と前記フレームの端部との中間よりも、前記フレームの端部に近い位置に与えられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項7】
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記フレームの延在方向において、前記破断ステップにより前記フレームが破断された領域の外側の領域に与えられる、請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【請求項8】
前記フレームは、前記パネルの端部を受け入れ可能に構成されたパネル受け入れ部と、前記パネルから離れる方に向かって延びる脚部と、を有し、
前記フレーム分離ステップにおいて、前記外力は、前記脚部の外壁部を背板で保持した状態で、前記脚部の内壁部に加えられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換モジュールの解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量の削減の施策に伴い、再生可能エネルギーの一つである、太陽電池モジュールのような光電変換モジュールの普及の増加が見込まれている。現在、太陽電池モジュールは、廃棄の際に解体されてリサイクルされることが検討されている。
【0003】
太陽電池モジュールは、一般的に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する平板状の太陽電池パネル(光電変換パネル)と、太陽電池パネルの外周端部に設けられたフレームと、を含む(下記の特許文献1及び特許文献2参照)。フレームは、太陽電池パネルの外周端部が嵌合される嵌合部を有する。太陽電池パネルの外周部が嵌め込まれたフレームの嵌合部内に接着材(シール材)が充填されることによって、太陽電池パネルは、フレームに強固に接着されている。
【0004】
特許文献2では、フレームは、中空構造を有する。互いに隣接するフレームは、それぞれの中空構造が互いに連通するよう隣り合っている。連結具(コーナーピース)が、互いに隣接するフレームの中空構造どうしを跨って、中空構造内に圧入されている。これにより、連結具は、互いに隣接するフレームどうしを連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-116363号公報
【特許文献2】特開2010-199147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2では、連結具が、互いに隣接するフレームの中空構造どうしを跨って、中空構造内に圧入されている。これにより、フレームどうしが強固に連結されているため、光電変換モジュールの解体時にフレームに強い押圧力を加えることによって無理矢理フレームどうしを引き離す必要がある。この場合、フレームに固定されたパネルの端部にも強い力が加わり、パネルの端部が解体中に割れることもある。パネルの端部が解体中に割れると、パネルの端部がフレームに固着したまま残存することがある。
【0007】
したがって、より小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る光電変換モジュールの解体方法は、パネルと、前記パネルの側部に沿って設けられた複数のフレームであって中空部を有する複数のフレームと、前記フレームの前記中空部に挿入されて互いに隣接する前記フレームどうしを連結する連結具と、を有する光電変換モジュールを解体する方法に関する。当該方法は、前記フレームの前記中空部を取り囲む壁部を破断することによって、前記連結具を取り出す破断ステップを有する。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、より小さな力でフレームを取り外すことが可能な光電変換モジュールの解体方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。
図2図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。
図3】裏面側から見た光電変換モジュールの平面図である。
図4】光電変換モジュールの角部付近を裏側から見た拡大斜視図である。
図5図3及び図4の5A-5A線に沿った断面図である。
図6】一態様に係る連結具の斜視図である。
図7】第1実施形態に係る破断ステップを説明するための模式図である。
図8】第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。
図9図8に続く状態を説明するための模式図である。
図10】フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
図11】第2実施形態に係る破断ステップを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
[光電変換モジュール]
図1は、一態様に係る光電変換モジュールの斜視図である。図2は、図1の2A-2A線に沿った光電変換モジュールの断面図である。図3は、裏面側から見た光電変換モジュールの平面図である。なお、図3において、フレームの内部に設けられた連結具は、光電変換モジュールから見えないが、説明のため点線によって示されている。図4は、光電変換モジュールの角部付近を裏側から見た拡大斜視図である。図5は、図3及び図4の5A-5A線に沿った断面図である。図6は、一態様に係る連結具の斜視図である。
【0013】
光電変換モジュール10は、例えば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールであってよい。このような太陽電池モジュールは、例えば、建造物の屋根や壁面のような屋外に設置されていてよい。
【0014】
光電変換モジュール10は、平板状のパネル100と、フレーム構造体200と、を有する。パネル100は、光エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する光電変換素子を含んでいてよい。本実施形態では、パネル100は、パネル100の表面に直交する方向(高さ方向)から見て、略四角形状である。なお、高さ方向は、図のZ方向に相当する。
【0015】
フレーム構造体200は、パネル100の周囲に取り付けられており、パネル100の側部に沿って設けられている。フレーム構造体200は、少なくとも、互いに連結された複数のフレーム220を有していてよい。フレーム220は、パネル100の縁辺に沿って設けられている。
【0016】
図1に示す例では、2つのフレーム220がパネル100の第1縁辺に沿った第1方向(以下、「横方向」と称することもある。)に延びており、残りの2つのフレーム200がパネル100の上記第1縁辺に隣接する第2縁辺に沿った第2方向(以下、「縦方向」と称することもある。)に延びている。ここで、横方向は図のX方向に相当し、縦方向は図のY方向に相当する。第1方向(横方向)と第2方向(縦方向)は、互いに交差する方向であればよく、好ましくは互いに直交する方向であってよい。
【0017】
互いに隣接するフレーム220は、フレーム220の端部のところで互いに連結されている。図1に示す例では、4つのフレーム220が互いに連結されることによって略長方形状の枠が形成されている。
【0018】
各々のフレーム220は、保持部221、脚部222、側壁部223、フランジ224及びパネル受け入れ部225を有していてよい(特に図2参照)。保持部221、脚部222、側壁部223及びフランジ224は、フレーム220が延びている方向(延在方向)に沿って延びている。保持部221、脚部222、側壁部223及びフランジ224は、互いに一体不可分に成形されていてよい。
【0019】
パネル受け入れ部225は、保持部221と、側壁部223と、フランジ224とによって構成されていてよい。具体的には、パネル受け入れ部225は、フレーム220の延在方向に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有する(図2参照)。これにより、パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れ可能に構成されている。
【0020】
フランジ224は、側壁部223の上部から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、パネル100の端部の表面を覆っている。保持部221は、側壁部223から、パネル100の内側の方に向かって突出しており、フランジ224と対向している。保持部221は、パネル100の端部を下方から支えるよう構成されている。
【0021】
パネル受け入れ部225の内部には、接着材229が充填されていてよい。これにより、パネル受け入れ部225は、パネル100の端部を受け入れた状態で、パネル100を保持することができる。
【0022】
接着材229は、フレーム220の延在方向においてパネル受け入れ部225全体に設けられていてもよく、フレーム220の延在方向におけるパネル受け入れ部225の一部の領域のみに設けられていてもよい。接着材229は、熱可塑性樹脂を含む接着材であってよい。このような接着材として、例えばシリコーン系の接着材やブチルゴム系の接着材などが挙げられる。
【0023】
脚部222は、保持部221から、パネル100から離れる方に向かって延びていてよい。すなわち、脚部222は、パネル受け入れ部225から、光電変換モジュールの裏側へ向かって延びていてよい。
【0024】
フレーム220は、中空部222hと、中空部222hを取り囲む壁部222a,222bと、を有している(図2及び図5参照)。中空部222hは、フレーム220の延在方向に沿って延びている。本実施形態では、中空部222hを取り囲む壁部222a,222bは、脚部222に設けられている。
【0025】
具体的には、中空部222hを取り囲む壁部、すなわち脚部222の構成する壁部は、光電変換モジュール10の外側に露出する外壁部222aと、光電変換モジュールの内側に向いた内壁部222bと、を有していてよい。外壁部222a及び内壁部222bは、保持部221から光電変換モジュールの裏側へ向かって延びていてよい。中空部222hは、外壁部222aと内壁部222bとの間の空間によって規定される。
【0026】
脚部222は、パネル100から最も遠いところでパネルの表面に沿った方に曲げられた端部222cを含んでいてよい。端部222cは、外壁部222aから光電変換モジュールの内側の方へ向かって、内壁部222bを超えて延びていてよい。
【0027】
脚部222の外壁部222aは、フレーム220の両端部のところで、隣接するフレーム220の外壁部222aと当接する(図1及び図4参照)。互いに隣接するフレーム220どうしが連結されているとき、フレーム220の中空部222hどうしは、位置合わせされて互いに連通する。
【0028】
光電変換モジュール10は、互いに隣接するフレーム220どうしを連結する連結具300を有する(図3図5及び図6参照)。連結具300は、フレーム220の中空部222hに挿入可能な形状を有する。具体的には、連結具300は、互いに隣接するフレーム200の両方の中空部222hにわたって挿入されている。連結具300は、パネル100の表面に直交する方向から見てL字形に曲げられていてよい。
【0029】
連結具300は、互いに隣接するフレーム200の両方の中空部222hに圧入されていてよい。これにより、互いに隣接するフレーム200は、連結具300によって互いに連結される。図6に示すように、連結具300は、中空部222hを取り囲む壁部、図示した態様では内壁部222bに圧接する複数の凸部310を有していてもよい。
【0030】
連結具300が凸部310を有する場合、内壁部222bは、必須ではないが、凸部310と係合する不図示の凹部を有していてもよい。
【0031】
光電変換モジュールの構成について図面を参照しつつ説明した。光電変換モジュールの構成は、上述した構成に限らず、以下の解体方法が適用できる限り、種々変更可能であることに留意されたい。
【0032】
[光電変換モジュールの解体方法]
[第1実施形態]
次に、図7から図10を参照し、光電変換モジュールの解体方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る破断ステップを説明するための模式図である。図8は、第1実施形態に係るフレーム分離ステップを説明するための模式図である。図9は、図8に続く状態を説明するための模式図である。図10は、フレーム分離ステップにおいてフレームへ外力を加える位置の例を説明するための模式図である。
【0033】
光電変換モジュールの解体方法は、必要に応じて実行する前処理ステップと、破断ステップと、フレーム分離ステップと、を有していてよい。光電変換モジュールの構成については前述したとおりである。
【0034】
(前処理ステップ)
まず、解体すべき光電変換モジュールを準備する。光電変換モジュールに備えられた端子ボックスのような付属品は、必要に応じて、予め取り外しておいてよい。この代わりに、当該付属品を取り外すことなく後述するステップを実行してもよい。
【0035】
(破断ステップ)
破断ステップでは、フレーム220の中空部222hを取り囲む壁部を破断することによって連結具300を取り出す(図7参照)。第1実施形態では、破断ステップは、中空部222hに挿入された連結具300のまわりの外壁部222aを破断することを含む。これにより、中空部222hが外部に露出するため、中空部222h内の連結具300を取り出すことができる。
【0036】
より詳細には、図7に示すように、フレーム220の内壁部222bは破断せず、外壁部222aのみが破断される。フレーム構造体200の各々の角部について、フレーム220の外壁部222aを破断することによって、すべての連結具300が取り出されることが好ましい。フレーム220の破断は、例えば、ドライバー、ペンチ、穴あけ工具、カッターなどの工具によって実施できる。
【0037】
破断ステップは、フレーム220の中空部222hを取り囲む壁部のうち、連結具300が挿入されている領域とその周囲の領域が破断されることが好ましい。より詳細には、破断される領域は、連結具300が挿入されている領域(図3の符号A1)と当該領域A1から所定の距離の領域(図3の符号A2)の範囲内であってよい。すなわち、図3に示す領域A1とA2の領域の範囲内で中空部222hを取り囲む外壁部222aが破断されることが好ましい。ここで、所定の距離A2は、例えば5cm以下、好ましくは3cm以下の領域であってよい。
【0038】
連結具300が挿入されている領域とその周囲の領域のみが破断される場合、中空部222hを取り囲む壁部の破断に要する作業がなるべく簡易になるというメリットが得られる。また、フレーム220の破断領域をなるべく小さくすることによって、フレーム220の全体的な強度がそれほど低下せず、後述するフレーム分離ステップにおいて、フレーム220をパネル100から取り外し易くなる。
【0039】
(フレーム分離ステップ)
フレーム分離ステップでは、破断ステップの実施後にフレーム220に外力を加えることによってパネル100からフレーム220を外す。具体的には、フレーム220の保持部221がパネル100から離れる方に向かう力を受けるように、パネル100から離れる方向にフレーム220に外力Fを加える。連結具300が前述した破断ステップにおいて取り出されているため、連結具300が取り出されていない状態と比較すると、より小さな外力Fでフレーム200をパネル100から取り外すことができる。
【0040】
図8及び図9は、解体装置400を用いてフレーム220に外力Fを加える様子を示している。解体装置は、例えば、フレーム220を外側へ向けて押圧する押圧部410を有していてよい。
【0041】
図8及び図9に示すように、押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けて移動し、フレーム220の内壁部222bに当接する。押圧部410は、光電変換モジュール10の中心から外側へ向けてさらに移動し、フレーム220の内壁部222bを外側へ向けて押圧する。この外力Fにより、フレーム220が、パネル100から外れる(図9参照)。なお、押圧部410は、手動により稼働するものであってもよく、自動的に稼働するものであってもよい。
【0042】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222のうち、パネル100に直交する方向において、パネル100から最も遠い脚部222の端部222cと脚部222のパネル受け入れ部225との中間よりも、パネル受け入れ部225に近い位置に加えられることが好ましい。
【0043】
もし、外力が、パネル100から最も遠い脚部222の端部222c付近に加えられると、フレーム220はパネル受け入れ部225付近を中心として回転するような力を受ける。これにより、パネル受け入れ部225付近のパネル100は、フレーム220のフランジ224から折り曲げられる方向に力を受ける。そのため、パネル100が割れ、パネル100の一部が、パネル受け入れ部225に残存することがある。上記の態様では、外力Fは、脚部222のパネル受け入れ部225付近に加えられるため、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220から綺麗に分離され易い。このことは、光電変換モジュール10を構成する材料のリサイクルにとって有効である。
【0044】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、外力Fは、パネル100から最も遠い脚部222の端部222c付近に加えられてもよいし、高さ方向において脚部222の中央付近に加えられてもよい。
【0045】
フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、脚部222の外壁部222aを背板480で保持した状態で、脚部222の内壁部222bに加えられてもよい。背板480は、図8及び図9に示すように、少なくとも脚部222の外壁部222aに当接していてもよい。背板480は、脚部222の端部222c及びフランジ224に沿うように略U字形の形状であってもよい(図8及び図9参照)。
【0046】
背板480は、少なくとも外力Fが加えられる位置に設けられることが好ましい。背板480は、外力Fが加えられる位置から、フレーム220の一部が破断された領域にわたって設けられてもよい。フレーム220の一部が破断された領域の強度は低下しているため、外力Fが加わったときに、フレーム220がパネル100から外れることなく曲がってしまうことがある。フレーム220は背板480の利用によって曲がり難くなるため、フレーム220がパネル100から外れるように外力Fがしっかりとフレーム220にかかりやすくなる。
【0047】
背板480は、フレーム220を外側から支えることによって、外力Fによるフレーム220の回転を抑制するために用いられる。すなわち、背板480は、パネル受け入れ部225付近のパネル100が、フレーム220のフランジ224から折り曲げられる方向に力を受けることを抑制する。したがって、パネル100の割れが抑制され、パネル100の材料がフレーム220から綺麗に分離され易くなる。
【0048】
前述した態様の代わりに、パネル100が割れ難い場合には、フレーム分離ステップにおいて、背板480は不要である。
【0049】
次に、フレーム分離ステップにおいてフレーム220へ外力を加える位置の例を、図10を参照して説明する。フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、フレーム220の延在方向において、フレーム220の中心とフレームの端部との中間よりも、フレーム220の端部に近い位置に与えられることが好ましい。言い換えると、外力Fは、フレーム220の端部から、フレーム220の長さの1/4の長さの範囲(図10の符号L1の領域)に与えられることが好ましい。この場合、外力Fは、フレーム220の端部付近に作用する。
【0050】
より好ましくは、フレーム分離ステップにおいて、外力Fは、フレーム220の延在方向において、破断ステップによりフレーム220が破断された領域の外側の領域に与えられる。すなわち、外力Fは、フレーム220の延在方向においてフレーム220が破断されていない位置に与えられることが好ましい。この場合であっても、外力Fは、フレーム220の端部から、フレーム220の長さの1/4の長さの範囲L1に与えられることが好ましい。フレーム220が破断されていない位置は、フレーム220の強度があまり低下していない。そのため、外力Fが加えられたときに、フレーム220が曲がりにくいため、パネル100からフレーム220が外れ易い。
【0051】
外力Fは、フレーム220の一方の端部付近に加えられた後に、フレーム220のもう一方の端部付近に加えられてもよい。この場合、フレーム220の一方の端部付近がパネル100から外れた後に、フレーム220のもう一方の端部付近がパネル100から外れる。この代わりに、外力Fは、フレーム220の両端部付近に同時に加えられてもよい。
【0052】
前述した方法により、すべてのフレーム220をパネル100から取り外せばよい。また、上述した態様では、解体装置400の押圧部410によってフレーム220をパネル100から外している。この代わりに、可能であれば、人の手によってフレーム220をパネル100から取り外してもよい。
【0053】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光電変換モジュールの解体方法について図11を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係る破断ステップを説明するための模式図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0054】
第2実施形態において、破断ステップでは、フレーム220の、連結具300が挿入されている領域全体を切り取ることによって連結具300が取り出される。具体的には、フレーム220の角部付近の外壁部222a及び内壁部222bが切断されることによって、フレーム220の角部ごと連結具300が取り出される(図11参照)。このようなフレーム220の破断は、例えば、カッターのような切断装置によって実施できる。
【0055】
好ましくは、フレーム220の保持部221及びフランジ224は切断されない。これにより、破断ステップにおいて、パネル受け入れ部225に受け入れられているパネル100を割れが抑制される。
【0056】
第2実施形態においても、フレーム220の破断される領域は、第1実施形態と同様に、フレーム220の端部付近の領域であることが好ましい。この場合、外力Fは、フレーム220の延在方向においてフレーム220が破断されていない位置に与えられる。
【0057】
次に、フレーム分離ステップを実行する。フレーム分離ステップは、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。第2実施形態においても、連結具300は破断ステップにおいて取り出されているため、連結具300が取り出されていない状態と比較すると、より小さな外力Fでフレーム200をパネル100から取り外すことができる。
【0058】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0059】
例えば、破断ステップとフレーム分離ステップの間において、接着材229を加熱するステップを実行してもよい。接着材229の加熱により、フレーム分離ステップにおいて、より小さい外力Fでフレーム220をパネル100から取り外すことができる。
【0060】
また、破断ステップとフレーム分離ステップの間において、接着材229に切り込みをいれてもよい。接着材229に切り込みを入れることにより、フレーム分離ステップにおいて、より小さい外力Fでフレーム220をパネル100から取り外すことができる。
【符号の説明】
【0061】
10 光電変換モジュール
100 パネル
220 フレーム
222 脚部
222a 外壁部
222b 内壁部
222h 中空部
300 連結具
図1
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図11