(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041472
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】リフト装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/06 20060101AFI20230316BHJP
B62B 3/065 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B66F9/06 S
B62B3/065
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148867
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000126182
【氏名又は名称】株式会社をくだ屋技研
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】今村 保俊
【テーマコード(参考)】
3D050
3F333
【Fターム(参考)】
3D050AA13
3D050AA31
3D050BB06
3D050BB11
3D050BB23
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050HH04
3F333AA03
3F333AB07
3F333AE02
3F333BD02
(57)【要約】
【課題】荷台に載置される遊技機等の荷物を、台島等の搬送先のすぐ近くにまで搬送することができるリフト装置を提供する。
【解決手段】リフト装置1は、前後方向に延出する脚フレーム21と、脚フレーム21に取り付けられた前輪22および後輪23と、脚フレーム21から上方へ延出するマストフレーム24とを有するマスト部2と、マストフレーム24に昇降可能に支持される昇降フレーム31と、昇降フレーム31に支持され荷物Lを載置可能な荷台32とを有する荷受部3とを備え、荷台32は、昇降フレーム31から上方へ延びる第1支持フレーム321と、第1支持フレーム321の上下途中部から前方へ延びる第1荷台322と、第1荷台322の前部から下方へ延びる第2支持フレーム323と、第1荷台322の下方において第2支持フレーム323から前方へ延びる第2荷台324とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延出する脚フレームと、脚フレームに取り付けられた前輪および後輪と、脚フレームから上方へ延出するマストフレームとを有するマスト部と、
前記マストフレームに昇降可能に支持される昇降フレームと、前記昇降フレームに支持され荷物を載置可能な荷台とを有する荷受部とを備え、
前記荷台は、前記昇降フレームから上方へ延びる第1支持フレームと、前記第1支持フレームの上下途中部から前方へ延びる第1荷台と、前記第1荷台の前部から下方へ延びる第2支持フレームと、前記第1荷台の下方において前記第2支持フレームから前方へ延びる第2荷台とを有する、
ことを特徴とするリフト装置。
【請求項2】
前記荷台に取り付けられるケースと、前記ケース内に巻き取られた状態で収容され、巻き取り方向に付勢されているベルトとを有する荷締めリールを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記荷台は、前記第1支持フレームの左右一端部に位置する第1固定部と、前記第1支持フレームの左右他端部に位置する第2固定部とを備え、
前記荷締めリールは、前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方に着脱可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記荷物は遊技機である、
ことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のリフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を昇降可能なリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、前後方向に延出し前輪および後輪が設けられた基台と、基台に立設されるマストと、マストに昇降可能に支持され荷物を載置可能な荷受け部とを備え、荷受け部はマストに昇降可能に取り付けられる昇降フレームと、昇降フレームの下端部から前方へ延びる荷台とを有するリフト装置が知られている。
【0003】
このようなリフト装置は、重量物であるパチンコ台等の遊技機を、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置する際に用いられることがある。遊技機を台島に設置する際には、リフト装置の荷台に遊技機を載置して台島の前まで搬送し、台島の前に搬送された遊技機を持ち上げて台島に設置することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合、遊技場においては、台島の前の床面に椅子が固定されていることが多く、リフト装置を台島に近づく方向へ移動させると、遊技機を載置した荷台が台島の前の椅子と干渉するため、遊技機は椅子よりも台島から離れた位置までしか搬送することができなかった。従って、遊技機を人手によって台島に設置するまでの距離が長くなり、遊技機の台島への設置作業が重労働となっていた。
【0006】
そこで、本発明においては、荷台に載置される遊技機等の荷物を、台島等の搬送先のすぐ近くにまで搬送することができるリフト装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するリフト装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、リフト装置は、前後方向に延出する脚フレームと、脚フレームに取り付けられた前輪および後輪と、脚フレームから上方へ延出するマストフレームとを有するマスト部と、前記マストフレームに昇降可能に支持される昇降フレームと、前記昇降フレームに支持され荷物を載置可能な荷台とを有する荷受部とを備え、前記荷台は、前記昇降フレームから上方へ延びる第1支持フレームと、前記第1支持フレームの上下途中部から前方へ延びる第1荷台と、前記第1荷台の前部から下方へ延びる第2支持フレームと、前記第1荷台の下方において前記第2支持フレームから前方へ延びる第2荷台とを有する。
【0009】
これにより、リフト装置の荷台に載置される荷物を、搬送先のすぐ近くにまで搬送することができ、荷物を荷台から搬送先へ容易に運びこむことができる。
【0010】
また、前記荷台に取り付けられるケースと、前記ケース内に巻き取られた状態で収容され、巻き取り方向に付勢されているベルトとを有する荷締めリールを備える。
【0011】
これにより、荷台に載置した荷物の荷締め作業を、一人の作業者による作業で容易に行うことができる。
【0012】
また、前記荷台は、前記第1支持フレームの左右一端部に位置する第1固定部と、前記第1支持フレームの左右他端部に位置する第2固定部とを備え、前記荷締めリールは、前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方に着脱可能に取り付けられる。
【0013】
これにより、荷台に載置した荷物の荷締め作業を行う際に、作業の行い易さや、作業スペース等の作業環境に応じて、荷締めリールの取り付け位置を第1固定部および第2固定部から適宜選択することができ、荷締め作業を容易にすることができる。
【0014】
また、前記荷物は遊技機である。
【0015】
これにより、重量物である遊技機の搬送先への設置作業に要する労力を、効果的に軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リフト装置の荷台に載置される荷物を、搬送先のすぐ近くにまで搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】(a)は荷締めリールの一面側を示す図であり、(b)は荷締めリールの他面側を示す図である。
【
図5】第2荷台に載置した荷物をベルトにより荷締めた状態のリフト装置を示す斜視図である。
【
図6】第1荷台および第2荷台に載置した荷物をベルトにより荷締めた状態のリフト装置を示す斜視図である。
【
図7】台島の前に移動させたリフト装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0019】
以下の説明においては、
図1における「左側」、「右側」、「紙面奥側」、および「紙面手前側」を、それぞれポータブルリフター1の「後側」、「前側」、「左側」、および「右側」と規定する。また、
図1における「上側」及び「下側」を、それぞれポータブルリフター1の「上側」及び「下側」と規定する。
【0020】
図1~
図3に示すリフト装置1は、本発明に係るリフト装置の一実施形態であり、マスト部2と、荷受部3と、昇降装置5と、荷締めリール6とを備えている。
【0021】
マスト部2は、脚フレーム21と、前輪22と、後輪23と、マストフレーム24と、ハンドル25とを有している。
【0022】
脚フレーム21は、全体的に前後方向へ延出するフレーム部材である。脚フレーム21は、前後方向へ向けて延出する左右一対の前部脚フレーム211と、左右方向に延出し一対の前部脚フレーム211の後端部を連結する連結フレーム212と、連結フレーム212の左右端部から後方へ延出する左右一対の後部脚フレーム213とを有している。
【0023】
前輪22は前部脚フレーム211の前端部に取り付けられており、後輪23は後部脚フレーム213の後端部に取り付けられている。マスト部2は、前輪22および後輪23によって走行可能に構成されている。
【0024】
マストフレーム24は、全体的に上下方向へ延出するフレーム部材である。マストフレーム24は、脚フレーム21の連結フレーム212から上方へ延出する左右一対の縦フレーム241と、左右方向に延出して一対の縦フレーム241の上端部を連結する上フレーム242と、左右方向に延出して一対の縦フレーム241の上下方向における途中部を連結する途中フレーム243とを有している。縦フレーム241は、後部脚フレーム213の左右内側に配置されている。
【0025】
ハンドル25は、マストフレーム24における左右の縦フレーム241に設けられており、縦フレーム241から後方かつ左右外側へ突出している。ハンドル25は、縦フレーム241の上部に支持されている。ハンドル25は、リフト装置1を走行操作するときに作業者により把持される把持部である。
【0026】
荷受部3は、マストフレーム24に昇降可能に支持されており、昇降フレーム31と、荷台32とを有している。昇降フレーム31は、マストフレーム24の縦フレーム241に昇降可能に支持されている。荷台32は、昇降フレーム31に支持されており、荷物を載置可能に構成されている。
【0027】
荷台32は、昇降フレーム31に支持され、昇降フレーム31から上方へ延びる左右一対の第1支持フレーム321と、第1支持フレーム321の上下途中部から前方へ延びる左右一対の第1荷台322と、第1荷台322の前端部から下方へ延びる左右一対の第2支持フレーム323と、第2支持フレーム323の下端部から前方へ延びる第2荷台324と、左右の第2支持フレーム323の上端部に取り付けられるフック用金具325とを有している。
【0028】
右方の第1支持フレーム321の上端部には、右方に突出する板状の第1固定部326aが形成されており、左方の第1支持フレーム321の上端部には、左方に突出する板状の第2固定部326bが形成されている。つまり、荷台32は、第1支持フレーム321の左右一端部となる右端部に位置する第1固定部326aと、第1支持フレーム321の左右他端部となる左端部に位置する第2固定部326bとを備えている。第1固定部326aおよび第2固定部326bは、鋼板等の磁性体により形成されている。
【0029】
第1荷台322は、昇降フレーム31の上方において第1支持フレーム321から前方へ延出していて、フォーク形の荷台に構成されている。第2荷台324は、第1荷台322の下方において第2支持フレーム323から前方へ延びている。第2荷台324は板状に形成されており、前端部の左右端部にそれぞれフック孔324aを有している。第1荷台322および第2荷台324には、それぞれ荷物を載置可能となっている。
【0030】
荷受部3においては、昇降フレーム31と、荷台32の第1支持フレーム321、第1荷台322、および第2支持フレーム323とによって囲まれた空間Sが存在している。空間Sは下方が開放されている。
【0031】
第1荷台322および第2荷台324に載置する荷物としては、例えばパチンコ台およびパチスロ台等の遊戯機を挙げることができる。パチンコ台およびパチスロ台等の遊戯機は重量物であるため、リフト装置1を用いて搬送することで、遊戯機の搬送にかかる労力を軽減することが可能となる。
【0032】
昇降装置5は、油圧ベース51と、油圧シリンダ52と、スプロケット53と、チェン54と、操作ペダル55と、操作レバー56とを有している。油圧ベース51は、連結フレーム212上に設けられており、油圧シリンダ52への送油方向を切り替える切替バルブおよび作動油を圧送する油圧ポンプ等を収容している。
【0033】
油圧シリンダ52は、油圧ベース51の上面に立設されており、伸縮可能なピストンロッド52aを有している。スプロケット53はピストンロッド52aの上端部に取り付けられており、スプロケット53にはチェン54が架け渡されている。チェン54の一端部はマストフレーム24の途中フレーム243に接続され、チェン54の他端部は荷受部3の昇降フレーム31が有する支持部311に接続されている。操作ペダル55は油圧シリンダ52の下端部に支持されており、操作レバー56は油圧ベース51に支持されている。
【0034】
昇降装置5においては、操作ペダル55を上下回動操作することにより、油圧ベース51内の油圧ポンプが作動されて圧油が油圧シリンダ52に送油され、ピストンロッド52aが伸長する。ピストンロッド52aが伸長すると、スプロケット53に架け渡されているチェン54が上方へ引き上げられて、チェン54に接続される荷受部3が上昇する。
【0035】
また、操作レバー56を下降側に操作して油圧ベース51内の切替バルブを切り替えると、油圧シリンダ52内の作動油が油圧シリンダ52内の作動油タンクに送油されて、ピストンロッド52aが縮小する。ピストンロッド52aが縮小すると、チェン54とともに荷受部3が下降する。
【0036】
荷締めリール6はマストフレーム24に取り付けられており、ケース61と、ベルト62と、フック63とを有している。ケース61は、マストフレーム24の第1固定部326aまたは第2固定部326bに取り付けることが可能であり、本実施形態においては第1固定部326aに取り付けられている。ベルト62は、ケース61内に巻き取られた状態で収容されており、ケース61内においてゼンマイばね等の付勢部材により巻き取り方向に付勢されている。
【0037】
図4に示すように、ベルト62の先端部62aは、ケース61の上端部から外部に露出しており、ベルト62の先端部62aにはフック63が取り付けられている。ベルト62は、付勢部材の付勢力に抗してケース61から外部に引き出すことが可能である。フック63は、第2荷台324のフック孔324aに係止可能である。また、フック63は、荷台32のフック用金具325に係止可能である。
【0038】
図5に示すように、例えば、荷台32の第2荷台324に荷物Lを載置した状態で、第1固定部326aに取り付けられた荷締めリール6からベルト62を引き出し、ベルト62を荷物Lに掛けた後に、第2荷台324のフック孔324aにフック63に係止させることで、第2荷台324に載置した荷物Lをベルト62によって荷締めることができる。
【0039】
荷台32の第1荷台322に荷物Lを載置した場合も同様に、第1固定部326aに取り付けられた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を第2荷台324のフック孔324aに係止させることで、荷物Lを荷締めることができる。
【0040】
また、
図6に示すように、荷台32の第1荷台322および第2荷台324に荷物Lを載置した状態で、第1固定部326aに取り付けられた荷締めリール6からベルト62を引き出し、ベルト62を荷物Lに掛けた後に、第2荷台324のフック孔324aにフック63に係止させることで、第1固定部326aに載置した荷物Lおよび第2荷台324に載置した荷物Lをベルト62によって荷締めることができる。
【0041】
リフト装置1においては、本実施形態のように、荷台32に載置した荷物L(第1荷台322に載置した荷物L、第2荷台324に載置した荷物L、または第1荷台322と第2荷台324とに載置した荷物L;以下同様)を荷締める際に、右側の第1固定部326aに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における左側のフック孔324aに係止することができる。また、荷台32に載置した荷物Lを荷締める際には、右側の第1固定部326aに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における右側のフック孔324aに係止することができる。
【0042】
さらに、荷台32に載置した荷物Lを荷締める際には、左側の第2固定部326bに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における右側のフック孔324aに係止することができる。また、荷台32に載置した荷物Lを荷締める際には、左側の第2固定部326bに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における左側のフック孔324aに係止することができる。
【0043】
また、リフト装置1においては、荷締めリール6を第1固定部326aおよび第2固定部326bの両方に取り付けることができる。この場合、例えば右側の第1固定部326aに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における左側のフック孔324aに係止するとともに、左側の第2固定部326bに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における右側のフック孔324aに係止して、荷台32に載置した荷物Lを荷締めることができる。
【0044】
さらに、右側の第1固定部326aに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における右側のフック孔324aに係止するとともに、左側の第2固定部326bに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、第2荷台324における左側のフック孔324aに係止して、荷台32に載置した荷物Lを荷締めることができる。
【0045】
また、リフト装置1においては、第1荷台322に荷物Lを載置した場合、第1固定部326aまたは第2固定部326bに取り付けた荷締めリール6から引き出したベルト62のフック63を、荷台32のフック用金具325に係止することで、荷物Lを荷締めることができる。この場合、荷締めリール6を第1固定部326aまたは第2固定部326bに取り付ける際の左右の位置と、フック63をフック用金具325に係止する際の左右の位置との組み合わせは任意の組み合わせとすることができる。
【0046】
図4(a)に示すように、ケース61の一面61Aには、ロックレバー64、増し締めハンドル65、リリースボタン66が配置されている。ロックレバー64を操作することで、ケース61から引き出したベルト62の引き出し状態を固定することが可能である。増し締めハンドル65を操作することで、引き出したベルト62を増し締めハンドル65の操作量に応じて巻き戻すことが可能である。リリースボタン66を操作することで、引き出し位置が固定されたベルト62のロック状態を解除して、ベルト62の引き出しおよび巻き戻しを行うことが可能となる。
【0047】
荷台32に載置した荷物Lを荷締める際には、例えば荷締めリール6からベルト62引き出してフック63をフック孔324aに係止させた後に、ロックレバー64を操作して、ベルト62の引き出し状態を固定する。これにより、荷台32に載置した荷物Lのベルト62による荷締め状態を保持することができる。また、ロックレバー64によりベルト62の引き出し状態を固定した後に、増し締めハンドル65を操作することでベルト62を増し締めすることができ、荷物Lの荷締め度合いを高めることができる。
【0048】
さらに、ベルト62により荷締めた荷物Lをリフト装置1から積み下ろすときには、リリースボタン66を操作してベルト62のロック状態を解除した後に、ベルト62のフック63をフック孔324a等から取り外すことで、ベルト62を付勢部材の付勢力によって自動的にケース61内に巻き戻すことが可能となる。
【0049】
このように、リフト装置1においては、荷締めリール6からベルト62を引き出してフック63をフック孔324a等に係止させることで、荷台32に載置した荷物Lを荷締めることができるが、荷締めリール6から引き出されるベルト62は付勢部材により巻き取り方向に付勢されているため、荷物Lに掛け渡された引き出したベルト62が緩むことを抑制できる。従って、荷台32に載置した荷物Lの荷締め作業を、例えば載置した荷物Lを一方の手で押さえながら、他方の手で荷締めリール6からベルト62を引出してフック孔324a等に係止させるといったような、一人の作業者による作業で容易に行うことが可能となる。
【0050】
図4(b)に示すように、ケース61における一面61Aとは反対側の他面61Bには、マグネット67が装着されている。一方、マストフレーム24の第1固定部326aおよび第2固定部326bは磁性体により形成されており、荷締めリール6は、マグネット67によって第1固定部326aまたは第2固定部326bに着脱可能に取り付けることが可能となっている。従って、作業者は、荷台32に載置した荷物Lの荷締め作業を行う際に、作業の行い易さや、作業スペース等の作業環境に応じて、荷締めリール6の取り付け位置を第1固定部326aおよび第2固定部326bから適宜選択することができ、荷締め作業を容易にすることができる。
【0051】
図7に示すように、リフト装置1を、例えば遊技機を遊技場に設けられた台島7の設置棚71に設置する際に用いる場合、遊技機である荷物Lが荷台32に載置されたリフト装置1を台島7の前まで移動した後に、荷物Lを荷台32から持ち上げて台島7の設置棚71に設置することが行われる。
【0052】
遊技場においては台島7の前の床面に椅子8が固定されていることが多いが、台島7の前に床面に固定された椅子8があった場合でも、リフト装置1は荷受部3に空間Sを有しているため、リフト装置1を台島7の前まで移動させる際に、空間Sの中に椅子8の背もたれ81を位置させることで、リフト装置1の荷受部3と椅子8とが干渉することを抑制できる。
【0053】
従って、リフト装置1の荷台32に載置される荷物Lを、搬送先である台島7のすぐ近くにまで搬送することができ、荷物Lを荷台32から台島7の設置棚71へ容易に運びこんで設置することが可能となる。これにより、荷物Lの設置棚71への設置作業に要する労力を軽減することができる。特に、荷物Lが重量物である遊技機であった場合には、労力の軽減を効果的に図ることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 リフト装置
2 マスト部
3 荷受部
6 荷締めリール
21 脚フレーム
22 前輪
23 後輪
24 マストフレーム
31 昇降フレーム
32 荷台
61 ケース
62 ベルト
321 第1支持フレーム
322 第1荷台
323 第2支持フレーム
324 第2荷台
326a 第1固定部
326b 第2固定部
L 荷物